アメリカ合衆国の工業力のすさまじさは、いまさら述べる必要もないわけですが、戦時急造艦艇においてはとりわけその能力が発揮されているように思われます。
先日「世界の艦船」増刊の「アメリカ護衛艦史」を手に入れたのですが、その記述によれば、1941年度から1943年度の間に計画された護衛駆逐艦(DE)は1005隻。
そのうち実際に建造され、完成したのが563隻。
563隻ですよ。
その数たるや、まさしくアメリカの底力を見せ付けるようではないですか。
その数ある護衛駆逐艦のうちの一種類が「バックレイ」級です。
バックレイ級は154隻が計画され、一隻も欠けることなく全艦が就役しました。
そのうちの46隻はイギリスに貸与され、6隻は最初から護衛駆逐艦ですらなく、高速輸送艦として完成しています。
ハリウッド映画「眼下の敵」でも登場し、Uボートと死闘を繰り広げているので、見たことのある方もいるでしょう。
このうちの一隻、DE635「イングランド」はわずか13日間のうちに、日本海軍の潜水艦を6隻も撃沈すると言う戦果を上げました。
日本の潜水艦は、確かにUボートに比べて探知しやすかったのは間違いないでしょうが、それにしても6隻もの撃沈というのは他に例を見ません。
アメリカの護衛駆逐艦が単なる数ではなく、確かな戦力となっていたことの証なんでしょうね。
制空権も制海権もなくなった日本及びドイツが相手ではありましたが、154隻のうち戦没艦がわずかに4隻しか無いというのが生残性の高さを示しているといえましょう。
戦後も中小国海軍に売却、あるいは貸与され、その中心戦力として活躍したようです。
戦時急造とはいえ、きちんと作られていたということなんでしょうね。
それではまた。
grendy さんの投稿:
ただいま帰宅しました~激励のお言葉、どうもありがとうございました。
戦艦ということで、思うところがあったので。
今日、車で江差方面を運転中に、日本海が見えました。
「ああ・・こんなにキレイな海に戦艦の1隻でもいたら、きっと自分は腰抜かしてしまうと思いました(笑)
海ってこんなに広かったっけ・・とか思いながら、同時に「こんなに海は広いけども、そこに現実離れしたものがあった時、人はどんな感想を抱くんだろうな・・」とかガラにもないことを思ってしまいました。
昔、海に戦艦の大群がいた時代があったわけで、その時代の事に少しだけ思いを馳せながら、運転しておりました。
それでは~。
1 月 27 日
空風鈴三頭兵 さんの投稿:
むむっ、ブログ若干仕様変更されてますね。なんかシルエットが写ると、「悪の組織の支部間の秘密通信」みたいでおもしろいですね。という事で投稿の名前もそれっぽくもじってみました。三等兵ですほんとは(笑)。ということで「趣味の世界支部の舞方大佐殿、よろしくでありまーす!」という事で。関係ない話ですいません。 アメリカの大戦の工業生産力ってすごいですよね。駆逐艦の数もさる事ながら「いち早く大艦巨砲主義に見きりをつけて駆逐・巡洋艦という多目的艦主体に切り替えた」アメリカの考え方ってのもさすがですよね。そうした事で取りまわしの良さもあって戦後の利用も出来た訳ですし。戦艦じゃこうはいきませんよね。もっとも戦艦命!な人には「これだからアメリカは・・・」って思えるんでしょうね(笑)。しかしほんとこう言う日米工業生産力比較見てると嫌になりますよね。商船改造とは言え空母50隻とか、シャーマン戦車4万両とか・・・。おまけに仰る通りそれらがやっつけじゃなくてそこそこきちんと作られてるというところがさらに・・・。戦没艦4隻ってのは凄い数字ですよね。ほかにも「F6Fの被撃墜数270」とかいうのもありますし・・・、どれだけワンサイドだったんでしょうね。今も昔もアメリカ式「圧倒的な物量で相手を粉砕!」ってのは変わりませんねー。湾岸での「イラク軍の破壊車両2千対M1の破壊数18両」なんて数字・・・。ゲームでもありえませんよね(笑)。
1 月 28 日
沙弥香(オフライン)さんの投稿:
なんかコメント欄のフォーマットが変わりましたね。
MSNのURL以外は貼れないみたい・・・
ところで、日本はこんなすごい国にケンカを売ったんですね。
いろいろ事情もあるのでしょうが・・・。
戦争は二度と起こしてはいけません。
舞方さんのSSでみんなで楽しんで平和になりましょう。
争いごとは嫌いです。
舞方雅人 さんの投稿:
>grendy様
お疲れ様でした。
ご無事で何よりでしたね。
江差方面なら開陽が浮いていてくれれば言うことないですね。
>空風鈴三頭兵様
シルエットだけで円卓会議などしているとまさしく悪の組織っぽいですね。(笑)
「F6Fの生残性は優れているようだねナンバー5」
「ナンバー8の提出されたT-34も造りやすいと評判ですなぁ」
なんて会話をしていたりして。(笑)
>沙弥香様
そうなんですよね。
国力の差は圧倒的でした。
それを知っていながら戦争に踏み切ったのは、おろかの一言で片付けられるものでもないでしょう。
しかしながら、踏みとどまる位置を間違えてしまったのは痛恨の極みでした。
戦争はするべきものではないですね。
1 月 28 日
- 2006/01/27(金) 22:39:42|
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