fc2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

七日目(10)

「七日目」もいよいよ十回目です。
今回は五日目後編です。

それではどうぞ。


10、
「自分が助けられたというのにA4を・・・」
「あんな男死ねばよかったのよ」
A1がこぶしを握り締め、A3が唇を噛み締める。
放心したようなA4をA2も心配そうに見つめていた。

俺はA4に近づくと、そっと抱きしめてやる。
「えっ?」
おそらくA4は戸惑いの表情を浮かべているだろう。
「何を嘆くことがある。あの男の無様さを見ただろう? 腰を抜かして地面に這いつくばっていたじゃないか。あんな蛆虫のようなやつをお前は気にかけていたのか?」
A4の躰がピクッと震える。
「あんな蛆虫?」
「そうだ。奴らは下等な蛆虫さ。所詮人間どもにお前たちメカレディのすばらしさはわからない」
「人間どもに私たちメカレディのことはわからない?」
A4が鸚鵡返しに俺の言葉を繰り返す。
「そうだ。人間のような生き物に機械のすばらしさがわかるはずがない。お前たちはすばらしい。機械帝国の最高傑作のひとつなのだ」
「人間に機械のすばらしさがわかるはずが・・・ない?」
「そうだ。奴らはただの血が詰まった肉の塊だ。そんなグロテスクな生身の生き物に機械のすばらしさはわからない。奴らは恐れているのさ、お前たちを」
「「私たちを恐れる?」」
A4だけじゃなく他のメカレディも俺の言葉に思わず答える。
「そうさ。お前たちは強い。人間などまったく問題にならない。だから人間はいびつなコマンダースーツシステムなんかの力を借りて我らに対抗しようとする。だが、そんなのはおろかなことだと思わないか?」
「おろかな・・・こと・・・」
A1が考え込む。
俺の言葉を考えているのだ。
それでいい。

「そうよ・・・」
俺の耳元でA4がつぶやく。
「人間に私たちのことなどわかるはずないわ・・・機械の感覚なんてわかるわけない」
「そうよ。人間どもになんてわかってたまるものですか」
A3が賛同する。
「・・・・・・」
無言のA1。
だが、その胸中は大きく揺れているはずだ。
「お前たちはよくやった。今日はゆっくり休め。いいな」
俺はA4を離し、メカレディたちを前にする。
「「ギーッ!」」
彼女たちはいっせいに敬礼した。

「ふう・・・」
相変わらずリラックスルームに俺はやってくる。
入れ替わりにこそこそと出て行くメカデクーたち。
おいおい・・・
俺は何かの災厄か?
まあ、メレールが暴れまくるとなれば災厄以上だがな。
俺はいつものようにオイルジュースを取り出して口をつける。
いつもならこのあたりであいつの可愛い声が聞こえてくるはずなんだが、今日はそうも行かないか・・・
「ゴラーム」
「ん?」
俺は顔を上げる。
「あ・・・メレール・・・か?」
そこには俺が声を聴きたいって思っていた奴がいた。
両手を後ろで組み、俺のほうに顔を突き出している。
茶色の毛に覆われた猫耳が頭の上でピンと立ち、縦長の瞳が俺をじっと見つめていた。
「どうだった、ラジコン人間? うまくいった?」
「ああ、ばっちりだ。助かったよ、メレール」
パアッと表情が明るくなるメレール。
どうやら褒められて気分がいいらしい。
尻尾も心なしか大きく揺れているようだ。
「うんうん、当然でしょ。あたしが仕掛けたんだもん」
エッヘンと言わんばかりに胸を張るメレール。
ビキニ型のアーマーに覆われた形のよい胸がつんと上を向いている。
「まあ、使ったのは三体だけだったがな。また何かあったらよろしく頼む」
俺はそう言って再びジュースに口をつけようとした。

シュッと空気が切れる音がして、俺の持っているオイルジュースのボトルが真っ二つに切り裂かれる。
「わぁっ! 何をする!」
俺はいきなりのことに驚いてメレールを見上げる。
「それだけ? それだけなの?」
「へっ?」
鉤爪を振るったメレールがシュンとしている。
何だ?
いったいどうしたんだ?
「むーっ! なによー! ゴラームがきっとあのあたしをどきどきさせるキスとかいう攻撃を仕掛けてくると思って待ってたのにー! また頼むの一言だけなんてー! むーっ! ぶっ殺ーーす!!」
ギロリとこちらをにらみつけ、いきなりぶちきれるメレール。
鉤爪が紙一重の差でよけた俺の前髪を切り裂いていく。
じょ、冗談じゃないぞ。
頭はやめろ。
脳を破壊されたら修理不能なんだぞ。
俺を殺す気かっ?
て・・・ぶっ殺すって言っているのか・・・
いや、そんな場合じゃ・・・

