新谷かおる先生の描かれたマンガ「エリア88」をご存知な方はイスラエル空軍の戦闘機「クフィルC2」はご存知でしょう。
あのマンガの中ではサキ・ヴァシュタールの愛機として縦横無尽の活躍をした機体ですが、実際にイスラエル空軍の主力戦闘機として中東戦争では活躍をした機体なのですね。
もともとイスラエルはこのクフィルC2を実用化する予定はなかったと言っていいでしょう。
フランス政府がダッソー製のミラージュⅢをイスラエルに売却してくれていたので、イスラエルはこの手軽で高性能のデルタ翼機を主力として運用しておりました。
ただ、ヨーロッパで対ソ連製航空機を予測していたミラージュⅢは中東での運用には複雑な電子機器類が災いし、その稼動性は決して高くはないものでした。
そこでイスラエル政府はダッソー社にミラージュⅢの電子機器を簡易化して航続距離を増した戦闘機を提案し、ダッソー社もその提案に基づいたミラージュ5を製造してイスラエルに売却する予定でした。
しかし・・・
アラブ諸国の圧力によりフランスはイスラエルへの武器輸出を禁止してしまいます。
ダッソー社のミラージュ5はイスラエルではなく中小諸国が、あまり高い技術力を持たなくても運用できる超音速機として高い評価を受けてベストセラーとなりました。
イスラエルはミラージュ5を購入することができなくなったため、思い切った手段をとることにしました。
ミラージュ5を国産化することにしたのです。
一番の難点であるエンジンはアメリカのF-4ファントムのエンジンを使い、無理やりミラージュの機体に載せました。
アメリカのエンジンとフランスの機体がイスラエルで合体するというあいの子戦闘機ですが、予想外にいい機体に仕上がったクフィルC2はその後の中東戦争で活躍することになります。
のちにはアメリカが異機種間訓練用戦闘機としてイスラエルよりリースしてもらったりもしたのです。
アメリカからF-15や、F-16を供与されるようになったのちも、クフィルはC7へと発展し、イスラエルの空を護りました。
それにしても・・・
いったいイスラエルはアスラン王国に何機のクフィルを売却したのだろう。
マンガの中ではかなりの数がアスラン空軍によって使われていたようですが・・・(笑)
- 2006/01/06(金) 22:41:26|
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