fc2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ゴキブリの棲む家 (土曜・・・それから)

ブログ丸15年達成記念SS、「ゴキブリの棲む家」も今回で最終回です。
長いことお付き合いいただきましてありがとうございました。

最後は土曜日、そしてそれ以後です。
結花と良樹の晴れ姿をお楽しみくださいませ。


ご注意:今作品は「ゴキブリ」が大いに絡む作品となります。
苦手な方は充分にご注意していただければと思います。


                   土曜日

「ギチッ・・・ギチチッ」
ベッドの下から這い出していく。
ベッドの外は明るくていやになるが、そろそろ動き出さなくてはならないだろう。
「ギチチッ」
結花は立ち上がろうとするものの、どうにもうまく立ち上がれない。
両手も両脚もなんだか自分のものではないような感じがする。
「ギチチ?」
アタシ・・・どうしたのかしら?
結花は自分の手を見る。
パジャマの袖口から伸びた茶褐色の手。
手の甲はつややかな茶褐色の硬い外皮に覆われ、指も硬く先に鋭い黒い爪が付いている。
ヒトの手のようでもあり、ゴキブリの脚のようでもある手。
特におかしなところはない。

「ギチチチッ」
結花はパジャマの袖を噛みちぎる。
おそらくこの服が動きを邪魔しているのだ。
こんなものを着ているなんて変だ。
早く脱いでしまわねば。
結花は床の上で転げまわりながらパジャマを引き裂いていく。
鋭い爪が役に立ち、パジャマの布を破いていく。
ズボンも同様に脚のトゲや爪で破り捨てていく。
パジャマが引き裂かれ、結花の躰があらわになるにしたがって、その茶褐色の躰と背中の黒褐色の翅が広がっていく。
「ギチチチチッ」
それはまるで羽化のよう。
ヒトという躰から、ゴキブリの躰へと生まれ変わった結花の羽化なのだ。

やっとの思いですべての布切れをそぎ落とす結花。
「キチチチチッ」
自由になった喜びが思わず声になる。
その声にベッドの上の博文が一度目を開けたものの、特に何の反応も示すことなく、再び目を閉じる。
「キチチチ・・・」
そのことを床に転がっていた結花も感じ取っていたが、それが額から延びた二本の長い触角のおかげであることなど気にも留めない。
ゴキブリとなった結花にとって、それは当たり前のことなのだ。
結花はそのまま立ち上がることなく、床を腹這いの状態で這い進み、扉をこじ開けると、そのまま廊下を進んで階段を這ったまま降りていく。

リビングを抜けキッチンにやってくる結花。
ふと使い古されたキッチンの汚れが、隅の方は落とし切れていないことに気が付く。
美味しそう・・・
結花の長い触角がゆらゆらと揺れる。
舐めればきっといい味がすることだろう。
「キチチチチッ」
結花は少しうれしくなる。
この家は古いため、油汚れなんかも落ち切れていなかったりするので、みんなで舐めるにはちょうどいい。

キッチンに入ってきたのが結花だと判ったからなのか、キッチンのあちこちからゴキブリたちが現れる。
皆つややかな黒褐色の躰を輝かせ、その魅力的な姿を見せてくれている。
「キチチ・・・キチッ」
(おはようございます、皆さん)
結花は素敵な仲間たちに挨拶をする。
なんてすばらしい仲間たち。
この家を巣にして、一緒に暮らす仲間たちだ。
自分も彼らの仲間であることが誇らしい。

キチキチキチ・・・
キチチキチチ・・・
彼らが言葉を返してくる。
(我らのメスよ、具合はどうか?)
具合・・・ですか?
とてもいい気分ですわ。
「キチチキチ」
今朝の目覚めは確かにそれほど良いとは言えなかったけど、それはあんな布切れを躰にまとっていたから。
布切れをはぎ取った今は、すこぶる気分がいい。
まるで生まれ変わったような気分。
それに、仲間と一緒であることがとても喜ばしいのだ。

キチキチキチ・・・
(我らのメスよ。お前は完成した。自分の姿を見てみるがいい)
自分の姿をですか?
結花は自分の姿を見てみる。
床に這っているせいでやや見づらいが、茶褐色の蛇腹状の二つの胸がぴくぴくと蠢き、両脇の脚もしっかり躰を支えてくれている。
膝立ちで躰を起こすと、両脇の脚はお腹を覆うように折りたたまれ、その下には蛇腹状のお腹が股間のあたりまで広がっている。
股間にはむき出しの性器がオスを欲しそうにひくひくしており、そこからは粘液とともに役目を終えたゴキブリたちがポトポトと床に落ちて仲間の元へと戻っていく。
あん・・・
それがまるで卵を産むような感じを結花に与え、結花は気持ちよかった。
早く・・・早く本当の皆さんの卵を産みたいわぁ。
ぺろりと舌なめずりをする結花。
額から伸びる二本の触角もゆらゆらと揺れていた。

「キチキチキチ・・・」
この躰、どこかおかしいですか?
結花は首をかしげる。
どこも変だという感じはしないのだ。
むしろこれこそが自分のあるべき姿ではないのだろうか?
キチチチ・・・キチチ・・・
(我らのメスよ。それでいい。お前は完全なメスゴキブリになったのだ)
はい。
アタシはメスゴキブリ。
メスゴキブリのユカですわ。
「キチチチチッ」
ユカはうれしくなる。
自分はメスゴキブリなのだ。
彼らの仲間なのだ。

                   ******

「う・・・はあ・・・」
躰が熱い。
交尾がしたい・・・
交尾をしてザーメンをどくどくと流し込みたい・・・
ううう・・・
ママ・・・

「はあ・・・はあ・・・」
目を覚ます良樹。
いつも起きる時間はとっくに過ぎている。
だが、今日は土曜日だ。
学校に行く必要はない。
今日はずっとママと一緒にいられるのだ。
ママと・・・

「はあ・・・はあ・・・」
躰が熱くて焼けそうだ。
出したい・・・
ザーメンを出したい・・・
メスの中にたっぷりと出したい・・・

良樹は布団をはねのける。
パジャマのズボンもパンツも脱げてて、黒々としたゴキブリ化したチンポがそそり立っている。
これを・・・
これをメスに入れて・・・
メスの中に・・・

「はあ・・・はあ・・・」
ふらふらと起き出す良樹。
メスを・・・
メスを探さなきゃ・・・
チンポを入れるメスを・・・
そのままベッドを下り、チンポをむき出しにしたまま部屋を出る。
階下からはいいにおいが漂ってくる。
メスのにおいだ。
メスがフェロモンを出している。
行かなくちゃ・・・
メスのところに行かなくちゃ・・・

ふらふらと階段を下りていく。
なんだか頭がぼうっとする。
なにがなんだかわからない。
でも行かなくちゃ・・・
メスが呼んでいる・・・
メスがボクを呼んでいる・・・
においでボクを呼んでいるんだ・・・
メスのところに行かなくちゃ・・・

リビングには父がいた。
いつものように新聞を読んでいる。
どうでもいい・・・
パパのことはどうでもいい・・・
ママは?
ママはどこ?

キッチンにやってくる良樹。
そこには無数のゴキブリたちと、一匹の大きな大きなゴキブリがいた。
小さなゴキブリたちはキッチン内を所狭しとばかりに動き回り、大きなゴキブリの躰の上まで這いまわっている。
大きなゴキブリはまるで小さなゴキブリたちと戯れるかのように、自分も床を這い回っていた。
いいにおい・・・
あの大きなゴキブリからだ・・・
あの大きなゴキブリはメスだ。
メスゴキブリなのだ。

それにしても大きい。
おそらく自分よりも大きいと良樹は思う。
ママがゴキブリになったら、多分あのくらいの大きさだろう。
つややかな黒褐色の頭部から流れるように背中の翅へとつながるラインが美しい。
黒々とした背中の翅もつやつやと光って複雑な模様を浮かび上がらせている。
翅の下から伸びる脚はママの脚のようにスラッとして細長く、それでいてトゲトゲが付いてて美しい。
それにしても、どうしてこんな大きなゴキブリがいるのだろう。
とても美しくて、見ているだけでチンポを入れたくなっちゃう。
ああ・・・
交尾したい・・・
交尾したいよぉ・・・

せっかくみんなと気持ちよく戯れていたのに、小さなヒトが入ってきた。
あの大きなヒトの片割れともいうべきやつ。
この家を維持するためとはいえ、ヒトがいるのは面白くない。
さっさと出ていってほしいわ。
「キチキチキチ」
何か用?
食べるものなら適当に持っていっていいわよ。
だが、ユカの言葉に小さなヒトは何の反応もない。
そうだったわ・・・
ヒトにはヒトの言葉を使わないといけないのだった・・・
めんどくさいわねぇ・・・
確か・・・こうやって・・・
「ナニ? ナニカ用? 用ガナイナラアッチニ行ッテ」
ユカはなんとか口を動かし、ヒトの言葉を発音する。
「えっ? あれ? えっ?」
キョトンとしている小さなヒト。
だが、その股間には立派な大きさのチンポがそそり立っている。
「キチチ・・・ナアニ? モシカシテ、アタシト交尾シタイノ?」
ユカは舌なめずりをする。
あのチンポはたくましくていい感じだ。
あれなら気持ちよくなれるだろう。
あのチンポの卵を産んでもいいかもしれない。

「うん・・・交尾・・・したい」
良樹はうなずく。
目の前の大きなゴキブリがたまらなく魅力的で素敵だ。
つやつやした黒光りする翅。
ゆらゆら揺れている二本の長い触角。
茶褐色の外皮に覆われた手足。
やわらかなラインを残している躰。
どれもが美しい。
ママがゴキブリになったらこんな感じかもしれない。
たまらない。

「キチチチチッ・・・イイワヨォ、交尾シマショウ。アンタノソレモ充分役目ヲ果タセルヨウニナッタミタイダシ、アタシヲ楽シマセテクレソウダワァ」
小さなヒトがうなずくのを見てユカはニヤッと笑みを浮かべる。
彼の股間にそそり立つものは、さっきからユカの目をくぎ付けにしているのだ。
交尾したい・・・
それはユカも同じこと。
彼女の股間からは、とろとろと愛液があふれている。
彼と交尾し、ゴキブリザーメンをたっぷり流し込んでもらうのだ。
そうすればいっぱい卵を産めるだろう。
かわいいゴキブリたちの卵を。

ユカはごろりと転がってあおむけになると、躰を器用に回転させて下半身の方を良樹に向ける。
そして左手で股間のスリットを開き、彼に見せつける。
「キチチチチッ・・・サア、ドウゾ」
右手の人差し指を唇に当て、精いっぱい甘えた表情をしてみせる。
それはオスに媚びるメスの顔。
ユカにとって彼はザーメンを流し込んでくれるオスにすぎないのだ。
キチチ・・・早く来てぇ・・・

良樹はもうたまらなかった。
目の前でメスゴキブリが腹を見せ、股間を開いて待っている。
それだけでもう彼のおチンポは硬くたぎり、ザーメンをほとばしらせようと熱くなる。
「ああ・・・あああ・・・」
良樹はゴキブリと化した母の前に躰を寄せ、その上にのしかかる。
「キチチチチッ・・・ホラ、ココヨ」
母の手に導かれ、彼のチンポが母の中へと入り込む。
「ああ・・・」
思わず声が出てしまう。
温かいメスの内膣。
それがねっとりと彼のチンポに絡みついてくるようだ。
これが交尾?
なんて気持ちがいいんだろう・・・

小さなオスが躰の上で動いていく。
そのたびにオスのチンポが彼女の躰を貫いていく。
これまでのヒトの躰でのセックスとは明らかに違うセックス。
ゴキブリの交尾だ。
ユカはとてもうれしい。
これこそがアタシにふさわしい交尾。
卵を産むための交尾なんだわ。
ユカはそう思う。
みんなのために卵を産む。
アタシはメスゴキブリなのよ。
キチチチチチチ・・・

「はあはあはあ・・・」
力が抜ける。
全部の力を放出したみたいだ。
なんて気持ちがいいんだろう。
これがメスゴキブリとの交尾。
最高だ。

たっぷりとそそぎこまれたザーメン。
漏れ落ちてくる液体を指ですくって口に運ぶ。
美味しい・・・
オスゴキブリのザーメンの味。
姿こそ小さなヒトの姿だが、チンポはすっかりゴキブリだ。
出てくるものもゴキブリザーメン。
これならば卵を受精させるのに申し分ない。
たっぷり卵を産めるだろう。
キチチチチ・・・

スッと頭を撫でられる。
「キチチチチッ・・・ヨカッタワヨ」
間近で見るメスゴキブリの顔。
丸く黒い二つの目。
その周囲を茶褐色の外皮が覆っている。
だが、口元は見慣れた母のもの。
母の唇が笑みを浮かべているのだ。
「えへへ」
やっぱりそうだ。
このメスゴキブリはママなのだ。
ママに撫でられた。
それにこうしてママの上に乗っかり、抱かれているような状態は悪い気はしない。
「ママ・・・」
良樹は蛇腹状になった母の腹部に手を這わせ、その胸に顔をうずめる。
「キチチチチッ、エエ? アタシハモウアンタノママナンカジャナイワヨォ」
「えっ?」
良樹は驚いて顔をあげる。
ママじゃないって・・・どういうこと?

