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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

姉と弟

今日は「悪つく」の第二弾です。
まるでドラ○もんの道具を悪用するの○太君のようですが、実際にこんなセットがあったらいいと思うのは私だけ?

2、
『改造獣をご使用になるときには転送室へ連れて行き転送をしてください』
パソコンの画面に表示が出る。
翔は今まで気がつかなかった感情にドキドキしながら、ハエ女に転送室へ向かうように指示を出した。
翔の言葉はどういう理由か司令室の壁のレリーフから聞こえるらしく、ハエ女はレリーフに一礼すると転送室へ向かう。
ハエ女が転送室に入り気を付けをすると、再びパソコンに文字が映し出される。
『転送の準備が整いました。転送しますか?:はい/いいえ』
はいでクリックする。
するとハエ女の躰が光に包まれ消えて行き、換わりに翔の部屋に大きくなった姿のハエ女が現れた。
改めて翔はハエと融合し改造獣となった母親をじっくりと眺めた。
綺麗だったお母さん・・・
口やかましかったけれど優しかったお母さん・・・
でも・・・
それがいまや改造獣として翔の前に立っている。
巨大な複眼と額から伸びる触角。
口元だけは人間のままなのが余計に美しく思える。
肩までの黒髪もそのままだが、首から下は黒と緑色の混じった皮膚に硬く短い毛が生えていた。
両手の先は形は人間のままだが鋭い爪が生えていて、両脚はハイヒールのブーツでも履いたように形が変わっていた。
背中には薄く透明な翅が生え、まさしくハエ女に相応しい姿をしている。
美しい・・・
翔は本気で今の母親のすがたを美しいと思っていた。
特撮に出てくる怪人たちの中には魅力的な者も居て、翔はそういった怪人が大好きだったけれど、このハエ女はそれらにまったく負けないほど魅力的だった。
「綺麗だ・・・お母さんとても綺麗だよ・・・」
「キキキキキキ。私は首領様にお使えする改造獣ハエ女。もはや母親などではございませんですわ」
微笑むハエ女。
「そ、そうだったね。僕は首領なんだから、ハエ女は僕の言いなりになるんだ・・・」
翔はドキドキしながらも自分を首領であると言い聞かせる。
「はい、首領様。何なりとご命令を」
深々と頭を下げるハエ女。
「そ、そうだな・・・な、何をしてもらおうか・・・」
翔は考えるが、取り立ててしなければならないことは何だろうかと思う。
何を・・・
ぐう・・・
お腹が鳴る。
あれ?
そういえばもう午後の五時に近い。
「ま、まずは食事を作ってもらおうか。作れるよね?」
何となく命令というよりお願いになってしまう。
「キキキキ・・・もちろんです、首領様。お好きなハンバーグをお作りいたしますわ」
ハエ女がにっこりと微笑む。
「そ、それじゃ頼む。美味しいハンバーグを作れ」
「キキキキ、かしこまりました、首領様」
ハエ女はくるりと身を翻すと台所へ向かって部屋を出て行った。

「はあ・・・すごいや・・・」
ハエ女が出て行ったあとで、翔は改めてセットを見下ろした。
こんなおもちゃは見たこと無い。
いや、ただのおもちゃじゃない。
お母さんをあんなふうに改造しちゃうなんておもちゃにできるはずが無い。
でも・・・
そんなことはどうでもいいや。
僕はこれで好きなように生きるんだ。
僕が作った悪の組織イレースが日本を支配するんだ。
このセットはそのために僕に神様が与えてくれたんだ。
僕は首領様なんだから好きなようにしていいんだ。
そう思うと自然に笑いがこみ上げてくる。
翔は椅子に深々と腰掛けて満足感を味わっていた。

「でも、次はどうしたらいいんだろう・・・それにそろそろお姉ちゃんが帰ってくるなぁ」
翔には姉が居た。
高校一年生になる姉で、翔とは違って友人も多く、体操部で部活動もしているため帰りが遅いのだ。
翔はパソコンの画面を見る。
『チュートリアルを続けますか?:はい/いいえ』
はいでクリック。
すると画面上に一人の女性が現れた。
黒いマントを羽織って、レオタードを着た妖艶な美女。
金色の髪が長く、手にはムチを持っている。
「あ、あれ?」
翔は驚いた。
今までこんな画面はでてこなかったのに・・・
『こんにちは、首領様』
画面の美女がにっこりと微笑む。
『私はエミー。首領様はすでに改造獣を手に入れ、悪の組織としての第一歩を踏み出されました。これからは私が首領様の片腕としてアドバイスをさせていただきますわ。よろしくお願いいたします、首領様』
エミーと名乗った画面の女性はそう言って片膝をつく。
『エミーを使用しますか?:はい/いいえ』
「うわ、どうしよう・・・」
翔は迷った。
確かに悪の組織に幹部は必要かもしれない。
特撮にでてくる悪の組織には美女が幹部として出てくることも多い。
迷った挙句に翔ははいを選んだ。
『ありがとうございます首領様。やはり組織にとって必要なのは兵力ですわ。戦闘員を量産されることをお薦めいたします』
エミーはすくっと立ち上がると画面の端へ移動し、開いたスペースに戦闘員の概要を表示する。
「戦闘員?」
そこには改造室の隣にあるさまざまな生物を使って戦闘員を量産するカプセルが表示され、基本形が示されていた。
『ごらんのように戦闘員は手に入りやすい素材でお作りすることをお薦めいたしますわ。飛行生物型、四足歩行生物型、二足歩行生物型と基本形は取り揃えてありますので、首領様はただお選びいただくだけで結構でございます』
エミーの示す表示を翔は見る。
「戦闘員か・・・簡易改造型の改造獣と言ってもいい存在・・・手軽に作れるだけに戦闘力は改造獣の比ではないが、集団戦闘による戦闘力は侮れない・・・か。いいぞぉ」
以前の悪の組織にはこういった雑魚が重要な戦力として配置されていたはずだった。
最近の特撮には無いけど、翔はビデオで見て結構気に入っていたのだった。
「二足歩行タイプで行こうっと」
翔はもう決めていた。
悪の組織は人間を改造して戦闘員にするのだ。
だから翔も人間を改造することに決めていた。
「でもお姉ちゃんは戦闘員にはしない。お姉ちゃんは・・・ふふふ」

「ただいまー」
「「お邪魔しまーす」」
階下から複数の声が響いてくる。
どうやらお姉ちゃんが友人を連れてきたみたいだ。
翔は嬉しくなった。
戦闘員にする人間が向こうから来てくれたのだ。
幸運に違いない。
翔は転送機を用意して、部屋を出る。
階段から下を見ると玄関に三人の女子高校生が鞄を持って立っていた。
姉の友人の甲原玲奈(かんばら れな)と四坂澪(しさか みお)、それに瑞原明音(みずはら あきね)の三人である。
姉の恵美(めぐみ)は台所に向かっているらしい。
きっとすぐに悲鳴が上がるかもしれないので、翔は部屋に戻って急いでパソコンに名前を打ち込む。
玄関にいる三人は翔にも顔見知りで、いつも姉と一緒に遊びに来る人たちだ。
「甲原玲奈、四坂澪、瑞原明音・・・と」
パソコンに名前を打ち込み、レンズ状の装置を手に取る翔。
この三人は戦闘員として組織の一員に迎えてやろう。
翔はわくわくしながら階下の三人にレンズ状の転送機を向けた。
「キャー!」
台所で上がる悲鳴。
三人がぎょっとした瞬間、転送機が光り輝き三人の女子高生を飲み込んでいった。

