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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

戦艦ビスマルクを撃沈せよ (2)

1941年5月18日、ビスマルクとプリンツ・オイゲンほかのドイツ艦隊はゴーテンハーフェンを出港しました。
リュッチェンス提督の計画としては、このままノルウェーをかすめるようにして北海へ向かい、待機しているはずの給油船と合流して燃料を受け取ったのち、北大西洋で英国商船団を攻撃するというものでした。

ビスマルクは、出撃に際してどういうわけか燃料を200トンも積み残しておりました。
長期的に外洋で航海するためには燃料が必要不可欠でしたが、どうも事故で積み損ねていたようでした。

ビスマルクが出港したちょうどそのころ、かつて造船所で兄弟艦の約束を交わした潜水艦U-556は、大西洋上で順調に商船狩りを行なっておりました。
しとめた獲物は五隻にものぼったそうで、ヴォールファルト大尉以下乗組員は意気揚々としていたところでした。

ビスマルク艦隊は、デンマークとノルウェーにはさまれたカテガット海峡を通過。
残念なことに、狭い海峡の通過はすぐにこの艦隊の出撃を連合軍側に知らしめることになります。
5月20日には早くもスウェーデンの軍艦がビスマルク艦隊を発見したのです。

英国海軍の根拠地スカパ・フローでは、戦艦「キング・ジョージⅤ」に将旗を掲げた本国艦隊司令長官サー・ジョン・トーヴィー提督が、ビスマルクの出撃を待ち構えておりました。
彼はビスマルクの出撃を5月中旬と読んでおり、重巡「サフォーク」と「ノーフォークの」二隻を指揮してデンマーク海峡を遊弋中のウェイク・ウォーカー少将に注意するように命じたばかりでした。

ビスマルク艦隊の出撃情報は5月21日にはトーヴィー提督の元に届きました。
トーヴィー提督はビスマルク迎撃に手持ちの戦力を集結するべく各部隊に命令を発します。
地中海で苦戦しているマルタ島守備のために航空機を運ぶ予定だった空母「ヴィクトリアス」の出撃を取りやめ、巡洋戦艦「レパルス」にもスカパ・フローへの帰投を命じました。
そして、先遣部隊として、ランスロット・ホランド中将に戦艦「フッド」と、完成したばかりでまだ完熟訓練も満足に行なえていなかった最新鋭戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」を与え、出撃準備を行わせます。

同日、どうしたわけかリュッチェンス提督は指揮下の艦隊をノルウェーのベルゲン付近のフィヨルドに停泊させ、プリンツ・オイゲンに給油を行なわせました。
今後の通商破壊行動における燃料の不安を解消したかったのかもしれませんが、それにしてはビスマルクへの燃料補給は行なわなかったのです。
このツケは高くつくことになりました。

そのころ、ビスマルクの動向を探るべくトーヴィー提督が派遣した英空軍の偵察機が、フィヨルドのビスマルクを発見。
またしてもビスマルクは居場所を察知されてしまいました。

この情報にトーヴィー提督はホランド中将の先遣隊に出撃を命令。
フッド、プリンス・オブ・ウェールズ及び駆逐艦四隻がビスマルク目指して出港しました。
英軍のビスマルク狩りが始まったのです。

翌5月22日、ビスマルク以下の艦隊はフィヨルドを出港。
北大西洋へ向かって航海を始めます。
ここから先は波の荒い外洋であり、護衛の駆逐艦には航行困難になるであろうことが予想されました。
そのため、護衛の駆逐艦とはここで分離。
ビスマルクとプリンツ・オイゲンのみがアイスランド方面へ向かいました。

アイスランドとグリーンランドの間をデンマーク海峡と呼びます。
このデンマーク海峡を通って、ビスマルクは外洋へ向かうつもりでした。

一方、フィヨルドからビスマルクが出港したことを知ったトーヴィー提督は、ついに自らも艦隊を率いてビスマルク追撃に向かいます。
戦艦キング・ジョージⅤを旗艦とし、帰投した巡洋戦艦レパルス、出撃を取りやめていた空母ヴィクトリアスと軽巡洋艦四隻、駆逐艦六隻があとに続きました。

トーヴィー提督が本国艦隊を出撃させていたころ、英国海軍軍令部のダドリー・パウンド提督は、本来なら船団護衛につく予定だったジェイムズ・サマーヴィル中将指揮下のジブラルタル駐留艦隊(H部隊)にもビスマルク追撃に参加するよう指示。
この指示こそパウンド提督の最高の指示だったとのちに評されることになります。

5月23日、ビスマルクとプリンツ・オイゲンはデンマーク海峡に侵入。
時折霧が立ち込める中、両艦は粛々と海峡を通過して行き、英軍の準備した機雷原も突破します。
リュッチェンス提督の下には、まだ英国艦隊出撃の報告は届いておりませんでした。

19時15分ごろ、デンマーク海峡を遊弋していたウォーカー少将指揮下の二隻の重巡のうちの一隻サフォークの見張り員が、ビスマルクとプリンツ・オイゲンを視認。
同艦のエリス艦長は、ビスマルクの砲撃を食らってはひとたまりもないので、慎重にサフォークを霧の中に隠し、装備されたばかりのレーダーで追尾することにします。

一方もう一隻の重巡ノーフォークは、霧の切れ間に姿を現してしまうというミスを犯してしまい、ビスマルク側にも英国巡洋艦の姿を視認させてしまいます。
ビスマルクは直ちにノーフォークを追い払うべく砲撃を開始。
正確な砲撃はノーフォークが霧に隠れるわずかな間に砲弾を夾叉(きょうさ:砲弾の着弾が敵艦を挟み込むこと。次の射撃で当たる確率が高くなる)させるほどでした。

サフォークとノーフォークの悲鳴のようなビスマルク発見の報告は、ホランド提督の先遣艦隊はおろか、トーヴィー提督の本国艦隊、英国本土の軍令部、ジブラルタルのH部隊のサマーヴィル提督にも受信されました。
ビスマルクはまたしてもその位置を発見されてしまったのです。

先遣艦隊のホランド提督は勇み立ちました。
指揮下の二隻の戦艦に対して相手は戦艦はビスマルク一隻。
フッドこそ艦齢20年になるベテランですが、その主砲はビスマルクと同じ38センチ砲八門。
さらにプリンス・オブ・ウェールズにいたってはできたばかりの最新鋭戦艦であり、主砲は36センチ砲と一回り小さいものの、その分十門という門数をそろえていて遜色ありません。
気がかりなのはできたばかりということで乗組員の練度不足と、造船所の工員が乗り込んでまだ工事をやっている部署があるということでした。

ホランド提督は態勢的に有利なT字戦法(味方は横腹を晒して全部の大砲を使うが、敵は向かってくるために前側の大砲しか使えず、味方が有利)を取るべく進路を変えます。
この針路変更は、幸か不幸かビスマルクとわずか10マイルほどですれ違うと言う結果になり、ウォーカー隊からの位置報告によって再度変針。
ビスマルクを追いかけるような形となってしまいます。

ビスマルクとフッド及びプリンス・オブ・ウェールズとの戦いは、翌日に持ち越されました。

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  1. 2008/09/21(日) 20:32:42|
  2. ビスマルクを撃沈せよ
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