「キチチチッ、ヨク見ナサイ。アタシハゴキブリヨ。メスゴキブリノユカナノ。アンタノヨウナヒトジャナイワ」
キチチチと笑うユカ。
ゴキブリがヒトのママなんかであるわけがない。
アタシはゴキブリ。
ママなんかじゃないのよ。
「そんなぁ・・・」
愕然とした表情をする小さなオス。
それがまた何となくユカの心をくすぐってくる。
「キチチ・・・大丈夫ヨ。アンタノチンポハ気ニ入ッタワ。コレカラモアタシノ専用チンポトシテカワイガッテア・ゲ・ル。キチチチチ・・・」
ニタッと笑うユカ。
このオスはもう彼女のモノだ。
彼女のためにザーメンを出し、卵を受精させるのだ。
大きなオスともども、この巣で飼ってやるのだ。

ママじゃない・・・
母の言葉に良樹は肩を落とす。
でも、目の前の巨大なメスゴキブリがママなのはわかっている。
声も、躰つきもママのものだ。
昨日半分ゴキブリになっていたママ。
今朝は完全なゴキブリになったんだ。
だからママじゃなくてゴキブリだって言う。
ううん・・・
そんなことない。
ママはママだ。
ボクのママだ。

小さなオスが首を振る。
「違うよ・・・ママはママだよ。ボクのママだよ」
そう言って抱き着いてくる小さなオス。
へえ・・・
この子はアタシをまだママと呼ぶのね。
悪くないわ。
ママと呼ばれながら交尾するのも悪くない。
いいわ・・・
このままママと呼ばせておきましょう・・・
キチチチチ・・・

                   ******
                   ******

「ただいまー、ママ」
玄関を開けて家に飛び込むボク。
ああ・・・ママ・・・
ママのにおいがする。
いいにおい。
ボクのゴキブリチンポが勃ってくる。
ああ・・・
早くママを抱きたい・・・

リビングにはたくさんのゴキブリたちがうろついている。
普段見るゴキブリたちよりも大きくて立派。
ボクの弟たちだ。
ママの卵から生まれたボクのかわいい弟たち。
「きち・・・きちち・・・ただいま」
ボクは弟たちに挨拶する。
でも、うまく言えないんだ。
ボクはヒトだから、ゴキブリの言葉はうまくしゃべれない。
でも、ボクやパパがヒトでいるのは意味があるんだって。
ボクやパパはオスだからゴキブリにはなれないって。
その代わり、ヒトとしてママや弟たちのためにこの家を守らなくちゃいけないんだ。
ヒトの社会ではヒトが必要だから、ヒトじゃなきゃできないことをするためなんだって。

そして、ボクにはもう一つ大事な役割がある。
それはママにゴキブリザーメンを流し込むこと。
そうすればママは卵を産むことができる。
ボクの弟たちをたくさん生み出すことができるんだ。
だから・・・

「キチチチチ・・・オカエリ」
キッチンからママが出てくる。
とても大きな黒いゴキブリ。
メスゴキブリのママ。
長い触角を揺らし、つやつやの躰がとてもきれい。
最高のママ。
お腹には大きな卵の鞘を付けている。
もうすぐ生まれるみたい。
また弟たちが増えるんだ。
嬉しいな。

「キチチチチ・・・オヤツガサキ? ソレトモ、ママトシタイ?」
小さなオスにアタシは問いかける。
あの日以来、このオスと交尾をして卵を産むのがアタシたちの楽しみとなった。
小さなオスのおかげで、アタシは卵を産み、仲間を増やすことができるのだ。
今の卵たちはもうすぐ孵る。
次を仕込んでもいいだろう。
まだ早かったとしても・・・この小さなオスは交尾したがるに違いないし。
キチチチチ・・・
見ればすぐにわかる。
ズボンの股間を膨らませ、期待に満ちた目でアタシを見ているのだ。
いいわよ。
たっぷり楽しみましょう。
キチチチチ・・・

「キチ・・・キチチチ・・・」
「ああ・・・ああ・・・ママ・・・」
ベッドがギシギシと音を立てる。
アタシの上で小さなオスが腰を振る。
彼のゴキブリチンポがアタシの中で暴れまわり、アタシは全身を快楽に包まれる。
いいわぁ・・・
なんて気持ちいいの・・・
最高の交尾。
ゴキブリの交尾は最高だわ。

ママの中にゴキブリザーメンを出す。
今回はまだ卵を産むには早いかもしれない。
でもいいのだ。
これはボクとママの楽しみなのだから。
ボクたちはこうして交尾しあう。
ゴキブリの交尾。
ボクはヒトだけど、チンポはゴキブリだからこうしてママと交尾ができるのだ。
ゴキブリのママは最高のママ。
ボクだけのママだ。
ずっとずっとボクだけのママだ。


                   ******
                   ******
                   ******

「ここが先輩の・・・家?」
何となく思っていたイメージとの違いに彼女は困惑する。
まだ幼さの抜けきっていない少女らしさの残る女子高生。
憧れの先輩の家は、もう少し違うイメージを持っていたのだ。

古びた一軒家。
小さな庭は、手入れがされていないようで雑草が生い茂っている。
外壁に面した窓にはすべてカーテンが閉じられ、どこか訪れるものを拒絶するような感じだ。
まるで人が住んでいないのではないかとすら錯覚する。

「ここが俺んちだよ。入って入って」
にこやかに彼女を玄関へと導く制服姿の男子高生。
彼女の先輩である茅場良樹だ。
その笑顔が彼女を引き寄せる。

最初は全く見知らぬ人だった。
一年上の先輩となど、部活動などでもなければそうそう知り合うものでもない。
ある日、たまたま帰りに廊下ですれ違った。
その時に嗅いだ彼のにおい。
それが彼女をつかんだのだ。

気が付くと、彼女はそのにおいの虜になっていた。
彼のにおいを追い求め、彼のそばにいたいと思うようになっていた。
その彼が先輩の茅場良樹という人物だと突き止め、彼を見かけるたびに挨拶をするようになる。
いつしか放課後に会って話をしたりするようになり、ハンバーガーショップなどに一緒に行ったりするようにもなっていた。
そして今日、彼女は彼の家に誘われたのだった。

男の家に誘われるということがどういうことかは、彼女はわかっているつもりだった。
そのための覚悟もしているつもりだ。
何より、先輩と一つになれるかもしれない・・・その思いが彼女の胸をときめかせている。
だから、先輩の家がイメージとずれがあったことが引っかかったのかもしれない。

「ほら、どうした? 入れよ」
「あ、はい・・・」
どこか入り口で躊躇するような紗江香(さえか)を、俺は半ば強引に家に引っ張り込む。
まさかここまで来て逃げ出したくなったんじゃないだろうな。
逃がしはしないよ。
どうせ彼女だって、俺とやりたいのはわかっている。
そうじゃなきゃ、のこのこと男の家に付いてきたりはしないだろう。
クキキキキ・・・

家に入ったとたんにちょっと顔をしかめる紗江香。
そりゃそうだろう。
なにせこの家はゴキブリのフェロモンで一杯なのだから。
でも、お前だって俺のフェロモンに惹きつけられたくせに。
俺は思わずそう思う。
これまでたっぷりと嗅がせて、俺に惹かれるようにしてきたんだからな。
まあ、すぐに慣れるさ。
お前もこれからフェロモンを出すメスゴキブリになるんだから。
クキキキキキ・・・

「ママー、連れてきたよ」
俺はさりげなく紗江香の背後に回って逃げ道をふさぐ。
まあ、ママの姿を見たら悲鳴を上げるだろうけど、悲鳴ぐらいはどうってことはない。
この家の周囲にはもうヒトはいない。
みんな追い出してやったのだ。
だから、彼女も逃げ出させなければいいだけだ。
「ヒッ! む、むぐっ!」
リビングに入るなり悲鳴を上げようとした紗江香を、俺はすぐに背後から押さえて口をふさぐ。
困るなぁ。
どうってことはないけど、悲鳴を上げさせてもいいというものでもない。
俺の弟たちがいっぱい遊んでいるだけじゃないか。

「キチチチチ・・・オカエリ、ヨシキ」
キッチンからママが姿を現す。
長い触角を揺らし、黒いつややかな翅が美しい。
もちろん弟たちもカサカサと俺を出迎えにたくさん出てくる。
「ただいまママ。彼女を連れてきたよ」
俺は必死に逃げようともがいている紗江香を、背後からどんと床に突き飛ばす。
「ヒッ、ヒィィィィィッ!」
すぐに彼女に弟たちが群がっていく。
「い、いやっ! 助けて! 助けてぇ!」
弟たちを払いのけようとする紗江香に、ママも上から覆いかぶさるように抑え込む。
「キチチチチ・・・怖ガルコトハナイワ。セッカクヨシキガ連レテキタ彼女サンデスモノ。タップリトモテナシテアゲナイトネ」
紗江香の両手をつかみ、躰ごと圧し掛かるようにして彼女を抑え込むママ。
「いやっ! いやぁっ! むぐっ!」
ママの口が紗江香の口を覆い、ママの唾液を流し込む。
それだけじゃなく、紗江香の躰にちょっとした傷をつけ、そこから体液を流し込むのだ。
クキキキキ・・・
これで紗江香もメスゴキブリになれるよ。
素敵なかわいいメスゴキブリに。

ゴキブリは増える必要がある。
そのためにはママだけでは足りないんだ。
あれから俺もママも少し成長し、どうやればいいのかわかってきた。
メスだ。
やっぱりメスゴキブリが必要なのだ。
ママと同じように卵をいっぱい産むメスが・・・

                   ******

「キチチチチ・・・コノ子ッタラ、高校生ニモナッテイマダニまま、ままッテ、アタシニベッタリナノヨ」
「ええっ? そうなんですか、先輩? うふふ・・・」
床に這いつくばってママとおしゃべりをしている紗江香。
一緒に床にぶちまけられたコーラを舌で舐めている。
さっきまでおびえて悲鳴を上げていたのがウソのようだ。
もうママの姿にも恐怖を感じたりしないし、弟たちが躰を這い回って自分の制服が汚れるのも気にならないようだ。
もっとも、制服にはすでにあちこち弟たちのザーメンが染みついているようだけど。
弟たちにも彼女がメスゴキブリになることがわかるらしい。
「ああ? ママが俺をこんな風にしたんじゃないか」
ママと交尾せずにはいられなくしたのはママのくせに・・・
俺は苦笑しながら、床に寝転がって弟たちと戯れる。
わさわさと俺の躰を這い回るのが気持ちいい。

「キチチチチ・・・コレカラハ、アナタモヨシキト交尾ヲスルノヨ」
「はい、お母さま。キチチチチ」
歯をこすり合わせるようにして笑う紗江香。
「マア、モウアタシタチノ笑イ方ヲマスターシタノ?」
「だってぇ、一日も早くお母さまみたいなメスゴキブリになりたいんですもん。ああ・・・素敵」
紗江香の目はうっとりとママを見ている。
ママの体液を流し込まれたことによって、紗江香の躰はゴキブリになり始めたのだ。
数日もすればママみたいな完全なメスゴキブリになるだろう。
よかった・・・
今回は成功したらしい。
今までの三人と違って、彼女は素養があったのだ。
メスゴキブリとなる素養が。
そして、俺のザーメンで彼女も卵を・・・

「キチチチチ・・・帰ッタラ、アナタモ自分ノ巣ヲ作リナサイ」
「はい。そうします」
にやっと笑みを浮かべる紗江香。
もう彼女は心もゴキブリへと変わってきている。
「ソシテ卵ヲタップリト・・・」
「はい。たっぷりと・・・」
「キチチチチ・・・」
「キチチチチ・・・」
二人のメスが笑いあう。
やがてまた巣が一つ増えるのだ。
それは俺たちゴキブリにとっても喜ぶべきことだった。

END


以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
もしよろしければ、コメント等をいただけますと大変うれしいです。

それではまた。
  1. 2020/07/23(木) 21:00:00|
  2. ゴキブリの棲む家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5

カレンダー

06 | 2020/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

時計

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア