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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

片腕の14

今日はローネフェルトですー。
よかったらご一読下さいませー。

シュツルムファウストの一撃は避け損ねた敵のモビルポッドを一撃で粉砕する。
私は使い終わった筒を投げ捨て、ビームサーベルを構え直す。
囲まれていた味方のモビルスーツに向かっていた敵の集団がこちらを向いた。
「来るわよ、アヤメ、パット」
『わかってますぅ』
『大丈夫です、大尉殿』
二人の声がヘルメットから流れてくる。
「背中は任せるわ。行くわよ!」
私は15を乱戦に突入させる。

左腕を失いながらも、ビームライフルを乱射しているMS-14に向かっていた敵がこちらを向く。
「遅い!」
私はベクトルを一切変えぬままにビームサーベルでなぎ払う。
いつもながらその切れ味は素晴らしい。
装甲をものともせずに切り裂いていくのだ。
まるでナイフでバターを切るかのよう。
一瞬後に私の背後で爆発が起こる。
私はすぐに次の目標に狙いを定めて15を駆る。
敵の数は半端じゃない。
どこを向いても敵・敵・敵、そして・・・傷付いた味方。
『ダンケ! 助かったぜ』
さっき敵に囲まれていたMS-14が脇に並ぶ。
グリーンとグレーの一般的な量産機塗装。
エースに優先配備と聞いていたので、パーソナルカラーのゲルググが多いと思っていただけに、その塗装はかえって新鮮だ。
事実、ワルトラントのウェルマン少佐も肩にブルーのラインを入れていた。
『それにしても紫とは見かけない色だな。それにその機体、初めて見るぜ』
14のモノアイがこちらを向く。
何かコクピットの中まで見透かされるような感じだわ。
「おしゃべりは戦いの後にしたほうがいいのではない?」
私は前方のモビルスーツ隊に切りかかって行く。
敵はノーマルのジムが三機。
この15の能力を持ってすれば怖い相手ではないが、いかんせん数が違う。
気を抜いている暇はないのだ。
『女か。ならばいいところ見せないとな』
すっと前に出るMS-14。
そのまま片腕を突き出してビームライフルを三連射する。
味方の06F2に気を取られていたのか、ジムが二機、一瞬のうちに撃墜された。
『チッ、一機外した!』
舌打ちの音さえ聞こえそうな口惜しそうな声。
私は苦笑すると、こちらに気がついてマシンガンを構えようとするジムの懐に飛び込み、そのまま胴体を貫いた。
『おお、やるねぇ』
「ゲルググのパイロット、軽口を叩いていると殺られるわよ」
私はそういったものの、これが彼の戦闘のリズムなんだろうなと理解する。
最後外したとはいえ、二機のジムを連射でしとめるのは並じゃない。
『すまないな、これも癖みたいなものでね。俺はヒル・ウエストエイト。ソロモン駐留の第58モビルスーツ大隊所属の中尉なんだぜ』
またビームライフルで一機のモビルポッドを撃ちぬく14。
やはり上手い。
「そう。私は軽巡洋艦ブリュメル所属のモビルスーツ隊指揮官、アマリア・ローネフェルト。階級は大尉なんだけど」
『げ、上官かよ』
私は思わず吹き出した。
『失礼いたしましたぁ! てっきりたたき上げのベテラン曹長クラスと思っておりましたぁ! うわっち!』
「中尉!」
いきなりウエストエイト中尉のMS-14の腕の辺りが爆発する。
『大丈夫っす。ビームライフルに流れ弾が・・・』
見るとMS-14の持っていたビームライフルが途中からへし折られている。
混戦で怖いのはこれなのだ。
今のだってもしかしたらザクマシンガンの弾かも知れない。
「気を付けて・・・」
『了解。いやぁ、美人にそう言われるとやる気がでますねぇ』
ウエストエイト中尉は背中のラックからビームサーベルの柄を取り出すと、その刃を形成する。
薙刀のような変わった形状だが、もちろんビームでできているので周囲のフィールドがそうさせているのに過ぎない。
『さあて、行きますか!』
片腕のMS-14はそのまま私とともに敵モビルスーツとの混戦に入った。

グリーン塗装の見慣れないモビルスーツ。
ライフルを構えて遠距離射撃をするつもりのようだわ。
どうやらジムの特殊仕様型みたいね。
私は機動をかけて滑り込むようにそのジムの脇に出る。
まるでスローモーションのようにそのジムの引き金が引かれつつあるのを感じる。
一瞬早く私のビームサーベルが脇腹をえぐって行く。
『!』
ゆがんだジムの外板からコクピットが一瞬だけ見える。
信じられないものを見たかのような連邦軍のパイロット。
豊かな胸がそのパイロットの性別を明瞭に示していた。
「あなた方さえこんな所にいなければぁ!」
私は思わず怒鳴りつける。
火花が飛び散って爆炎がコクピットを包み込み、そのパイロットの姿を隠す。
私はビームサーベルを引き抜くとそのままジムに背を向けた。

乱戦が続いている。
そんな中でしっかりとアヤメは私の背後にピッタリと位置していた。
私のムチャな機動にもかかわらず、気がつくときちんと背後に占位しているのだ。
運動性のまったく違う15と09Rでありながら、それを続けるというのは並大抵ではないだろう。
あらためて私はアヤメのモビルスーツ乗りとしての腕に感心する。
『お姉様!』
アヤメの声。
私は下方視界を正面に入れる。
真下から一撃を食らわせるべく接近していた連邦のジム。
狙いは悪くないが、私に気が付かれていたのが予想外と言ったところか。
私は15の手足を振っていきなり上下を反転させる。
接近してマシンガンの貫通力を高めようとしていた敵は、気が付かれているとは思っていなかったのか反応が鈍い。
「落ちろ!」
私は15を突っ込ませようとした。
そのタイミングを計ったかのように私の15は弾幕に包まれる。
「え?」
私はとっさにレバーを引いて制動をかけた。
一隻の巡洋艦とその周囲に展開していたモビルポッドが私の軌道を読んでいたのだ。
なんて小癪。
しかも制動の間にジムはマシンガンを構えてこちらを狙いつけている。
「このぉっ!」
私は制動を解除し、再度バーニアを思い切り吹かす。
ベクトル的には読まれやすい機動だが、まずはジムを片付けなくては。
私はそのままジムに体当たりをするかのごとく接近する。
敵はこちらが距離を離すと思ったのか、接近に対してうろたえているかのようだった。
意味も無くマシンガンを振り回したかと思うと、背中からビームサーベルを抜き放つ。
もちろんそんな行動はいまさらまったく意味がない。
私は難なく接近すると、ビームサーベルを突き刺した。

爆発の閃光が闇を切り裂く。
一隻のサラミス級が爆沈する。
周囲のモビルポッドもただではすまない。
あるものは爆発に巻き込まれ、あるものは回避行動で僚機に体当たりしてしまう。
結局一隻のサラミス級の爆沈は合計三機のモビルポッドを巻き添えにしていったのだ。
振り返ってジムの爆発を確認した私の目にアヤメの09Rと、その後方で手を上げているパットの09Rが映る。
どうやらサラミス級の爆沈はパットの支援射撃によるものらしい。
「助けられちゃったわね。ありがとう」
私は近距離レーザーで通信を送る。
すぐに二人の09Rは手を上げて答えに代えた。
パットなどはとんでもありませんというふうに09Rに体の前で左右に手を振らせるものだから、私は思わずその09Rの人間臭い仕草に思わず笑ってしまうほど。

『どうやら敵は後退を始めたようですよ、大尉殿』
私のそばにやってくる片腕の無いMS-14。
その周囲には彼の部下たちなのか、09Rや06F2、さらには06Cまでがやってくる。
こんな戦争初期の機体までが使われているなんて・・・
「こちらの抵抗に嫌気がさしたんでしょうね。こちらも後退しましょう、ウエストエイト中尉」
私の視界にも急速に後退していく敵艦隊が捉えられる。
どうやら戦闘は終わったらしい。
「生存者をできるだけ救助しましょう。アヤメ、パット、手伝って」
『了解です、大尉殿』
『はあぁい』
二人それぞれの返事が返る。
私は味方艦艇に収容されていくモビルスーツ隊の援護をしながら、二人とともに救助活動に当たることにした。


静寂
また個性の強い中尉どのですなw
でも嫌いにならないな。
軍規にうるさい上官にあったら叩かれること必死ですが、ローネでよかったね、ウエストエイト中尉。

さりげなくでたグリーン塗装の射撃仕様ジムは・・・ジムスナイパーかな?
でもあれってたしか地上戦用だよね?機密性とかあったっけ?

6月22日 21:28

漆黒の戦乙女
ゲルググなかなかいい感じで戦ってますね
片腕で戦うゲルググと聞くとどうしてもガトー機が浮かびますが彼はア・バオア・クーでなったわけだからありえないんですよね

静寂さんの疑問ですが、スナイパーは2種類ありまして静寂さんが仰ったのは08登場の陸戦ジムベースのスナイパーのことだと思います
で、今回登場したのはスナイパーカスタムのほうだと思われます
まぁ、テレビで初登場したのはZのジャブロー攻撃の時でしょうからあんまり知られてないかも

6月22日 21:59

ALTION
ゲルググが彼だけってのがジオンの末期をあらわしてきて良い感じです。F2と06Cが並んでいるというのも珍しいですが。乗っているパイロットはムードメーカーですな。人の死を見る職業やっていると明るくなるか、暗くなるかのどちらかだそうですが・・・

グリーンのジムといえば、漆黒の戦乙女様が言うとおり、ジムスナイパーカスタムですね。ライトアーマーとスナイパーカスタム。どちらもエースパイロットのための機体ですね。スナイパーカスタムは性能向上型、ライトアーマーはその名のとおり装甲削ってヒットアンドアウェイを旨とする機体。どちらもMSVが初出ですね。08のジムスナイパーは陸ジムのマイナーチェンジでしかないですからね。と余計なことまで言ってしまいましたが、さりげなく、g-thanさんのところで聞いた台詞が・・・元ネタはあるのでしょうけども・・・それでは失礼します。
6月23日 0:15

姫宮 翼
ジムスナイパーはやっぱり森林迷彩色で塗装して、カモフラージュした後敵のMSを狙撃すると言った地上戦のイメージが強いです。
多分、08小隊のようなイメージが自分の中であると思います。
高速で接近されたら遠距離狙撃タイプは脆弱ですからねー。今回は運が悪かったんでしょう。
このときはまだジオンは降伏していないのでしょうか?これ以上長引くと本当に凄惨な状況になるでしょうね……。
6月23日 19:14

舞方雅人
>>静寂様
実はある方がモデルなんです。
もちろんその方はこれほどアクの強いキャラではない(はず)ですが。
個性が強いと感じていただけたのならキャラとしては成功かな。ww
グリーンのジムは皆様おっしゃるとおりジムスナイパーカスタムです。
連邦の切り札的存在ですよね。

>>漆黒の戦乙女様
ガトーのゲルググはかっこいいですよね。
ジオンの系譜では第二部に入っても載せ続けちゃいます。ww
確かにジムスナイパーカスタムはマイナー機ですからね。
ご存じなくて当然かも。

>>ALTION様
めぐりあい宇宙ではア・バオア・クー戦のときに14と05が並んでいたりしましたので、06Cなら充分現役だろうと思いました。ww
末期のジオンは使えるものは何でも使わざるを得なかったでしょうしね。
ソロモンで作業用として使われていたのではないかと思っています。
g-thanさんのところで聞いたセリフ?
どのことでしょうか?

>>姫宮 翼様
懐に入り込まれるとつらいですよねー。
本来ならその前に撃破しなくてはならないはずなんですよね。
今回は相手がローネフェルトということで、相手が悪かったと思っております。ww
ソロモンそのものは降伏しているでしょうけど、脱出した艦隊は何とかグラナダなりア・バオア・クーなりに逃げ込もうとしているので、降伏はしておりません。
当然追撃も厳しいものとなりますよね。
6月23日 22:14
  1. 2006/06/22(木) 20:44:36|
  2. ガンダムSS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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