「ただいまー。友達を・・・」
恵美の声が凍りつく。
台所で包丁を握っていたのは不気味な生物であり、それが振り向いて微笑んだのだ。
「キキキキ、お帰りなさい。恵美」
巨大な複眼と額に生えた触角。
背中には透明な薄い翅。
黒と緑に包まれ、硬い毛の生えた皮膚。
ハエと人間が混じったような化け物がそこにはいたのだ。
「キャー!」
恵美は思わず悲鳴を上げていた。
「あ、あああ・・・ば、化け物・・・」
後ずさり壁に背中を付ける恵美。
「キキキキキ、失礼ね。化け物だなんてひどいわ」
笑みを浮かべてゆっくりと近づくハエ女。
「あああ・・・お母さん・・・お母さんをどうしたの?」
あまりの恐怖にへたり込んでしまう恵美。
その顔は引きつっている。
「キキキキ、心配はいらないわ。お母さんはイレースの改造獣にしていただいたの。見て、この素敵な躰。最高なのよ。ホホホホ・・・」
口元に手の甲を当てて笑うハエ女。
その仕草は以前聖子がよくしていたものだ。
「か、改造?」
「キキキキ、そうよ。とても素敵なのよ。あなたをどうするのか首領様にお伺いしなければね」
ハエ女は恐怖のあまり動けないでいる恵美の首を掴みあげる。
「あ、あががが・・・」
すごい力で持ち上げられ、足をじたばたさせる恵美。
「キキキキ、少し眠っていなさい」
右手に少し力を入れ血流を制御するハエ女。
やがて恵美はくたっとなり気を失ってしまう。
「キキキキ、首領様にお届けしなくちゃね」
そう言ってハエ女は恵美を抱きかかえると二階の翔の部屋へ向かった。

「ハッ」
ひんやりとした風に目を覚ます恵美。
「こ、ここは?」
躰を起こそうとするが、何か枷のようなものを嵌められていて手足が動かせない。
「ああ、そ、そんな・・・」
首をまわして両手を見ると、手首のところが固定されていた。
「だ、誰か・・・誰か助けてぇ!」
「おとなしくしてよ、お姉ちゃん」
どこからか翔の声が聞こえる。
「し、翔? 翔なの? 聞いて、お母さんが・・・お母さんが化け物に・・・」
「失礼だなぁ、お姉ちゃんは。ハエ女が聞いたら気分を悪くするよ」
恵美の上から覗きこんでくる巨大な翔の顔。
「いやぁぁぁぁぁ!」
恵美の悲鳴が上がる。
「ふふふふ・・・僕はイレースの首領なんだよ、お姉ちゃん」
得意げな翔の顔。
それは恵美にある意味恐怖を感じさせる。
「しゅ、首領? 翔が?」
「そうさ。そして僕がお母さんを改造してあげたんだ。今じゃお母さんは僕の忠実な改造獣に生まれ変わったんだよ」
「く、狂ってる・・・翔、あなた気が狂ったんじゃないの?」
恵美は何とか逃げ出そうと必死に身をよじる。
しかし手足の固定はびくともしない。
「狂ってなんかいないよ。僕は日本を支配するんだ。僕が作ったイレースが日本を支配するんだよ」
翔のそばにはうっとりとした笑みを口元に浮かべたハエ女が寄り添っていた。
「ば、馬鹿言ってないで離してよ! いい加減にして!」
「ふふふふ・・・おねえちゃんもすぐにわかるよ。これからお姉ちゃんも改造獣にしてあげるからね」
翔が笑う。
「か、改造獣?」
恵美の顔色が蒼白になった。


沙弥香 さんの投稿:
さすが、舞方さん、前日と今日のタイトルが対を成していますね。
前フリだったワケですねww
それにしても今回の怪人さんは最高です!
脳改造とかしていないのに悪堕ち!
しかもちゃんと母親のときの記憶が残っているなんてもうたまりませんわ!
この調子でお姉さんもステキな改造獣にしちゃってくださいね!
2 月 14 日

漆黒の戦乙女 さんの投稿:
次のターゲットが決まりましたねw
改造獣と戦闘員が手に入るわけで…そういえば、人間の姿への擬態ってできるんですかね?さすがに買い物とか、学校とかそういうのをカバーできないとまずそうな感じがしてるんですが

2 月 14 日

舞方雅人 さんの投稿:
>沙弥香様
期せずしてそうなってしまいました。
狙ったわけではないんですけどね。(笑)
恵美ちゃんの改造はツボに嵌まりましたでしょうか?
楽しんでいただければ幸いです。

>漆黒の戦乙女様
人間体への擬態は考えて無かったです。
もう改造獣としての意識しかありませんし、買い物をさせるつもりも学校へ行かせるつもりも無かったのもですから。(笑)
必要物資はもちろん強奪。
抵抗するものはもちろん抹殺ですよー。
2 月 15 日
  1. 2006/02/13(月) 22:45:15|
  2. 悪の組織を作ろう
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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