風邪の方もどうにか持ち直し、とりあえずは元気になりました。
ご心配をお掛けしてすみませんでした。m(__)m
さて、今日もミリタリーネタを一つ。
第二次世界大戦開始時において、世界最大の陸軍大国と目されていたのは総兵力277万人を擁するフランスでした。
フランス軍は長大なマジノ要塞を整備するために軍の近代化は遅れがちとはいえましたが、それでも当時装備していた戦車はカタログデータ上ではドイツ軍の一号、二号戦車などは問題にならず、38(t)戦車と同等かそれ以上という戦車を多数装備しておりました。
その中で、数の上での主力となったのが、ルノーR35とオチキス(ホチキスとは読まない)H35、H38、H39でした。
もともとルノーR35とオチキスH35は歩兵科が歩兵の直接支援用にということで競作させた歩兵戦車でした。
もちろん歩兵の支援ですから動くトーチカ的な使用を考慮されていたわけで、機動力よりは防御力を重視しておりました。
で、実際に試験をしてみると防御力は甲乙付けがたいものの、機動性はR35の方がすぐれているという結果がでて、歩兵科はルノー社のR35を装備することになりました。
本来であればここでオチキス社の敗北=H35は消え去る運命でした。
ところがここに救い主が現れます。
それはフランス軍でも長い伝統を誇る騎兵科でした。
騎兵は以前の馬から高速軽装甲の装甲車に乗り換えてその存在を維持していました。
しかし高速であっても軽装甲の装甲車は戦場では生き残りづらいことが判明し、騎兵科の車両にも装甲防御力が求められたのです。
本当ならば騎兵科と歩兵科で話し合い、共通の戦車を使用できるのが理想ですが、騎兵科は歩兵科との伝統的な確執があり、共通の戦車を装備するなどとは夢にも思わなかったようです。
オチキス社の売り込みも功を奏したのか、なんと歩兵科からすら機動性が劣るといわれたH35は騎兵科の主力戦車として採用されました。
もちろん騎兵科は機動性が売り物ですから、オチキス社に即座に改良を命じました。
その結果H38,H39とエンジンや武装を改良した型が作られていき、それなりの性能にはなったようです。
どこの国でも陸軍と海軍の確執はあるものですが、陸軍内でもやはり歩兵と騎兵それに戦車兵や砲兵といった各兵科で確執ができてしまうものなのかもしれないですね。
- 2005/10/29(土) 22:38:12|
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