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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

明日からキャンプ

今日で早くも一月が終了。
明日からは二月でプロ野球はキャンプインです。
いよいよ今年もプロ野球が始まりますね。
(*'▽')

今年は阪神が沖縄の宜野座村、日本ハムが沖縄の名護市と両チームともに沖縄です。
道民の私には想像もつきませんが、沖縄はやっぱり暖かいんでしょうねー。
いいなぁ。

日本ハムは明日にはもう紅白戦をやると息巻いておりますし、阪神も岡田新監督の元アピールに熱が入りそう。
とはいえ、ケガだけは注意してほしいですね。
キャンプでケガして前半を棒に振りましたなんて目も当てられませんからね。
そこは頼みますよ。

そのうえでしっかりと調整を行なっていただきたいところです。
やっぱり今年のスタートですからね。
開幕ダッシュできるように鍛えていただきたいですね。
頑張れ両チーム。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/31(火) 18:18:57|
  2. スポーツ
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満洲関係二冊到着

先日見かけてついついポチッてしまったムック本と小説が到着しましたー。
ヽ(´▽`)ノ ワァイ

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ダイアプレス社の「満洲と関東軍の真実」と、新美健先生の「満洲コンフィデンシャル」です。

ともにかつて日本が傀儡国家として樹立した「満洲国」に関連した本で、「満洲と関東軍の真実」は満洲を実質支配していた日本陸軍の「関東軍」を取り上げたムック本であり、「満洲コンフィデンシャル」は満州国を舞台にした娯楽小説ということのようですね。

「満洲国」につきましては、個人的に以前からこの「傀儡国家」「国家もどき」という存在に興味があり、時々関連書籍等を購入していたのですが、今回もこういった本を見かけたのでついポチッてしまった次第です。
(^_^;)

それにしましても「国民」という規定がないというか、住民が「国籍」を持たない国というのもすごいですよね。
「満洲国」には「満洲国民」っていないんですよ。
「国籍」に関する法が無いので、満洲国民になりたくても満州国の国籍を取ることができないという。
(民籍というものはあって、それで人口等把握をしていたようです)

そんな満洲を支配する関東軍と、その武威の下で満洲に暮らした当時の日本人はどんな雰囲気だったのかなぁというのは、前から気になっていたところでしたので、満州国を舞台にした小説には惹かれてしまいました。
ですので、読むのが楽しみです。
まあ、今読んでいるものが読み終わってからではありますが。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/30(月) 17:53:53|
  2. 本&マンガなど
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デパプリも終了

一月も最終週となり、今日で「デリシャスパーティ プリキュア」も最終回でした。
一年間ありがとうございました。
(*´ω`)

セクレトルー姐さんもナルシストルーもなんだかんだ罪を償っているみたいでよかったよかった。
最近は敵も消滅するようなことが少なくなりましたねー。

それにしても、今回の「デリシャスパーティ プリキュア」も途中で「不正アクセス事件」によって丸一ヶ月放送が中断するという事態になってしまいました。
次回の「ひろがるスカイ!プリキュア」ではそういう事態は起きないことを祈りたいです。

ということで来週からは「ひろがるスカイ!プリキュア」。
「ひろがる」は「ヒーローガール」にもかけているんだとかいないんだとか。
最後にちょこっと登場したソラちゃんも「ヒーローの出番です!」って言ってましたしねー。
楽しみです。
(*'▽')

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/29(日) 17:46:37|
  2. アニメ
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仏軍大敗!

今日は土曜日なのでウォーゲームをソロプレイ。

タクテクス34
今回はタクテクス誌34号付録版の「マレンゴの戦い」を遊びました。

23012801.jpg
初期配置は決まっているので楽なものです。
初期配置から考えなくてはならないのは結構大変ですからねー。

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ナポレオン率いるフランス軍に要塞都市アレッサンドリアに追い詰められていたオーストリア軍。
しかし、ナポレオンが兵力を分散したのをチャンスと見て打って出ることにしたのですよね。
なので、都市から出るのが一苦労。

23012803.jpg
なので第2ターン終了時点でもこんな感じ。
オーストリア軍はやっとフランス軍と接触するところです。

23012804.jpg
第5ターン終了時。
仏軍はこのあたりでいったん下げられるものは下げるべきでしたかねぇ。

23012805.jpg
このゲームは強ZOCにマストアタックですので、戦うと不利になる状況でも攻撃しなくてはならず、そのため仏軍はマレンゴ村の前面で二個ユニットがAEというひどいことに。
オーストリア軍は労せずマレンゴ村を占領してしまいます。

23012806.jpg
第8ターン終了時。
仏軍には援軍が続々やってきてはいるのですが、オーストリア軍を止めることができません。

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第10ターン終了時。
仏軍は戦力が二倍になる反撃を宣言しますが、すでにユニットを失いすぎて大きな効果を出せません。
/(^o^)\ナンテコッタイ

23012808.jpg
第12ターン終了時。
もう仏軍に勝利条件を満たす力は残っていません。
(>o<")

23012809.jpg
ゲーム終了時。
なんとまあ、仏軍は二個ユニットしか残りませんでした。
(^o^;) ヒエエエエ

23012810.jpg
両軍の失ったユニットたち。
オーストリア軍も相応に失ってはいたんですが、仏軍の損害が大きすぎました。
まさかこれほど失うとは。
このゲームは何度もプレイしておりますが、ここまで仏軍が負けたのは初めてですねぇ。
びっくりです。

今回もプレイ中のツイートをこちらにまとめました。
よろしければご覧ください。

23年1月28日のタクテクス誌付録版「マレンゴの戦い」をソロプレイした時のツイートまとめ

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/28(土) 18:00:27|
  2. ウォーゲーム
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一旦電気を切るというのはめんどいものですよねぇ

昨日発生しました部屋のトラブル、結局のところ部品交換ということになりまして、業者の方が来ることに。

それで夕方来ていただいたんですけど、部品交換のためにはいったん電気のブレーカーを落とさなくてはならないということで、部屋の電気を止められてしまいました。
(>o<") Oh

部品の交換自体はそれほどかからずに終了し、おおもとのトラブルは解消ということになったのですけど、ここからが結構大変。(笑)
ブレーカーを戻して電気が再開通したので、あちこちの機器類の設定を再度し直すことに。
/(^o^)\ナンテコッタイ
めんどくさいですよねー。
(^_^;)

ストーブの時刻設定や録画機のタイマー設定、他にも各部屋の機器がちゃんと動いているか確認し、スイッチを入れ直したりしなくてはならないなど。
電気が止まるというのは厄介ですなぁ。
あのブラックアウトを思い出してしまいました。
( ˘ω˘)

まあ、これで昨日のトラブルは解消できたと思うので、やれやれです。
管理会社と業者さんが早く対応してくれたので助かりましたわぁ。
ありがたやありがたや。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/27(金) 18:28:41|
  2. 日常
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朝っぱらからトラブル発生

昨日からの寒波に震えまくっている舞方ですが、今朝も寒かったですねぇ。
ほんとストーブ点けてても室温がさっぱり上がってくれませんわ。

そんな状況なのに、朝からさらに部屋のトラブル発生というウソーーんな状況に。
_(:3 」∠)_ ウボワァ

そのまま放置できるトラブルじゃなかったので、管理会社に連絡するしかなく早々に電話。
対応していただけるということになりましたが、いつになるかは不明とのこと。
まあ、しゃあないかと思いましたが、その後業者さんから連絡が入って、早めに対応してくれることが確定。
やれやれでした。
(^_^;)

しかしまあ、寒いとトラブルも起こりやすくなりますよねー。
水道の凍結には注意して元栓閉めるなど対応してますが、予想外のことが起きられるとたまらんですわ。
困ったもんですー。

寒さは今週いっぱい続くとのこと。
皆様も充分ご注意くださいませ。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/26(木) 19:00:00|
  2. 日常
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さーーーむーーーいーーー!

先日からもう寒い寒いという記事しか書いておりませんが、ホントに今日は寒いですわぁ。
(>o<")

23012501.jpg
今朝の札幌は久しぶりに氷点下12度まで下がったそうで、写真は玄関のドアの内側なんですが、もう外枠部分ががっちりと凍ってました。
昨日の晩の時点でも凍っていたので、開けるのに体当たりしないとならないくらいだったのですが、今朝はそのおかげで体当たりまではしないで開けることができましたけど、こんなにがっちり凍るのも珍しい気がします。

23012502.jpg
ストーブも設定温度は20度なんですが、朝6時から燃やしてても、午前10時近くになっても室温が13度までしか上がってくれないというね。
寒い寒い寒い。
結局夕方6時過ぎても室温18度です。
20度まで上がってくれない。
(^_^;)

幸い昨晩水道の元栓を閉めたことで水道凍結は免れましたが、今日は札幌でも水道凍結したという方も多かったみたいです。
明日の朝もまだ冷え込むそうなので、皆様も水道凍結にはご注意ください。
あらかじめ水を鍋などにある程度溜めて置いて元栓を閉めるのがいいと思います。
万が一凍結しても、その溜めた水でお湯を沸かしたりできますので。

今週いっぱいまだ冷え込むという話です。
早く寒気から抜け出してほしいですねぇ。
( ˘ω˘)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/25(水) 18:02:21|
  2. 日常
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寒波寒波!

いや、ホント寒いですねぇ。
今夜から明日にかけてさらに寒くなるとのことでしんどいですわぁ。
(>o<")

10年に一度クラスの寒波が来ているとのことで、札幌ではこのあとマイナス10度を超えてくるみたいです。
明日の朝にはマイナス11度から12度とのことなので、さすがに堪えますねぇ。
やっぱり水道の元栓は閉めたほうがいいかなぁ……
(´・ω・)

ストーブ焚いててもなかなか室温が上がってくれませんね。
一応20度近くはあるんですが、上に一枚プラスで着込まないと寒いです。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

今晩は寒さばかりか風と雪も加わるそうなので、たまりませんねぇ。
かなりの吹雪になりそうなので、明日は外出も大変そうです。
この寒さは日本全国に及ぶそうですので、皆様も充分ご注意くださいませ。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/24(火) 17:48:08|
  2. 日常
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すっきりしたけどちょっと寒い

今日は久しぶりに散髪に行ってきました。
髪を短くしてもらい、白くなった髪は黒く染めてもらってさっぱりさっぱり。
(*´ω`)

それにしても値上げの波は床屋にも押し寄せており、価格改定の張り紙が。
お湯を沸かしたりバリカンやドライヤーなど電気もたくさん使うでしょうしねぇ。
ホントにエネルギー価格の上昇はつらいところですわぁ。

今日のうちの近所は天気は良かったのですけど、おかげで寒い寒い。
明日以降は寒波がさらに強まるというのですけど、髪を切ってもらったことで余計に寒く感じそう。
風邪をひかないようにしないとなりませんねー。
皆様もご注意を。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/23(月) 18:10:58|
  2. 日常
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招き猫アタック

「デリシャスパーティ プリキュア」もいよいよ来週で最終回。
今日の放送はいわばラスボスゴーダッツ様との最終決戦。

でしたけど、招き猫のすごさが画面を支配してましたねー。(笑)
ゴーダッツ様もまさかあの巨大招き猫と戦うことになるとは思わなかったのではないですかね。

そしてどうやらセクレトルー姐さんにもナルシストルーにも見限られてしまった模様。
最近のプリキュアは敵幹部が消滅したりしないので、なんか安心してみていられるような気もします。
最終話ではみんなで一緒にご飯を食べるシーンがありますかね。

ともあれ来週で終わりですかー。
次作は「ひろがる! スカイプリキュア」とのこと。
また新たなプリキュアが始まるのはありがたいですね。
楽しみです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/22(日) 18:27:14|
  2. アニメ
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騎兵は意外と侮れなかった

今日は土曜日なのでウォーゲームをソロプレイ。

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今回はコマンドマガジンの付録に付いたGDWの120シリーズの一作、「アルマの戦い」をソロプレイすることにしました。

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初期配置はこんな感じ。
基本的にほぼ配置位置が決まっているので楽ですね。
手前の緑色のユニットがロシア軍で、右上の赤いユニットが英国軍、左上の青いユニットがフランス軍。
フランス軍の中にいる茶色いユニットはトルコ軍です。

この「アルマの戦い」は、1854年9月の「クリミア戦争」中に起きた戦いの一つをゲーム化したもので、セバストポリに向かう英仏軍をアルマ川の対岸でロシア軍が迎え撃った戦いです。

23012106.jpg
ですので、英仏軍はこの戦場を突破して進むのが目的となりますから、この勝利条件ヘクスににユニットを送り込むのが勝利条件です。

23012103.jpg   23012104.jpg
第1ターン及び第2ターン終了時。
アルマ川と対岸の河岸段丘のおかげで、英仏連合軍の移動はかなり制限されることに。
移動力が足りなくても1ヘクスは進めるというルールが非常にありがたく感じるぐらいです。
ロシア軍は動かずに待ち受ける形。

23012105.jpg   23012107.jpg
第3ターン終了時及び第4ターン終了時。
英軍の前にはロシア軍の重厚な布陣が敷かれてますが、仏軍側にはさしたる戦力を置いてなかったことがあだとなり、仏軍側の戦線が崩れてしまいます。
ロシア軍指揮官のメンシコフ公の布陣のミスですねぇ。

23012108.jpg   23012109.jpg
第6ターン終了時及び第7ターン終了時
ロシア軍は英軍にも前線を突破されて後退。
ここでほぼ詰んだと見ましたので、ここまでにしました。

数年ぶりにプレイしたような気がしますが、楽しかったです。
19世紀の戦闘をそこそこ手軽にプレイできるゲームだと思いますので、機会があればプレイしてみてもよろしいかも。

今回もプレイ中のツイートをこちらにまとめました。

23年1月21日のGDW「アルマの戦い」コマンドマガジン付録版をソロプレイした時のツイートまとめ

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/21(土) 18:19:49|
  2. ウォーゲーム
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早くも振り分け

2月1日から始まりますプロ野球の春季キャンプ。
今日は、日本ハムが早くもキャンプにおける一軍二軍の振り分けを発表しましたとのこと。
早いですねー。

このオフに移籍してきた移籍組の大半と、新人も数人が一軍スタート。
ドラフト一位の矢澤選手や、人的保証で移籍してきた田中正義投手、FA移籍の伏見捕手やドラフト三位の加藤豪将選手などがまずは一軍に抜擢ですね。
とりあえずまずはお披露目と言った感じでしょうか。

実績組ではWBC出場の伊藤大海投手やエース上沢投手、開幕投手を指名された加藤投手や、今川選手、清宮選手、万波選手などが一軍スタート。
阪神から移籍の江越選手や齋藤投手も一軍ですね。
頑張ってほしいところです。

日ハムは1日からもう紅白戦をやると宣言しておりますので、その紅白戦やキャンプでの取り組み次第では二軍との入れ替えも結構ありそうという話。
しっかり鍛えて開幕を迎えてほしいものです。
頼みますよ、新庄監督。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/20(金) 17:50:47|
  2. スポーツ
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明日は少し暖かいそうだが……

今日は午前中は買い物、午後からは用事を済ませに区役所へということでお出かけお出かけ。
幸い雪には降られずに済んだのですが、天気が良かった分気温は低く寒かったですねぇ。
(>o<")

で、この寒さ、明日は少し緩んで久しぶりに最高気温がプラス2度予報と真冬日を脱出になりそうなんですが、逆に雪で大荒れになるみたいです。
_(:3 」∠)_ ウボワァ

そしてこの雪とともに猛烈な寒気も来るようで、日曜日から来週前半にかけては最低気温がマイナス10度を超え、最高気温でもマイナス5度とかという強い寒さになるとのこと。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

また強烈な寒気みたいですねぇ。
ストーブ全開でもなかなか室温が上がらなさそうです。
燃料代がまたかかりますなぁ。

それに、水道凍結の対策のために寝る前には元栓を閉めたほうがいいのですが、うちの元栓は奥にあるので、手を思い切り伸ばさないと届かないんですよねー。
それで手を伸ばすんですが、「50肩」のために痛いのなんの。
(>o<") ヒー
歳は取りたくないよぉ。

まあ、痛いのなんのとは言ってられないので、来週は元栓しっかり閉めないととは思いますけど、憂鬱です。
やれやれ……

寒気は本州方面にも影響しそうですので、皆様もご注意を。
今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/19(木) 17:38:03|
  2. 日常
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藤浪君はアスレチックス

阪神タイガースよりポスティングによるメジャー移籍を望んでおりました藤浪晋太郎投手が、このたびオークランド・アスレチックスと契約がまとまり、移籍会見を行なったというニュースが入ってきました。

投手だから取ってもらえるだろうなとは思っておりましたが、入団が決まってひとまずはよかったという感じですね。
一年契約とのことですので、今シーズンに結果を出さないとなりませんが、どうなりますか。

それでも環境が変わることで、剛腕復活という可能性も少なくないのではという気がしますし、頑張ってほしいですね。
阪神ファンとしてはチームにいるうちに復活してほしかったところですけど、メジャーで活躍する藤浪投手に期待したいところです。

さてさて、半月後にはプロ野球もキャンプがスタートですね。
野球のシーズンもまた始まりますね。
楽しみです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/18(水) 17:47:19|
  2. スポーツ
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なんだかんだと12巻目

ゆうきまさみ先生のマンガ「新九郎、奔る!」の12巻を読了です。

23011301.jpg   23011302.jpg
こちらが表紙。
座禅を組む新九郎殿と言ったところでしょうか。

新九郎殿もなんだかんだ言って、もうはや12巻。
やっと姉君の嫁ぎ先今川家の内紛も一段落しそうかなと思う矢先、関東では戦乱が収まりそうで収まらない雰囲気。
もう一波乱二波乱ありそうです。

しかしまあ、室町末期も落ち着かない感じですなぁ。
ここから戦国時代一直線なんですかね。
このあたりはさっぱりなので、どうなるのか楽しみです。
新九郎殿があの人物として名を知らしめるのはいつになるのでしょうか。
13巻早くこーい。(笑)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/17(火) 17:31:55|
  2. 本&マンガなど
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645号

今月のタミヤニュースが届きましたー。
ヽ(´▽`)ノ

645.jpg
こちらが表紙。
今号はイタリア空軍第13飛行隊(上)と、第32航空団(下)のマークとのこと。

今号の「博物館をたずねて」は、英国の巡洋艦ベルファスト。
英国海軍のタウン級軽巡ベルファストは記念艦として保存され、内部が公開されているそうで、艦橋や主砲の発射管制室など見ごたえがあるとのこと。
見てみたいものですねぇ。

「第二次大戦イタリア軍装備解説」は、イタリア戦車部隊の発展と装備の7回目。
ドイツのバルバロッサ作戦に呼応してイタリア軍もソ連に侵攻を開始したものの、イタリア軍の戦車ではソ連軍との戦闘には厳しく、装備していた戦車は次々と消耗。
のちには友邦ドイツから三号・四号戦車や突撃砲などの貸与を受けて戦うことになったとか。

巻中の情景写真は英軍のM10アキリーズの情景。
草原に陣取ったM10アキリーズが押し寄せる敵を迎え撃ち、大量の薬きょうが車輌のそばにまき散らかされているというものです。
どこにそんなに積んでいたのというぐらいの大量の空薬きょうは3Dプリンターで作成したとのこと。
最近は3Dプリンターが模型作りにも多用されてきているみたいですね。

他には第51回の人形改造コンテストの入賞作品と入賞者コメントや、「第二次大戦機の真相と深層」の第45回目など、面白い記事がいくつも。
今月も楽しませていただきました。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/16(月) 17:56:36|
  2. タミヤニュース
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あのカボチャって……

先週でいったんおやすみとなった「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。
そのため、今週から4回に分けて劇場公開しました「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」をTVバージョンとして放送です。
実はこの作品は未見でしたので、今回の放送はありがたい限りです。
ヽ(´▽`)ノ ワァイ

ということでさっそく第1話を視聴。
開幕いきなりハイジャックでした。
ネットで何度も見ておりましたあのカボチャヘッドが登場。
オオーッと思ったのもつかの間、ハサウェイ君にやられちゃいましたよ。
工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工?

君、ネットでさんざん出ていたから、重要人物だと思っていたやんけ。
というかハサウェイ君の変装やと思っていましたんよ。
違ったー。
Σ( ºΔº )

いやぁ、ほとんど知識なしで見ると驚くことありますなぁ。(笑)
続きが楽しみです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/15(日) 17:40:41|
  2. アニメ
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鹵獲艦の名は「ワイバーン」でした

今日は土曜日なのでウォーゲームのソロプレイ。

TRIPLANETARY(小)
今回はGDWの「TRIPLANETARY」を遊ぶことに。
単に宇宙船を飛ばすだけでも充分なんですけど、やはりそこに何かこうシチュを加えたくなるのが創作系にも手を出している者の性か? (笑)

23011401.jpg
今回も太陽系に艦船を配置。
広いようで狭く、狭いようで広い。

23011402.jpg
今回主人公マサトノフ艦長とテレパス少女ミラちゃんには、以前鹵獲した反太陽系連合革命軍のコルベットに乗ってもらうことに。
プレイ中に触れるのを忘れていたんですけど、艦名は「ワイバーン」です。
前回乗っていたスループ級(4-20)よりワンランク低い戦闘艦ですね。

23011403.jpg
今回は革命軍の関係者が金星の収容所から脱走し、民間船をハイジャックしてガニメデに向かうというシチュを用意。
ハイジャックの対象に選ばれたのは、この右上に「S」の記号が付いた客船(2D-10)「スピカ」号。
地球へ向かうはずが、ガニメデに向かわされる羽目に。

23011404.jpg
民間船舶、海軍のスループ、革命軍のコルベット、そしてマサトノフ君の鹵獲コルベットが太陽系内に散らばります。

23011405.jpg
マサトノフ君はうまいこと客船と合流しようとしていた革命軍のコルベット「ゴースト」号を捕捉。
テレパス少女ミラちゃんのおかげもあって一撃で相手を行動不能にし、海兵部隊を移乗させて艦内の制圧に成功。

23011406.jpg
革命軍のコルベット「ゴースト」号に成りすまし、客船「スピカ」と合流します。
ダイス目1.2が出たら疑われると設定しておりましたが、ダイス目は4。
味方が来てくれたと安心して乗り移ってきた革命軍の連中を一網打尽にすることに成功したとしました。

23011407.jpg
革命軍はこの脱走劇の陽動と支援のために、合流するはずの「ゴースト」のほかに3隻のコルベットを用意。
それぞれ通商破壊を企てましたが、貨物船1隻を撃沈したものの、逆に連合海軍のスループの攻撃で3隻すべてを失うことに。
脱走した重要人物も確保され、はっきり言って踏んだり蹴ったりでしょうか。
(^o^;)

23011408.jpg
とはいえ、味方にも極秘で行った今回の作戦。
鹵獲艦だけに味方のスループでも遭遇したら攻撃を受けてしまいます。
距離を取るしかねぇ。

23011409.jpg
ハイジャックされていた「スピカ」号は、解放されたものの推進剤切れで漂流状態。
海軍のスループが合流して事なきを得ます。

23011410.jpg
なんとか味方の目もかいくぐって小惑星セレスの海軍基地に帰投。
任務は無事成功したのでした。
やれやれ。
(*´ω`)

今回もプレイ中のツイートをこちらにまとめました。
よろしければご覧ください。

23年1月14日のGDW「TRIPLANETARY」を自作シチュでソロプレイした時のツイートまとめ

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/14(土) 17:42:16|
  2. ウォーゲーム
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第1話からヒロインがある意味入れ替わり

こちらでは昨晩から始まりましたアニメ「NieR:Automata Ver1.1a」(ニーア オートマタ)を、録画して拝見してみました。

公式サイトはこちら「NieR:Automata Ver1.1a

この作品は2017年に発売になりましたアクションゲームをもとにしたアニメだそうで、そのヒロインである「2B」というキャラはTwitter等で見かけていたので以前から存じていたのですが、その内容までは全く存じなかったため今回のアニメは楽しみです。

ヒロイン「2B」はどうやら女性型のアンドロイドだそうで、黒い衣装を身にまとい、目の部分を黒い布のようなもので隠しているいわゆるメカクレキャラ。
なので私にとりましては大変に好みという感じです。
(^o^;)

第1話ではよくわからないうちに戦闘が始まり、「9S」という男性型アンドロイドとともに戦うことになりますが、なんとなんと最後には二人とも戦っていた相手もろとも自爆という行為に。
ただ、二人ともアンドロイドなので、別のボディにデータを移し替えればOKということで「2B」も「9S」も復活。
とはいえボディそのものは別個体と言っていいでしょうから、ある意味ヒロインが早くも交代か。(笑)

ともあれ、これまた続きが気になるアニメですね。
第2話が楽しみです。
(*´ω`)

  1. 2023/01/13(金) 17:47:18|
  2. アニメ
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数値が良くなってたよ

今日は今年初めての定期通院に行ってきました。
今月は二ヶ所が重なる月だったので、ビョイーンのはしごです。
_(:3 」∠)_ ウボワァ

先に内科の方の病院へ。
いつものように採尿と採血ですが、今日の採血はいつものようにスムーズにいかず、だらだらと一滴ずつ搾り取るような感じに。
(>o<") イタタタタ

その後結果を聞くことになるのですが、正月を挟んでいたので、きっと数値は悪化しているだろうなぁと思っていたのですけど、なんとなんと数値がかなり良くなっていたのでびっくり。
薬のおかげか、少しやせてもいたので、このまま続けましょうということに。
(*´ω`)

続けて耳鼻科に行き睡眠時無呼吸の方を。
こちらはいつもと変わらずで良くもなく悪くもなく。

帰りはスーパーで食糧の買い出しをして帰宅。
疲れたー。

今回不安だったことの一つに世間で話題になっている薬不足があったんですけど、やはりというか頂いた薬にも作用や名称は同じだけどメーカーが違うものと変更になったものがありました。
まあ、無かったわけではないので助かりましたが、薬不足は影響しているみたいですねぇ。

ともあれ、次回の通院までは薬の確保できたので、節制と薬で生きていきましょうかねー。
やれやれです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/12(木) 17:47:36|
  2. 日常
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日ハムが選んだのは田中正義投手

本日、北海道日本ハムファイターズは近藤健介選手の移籍に伴う補償として、福岡ソフトバンクから田中正義投手の獲得を発表しました。

Σ( ºΔº ) ナントー
田中正義投手でしたかー。
新庄監督が漏らしてしまったようなものでしたので、そうだろうとは思ってましたが、決まりましたか。

田中投手と言えば私でも知っているぐらいに、能力は高いもののなかなか一軍で投げることのできないケガの多い投手というイメージ。
実際6年間で34試合しか投げていないという話です。
ですが、持っているポテンシャルはとても高いということで、ソフトバンクファンの皆様も期待していた投手とのこと。
投げることさえできれば充分に戦力になると常々言われてきた投手です。
そのあたり、日本ハムとしては当然承知の上での獲得でしょう。

ですので、ケガなく一年間投げていただければ、おのずと成績はついてくるのではないでしょうか。
新天地で新たな一歩を踏み出してほしいものです。
とにかくケガにだけは充分注意して頑張ってほしいですね。
田中投手、ようこそ日本ハムへ。
頼みますよー。
(´▽`)ノ

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/11(水) 17:48:38|
  2. スポーツ
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4巻到着

昨日のことですけど、注文してあったマンガが到着しました。
予定より一日早かった。
Σ( ºΔº )

23011001.jpg   23011002.jpg
到着したマンガはこちら。
「名を言えないマンガ」こと「淫獄団地」の4巻ですねー。
(*'▽')

表紙は今回管理人のヨシダ君に立ちふさがる変態人妻二人。
ツジサキさんとアンドウさんです。

この二人、強いんですよねー。
ツジサキさんは魔法少女、アンドウさんはマゾ豚のリビドークロスですけど、それがまた妙に強い。(笑)
さらに二人とも第二性癖解放でさらなる強さを発揮するというね。
特にアンドウさんはこの第二性癖解放後がやたらかっこよくてたまりませんね。
ですが、意外な相手に敗北することに……

今回も楽しませていただきました。
続きが楽しみですー。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/10(火) 17:27:27|
  2. 本&マンガなど
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今日は録画消化三昧

今日は午前中は食料品の買い出しで近くのスーパーへ。
いやぁ、何でもかんでも高くなってていやになりますなぁ。
今までより一割二割出費が多くなってる気がしますよ。
やれやれです。

午後からは週末に録画してあったアニメの消化をまず行うことに。
新しく始まった「アルスの巨獣」と「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」を視聴。
「アルスの巨獣」は先が気になる感じなので視聴継続決定。
「老後に……」も、まあ視聴継続してもいいですかねー。

続けて「不滅のあなたへ」も視聴。
不死の仲間になる3人のキャラが新たに登場ですか。

そして録画鎌倉殿の25話と26話を連続で再視聴。
HDDの容量を考えて、再視聴が終わったら全部消去ということになりそう。
円盤に焼いておきたいところですけど、うちの録画機今円盤側が調子悪いんですよねー。
_(:3 」∠)_ ウボワァ

そんな感じで午後はずっとテレビを見てました。
久しぶりにテレビを見まくったって感じですかねー。
(^o^;)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/09(月) 17:32:49|
  2. 映画&TVなど
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すさまじいとしか言いようが……

今日で分割二クールの前半が終了しました「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。
先ほど視聴してまだ心の整理がついていない舞方です。
(>o<") ヒー

いやぁ、予想をはるかに超えてくる前半終了でしたねぇ。
グエル君がまた背負わせられちゃったかーと思う間もなく、Cパートのあの展開。
まさか前半クールで明確にスレッタに人の命を奪わせてくるとは思いませんでした。
ただ、エアリアルに乗る前のスレッタと、乗って以後のスレッタは明らかに違う感じでしたので、エアリアルによる影響なのかなーという気はしますね。

ともあれ、これで前半終了。
後半は4月から開始ということで、それまでは「閃光のハサウェイ」や「サンダーボルト」をやるという話ですね。
そちらも未視聴なので楽しみです。
そちらを見ながら後半を待ちましょうかね。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/08(日) 17:46:46|
  2. アニメ
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狂暴化狂暴化ヤッホーヤッホー♪

今日は土曜日ということでウォーゲームのソロプレイ。

Squad Leader
今日は「Squad Leader」を遊ぶことにしました。

23010701.jpg
今回もポイントで部隊編成。
防御側の独軍が1000ポイント、攻撃側のソ連軍が1.4倍の1400ポイントで編成しました。
ポイント的には1.4倍ですけど、分隊数では2倍もあるという。

23010702.jpg
初期配置はこんな感じ。
ソ連軍は盤外から二手に分かれて侵入します。
勝利条件は独軍の布陣する第3盤の建物を過半数占領すること。
30個あるので16個ですね。

今回はとにかくソ連軍に狂暴化ユニットが出まくりでした。
(^o^;)

23010703.jpg
開始早々にソ連軍の操作班1個が士気チェックでピンゾロ。
狂暴化して独軍に突っ込んでいくことに。
/(^o^)\ナンテコッタイ

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一方独軍は隠匿配置の対戦車砲と三号突撃砲がそれぞれソ連軍のT-34を一輌ずつ撃破。
三輌あったT-34は序盤で残り一輌に減少。

23010706.jpg   23010707.jpg
苦しいかと思われたソ連軍ですが、士気チェックで次々とピンゾロを出し、分隊が続々と狂暴化。
3ターン終了時には先に狂暴化した操作班と合わせて3個もの赤いユニットが。
工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工?

23010708.jpg   23010709.jpg
それだけではとどまらず、さらにソ連軍は士気チェックでピンゾロを出しまくって狂暴化。
「Squad Leader」のボックス内に入っている赤い447ユニット4個すべてが登場するという前代未聞の状況に。
私、おそらくここまで赤いユニットが登場したの初めてだと思います。
(^_^;)

その後さらに1個狂暴化した分隊が出現し、ユニットが足りなくなる事態にまで。
赤い628分隊ユニットで代用して、赤い447ユニットが除去されたら交換することに。
狂暴化が総数で6個も出るとは驚きです。

23010710.jpg
独軍は三突が最後のT-34を撃破するなど、AFVの戦いでは優勢でしたが、さすがにこれだけ狂暴化ユニットが出てはどうにもならず、建物を次々と失うことに。

23010711.jpg
第6ターン終了時でソ連軍は16個の建物を確保。
独軍には取り返す戦力は無く、ここでゲーム終了としました。
/(^o^)\オワタ

いやぁ、ここまで狂暴化されたのは初めてですねぇ。
まさかユニットが足りなくなるとは。
今日はピンゾロ6ゾロが良く出ましたわぁ。

今回もプレイ中のツイートはこちらにまとめました。
よろしければご覧ください。

23年1月7日のAH「Squad Leader」をポイントで部隊編成してソロプレイした時のツイートまとめ

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/07(土) 17:57:22|
  2. ウォーゲーム
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有原投手はソフトバンクへ

2023年もまた、野球を中心としたスポーツの記事をたくさん書くことになりそうですけど、今年最初のスポーツ関連も野球ネタから。

昨日、ついに北海道日本ハムファイターズの新球場である「エスコンフィールド北海道」が完成し、その完成式が行われたそうです。
残念ながらバックネットとの距離の問題があり、シーズン終了後には改修工事が必要とのことではありますけど、まずは完成おめでとうございます。

野球の試合としてのこけら落としは、3月2日に行われる日本ハムの紅白戦の予定だそうで、無観客で行われるとのこと。
その後オープン戦が7試合組まれており、他球場より一日早い3月30日の楽天との試合でシーズン開幕を迎えることになるそうです。

いよいよ始動します新球場。
直接行くのは多分当面なさそうですけど、TVで見られるのが楽しみですね。

そしてこちらはちょっと残念なニュース。
日本ハムからメジャーに行っておりました有原航平投手が、今シーズンから日本に戻ってきて、ソフトバンクと契約することが確実になったとのこと。
まだ球団から正式な発表は無いようですが、ソフトバンク行きですかー。
ハムとしては取りに行かなかったんでしょうかね?
一時期は阪神も取りに行くような話が出ていましたけど、さすがにそれは無かったかな。

それにしてもソフトバンクの補強はすごいですね。
最下位の日ハムとしては、なんとか食いついていかないとなりませんねぇ。

今年もなんだかんだとプロ野球が始動です。
開幕が楽しみです。
(*´ω`)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/06(金) 17:39:45|
  2. スポーツ
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初詣に行きました

今日はちょっと遅くなりましたが初詣に行ってまいりました。

23010501.jpg   23010502.jpg
毎年行っている「新琴似神社」に今年もお参り。
さすがに5日ともなりますと、人もほとんどおりませんね。
ちょうど私のほかにも数人がぽつぽつとやってきて、初詣をするところでした。

23010503.jpg
今年もおみくじを購入。
今年の運勢は「末吉」でした。
昨年は「吉」でしたので、ちょっとダウンでしょうかね。

帰りには近所のスーパーに寄って今年最初の買い物を。
食料品を買ってきましたけど、年明け後にまたいくつかの商品が値上がりしてましたねぇ。
小麦系の値上がりが厳しいのか、小麦を使うものが上がっていた印象です。
_(:3 」∠)_ ウボワァ

おみくじによれば今年の後半には運気が上向くそうですので、いい年になってくれるといいなぁと思います。
(*´ω`)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/05(木) 17:57:37|
  2. 日常
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ヒロインが通う学園の女性理事長を……

新年新作SSの第二弾は、オーソドックスな悪堕ち怪人化短編です。

タイトルは「ヒロインが通う学園の女性理事長を……」です。

スロットメーカーという単語をランダムで三種類組み合わせるタイプのサイトさんがあるのですが、そちらでTAO氏がおつくりになられました「女怪人を造ロット・合体編」というスロットがありまして、以前そこでできましたのが「ヒロインが通う学園の理事長を 触手鞭+カタツムリの合体女怪人に」というもの。
これはいいなと思いましたので、いずれSS化しようと思っていたのですが、今回新年SSとして書き上げたものとなります。

お楽しみいただけましたら幸いです。
それではどうぞ。


ヒロインが通う学園の女性理事長を……

 『ファイヤースパーク!』
 ピンク色を多用したコスチュームのスカートをひらめかせ、軽やかに宙を舞う魔法少女。
 彼女の持つ大きな杖の先端から火球が放たれ、魔蟲人に命中する。
 『グギャァァァ!』
 全身を炎に包まれ、断末魔の悲鳴を上げるカマキリの魔蟲人。
 その両手のカマで再三魔法少女を苦しめたものの、結局はその前に敗北してしまったのだ。
 黒焦げになり崩れ去るカマキリの魔蟲人を見て、ふうと息を吐く魔法少女。
 その可愛らしい顔にも安堵の笑みが浮かんでいる。
 また一体強敵を倒したのだ。
 微笑みも浮かんでくるというものだった。

 「ぬおお! おのれエイリスめ! またしても……」
 戦いの様子を中空に映し出される映像で見ていた男が、悔しそうに歯ぎしりする。
 魔蟲帝国ジャバグの幹部、プリンスビートルだ。
 その全身を黒いアーマーで覆った彼は、まさにカブトムシの力を持つ強力な魔蟲人であり、いかつい顔にはいくつもの傷が生々しく残っていた。
 今回彼が送り込んだカマギロンこそは魔法少女エイリスを倒してくれるものと信じていただけに、この結果には歯噛みするしかない。
 なんとしてでも魔法少女を倒さねば……
 皇帝陛下にも申し訳が立たないうえに、彼自身の身も危うくなるかもしれないのだ。

 「ギーッ! プリンスビートル様」
 「なんだ! こんな時に!」
 声をかけてきた配下のアリ型戦闘兵にも、八つ当たり気味に声を荒げてしまうプリンスビートル。
 「ギーッ! 申し訳ありません。あとをつけていたスパイフライが、エイリスの情報を手に入れました」
 命令に従うだけの存在であるアリ型戦闘兵は特に恐縮した様子もなく、複眼をプリンスビートルに向けたまま抑揚のない口調で報告する。
 アリ型とは言うものの、その姿はむしろ人間が黒い全身タイツを着たような感じであり、楕円形の複眼と額から伸びる触角がアリを思わせるにすぎない。

 「なんだと? よし、聞かせろ!」
 プリンスビートルはアリ型戦闘兵の返事に興味を持つ。
 「ギーッ! 魔法少女エイリスは、高確率でアズリ女学園に通う女子高生、元久保愛梨(もとくぼ あいり)と思われます」
 「なにっ? エイリスの正体が女子高生だと?」
 中空に映し出される女子高生の姿に、プリンスビートルは目を向ける。
 「この女……いや、この少女がエイリスの正体……だと?」
 そこにはメガネをかけたおとなしそうな感じの女子生徒が映し出されているのだ。
 元気で活発で戦闘的な魔法少女エイリスとは、とても印象が違い過ぎる。
 だが……待てよ……
 プリンスビートルの目が険しくなる。
 確かに顔の輪郭などは似ているのだ。
 髪の色を変え、ピンクを基調としたフリフリのコスチュームを着せれば……
 エイリスに似ていると言えば似ているだろう。
 これはひょっとするとひょっとするかもしれん。

 「ふむ……この少女がエイリスである可能性は低くはないか。確かめる必要があるな……」
 ではどうするか……
 まずは自分の目で確かめることだ。
 プリンスビートルの口元がにやりと歪んだ。

                   ******

 「おはようー」
 「おはようー」
 「先生おはようございますー」
 「おはよー」
 窓の外から少女たちの声が聞こえてくる。
 女学園にやってくる生徒たちの声だ。
 その声を席で書類を見ながら聞いている一人の女性。
 タイトスカートのスーツに身を包んだ彼女は、窓の外から流れてくる声に耳を澄ます。
 毎朝この声を聴くのが彼女は好きなのだ。
 生徒たちの元気のいい声は、なんだか彼女自身も元気をもらったような気がするからだ。
 朝の挨拶は気持ちがいい。

 彼女はふと立ち上がると、窓のそばに行ってそこから外を眺める。
 窓から見える校門からは、校舎の玄関に向かう生徒たちが何人も歩いている。
 まだ時間的に余裕があるからか、走るような生徒は誰もいない。
 これがもう少し経つと、時間ギリギリになって慌てて走ってくる生徒たちが多くなる。
 みんなあと五分早く起きればいいのにと彼女は思いつつも、なかなか朝は起きられないものだというのもよくわかる。
 今日は遅刻する子がいませんように……
 彼女は思わずそう願う。

 あら?
 彼女がふと気づくと、植え込みの陰から生徒たちをのぞき見しているような人影があることに気付く。
 窓からではよくわからないが、もしかしたら盗撮などを目的とした変質者の可能性もある。
 急いで彼女は誰かに確認に行ってもらおうと考えたが、今の時間教師たちはほとんど一時間目の授業の支度などで忙しいことに思い至る。
 私が行った方が早いわね。
 彼女はそう思うと、すぐに理事長室を飛び出していた。


 「むう……まさかこんなに女子高生がいるとは思わなかったぞ……」
 次々と校門から入ってきては校舎の玄関に向かう女子生徒たちの姿。
 植え込みの陰に隠れてその様子を見ていたプリンスビートルは、その数の多さに驚いていた。
 確かあの少女はメガネをかけていたなとは思うものの、通っていく少女たちのかなりの数がメガネをかけており、誰が誰やらさっぱりわからない。
 これではあの愛梨とかいう少女を見つけ出すのは難しいではないか。
 どうしたものか……

 「そこのあなた! ここは学校ですよ! 何をやっているのですか?」
 背後から強い口調で声をかけられるプリンスビートル。
 振り向くと、そこにはタイトスカートのスーツを着こなした美しい女性が立っている。
 だが、人間風情に気安く声をかけられるなど不快でしかないプリンスビートルには、人間の美しさなどどうでもいいことだ。
 「黙れ人間! 俺が何をしようと俺の勝手だ!」
 そう言って立ち上がるプリンスビートル。
 その背丈は2メートル近くもあり、がっしりとした躰が威圧感を与えてくる。

 「な! 今すぐここから出ていきなさい! 警察を呼びますよ!」
 「ほう……」
 たいていの人間は彼の姿を見るとそれだけで震えあがるというのに、この女はたじろぎもせずに彼をにらみ返してくる。
 なかなかに精神力の強い女だ。
 面白い……
 「女、名はなんという?」
 プリンスビートルは相手の名前をたずねてみる。
 彼に堂々と文句を言うこの人間の女が気に入ったのだ。

 「はあ? 私はこの学園で理事長を務めている益浜涼香(ますはま りょうか)です。あなたこそいったいこんなところで何をしているの? それにその恰好はコスプレ?」
 彼の問いに女が答えてくる。
 なるほど、この学校の関係者か……
 しかも理事長だと?
 「ほう……するとこの学校には詳しいのだな? ちょうどよい。お前に働いてもらうとしよう」
 プリンスビートルがにやりと笑う。
 エイリスと戦わせる魔蟲人が一人欲しかったところだ。

 「えっ? なに?」
 涼香は思わず声をあげてしまう。
 いきなり周囲が暗くなったかと思うと、足元から地面が消え、空中に浮いたような感じになってしまったのだ。
 「え? ええ? な、なに? なんなのいったい?」
 何がなんだかわからない。
 校舎も植え込みも何もかもが消え、闇の中にただ浮いているのだ。
 しかも不審な男も一緒で、ただにやにやと笑っているではないか。
 「ま、まさか……これはあなたが?」
 「そうだ。われらの住む闇の世界へようこそ」
 カブトムシの角のようなものが付いたヘルメットをかぶり、全身を黒い鎧で覆った男が言い放つ。
 「や、闇の世界?」
 いったいこの男は何者なの?
 涼香はただ困惑する。
 「そうだ。ここは我が魔蟲帝国ジャバグの闇空間。ここでお前は生まれ変わるのだ」
 「魔蟲帝国……ジャバグ? そんな……」
 あれは最近流行り出した都市伝説の類では?
 涼香の脳裏にネットで見た真偽不明の話が浮かぶ。
 それは闇の世界から来た巨大な虫人間と、若い女性が魔法少女として戦っているというもの。
 いかにも空想の世界で作られそうな話だ。
 まさか本当の話だったとでもいうの?
 生まれ変わるって?
 どういうこと?

 「きゃぁぁぁぁ!」
 涼香の悲鳴が上がる。
 黒い糸のようなものがどこからともなく現れ、彼女の躰に巻き付き始めたのだ。
 「いやっ! 何これ?」
 糸は強靭で、引きちぎろうとしてもびくともしない。
 それどころか二本三本とあらわれては巻き付いてくるのだ。
 「ひぃぃぃぃっ!」
 なんとか逃れようともがいてみるものの、糸は躰を動かせば動かすほど全身にまとわりついてくる。
 両手にも両足にも糸がぐるぐると巻き付き、まるで黒く染められていくようだ。
 「た、助けて! 誰かぁっ!」
 顔にも髪にも絡みついてくる糸に抗いながら、必死に助けを求める涼香。
 だが、朝の学校にいたはずなのに、周囲は闇で誰からも返事はない。

 「ククク……恐れることはない。お前は生まれ変わるのだ。人間などというくだらない存在から、われらジャバグの魔蟲人としてな。フハハハハ……」
 「ひぃぃぃぃっ!」
 男のゾッとする笑い声が響き、恐怖が涼香の背筋を凍らせる。
 何がなんだかわからない恐怖が彼女を包み込んでいくのだ。
 「いやっ! いやぁっ!」
 叫び声をあげる口も糸が巻き付いて覆っていく。
 見開かれた目も必死でもがいていた両手も黒い糸が包み込んでいく。
 「ん……んんん……」
 やがて涼香の躰は完全に糸にくるまれ、黒い繭のようになっていく。
 糸がすべて絡みついた後、そこにあったのは黒い巨大な繭だった。

 「ククク……さて、お前はどんな魔蟲人になるのかな?」
 闇の中に横たわる繭を見ながら、プリンスビートルはにやりと笑う。
 人間の女をもとにした魔蟲人は初めてだが、まあ、問題はあるまい。
 なによりこの女はエイリスと思われる少女の通う学校の関係者であり、もしその少女がエイリスでなかったとしてもエイリスを始末するのに役に立ってくれるはず。
 さあ、早く生まれ出てくるがいい……

 やがて黒い繭にひびが入り、裂け目からビュルッと一本の触手のようなものが現れる。
 続いて白い手が現れて、触手とともに裂け目を左右へと広げていく。
 大きく広がった裂け目から、やがて二つの丸い双丘を持った躰が姿を見せ、ゆっくりと起き上がる。
 「ほほう……」
 姿を見せた魔蟲人にプリンスビートルが声を漏らす。
 どうやら今回の魔蟲人はカタツムリの魔蟲人のようだ。
 白を基調にした躰に茶が混じり、背中には大きな渦巻き状の殻を背負っている。
 白く丸い頭部からは目の部分が角のように飛び出しており、躰には女性らしく豊かな二つの胸がある。
 右手は先が長い触手状になっており、左手のみが人間のように指がある。
 両足はすらっとして人間と同じように二本あり、ハイヒールのブーツを履いたような形状になっていた。
 まさに先ほど繭に包まれた女性とカタツムリが融合したような姿であり、ジャバグの魔蟲人にふさわしい姿であろう。

 「ククク……さて、生まれ変わった気分はどうかな?」
 「ニュルーン! あはぁ……最高の気分ですわぁ。なんて気持ちがいいのかしら。アタシはもう人間なんかじゃありません。偉大なる魔蟲帝国ジャバグの魔蟲人ですわぁ。ニュルーン!」
 魔蟲人に生まれ変わった涼香はそう答える。
 とてもいい気分なのだ。
 今まで人間であったことなど思い出したくもない。
 この姿こそが本当の私なのだ。
 涼香はそう思う。

 「クククク……それでいい。お前はジャバグの魔蟲人。カタツムリの魔蟲人マイマイだ」
 「ニュルーン! アタシに名前をつけてくださってありがとうございます、プリンスビートル様。アタシは魔蟲人マイマイ。どうぞなんなりとご命令を。ニュルーン!」
 涼香という名はこの瞬間に消え、彼女はマイマイという名前になったのだ。
 なんとすばらしい名前だろう。
 しかもプリンスビートル様自らが名付けてくださったのだ。
 彼女はうれしかった。

 「クククク……そうだ、お前は魔蟲人マイマイ。これからはジャバグのために働くのだ」
 「もちろんです、プリンスビートル様」
 スッとひざまずいて一礼するマイマイ。
 「うむ。お前はアズリ女学園の理事長といったな。学園のことはわかっているのだろう?」
 「はい。アズリ女学園はアタシが人間だった時に理事長を務めていた学園ですわ。中のことならだいたい把握しております。ニュルーン!」
 マイマイが頭の上に突き出た目を輝かせる。
 「ならば元久保愛梨という生徒が学園にいることを知っているだろう?」
 「元久保? 申し訳ありません。個別の生徒一人一人のことまでは……」
 一気にシュンとうなだれてしまうマイマイ。
 理事長と言えどもさすがに生徒一人一人を把握しているわけではない。
 「むう……役に立たんやつめ!」
 「お、お待ちくださいませ。調べればすぐにわかることですプリンスビートル様。ニュルーン!」
 慌ててマイマイは手段があることを示す。
 幹部であるプリンスビートルに無能とは思われたくないのだ。

 「ふむ。ならばその元久保愛梨とか言う生徒を突き止め、お前の手で始末するのだ! その生徒こそジャバグに歯向かう魔法少女エイリスなのだろうからな!」
 まあ、違ったとしても問題はない。
 少女を始末した後にエイリスが現れなければエイリスだったのだろうし、現れれば違ったというだけのこと。
 その時はまた新たな手段を考えればいい。

 「ニュルーン! かしこまりましたプリンスビートル様。このマイマイにお任せくださいませ」
 マイマイはそう言って立ち上がると、すっと左手で自分の顔を隠すようにする。
 するとその躰がみるみるうちに以前の益浜涼香の姿へと変化する。
 「ふふっ……下等な人間の姿になるのは気持ちのいいものではありませんが、この姿なら人間どもに怪しまれることはありませんわ」
 涼香の姿になったマイマイがにやりと笑う。
 「うむ。頼んだぞ、マイマイ」
 「はっ、プリンスビートル様」
 マイマイは深々と一礼した。

                   ******

 「うふふ……あなたが元久保さんの親友ということは橋田(はしだ)先生に聞いて知っているの。そうなんでしょ?」
 「え? は、はい。そうですけど……」
 理事長室のソファに座りながら、咲間絵美香(さきま えみか)はどうして理事長がそんな質問をしてくるのだろうと疑問に思う。
 担任の橋田先生から職員室に来るように言われ、来てみたら今度は理事長室に行くように言われたのだ。
 ただの一生徒である絵美香に理事長が何の用があるのかさっぱりわからなかったものの、行くようにと言われたら行くしかない。
 それで今こうして理事長室に来ていたのだ。

 「うふふ……心配しなくてもいいわ。あなたにはしてほしいことがあるだけ」
 そう言って理事長は席を立ち、絵美香の後ろに回り込む。
 「してほしいこと……ですか?」
 絵美香はなんとなくいやな感じがするものの、後ろを振り返ることができない。
 なんだか妙に理事長が恐ろしく感じるのだ。
 笑顔を浮かべていたにもかかわらず、それがとても冷たいものだったように思えてしまう。

 「ひっ!」
 突然絵美香の首に触手のようなものが巻き付いてくる。
 「ニュルーン! そうよぉ。あなたには元久保さんを始末する手伝いをしてほしいの。うふふふ……」
 ギョロッとした目が背後から回り込むようにして絵美香の前に現れる。
 「ひぃーっ!」
 驚いた絵美香が振り向くと、そこには巨大な人とカタツムリが融合したような化け物が立っていた。
 そしてその右手から伸びる触手が、絵美香の首に巻き付いているのだ。
 「い、いやぁっ……むぐっ」
 悲鳴を上げる絵美香の口に、触手の先端が潜り込む。
 「ニュルーン! ダメよぉ騒いでは。他の人間に気付かれるじゃない。もっとも、気付いた人間は始末すればいいだけだけどね。おほほほほ……」
 左手の甲で口元を抑えて笑うカタツムリの魔蟲人。
 「むぐっ……むぐぅ……」
 絵美香は必死に首に巻き付いた触手を引きはがそうともがくが、彼女の力では全く引きはがせない。
 「ニュルーン! 心配しなくてもいいわ。あなたも橋田先生同様に、アタシの可愛いカタツムリのしもべになるの。とっても気持ちがいいわよぉ。おほほほほ……」
 「むぐぅ……んぐぅ……」
 必死でもがく絵美香。
 だが、その絵美香の目の前に一匹のカタツムリが差し出される。
 「ニュルーン! 可愛いでしょ? これからこのカタツムリがあなたの脳に入りこむの。そうすればあなたはこのカタツムリのしもべとなり、アタシの言うことを何でも聞くようになるのよ。おほほほほ……」
 「むぐぅーーー!」
 絵美香は狂ったように頭を振るが、カタツムリはゆっくりと絵美香の首から這い上がり、その耳の中へと入っていく。
 「むぐっ……むぐぐ……」
 カタツムリに入りこまれた絵美香は、一瞬躰をけいれんさせるが、すぐにぐったりと力が抜けたようになる。
 「うふふふ……さあ、カタツムリがあなたの脳を支配するわ。気持ちいいでしょう?」
 気を失ったような絵美香に、マイマイはそっと優しく声をかけた。

 「さあ、起きるのよ、咲間絵美香」
 「はい……マイマイ様」
 マイマイの声にゆっくりと躰を起こす絵美香。
 その目はうつろで、どこか焦点が合っていない。
 「ニュルーン! いい子ね。あなたはもうカタツムリのしもべ。アタシの言う通りに動くのよ」
 「はい……マイマイ様」
 絵美香がこくんとうなずく。
 その目の前に液体の入った小さなボトルを差し出すマイマイ。
 「おほほほ……これはアタシの胸から出た毒液。この中身を元久保愛梨に飲ませなさい。あなたならできるでしょ? ニュルーン!」
 「はい……かしこまりました、マイマイ様」
 ゆっくりと手を伸ばしてボトルを受け取る絵美香。
 「気付かれないように飲ませるのよ。いいわね?」
 「はい……マイマイ様」
 絵美香はゆっくりと立ち上がると、ボトルを大事そうに持ってドアに向かう。
 「うふふふふ……」
 理事長室を出ていく絵美香を見送りながら、毒で身動きが取れなくなった愛梨をどうやっていたぶろうかと考え、マイマイは心を躍らせるのだった。

END

いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。
(*´ω`)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/01/04(水) 19:00:00|
  2. 怪人化・機械化系SS
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女神の涙 (後)

新年新作SS「女神の涙」の後編です。
お楽しみいただけますと嬉しいです。

それではどうぞ。


                   ******

 玄関のドアが開き、あたふたとヴァレフィアが入ってくる。
 そして主人の帰宅を出迎えようと玄関に行こうとしていたミズラフィアに、急いで客用のベッドを用意するようにと言いつける。
 なにがなんだかよくわからないうちに、玄関からはメイド服姿の若い女性を抱きかかえたコルチャスキーが入ってくる。
 「お、お帰りなさ……」
 「ミズラフィア! 早く!」
 「は、はい!」
 慌ててミズラフィアもあたふたとベッドを用意するために、客用の部屋に向かう羽目になるのであった。

 最初、ペトレンコ医師は渋い顔をしていたものの、話している相手がホリド宮の陸軍参謀本部勤めの少佐であり、コルチャスキー家というそれなりの家格の持ち主であることを知ると、すぐに診察を行なってくれた。
 もちろん後でそれなりの診察代を吹っ掛けられることになるのだろうが、まあ、仕方あるまい。
 寒空に若い女性を倒れたままにしておくのは、コルチャスキーの心情的に耐えられるものではなかったからだ。
 それが一般の平民だ貴族だにかかわらずだ。

 医師の診察の結果は、極端な衰弱というものであろうということだった。
 なのでとりあえずは三日ほど静養をさせて様子を見るのが良いということであり、コルチャスキーはやむを得ず自分の家に連れてきて、メイドの女性を静養させることにしたのだった。

 ミズラフィアの用意した客用ベッドに横たわり、眠り続けている女性。
 まだ若く美しいが、顔色は青ざめている。
 だが、とりあえずは容体も落ち着き、差し迫った命の危険はなさそうだ。
 とはいえ、あのまま道に放り出されていたのでは、おそらく凍死していたであろう。
 その意味では死なせずに済んでよかったというところか。

 昏々と眠る彼女の様子を見ていてもらうためにミズラフィアを客間に残し、コルチャスキーはやれやれとばかりに居間へと戻る。
 「お疲れ様でした、旦那様」
 メイドとしての口調でコルチャスキーにお茶を持ってくるヴァレフィア。
 こういうところは本当にありがたいとコルチャスキーは思う。
 「すまないな、ありがとう」
 お茶を飲んで一息つく。
 さて……彼女が目を覚ましたら事情を尋ねてみなくてはなるまいな……
 あの衰弱はただの衰弱ではあるまい……

 「あのメイドの衰弱が気になるのか?」
 ヴァレフィアはちゃっかり自分の分のお茶も淹れて、椅子に座り飲んでいる。
 スカートの下で組んだ足がなかなかに美しい。
 「そうだな。ただの過労という感じではなさそうなのでな」
 「だろうな……」
 ふふんという感じで笑みを浮かべ、カップを口に持っていくヴァレフィア。
 「“女神の涙”から抜け出した魔物がいる。そしてこの家には衰弱したメイドが一人担ぎ込まれた。これを偶然と思うか、マージェコフ?」
 「どうだかな……」
 ヴァレフィアの言うとおりだ。
 これははたして偶然だろうか……

 やがて遅めの昼食を済ませて少しゆったりとした時間を過ごしていたところに、ミズラフィアが女性が目を覚ましたという知らせを持ってくる。
 すぐにコルチャスキーは彼女のところへ行き、様子を確認してから事情を話せるかどうか聞いてみた。
 「は、はい……」
 目を覚ましたら自分が見知らぬ上級家庭の一室にいたということに驚きを隠せない彼女ではあったが、これまでの現状はミズラフィアがすでに話していたらしく、彼女はコルチャスキーに自分のことを話し始めた。

 彼女の名はリーシア・マリエスカヤと言い、ルトフスキー家でメイドをしている者だという。
 特に持病もなく健康であったが、ここ数日急に躰が重く感じるようになり疲労が抜けなくなったらしい。
 実は、ルトフスキー家ではひと月前にもメイドが一人急激に衰弱して死んでいるそうで、もしかしたら何か関係があるのでしょうかと彼女は少し不安そうな顔を見せていた。

 コルチャスキーは大まかな事情を聞くと、リーシアにルトフスキー家にはこちらから伝えるので、まずは躰の調子が戻るまでゆっくりしていくようにと告げ、ミズラフィアに彼女の面倒を任せて部屋を出る。
 そしてヴァレフィアに外出の用意をするように命じると、自分もコートなどを用意した。

 「もうすぐ夕暮れだぞ? 今からルトフスキー家に行くのか?」
 通りに出て拾った辻馬車に乗り、ルトフスキー家へと向かうコルチャスキーとヴァレフィア。
 「ああ……お使いに出たままメイドが帰ってこないとなれば、屋敷の者たちが心配しているだろうからな……と、言うのは表向きだが」
 「一ヶ月の間に二人のメイドが衰弱死するところだったとなれば、何かあるかもしれない……か?」
 「そういうことだ」
 ヴァレフィアの言葉にうなずくコルチャスキー。
 「ふん……酔狂なことだ。一デリムにもならぬことを……物好きな」
 ため息をついて首をゆっくりと振るヴァレフィア。
 コルチャスキーほどの腕の持ち主が何をやっているのやらという感じだ。
 「まあ……俺もそう思う。だがな、“女神の涙”の件、気になってしまったのでなぁ……」
 「ふん……まあ、われはチョコレートをもらえるのであれば助力は惜しまぬ。あてにしてもよいのだぞ」
 やれやれ……
 さっきはあてにしていると足をすくわれるだのなんだのと言っていただろうに……
 「ああ、あてにしているさ」
 そう言ってヴァレフィアの頭をなでるコルチャスキー。
 「なっ! だからわれは子供ではないというのに!」
 そう言いながらもコルチャスキーの手を払いよけたりはしないヴァレフィア。
 その顔はまんざらでもなさそうなのがほほえましい。

                   ******

 「で、ここですか?」
 「そのようだな」
 馬車を降りた二人の前には、そこそこ大きなお屋敷がある。
 午前中に訪れたゴリューコフ家とは比べるべくもないが、それでもお屋敷の名にふさわしい大きさだ。
 「朝はゴリューコフ家、夕方にはルトフスキー家。忙しいことですわね、旦那様」
 クスッと笑うヴァレフィア。
 「ふん。言ってろ」
 言われなくても自分でも何をやっているのやらとは思うのだ。
 だが、何となくここまでくると手を引く気になれない自分がいるとコルチャスキーは思う。
 「で……お気づきですか旦那様?」
 「ああ……感じるな……」
 門の前に立った時からすでに感じてはいた。
 この屋敷にはかすかに魔力が漂っているのだ。
 それも屋敷内から漏れ出ているらしい。
 「いる……ということかな……」
 「そうかもしれませんわね、旦那様」
 コルチャスキーもヴァレフィアも表情が引き締まる。
 無意識的に魔力を垂れ流しているやつなのであれば問題はそれほどでもない。
 だが、意識しているにもかかわらず魔力が漏れ出してしまうような奴が相手だとすれば、ちょっと厄介ではある。

 「行くぞ。油断するな」
 「旦那様もですわ」
 二人は意を決して屋敷の玄関をたたく。
 すでにあたりは夕暮れが赤く染めており、躰に当たる風も冷たい。
 だが、屋敷の中も暖かいとは言えない可能性が高かった。

 「コルチャスキーと申しましたか? で、我が家のリーシアが戻ってこられぬと?」
 応接間に案内されたコルチャスキー一行を、この屋敷の奥方であるアマーリア・ルトフスカヤ夫人が出迎える。
 まだ若く妖艶な美女で、ドレス姿でもその胸の大きさが強調されているような感じだ。
 だが、それ以上にコルチャスキーとヴァレフィアの目を引いたのは、彼女の胸を彩っている目のような模様の石をあしらったペンダントだった。
 その石は紛れもなく魔力を持っていたのである。

 「はい。たまたま通りかかった私が助けましたが、医師の見立てでは衰弱が激しいようで三日ほどは安静が必要とのこと。そのことをお伝えに参りました」
 「左様でしたか。それはわざわざありがとうございました。リーシアも調子が悪いならばそう言えばいいものを。あとでメイド長に一言言ってやらなくてはなりませんね。でも困りましたわ」
 そう言ってぺろりと唇を舐め、値踏みするようにコルチャスキーとヴァレフィアを見るルトフスカヤ夫人。
 「三日もリーシアがいないのでは、家のことが滞ってしまいますわぁ」
 確かにお屋敷とはいえ、使用人の数に余裕を持たせている家などそうはない。
 一人いなくなればその分他の者たちが大変になるのだ。
 だからと言って、安静にしていなければならないリーシアをここに戻すわけにはいかないだろう。
 たとえこの屋敷に魔力が漂うようなことが無かったとしても……

 「そのことでしたらご心配なく。ここにおります者は我が家のメイド。そちらのメイドが復帰されますまでは、彼女をどうかここのメイドと思ってご使用ください」
 「なっ?」
 コルチャスキーの言葉に驚愕して言葉が出なくなるヴァレフィア。
 「そ、それはどういうことでございますか、旦那様?」
 精一杯自分を抑えてコルチャスキーに使用人としての態度をとる。
 コルチャスキーにならともかく、他人にメイドとして使われるつもりなど全くないのだ。
 冗談ではない。
 「なに、言葉通りの意味だ。家で休ませている彼女に代わって、お前が三日ほどこのルトフスキー家でお手伝いをすればいい」
 にやっと笑みを浮かべるコルチャスキーに、ヴァレフィアは口をパクパクさせるだけで言葉が出ない。
 「そ、それは……ですが家のことがありますし……」
 「なに、家のことはミズラフィア一人でなんとでもなるさ。三日ぐらい大丈夫だ」
 必死に自分を落ち着かせて言葉を絞り出したヴァレフィアに、コルチャスキーはあっさりと言ってのける。

 「まあ、それはうれしいお申し出ですわ。そちらの方は大変かわいらしい方ですし、主人も気に入っておりましたの。こちらに来られてしまわれたのは残念でしたが、お二人ともしばらく当家に滞在していただければよろしいかと」
 ルトフスカヤ夫人は喜びを浮かべてそう言うと、背後に立っているメイドを呼んで何事か耳打ちをする。
 「ありがたいお言葉ですが私には仕事もありますし、家に残してきた使用人のことも気になりますので、これで失礼させていただこうと思います」
 コルチャスキーはその耳打ちが終わるのとほぼ同時にそう答え、席を立つ。
 「まあまあ、良いではありませんか。おそらくじきに主人もここに戻ってくると思います。このままあなた方を帰しては私が主人に叱られてしまいますわ」
 立ち上がったコルチャスキーに、再び椅子に座るよう手で示すルトフスカヤ夫人。
 「やれやれ……」
 肩をすくめるコルチャスキー。
 主人とはいったい誰のことやら……

 「どうやら私をも帰すつもりはないようですな」
 「決まっておるだろう。この屋敷に入って平気な者をこやつらが黙って帰すつもりなどあるものか」
 表情を引き締めたコルチャスキーの背後で、さっきまで不満そうにしていたヴァレフィアがにやりと笑う。
 「あら? なんのことかしら?」
 「とぼけられましても困りますな奥様。この部屋に充満する魔力にあてられ、普通の人間なら長くは正気ではいられますまい?」
 奥方の胸の石のの発する魔力の一種だ。
 おそらくこの屋敷にはもう正気の人間はいない。
 夫人の背後にいるメイドたちも支配されるままにされた生き人形のようなものだろう。

 「ふん、気付いておったのか。だが初戦は魔術師風情。使い魔ともどもおとなしくしておれば手荒な真似はしないでおいてやるが?」
 夫人がスッと立ち上がり、コルチャスキーをにらみつける。
 「つ? 使い魔? マージェコフ、こやつは相手の力量も見抜けぬおろか者だぞ!」
 使い魔呼ばわりにヴァレフィアは憤慨する。
 われが使い魔だと?
 ふざけるな!
 「まあ、そう見られるのも仕方あるまいよ。お前のその姿ではな。で、どうなんだ? いるか? 俺には感じ取れんが」
 油断なく夫人と対峙するコルチャスキー。
 「いないな。ここには魔力とあの女の胸にある物だけだ。あれで遠隔操作をしているのだろう」
 ヴァレフィアが首を振る。
 やはりここにも本体はいない。
 すると……
 「やはり……」
 「ああ……気配を消すのだけは一級品だな。われも気付かなかった」
 「むう……」
 そういうことかとコルチャスキーは思う。
 本体はすでに転がり込んできていたのだ。
 だが、どうして我が家に?

