FC2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

そんなの知らねーよ!

戦争映画「バルジ大作戦」というのをご覧になったことはございますでしょうか?
第二次世界大戦中にドイツ軍が行なった最後の攻勢の一つ「アルデンヌ攻勢」を描いたもので、戦線に突出部(バルジ)を形成したことから、バルジ作戦と呼ばれている作戦の映画です。

映画そのものはM47パットン戦車がケーニヒスティーガーに扮してM41と撃ち合うという派手なもので、細かいことを気にしなければ楽しめる娯楽映画です。
その映画の中に、米軍MP(ミリタリーポリス:野戦憲兵)に化けたドイツ軍兵士が出てくるのですが、実はこれも実際のエピソードが元になっておりました。

ドイツ軍の「アルデンヌ攻勢」、正式名「ラインの守り作戦」が発動されたのは1944年12月16日のことでした。
ノルマンディー上陸以後米英連合軍に対し防戦一方となっていたドイツは、ここで乾坤一擲の大反撃を行い、連合軍の防御の手薄なアルデンヌの森からアントワープまで一挙に貫いて、米英軍を分断して海に追い落とすという稀有壮大な作戦でした。

もちろんそんな途方もない作戦が成功するはずもなく、実行したドイツ軍将官ですら無謀な作戦というのはわかっていたことでした。
しかし、ヒトラーの命は下ります。
ドイツ軍はそのもてる力のほとんどをつぎ込み、一大反撃を行ないました。

この「ラインの守り作戦」の一部として行なわれたのが「グライフ作戦」でした。
特殊部隊を使ってムッソリーニを山荘から誘拐するなど数々の奇抜な作戦を成功させてきたオットー・スコルツェニーの指揮の下、ドイツ軍内各所から英語を話せる兵士たちをかき集め、鹵獲した米軍の軍服を着て同じく鹵獲した米軍のジープやトラックなどに乗って米軍を混乱させるという作戦です。

彼らは米軍が奇襲を受け混乱していることに乗じて敵地奥深くに入り込み、重要拠点を確保したり破壊工作を行なったりしてドイツ軍の進撃を助けるのが目的でした。
実際少数の偽装米兵たちは敵陣深く入り込み、そこで少々の破壊工作を行ないます。

ですが大多数の偽装米兵は米軍兵士に怪しまれ、その場で取り押さえられてスパイとしてつかまりました。
中にはジープに四人も乗っているのが怪しいということでばれた偽装米兵もいたそうです。
(車両が潤沢な米軍は、一台のジープに四人も乗らないのだそうです)
彼らは米軍の軍服の下にドイツ軍の軍服を着込んで活動しておりましたが、ほとんどがスパイとして銃殺だったそうです。

この偽装米兵の出現は、米軍内をさらに混乱させました。
捕らえられた一人が尋問に対して、「アイゼンハワーの暗殺が目的である」などと嘯いたため、連合軍司令官アイゼンハワーは、安全の確保という名目で味方に監禁されるような状況となったのです。

ほかにも混乱は広がり、米軍兵士たちはみな疑心暗鬼にとらわれてしまい、ちょっとでも変だと思った奴に対しては「ミッキーマウスのガールフレンドは誰か」とか、「今年のホームラン王は誰か」とか、アメリカ人なら知っているであろう質問を次々と浴びせたのだといいます。

ブラッドリー将軍もこの混乱に巻き込まれた一人で、憲兵の一人に「イリノイ州の州都」を訊かれ、「スプリングフィールド」と正しく答えたところ、憲兵は「シカゴ」だと思い込んでいた(イリノイ州一の大都市なので州都と勘違いしている人も多かった)ために偽装米兵の疑いをかけられて足止めを食ってしまったのだそうです。

このように米軍に混乱をもたらした「グライフ作戦」ではありましたが、肝心の橋梁の確保などの目的は達成できずに終わり、捕らえられなかった偽装米兵たちは早々に米軍の軍服を脱ぎ捨てて味方陣内に戻ったといいます。

奇抜な作戦だったかもしれませんが、ある意味非常に卑怯な作戦でもあり、このような作戦を取らなくてはならないほどドイツ軍は追い詰められていたということなのかもしれませんね。

それではまた。
  1. 2008/11/26(水) 20:40:39|
  2. 趣味
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
<<これまた懐かしー | ホーム | 車輪付きだけど・・・>>

コメント

憲兵ってのはヴァカでも務まるんだろーか?

……ってのは冗談としても、正答を言ってとっ捕まるのでは、知識が役に立たない好例と言えます。
例のアイドル3人組が憲兵をやってたりしたら、敵も味方も皆殺しだな、などとヴァカな事を考えたり……(俺もヴァカ?)
お久しぶりです。
戦史を繙いてみると、失敗に終わった作戦の方が、ネタが満載されていて笑えますが(インパールとかマーケット・ガーデンとか)、その作戦に従事した(させられた)兵士にしてみれば、笑い事ではない。
大きな失敗作戦ほど犠牲になる兵士も多いのですが、なぜかそー言ったヤツほど作戦の責任者は責任を取らない例も多く、現代の御国事情と通ずる部分がありますな(どこの国とは言わない)。
一度で良いから政治的なニュースで、快哉を叫んでみたいものです。
では。(今回はマジメ?)
  1. 2008/11/26(水) 21:22:47 |
  2. URL |
  3. 妖人 #uoSKjgR6
  4. [ 編集]

こないだBS2で深夜に放送してましたねー、
なかなか派手な戦闘シーンで金もかかってたとはおもいますが、やはりパットンにティーガー役やらせるのは無理がありますよね、砲塔の形が違い過ぎ(笑)
砲塔後部の出っ張り具合からして、ファイアフライの役やらせるなら最適だとは思いますが(苦笑)。
映画である以上制約があるのは仕方無いですが、劇中のアメリカ軍の将官から一般兵にいたるまでが、パットン相手にティーガーだ!ティーガーだ!と逃げ惑う姿には違和感を禁じ得ず、突っ込みまくりながら見てました(笑)。
(その点は1両だけとはいえ、T-34を解体したパーツから組み立てて作ったという、かなり良く出来たティーガーを劇中で登場させたプライベートライアンはすごかったと思いますね。)

まーでもその分戦闘シーンはなかなか派手でしたね。
主観がコロコロ変わり過ぎて、話の軸がどこにあるかわからない展開のストーリーではありましたが(笑)。
いっそチラッとだけ出てたバルジ戦における米軍最大のキーポイント、バストーニュに焦点当てたストーリーとかにした方が良かったのにとも思いましたけどね。
あの下りの「ナッツ!」という言葉にこそ大戦時のアメリカ人の心意気とでもいうものが集約されてると思ったり。
  1. 2008/11/27(木) 00:37:09 |
  2. URL |
  3. 空風鈴ハイパー #-
  4. [ 編集]

>>妖人様
必死に知恵を絞って作戦を立て、実行したはずなのにいろいろとトラブルが起きる。
当たり前のことですが、必死だからこそこっけいなことが起きるんでしょうね。
後はどうやって責任を取るかですが、日本は責任の所在をうやむやにすることで発展してきた国ですから、責任の取り方というのがわからないんですよね。
そのあたりがよくない面の一つなんでしょうね。

>>空風鈴ハイパー様
私はDVD持ってますよー。
公開時には劇場で見たことすらあるのですが、その時点でこれはケーニヒスティーガーじゃないと文句つけていた気がします。(笑)
ですが、あれだけの数出して戦車戦やるには仕方なかったんでしょうね。
いまだと一部だけ実物であとはCGかな。
まあ、なかなかがんばっていた映画だったと思います。
  1. 2008/11/27(木) 20:53:55 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://masatomaikata.blog55.fc2.com/tb.php/1127-30c6cfb6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

03 | 2020/04 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

AquariumClock 2

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア