10/27の阪神四連敗記念でガンダムのSSを書かせていただきましたが、その中で登場するコロンブス級輸送艦を改装した簡易型MS母艦「ガンビア・ベイ」。
これは元になったネタがありまして、太平洋戦争中に米海軍によって大量に建造されました「カサブランカ」級護衛空母の一隻「ガンビア・ベイ」が元になっています。
わずか一年間で五十隻もの大量建造がなされた「カサブランカ」級護衛空母。
船体は戦時標準型貨物船を使用し、飛行甲板を取り付けた簡易型の空母ですが、大西洋ではUボートハント、太平洋では上陸部隊の護衛と対地攻撃と実に縦横無尽の活躍をすることになります。
そのうちの一隻、USS・CVE73「ガンビア・ベイ」は1944年10月25日タフィ3と呼ばれる護衛空母艦隊の一隻として、僚艦「ファンショ-・ベイ」「セント・ロー」「ホワイト・プレーンズ」「カリーニン・ベイ」「キトカン・ベイ」とともにクリフトン・スプレイグ少将指揮の下フィリピンのサマール島沖を遊弋中でした。
前日にはシブヤン海において日本の戦艦武蔵が航空攻撃で沈没しており、栗田提督率いる日本艦隊は後退したと思われていました。
ところが栗田艦隊は後退していなかったのです。
偶然が偶然を呼び、スプレイグ少将指揮下のタフィ3は戦艦大和・長門・金剛・榛名を主力とする日本の栗田艦隊とまともに出くわしてしまったのです。
栗田提督はこれぞ神が与えてくれたチャンスとばかりに戦艦や重巡に砲撃を命じました。
史上最大級の艦載砲である大和の46センチ主砲がついに空母に対して火を噴いたのです。
「ガンビア・ベイ」を初めとする護衛空母は艦載機を発進させつつ煙幕を張って退避行動に移りますが、何せ商船改造の空母ですから鈍足で19ノットがせいぜいです。
本当ならばスプレイグ提督の指揮下にある六隻の護衛空母の運命は風前の灯でした。
しかし、ここでも日本軍に錯誤が生じます。
栗田提督以下の艦隊首脳はこれこそハルゼー提督指揮する主力空母部隊だと思い込んでしまいました。
主力の正規空母なら当然船体には装甲を施し、速度も30ノット近いはず。
そのため主砲弾を徹甲弾とし、信管の調節も厚い装甲を貫いて爆発するように調節されました。
大和以下の各艦が猛然と撃ち出し、その46センチ砲弾は哀れな護衛空母に突き刺さります。
しかし、当たったはずの砲弾はなんと爆発しませんでした。
それもそのはず、厚い装甲にめり込まないと爆発しないように調節されていた砲弾は、護衛空母のぺらぺらの舷側外版に当たっても簡単に突き抜け、あまつさえ反対側すら突き破って海に落ちてしまったのです。
主砲弾が当たっても沈まなく、速度も遅い敵空母が正規型の空母ではなく護衛空母であることにようやく栗田艦隊が気がついたときにはすでにかなりの時間が経っていました。
栗田提督は空母を追いまくっているうちに分散した艦隊を集合させようと考え、集結命令を出します。
サマール島沖の不期遭遇戦はこうして集結しましたが、戦闘開始時には全滅必至と見られていた六隻の護衛空母のうち、戦闘終結時にはまだ五隻が浮いておりました。
この時失われたたった一隻の護衛空母が「ガンビア・ベイ」でした。
しかし、彼らはこの戦いで一方的に叩かれていたわけではなく、艦載機によって重巡鳥海・筑摩・鈴谷に損傷を与えていたのです。
そして栗田艦隊はレイテ湾への突入をしませんでした。
その理由の一つにこの護衛空母群の手強さがあったのかもしれませんね。
何せ大和の砲弾でも沈まないのですから。(笑)
姫宮 翼 さんの投稿:
爆発するタイプならよかったんですがね・・・・・・。
砲弾も戦局を見極めて使い分けないと駄目だと言う事ですね。
そう言えば私の読む小説で自律戦車が自律対戦車ヘリにHEAT弾撃ち込むシーンがありました。
ヘリの装甲が厚くて対空砲の炸裂弾が効果が薄くて戦車がHEATを対戦車ヘリに撃ち込むのはすごかったと思います。
現実的にはありえませんが、地球文明が戦争で崩壊してからの話ですから。
小説の名前はザ・サードってやつです。
ちなみに私はゲームのメタルマックスと言うRPGが好きです。マイナーなんですが戦車を改造することが出来るんですよ(無茶な事は出来ませんが
話それましたがこれぐらいで。それではまた
10 月 31 日
舞方雅人 さんの投稿:
>姫宮 翼様
いつもコメントありがとうございます。
やっぱり相手をきちんと把握しないとだめだということですよね。
それには事前の情報収集が大事ですが、日本陸海軍はその点がずいぶん劣っていたのではないかと思います。
孫子の兵法をきちんと読んでいたんでしょうかね?(笑)
11 月 1 日
- 2005/10/30(日) 22:32:48|
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