俺はメレールの動きをかいくぐる。
いざとなればこのぐらいの動きは何とかなるものだ。
そして鉤爪を振るう彼女の両腕を押さえつつ、足を払って床に組み伏せる。
どうだ。
怒りのままに闇雲に鉤爪を振るうだけなら、俺だって実行部隊長を組み伏せるぐらいはできるんだぞ。
そう思いながら、ふと仰向けのメレールの上に馬乗りになっていることに気がついた。
いかん・・・
これじゃ俺がメレールを襲ったみたいじゃないか?
「ゴラーム・・・痛いよ・・・」
ぐはぁっ!
何でそこでしおらしい表情をするかお前は!
俺はもう何も考えずにメレールの唇に自分の唇を重ね合わせる。
しまったなぁ・・・
俺もどうやら攻撃されてしまったらしい。
胸がどきどきして躰が熱いぞ。
メレール・・・このくそ可愛いやつめ。
メレールの腕が俺の首に回されたのをいいことに、俺はしばらくメレールと口付けを交わしていた。
やれやれだ・・・

『ごらーむサマ・・・ごらーむサマ』
「ん・・・?」
メレールと別れ自室で眠りについていた俺は通信機からの声に起こされる。
まったく・・・
人間の脳は休息が必要なのが厄介だ。
『ごらーむサマ。オキテイラッシャイマスカ、ごらーむサマ』
「何だ? どうした?」
俺は上半身を起こすと、ベッドの脇の通信機に手を伸ばす。
画像が入って女性型メカデクーの一体が現れた。
『オヤスミノトコロモウシワケアリマセン。シキュウモニタールームニキテイタダケマスデショウカ』
モニタールーム?
メカレディたちに何かあったのか?
「今行く!」
俺はすぐに跳ね起きた。

「どうした。何があった?」
モニタールームに駆け込んだ俺を、二体の女性型メカデクーが出迎える。
量産型の彼女たちは、黒い全身タイツに銀色のフェイスカバーをつけてまったく同じ姿で立っている。
ここに配置されたメカデクーがなぜ女性型なのかは、皇帝陛下の深慮遠謀によるものだ。
地底城内での戦闘任務以外の雑用任務に就くメカデクーは女性型であるべし。
理にかなっている配置ではないか。
「ゴランクダサイ。めかれでぃA2ノヨウスガ、ツウジョウデハアリマセン」
「何だと?」
俺はすぐにモニターに眼をやった。
メカレディたちの控え室を映し出す四つのモニター画面。
部屋の四周に配置され、彼女たちの行動を常にモニターしている。
本来は捕らえた人間を入れておくような部屋なのだが、今回のために改修したのだ。

その画面は今は闇に覆われている。
夜時間なのでメカレディたちも脳の休息に当てているはず。
暗視カメラもメカレディたちがおとなしく寝ている姿を・・・
ん?
何だ?
A2がベッドの中でもぞもぞと動いている。
表情も何か苦しいような切なそうな表情だ。
これは一体?
どこかに不具合が発生したのか?

『ん・・・あ・・・ダメ・・・声が出ちゃう・・・』
必死に声を押し殺しながら、もぞもぞと躰を動かしているA2。
俺はピンと来ると同時に思わず躰が熱くなった。
こいつは・・・楽しんでやがる。
「ふふっ、ふははは・・・」
思わず笑ってしまった俺を、女性型メカデクーたちが無表情で見つめてくる。
「問題は無い。じきに終わる。気にしなくていい」
「カシコマリマシタ。モニターヲツヅケマス」
何事も無かったかのように席に着く女性型メカデクーたち。
そのまま無言でモニターを続けるのを見て部屋に戻ろうとした俺は、モニターの中で何かが動いた気がして立ち止まる。
「今のは何だ?」
俺は一体のメカデクーの肩に手を置き、モニターを覗き込んだ。
「A3デス。A3ガA2ニチカヅキマシタ」
「A3が?」
俺はいぶかしんだ。
いったい何がおきているのだ?

『ん・・・んあ? ひゃん』
いきなりベッドにのしかかられて驚くA2。
目を閉じてお楽しみの最中だったから接近には気づかなかったのか?
いや、メカレディのセンサーは接近を察知していたのだろうが、仲間であるA3に対しては警戒が無かったのだろう。
『うふふ・・・一人でお楽しみなんてずるいわよ、A2』
俺は暗視モニターの精度を上げる。
・・・・・・
何をやっているんだ、俺は?
いやいや、これはメカレディたちの状態を監視するために必要な・・・
嘘だな。
すまん。
正直に言ってこの展開が気になっているだけだ。
『A3?』
『あんな声を出してもぞもぞされたら、こっちだって感じちゃうでしょ。もう、さっきから聴覚センサーフル稼働なのよ』
そういいながらA3の手はA2の布団をはいでいく。
『ひゃん』
『うふふ・・・すごい洪水じゃない。一人でするのがそんなによかったの?』
『あ・・・だって・・・』
大事なところに手を入れられ、おそらくA2は真っ赤になっているだろう。
それぐらいの表情はできるはずだからな。
『わかるわ。この躰ってすごく感度がいいもんね。私もこっそりしちゃったことあるもの』
『A3も?』
『もちろん。メカレディになってよかったわぁ。すごく気持ちいいもんね』
自らの行為を思い出しているのか、A3の表情も妖艶だ。
『だ・か・ら、一人で楽しまないで、みんなで楽しみましょ』
『えっ? みんな?』
『そう、そこでこっそり楽しもうとしているA1もね』
A3の言葉にピクッと躰を振るわせるA1。
なるほど。
みんな楽しみたいわけか。
『あららぁ、A1もなの? じゃあ、私も一緒に楽しんでいい?』
A4が起きだしてA1のところへいく。
『えっ? あ・・・違・・・A4、ダメ・・・』
布団を掴んで否定するA1。
ふふ・・・可愛いじゃないか。
『何がダメなの? さっきからこっそりいじってたくせに。私のセンサーはごまかせないわよ』
『あ、ダメ・・・A4、やめて』
『ダーメ。しっかり可愛がってあげる。ひいひい言わせてあげるわよ』
お前はSか、A4?
『あ、ダメだったら・・・』
A4に布団を剥ぎ取られ、のしかかられてしまうA1。
やれやれ、乱交パーティになってしまいそうだな。
俺は苦笑しながら彼女たちの楽しんでいる姿に見入っていた。
  1. 2008/12/24(水) 20:46:55|
  2. 七日目
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<七日目(11) | ホーム | 七日目(9)>>

コメント

混ざりたいと思った読者、挙手をお願いします(笑)

たぶん、ゴラーム様はともかく、舞方様も混ざりたいと思って作成したな?と、思いました。

それはともかく、洗脳が完了したメカレディの内、一体くらいは、メレールの量産ユニットとなると面白いでしょうね。
A4とか、良さそうに思うんですが(笑)
元亭主を切り刻んで、高笑いするとか、色々と妄想します。
  1. 2008/12/24(水) 21:04:50 |
  2. URL |
  3. 神代☆焔 #-
  4. [ 編集]

9割方は洗脳が完了しましたね。
残り2日、どのように仕上げていくか楽しみです。

一方でメレールにも恋愛感情なるもの? が芽生えてきたみたいですね。こっちのほうも先が面白そうです。(おまけ程度に)

僕はとりあえずずっと見ていたい派ですね。お楽しみのところを邪魔するわけにはいきませんから。
  1. 2008/12/24(水) 21:42:20 |
  2. URL |
  3. metchy #zuCundjc
  4. [ 編集]

乙です。
みんな段々傾いてきましたね。
あと2日、ここから・・・。

またまたジュースが・・・w
  1. 2008/12/24(水) 22:03:57 |
  2. URL |
  3. KANZUKAN #-
  4. [ 編集]

メリークリスマス. ベルクルドです.
今日夜明けでクリスマスイブです.
個人的な事情で久しぶりに尋ねて来ました.

文を読んで見たが日々に文を作成する実力が高くなるようです.
反抗する心を持った人物たちが徐徐に変貌される過程がとても良いです.
妄想をもっと高める感じでした.
次の方を期待しています.
  1. 2008/12/25(木) 01:56:33 |
  2. URL |
  3. ベルクルド #-
  4. [ 編集]

>>神代☆焔様
メレールの量産型を作るのなら、彼女たちはもったいなさ過ぎですよー。
それと私も眺めるほうに賛成です~。

>>metchy様
むしろメレールとゴラームのラブコメと思っていただいて結構ですよー。(笑)
私も眺めている派ですー。

>>KANZUKAN様
あと二日での仕上がり具合にご期待くださいませ。
ジュースについては・・・(笑)

>>ベルクルド様
メリークリスマスです。
お久しぶりでした。
楽しんでいただけているといいのですが。
また遊びに来てくださいね。
  1. 2008/12/25(木) 21:10:31 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://masatomaikata.blog55.fc2.com/tb.php/1160-b1012daa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

時計

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア