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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

七日目(3)

「七日目」の三回目です。
そろそろ今回のストーリーがどういうものになるのか大雑把に見えて来るでしょうか。
それではどうぞ。


3、
手術台に寝かされたメカレディは漆黒のレオタードを着せられていた。
そして両腕には黒のロンググローブ、両脚はロングブーツを履いている。
それ以外は見たところまったく人間だったときと変わらない。
だが、中身は精巧な機械。
機械人間だ。
俺は起動エネルギーを注入し、起動プログラムを作動させた。

ゆっくりと目を開けるメカレディ。
まったくの無表情でゆっくりと上半身を起こしてくる。
俺は制御室から出て、手術台のところへ行き声をかけた。
「目覚めたようだな、メカレディA1(えーわん)」
こくんとうなずくA1。
俺は意地悪く笑うと、手元の機器を操作する。
突然表情が現れるメカレディA1。
「こ、ここは? あっ、お前は!」
飛び跳ねるようにして床に降り立ち、俺に対して身構える。
これでいい。
A1の意識は弘美の意識に置き換わった。
こうでなくては楽しみがない。
「こ、これは・・・わ、私の躰に何をした!」
着せられているレオタードやブーツだけじゃなく、躰自体が異質になったことがわかるのだろう。
まあ、当たり前だな。
機械化されたボディは変身などせずともコマンダーピンク並みの力を発揮する。
もっとも、それを機械帝国に対して振るうようなことはできない。
制御装置が働くのだ。
これからこいつには人間の意識を持ったまま、機械帝国の一員となってもらうとしよう。

「何、ちょっとした機械化をさせてもらった。お前の躰はほぼ完全に機械となったのだ。これからのお前は機械帝国の一員、メカレディA1として我らのために働くのだ」
「なっ、ふざけるな! 私はコマンダーピンク! 地球の平和を守る正義の戦士だ!」
怒りに燃えて俺に跳びかかろうとするメカレディA1。
だがその躰がぴたりと止まる。
「えっ? な、何で?」
「当たり前だろう。お前はメカレディだ。機械帝国の者にたいして暴力を振るうことはできない」
「そ、そんなバカな!」
必死で躰を動かそうとするA1を見て、俺は機械化がうまくいったことに満足する。
これでコマンダーピンクは死んだも同然。
あとは身も心もメカレディとなるようにしつけるばかりだな。

「ふうーん・・・なるほど。ゴラームって結構意地悪なんだ」
いたずらっぽく眼を輝かせながらメレールがやってくる。
まるでいたぶる獲物を見つけたような冷酷な笑み。
見ているこちらも背筋が寒くなる。
「ふふ・・・知らなかったのか? 俺は意地悪だよ」
「うふふ・・・そうみたいね。楽しそうじゃない」
ぺろりと鉤爪をなめるメレール。
いかんいかん・・・
壊されたらたまらんな。
「くっ、おのれ・・・私の躰を元に戻せ!」
先ほどからぴくりとも動けずにいるメカレディA1。
どうやら攻撃行動をやめるつもりはないらしい。
ならば、遊んでやるとしよう。

俺は手元の機器を操作する。
早い話、この機器でメカレディをコントロールできるのだ。
それは屈辱的なことだろう。
自分の躰を他人にいいようにされるのだからな。
まあ、今まで機械帝国に歯向かってきたのだ。
このぐらいは罰として受けてもらわねばな。
「えっ? な、何?」
一瞬よろめいたA1だったが、すぐにすたすたと我々に向かって歩き出し、やがてメレールの前で直立不動の姿勢をとると腕を胸の前で水平にし機械帝国の敬礼をする。
その間中彼女の表情は苦しそうで、必死になって躰の動きを止めようとしていたのが手に取るようにわかった。
ふふふふ・・・
表情ぐらいはそちらを優先してやるさ。
「ギーッ!」
メカデクーと同様の機械音を発し、我らに服従の姿勢を示すメカレディA1。
俺もメレールも思わず笑みが浮かぶ。
きっと今頃は腹の中が煮えくり返っているだろう。
だが、それもやがて慣れる。
お前はメカレディであることを誇りに思うようになるのだ。

俺はA1にメレールの足へ口付けをさせる。
すっとひざまずき、恭しくメレールのブーツにA1が口づけする様は、メレールの機嫌を良くするにはうってつけだった。
「ふーん・・・まあまあじゃない。この女、機械帝国の一員として認めてあげてもいいわよ」
あのコマンダーピンクがひざまずく姿がよほど気に入ったのだろう。
俺はメレールにしばらくA1をいろいろとこき使わせ、自尊心を満足させてやることにした。

キッと俺をにらみつける者。
顔を覆って泣いている者
唇を噛み締める者。
あきらめたようにうつむいている者。
全員が機械人間となったことを嘆いていることは間違いない。
ふん・・・
感謝してほしいものだな。
メカデクーのように表情も何もないフェイスカバーで顔を覆うこともできたのだ。
いや、むしろその方がコスト的にもはるかに低い。
だが、お前たちは人間に紛れ込ませることが目的の一部のメカレディだ。
多彩な表情を作り出すことができるように機械化筋肉で顔を作ったからこそ、そんな表情もできるのだ。
俺は躰の自由を奪いつつ、意識だけは人間だったときのままにしておいている。
完全に意識もコントロールするのは簡単だ。
だが、それでは人間のふりをすることはできない。
どこかで異質さが出てしまうだろう。
だから俺は意識を人間のときのままで機械人間に仕立て上げる。
人間と変わらぬ意識のまま機械人間となれば、人間たちの中に紛れ込ませるのは簡単だ。
ふふ・・・
こんな面倒くさいことを考えるのは、やはり俺が元人間だったからなのかもしれないな。

「くっ・・・け、けだものめ! 私たちを元に、元に戻しなさい!」
直立不動の姿勢をしたまま、俺をにらみ続けているメカレディA1。
目にレーザーでも仕込んであれば、俺は焼き殺されているのだろうな。
「ああ・・・はうぅ・・・ああ・・・」
「ど、どうして・・・ああ・・・そ、そんな・・・」
椅子に座った俺の足元では、黒のレオタード姿でお尻を振りながら俺の靴に舌を這わせているメカレディA2(えーつー)とA3(えーすりー)がいる。
先ほどまで泣いていた女子高生だったA2と、タイトスカートが似合うOLだったA3だ。
彼女たちは俺の靴を舐めるという屈辱的な行為をさせられているのに、戸惑いの表情を見せている。
ふふふ・・・
これこそ俺のやり方だ。
屈辱的な行為だが、二人の脳には快感が刺激として与えられている。
そのことに戸惑いを感じているのだろう。
俺は手元の機械で微妙な調整を加えてやる。
「ああ・・・」
「ふああ・・・」
突然腰をもじもじさせるA2とA3。
与えられた快楽に躰が反応しているのだ。
俺の靴を舐めながら、二人は全身を覆う快感に身もだえしているのだろう。
そして・・・
「ああ・・・なんてことを・・・」
「そんな・・・こんなことって・・・」
悲しそうな表情で二人を見つめているA4(えーふぉー)と、歯噛みしながら自分の躰をどうにかコントロールしようとしているA1。
彼女たちにも俺は快感を与えてやっている。
服従する喜びを感じさせるのだ。
自分も服従したい。
そう思うように仕向けて行く。
自らが服従することを選んだとき、こいつらは完全なるメカレディとなるだろう。

                         ******

「メカレディたちの仕上がり具合はどう、ゴラーム?」
一息入れにやってきたリラックスルームには、長椅子に寝そべってメカデクーたちに毛づくろいをさせているメレールがいた。
「それがどうも・・・な・・・」
俺はオイルジュースを取り出し、メレールの向かい側に腰を下ろす。
わずか数日。
人間の個体差というものをこれほど思い知らされるとは思わなかった。
女子高生をベースにしたA2とOLをベースにしたA3は、精神波モニターによればメカレディとしての自分を受け入れ始めており、俺に服従することにそれほど抵抗しなくなっている。
むしろ、服従することで快楽が得られるなら、それでもかまわないとも思い始めているようだ。
だが、新婚の若妻だったA4と、コマンダーピンクだったA1はかたくなに服従することを拒み通しているのだ。
コマンダーピンクは地球の平和と仲間たちが助けに来てくれると信じて。
若妻は愛する夫を裏切りたくないため。
どちらも思い人や思うものがあるからたやすく服従しないのだ。
快楽を与えるだけでは何か足りないものがあるというのだろうか・・・

俺はきっと難しい表情をしていたに違いない。
メレールがそばに立っていたことにすら気がつかなかったのだ。
「ふん」
スパッとオイルジュースのボトルが切り裂かれ、中身がぼたぼたとこぼれ落ちる。
「なっ? いきなり何をする!」
「ふんっ! あんたが悪いんじゃない! そんなつまらない顔なんか見たくないんだからね! 何さ、メカレディのことばっかり考えちゃって・・・」
な・・・なんだそりゃ?
この作戦を成功させなければ、俺は皇帝陛下に申し訳が立たないんだぞ。
それに失敗したら俺を始末するって言っていたのはお前じゃないか!
俺は何がなんだかわからずに、ぽかんとしてしまった。
「あたしはあんたのそんな顔は見たくないんだからね! そんな顔見せるぐらいなら、メカデクーのようにフェイスカバーでもつけちゃえ!」
「な、何だとー?」
「あんたにそんな顔させるメカレディなんていらない! ピースコマンダーなんてあたしがガーッて出張ってババーンとやっつけてやるから、メカレディなんて捨てちゃってよ!」
フーッと背中の毛を逆立てそうな感じでメレールが怒っている。
何でだ?
何か俺が悪いことをしたか?
「何を怒っているんだメレール? 俺が何かお前にしたか?」
「何かしたかって・・・何もしてないわよ! むーっ! 何でこんなにムカムカするのよ? あんたあたしに何かした?」
「それを訊いているんだろうが!」
「むーっ! もうゴラームなんか知らない!」
ぷいと背中を向けてリラックスルームから出て行ってしまうメレール。
出がけの駄賃とばかりにメカデクーの一体がバラバラに切り刻まれていた。
何なんだ、一体?
俺はメレールの背中をただ見つめるだけだった。

待てよ・・・フェイスカバー・・・か・・・
俺はメレールが去った後、彼女の言葉を反芻する。
何で彼女が怒っていたかわからないが、オイルジュースのボトルをごみとして放り投げた後、俺は再度考え込んだ。
フェイスカバー・・・か・・・
メカデクーは量産品の機械戦闘員だ。
無論機械化筋肉などで顔が作られるわけもなく、むき出しの機械部品を保護するために顔を模したカバーがつけられる。
カバーは規格品であり、どの顔もまったく同じ。
つまりメカデクーはどれを見ても同じなのだ。
そこに個という概念は生じない。
目の前に立っていたメカデクーを認識したとしても、次の瞬間に他のメカデクーと入り混じってしまえば見分けなどつかなくなる。
次に何か命じようと思えば、またどれか一体を選び出すだけ。
それが前回と同じメカデクーであれば、それは単なる偶然に過ぎない。
誰でもあり誰でもない。
個の概念の喪失。
これはいけるかもしれないな。
  1. 2008/12/17(水) 20:47:06|
  2. 七日目
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

自ら堕ちるまでの7日間を14回かけて、ねっ……ちりと描くわけですか。
 
舞方様、本当に変なスイッチ入りました?(笑)
  1. 2008/12/17(水) 21:10:00 |
  2. URL |
  3. 神代☆焔 #-
  4. [ 編集]

なるほど。脳を改造しなかったのはそういう理由があったんですね。ちょっと考えればわかるんでしょうけど・・・。
機械だけにオイルジュース。潤滑油としてそのまま流れて行くんでしょうか。胃とかで消化されることもないし…。
A1に嫉妬するメレールが微笑ましく感じました。
  1. 2008/12/17(水) 21:53:26 |
  2. URL |
  3. metchy #zuCundjc
  4. [ 編集]

メレールのツンデレ?っぷりがかわいいですね。
今後の展開が楽しみです。
  1. 2008/12/17(水) 22:37:30 |
  2. URL |
  3. 闇月 #04hOWrHY
  4. [ 編集]

>>神代☆焔様
何か変でしょうかね?
確かにちょっと長いと思われるかもしれませんね。
冗長に感じられましたらお許しください。
なんせ書き上げるのに4ヶ月かけちゃいましたので。

>>metchy様
オイルジュースはおそらく潤滑油にもならないようなものじゃないでしょうかね。
そのまま排出されそう。(笑)
脳を残したのは人間らしさを残したかったんですよ。

>>闇月様
メレールは私も書いていて可愛かったです。
彼女の今後にご期待を。(笑)

拍手コメントお返事
>>望美(6)へコメントくださった方
楽しんでいただきありがとうございました。
いずれまた寝取られモノも書いてみたいです。

>>七日目(3)へコメントくださった方
メレールを可愛いといってくださりすごくうれしいです。
ありがとうございました。
  1. 2008/12/18(木) 20:49:39 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

今更ながら納得しました。正常だったんですね(笑)
  1. 2008/12/18(木) 21:06:33 |
  2. URL |
  3. 神代☆焔 #-
  4. [ 編集]

>>神代☆焔様
うーん・・・
変だとか正常とか言われましても・・・
私自身は特に普段と変えているわけではありませんです。
作品内容がちょっと異質でしたでしょうか?
  1. 2008/12/18(木) 21:14:42 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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