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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

一人三役

昨日に引き続き、フランス崩壊について書こうと思います。
もちろんフランスがドイツに敗れたのはいろいろな要素が絡み合って発生したことであり、一面のハードやソフト面だけに起因するものでは有りません。

ですが、フランス軍がドイツの装甲師団に敗れた原因の一つとして、彼らの装備していた戦車の後進性に一面の理由があるのは否めない事実でしょう。

フランス軍は第一次世界大戦の時には有数の機械化部隊を装備しておりました。

戦車という兵器がイギリスで産声を上げた時も、彼らの作り上げた戦車というものはどちらかというと陸上を走る戦艦といったイメージの強いものでした。

その戦車を現在にまで至る車体と砲塔という基本デザインを完成させたのはフランス軍の開発したルノーFT型戦車だったのです。
車体の前方に操縦手が乗り、車体の後方にはエンジンを置き、車体中央部には砲塔が乗っかってそこに戦車長が乗り込むというルノーFT型のスタイルは、現在でも変わっていません。

その先進的な戦車を第一次世界大戦終了後のフランス軍は大量に装備しておりました。

一方第一次世界大戦の熾烈な塹壕戦はフランスの青年人口を恐ろしく激減させてしまいました。
フランスは以後人命を消費する戦争というものを極端に恐れるようになります。

そのため当時の陸軍大臣アンドレ・マジノが提唱した、国境に要塞を作ってドイツの侵攻を防ぐというコンセプトが受け入れられます。

莫大な予算をかけて構築されたマジノ要塞は、そのあおりで航空機や戦車といった兵器の近代化を恐ろしく阻害してしまいました。

加えて第一次世界大戦当時先進的だったルノーFT型戦車を大量に配備していた陸軍は、その先進性に胡坐を掻いたようなかたちとなり、以後の新型戦車もルノーFTの近代化改修バージョンのようなタイプとなってしまいました。

確かにルノーFT型戦車は当時としては優秀でしたが、最大級の弱点もまた併せ持っていたのです。

それは・・・一人用砲塔でした。

フランス軍の戦車はなんと、砲塔に一人分のスペースしか持たない戦車ばかりだったのです。

ドイツ軍はグデーリアンなどの戦車用兵に長けた軍人が、戦車を機動的に運用するには無線を装備し、かつそれぞれの役目に応じた乗組員がおのおのの任務を果たすことが大事だと考えておりました。
そのため、ドイツ軍の三号戦車や四号戦車は五人もの人間が乗り込んでいたのです。
戦車を操縦する操縦手。
無線を操作しながらいざというときには機銃を撃つ無線手。
砲に弾丸を装填する装填手。
照準を定めて砲を撃つ砲手。
周囲の状況を把握して戦車全体の指揮を取る戦車長。
これだけの人間が乗り込んでいたからこそ、ドイツ軍の戦車は有機的かつ効率的に戦場を駆け巡ることができたんですね。

一方フランス軍の戦車はまず無線を装備している戦車が極端に少なく、中隊クラスでも装備車両が無いなどということもざらだったようです。

ではどうやって戦車間の意思統一を図ったか・・・

手旗信号をハッチから出してそれで意思疎通を図ったんですね。
これでは戦闘中に指揮車両を見ていなくてはならず、不便この上なかったでしょう。

あまつさえ、先ほど述べたようにフランス軍の戦車は砲塔に一人しかいません。
つまり、その一人はまず指揮戦車の手旗信号を読み取り、次に周囲の状況を把握して操縦手に行動を命じ、主砲に弾を装填し、照準を合わせて砲を撃ち、場合によっては同軸機銃も射撃するという恐るべき忙しさだったのです。

当然そんな戦車が戦場で有効な働きはできません。
フランス軍の戦車は砲の口径や最高速度、装甲の厚さなどカタログデータでは決してドイツ軍の戦車に引けはとっていませんでした。
むしろ優れているとさえ思われていたのです。
ですが、結果は一方的でした。
フランス軍戦車は戦場でなんら働くことができなかったのです。

戦車という代物に対する見識の無さを笑うことはたやすいのですが、それよりもドイツ軍の戦車に対する見識の高さのほうを褒めるべきなのかもしれませんね。
もっとも、そのドイツ軍も一年後にT-34という自軍の戦車よりも優れた戦車に出会うことになってしまいますが。

それではまた。
  1. 2005/12/22(木) 22:32:13|
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