 「ところでマージェコフ。そなた先ほどは本気でわれをここに置いて帰ろうとしていたであろう?」
 「ああ……奥方の反応を見てみたかったからな。場合によっては本体がこちらに戻ってくる可能性もあったし、それにミズラフィアの方が心配でもあった」
 ポケットの中で魔道具を用意し、夫人を目で牽制しながら返事をするコルチャスキー。
 「われをこのような状況の中に置いておく方が不安ではないのか?」
 少し意外といった口調のヴァレフィア。
 「それは無かったな。ここに本体がいないだろうというのは俺も感じたし、何があってもお前なら大丈夫だろうと思ったしな」
 あっさり答えるコルチャスキー。
 「ミズラフィアの方がまだ不安と?」
 「そうだな……あの子はもう少し……」
 「ふん……われをそんなに信用していいのか?」
 「信用も信頼もしているさ。かわいいメイドだからな」
 「…………ふん」
 それっきり無言になるヴァレフィア。
 だがその口元が緩んでいることにコルチャスキーは気付いていた。

 「何をごちゃごちゃと。おしゃべりはやめてそこにおとなしく座るがいい魔術師。主様はお前のような魔術師から精気を奪いと……」
 パキーンという大きな音とともに、夫人の胸に輝いていたペンダントが砕け散る。
 「ひあっ!」
 衝撃に一瞬目を見開き、そのまま崩れるように床に倒れるルトフスカヤ夫人。
 ほぼ同時に夫人の背後にいたメイドたちも倒れていく。
 「ふん……生きた操り人形ごときがいつまでも口を動かすものではない。われを使い魔だなどと……」
 夫人に向かってかざしていた手を下げるヴァレフィア。
 その行為に一瞬唖然としたコルチャスキーだったが、すぐに夫人のところに行って生死を確かめる。
 どうやら気を失っているだけのようで一安心だ。

 「ふん、この女たちを支配していたつながりを断ち切ってやったまでのこと。石に封じられていた者が石に魔力を込めて使ってくるとはな……」
 ヴァレフィアがあきれたような表情をする。
 「ふう……とりあえずしばらくすれば目を覚ましそうだ。放っておいても大丈夫だろう」
 倒れたメイドたちも確認し、ヴァレフィアのところに戻ってくるコルチャスキー。
 「ふふ……」
 「な、なんだ? 何かおかしいのか、マージェコフ?」
 小さく笑ったコルチャスキーをヴァレフィアが見上げる。
 「いや、俺もまだまだだなと。お前の反応を読み損ねていた。使い魔呼ばわりなどされて黙っているはずがなかったな」
 「ふん……当然ではないか。われを使い魔だなどと……」
 倒れているルトフスカヤ夫人をヴァレフィアはにらみつける。
 よほど頭に来たのかもしれない。
 それでも、夫人を殺したりせずにペンダントだけを破壊したのは、自制心の表れなのだろう。

 「それで? こいつらはどうするのだ?」
 「放っておく。そのうち目を覚ますさ。それよりも家に戻るぞ」
 そういうとコートと帽子を取りに行くコルチャスキー。
 「ミズラフィアのことなら心配はないと思うぞ」
 「それでもだ。本体が向こうなら放っては置けない」
 「…………ふん」
 帽子とコートを手にして部屋を出るコルチャスキーを、ヴァレフィアは追いかけた。

                   ******

 「で、いつ気付いたのだ?」
 通りに出てなんとか見つけた辻馬車に乗り込む二人。
 コルチャスキーは御者にできるだけ急ぐように言い、シートに腰を下ろして息をつく。
 「確信したのは俺までも足止めしようとしたときかな。屋敷に戻られると困るということだろう。ならば屋敷での目的は何か?」
 「ミズラフィアだな」
 ヴァレフィアが答える。
 「ああ……あのリーシアという娘には“女神の涙”に封じられていたやつが取り憑いていたんだろう。 俺もお前も気付かなかったがな」
 「隠れることにかけては一級品だな」
 「ああ……だが、あの子の衰弱は本物だ。おそらく取り憑く器としては力が足りなかったといったようなものだったんだろう。だから……」
 「それでミズラフィアを選び、そなたの家に転がり込む手はずを整えたと?」
 「いや、最初の狙いはお前だったんだろう」
 首を振るコルチャスキー。
 「われが?」
 ヴァレフィアがきょとんとする。
 「そうだ。お前は俺と時々出歩いているからな。相手の目にも付きやすかったんじゃないか? それにお前はその躰に封じられたことで極力外に魔力は漏れないようにはなっているが、それでもわかるやつにはお前が強い魔力を持っていることはわかるだろうし」
 「われを器にするつもりだったと?」
 「たぶんな。あの夫人が主人もお前を気に入っていると言っていただろう? 彼女の主人とはすでに夫ではなく、“女神の涙”から抜け出た魔物のことだったのさ」
 「むう……われを器にだなどと……」
 ほっぺたを膨らませるヴァレフィア。
 怒ってはいるのだろうが、なんとも仕草はかわいらしい。

 「本当ならやつはお前でもミズラフィアでも選び放題だったのだろう。あの娘のことは翌日にでも回し、一晩ぐっすり眠ってからとなるのが普通だっただろうからな」
 「そなたやわれらが眠っている間に……ということか?」
 「だろうな。だが、俺がさっさとお前を連れだして屋敷に行ってしまった。メインターゲットはいなくなったが、サブターゲットとは二人きり。行動に移すと思うが……どうだ?」
 「ふん……なら問題はあるまい。今頃はケリがついている」
 にやりと笑うヴァレフィア。
 「だといいが……」
 コルチャスキーには一抹の不安がある。
 ミズラフィアがなんともなければいいが……

                   ******

 「ミズラフィア!」
 馬車から飛び降り、そこから玄関に走り込むコルチャスキー。
 ドアを開けるのももどかしく、中に入るなりミズラフィアの名を呼ぶ。
 「あ、お帰りなさいませ、旦那様」
 ぱたぱたとすぐに玄関ホールにやってくるミズラフィア。
 どこにも変わった様子はない。
 「ミズラフィア、無事か?」
 コルチャスキーがすぐに駆け寄って両肩を掴む。
 「えっ? あ? は、はい」
 思いもしないコルチャスキーの行為にミズラフィアは戸惑ってしまう。
 「むう……だから問題ないと言ったではないか! 人の話は聞くものでございますわよ、旦那様」
 御者に料金を支払ったため一歩遅れて家の中に入ってきたヴァレフィアは、コルチャスキーがミズラフィアの肩に手を置いているのを見てややムッとする。
 「あ、ああ……ミズラフィア、なんともないか?」
 「な、なんともと申されますと? 特に何も……」
 ミズラフィアには何がなんだかわからない。
 「ふん……ミズラフィア、旦那様はミズラフィアが器にされてしまったのではないかと心配していたのだ」
 ヴァレフィアが腕組みをして二人を見ている。
 「器? あ、もしかしてさっきのでしょうか?」
 ミズラフィアはハッとしたように顔を上げる。
 「何かあったのか?」
 「えっ? そ、その、何かがこの躰に入りこもうとしてきまして……」
 真剣な表情で自分を見つめてくるコルチャスキーに、ミズラフィアはドキドキしてしまう。
 「入りこもうと? それでどうした?」
 「は、はい。うっとうしいので消しました。いけなかったでしょうか?」
 ミズラフィアは申し訳なさそうに上目遣いでコルチャスキーの顔を見る。

 「は? 消した?」
 「はい。消しました」
 驚くコルチャスキーにミズラフィアが繰り返す。
 「消した……とは? 文字通り消したのか?」
 「はい。消しましたが……」
 「あはっ……あはははははは」
 けたたましく笑いだすヴァレフィア。
 二人のやり取りが見ていて可笑しくなってしまったのだ。
 「ヴァ、ヴァレフィアお姉さま?」
 いきなり笑われたミズラフィアには何が何だかさっぱりわからない。
 「あはははは……言ったとおりであろう? ミズラフィアなら心配ないと。だいたい相手が何者かもわからずに取り込もうとするような愚か者が、ミズラフィアに歯が立つはずがない」
 「私を取り込もうと?」
 びっくりするミズラフィア。
 相手がそんなことを考えて入りこんできたとは思いもしなかったのだ。

 「ミズラフィアはもともとわれに匹敵する魔人ミズングム。まあ、もちろんわれにはかなわなかったがな。そんな相手に少々の魔物が食い付いたとて、自滅以外のなにものでもないわ」
 ヴァレフィアがふふんと鼻を鳴らす。
 「すると“女神”とやらは?」
 「かけらも残さず消え去ったであろうな。そうであろう、ミズラフィア?」
 「はい。気にもしなかったのでどうなったかはわかりませんけど、たぶん完全に消え去ったかと」
 「は、ははは……」
 二人の会話に力なく笑うコルチャスキー。
 わかってはいたつもりだったが、この二人は相当に強力な魔人なのだ。

 「だが、それにしてもすごいな。離れた屋敷の中の人間をまるごと支配できるような魔物だったろうに」
 「ふん、それがたいしたことがない証拠よ。あのような石に力を込め、それを通してじゃないと支配できなかったではないか。われやミズラフィアならあのようなものがなくとも人間程度ならいくらでも支配できるわ」
 ヴァレフィアがふふんと胸を張る。
 「そうなのか?」
 確かにこの二人がどれほどの力を持つのかなど、試そうとも思わなかったのは確かだ。
 魔人など封じておくに越したことはない。
 「ふふん……旦那様はまだ、私とミズラフィアが力を出せばこのスクロヴァなど消し飛ぶことをお分かりになられていらっしゃらないご様子。試してみましょうか?」
 ニヤッと笑うヴァレフィア。
 もちろんそんなつもりは微塵もないくせにだ。
 「やめておけ。アザロフのチョコレートが食べられなくなるぞ」
 「そ、それは困ります。やめましょう、ヴァレフィアお姉さま」
 「むう……アザロフがなくなるのは困る。そうするのだ」
 アザロフの名を出しただけであたふたと慌ててしまう二人。
 そんなにチョコレートがいいのか?
 思わずコルチャスキーは笑いそうになってしまう。

 「ところで彼女は、リーシアさんはどうしている?」
 「まだぐっすりとおやすみかと」
 「“女神”とやらに取り憑かれていたようだからな。精気を吸い尽くされておるのだ。しばらくすれば回復するだろう」
 二人の言葉にコルチャスキーもうなずく。
 「そうとわかればなんだか腹が減ったな。遅くなったが夕飯にしよう」
 「かしこまりました、旦那様」
 「それじゃわれも手伝おう」
 二人のメイド少女が連れ立ってキッチンに向かう。
 やれやれ……
 長い一日だったな……
 コルチャスキーは息を一つ付くと、椅子に腰を下ろすのだった。

                   ******

 「ふう……」
 二人が用意してくれた美味しい夕食を終え、ゆっくりとお茶を楽しむコルチャスキー。
 テーブルの方では後片付けを終えた二人が、今日の分のチョコレートを味わっている。
 なんと言うか平和な光景だとコルチャスキーは思う。
 この光景もいつの間にかすっかり見慣れてしまったものだ。

 「ミズラフィア」
 「はい、なんでしょうか旦那様?」
 すぐに立ち上がろうとしたミズラフィアを手で制するコルチャスキー。
 「いや、用事じゃないんだ。その……本当になんともないのか?」
 「はい。私はなんとも」
 ミズラフィアが笑顔で答える。
 実際に何も問題はないのだ。
 「心配性だなそなたは。そんなの決まっているではないか」
 チョコレートを平らげ、ぺろりと唇を舐めるヴァレフィア。
 「いや、なんと言うか……影響を受けたりとかしないのか?」
 普通の人間なら魔人の悪意になど触れれば、その魔人から引き離したとしても性格がゆがんでしまったりするものなのだ。
 そういう影響を受けたりはしないのだろうか?

 「ふん、われらに影響を及ぼせる魔物などそういるものか。なあ、ミズラフィア」
 「はい。ヴァレフィアお姉さまの言うとおりだと思います」
 お互いに顔を見合わせる二人。
 「“女神”とやらは消滅した。もはやその痕跡すら感じないな」
 確かにそれは感じない。
 だが、リーシアに取り憑いていた時も感じなかったのだ。
 まあ、ヴァレフィアが言うように消滅したのなら問題はないが。

 「結局、よくわからんうちに終わったということか」
 「そういうことだな。だいたいわれらを狙うのが悪い。相手を見極めるべきだったのだ」
 カップのお茶を飲み干すヴァレフィア。
 ミズラフィアもチョコレートを食べ終えて満足そうな表情をしている。
 まあ、本当に何事も無くて良かったというべきなのだろう。
 コルチャスキーはそう思う。

 「ところでそなた、この機会に屋敷の周囲のうるさい連中を片付けたりはしなくていいのか?」
 「うるさい連中?」
 コルチャスキーがヴァレフィアに聞き返す。
 「使い魔どものことだ。現状この屋敷はカラスと猫に囲まれておるぞ」
 「あー、確かに猫ちゃんよくいますよね。使い魔だとわかっててもかわいいです」
 ミズラフィアが笑顔になる。
 「そうだなぁ……まあ、放っておくしかなかろう」
 「そなたが結界を張っているから、この屋敷の中まで覗くことはできないであろうがいいのか? 覗き屋どもだぞ?」
 「猫ちゃん追い払っちゃうのですか?」
 「ミズラフィア……あれらは使い魔で、われらを覗きに来ておるのだぞ」
 「そうですけどぉ……」
 一瞬にして悲しそうな顔になるミズラフィア。
 彼女が時々庭先で猫とじゃれ合っているのをコルチャスキーは知っている。

 「いや、いいんだ。放っておくさ。いきなり追い払ったりしたら、俺が何か良からぬことを企んでいると勘ぐりかねん。ひいては我が国が戦争準備を始めたなどと誤解するやつも出てくるかもしれんからな」
 まあ、見たいやつには見せておくさ。
 「まあ、それならそれでよいが……」
 少し不満そうなヴァレフィア。
 一方ミズラフィアには笑顔が戻る。
 「それより俺は明日は仕事だ。家のことと彼女のことを頼むぞ」
 「ふん、それくらいは任せておけ」
 「ご安心ください、旦那様」
 やれやれ……
 強大な魔人とやらを二人もメイドとして使っているなど、世界広しと言えども俺ぐらいかもな。
 コルチャスキーは苦笑した。

                   ******

 「本当にお世話になりました」
 ルトフスキー家の玄関先でぺこりと頭を下げるリーシア。
 すっかり回復して頬にも血色が戻っている。
 見るからに活発そうな元気娘だ。
 数日前の衰弱した雰囲気はもう微塵もない。

 「コルチャスキー殿、我が家のメイドの面倒を見ていただいたこと、礼を申します」
 ルトフスカヤ夫人もにこやかに礼を言う。
 「いえいえ、こちらこそ差し出がましい真似をしたと恥じ入っております。ただ、彼女が元気になられてよかった」
 どうやら先日の一件を夫人はよく覚えていないようだ。
 まあ、ペンダントを通じて魔物に支配されていたのだから、その間の記憶があいまいなのだろう。
 それはそれでいいとコルチャスキーは思う。

 「それではこれで失礼いたします。馬車を待たせておりますので」
 コルチャスキーが頭を下げ、背後に控えるヴァレフィアもそれに倣う。
 夫人はなにがしかのもてなしをと思ってはいたようだが、これ以上関わることもあるまい。
 早々に辞去して待たせた馬車に乗り込むコルチャスキー。
 すぐにヴァレフィアもあとに続く。
 二人を乗せた馬車はガラガラと車輪の音を響かせて、ルトフスキー家を後にした。

 「やれやれ、これで一段落だな」
 ふうとシートにもたれかかって息をつくコルチャスキー。
 「ふん、結局ただ働きとは酔狂なことだ」
 「あの家の人間たちは“女神”に利用されていただけだからな。事細かに説明して金を要求するなど俺には無理だよ」
 「ふふん」
 コルチャスキーの返事にヴァレフィアは苦笑する。
 そもそも、“女神”とやらを消滅させたのはミズラフィアであって自分ではないのだ。
 金などもらえるはずもない。

 「それよりも一ヶ所寄るがいいか?」
 「寄り道? 別にかまわぬし、そもそもそなたはわれの旦那様だ。われはおとなしく付き従うのみだぞ」
 「ふふ……そうだったな」
 今度はコルチャスキーが苦笑する。
 今のところは……かな?

 「メガネ屋?」
 「ああ」
 市場の一角で馬車を止めて降りるコルチャスキーたち。
 そのまま馬車を待たせて一軒のメガネ屋に入っていく。
 「そなた……いえ、旦那様、お目を悪くなされたのですか?」
 すでに店の中であることを思い出し、慌てて言い直すヴァレフィア。
 「ん? ああ、いや、別にそうじゃないんだ。メガネが一つ欲しくてな」
 「目が悪いわけではないのにですか?」
 「ん……まあな」
 言葉を濁しつつ女性用の眼鏡のコーナーに向かうコルチャスキー。
 そこで店主に言いつけ、ケースから一つ取り出してもらう。

 「かけてみろ、ヴァレフィア」
 「は?」
 ヴァレフィアがメガネを渡され、唖然とする。
 「だ、旦那様、わ、私は目は……」
 「いいからかけてみてくれ」
 目は悪くないと言いかけたヴァレフィアをコルチャスキーはさえぎる。
 「は、はい」
 仕方なく渡されたメガネをかけてみるヴァレフィア。
 「あれ?」
 特に視界がゆがんだりはしない。
 「これは?」
 「まだ特に度が入っているわけじゃないからな。見え方に問題はあるまい? それよりもそのままじっとしててくれ」
 「は、はい」
 仕方なくおとなしくじっとするヴァレフィアを、コルチャスキーはしげしげと眺めていく。
 「ふーむ……どうかな?」
 「いやぁ、良くお似合いですよ旦那さん。この子のかわいさが増したっていうものです」
 にこにこと愛想よく答える店主。
 まあ、売りたいのだから似合うとは言うだろう。
 とはいえ、メガネをかけたヴァレフィアは悪くない。
 店主の言う通りかわいさが増している感もある。
 これにするか……

 「よし、これにする。お願いします」
 コルチャスキーはヴァレフィアから目眼を外し、店主に渡してケースに入れてもらうように頼む。
 「えっ? レンズに度は?」
 「いらない。このままでいい」
 「さようでございましたか。かしこまりました」
 伊達メガネでいいと知り、すぐにケースを用意しに行く店主。
 「旦那様、あれはいったい?」
 「後で説明するよ」
 「はあ……」
 ヴァレフィアは困惑するしかない。

 「そのメガネはどうするつもりなのだ?」
 メガネ屋を出て馬車に戻ったヴァレフィアは、さっそくコルチャスキーに聞いてみる。
 「ん? ミズラフィアに渡そうと思ってな」
 「ミズラフィアに?」
 「ああ……」
 コルチャスキーはケースからメガネを取り出し、フレームに嵌まったガラスを眺めている。
 「うん……たぶんなんとかなるだろう……」
 コルチャスキーは微笑んだ。

                   ******

 「お帰りなさいませ旦那様、ヴァレフィアお姉さま」
 玄関に出て帰ってきた二人を出迎えるミズラフィア。
 「ただいま。しばらく部屋にこもる。夕食になったら呼んでくれ」
 「あ、はい。かしこまりました」
 挨拶もそこそこにすぐに自室に向かってしまうコルチャスキーに、ミズラフィアはそう返事するしかない。
 「まったく……あわただしいことだ」
 一歩遅れて家に入ってきたヴァレフィアも、苦笑しつつコルチャスキーの後ろ姿を見送るだけ。
 「どうかしたのでしょうか?」
 「ミズラフィアにメガネを渡すつもりらしいよ」
 「は? メガネですか?」
 「そういうこと」
 言われて思わずきょとんとするミズラフィア。
 どうしてメガネなど……

 「ミズラフィア、ちょっといいかな?」
 「え? あ、はい、旦那様」
 夕食には普通に顔を出し、二人の用意してくれた夕食を食べて食後のお茶を飲んでいたコルチャスキーがミズラフィアを呼ぶ。
 ざっとした片づけを終え、ヴァレフィアと一緒に今日の分のチョコレートを楽しんでいたミズラフィアは、すぐに席を立ってコルチャスキーのもとに来た。
 「これをかけてみてくれないか?」
 ミズラフィアに手渡されたのはメガネのケース。
 中にはメガネが入っている。
 ヴァレフィアお姉さまの言ったとおりだ。

 「これは? あの……私は目は」
 「いいからかけてみてくれ」
 コルチャスキーににこやかにそう言われ、ミズラフィアはとりあえずメガネをかけてみる。
 「あれ?」
 予想に反して視界がゆがまないことに驚くミズラフィア。
 メガネというものはレンズを使っているために、目の悪くない者にはかえって視界がゆがむと聞いていたからだ。
 「うん。問題ないようだな。一度はずしてくれ」
 「あ、はい」
 ミズラフィアが眼鏡をはずす。
 「もう一度かけて」
 よくわからないものの、言われたままにメガネをかけるミズラフィア。
 「うん、大丈夫だ。見え方に問題はないか?」
 「ええ、はい。大丈夫です」
 確かに見え方は問題ない。
 かけてないときと同じように見えるのだ。

 「ちょっとおいで」
 「はい」
 コルチャスキーはミズラフィアを洗面所へと連れて行く。
 そこには鏡があるからだ。
 「見てごらん」
 「はい。えっ?」
 コルチャスキーに言われ、鏡を見るミズラフィア。
 そこには普段見慣れた自分の顔が眼鏡をかけていたが、その目は青かったのだ。
 「えっ? ええっ?」
 慌てて眼鏡をはずしてみるミズラフィア。
 すると目はいつものように赤い。
 あらためてメガネをかけてみると、目の色は青くなる。
 これは不思議なメガネだ。

 「ふん……やはりそういうメガネであったか」
 いつの間にかヴァレフィアも洗面所にやってきている。
 「ああ……リルシェバがどうしてミズラフィアの目を赤くしたのかは今度聞いてみるつもりだが、とりあえずはこれをかければ普通に外出しても問題はあるまい?」
 「そうだな。この街には青や茶の目の人間はおるが、赤い目の人間は見ないからな」
 腕組みをしてうんうんとうなずくヴァレフィア。
 「そのために私にメガネを?」
 「ああ。聖レドフスキーの日にはちょっと早いが、プレゼントとして受け取ってもらえるとありがたい」
 コルチャスキーがミズラフィアにうなずく。
 「ありがとうございます旦那様。とてもうれしいです」
 ぱあっと顔が明るくなるミズラフィア。
 うれしいというのは間違いなさそうだ。
 「よかったなミズラフィア。これで今度は一緒に街に出かけられる」
 「はい。旦那様も一緒に」
 ヴァレフィアとミズラフィアがにこやかに笑い合う。
 やれやれ……
 これからは出歩くときには二人とも連れて行かないとならないな……
 コルチャスキーはそう思う。
 だが、それも悪くない。
 今回は二人のおかげで助かったのだ。
 アザロフのチョコを予約しに行くついでに、二人と街を歩くのもいいかもしれないな。
 きっと楽しい時間になる。
 コルチャスキーの口元には、思わず笑みが浮かんでいた。


END

以上です。
ちょっとあっけない話になってしまいましたが、なにせ二人が強力でして。
(^o^;)ゞ

よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。

それでは今年も「舞方雅人の趣味の世界」をよろしくお願いいたします。
ではではまた。
  1. 2023/01/03(火) 19:00:00|
  2. その他短編SS
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女神の涙 (前)

今年最初のSSは、昨日告知しました通り過去作「チョコレートの魔力」の続編です。

私自身この作品に登場したヴァレフィアとミズラフィア、それにコルチャスキーが気に入ったもので、いつか続編は書きたいなと思っておりました。
今回ようやく書きあがったので、投下させていただこうと思います。
タイトルは「女神の涙」です。

一種のファンタジーであり、悪堕ちでも異形化等でもないSSですが、楽しんでいただけますと嬉しいです。
それではどうぞ。


女神の涙

 窓の外を雪が降る。
 気温もかなり下がっているようだ。
 幸い室内は暖炉のおかげで温かい。
 パチパチと薪が燃える音が静かな部屋に響いている。

 キッチンの方では夕食の後片付けをしているようだ。
 二人の楽しそうな話し声が聞こえてくる。
 ミズラフィアもすっかりあの躰に慣れたのか、動きがスムーズになって皿を割るなどのミスもほとんど無くなった。
 ヴァレフィアとも仲良くやっているらしい。
 今では二人で楽しそうにチョコレートを食べる姿が当たり前になっている。
 今日も後片付けが終われば、彼の与えるご褒美のチョコレートを食べるのだろう。
 コルチャスキーはそう思う。

 「さてと……」
 それはともかく……これをどうしたものか……
 ポケットにしまわれていた革袋から、宝石を加工したと思われるペンダントを取り出すコルチャスキー。
 彼の手の中で鎖の音がチャラッと鳴る。
 八角形に削られた真っ赤で透明感のある石をペンダントヘッドにしたペンダントだ。
 「“女神の涙”……ねぇ……」
 コルチャスキーはそうつぶやき、暖炉の炎の明かりにかざしてその石を見つめる。
 美人だった母の影響か、彼の顔はかなり整っている方だろう。
 雰囲気的には軍人というよりも、どこか学者や研究者といった雰囲気を持っている。
 軍人がそれなりにもてはやされるこの国においては、彼は軍の少佐ということもあってそれなりに見合いの話なども持ち込まれてくる。
 いくら整った顔でも、学者や研究者ではそうはいかなかったかもしれない。
 もっとも、本人にしてみればそんなことは煩わしいだけなのか、断ることが大半だ。

 「何を見ているのだ、マージェコフ?」
 トレイにお茶のセットを載せて持ってくるヴァレフィアが、コルチャスキーに声をかける。
 そのあとにはミズラフィアがお湯のポットを持ってついてきていた。
 二人とも黒いメイド服に白いエプロンとホワイトプリムが良く似合っている。
 髪の色と目の色の違いはあるが、二人ともよく似た容姿をしており、双子と言っても通りそうだ。
 それもそのはず、この二体は彼の妹であるリルシェバが作り上げた人形である。
 とはいえ彼女たちがまだ幼さを感じる十四、五歳の少女ではなく、人の手で作られた人形だと見抜けるものはよほど魔術に通じた者でなければ無理だろう。
 それだけリルシェバが作り上げた人形が精巧であるのと同時に、人形に封じられた二体の魔人がその魔力でこの躰を人間のように見せかけているというのも大きいのだ。

 「ん? これか? “女神の涙”……だそうだ」
 コルチャスキーは苦笑しながら、ペンダントの鎖を持ってぶら下げる。
 「はあ? めがみのなみだぁ? そんな赤い石なのにか?」
 露骨にバカにしたような表情を浮かべるヴァレフィア。
 全くこいつは……
 よく人形であるその躰でそこまでの表情をさせられるものだとコルチャスキーは思う。
 どう見ても人間の少女そのものではないか……
 「まあ、どうもそうらしい。もっとも、そんな名前はこいつを売るために誰かが勝手に付けた便宜上のものだろう。実態は女神の涙とは似ても似つかない物だからな」
 コルチャスキーは持っていたペンダントをテーブルの上に置く。
 「実態?」
 テーブルに置かれたペンダントに目を移すヴァレフィア。
 「ああ……どうもこいつはこの石の中に何か魔物を封じていたようなのだ。すでに中身は空っぽで抜け殻だが……」
 「中身が空っぽ?」
 「ああ、ヴァレフィアなら、こいつから何か感じるか?」
 コルチャスキーにそう言われ、テーブルにトレイを置いたヴァレフィアがペンダントを手に取ってみる。
 「むぅ……確かに残滓のようなものがないわけではないが……やはり抜け出した後だな。何も入ってはいない」
 手にしたペンダントをコルチャスキー同様に暖炉の炎にかざしてみるヴァレフィア。
 「だろうな。中に入っていたものが何者かはわかるか?」
 「無理を言うな。われにもその程度の残滓だけでは何者が入っていたのかなどわかるはずもない。だが、そのような石に封じられてしまうなど、たいしたやつではないな」
 ペンダントをテーブルに戻し、ミズラフィアの持ってきたお湯をティーポットに入れてお茶を淹れていくヴァレフィア。
 このかわいらしいとしか言いようのないメイドの少女の中身が強大な力を持つ魔人だとは、余人には想像もつかないだろう。

 「はい、お茶が入りましたわよ、旦那様」
 わざとらしくメイドの口調でカップを差し出すヴァレフィア。
 家の中など他人がいない場所では先ほどのようなぞんざいな口を聞くくせに、時々メイド口調でからかってくるのだ。
 一方ミズラフィアはたいていがメイド口調で接してくる。
 どうも今の躰が気に入ったらしく、この躰に自分を封じたコルチャスキーと、その妹でこの躰を作ったリルシェバを尊敬したのだとか。
 もっとも魔人のことだから、そう見せかけていつか寝首を掻こうとしているという可能性もなきにしもではある。
 「うん。美味い」
 カップを受け取り、お茶を飲むコルチャスキー。
 これは嘘ではない。
 ヴァレフィアの淹れるお茶は美味しく、相当に腕を上げたのは間違いないのだ。
 だいぶ練習をしたんだろうな……
 強大な力を持つ魔人がお茶を淹れる練習をしているなど、ほかの魔人が知ったら笑いものになるかもしれんというのに。

 「美味しいです」
 「ふふん。われが淹れたのだから当然ではないか」
 ミズラフィアとヴァレフィアも席に着いて、お茶と一緒にチョコレートを楽しんでいる。
 二人は人形の躰であり、かつ魔人であるために基本的に食事の必要はない。
 たまに魔力を使い過ぎたときなどには補充が必要なようだが、まあ、ミズングムが封印から抜け出そうとしたときのように大量の精気を必要とするようなことは今はもう無いので、適度に精気を吸わせるために人ごみに連れ出せばなんとでもなる。
 だから、食事は主にコルチャスキーだけが取ればいいのだが、それではつまらないのか、だいたいは二人も一緒に少なめの量の食事をする。
 むしろ二人にとっては食後のこのチョコレートを食べるお茶の時間の方が重要なのだ。
 なので、二人ともなんとも幸せそうに食べているので、コルチャスキーも見ていて楽しくなる。

 「それで、なぜそのようなものがここにあるのだ?」
 ヴァレフィアがペンダントのことを問いかける。
 「ん? 頼まれごとだ。厄介な……な」
 カップからお茶をすすり、ふうと息を吐くコルチャスキー。
 「厄介なのですか? 何か手伝えることはありますか、旦那様?」
 あむあむとチョコを食べながら赤い目でコルチャスキーの方を見つめるミズラフィア。
 顔立ちは似たようなものなのに中身が違うせいか、ミズラフィアはどことなく小動物的可愛らしさがある。
 「ん? まあ何かあれば頼むさ。今のところは何もない。というより、どうしたものかと思っている」
 「どういうことだ? 奥歯にものが挟まったような言い方をするではないか」
 「うーん……どこまでやればいいかと思ってな……」
 チョコから目を離そうともしないヴァレフィアの言葉に、コルチャスキーもその通りだとは思うのだ。
 だが、言葉通りなら何もする必要がない頼み事だからと、何もしなくていいものかどうか……

 「この“女神の涙”はゴリューコフ伯爵からの預かり物だそうでな。伯の奥方への贈り物なんだそうだ」
 「奥方への贈り物?」
 ちらっと再びテーブルの上のペンダントに目をやるヴァレフィア。
 「ああ、奥方に良く似合いそうだと手に入れたらしい。だが、前の持ち主含めその周囲で変死が相次いだらしくてな、このペンダントは呪われているのではないか、呪われているのであればその呪いを解いてくれないか……だそうでな。なぜか俺のところに話しが回ってきたのさ」
 そこまで言って、またカップのお茶を一口飲む。
 「それはおそらくこの中にいたものが外に出るために力を得ようとしたのではないですか?」
 「そうに決まっている。そのような石にいつまでも閉じ込められている愚か者などそうはいないからな」
 ミズラフィアの言葉にうなずき、ペロッと指についたチョコを舐めるヴァレフィア。
 「よかったではないか。それはもうとっくに抜け殻になっている。呪いとやらはもう起きはしない。そう言って伯爵からたんまり手間賃をもらえばいい」
 ヴァレフィアがにやりと笑みを浮かべる。
 本人は凄みを見せているつもりなのだろう。
 「ゴリューコフ伯についてはそれでいいだろう。だがなぁ……封じられていた何かが抜けだしたと知ってしまって、何もせずにいていいものか……とな」
 「ふん。苦労性で酔狂なことだ。放っておけばいいではないか。安心しろ。その石に封じられる程度のやつがどれほど力をつけようと、そなたには手は出させん」
 ヴァレフィアの言葉にこくこくと真剣な表情でミズラフィアもうなずく。
 この二人……頼もしいというべきかなんというか。
 コルチャスキーは苦笑する。
 心配なのはそんなことではないのだ。
 むしろ、こいつらレベルであれば暴れ出したりでもしたらすぐわかる。
 対処できるかどうかは別にして。

 しかし、力を中途半端に持つ者はその力をこっそり使おうとするかもしれない。
 自分は表に出ずにひそかに影響を及ぼそうとするかもしれないのだ。
 そうなるとなかなか見つけ出すのは難しい。
 そして気が付いた時には、町一つをまるごと焼くしかなくなっている場合もありうるのだ。
 はたして放っておいていいものかどうか……

 「とりあえず、明日ゴリューコフ伯に会いに行く。ヴァレフィア、お前は付き合え。ミズラフィアは悪いが留守番してくれ」
 ペンダントを再び皮袋に入れてポケットにしまい、コルチャスキーは二人に明日のことを伝える。
 「むぅ……たまにはわれではなくミズラフィアを連れていけばいいではないか」
 他人と会うのがめんどくさいのか、不満そうに頬を膨らませるヴァレフィア。
 「私ならいつでもお供いたしますが」
 対照的にミズラフィアはすっと立ち上がる。
 彼女としては一緒について行きたいところなのだろう。
 いつも外出はヴァレフィアの役目であり、ミズラフィアは留守を守ることがほとんどなのだ。
 「いや、悪いがミズラフィアは留守番を頼む。やはりその赤い目はどうしても人目を引いてしまう。余計な注目を引き付けたくはないのでな」
 「あ……」
 コルチャスキーの言葉にハッとしたようにまた座るミズラフィア。
 「すまん。今度リルシェバにその目を普通の青い目にできないか聞いてみる」
 「あ、いえ。私は留守番で構いません。それに……私、この赤い目がとても気に入っているんです」
 にっこりとほほ笑むミズラフィア。
 確かに彼女の赤い目は美しい。
 ヴァレフィアの青い瞳とはまた違う魅力がある。
 「困ったやつだ。魔人のくせに人形の中が居心地がいいとか、赤い目が気に入ったとか、ろくなことを言わぬ」
 カップのお茶の残りを一気に飲み込むヴァレフィア。
 「でも、ヴァレフィアお姉さまも、ベッドの中で私の赤い目が素敵だってささやいてくれたじゃないですか」
 「ゲホッ! ご、誤解を招くような言い方はやめるのだ!」
 思わずお茶をのどにつかえさせてむせているヴァレフィアを、クスッと笑みを浮かべて見ているミズラフィア。
 なんだかんだと仲がいい。
 「でも本当のことですよ、ヴァレフィアお姉さま」
 「むぅ……青い目ではどうも力を使った気がしないのだ。われらは力を使うときには目が黄色や赤く輝くのが普通だからな」
 プイと目をそらすヴァレフィア。
 まあ、だからこそ、力を抑えるためにもリルシェバはヴァレフィアの目を青くしたのかもしれん。
 だとすれば、ミズラフィアの目を赤くしたのはなぜなのか……
 それは今度聞いてみる必要があるな……

 「ふん……たまにはマージェコフと一緒に外出させてやろうと思ったものを。仕方ない。われが一緒に行ってやろう」
 そう言うわりにはどことなくウキウキしているようなヴァレフィア。
 おそらく彼女自身一緒に外出したかったに違いない。
 他人と会うときにメイドとしてふるまうのが面倒なだけなのだ。
 「まあ、そういうことだ。外出の支度をしておけヴァレフィア。それと、早く寝ておけよ」
 「ふふん……かしこまりましたわ、旦那様」
 鼻を鳴らしながらすっと立ち上がり、嫌味っぽく優雅にカーテシーで一礼するヴァレフィア。
 やれやれだ。

                   ******

 ガラガラと車輪の音を立てて町の通りを行く、一台の箱型馬車。
 車内には深緑色の軍用コートを身にまとった焦げ茶色の髪の青年将校と、黒のメイド服を着た金髪の少女が乗っている。
 朝からいい天気ではあるものの、夜に降った雪のせいで街はうっすらと白くなっている。
 まだ本格的な冬ではないものの、すべてを閉ざす雪の季節はもうすぐだ。

 だが、首都スクロヴァは活気のある街だ。
 人口も多い。
 通りには人々が行き交い、その人たちの声でざわめいていた。
 商店のショーウィンドウには飾り付けがなされ、もうすぐ子供たちが楽しみにしている日もやってくる。
 「そうか……もうすぐ聖レドフスキーの日か……」
 窓の外を通り過ぎる飾り付けられた街を見ながら、コルチャスキーが思わずつぶやく。
 聖レドフスキーの日とは、その昔善い行いをした人に贈り物を授けたという賢者レドフスキー師にあやかり、一年間良い子にしていた子供にご褒美としてプレゼントを贈るという日だ。
 最近では子供ばかりではなく、大人同士でもプレゼントのやり取りをしたりもするらしい。
 とはいえ聖レドフスキーの日などコルチャスキーは最近は気にもしたことがなかった。
 親がいたころには楽しみにもしたのかもしれないが、師匠についてからはそういった行事などとは無縁の生活だったからだ。

 「ふん……聖者にかこつけて贈り物をやり取りするとか、人間も下らぬことをするものだ」
 ヴァレフィアが隣で同じように窓の外を見てつぶやく。
 「まあ……そういうな。楽しみにしている者もいるのだ」
 「ふん……」
 つまらなさそうに鼻を鳴らすヴァレフィア。
 「ヴァレフィアは何が欲しいんだ?」
 「なっ?」
 驚いてヴァレフィアはコルチャスキーの方を振り向き顔を見る。
 「な、何を言っている?」
 「聖レドフスキーの日だからな。お前にも何か欲しいものがあったらプレゼントの一つでもとな」
 ニヤッと笑うコルチャスキー。
 まあ、なんだかんだこいつはメイドとしてよくやってくれているのだ。
 プレゼントの一つくらいは贈ってもよかろう。

 「わ、われはプレゼントをもらって喜ぶような子供ではないぞ!」
 子供扱いされたと感じたのか、ヴァレフィアの声がやや荒くなる。
 外見からはまだ少女と言っても通用するのは間違いないのだが。
 「アザロフのチョコの詰め合わせなんかどうだ?」
 その言葉を聞いた瞬間、ヴァレフィアの目が怒りから喜びへと変化する。
 アザロフとはお菓子の高級店の名であり、そこのチョコレートは絶品なのだ。
 とはいえ、やはりそれなりに高価なことは間違いなく、コルチャスキーもそう毎度毎度二人に食べさせてやることもできない。
 だからこういう機会にでもと思ったのだ。
 「今から予約をしておけば、何とか手に入るだろう」
 「も……」
 「も?」
 「も……もらって差し上げてもよろしいですわよ旦那様。旦那様がどうしてもプレゼントをしたいというのであれば仕方ありませんもの」
 きらきらと目を輝かせており、さっきとは全く違う表情だ。
 やはり美味しいチョコにはかなわないらしい。
 やれやれ……素直じゃないやつめ。
 あとできちんと予約をしておかねばとコルチャスキーは心に刻む。

 そんな会話をよそに、馬車は市場のある大きな広場を通り抜け、高級住宅街へと入っていく。
 貴族たちの邸宅が立ち並ぶあたりだ。
 雰囲気も先ほどまでの通りとは全く違い、静けさが漂っている。
 そんな中、馬の蹄鉄の音と馬車の車輪の音だけが騒がしく響いていた。

 「マージェコフ」
 「ん? どうした?」
 その後しばし黙っていたかと思うといきなり自分の名を呼んできたヴァレフィアに、コルチャスキーは顔を向ける。
 「そなたはなぜ軍人などやっているのだ? そなたほどの腕なら、魔術師として充分独り立ちしていけるのではないか?」
 そなたはなぜ軍人など……か……
 いつしかヴァレフィアはコルチャスキーのことをお前とは呼ばなくなっていた。
 ある程度コルチャスキーのことを認めたということなのかもしれない。
 「そのことか……そういえば話してなかったな。まあ、簡単な話、俺は魔術師にはなりたくなかったからだ」
 ヴァレフィアから顔をそらして窓の外を見やるコルチャスキー。
 「なりたくなかった? われをこの躰に封じ込めるような腕の持ち主が?」
 窓の外を向いていたので表情は見えなかったが、おそらくヴァレフィアは驚いているのだろう。
 「そうさ。俺は魔術師になどなりたくなかった」
 「聞いても……いいか?」
 「そうだな。伯爵の屋敷まではもう少しかかるだろうから、話してもいいか」
 コルチャスキーは馬車のシートの上で座り直す。

 「我が家は代々魔術師の家系だそうでな……まあ、その例に漏れず、父も魔術師だったわけだ」
 「そなたの父が……」
 「ああ……まあ腕はそこそこよかったそうだが、一級の魔術師というわけでもなかった。この職は持っている素質のようなものが大きいからな」
 「うむ。そうであろうな……」
 ヴァレフィアがいつになく真剣な表情でコルチャスキーの言葉を聞いている。
 「父と母は政略結婚でな。いわゆる魔術師の家同士の結婚だったのさ。結婚によって結びつきを強めるというのはよくあることだ。資質の高い子が生まれる可能性も高くなる。とはいえ、母は結構心から父を愛していたとは思うぞ。そうでなければ……」
 少し言葉を区切るコルチャスキー。
 「そうでなければ?」
 先を促すヴァレフィア。
 「母は父の補助に全力で当たっていた。母の補助を得て、父はかなり強力な術も使えるようになったという話だ。昔も今も、魔術師の仕事の一つは魔物の排除だ。あのミズラフィアの件と同じだな。で、父にもそういう仕事はそこそこ舞い込んでいたのさ」
 「魔物の排除か……」
 ヴァレフィアの表情が少し曇る。
 自分は人間にとっては排除されるべき存在だというのを思い出したのかもしれない。

 「ある日、父は母を連れて魔獣退治に出かけたそうな。よくある話だが、そこで母は命を落とした。父が母を守り切れなかったのさ」
 「な……」
 ヴァレフィアが言葉を失う。
 「父も母を愛していたんだろうな。母を失った父は相当がっくりと来ていたらしい。らしいというのは、俺はその時ちょうど師匠のもとに出されていて、父や母のそばにいなかったからだ」
 「師匠?」
 「ああ。俺の魔術の師匠でな。ゴンニャロン・ブラムスキーという方だ。数年前にお亡くなりになられたが、魔術師としては一級の方だった」
 「ブラムスキー? そなたの師匠はブラムスキーなのか? なるほど、そなたの腕がいい理由が分かったぞ」
 聞き覚えのある名に出くわして驚くヴァレフィア。
 「師匠の名を知っているのか?」
 コルチャスキーもヴァレフィアがその名を知っていたことに驚く。
 「ゴンニャロン・ブラムスキーといえば、少し前に魔人たちの間で気を付けるべき人間ということで名を聞いたことがある。そうか……すでに死んでいたのか」
 「お前たちとは寿命が違うからな。お前たちにしてみれば数日会わないようにしていればいいぐらいな感覚だろう。その間に相手は寿命で死ぬ」
 「確かにな……すまぬ、話の腰を折ったな。続けてほしい」
 「ん……ああ……母を失ったことは俺にとってもショックだった。何のための魔術だ。愛する人を、守るべき人を危険な場所に連れて行き、あまつさえ守り切れない魔術師とはいったい何なのだとそう思ったさ。だから俺は魔術師になどなるのはやめようと思った。父の跡を継ぐのはやめようと」
 コルチャスキーは背もたれにもたれかかり、両手を頭の後ろで組む。
 「修業は楽しかったのでな、やめようとは思わなかった。だが、魔術師にはならないと心に決めたのさ。俺は愛する人を一緒に危険な場所に連れていくのではなく、愛する人のいる場所を守るために戦う者になろうと思った。だから軍人になったのさ」
 ふふんとやや自嘲気味に笑うコルチャスキー。

 「そんな理由が……」
 初めて聞くコルチャスキーの言葉にやや困惑するヴァレフィア。
 まさか彼ほどの腕の持ち主が、魔術師になりたくなかったとは思いもしなかったのだ。
 「まあ、そう簡単な話でもなかったがな。母の死に俺以上にショックを受けたのはリルシェバだ。あいつは父を母殺しとののしって家を飛び出した。あいつは母と同じ腕のいい依り代作りだったのだがな。まあ、そのおかげで今でも人形職人なんかやっているが」
 「われの躰を作ったのは依り代作りの技術だったのか……」
 改めて自分の躰を見直すヴァレフィア。
 その精巧さはヴァレフィア自身が日々感じている。
 魔人を封じ込めた上で自在に動かせるような人形など、聞いたことも無かったものだ。
 「で、俺の方はと言えば、最高のタイミングで父に家も跡も継がないと言ってやろうなどと愚かなことを考えてな。修業を終えて代替わりを父が皇帝陛下に願い出るタイミングを見計らって言ってやるつもりだったんだが……その前に父が死んでな。おかげで家も跡も継がないなどと言ったところでどうしようもなく、コルチャスキー家の跡を継ぐことになったのさ。まあ、魔術師ではなく軍人になるという願いは、皇帝陛下やラブノフスキー公、メシャコフ候などのお力でかなえていただいたが……結局参謀本部付の魔術師みたいなことになってしまっている。やれやれだ」
 ふうとため息をつくコルチャスキー。
 なんというか、思い通りにいかないことの多いことよ。

 「そうだったのか……すまぬ。話しづらいことを話させてしまったな」
 ヴァレフィアがぺこりと頭を下げる。
 「なに、いいさ。お前がすごく真剣な表情で聞いてくれたのでな。その顔を見ているのもおつなものだったぞ」
 「な? 何を言って!」
 「お前の顔はかわいいからな。見飽きない」
 ふふっと笑うコルチャスキー。
 「ふ、ふざけるな! われをかわいいなどと!」
 そういいつつもやや赤くなるヴァレフィア。
 本当にこの躰は精巧にできている。
 リルシェバの腕は大したものだ。
 「怒るな。そんなことよりそろそろ着くぞ」
 「わ、わかっている」
 ヴァレフィアはこの湧き上がった感情をどうしようもなく、ただそっぽを向くしかできなかった。

                   ******

 ゴリューコフ伯爵の屋敷は大きいものだった。
 玄関先では数人のメイドが待ち受けてコートやら帽子やらを奪い取るように受け取り、彼らを応接室へと案内する。
 「なかなかに大きなお屋敷ではないか」
 応接室のふかふかの椅子に座って足をぶらぶらさせながら、出されたお茶に手を出そうかどうしようかと迷っている様子のヴァレフィア。
 だが、コルチャスキーがお茶に手を出さずにいるので、彼女も手を出せないでいるようだ。
 「ゴリューコフ伯は伯爵とは言っても、財力ではそこらの侯爵や公爵では話にならんほどのものを持っているからな。皇帝陛下の覚えもめでたいし、あんまり不興は買いたくない相手ではある」
 椅子に座って静かに伯爵を待っているコルチャスキー。
 「実力者というわけだ……」
 思わず居住まいを正してしまうヴァレフィア。
 彼女自身は人間になどどう思われようともかまわないが、コルチャスキーが悪く思われるのは避けたいのだ。

 「うむ、待たせたな。ホリド宮から来てくれたとか。わざわざ来てもらいご苦労」
 やがてこの屋敷の主である老伯爵が姿を現す。
 その身分にふさわしい仕立てのいい服を身に着け、年の割には若々しさを感じさせる声の持ち主だが、やはり顔には深く刻まれたしわがあり、高齢であるのは間違いない。
 「ハッ、伯爵様にはご機嫌麗しく。参謀本部より参りましたコルチャスキーです。本日は無作法ながら我が家の使用人一人を連れてまいりました事、お許しくださいませ」
 すっと立ち上がって一礼するコルチャスキー。
 もちろんヴァレフィアも立ち上がって優雅に一礼をする。
 「よいよい。コルチャスキーとやら、貴官がホリド宮の魔術師と呼ばれる男か。なるほど、いい面構えをしておる」
 にこやかに椅子をすすめ、自分も席に着く老伯爵。
 ホリド宮とは陸軍参謀本部の別称で、首都郊外にかつては離宮として建てられたものだったが、のちにそのまま参謀本部として使われることになったためそう呼ばれているのだ。

 「すると、あの依頼の件で来てくれたということでよいのだな?」
 柔らかそうな椅子に深く座り直してテーブルの上で両手を組む伯爵。
 「はい。その件で」
 コルチャスキーも席に着いて胸ポケットから皮袋を出す。
 そしてその中から、例のペンダントを取り出してみせる。
 赤く輝くペンダントヘッドが光を浴びてより一層光り輝く。
 「おお、していかがであった? やはり呪われていたかね?」
 「いえ、ご安心ください。このペンダントは呪われてなどおりませんでした」
 ペンダントをテーブルに置き、袋をポケットにしまいながら、老伯爵を安心させるように穏やかな口調で話すコルチャスキー。
 「本当かね? このペンダントの持ち主は次々と不幸に襲われていたというじゃないか。そのようなものを妻に渡して大丈夫かと心配になったのだが、本当に大丈夫かね?」
 「はい。このコルチャスキーが保証いたします」
 念を押してくる老伯爵に、コルチャスキーがしっかりとうなずく。
 「そうか。ホリド宮の魔術師が言うのなら心配あるまい。これで妻の誕生日にこれを渡すことができる。ありがとう」
 ホッとした安堵の表情でペンダントを手に取る老伯爵。
 それなりにかもしれないが、奥方を愛しているのは間違いあるまい。

 「ところで伯爵様、つかぬ事をお聞きしますが、なぜそのペンダントが呪われていると思われたのです? まさか売主がそのようなことを言って売りつけようとしたわけではありますまい?」
 老伯爵の財力目当てにペンダントを売ろうとするような相手が、正直に呪われてますなどと言うはずがないのだ。
 むしろ幸運を呼ぶだの寿命が延びるだの言って売りつけた方がはるかに買ってくれるだろう。
 「もちろんだとも。あの宝石商は奥方に似合うだの健康で長生きができるだの言っておったわ。まあ、そんなことを言う舌など引っこ抜いてやったがな」
 呪いの品を売りつけた相手に対する仕打ちをさらっと言ってのける老伯爵。
 実際に行ったかどうかはともかく、高級貴族にとって一般の平民などその程度の扱いなのだ。

 「それでその宝石商が納品に来た時、たまたま知り合いのグラホフが来ていてな。奴がそのペンダントに見覚えがあったというわけなのだ」
 「グラホフ殿とは……失礼ながら参謀次長閣下でありましょうか?」
 アンジェイ・グラホフ将軍のことであれば参謀本部次長職にある人物であり、ホリド宮のナンバー2である。
 「そうじゃよ。奴はわしの近衛第一騎兵連隊のころの部下でな。よく面倒を見てやったものよ。今回のことも奴が君に依頼したのであろう?」
 にこやかに過去のつながりを話す老伯爵。
 なるほど。
 道理で部外者であるはずのゴリューコフ伯の頼みごとが、自分のところになどくるのかがこれで分かったというもの。
 「グラホフは昨年だかに姪っ子夫婦を亡くしておってな。その姪っ子が夫にもらったのがこのペンダントとよく似ていたものだったそうだ。だが、それから姪っ子夫婦は災厄続きになったそうでな……」
 「災厄が?」
 「うむ。使用人が病気になったり急死したり、夫も病気になったということでな。気になったグラホフが占い師に尋ねたところ、何か呪いの品を持っているのではないかということになってな、姪っ子にそのことを告げると、どうもペンダントをもらってから災厄が起こった気がするとのことだったので、そのペンダントを手放すよう言ったものの、手放す直前だか直後だかに夫婦そろって急死したそうでな……」
 老伯爵の表情が曇る。
 姪御夫婦を亡くした元部下の心境を思ったのだろう。
 おそらく……
 封じられていた“女神”とやらが力を吸いまくったか……
 「それでわしが宝石商からペンダントを受け取り、そのペンダントを奴に見せたところ、姪っ子の持っていたペンダントに似ている、もしかして呪われた品ではないかということになってな。部下に魔術師がいるのでそいつに調べさせようという話になったのだよ」
 そう言って手にしたペンダントをテーブルの上に置く老伯爵。
 なるほどそういうことか……
 コルチャスキーはいささか苦い思いをしながらうなずく。
 やれやれだ。

                   ******

 伯爵家の者に馬車を用意してもらい、老伯爵の屋敷を後にするコルチャスキー。
 堅苦しい場を抜け出したことでややホッとする。
 それはヴァレフィアも同じと見えて、ふうと大きく息を吐いて馬車の椅子に深く座っている。

 「それで? どうだった?」
 屋敷が見えなくなったあたりでコルチャスキーがヴァレフィアに確認すると、ヴァレフィアは無言で首を振る。
 「やはりいないか……」
 「存在は感じなかったな。もし、あれであそこにいるとなれば、相当に気配を消すことに優れたやつということになるだろう」
 ヴァレフィアの言葉にうなずくコルチャスキー。
 彼としてもゴリューコフ伯の屋敷にペンダントから抜け出した“女神”とやらがいるとは思わなかったが、念のためにヴァレフィアにも来てもらったのだ。
 「さて……こうなると厄介だな。どこに“女神”とやらが潜んでいるやら……」
 「そのようなものは放っておいてもいいのではないか? それよりも……」
 「何か気になるのか?」
 屋敷を出てからヴァレフィアがずっと難しい表情をしていることにコルチャスキーは気づいていた。
 「あの伯爵、なぜ呪われているというペンダントを宝石商に突き返さなかったのだ? 自分や奥方の身が危うくなると思わなかったのか?」
 「ああ……その事か」
 コルチャスキーには大体の察しはついている。
 金持ちというやつは……

 「伯爵も、最初は特に何か思惑があったわけではあるまい。奥方に似合いそうなペンダントが、わりと安く手に入りそうだったので飛びついたのだろう」
 「わりと安く?」
 ヴァレフィアがきょとんとする。
 「呪われた品物だからな。宝石商だって早く手放したいだろう。となれば、相場より安い価格で売り出したと想像はつく。まあ、安いとは言っても伯爵にとってはという程度だが」
 「ああ、なるほど……」
 腕組みをしてうんうんとうなずくヴァレフィア。
 なんだか少女が背伸びをして大人ぶっているようでかわいらしい。
 「で、こんないいものを安く手に入れたぞと参謀次長閣下に見せびらかしたところ、呪われているのではないかと言われた。本来ならそこで突き返すところなんだろうが、伯爵は違った。もっと値切れると踏んだのさ。もしかしたらタダにできるとでも考えたのかもしれん」
 「タダに?」
 「伯爵にとっては呪われていようがいまいが基本的にはどうでもいいのさ。呪われた品を売りつけられそうになったと宝石商に文句を言って、少しでも値引かせようとしたのだろう。実際宝石商はかなり値切られたのではないかな」
 「だが呪いではないか。少々傷物だとかいうレベルではないのではないか? すでに抜け出した後だったからよかったものの、そうでなければその“女神”とやらに命を吸い取られていたのだぞ。それとも伯爵はすでに抜け出した後だと知っていたのか?」
 理解できないといった表情のヴァレフィア。
 「いいや、知っていたら俺が関わることもなかったさ。伯爵は呪いはどうとでもなるとわかっていたんだよ」
 コルチャスキーは苦笑する。
 「どうとでもなる?」
 「ああ。その場に参謀次長閣下がいたのではなく、誰か別の人間が呪いのことを持ち出していたのなら突き返していたのかもしれんが、どうも俺は伯爵はある程度ペンダントが呪われていることを知っていたのではないかと疑っている。だからこそ参謀次長閣下を呼んで見せびらかし確認させたのだ。姪御さんが呪いにかかわっていたし、何よりホリド宮の人間だからな」
 全く食えない伯爵だ……とコルチャスキーは思う。
 「ホリド宮の?」
 「そうさ。ホリド宮に元部下が、しかもホリド宮のナンバー2がその元部下なら使わない手はない。ホリド宮には誰がいる?」
 そこまで言われてヴァレフィアはハッとする。
 「ホリド宮の魔術師……そなただ」
 「そうさ。伯爵はまんまと参謀次長閣下を通して俺に呪いの解除を託すことができた。しかもタダでだ。参謀次長閣下からの頼み事だ。俺の上司のロバーチキン大佐だって無碍にはできない。結果として俺は大佐から命じられ、呪いの解除を引き受けざるを得ない。しかも軍内部の命令系統に乗ってくる仕事だ。別料金は取ることができない。給料分の仕事ということだ。つまり、伯爵は一デリムとも使わなくて済む」
 「なんと……」
 唖然として開いた口が塞がらないヴァレフィア。
 伯爵ともあろう高級貴族が値切るだの支払わないで済むだのケチにもほどがあるではないか。
 「今だってそうだ。馬車こそ都合付けてくれたものの、俺たちにはお茶の一杯とありがとうの言葉だけ。たんまりともらえる手間賃とやらはどこへ行った?」
 最後はやや意地悪くヴァレフィアに言うコルチャスキー。
 「むぅ……それはすまない……」
 うつむくヴァレフィア。
 「いや、今のはこっちが悪かった。最初から伯爵から金をもらえるなどとは思ってなかったからそんなのはどうでもいいのさ。それよりも……まだ付いてきているか?」
 そういってコルチャスキーは馬車の後ろを振り返る。
 「カラスのことか? 気付いていたのか」
 ヴァレフィアも後ろの窓から外を見る。
 そこから見える空に一羽のカラスが飛んでいた。

 「ふん……二週間ぐらい前から来るようになった奴だな」
 「ああ、俺も気がついてはいたがな。こうもあからさまにあとを付いてくるとは、今回の件に関係があるのかもしれんな」
 後ろを見るのをやめ、再び座席に深く座るコルチャスキー。
 「そなたの屋敷の周りにはすでに使い魔が十体はいるからな。いちいち気にはしていられないのはわかるが、放っておいてもいいのか?」
 「どうだかな……ホリド宮の魔術師とやらはずいぶんと動向を気にされているらしい。俺なんぞの動向を気にしても仕方ないとは思うのだがね」
 コルチャスキーはやれやれとばかりに肩をすくめる。
 「ま、今のところ我が国にケンカを売ってくるようなところもないようだし、戦端を開く前に先手を打って俺を殺しに来るようなこともなかろう。もっとも、そんな奴がいてもお前が黙ってはいないだろう?」
 「ふん、われやミズラフィアをあてにしているようだが、われがそなたを守るとでも思っているのか? そなたはわれをこの人形の躰に閉じ込めた術師だぞ! そのようなやつをわれが守るはずはなかろう!」
 キッとコルチャスキーをにらみつけてくるヴァレフィア。
 だが、その目には鋭さが欠けていた。
 「いいや……お前は俺を守るさ」
 ふふんと笑みを浮かべるコルチャスキー。
 だいたい夕べはそなたには手を出させんなどと言っていたではないか。
 「はあ? どうしてそういう結論が出るのだ?」
 ヴァレフィアがあきれたような表情をする。
 「まず第一にお前はとてもかわいい。そしてそのかわいい姿をお前は自分自身で気に入っている。第二にお前は今のところはその躰から抜け出したいとは思っていない。思っていないだけではなく、その躰でこれからもチョコレートを食べていたいのさ。だったら俺のもとで過ごすのが一番無難だ。ほかの奴のもとにその姿で行けば、何をさせられるかわからんからな」
 「うぐっ……ま、またしてもわれをかわいいなどと……われはかわいくなど……」
 なんとなく頬が赤くなるヴァレフィア。
 本当にリルシェバの作った人形は出来がいい。
 だからこそヴァレフィアがその躰をこうして魔力で人間のように見せて使いこなすこともできるのだ。
 「だから、俺は充分にお前を信頼し、お前を頼っているのさ。頼むぞ、ヴァレフィア」
 「ふん……われを頼りになどしますと、肝心な時に足をすくわれるかもしれませんわよ、旦那様」
 そういってヴァレフィアはプイとそっぽを向いてしまう。
 かわいいと言われてうれしいのだ。

 「さて……このまま屋敷へ戻るかどうするか……と言っても抜け出した奴の手掛かりと呼べるものはなく、あのカラスをつついても得るものはあるまいしな」
 「そうだな。所詮あの使い魔は目を提供しているにすぎん。使い手はどこかであのカラスの目を使ってわれらを監視しているのみ。カラスを捕まえてもつながりを切られて終わる」
 「そういうことだ。それにそもそもあのカラスの使い手が今回の抜け出した奴と関係があるかどうかも定かではないしな……おっと!」
 突然急停止した馬車に、思わず椅子からつんのめりそうになるコルチャスキー。
 「わあっ」
 ヴァレフィアも躰が浮いて放り出されそうになるが、とっさにコルチャスキーの左手が彼女の躰を受け止める。
 「大丈夫か?」
 「す、すまぬ。助かった」
 コルチャスキーの腕にしがみつくようにして躰を支えるヴァレフィア。
 意外なほどに軽いのは、やはり人形だからなのかもしれない。
 「なに、お前が無事ならそれでいい。ところでいったい何が?」
 コルチャスキーが馬車の窓を開けて外を見る。
 「どうしたんだ?」
 「すみませんです、旦那。この娘が突然道に倒れてきたんでさぁ」
 御者台の上から御者がコルチャスキーに返事をする。
 「娘?」
 見ると馬車の前、うっすらと雪が積もった道に一人のメイド服姿の若い女性が倒れていた。
 「なんだ? メイド?」
 思わずコルチャスキーは馬車を降りてその女性のそばに行く。
 「おい、君! しっかりしたまえ」
 倒れていた女性を抱え起こすコルチャスキー。
 だが、女性はぐったりとして意識がもうろうとしているようだった。
 「これはいかん。この近くに医者はいるか?」
 「ここからですとペトレンコ先生が近いです。が……あの先生は貴族しか診てくれませんぜ」
 渋い顔をする御者。
 「構わん。こういう時のための家名だ。その医者の所まで頼む。ヴァレフィア、手を!」
 「はい、旦那様」
 すぐにヴァレフィアもコルチャスキーに手を貸し、メイド姿の若い女性を馬車の中へと連れ込んでいく。
 「よし、その医者の所まで頼む」
 「へ、へい」
 コルチャスキーが馬車に戻ると、馬車はすぐに動き出した。

(続く)
  1. 2023/01/02(月) 19:00:00|
  2. その他短編SS
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謹賀新年2023

皆様、新年あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。
本年も当ブログ「舞方雅人の趣味の世界」を、どうぞよろしくお願いいたします。
<(_ _)>

今年の元日は日曜日ということで、いつものようにのんびりというわけにいかなくなってしまいました。(笑)
いつもの日曜ルーティンをずらすのがめんどくさくて、結局午後からは新年早々お洗濯などを。
_(:3 」∠)_ ウボワァ

23010104.jpg
それでも午前中はおせちとかまぼこをつまみにお酒を一杯。

ほろ酔い気分になったところで、2019年から続いている元日Squad Leaderのソロプレイなどを楽しむことに。
これで5年連続ですかー。
(*´ω`)

23010101.jpg   23010102.jpg   23010103.jpg
今回は独軍の小部隊をソ連軍が攻撃。
ですが、独軍9-2指揮官の前に攻勢がとん挫して終了でした。
分隊数ではソ連は2.5倍もあったんですけどねぇ。
(>o<")

ということで今年もスタート。
今年は創作をもう少し頑張りたいですねぇ。

明日からは新年SSを投下します。
悪堕ちや異形化作品を楽しみにお待ちいただいている方には大変申し訳ないのですが、今回はこちらの続編となります。

チョコレートの魔力

私、この作品のキャラが好きでしてねぇ。
いつか続編を書きたいと思っていたんです。
悪堕ちでも異形化でもないですが、お付き合いいただけましたら幸いです。

それでは今年もよろしくお願いいたします。
ではでは。
  1. 2023/01/01(日) 17:11:25|
  2. 日常
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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