FC2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

口付けの味

久し振りの帝都奇譚です。

ちょっとだけですが少しずつ日常が変わって行きそうです。

10、
楽しい食事。
中庭に車座になりながらお弁当を食べる。
会話に花が咲く。
なのに・・・
美味しくない・・・
摩耶子は箸を置く。
お弁当はまだ半分も口が付けられていない。
どうしたんだろう・・・
喉が渇く・・・
用意したお茶はすでに飲み干してしまっていた。
仕方なく摩耶子は立ち上がる。
「どうなさったんですか、鷹司さん?」
立ち上がった摩耶子に姉川が声をかける。
さっきからいつもと違って上の空の摩耶子が気になっていたのだ。
「あ、お茶を用意しようと思いまして」
摩耶子がにこやかに答える。
その表情に変なところはない。
「あ、それなら私が」
すぐにぴょこんと立ち上がる真木野小夜。
「別によろしいですわ。すぐ近くですから」
手で制して給湯室へ向かおうとした摩耶子だったが、小夜はそのままついてくる。
「お手伝いさせてください先輩。それに他の方々にも持ってきて差し上げましょう」
すごく温かい笑みを向けてくる小夜に摩耶子もつられて微笑みを返す。
「それじゃ一緒に行きましょう」
摩耶子と小夜は仲良く給湯室へ向かっていった。

白鳳女学院ではお昼にはお茶が用意されることになっている。
そのため、お茶を飲みたい者はめいめい給湯室から薬缶を教室に持って行ったり、その場で湯飲みに移して持って行ったりできるのだった。
摩耶子より先に給湯室へ入った小夜は、小さめの薬缶を用意して、そこにお茶の入った大きな薬缶から注ぎいれる。
「皆さんの分ですから薬缶でお持ちしましょう」
そう言って薬缶を持ち上げた小夜の躰がバランスを崩してよろめいた。
「危ない!」
とっさに薬缶の取っ手と小夜の躰を後ろから抱きしめる摩耶子。
ドクン・・・
「!」
いきなり心臓が跳ね上がる。
ドクンドクン・・・
一体何?
摩耶子は驚いた。
「あ、ごごごごめんなさい、先輩」
慌てて薬缶をテーブルに載せ直す小夜。
自分の躰を支えてくれた摩耶子のほうに向き直る。
「先輩?」
小夜は一瞬きょとんとした。
摩耶子はうつむいて固まったように動かない。
一体どうしたんだろう・・・
どこか痛めてしまったのかしら・・・
「鷹司先輩?」
「はあ・・・ん・・・」
摩耶子の口から吐息が漏れる。
それがあまりに艶めかしいことに小夜は驚いた。
昼休みも半ばの給湯室。
周りには誰もいない。
教室や中庭にはみんなが楽しく食事をしているというのに、この部屋だけはまるで音がしない。
ゾク・・・
小夜の背筋が凍りつく。
何か得体の知れないものが目の前に現れたような恐怖。
それは目の前の摩耶子が発するものだった。
「た、鷹司先輩?」
小夜は思わず一歩あとずさる。
だが、それ以上は下がれなかった。
「はあ・・・」
摩耶子が熱い吐息を吐きながら、小夜の腕を掴んだのだ。
「ヒッ!」
あまりのことに声も出ない。
「んっ?」
小夜の口が柔らかいものでふさがれる。
あ・・・
小夜は一瞬後に摩耶子の唇が触れたのだと理解する。
「ん・・・んん」
舌が唇を割って入り込んでくる。
ええ?
驚く小夜。
こんなところで口付けをしかも同性と交わしたなどと知れたら・・・
だが、なぜか躰が動かない。
摩耶子の舌が小夜の口の中で蠢く。
それはまるで生き物のよう。
だけど気色悪くはなかった。
それどころか気持ちよくさえあったのだ。
ああ・・・
小夜の手が摩耶子の背中に回される。
小夜の舌も摩耶子の舌に絡み付いてお互いの味を確かめ合う。
気持ち・・・いい・・・
「んん・・・」
「ん・・・んん・・・」
二人の躰が密着し、唾液が絡まる。
小夜の目はいつしか虚ろになり、呆けたようになっていく。
「ぷあ・・・」
摩耶子が口を離す。
その口元から唾液がつうっと糸を引いた。
「さあ、行きましょう」
「はい・・・摩耶子様」
小夜はうなずいた。


静寂
わ~い、久しぶりの帝都だ。
摩耶子さん、人外の能力に目覚めながらも本能的な行動のときしか使えないですね。
段々人外化したことを認めて墜ちていくんだ・・・・

6月19日 23:37

姫宮 翼
おぉ!甘美ですねー、この二人は。読んでいてドキドキしちゃいますよ。
どんな風に変わっていくのか楽しみにさせていただきますね。
6月20日 22:11

舞方雅人
>>静寂様
はいー、お久し振りの帝都です。
摩耶子さんはこれからまだ人間と人外の狭間を揺れ動くのかなと思っております。
これからもよろしくですー。

>>姫宮 翼様
小夜はまだ魔眼に魅入られたという感じでしょうか。
登場キャラにすぐ愛着を持ってしまう舞方ですから、この小夜ちゃんもいい味出していって欲しいです。
6月21日 22:08
  1. 2006/06/19(月) 21:22:59|
  2. 帝都奇譚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<とりあえずこれを使うか・・・ | ホーム | お前のものは俺のもの>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://masatomaikata.blog55.fc2.com/tb.php/117-5d751f92
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

AquariumClock 2

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア