プロ野球の今年の「三井ゴールデングラブ賞」が決定いたしました。
今年は阪神から二人、日本ハムからは一人が受賞です。
まず阪神はセ・リーグ投手部門で西投手が、捕手部門で梅野選手が受賞です。
西投手は初受賞で、梅野選手は二年連続二回目の受賞とのこと。
バッテリーで阪神の選手が受賞とはうれしいですねー。ヽ(´▽`)ノ
一方日本ハムからはパ・リーグ外野手部門で西川選手が受賞です。
西川選手は三年連続三回目の受賞なんですね。
すごい。
今年は西投手を含め両リーグ合わせて六選手が初受賞となったそうです。
初受賞の方々含め受賞者の皆様おめでとうございます。
来季も華麗なる守備を見せていただけたらと思います。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/31(木) 18:22:36|
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KKベストセラーズさんの「歴史人」の11月号を今読んでおります。

こちらが表紙。
今月号は「敗者の日本史」です。
「歴史人」は毎号買っているわけではなく、面白そうな号だけ買っているのですが、今回も面白そうだったので買ってみました。
歴史は勝者が書き残すが、敗者にも歴史はあるということのようですけど、戦国武将に関しては正直目新しさはなく、だいたい知っていることという感じでしたね。
ただ、戦国に限らず古代律令制のころの蘇我氏や物部氏などの記述もありますので、そのあたりは全く知識がないので、そのあたりまで読み進むと知らないことも多そうです。
また鎌倉頃の新田氏なんかも載っているようなので、このあたりも楽しみですね。
なんだかんだ日本史はあんまり知らないので、このあたりは気になるところです。
ちょうど戦国武将のところは読み終えましたので、古代律令制のころを読み始めるところです。
先が楽しみです。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/30(水) 18:40:56|
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今年もまたプロ野球はFAの時期が来ましたね。
今日も西武の秋山選手が海外移籍を目指して宣言をしたとのこと。
これで今のところロッテの鈴木選手、ソフトバンクの福田選手、楽天の美馬投手と合わせ四人が宣言したところでしょうか。
ほかにも宣言する方がいらっしゃるかもしれません。
これに対して阪神や日本ハムは今年は無風状態のような感じですね。
阪神は藤川投手、能見投手、上本選手らと交渉を行っており、ほぼ残留が決まっているようですし、日本ハムも杉谷選手、中島選手ともに残留ということになったみたいです。
また手を上げるほうにも消極的なようで、日本ハムも阪神もFA選手を取りに行くという話は今のところ出ていない感じですね。
阪神は投手陣の強化の一環としてソフトバンクから中田投手をトレードで獲得しており、おそらく両チームとも外国人選手とトレードによる強化、チーム内の競争で底上げを狙っていくということになるのではないでしょうか。
まあ、阪神あたりはコロッと突然手を上げたりするかもしれないですけどね。(笑)
ともあれ、今年も何人かの選手が移籍ということになりそうです。
どうなりますやら。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/29(火) 19:07:58|
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日本ハム球団から今日、清宮幸太郎選手が右ひじ関節形成術を受け、無事終了したと発表がありました。
今後リハビリ期間が三か月ほど必要とのことで、来季の春季キャンプからの復帰を目指すとのことです。
清宮選手また手術でしたか。
今季開幕前にも骨折から手術しておりますので、どうもケガが多いように感じてしまいますねぇ。
高卒入団からすぐに一軍で試合に出たりしておりますから、まだしっかりと躰ができていないのではないでしょうか。
一年ぐらいしっかりと躰を作った方が、今後のためにもいいのかもしれませんねぇ。
もちろんファンとしては早く一軍定着してガンガン打ってほしいというのはありますけど、急がば回れとも言いますしね。
プロの躰にしっかりと鍛えたほうがいいのかもしれませんね。
来季、どういう起用になるかはわかりませんが、まずはしっかりと治してキャンプに備えていってほしいと思います。
頑張ってくださいー。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/28(月) 18:29:07|
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第二章の劇場公開に合わせ、「銀河英雄伝説 Die Neue These」の第一章12話をGYAOで無料配信しておりましたので、再度見直しておりました。
二回目となると、一回目よりは落ち着いてみられる感じですね。(笑)
どうしても旧作と比べてしまいがちになりますけど、まあ、これはこれでという感じでも見ることができました。
キャラデザインもまあ悪くないなって思いましたし、ユリアンはこっちの方がかわいいかな。(笑)
ストーリーはもちろん変わるものではないですから、同盟の愚劣さだけが目に付いてしまいますけど、これはしょうがないですなぁ。
アスターテ会戦でもアムリッツァ会戦でも同盟の指揮官たちはおいおいおいって感じですからねー。
帝国の雰囲気は以前も言ったかもしれませんが、オーストリア・ハンガリー二重帝国あたりのイメージかなーという気がしました。
なんだかんだ20世紀まで残った帝国ですしね。
中世風ではなくスーツ姿あたりが近代風でしたので。
第二章が今現在劇場公開しているわけですが、そのうち配信されるのではないかなーと待っておりますです。
とりあえずは見てみたいところですね。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/27(日) 18:30:18|
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日本シリーズも終わり、これからはストーブリーグですねと思った矢先、日本一になったばかりのソフトバンクと阪神との間で中田賢一投手の無償トレードが成立したというニュースが入ってきました。
どこかとトレードはあるだろうとは思っておりましたが、ソフトバンクの中田投手を無償で獲得とは驚きです。
中田投手は中日からFAでソフトバンクに行き、両チームで合わせて100勝を達成している投手ですが、今季は一軍での登板が1試合しかなかったそうで、残念ながら戦力とはなれなかったみたいです。
しかし、ケガとかではなかったようで、二軍では規定投球回にも達し防御率も3.02ということだったみたいですから、阪神のような投手陣の手薄なところでは一軍戦力になっていただけるのではないでしょうか。
ベテランの域に達した方ではありますが、もう一花阪神で咲かせていただければと思います。
頑張ってくださいー。
さて、さらなるトレードやFA参戦はあるんでしょうかね。
楽しみです。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/26(土) 18:05:30|
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台風15号で大きな被害を受け、先日はまた台風19号による影響を受けたばかりの千葉県で、今日また大雨による被害が出ているようです。
低気圧に南からの暖かく湿った空気が吹き込んだことで大雨になっているそうですが、河川越水による浸水や土砂崩れなども起きているそうで、行方不明の方も出ていると言います。
もう、なんといいますかまさに泣きっ面に蜂という感じでいたたまれません。
本当に今年は千葉が集中的に狙われているという感じですねぇ。
山武市では小学校の周囲が冠水してしまい、児童が帰宅できない状況にもなっている箇所があるとか。
とにかく被害ができる限り少ないことを祈りたいと思います。
どうか充分にご注意くださいませ。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/25(金) 18:41:44|
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昨日、巨人がソフトバンクに3‐4で敗退したことで、ソフトバンクが四連勝となり、今年の日本シリーズが終了いたしました。
福岡ソフトバンクホークス日本一おめでとうございます!圧勝でしたねぇ。
巨人がほとんど手も足も出ませんでした。
これで優勝チームと二位チームとの戦いというのですからなんともはや。
セ・リーグの野球が完全にパ・リーグの野球に飲まれてしまってますねぇ。
セ・リーグにもDH制をという話が出てくるのも仕方ない気がします。
個人的には反対の立場ではありますが。
ともあれ、これで2019年のシーズンが終わりました。
阪神は三位、日本ハムは五位という結果でしたが、何とか来季は巻き返していただきたいものです。
そして願わくば、阪神と日本ハムで日本シリーズができたらいいですねー。
12球団すべての皆様お疲れ様でした。
また来季もよろしくお願いいたします。
そしてストーブリーグもまた楽しみにしております。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/24(木) 20:45:08|
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先日、阪神と日本ハムの来季のコーチ人事が発表となりまして、阪神には井上一樹氏が打撃コーチとして、日本ハムにも小笠原道大氏がヘッドコーチ兼打撃コーチとして就任することになりました。
ほかにも阪神には北川氏、日本ハムには矢野氏や武田勝氏が新コーチとなったわけですが、くしくも両チームの新打撃コーチとなったのがともにかつて中日で二軍監督を務めたことがある両氏ということで、阪神日ハムともに中日の打撃理論が加わることになるのだなぁと面白いものに感じましたです。
日本ハムも今季は打撃に苦しんだ印象がありますし、阪神はもう言うまでもなく大砲不在というのが顕著ですから、小笠原・井上両コーチによって打撃向上を図っていただきたいものです。
もちろんコーチが野球をやるわけではないのですが、教え方が変わることで選手が開花するきっかけをつかむということもあるでしょうからね。
期待しちゃいます。
日本ハムも阪神も来季はバンバン打って打線爆発といってほしいものです。
来季は頼むぞ両チーム。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/23(水) 18:42:31|
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今日は天皇陛下の「即位の礼」が行われました。
これで、名実ともに「令和時代」に入ったような気がします。
TVで見ておりましたが、まさに過去と現代が一緒になったという感じでしたね。
厳かに行われました各儀式。
伝統の重さを感じさせます。
新しい時代が始まりましたというのを、改めて感じる儀式でしたね。
これで私は「昭和」「平成」「令和」と三人の天皇陛下を戴くこととなったわけです。
はたして令和は何年続くことになるのでしょう。
末永く平和でいい時代になってほしいものですね。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/22(火) 18:27:21|
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昨日はラグビーワールドカップの決勝トーナメントの日本対南アフリカの試合がありました。
予選プールA組を四勝負けなしで一位通過した日本。
四年前の前回大会では下したとはいえ、ランク的にも上位の南アフリカが相手ということで苦戦は覚悟はしておりましたが・・・
結果は3‐26という大差での敗退ということになってしまいました。
いやぁ、南アフリカは強かったですねぇ。
まったくラインをこじ開けることができず、一度もトライをすることができませんでした。
予選プールでは通じた日本の攻撃が、今回は全く通じませんでしたね。
おそらく南アフリカはかなり日本を研究してきたのかもしれません。
それでも前半終了時点では3‐5と僅差でしたので、もしかしたら逆転もできるかもと期待したのですが、後半は南アフリカに圧倒されてしまいました。
まさに力の差を見せつけられたという感じでした。
これで今回のワールドカップでの日本の試合は終了となりました。
ですが、これまで成し遂げたことのない8強という結果を手に入れることができました。
そして、それ以上に、日本の多くの人々にラグビーという競技の面白さを見せてくれたと思います。
かくいう私も本当に楽しませていただきました。
ありがとうございました。
ここからまた四年後の大会に向けての歩みが始まるのでしょう。
この結果を受け、より一層の高みを目指していってほしいと思います。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/21(月) 18:54:46|
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昨日からプロ野球は今年の締めともいえる日本シリーズが開幕です。
今年はセ・リーグ覇者の読売巨人と、パ・リーグ二位の福岡ソフトバンクが対決。
かつての「王・長嶋対決」を思わせるということで話題にもなってますね。
第一戦は7-2でソフトバンクの勝利。
巨人はソフトバンクの千賀投手の前に打線が沈黙してしまいました。
とはいえ、巨人もこのままということではないでしょう。
どっちが勝つにしても、4勝2敗ぐらいかなーと予想してます。
来年はここに日本ハムや阪神の名があるといいですよねー。
来季は期待したいところですが、どうなりますか。
この日本シリーズが終わればプロ野球もシーズンオフ。
契約更改なども始まることになりますね。
そしてまた来年となるわけです。
早いものですねぇ。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/20(日) 18:20:36|
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今日は久しぶりに翔企画のSSシリーズ「五虎三国志」をソロプレイ。
多人数ゲームをソロプレイというのも寂しさ大爆発ですけど、まあいいでしょう。(笑)

こちらが箱絵。
当時はこれを1500円というリーズナブルな価格で出して、ウォーゲーム人口を増やそうとしたんですよね。
( ˘ω˘)
先日のプレイでは、ゲーム中最強の武将の一人周瑜が序盤で討ち死にしてしまったことで、孫権勢力が早々に滅んでしまい、劉表が漁夫の利を得て勝利したのですが、はたして今回はどうなりますか。

このゲームは黄色の袁紹、赤の曹操、青の劉備、紫の劉表、緑の孫権の五勢力が20エリアの支配を目指すゲームでして、各陣営にはそれぞれ当主を含めて4人の武将がいます。
例えば劉備陣営ですと、劉備、関羽、張飛、趙雲の4人となり、残念ながら孔明はいません。
このため、武将は一律ダイス目1修正なのですが、ゲーム中二人だけ、曹操と周瑜のみダイス目を2修正できるのです。
ですので、曹操と孫権は能力的にはやや有利。
ただし、曹操は順番と位置的な不利があるので、ちょっと辛いところです。
今回は曹操は早々に(笑)劉備陣営を攻撃。
袁紹は支配地が広いために初期戦力では守るのが手一杯と見たためです。
その様子を見て孫権もまずは劉備つぶしに動き、周瑜の攻撃でなんと関羽が討ち死にするということに。
/(^o^)\ナンテコッタイ
曹操と周瑜という2修正を持つ武将二人に挟まれた劉備にもはや勝ち目はなく、劉備陣営はほどなく脱落し滅亡。
その時歴史が変わった。(笑)
この孫権と曹操が劉備つぶしに動いている間に、地の利がある劉表がまたも勢力を伸ばして孫権の支配地を侵食。
一方曹操は袁紹と孫権に挟まれて支配地を伸ばしたり減らしたり。
曹操に対抗するために動けない周瑜をよそに、劉表は着々と孫権支配地を占領し、気が付くと孫権軍は劉表と曹操に挟まれて滅亡。
残り三か国の争いに。
まさに三国志なんですけど、袁紹、劉表、曹操の三国志とはねぇ。
このあとはまさに天下三分の計のごとく、どこかを取るとどこかが取られるという形になったのでここで終了ということに。
やはりなかなか20エリアを取るというのは難しい。
と、いうことで、結構楽しく遊びました。
まあ、お手軽に三国志気分を味わえるゲームかもしれませんね。
(*´ω`)
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/19(土) 19:13:14|
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昨日はプロ野球ドラフト会議の日でした。
まさに来期以降の球団の根幹となる選手を指名していくわけですから、各球団それぞれの思惑と駆け引きがあるわけで、ドラマも生まれます。
選択される選手たちにとっては、ドラマと単純に言ってもいられないのではありましょうけど、ファンにとっては誰が選択されるのか楽しみでもあるんですよね。
日本ハムは公言通り大船渡高校の佐々木朗希君、阪神は星稜高校の奥川恭伸君を一位に指名。
残念ながら佐々木君は四球団競合のくじ引きの結果ロッテに、奥川君は三球団競合のくじ引きでヤクルトが指名権を獲得してしまい、日本ハムはJFE西日本の河野竜生投手を、阪神は創志学園高校の西純矢投手を一位で指名権獲得となりました。
河野投手は社会人出身の即戦力左腕であり、来季早いうちに投手陣の一角に加わってくれるかもしれません。
西投手は、現在阪神のエース級投手と言える西勇輝投手の遠縁だそうで、高校投手ビッグ4の一角だそうですので、近い将来W西投手が阪神投手陣の中心となるかもしれませんね。
全体的に見ますと、日本ハムは今年は大学社会人の即戦力系をわりと多く取ったのに対し、阪神は一位から五位までを高校生選手、しかも甲子園出場経験のある選手たちで固め、六位と育成で大学社会人を取るという形になりました。
まさに将来性に投資した感じのドラフトで、三年後五年後あたりが楽しみですねぇ。
はたして今年のドラフト組はどんな未来となりますでしょうか。
みんな頑張ってほしいですね。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/18(金) 18:07:13|
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10月10日に始まりました「(特撮系)戦闘員の日」週間も、今日が最終日。
ということで、SSを一本投下いたします。
最後の最後にもう一本ということで。(´▽`)ノ
タイトルは、「正義のヒロインは選択肢を選んで悪の女戦闘員に」です。
今回もシチュのみ短編という感じですが、楽しんでいただければ幸いです。
それではどうぞ。
正義のヒロインは選択肢を選んで悪の女戦闘員に
「う・・・うーん・・・」
私はゆっくりと目を覚ます。
ここは・・・どこ?
私はいったい・・・
頭がズキズキする・・・
いったいどうしたというの?
私はゆっくりと躰を起こす。
「えっ?」
思わず声が出てしまう。
起きた拍子に見た自分の躰が信じられないことになっていたのだ。
なんなの、これは?
私の躰は全身がぴったりと覆われた黒いタイツのようなもので覆われていたのだ。
いわゆる全身タイツとでもいうのだろうか?
首から下はすべて覆われ、両手と両脚もそれぞれ黒いブーツと手袋に包まれていた。
腰にはベルトが巻かれ、そこには・・・ああ・・・なんてこと・・・
邪悪結社ダアルドの紋章が付いていたのだ。
「これは・・・ダアルドの?」
私は寝かされていたベッドから起き上がって躰を調べる。
どうやら傷つけられたりはしていないらしい。
どこも痛みはないし、無事なようだ。
だが、それにしても・・・
この格好はとても恥ずかしい・・・
なにせ躰にぴったりと貼り付くような感じなので、胸のふくらみはおろかおへそのくぼみもあらわになっているし、その・・・股間のあたりもくっきりと・・・
とはいえ、これはどうやって脱ぐのかもわからない。
背中にファスナーでもあるのかとも思ったけど、どうもそうでもないらしい。
ブーツや手袋、ベルトなんかは外せば外せそうだけど、これまでのダアルドとの戦いで倒した怪人や戦闘員たちはみな最後に自爆を遂げている。
ということは、このベルトを外した瞬間にドカーンということにもなりかねない。
いや、むしろ彼らはそれを狙って私にこれを着せたのかもしれないのだ。
私がこの衣装を嫌がってベルトを外したところでドカーン・・・
充分にあり得る話ではないだろうか・・・
うかつに外すわけにはいかないわ・・・
とにかくここがどこで、どうすれば出られるのかを調べなくては。
この服のことは・・・今は気にしないでいるしかなさそうね。
殺風景な部屋。
白い壁には窓一つない。
天井にも何もないが、天井自体が発光して明かりになっているようだわ。
部屋の中には私が寝かされていたベッドがあるだけ。
私の着ていたものや持ち歩いていたものもない。
そうだ・・・
思い出したわ。
確か私はショッピングに出てて、そこにダアルドの襲撃があって、スーツを装着しみんなを呼ぼうとしたところ、何人かの人質を取られて・・・
やむなくスーツの装着をあきらめたところを、ガスのようなものを嗅がされたんだっけ・・・
あの人質の人たちはどうなったのかしら・・・
無事だといいけど・・・
とにかくここからまずは脱出しなくては。
壁にはドアが一つ。
それ以外に出入りできるところはなさそう。
私はカツコツと足音を響かせてドアのところに行く。
ブーツのヒールが硬質な床をたたく音だ。
気を付けないと、この足音でダアルドの連中に気付かれてしまうかもしれない。
ドアはスライドタイプのよう。
取っ手も何も付いてない。
脇にスイッチがあるだけだわ。
このスイッチで開け閉めするのだろう。
赤いスイッチと青いスイッチ。
どちらかを押せば開き、どちらかを押せば閉じるということだろうか。
そしてスイッチのところには何か文字が書いてある。
開くとか閉じるとかの単純な言葉ではないようだが、なになに・・・
「今着ているスーツについて?」
今着ているスーツって、この黒い全身タイツみたいなもののこと?
どういうこと?
赤いスイッチのところには、“どうせ脱げないし脱いだら裸になるので脱がない”とあるわ。
そして青いスイッチの方には、“脱ごうと思えば脱げるけど着ていると気持ちいいので脱がない”と書かれている。
このどちらかを選べということ?
どっちにしても脱がないという結論に変わりはないようだけど・・・
まあ、さっきも考えたように、うかつに脱ぐのは危険だろうから、脱がないという結論には賛成だわ。
どっちを押せば開くのかしら?
私は赤いスイッチを押してみる。
どうせ今は脱げないし、裸になるので脱がないというのはその通りだもの。
だが、ドアは全く反応がない。
じゃあ、こっち?
私は青いスイッチを押す。
すると、ドアはシュッと音を立てて開いたのだ。
なるほど・・・
脱ごうと思えば脱げるけど、気持ちいいので脱がないってことね。
確かにこれだけ肌に密着していると、気持ちいいのは確かよね。
躰にフィットしてすごくなじむ感じだし。
ドアの外は左右に伸びる廊下になっている。
ここも天井がぼうっと光って明るいわ。
廊下そのものは白い壁面で作られていて、先ほどの部屋と同じ感じ。
さて、どっちへ行けばここから出られるのか・・・
そう思った私だったが、左右の廊下はどっちに行ってもすぐに行き止まりになっていた。
どういうこと?
出口はいったい?
ふと見ると、行き止まりになっている壁の脇にもスイッチがあり、文字が書かれている。
もしかして反対側にも?
念のため確認すると、反対側の壁にもスイッチがあり、こちらにも文字が書かれていた。
こちらの壁に書かれているのは、“私はダアルドの女戦闘員である”という言葉。
先ほどの壁には、“私はダアルドの女戦闘員ではない”という言葉だ。
これはもちろん私はダアルドの女戦闘員ではないというほうのスイッチを押したいのだけど、押してもたぶん開かないのではないだろうか。
試しに戻って押してみたものの、やはり壁はそのままだ。
仕方なく私は、私はダアルドの女戦闘員であると書かれたスイッチを押す。
すると、壁がグオングオンと音を立てて下に下がっていき、床に吸い込まれるようにして消え去ると、その先にも通路が続いているのが分かった。
なるほど・・・
この衣装はダアルドの女戦闘員の衣装ということなのね。
私はダアルドの女戦闘員。
そう思い込ませたいんでしょうけど、そうはいかないわ。
なんとしてもここを抜け出すんだから。
カツコツとヒールの音を響かせて廊下を歩いていく。
なんだか廊下に反響する音が気持ちいい。
さて、この先には何があるのかしらね。
ん?
廊下の途中にドアがあるわ。
中を確かめるべきかしら・・・
私はドアの前で立ち止まる。
このまままっすぐ廊下を歩いて行ってもいいのだけど、ドアの中が何なのかも気になるわ。
ドアにはさっきと同じく赤と青のスイッチ。
ここには文字は書かれていない。
確かさっきは青のスイッチで開いたのよね。
私が青のスイッチを押すと、ドアがスライドして開く。
どうやら中は部屋になっているらしい。
ここはいったい?
私は部屋に入ってみるが、そこには何もない。
空き部屋?
いや、そうではない。
奥の壁面がモニターになっているんだわ。
今は何も映されていないけど。
こんな大型モニターなら、映画なんか見たら迫力ありそうね。
突然背後でスライドドアが閉まる。
しまった!
罠だった?
私は慌ててドアのところに行くが、あるべきはずのスイッチがない。
うそでしょ?
どうやって開けるの、これ?
室内が急に暗くなり、モニターが明るくなる。
何?
何が始まるの?
どういうこと?
“ダアルドシアターへようこそ。これよりシューティングゲームをしていただきます。ゲームが終われば、背後のドアが開きます。拒否権はありません。ゲームをしなければずっとドアは閉じたままとなります”
モニターにに映し出される文字。
シューティングゲーム?
いったい何をやらせようというの?
ここから出るためにはやらなくちゃいけないというの?
くっ!
まさかゲームに何か仕掛けがあるのでは?
モニターの下側が左右に開き、そこから拳銃の載った台がせり出してくる。
拳銃とはいっても、黄色のプラスチックで作られたおもちゃの拳銃のようだ。
グリップの部分にワイヤーが付いていて、どうやら引き金を引くと信号が送られる仕組みになっているらしい。
いわばまさしくゲームセンターの拳銃ということか。
でも、これで何を撃てというの?
モニターの画面が変わり、新たな文字が映し出される。
“これより二種類の画像をモニターに映し出します。好きな方を撃ってください”
好きな方を?
どういうこと?
「えっ?」
私は息をのむ。
モニターに表示されたのは、布で口に猿轡をされ、躰を縛られた女性だったのだ。
それは紛れもなく人質になっていた女性の一人。
まさか、彼女を撃てと?
確かにこの銃はおもちゃで実弾が出るわけではないし、狙うのはあくまでもモニターの画像。
とはいえ、もしここで引き金を引いてしまえば、人質になっている彼女に何らかの危害が行くかもしれないのだ。
そんなことができるわけがない。
落ち着くのよ。
映し出される映像は二種類と言っていた。
もう一種類を確かめればいい。
私はそう思い、もう一種類の映像を待つ。
「そんな・・・」
画面が変わって映し出されたのは、私たちADAT(エーダット:アンチ・ダアルド・アタック・チーム)のマークだったのだ。
これを撃てと?
ADATの一員である私にこれを・・・
私がためらっているうちに、映像は再び縛られた女性に変わる。
やはり彼女を撃つわけにはいかないわ。
仕方ない・・・
次に画像が変わった時に・・・
マークを撃つだけだから大丈夫だと思うけど・・・
みんな・・・ごめん・・・
再度画面が変わり、ADATのマークが映し出される。
私は拳銃を構えて引き金を引く。
「ピンポーン」
画面がピンク色に輝き、風船が飛び交い、軽妙な音が鳴る。
まるで何かクイズ番組で正解を出したときのような感じだ。
あはは・・・
なんだか気持ちいい・・・
また人質の女性に切り替わる。
私は銃を構えてADATのマークに切り替わるのを待つ。
ほどなく画面が切り替わり、私はADATのマークであることを確認して撃つ。
「ピンポーン」
気持ちいい・・・
もう一発。
「ピンポーン」
もう一発!
「ピンポーン」
あはははは・・・
なんだかすっごく楽しいわぁ。
気が付くと背後の扉は開いていた。
どうやらクリアしたみたいね。
私はなんだかいい気分で部屋を出る。
さて、次は何かしら。
うふふふふ・・・
廊下を進んでいくと、またしても突き当り。
思った通り脇には赤と青のスイッチがある。
もちろん選択肢もしっかりある。
今回は何かしら?
どれどれ?
“お前にとってADATは憎むべき敵である”
“お前にとってADATは憎むべき敵ではない”
なるほどこう来ましたか。
ここは私にとってADATは憎むべき敵ではないなどを選択する理由はないわね。
選んだところでこの壁が開くわけもないでしょうから。
だとしたら、当然私にとってADATは憎むべき敵であるを選択するに決まっているわ。
私は赤いスイッチを押す。
先ほどと同様に壁がグオングオンと音を立てて床に沈んでいき、奥の通路とつながった。
うふふふふ・・・
ADATは憎むべき敵・・・
当然ね。
ADATは憎むべき敵よ。
廊下にヒールの音が響いていく。
肌に密着するスーツが心地いい。
このスーツは最高だわ。
ずっと着ていたくなる。
またしても行き止まりの通路。
もう・・・なんなのここは?
どうあっても私を閉じ込めておこうというつもりかしら。
そうはいかないんだから。
見ると右手にスライドドアがある。
もちろんここも赤と青のスイッチが。
そして選択肢も。
“お前は自らの意志ではADATと戦わない”
“お前は自らの意志でADATと戦う”
決まってるでしょ。
私は自らの意志でADATと戦うわ。
ADATは憎むべき敵ですもの。
そうよ。
ADATは倒さなくては・・・
私は青いスイッチを押す。
スライドドアが開き、私は部屋の中に入り込む。
「なっ!」
私は驚いた。
てっきり中には誰もいないと思っていたのに、立っている人影があったのだ。
しかも二人も。
私も思わず床に転がり、一回転して戦闘態勢を整える。
まさか人がいるとは思わなかったわ。
いったい誰が?
だが、相手は私に声をかけてくるでも、攻撃を仕掛けてくるでもなかった。
それどころか、私が入ってきたにもかかわらず、その場に突っ立ったままなのだ。
どういうこと?
「なーんだ」
私はゆっくりと立ち上がる。
何も反応がないはずだわ。
部屋の中で立っていたのはマネキン人形だったのだ。
それも二体とも。
不思議なことに、一体は私と同じような黒い全身タイツ姿でダアルドの紋章の付いたベルトを締めている。
もう一体は私たちの本部でよく見かけるADATオペレーターの制服姿だ。
これはどういうことなの?
ダアルドの女戦闘員とADATのオペレーター?
私が不思議に思って近づくと、足元の一角が開いて、そこから台がせりあがってくる。
よく見ると、その台には鋭い短剣が載っていて、そのそばに文字が書いてある。
“お前の敵はどちらかを見極め、この短剣を突き立てよ”
なるほど・・・
私の敵はどっちなのかということね?
そんなの決まっているじゃない。
うふふふふ・・・
私は短剣を握ると、ADATのオペレーターの制服を着たマネキンに振り下ろす。
何度も何度も何度も・・・
ADATは憎むべき敵。
ダアルドに歯向かう愚か者たち。
首領様の偉大さを解せぬやつら。
消えて当然な連中なのだ。
「ピンポーン」
正解のチャイムが鳴る。
ああ・・・うれしい。
そうよ・・・
私はダアルドの女戦闘員ですもの。
正解して当然だわ。
私は短剣でズタズタになったマネキンを蹴飛ばし、意気揚々と部屋を出る。
さあ、次はどんな選択肢が待っているのかしら?
うふふふふ・・・
楽しみだわ。
部屋を出ると、行き止まりだったところにまた通路が開いている。
正解だったから当然よね。
この先へ来いってことだわ。
うふふふふ・・・
私は誇らしげに胸を張り、通路を歩いていく。
本当にこのスーツは躰の動きを阻害しなくて最高だわ。
もうこれ以外のスーツなんて着る気もない。
これこそが私にふさわしいスーツだわ。
なんだかどんどんと奥へ奥へと向かっているような気がする。
もしかして、このアジトの中心に向かっているのかしら?
だとしたらなんだかうれしい。
もしかしたら首領様にお目通りがかなうのかも。
楽しみだわ。
突き当りにある重々しい両開きのドア。
おそらくここがアジトの中心ね。
ドアの中心にはやっぱり赤と青のスイッチがある。
もちろんこれはどちらかを選んで押せというもの。
そしてその選択肢は?
「お前はダアルドに心からの忠誠を誓うか? ・・・ね」
“はい。忠誠を誓います”
“いいえ。忠誠を誓いません”
そんなの決まっているじゃない。
「はい! 私はダアルドに忠誠を誓います!」
私はそう答え、赤いスイッチを押す。
両開きのドアがゆっくりと開き、私を中へと招き入れる。
私は喜びを感じながら室内へと入る。
この部屋に入れるのはダアルドに選ばれた者のみ。
私は選ばれたのよ。
なんて嬉しいのかしら・・・
広い室内。
奥にはモニターがあるだけ。
私はそのモニターの前に進み出てひざまずく。
するとモニターが点灯し、揺らめく影が映し出される。
『よく来た。心歪められし者よ』
偉大なる首領様の声。
心を歪められた?
どういうことだろう?
私の心は歪んでなど・・・
だが、首領様の言葉に異議をさしはさむなど許されない。
『お前はこれより、我がダアルドの女戦闘員。ダアルドのために働くのだ。よいな』
「ハッ! 私はダアルドの女戦闘員。首領様に心からの忠誠を誓います。どうぞ何なりとご命令を」
私は首領様の言葉に答え、右手を胸にあてて頭を下げる。
首領様のご命令なら何でも致します。
『早速お前に命令を下す。お前はこれよりADATの一員に成りすまし、奴らの基地に潜入せよ。そして、我が命に従い、奴らを内部から破滅させるのだ』
「かしこまりました、首領様。これより私はADATのメンバーに成りすまし、奴らの基地に潜入してご指示を待ちます。ダアルドの女戦闘員である私にお任せくださいませ」
『うむ。期待しておるぞ』
「ハハッ!」
首領様の命令を聞いて私は身震いするほどの喜びを感じる。
奴らの基地に潜入するなど、なんと素晴らしい任務だろう。
必ずやご期待に沿えなくては。
うふふふふ・・・
首領さまに歯向かう連中など皆殺しにしてあげるわ。
私は一礼して立ち上がると、首領様の元を後にする。
さあ、任務を完遂しなくては。
私はゾクゾクするほどの興奮を胸にADATの基地へと向かうのだった。
END
以上です。
いかがでしたでしょうか?
よろしければコメント等感想をお寄せいただけましたらうれしいです。
これにて戦闘員の日週間は終了です。
また来年をお楽しみに。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/17(木) 21:00:00|
- 女幹部・戦闘員化系SS
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10月10日に始まりました「(特撮系)戦闘員の日」週間も、残すところ今日と明日まで。
私も二本ほどSSを投下させていただきましたが、昨日、いつもツイッター等でお世話になっておりますmarsa様より、ハニーセレクトで作られました画像を送っていただきましたので、その画像にちょっとした文章をつけて投下させていただこうと思います。
タイトルは「ある地下室にて」とさせていただきました。
marsa様、素敵な画像を送っていただきましてありがとうございました。
それではどうぞ。
ある地下室にて

「あれ? 私どうしてこんなところに?」
少女は気が付くとどこかのビルの地下のようなコンクリートの壁に囲まれた場所に来ていた。
どうしてこんなところに来たのかもどうやってきたのかも覚えてはいない。
もしかしたら誰かに連れてこられたのかもしれないが、それすらもわからなかった。

「とにかくここを出ましょう・・・キャッ!」
少女の躰に衝撃が走る。
何かが躰の内側から外に出ようとし始めたのだ。
いったい何が?

少女の躰にオーラのようなオレンジ色の光がまとわりついてくる。
それと同時に彼女の着ている服が変化し始めたのだ。

それは彼女の着ていた服の組成を変化させ、黒いつややかなレオタードへと変えていく。
それと同時に脚にも網タイツが形成され、太ももから下には黒いロングブーツが作られていった。
さらに彼女の目を覆うようなバイザーも現れ、彼女の視界を奪い去る。

「えええっ? 何これ?」
バイザーに奪われた視界は、やがてバイザーを通して見えるようになってくる。
おかげで彼女は、自分がとんでもない格好をしていることに気が付いた。
躰のラインがもろに出て、とてもエロティックな姿をしているではないか。

「そんな・・・でも、なんだか素敵。うふふふふ」
自分の格好に驚いた彼女だったが、バイザーを通して見ているうちに、それがなんだか格好よく思えてくる。
それどころか、これこそが自分にふさわしい格好だと思えるようになってきたのだ。
今までの自分はなんて愚かだったのだろうか。
******

「うふふふ・・・今日も・・・」
あの日から毎日この部屋に来るようになった少女。
部屋を出るのは簡単だったし、特に何の問題もなかった。
ただ、あの格好をしたくなると、人目に付かないここへ来るようになったのだ。
自分の部屋でも変身できないことはなかったが、いつ誰かに見られるかもしれない。
そう思うと、ここは変身するのに都合がよかったのだ。
そしていつしか彼女は口紅を付けるようになっていた。
男を魅了するような真っ赤な口紅を。

「うふふふ・・・やっぱりこの格好はいいわぁ。これこそが私にふさわしい格好よね」
黒レオタード姿に変身する彼女。
彼女にとってはこれが本当の自分なのだ。
今までの自分などもはや過去のものだった。
******

「うふふふ・・・馬鹿な男たち。ちょっと色目を使えばすぐに私の言いなりだわ」
赤い口紅を塗った唇に冷たい笑みを浮かべる少女。
少し大人っぽくしたした化粧が彼女に妖艶さを与えている。

「うふふ・・・さあ、いつもの私に戻らなきゃ」
胸元を少し開け、黒い下着をちらつかせるように見せた服装。
短めのタイトスカートを穿き、脚には黒ストッキングで男の目を惹きつける。
これだけで馬鹿な男たちは下心をむき出しにして彼女に寄ってくるのだ。
あとはターゲットを好きにするだけ。

「ああん・・・これこれ。この姿こそ本当の私よぉ」
黒レオタードに身を包み、バイザーを装着する彼女。
組織の女戦闘員として、この姿こそが本当の彼女の姿なのだ。

「はい・・・はい・・・ターゲットは始末いたしました・・・はい・・・ご命令のままに・・・イーッ!」
バイザーから流れてくる声に答えを返し、右手を上げて奇声を発する。
組織の女戦闘員は首領様の命令には絶対服従し、敬意を示さなくてはならないのだ。
******

「うふふふ・・・なんだか力がみなぎってくるわ」
部屋に入り、さらなる強化光線を浴びた彼女は、肌が青くなったことに気が付いた。
「素敵・・・もう私は人間なんかじゃないわ」
内側からあふれてくるような力が、彼女を更に変えていく。

「イーッ! なんて気持ちがいいのかしら」
彼女の目の周りには強化された証の赤い隈取が現れてくる。
組織の女戦闘員として完成したという証なのだ。
もはや彼女は人間ではない。
組織の女戦闘員だ。

「イーッ! はい・・・はい・・・かしこまりました。私にお任せくださいませ」
バイザーをつけて首領様よりの命令を受ける。
この瞬間が組織の女戦闘員として何より幸せな瞬間である。
首領様に忠誠をつくし、任務を果たすのだ。

「うふふふふ・・・さあ、行きましょう」
バイザーを外し、完全なる女戦闘員となった彼女は、夜の町へと消えていく。
任務を果たすために・・・
END
いかがでしょうか?
素敵な画像を生かすことができていればいいのですが。
それにしても本当に素敵な画像です。
あらためましてmarsa様、ありがとうございました。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/16(水) 21:00:00|
- Special Thanks
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今月号のタミヤニュース(606号)が先日到着しておりました。

こちらが表紙。
今号は第二次大戦時のアメリカ空軍(アメリカ陸軍航空軍のことかな?)の、第68戦闘飛行隊(上)と第339戦闘飛行隊(下)のマークだとのこと。
今号の「第二次大戦イタリア軍装備解説」は、カントZ506水上機の二回目。
大きなフロートを付けた大型の三発水上機であるカントZ506型は、軍用としても有用とみなされ軍用型が作られます。
この軍用型はスペイン内戦にも義勇軍として参加し、その後スペインに譲渡されて第二次大戦後まで使われたとか。
また、当初は水上爆撃機や雷撃機として使われたものの、大型で鈍重であるがゆえに損害も多く、やがて哨戒や救難用として使用されることが多くなったそうです。
そのため、救難専用型のZ506S型が作られ、敵味方問わず多くの海上救難を行ったそうですが、そのために珍事件も起こったそう。
英軍機のクルーを救助したところ、そのクルーたちに機内を逆に制圧され乗っ取られてしまったのだとか。
結局マルタ島に行くことになったこの機体は、そこで英軍マークを書き込まれ、以後英軍機として使用されたんだそうです。
この救難型は戦後も使われ、最後の一機が退役したのは1959年だったとか。
「第二次大戦機の真相と深層」は第6回目でヴォートF4Uコルセアの一回目。
いろいろと各部の写真が載っていて、興味深いです。
巻中の情景写真は対戦後半のドイツ軍の情景。
すでに旧式となった短砲身の四号戦車D型と、それを頼りに敵陣を突破しようとする兵士たち。
まさに「老兵は死なず」と言ったところです。
ほかには東武モデラーズギャラリーの出品作品や陸上自衛隊の富士総合火力演習の記事などが。
今号も楽しく拝読させていただきました。
次号607号は12月号。
もう一年が終わりますねぇ。
また来年一年分の定期購読を申し込まなくては。
早いなぁ。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/15(火) 18:42:08|
- タミヤニュース
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うおお!
ラグビーワールドカップ、日本代表がなんとスコットランドにも勝利し、四連勝で決勝トーナメントに進出決定です!
おめでとうございますー!
‹‹\(´ω` )/›› ‹‹\(´ )/›› ‹‹\( ´)/›› ‹‹\( ´ω`)/››~♪
いやぁ、今大会からTVでラグビーを見て楽しんでいるにわかファンですけど、ラグビーは面白いですねー。
それにしても今大会の日本は強いですねー。
昨日の勝利で世界ランキングも7位に上昇したとか。
すごいですわぁ。
台風通過直後での試合ということで、開催も危ぶまれましたが関係者皆様のご尽力で無事に開催されました。
改めてそのご尽力に感謝するとともに、素晴らしい試合を行ってくださった両チームにも拍手を送りたいと思います。
本当にいい試合でした。
これで次回はいよいよ決勝トーナメントの初戦です。
相手は南アフリカ。
こちらもラグビーの強国であり、なにより四年前の日本に敗北したリベンジに燃えていることは間違いないでしょう。
ですが、日本代表のチーム力で何とか勝ち抜いてほしいところです。
頑張れ日本代表チーム。
そして、昨日はプロ野球クライマックスシリーズのファイナルステージで、阪神が残念ながら巨人に敗退してしまいました。
やはり巨人は強かったですね。
総合力ではまだまだ巨人の足元にも及びません。
この現実を見据えて、来季はまた優勝目指して頑張ってください。
一年間お疲れ様でした。
来季も頼むぞタイガース。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/14(月) 18:54:19|
- スポーツ
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またしても・・・ということにはなってしまうのでしょうけど、台風19号による豪雨で各地で河川の氾濫が起き浸水してしまったところが出てしまったようです。
長野県の千曲川では、決壊した堤防からかなり広範囲に水が広がってしまい、多くの家屋が浸水してしまったとのこと。
ほかにも合わせて10河川で堤防が決壊したほか、水位が堤防を越えてしまう越水がなんと77河川にも及んだとのニュースが。
本当にとんでもない量の雨だったみたいですねぇ。
一年分の雨量が48時間で降ったという地域もあるとか言いますし。
すごいとしか言いようがないですねぇ。
まだ周囲に水があって孤立してしまっている建物も多くあり、中に人が残されているところもあるようです。
どうか無事に救出がなされますことをお祈りいたします。
また、今回の台風の被害に遭われてしまいました皆様には、心からお見舞いを申し上げます。
少しでも被害が少なくて済みますよう。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/13(日) 18:02:35|
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台風19号は大変な状況のようなので、どうか皆様充分ご注意くださいませ。
こんな時になんなんですが、昨日の前編に続き、「彼女は女戦闘員」の後編を投下したいと思います。
台風で大変だとは思いますが、読むことができる方には読んでいただいて、少しでも楽しんでいただければと思います。
気分転換の糧にしていただけましたら幸いです。
それではどうぞ。
「あー、ねみーー」
俺は大きなあくびをしながら学校に行く。
ここ二日ほど夜更かしというか、ほとんど徹夜みたいなこともやっているしな。
眠くて当たり前ではあるんだが・・・
今日も午後の授業を捨ててどっかで寝ていようかなぁ・・・
「おはようございます、怪人様」
聴き慣れてきた鈴の音のような軽やかな声。
だが、少し沈んだ感じ?
玄関の靴箱のところで上靴に履き替えていた俺は、思わず声の方を向く。
「鴇沢さん? まさか俺を待ってたの?」
そこにはなぜか不安そうな表情でうつむき加減で俺を見上げている彼女の姿が。
待ってたのという俺の問いにコクコクとうなずいている。
なんと言うか、この小動物っぽいところもかわいいんだよなぁ。
彼女自身が小柄だから余計にそうなんだろうなぁ。
「何かあった?」
上靴に履き替えた俺は、彼女を片隅へと連れていく。
なんにしてもあんまり目立ちたくはないからな。
「あの・・・昨晩私が着替え終わる前に急に帰られてしまったので・・・何か怪人様のご気分を損ねるようなことをしてしまったのかと・・・」
鴇沢さんがうつむきながらそう言ってくる。
あー・・・
俺が昨夜さっさと帰っちゃったからか。
もしかして彼女はそれが自分のせいだと思っている?
いや、まあ、確かに彼女のせいとは言えないこともないけどさぁ・・・
帰ってから急いで布団に入って二回もしちゃったからなぁ・・・
うう・・・
まさかクラスメートの女子をオカズにあれをしちゃうことになるなんて思いもしなかったけど・・・
「怪人様?」
俺が返事をしないからか、不安そうな目で俺を見ている彼女。
「あ、いや、違う違う。単に俺が早く帰って寝ようと思っただけなんだ。鴇沢さんが悪いなんてことは一つもないから安心して」
俺は両手を振ってそんなことはないと身振りで示す。
彼女はホッとしたような表情を浮かべ、ちょっとだけ左右を確認した。
「鴇沢・・・ですか?」
「あ・・・」
俺も思わず左右を確認し、玄関にいる連中がこっちを見ていないことを確かめる。
「お前のせいじゃないから安心しろ、64号」
「よかった。ありがとうございます、怪人様」
彼女の表情がぱあっと明るくなり、ぺこりと頭を下げてくる。
何がありがとうなのかはよくわからんが、とりあえず誤解は解けたようだ。
「それじゃ私は教室に行きます。あ、カバンをお持ちしましょうか?」
「あ、いや、いいよ。俺もすぐ行くから」
「はい。それでは失礼して先に教室に行ってます、怪人様」
やはりテテテテという感じで走り去る64号。
さっきまでとは打って変わって弾むような感じだ。
ホントかわいいなぁ。
たまらんなぁ。
「怪人様」
上靴に履き替えたあとそのままにしちゃっていた外靴を靴箱に入れようとしていた俺は、背後から声をかけられ心臓が飛び上がるほどびっくりする。
彼女とは違う女性の声が俺をそう呼んだのだ。
「はいぃぃ?」
振り返ると、そこにはなんだか冷たい目で腕組みをしながら俺を見つめてくる関畑(せきはた)先生が立っていた。
音楽担当の先生で、美人と評判の先生だけど、まさか今の彼女との会話を聞かれていたのかな?
「怪人様ねぇ」
ボソッとつぶやくように言う関畑先生。
「な、なんですかそれ?」
「今の子、あなたのことをそう呼んでいたようだったから、なんなのかなーと」
まるで射抜くような目で関畑先生が俺を見る。
美人って、こういう目をすると結構怖いものだな・・・
「き、聞き間違いでは? そんなこと言ってましたっけ?」
俺はなんとかとぼけてみる。
「ふふ・・・どうだったかしらね。ほら、さっさと行かないと一時間目が始まるわよ」
ぺろりと舌で唇を舐め、俺の前から去っていく関畑先生。
なんなんだいったい?
遅刻の取り締まりでもやっていたのかな?
それにしてもなんだか迫力があったなぁ。
美人は怒らせるものじゃないな。
******
さてと、午前の授業も終わってお昼だお昼だ。
それにしても午前中は眠かったなー。
というか寝てたなー。
おかげで何回か注意されたけど、眠いものは仕方ないよな。
うん。
ということで俺は購買に昼飯を買いに行く。
母さんが今日は寝過ごしたからって弁当を作ってくれなかったのだ。
千円札一枚よこして、これで昼は済ませなさいってか。
やれやれだ。
こんな時マンガだと彼女がお弁当を作って・・・
鴇沢さん・・・いや、女戦闘員64号がお弁当を作ってくれて・・・怪人様どうぞ、あーん・・・なんて・・・
そういう展開があったりするといいのになぁ。
はあ・・・
まあ、さすがにそこまでは無理か。
「怪人様」
「はわぁっ!」
購買でお昼を買って戻ってきた俺は、またしても背中から声をかけられる。
「と、鴇沢さ・・・いや、64号。驚かせるなよ」
「す、すみません」
慌てて頭を下げる彼女。
いや、そこまでしなくてもいいよ。
「どうした? 何かあったか?」
「あ、いえ・・・その・・・怪人様さえよろしければ、お昼をご一緒させていただけないかと・・・」
「は? へ? 俺と?」
「はい・・・」
手に小さなお弁当箱を持って上目遣いで俺を見る彼女。
ダメですってば!
かわいすぎるだろ!
「も、もちろんいいけど」
というかぜひ!
「よかった。それじゃこちらへ」
途端に彼女は笑顔になり、俺を案内するように先に立つ。
どこへ行くのだろう?
まあ、さすがに教室で一緒にというのは気恥ずかしいから、二人きりになれるところならどこでもいいけど。
二人きり?
二人きりかぁ・・・
ひゃっほーい!
「どうぞ」
「あ、うん」
彼女に連れてこられたのは三階の音楽室だった。
もちろん昼休みなので今は誰もいない。
二人きりになるにはいい場所かもしれないが・・・
「いつもここで?」
「はい。ここならほとんど邪魔は入りませんので」
そう言って彼女は席に着く。
「ふーん・・・」
俺も彼女の隣に座らせてもらい、購買で買ってきたものを出していく。
「怪人様はお弁当とかではないのですか?」
「ああ、今日は母が寝坊したとかで作ってくれなかったんだ。いつもは弁当だったりするんだけど」
まあ、うちの母の場合、寝坊することがわりと多かったりもするがな。
「そうなのですか? あの、ご自身でお作りになったりとかは?」
彼女もお弁当を用意して食べ始める。
彩りもきれいで美味しそうなお弁当だなぁ。
「無理無理。さすがに弁当は作らないよ」
俺は首を振る。
そりゃあ、たまに焼きそばとかチャーハンぐらいなら作ったりするけどさ。
「そうなのですか。さすが怪人様です」
なぜか目を輝かせて俺を見る彼女。
「へ? なんで?」
「擬態を完ぺきにこなすためとはいえ、下等な人間どもを親として扱い、自分の食べるものをそのような連中に任せるなど、尋常な覚悟ではありません。素晴らしいと思います」
「はいぃぃ?」
なんですかそれ?
「申し訳ありません。私にはまだそこまでの覚悟ができず、あの人間どもに私の口に入るものを作らせる気にはなりませんです。なので、朝は特別ドリンクを飲み、昼は自分でお弁当を用意し、夜はバイト先で食べると言ってアジトで食べていますです」
あ・・・
そういうことか・・・
悪の組織の女戦闘員として、敵である下等な人間が作る食事など何が入れられているかわからないと思っているんだ・・・
そういうことなのか・・・
「ですので、さすが怪人様は心構えが違うなぁと思わせられます。すごいです」
眼鏡の奥の彼女の目がキラキラしている。
いや、そんなすごくはまったくないと思うぞ。
そんなふうな目で見られてもこっちが困惑してしまう。
「いやいや、そんなことはないぞ。むしろお弁当を自分で作る方がすごい」
お弁当を作るなど、朝は結構大変だろうに・・・
「そうでもないです。材料はあの連中に用意させてますし。あの連中に財力を使わせるのもトテンコプの一員として当然のことですから。うふふふ・・・」
冷たい笑みを浮かべる彼女。
ああ・・・なるほど・・・女戦闘員というのはそういうふうに考えるものなのか・・・
普段は見せないような彼女の表情。
俺はそこになんだかゾクゾクするものを感じてしまう。
これが悪の魅力というものなのだろうか・・・
でも・・・
このままでいいのかなぁ・・・
「どうかしましたか、怪人様?」
俺が何となく彼女を見つめていたのに気が付いたらしい。
「あ、いや・・・そういえば任務って結構ヤバいのか? 誰かを殺すとか、どこか破壊するとか・・・」
もしかして・・・彼女もそんなことをしているのだろうか・・・
そういえば最初の時は彼女は俺を殺そうとしていたんだったっけ・・・
「いいえ、私はまだ新入りですから、それほど大変では。クモ女様の退路確保のために警備員の始末をしておくとか、追ってこられないように車に細工を仕込んでおくとかそのくらいですから」
いやいや、それは充分ヤバいって・・・
でも、そんなことを当たり前のようにやっちゃうのか・・・
やっぱり悪の組織の女戦闘員というのは、そうじゃなきゃ務まらないんだろうなぁ・・・
どうしたものかなぁ・・・
そうだ・・・
彼女を少しずつ普通の生活に戻していけばどうだろう。
擬態を完璧にするために日常を増やせ、みたいな感じで。
そうしてできるだけ任務から遠ざけてみて。
そうしていつかは・・・
「あの・・・あのさ」
「はい、なんでしょうか?」
「週末は任務入ったりしてる?」
「週末ですか? 今のところは入っていないと思います。クモ女様からも何も言われておりませんし」
少し首をかしげて考え込みながら、そう返事する彼女。
「だったら、どこか遊びに行くか、映画でも見に行かない?」
うあー!
誘ってしまっているよ・・・
胸がドキドキするー・・・
「遊びに・・・ですか? 怪人様と・・・ですか? 私で・・・よろしいのですか?」
なんだか目を丸くしている彼女。
よろしいんです。
君だからいいんです。
俺はコクコクとうなずく。
「はい、喜んで! うれしいです。でも、本当に私のような新人の女戦闘員でもよろしいのですか? 遊びにとおっしゃってますけど、何か極秘任務とかだったりするのではないのですか? だとすれば、私では怪人様の足手まといになるのではないかと・・・」
今度は俺がブンブンと首を振る。
「いやいやいやいや、足手まといなんかじゃないから。えーと、ほら、新人だからこそ、人間たちの中に紛れ込む擬態をもっと完璧にこなす練習をしなきゃならないだろ? 俺と一緒にその練習をしないか?」
あー・・・
くそっ!
結局怪人である俺からの命令ってことにしてるじゃん。
でも、これで彼女が誘いに乗ってくれるなら・・・
それでもいいか・・・
「あっ、確かに怪人様のおっしゃる通りです。私、家でも学校でも人間たちを見るとなんだかイライラしちゃって・・・早く世界が首領様の治める世界になってほしいとばかり・・・でも、それじゃ私が女戦闘員だということがバレてしまう可能性があるということなんですよね」
うんうんと自分で納得してうなずいている彼女。
うん、まあ、それでいいよ。
「だからごく普通の高校生同士として遊びに行くことで、擬態もよりうまくできるようになるんじゃないかなぁ」
「はい、わかりました怪人様。週末はよろしくお願いいたします。ヒャイーッ!」
突然立ち上がって奇声を上げ、右手を胸に当てる彼女。
「わぁ、だからそれがまずいってば」
「あっ、し、失礼いたしました」
思わず真っ赤になってしまう彼女に、俺は苦笑いを浮かべるのだった。
******
やっほーい!
デートだデートだデートだ!
初めてのデートだー!
なんだか無理やりぽくなってしまったかもしれないけど、それはそれだ。
どこに行こうか?
何をしようか?
こりゃ午後の授業なんて受けてられないよ。
俺は午後の授業をすべて放り出すと、先日のように用具室で昼寝する。
授業なんてくそくらえだ。
そういえば、ここで昼寝して寝過ごしたから彼女とこうして話せるようになったんだったなぁ。
もっと仲良くなれるといいなぁ。
そして・・・いつでもあの女戦闘員の格好で、あん・・・怪人様ぁ、そこはダメですぅとか言って・・・
むふふふ・・・
あ、やべ・・・
勃ってきちゃった・・・
******
「よっ・・・と」
俺は周囲に誰もいないのを確認し、校門をよじ登る。
ここ数日ですっかり慣れた深夜の学校。
さて、今日は彼女はもう戻ってきているかな?
昼寝で睡眠を補充した俺は、放課後になると一目散に家に帰り、手当たり次第に雑誌やネットを調べて彼女が喜びそうなデートプランを立ててきた。
幸い先日封切られた話題の超大作映画があるので、まずはそれを見ることがメインのA案と、ちょっと足を延ばして遊園地に遊びに行くことをメインとするB案の両方を用意し、彼女に選んでもらおうと思うのだ。
プランの確認だけならもちろん明日学校で聞けばいいだけなのだけど、やはり彼女の女戦闘員姿も見たい。
だから、今夜も学校にやってきたというわけだ。
さて・・・
俺はいつものように玄関のドアを確かめ、開いているのを確認する。
どうやら彼女は戻ってきているみたいだな。
ということは、急がないと着替えられてしまうかも。
俺は急いで教室へと階段を駆け上がる。
彼女の女戦闘員姿が見られなくなっちゃう。
「えっ?」
俺は驚いて足を止める。
廊下に誰かいるのだ。
すらりとした細身の女性で、タイトスカートを穿いているよう。
一瞬彼女かとも思ったけど、当然にシルエットが違う。
こんな夜中にいったい誰が?
「うふふふ・・・やっぱり来たのね。怪人君」
人影が一歩踏み出したことで、窓から差し込む外の明かりがその姿を照らし出す。
「関畑先生・・・」
そこには音楽の関畑先生が立っていたのだ。
「うふふふ・・・首領様もお人が悪いわぁ。この地区を担当する私にも一言も言わずに、単独行動の怪人を派遣するなんて」
妖しい笑みを浮かべながらゆっくりと近づいてくる関畑先生。
「えっ?」
首領様?
ま、まさか・・・
関畑先生も?
「うふふふふ・・・」
関畑先生は足を止めると、俺を見ながら、ゆっくりと着ている服の胸のボタンを外し始める。
えっ?
何を?
ボタンを外した上着を脱ぎ捨て、腰のホックを外してスカートも足元に落とす。
黒いパンストに包まれた脚がむき出しになる。
「な、ななな?」
俺が慌てるのをよそに、先生はブラウスのボタンも外しゆっくりと脱いでいく。
そして上靴を脱ぎ捨てると、脚に穿いていたパンストも脱ぎ捨てる。
黒いブラジャーとパンティだけになった先生の姿は息をのむほど美しかったが、先生はそのブラジャーとパンティまでも脱いでしまう。
そして片手の甲を軽く腰に当て、その裸体を見せつけるように軽くポーズをとっていた。
「ふふふ・・・そろそろ擬態はやめにしたら? 私も擬態を解除するわ」
「えっ?」
擬態・・・ですと?
先生の裸体がじょじょに変化し始める。
黒い毛が躰を覆い始め、頭にも変化が現れる。
脚や腕には赤いラインが現れ、指先には鋭い爪が伸びていく。
頭頂部には二本の角のようなものが生え、目は黒く丸い目に変わっていき、額にも小さな目が現れる。
お尻には大きなふくらみができ、脇からは細い足が二本ずつ生えてくる。
口元だけは人間のままだけど、それはまるでクモと女性が融合したかのような姿だった。
「嘘・・・でしょ?」
「あら、嘘じゃないわよ。関畑綾芽(あやめ)は仮の姿。本当の私はトテンコプの女怪人クモ女なの。64号が言っていたでしょ?」
そう言って自らの姿を見せつけるようにくるっと回って見せる先生。
彼女の言っていたクモ女様って・・・関畑先生のことだったのかよ・・・
「さ、私も正体を見せたのだから、君も正体を見せたらどう、怪人君? もっとも、無理だと思うけど。うふふふふ」
大きな黒い目が二つと額の小さな目が俺を冷たく見つめてくる。
人間のままの口元にはかすかな笑み。
まるで獲物を見つめるようだ。
俺が怪人なんかじゃないことは、はなからわかっているらしい。
「いや・・・俺はそう簡単に正体を現せるもんじゃないんでね。首領様の命令があれば別だが」
うう・・・
ここは何とか時間を稼いで、隙を見て逃げ出すしか・・・
「あら、言うわね。あっさりと降参するかと思ったのに」
ちょっと意外そうな先生の声。
いや、降参したって殺しますオーラみたいなものが先生から出ているんですけど。
「先生がクモ女だっていうのは、俺も聞かされてなかったぜ。首領様は俺にも内緒だったらしい」
「うふふふ・・・結構頑張って芝居するわね。でも・・・」
「ガッ!」
気が付くと、俺の首には白い荷造りひものような太さの糸が絡んでいた。
嘘だろ・・・
糸を飛ばすところなんて見えなかったぞ・・・
「ぐわぁっ」
先生はとんとジャンプすると、そのまま廊下の天井に貼り付いて俺の真上まで這ってくる。
そしてそのまま糸を引き上げて俺の首を吊り上げ始めたのだ。
こ、殺す気だ・・・
つまり、俺が何を言おうと殺すつもりなんだ。
「さあ、白状なさい。俺は怪人なんかじゃありません、ただの下等な人間ですって。正直に言えば苦しまずに一瞬で殺してあげるから」
天井から俺を見下ろしてニヤッと笑う先生。
く・・・くそっ・・・
なんとか・・・なんとか・・・
「ほら、いつまでも強情張ってないで、さっさと白状しなさい。そうじゃないとじわじわとなぶり殺しよ」
「い、今なら・・・ま、まだ見逃してやる・・・俺を殺せば・・・首領様・・・から・・・怒られる・・・ぞ」
ええい、ハッタリだけど通じてくれー。
「バカなことを。お前のことはすでに首領様に確認済みなの。その程度のことしていないとでも思ったの?」
ぐえーっ!
く・・・苦しい・・・
息が・・・
「ほら、苦しみたくなければさっさと俺は怪人じゃありませんって言いなさい!」
「俺は・・・」
俺は・・・
俺は・・・
俺は・・・
「俺は怪人だー!!」
ちくしょう!
俺は何を言っているんだよー。
くそーっ!
急に躰が自由になる。
首への圧迫がなくなり、俺は廊下に倒れ込む。
「はあ・・・はあ・・・」
ど、どうして?
俺は喉を押さえてとにかく息を吸う。
いったい?
「ふう・・・強情ねぇ。とっくにわかっているんだから素直にごめんなさいすればいいのに」
床に降り立った先生というかクモ女が腰に手を当てて俺を見下ろしている。
「げほっ・・・げほっ・・・だ、だって・・・」
「だって?」
「俺が怪人じゃないと・・・彼女が・・・64号が俺を殺さなきゃならなくなっちゃう・・・」
「は? 64号が?」
俺はうなずく。
そうだよ。
俺が怪人じゃなければ、彼女は俺を殺さなきゃならなくなる。
彼女にそんなことはさせられない!
「ぷっ・・・あははははは」
お腹を抱えて笑い出すクモ女。
笑うなよー。
俺だって変だって思うさ。
彼女が知る前にあんたが俺を殺すんだろうし。
でも・・・
でも・・・
俺は64号に俺自身から怪人じゃないと伝えるまでは、怪人だということにしたいんだ!
「バカねぇ。64号じゃなくて私が殺すんだけど」
ゆっくりと近寄ってくるクモ女。
「それでもだ。俺が怪人じゃないとなれば、64号は俺を殺さなかったことでミスを犯したことになっちゃう。そうなれば組織が彼女を許さないんじゃないのか?」
少なくともテレビの悪の組織はそうだった。
どっちにしても、俺が怪人じゃないと言えば64号が苦しむことになる。
そんなこと・・・させられるもんか!
「なるほどね。いいわ。そんなに怪人だと主張したいのなら、君、怪人になりなさい」
「は、はい?」
なんですか、それ?
俺を怪人に?
怪人になれと?
「怪人になりなさい。そして堂々と64号と怪人として付き合えばいいのよ。うん。それがいいわ」
「待って! 先生待って!」
「うふふふ・・・先生じゃないでしょ。クモ女よ。よろしくね、怪人君」
ニヤッと笑みを浮かべるクモ女。
あー・・・
これはもう・・・
俺に選択の余地はなさそうだ・・・
******
「キシュシュシュシュシュ」
俺の溶解液で金庫の扉が溶けていく。
こんな鉄の扉など、俺の溶解液にかかればひとたまりもない。
俺はもろくなった扉を簡単に開け、中の機密書類を手に入れる。
これで任務は達成だ。
容易いものだぜ。
警備員がいると言ったところで、しょせんは人間だしな。
俺や女戦闘員にかなうはずもないのだ。
「64号」
「ヒャイーッ!」
俺は背後に付き従う女戦闘員を呼び、彼女の持っているカバンに書類を入れていく。
付いてきているのは彼女一人だけだが、こんな任務にはそれで充分だ。
「キシュシュシュ。よし、引き上げるぞ」
「ヒャイーッ! かしこまりました、ムカデ男様」
女戦闘員が右手を胸に当て、敬礼する。
そのまま俺は彼女を連れてその場を後にする。
キシュシュシュシュ・・・
俺の動きに遅れないように必死についてくる女戦闘員。
よしよし、しっかりと俺に付いてきているな。
かわいいやつ。
******
「ひゃっ! あん・・・ムカデ男様ぁ・・・ダメぇ・・・ダメですぅ! ひゃあん」
任務を終えた俺は家に女戦闘員64号を連れ込むと、ベッドの上で彼女の躰を抱きしめてその感触を味わっていく。
64号はくすぐったいのかそれとも恥ずかしいのか、ダメダメ言っているが、それでも俺の抱擁に身を任せている
キシュシュシュシュ・・・
まったくかわいいやつだ。
女戦闘員の躰はたまらんぜ。
あー、柔らかいなぁ。
俺は爪で女戦闘員の躰に傷を付けてしまわないように気を付けながら、その躰を愛撫する。
もちろん両脇に生えている歩肢を使うことも忘れない。
何本もある俺の歩肢がワサワサと彼女の躰を撫でるのだ。
その柔らかい躰とすべすべの衣装。
女戦闘員のすばらしさがそこにある。
キシュシュシュシュ・・・
あの日、俺はクモ女に拉致されるようにしてトテンコプのアジトへと連れていかれ、そこで怪人化の処置を受けた。
俺のモチーフにはムカデが選ばれ、俺はトテンコプの怪人ムカデ男として生まれ変わったのだ。
茶褐色の硬い外皮が俺の躰を覆い、鋭い爪は鉄の板さえ貫く。
口からは溶解液を吐くこともできるが、クモ女と同じく口元だけは人間のままの見た目を保持している。
これは言葉をしゃべるうえで都合がいいかららしい。
怪人と言えどもコミュニケーションは言葉で行うということだ。
もっとも、おかげでこうして女戦闘員のマスク越しにキスをすることもできるのだがな。
それにしても便利な躰だ。
天井を這うことも狭い隙間に入ることも簡単にできる。
人間を始末するなど容易いこと。
俺の両親にも遠くへ“旅行”に行ってもらったことで、こうして好き勝手に女戦闘員を連れ込めるというわけさ。
まったく怪人というのは最高だぜ。
「ん・・・んん・・・ぷあ・・・ああ・・・ムカデ男様」
キスを終え、マスクの奥の目がうっとりと俺を見上げてくる。
ベッドの上で俺に躰をもてあそばれているというのに、かわいいやつだ。
怪人になった俺にとって、最初はあの戦闘員スーツさえ着ていれば女戦闘員など誰でもいいようにも思ったものだったが、やはり64号は特別だ。
本来クモ女配下だった彼女を俺は譲り受け、今では俺専用の女戦闘員となっている。
その証拠に彼女の胸のマークも赤いムカデに変わっている。
誰のものでもない俺専用の女戦闘員だ。
「キシュシュシュシュ・・・そうだな?」
「えっ?」
「お前は俺専用の女戦闘員だと言ったんだ」
「あ・・・はい。私はムカデ男様専用の女戦闘員です」
うるんだ目で俺を見る64号。
学校では今まで通り擬態を続けてはいるものの、夜はこうして俺の家で楽しむことが当たり前になっている。
着替えも俺の家でするようにさせているので、夜の学校にわざわざ行く必要はない。
そのうち64号に両親を始末させ、俺の家にずっといるようにさせるのもいいかもしれない。
そうなればもっとこの躰を楽しむこともできるというもの。
まあ、おかげでクモ女あたりに任務をおろそかにしないでねと釘を刺されたりするのだが、かまうものか。
俺の好き勝手にさせてもらうさ。
「あ・・・ダメです」
俺は爪で64号の戦闘員スーツの股間部分に切れ目を入れる。
スーツなどまた用意してやればいい。
俺は股間のモノを外皮の隙間から覗かせると、屹立したそれを彼女の内膣へと突き立てていく。
「ひゃ、ひゃん! あ・・・」
躰を震わせ、喜んで俺のモノを下の口で飲み込んでいく64号。
さて、楽しい夜はこれからだ。
たっぷりと楽しませてもらおうか。
俺は64号の上でゆっくりと腰を振り始めるのだった。
END
以上です。
いかがでしたでしょうか?
よろしければ、コメントなど感想をいただければ嬉しいです。
それではまた次作をお楽しみに。
ではではー。
- 2019/10/12(土) 21:00:00|
- 女幹部・戦闘員化系SS
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昨日、10月10日は千十(せんとお)で「(特撮系)戦闘員の日」ということで、女戦闘員のSSを一本投下させていただきましたが、一本だけじゃちょっと寂しくありませんか?
ということで、10月10日から17日までは「(特撮系)戦闘員の日週間」と範囲を広げちゃいまして、今日と明日でSSを一本前後編で投下したいと思います。
今日はその前編です。
タイトルは「彼女は女戦闘員」です。
はい、タイトルそのままです。
ややラブコメっぽい仕上がりになっていると思います。
いつもとはちょっと違った話になっているとは思いますが、お楽しみいただけましたらうれしいです。
それではどうぞ。
彼女は女戦闘員
「嘘・・・だろ?」
俺は愕然とする。
時計を見たら夜中の1時。
なんでこんな時間まで俺は眠りこけていたんだ?
しかも学校の中で?
えええええ?
えーと、昨日は明け方までゲームしてました。
ほぼ徹夜で学校来ました。
午前中何とか授業を受けました。
お昼食べたらもう眠くてどうしようもないので、用具室で昼寝しようと思いました。
気が付くとこんな時間でした。
ってか?
やべぇ。
どうせなら朝まで目が覚めないほうがよかったんじゃね?
今から帰れるのかな?
玄関開いているのかな?
はあ・・・
まあ、とりあえず教室行ってカバン取ってこなきゃ。
俺はとりあえず用具室から出て教室へ向かう。
夜の学校ってシーンとして気味悪いなぁ。
電気点けてもいいのかなぁ?
外からの月明かりや街灯の明かりが入ってくるから、廊下が暗くて歩けないってわけじゃないけど・・・
とにかくさっさとカバン持って玄関行ってみるか。
鍵がかかってたらどうするかだなぁ・・・
「ひっ!」
「えっ?」
教室の扉を開けた俺は、予想外のものを見てしまう。
女子が一人、それも奇妙な格好をした女子が教室にいたのだ。
首から下がほとんど裸みたいに見える黒い全身タイツのようなものを着た女子が。
な、なんだぁ?
「い、いいいいい・・・」
「は?」
「いいいいいやぁぁぁぁぁぁぁ!」
「わあっ」
突然大声をあげる女子に、俺は思わずびっくりする。
彼女の方も俺を見た眼鏡の奥の目が驚愕に見開かれていた。
「みみみみみみみみ」
「な、なんだ?」
「見ーらーれーたぁぁぁぁぁ!」
いや、そりゃ見ちゃったけどさ・・・
「あああああああ、まずいまずいまずい、私が女戦闘員であることを見られたぁぁぁぁ!」
「へ?」
女戦闘員?
女戦闘員って、あれですか?
特撮とかに出てくる下っ端ですか?
彼女が?
って、よく見たら、彼女は同じクラスの鴇沢(ときざわ)さんじゃないか?
なんで彼女がこんな時間に教室にいるんだ?
しかもそんな躰のライン丸出しみたいな全身タイツを着て。
「鴇沢さん?」
「ああああああああ、私の名前まで知ってるぅぅぅぅぅぅ! 始末? 始末するしか? 始末するしかないぃぃぃぃ?」
えええ?
始末って?
始末ってドラマとかで言う殺すって意味か?
俺を殺すっていうこと?
マジですか?
ひゅっと音がして、俺の脇をナイフのようなものがかすめる。
マジなのかよぉ!
「ま、待て! 待って!」
俺は慌てて両手を前で振る。
「始末・・・始末しなくちゃ・・・私がトテンコプの女戦闘員だと知ったものは始末しなくちゃ・・・」
眼鏡の奥の目を血走らせ、俺を睨みつけるように向けてくる鴇沢さん。
まずい。
このままじゃ本当に殺されかねない。
どうしたら・・・
「待てって女戦闘員!」
ぴくっとなって動きが止まる鴇沢さん。
ダメもとで言ってみたけど、いやマジで彼女は本当に女戦闘員だっていうのか?
なんかの特撮の撮影かなんかじゃないのか?
でも、何とかこの場を切り抜けなきゃ。
「女戦闘員! お前の番号は?」
確かテレビでは戦闘員って番号とかで呼ばれていたりするよな。
彼女にも番号があるのかどうかはわからんけど、とにかく俺は番号を訊いてみる。
「ヒャ、ヒャイーッ! 私は女戦闘員64号です!」
いきなり気を付けをして右手を胸に当て、番号を言う鴇沢さん。
番号あるのかよー。
ど、どうしよう・・・
ここは合わせたほうがいいかなぁ・・・
ええい、ままよ!
「よし、ご苦労。警戒を解け。俺は敵じゃない」
「敵じゃ・・・ない?」
キョトンとする鴇沢さん。
眼鏡の奥の目が困惑している。
そりゃそうだよなぁ。
うーん・・・
「ああ、俺は敵じゃない。実は俺も組織の一員だ」
うう・・・そんなこと言って大丈夫か?
でも、ただの人間ですと言っても逃がしてもらえそうもないしなぁ。
何とかごまかして・・・
「組織の? 友倉(ともくら)君もトテンコプのメンバーなの?」
あ、よかった・・・俺のことは友倉圭太(けいた)ってわかってくれていたか。
「あ、ああ」
こうなりゃ何とか仲間だと思ってもらうしかないな。
「よかったぁ・・・私もうどうしようかと思って・・・」
そのままぺたんと床にへたり込んでしまう鴇沢さん。
ありゃ、彼女の方もかなり緊張していたのか。
それにしても目のやり場に困る・・・
完全に躰のライン丸出しの黒い全身タイツにブーツと手袋、それに怪しげな紋章のベルトですか。
まさに特撮の女戦闘員そのまんまじゃないですか。
まさかそんなのが実際にいるなんて・・・
「そ、それで友倉君も戦闘員なの?」
う・・・
戦闘員だと俺も同じような全身タイツを持っていないとやばいかな?
どうしよう・・・
「い、いや・・・俺は・・・俺は・・・俺は怪人だ!」
うう・・・
なんかどんどんドツボにはまっていっているような気がするのは気のせいか?
「か、怪人?」
鴇沢さんの目が丸くなる。
「し、失礼いたしました! ヒャイーッ!」
いきなり立ち上がって右手を胸に当て奇声を上げる鴇沢さん。
「わ、私、新入りなもので怪人様とは全く存じ上げず・・・その・・・ご無礼をお赦しください!」
目を潤ませて思い切り頭を下げる鴇沢さん。
うひゃー。
これはこの組織は相当に上下関係が厳しい感じ?
「だ、大丈夫だから。問題ないから。赦すから」
「ヒャイーッ! ありがとうございます、怪人様」
ホッとしたように表情が緩む彼女。
う・・・なんというかかわいい。
考えてみれば、鴇沢さんはクラスでも目立つ子じゃなかったから、今まで気にしたことなかったなぁ。
こうしてみると結構かわいいよなぁ。
「あ、いけない! 私ったら」
鴇沢さんが慌てたように机の上のカバンから何かを取り出す。
俺が何だろうと思っていると、彼女は眼鏡をはずしてそれを頭からかぶり、目だけが覗くようなマスク姿になる。
「ヒャイーッ! 正装もせずに失礼いたしました。あらためまして私は女戦闘員64号です。よろしくお願いします」
なるほど・・・そのマスクをかぶった姿が正しい女戦闘員の格好というわけね。
なんだかすごくエロくてたまらないんですけど。
うう・・・勃ってしまいそうだ・・・
「あ、ああ、こちらこそよろしくな」
俺はできるだけ冷静になろうとそう答える。
「あの、怪人様?」
「ん?」
「怪人様も任務を終えて学校に着替えに?」
あー、なるほど。
彼女は任務を終えてここで着替えていたのかー。
その途中で俺が入ってきてしまったと・・・
「あ、いや、俺は・・・」
「あ、そうですよね。怪人様は着替えるというよりも擬態ですもんね」
うはぁ・・・ということは、人間に擬態した怪人がこの世にいるってことかよ。
ヤバいだろ、それ・・・
「ま、まあな」
擬態なんかできませんけどね。
「すごいです。私今まで全く友倉様が怪人様だったなんてわかりませんでした」
両手を胸の前で組み合わせて何やら感動しているみたいですけど、俺自身自分が怪人だなんてそんなこと今の今までわかりませんでしたよ。
「そ、そっちこそ教室で着替えたりしていたのか?」
「はい。うちで着替えたりしたら親にバレちゃうかもしれませんから。そうしたら始末しなくちゃならなくなりますし」
う・・・そうだよなぁ。
もう俺もいまさら嘘でしたなんて言えないよぉ。
「じゃあ、親はえっと、64号でいいんだっけ? が女戦闘員だとは知らないわけだな?」
「もちろんです。知られないようにしています。組織のことを知られるわけにはいきませんから」
「そ、そうか・・・」
な、なんだろう・・・
なんか彼女の秘密を知ってしまったようなそうじゃないような・・・
うう・・・
それにしてもその格好は目の毒だよ。
彼女すごくエロい躰しているのなぁ・・・
「もしかして怪人様も?」
「あ、ああ、親に知られるわけにはな」
「怪人様もそうなんですね。うふふ」
「どうした?」
「あ、すみません。その気になれば人間など一捻りであるはずの怪人様が、親に隠れてトテンコプの任務に就いていらっしゃるかと思うと、何か親近感が湧いて・・・」
マスク越しでもわかる笑顔。
なんだよ。
かわいすぎるじゃないか、彼女。
「そりゃ、一応高校生のふりをしているからな」
「ですよね。私もまじめな女子高生を演じるように頑張ります」
「あ、ああ」
彼女が普段目立たないのは演技なのかな?
「ところで怪人様、怪人様は何モチーフの怪人様なのですか?」
「モチーフ?」
やべ・・・モチーフってなんだ?
「私が直接お仕えする怪人様はクモ女様なんです。だからほら、胸にクモのマークが」
ああ、胸のところの赤いマークはそれか。
確かにクモの形が胸に・・・
うう・・・
おっぱいがもろにそのままの形でタイツに浮き出ているよ・・・
「ああ・・・そ、それは・・・」
どうしよう・・・
下手なモチーフを言ってしまうとやばいかも・・・
「それは?」
「それは・・・新入りの女戦闘員などにはまだ教えられん」
「あっ、し、失礼いたしました。クラスメートだからついなれなれしく・・・申し訳ありません」
ぺこりと頭を下げ、見た目にもわかるほどに肩を落とす彼女。
「いやいや、気にするな。俺もクラスメートに仲間がいてうれしい」
「ありがとうございます。何かお役に立てることがありましたら、何なりとご命令ください」
「あ・・・ああ・・・」
俺が気にするなと言っただけで、ぱあっと明るい表情になる彼女。
「ま、まあ、それはともかく、さっさと着替えて帰らないとやばくないか?」
「あ、ヒャイーッ! すぐに着替えます」
彼女はすぐにマスクを脱ぎ、手袋を外して背中のファスナーを下ろし始める。
「わっ」
俺は慌てて教室の外へと飛び出した。
******
結局俺は彼女が着替え終わるのを廊下で待つ。
月明かりに照らされた廊下。
これからどうしたものか・・・
それよりも、悪の組織だの女戦闘員だの何かの冗談じゃないのかとも思う。
まあ、彼女なら、冗談だったとしても最後まで付き合ってやってもいいかもしれないけどさ。
「お待たせしました、怪人様」
教室から制服に着替えた彼女が出てくる。
普段教室で見かける彼女だ。
女戦闘員だなんてホント何かの冗談としか思えない。
「どうぞ」
差し出される俺のカバン。
「あ、サンキュー」
そうそう、このカバンを取りに来たんだったっけ。
「怪人様もお帰りになられるのですか?」
廊下を歩く俺に付き従うように一歩下がって歩いてくる彼女。
「その怪人様っていうのはやめようよ。友倉でいいから。それに・・・隣を歩いてくれると嬉しいな」
「よろしいのですか? 怪人様の隣を女戦闘員の私が歩いても」
「いいから。それに怪人様はやめろって」
「かしこまりました、怪人様」
うはぁーーー!
人の話を聞けー!
でもなんだかゾクゾク来る。
女の子に様付けで呼ばれるなんて、それなんてエロゲですか?
たまりませんです。
「いや、だから友倉君でいいよ・・・」
惜しいけどな・・・
「かしこまりました、怪人様」
ダメだこりゃ。
まあ、おいおい直してもらえばいいのか・・・
とりあえず俺の言ったとおりに俺の隣を歩いてくれる鴇沢さん。
確か鴇沢澄恵(すみえ)さんだったな・・・
どうして彼女が女戦闘員になんてなったんだろう・・・
驚いたことに玄関は開いていた。
鴇沢さんが言うには、トテンコプが手を回してくれているらしい。
なので、彼女も着替えるのにここを使っているのだとか。
おいおい・・・
学校が悪の組織に利用されているのかよ。
日本は大丈夫なのか?
******
「圭太! 起きなさい!」
俺は母さんの声で目を覚ます。
もう朝かぁ。
昨日は学校で夜中まで寝ていたけど、やっぱり朝は眠いよ。
そういえば結局あのあと俺たちは、普通にクラスメートが通学路で別れるようにして帰ったんだっけ。
家に帰ってきたら父さんも母さんも寝ちまっていたし・・・
息子が帰ってきてないのに心配じゃなかったのかよ。
そりゃ、時々友達のとこに遊びに行ったまま帰ってこないこともあるけどさ。
んで、結局俺は夕食を食べ損ねていたので、夜中に冷蔵庫をあさる羽目になったんだよな。
いつもと同じように支度をして学校に行く俺。
校舎を見てもなんだか昨晩のことがあったからか、少し違う雰囲気にも感じるな。
ここで鴇沢さんがあんな格好を・・・
彼女かわいかったなぁ・・・
あの女戦闘員の格好もう一回見られないかなぁ・・・
「おはよう」
俺はいつものように教室に入って席に着く。
「おはよう」
「おはよう」
これまたいつものようにクラスメートたちが俺に挨拶を返してくる。
全く何も変わらないいつもの光景。
そういえば、結局昨日はゲームやらずに寝ちゃったな。
まあ、あんなことがあったし・・・
脳裏に浮かぶ鴇沢さんの全身タイツ姿。
正直に白状すると、俺は布団に入っても全身タイツ姿の鴇沢さんのことが頭から離れず、しばらく寝られなかったんだよなぁ。
俺は席に座っている鴇沢さんの後姿に目を向ける。
もちろんいつもの制服姿で、髪は栗色のショートカット。
ここからは見えないが眼鏡をかけていて、まじめそうだけど、笑顔はとてもかわいい。
うん・・・
なんで俺は今まで彼女のかわいさに気が付かなかったんだろうな。
おとなしくて目立たなかったからかなぁ。
俺はもう一度彼女と何か話そうと、機会をうかがってみる。
残念ながら休み時間には無理だったものの、お昼休みに彼女が一人で教室を出ていくのに気が付いた。
これはチャンスだ。
俺はそう思い、彼女の後を追いかけてみる。
たぶんトイレか何かだと思うけど・・・
と思って廊下に出たものの、彼女の姿が見当たらない。
「あれ?」
しまった・・・
昼休みの廊下は行き来する生徒たちでいっぱいなのだ。
ちょっと目を離しただけで見失ってしまうには充分か。
うーん、残念。
仕方なく俺は自分のトイレを済ませると、適当に彼女を探しつつ教室へ戻る。
「まだ戻ってないか・・・」
入り口から彼女の席を確認すると、まだ席には戻っていない。
どこへ行ったんだろう・・・
「うわっ」
「キャッ」
突然背中にドンと誰かがぶつかってきた。
「わ、ごめん。俺が入り口で突っ立ってたから」
俺はすぐさまその場をよける。
「い、いえ、こちらも前をしっかりと・・・」
ぶつかったことに驚いた表情で俺を見る女子生徒。
眼鏡の奥の目がとてもかわいい。
って、あれ?
「鴇沢さん?」
ちょうど戻ってきて入り口にいた俺にぶつかったのか?
「か、怪人様?」
「わ、わ、わぁ! ちょっとこっちに来て」
俺はびっくりして鴇沢さんの手を引っ張るようにして連れていく。
背後が何かざわめいたようだが知ったことか!
そして渡り廊下につながる人気のないあたりまで二人で来る。
「あ、あの・・・怪人様?」
「わぁ、ごめん」
俺は慌てて手を離す。
夢中で鴇沢さんの手を引っ張ってきてしまった。
「いえ、問題ないです。それで私に何か?」
やや緊張した感じの鴇沢さん。
そりゃそうだよな。
いきなり引っ張ってこられたんだもん。
「あ、あの・・・」
「はい」
「その・・・」
「はい」
うー・・・なんで言葉が出てこないんだ?
「ほ、放課後・・・時間ある?」
「放課後ですか? はい。バイト行くまでの間は大丈夫ですが」
「じゃ、じゃあ・・・どっかなんか食いに行かない?」
「食べにですか? はい、喜んで」
やったー!
にっこり微笑んでくれる鴇沢さん。
その笑顔がとてもかわいい。
「ほ、ほんと? いいの?」
「もちろんです。何かの任務なのですよね? 怪人様のお手伝いができるのは光栄です」
あー・・・
そう来ましたかー・・・
まあね・・・
うん・・・
怪人の命令には逆らえないよね・・・
あーあ・・・
「あの・・・どうかなさいましたか、怪人様?」
「あ・・・いや」
えーい、くそ!
鴇沢さんと過ごせるならそれでもいいや!
ちくしょー!
なんでこんなもやもやするんだよ。
「それじゃ放課後に」
俺は彼女にそれだけ言って、そそくさと教室に戻る。
くそー!
俺は怪人なんかじゃねーぞ!
とは毒づいたものの、鴇沢さんと一緒にいられるというのはやっぱり楽しみなわけで、俺は午後の授業そっちのけで放課後を待つ。
クラスの連中に何か言われるのも面倒なので、俺は放課後になったらさっさと外に出て校門のところで彼女を待つ。
しばらくすると彼女が来てくれて、俺はホッとした。
もしかしたら来てくれないかもと思ったのだ。
「お待たせしました」
そう言ってぺこりと俺に頭を下げる彼女。
「いや、全然。来てくれてよかった」
「それは当然怪人様のご命令ですから来ますよぉ」
笑顔を浮かべる鴇沢さん。
う・・・素直に喜べないなぁ。
俺は手っ取り早く彼女を連れて近所のハンバーガーショップに行く。
そういえば彼女はこのあとバイトがあるとも言っていたし、店選びに時間をかけているわけにもいかないだろう。
「おごっていただいていいんですか?」
「いいよいいよ。遠慮なく」
ハンバーガー代くらいはいくらでも出すよということで、俺は二人分の会計を済ます。
その間に彼女は席を取っておいてくれたようだ。
俺は用意された二人分のハンバーガーセットを持って彼女のところに行く。
「それじゃいただきます」
ぺこりと俺に頭を下げ、ポテトを口に持っていく彼女。
ダメだー。
なんというか仕草の一つ一つがかわいい。
完全的に俺、彼女に参っている・・・
「どうかしましたか? あ、もしかしてまだ食べちゃいけませんでした?」
「いやいやいや、そんなことないから。どんどん食べていいから」
俺もハンバーガーにかぶりつく。
でも、味なんてわかんねぇよ。
「ところで、バイトって何やっているの? やっぱり悪の組織の?」
俺は話のきっかけにと思い、バイトのことを尋ねてみる。
「あ、ご存じなかったですか? バイトっていうのはあくまでも見せかけで、実際は訓練と待機時間になっているんです。バイトって言っておいた方が両親とかごまかせますし」
あー、なるほど。
「でもバイト代とか出ないと怪しまれない?」
「バイト代じゃなく任務の報酬はちゃんと出ますよ。バイト代よりもずっといいです。怪人様は出ないのですか?」
「あ・・・えー・・・いや、出るよ。出るけど女戦闘員はどうなのかなーと」
報酬が出る悪の組織なのかー。
「出ますよ。こうやって人間社会に紛れ込むためにもお金は必要と首領様もおっしゃってますし」
もぐもぐとハンバーガーを食べている鴇沢さん。
そりゃそうか。
戦闘員も怪人も人間社会で暮らすには金が要るか。
「いつも夜中に学校に?」
毎日あんな感じで夜中に学校にいるんじゃ、結局親に怪しまれるんじゃないか?
「いいえ。昨晩は練習でしたので。任務に向けてのクモ女様との連携の訓練のために」
「そうか・・・って、もしかしてうちの学校にほかにも怪人や戦闘員がいるのか?」
「えーと・・・言ってもいいのかな? クモ女様がいます」
「えええええ?」
ちょっと待て。
うちの学校に怪人がいるのかー?
「ご存じなかったのですか?」
「え、いや、ほら、俺は単独行動専門で別ルートからこっちに来ているからさ。まさか付近に仲間がいるとは思ってなかったんだ」
うう・・・どんどんドツボにはまっていく・・・
バレたらただじゃすまないかも・・・
「そうでしたか。もし、私でお役に立てるのでしたら、何でもご命令ください。クモ女様にもそうするように言われましたので」
「へ?」
「今日の昼休みに怪人様の件をクモ女様にご報告いたしました。クモ女様も近くに仲間がいるなんて聞いていなかったけどうれしいわ、そばにいて協力してあげてねと」
うはぁ・・・
そんな報告しちゃったんですかぁ?
もしかして俺って、かなりヤバくね?
これは正直に言った方がいいのかも・・・
「あ、あのさ・・・」
「はい、なんでしょうか?」
眼鏡の奥のくりくりした目が無邪気に俺を見つめてくる。
「その・・・もし・・・もし昨日あの場に入ってきたのが、怪人じゃなかったらどうしていた?」
「もちろん始末します。昨日は慌ててしまったのでナイフとか血しぶきが飛び散っちゃうような武器を使おうとしちゃいましたけど、次は落ち着いてロープなどで絞め殺そうと思います。あとで自殺に見せかければよいかと」
全く答えにためらいがない。
ダメだー・・・
俺、実は怪人じゃないんだ・・・なんて言おうものなら、“自殺”することになってしまう・・・
「そ、そうか」
「でもよかったです。昨日入ってきたのが怪人様で。そうじゃなかったら私、クモ女様に叱られてしまうところでした」
なんていう屈託のない笑顔。
俺が怪人じゃないとは全く疑っていないのか?
俺、怪人だという何の証拠も出していないんだぞ。
「そういえば、鴇沢さんはなんで女戦闘員なんかに?」
「はい? あ、私ですか?」
「うん」
そうだよ。
どうして彼女のような人が悪の組織の女戦闘員なんかやっているんだ?
「私は任務中のクモ女様を見てしまいまして。それで死ぬかトテンコプの一員となるか選びなさいと言われました」
「それで・・・」
「はい。死ぬのは嫌だったので、トテンコプの一員になりました。でも、おかげで女戦闘員として肉体の強化もしていただきましたし、理想の世界を作る首領様のお手伝いをすることもできるようになりました」
目を輝かせる鴇沢さん。
「じゃあ、女戦闘員になったことは後悔してない?」
「もちろんです。後悔なんてするはずがありません。私は女戦闘員であることに喜びを感じてます。怪人様にも鴇沢なんて言う人間名じゃなく女戦闘員64号って呼んでほしいです」
えええ・・・
いや、それはなぁ・・・
「64号・・・?」
俺は小声でそっと呼んでみる。
「はい! 怪人様!」
まるで子犬が喜んでいるみたいに明るい表情をする彼女。
ぐわー。
こんなに喜ばれたら、もうそう呼ぶしかないじゃん。
あああ・・・
もうダメだぁ・・・
「あっ、私そろそろアジトに行って待機しなくては。行ってもよろしいでしょうか?」
スマホで時間を確認する彼女。
「うん。いいよ」
本当はもっとお話ししたいところだったけど、仕方がない。
「ありがとうございます。それでは失礼します。ごちそうさまでした」
ぺこりと頭を下げる彼女。
「気を付けて、64号」
「ヒャイーッ! ありがとうございます、怪人様!」
突然立ち上がって右手を胸に当て奇声を発する鴇沢さん。
やべぇ!
周囲の人々が何事かとこっちを見る。
「あわわわ、し、失礼しましたぁ!」
俺は慌ててトレイとごみを片付け、急いで彼女を連れて店を出る。
ひー!
視線が痛いー!
「す、す、すみません。私、新米なもので怪人様に64号って呼んでもらえてすごくうれしくて、つい・・・」
しょぼんとしょげている鴇沢さん。
「いや、いいよ。俺もちょっとびっくりしたけど。まあせっかく擬態しているんだし、お互いできるだけ擬態しているときの名前で呼び合った方がいいかもな」
「はい・・・気を付けます」
「うん。気を付けてくれればそれでいいから。じゃ、俺はここで。また明日」
「はい。また明日よろしくお願いします。怪人様」
そういって頭を下げ、テテテテと走っていく彼女。
あーあ・・・
俺はどうしたらいいんだろう・・・
******
「さすがに昨日の今日じゃ、いないかな?」
一度は布団に潜り込んだものの、結局眠れなかった俺は夜中の学校にやってくる。
校門は閉まっているようだし、誰かがいるような気配も・・・
窓からは非常口を示す緑色の明かりや、消火栓の位置を示す赤ランプの明かりが漏れているぐらい。
まあ、昨晩だって明かりは点けなかったから、いるとしたって明かりが点いているはずはないんだけど・・・
「あれ? もしかして怪人様ですか?」
「えっ?」
振り向いた俺の前には、全身を黒い全身タイツで覆い、目だけを出したマスクをかぶった女戦闘員が立っていた。
「と、鴇沢さ・・・いや、ろ、64号か?」
「ヒャイーッ! はい、私は女戦闘員64号です!」
ぴしっと背筋を伸ばして気を付けをし、右手を胸に当てる64号。
「わ、バカ! 大声を出すな!」
「あ、すみません」
慌てて自分の口をマスクの上から押さえている彼女。
「いや・・・大丈夫そうだ。任務・・・終わったのか?」
俺は周囲に何の反応もないのを確かめると、声を潜めてそう尋ねる。
学校の周囲が雑木林でよかったよ。
「ヒャイーッ! 任務と言いますか昨日と同じく訓練でした」
俺と同じように彼女も声を潜めて答える。
会えたのはうれしいけど、とりあえずここにいるのはまずいだろう。
学校の中に入った方がよさそうだ。
「今日も着替えに戻ってきたのか?」
「はい。制服が教室にありますので」
「じゃあ、行こう」
「はい、怪人様」
うなずいて俺のあとについてくる64号。
とはいうものの、校門は閉まっているしどうしたら・・・
「怪人様?」
どうしたものかときょろきょろしていた俺に、彼女が声をかけてくる。
「あ、ああ、校門がしまっているからどうしようかと・・・」
「あっ、失礼いたしました。怪人様は擬態していらっしゃったんでしたね。少々お待ちを」
彼女はそういうと、すぐにスススッと走ってジャンプする。
「何っ?」
驚いたことに、彼女は背丈以上の高さの校門をあっという間に飛び越えてしまったのだ。
そして校舎側に飛び降りると、すぐに校門を開けてくれる。
「すごいな・・・」
「お待たせしました。どうぞ」
「あ、ああ・・・」
俺は彼女が開けてくれた校門を通って敷地内に入り、そのまま校舎に入り込む。
やはりトテンコプとやらが玄関を開けておいてくれているのだろう。
俺たちは昨日とは逆に夜の廊下を教室に向けて歩いていく。
最初は俺の背後に付こうとした64号だったが、俺が隣を歩くように指示をする。
それにしても、彼女の着ている戦闘員の衣装は躰のラインがめちゃめちゃ強調されて、毎度目のやり場に困ってしまう・・・
並ぶと彼女の胸がドンとせり出しているのも一目瞭然だし・・・
「怪人様も任務だったのですか?」
「あ・・・いや・・・うん・・・」
本当は彼女に会いに来たんだけど・・・やっぱりそう言うのは照れ臭い。
「お疲れ様です。単独任務は大変ではありませんか?」
マスクをかぶった顔が俺の方を向いている。
不思議なもので、布が全部覆い隠しているのに、鼻や口の動きとかで、彼女の表情を感じ取れる。
「いや・・・まあ・・・大したことは・・・」
うう・・・
俺が本当はただの人間で、怪人なんかじゃないとバレたらどうなってしまうのだろう。
階段上って廊下を歩いて俺たちは教室の前に来る。
「それじゃ、すぐに着替えてきますので少々お待ちください」
そう言って教室に入ろうとする64号。
「あ・・・待って」
「はい?」
あ・・・
う・・・
彼女が俺の方を見ている。
うう・・・
「その・・・もう少し・・・」
「はい」
「もう少し・・・その恰好の64号を見て・・・いたいんだけど・・・」
ううう・・・
言ってしまった・・・
変態じゃん俺・・・
でも・・・
でも・・・
すごく魅力的なんだよ、その恰好・・・
「はい・・・いいですけど」
キョトンとしたまま窓から差し込む光の中に立っている64号。
美しい・・・
普段見る制服姿とは全く違う・・・
首から肩、そして脇から腰を通って足へと流れるライン。
括れた腰を強調するベルト。
たわわな胸に貼り付いたかのようなクモのマーク。
なんというかたまらない。
ヤバい・・・
あそこがヤバいことになってきた・・・
「も、もういいよ」
「あ、はい」
よくわからないという感じで首をかしげながら教室に入っていく64号。
ふう・・・
まずいよこれ・・・
俺完全に変態じゃん。
全身タイツ姿の女性にこんなに見惚れちゃうなんて・・・
ヤバすぎる・・・
それにズボンの中ではちきれそうになっているこっちもヤバい・・・
「ご、ごめん。俺先に帰るから。ごめん。また明日」
俺は教室の中で着替えている64号にそう声をかけ、返事も聞かずにその場を後にする。
これ以上ここにいたらどうなっちゃうかわからない。
ヤバいヤバいヤバい。
俺はとにかく一目散に家に帰ることだけを考えた。
******
(続く)
- 2019/10/11(金) 21:00:00|
- 女幹部・戦闘員化系SS
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今日は10月10日です。
この数字にちなんで「目の愛護デー」ですとか「トートバッグの日」ですとか「トマトの日」なんて言う記念日もあるようですが、1010を千十(せんとお)と読ませて「銭湯の日」でもあったりするわけです。
で、1010を千十(せんとお)と読ませるのであれば、当然私などはごろ合わせで「(特撮系の)戦闘員の日」としたいわけでして、数年前から勝手にこの「戦闘員の日」を提唱させていただいておりました。
おかげさまで最近はこの10月10日は「(特撮系)戦闘員の日」というのも、それなりに知っていただけているようで、何人かの方々に賛同していただいたりしているようでありがたい限りです。
ということで、もちろん私も何か作品を上げないわけにもいきませんので、短編SSを一本投下いたしたいと思います。
タイトルは「脱出を試みる女たち」です。
楽しんでいただけましたら幸いです。
それではどうぞ。
脱出を試みる女たち
「ああ・・・ダメだわ。ここも見張られているみたい」
廊下の角から奥をそっと覗き込んだ古和(ふるわ)先生ががっかりとうなだれる。
「先生・・・」
「そんな・・・」
私はあきらめきれずに、先生と入れ替わるようにしてそっと角から覗いてみる。
ああ・・・そんな・・・
あの女たちが三人もいるなんて・・・
そこは普段使われることのない非常口の一つ。
何か災害があった時のために設けられている出入り口。
そんな非常口の前にも、あの女たちが三人も配置されているとは・・・
いったいあの人たちは何者なの?
目だけが覗く黒いマスクで頭を覆い、首から下も躰のラインがあらわになるレオタードのような衣装を身に着け、脚には網タイツを穿いている。
腰には大きなバックルの付いたベルトを嵌め、両手両足は黒い手袋とブーツを着け、背丈ほどもある棒を一本武器として持っているのだ。
女たちは全員同じ格好をしており、日本人なのか外国人なのかさえわからない。
一応は日本語をしゃべるようだけど、外国人だって日本語を上手にしゃべる人は大勢いるし。
わかっているのは、彼女たちが私たちをこの校舎に押し込め、どこにも出られないようにしているということと、デクダルンという国だか組織だかに属しているらしいということだけ。
いったいどういうことなのだろう・・・
「先生・・・」
「先生・・・」
美羅(みら)ちゃんも亜寿香(あすか)ちゃんも不安そうな顔で先生を見つめている。
でも・・・先生だってきっと不安に違いない。
どうしてこんなことになってしまったのだろう・・・
わからないことだらけだ。
私たちは林間学校で、今はそういう行事のための宿泊用となっているこの廃校舎にやってきた。
校舎の周りの林を散策したり、みんなで夕食を作って食べたり、校庭でみんなで遊んだり楽しい時間を過ごしていたのに、二日目の夜に突然あの女たちが現れて、私たちをこの校舎に閉じ込めてしまった。
逃げ出そうとした人は何人もいたけど、悲鳴が聞こえてそれっきり。
男子と女子は校舎の両端に分かれるようにさせられ、男子がどうしているのかはわからない。
もしかしたら・・・もう・・・
私は不吉な思いを振り払うように首を振る。
先に逃げた人たちが何人かは無事に逃げ出せているかもしれない。
もしかしたら助けが来るかもしれない。
でも、だからと言ってじっとしているわけにもいかないわ。
何とかここから逃げださなきゃ。
私は、古和先生が逃げ出せそうなところを見つけてくるというので、一緒についてきた。
ほかの人たちのように部屋でじっとしているなんてできないもの。
できるだけのことはしたいじゃない。
美羅ちゃんと亜寿香ちゃんも部屋でじっとしているのは嫌だと言ってついてきた。
何とかみんなで逃げ出せれば・・・
「でも、どうします先生? 玄関も裏口もあの人たちが見張ってますし、窓から逃げてもすぐに見つかってしまいます」
私は先生の決断を促す意味でもそう尋ねてみる。
実際に窓から逃げた男子もいたようだったが、すぐにあの女たちにつかまってしまったようだった。
だからこそ、この非常口は校舎の裏側にあたり、すぐに裏の林に逃げ込める。
できることならここから逃げ出すのが一番だろう。
でも・・・あの女の人たちに勝てるとは思えないし・・・
「私に考えがあるわ」
古和先生が立ち上がる。
「どうするのですか?」
「いつまでもここにいては危ないわ。こっちに来て」
先生が先に立って歩き始めたので、私も美羅ちゃん亜寿香ちゃんと一緒に後を追う。
やがて先生は元は物置か何かだったのかもしれない小部屋の中に入り、私たちもその後に続いた。
そこにはいくつか銀色に輝くトランクケースのようなものが並べられていた。
「これは?」
「朝に出口を探しているときに見つけたの。これを使えば何とかなるかも」
そういって先生がそのトランクケースの一つを開ける。
「えっ?」
「これって?」
私も亜寿香ちゃんも目を丸くする。
トランクケースの中には、あの女の人たちが着ていた黒い衣装が入っていたのだ。
黒いレオタードに網タイツ。
ブーツに手袋。
それに大きなバックルの付いたベルトと黒いマスク。
あの女の人たちが着ていた衣装一式が入っている。
「私がこれを着れば、奴らの仲間の一人と思わせられると思うの。それで私が何とか非常口を見張っている三人を別の場所に連れて行くから、あなたたち三人はその間に非常口から外へ出て裏の林に入り、街まで戻って警察に知らせてちょうだい」
先生がもう上着を脱ぎ始める。
「先生、危険です! もしバレたりしたら・・・」
「たぶん大丈夫。このマスクは目だけしか露出しないわ。だから着ているのが誰なのかなんてわからないと思う」
「でも・・・」
私も美羅ちゃんも亜寿香ちゃんも顔を見合わせるしかできない。
確かにマスクをかぶってしまえば誰が誰だかわからなくなるとは思うけど・・・
「これしかもう手はないわ。むしろあなたたちの方こそ気を付けるのよ。私は彼女たちが何の目的でこんなことをしているのか探ってみるわ」
スカートを脱ぎ、ブラウスも脱いでいく先生。
「先生・・・」
確かにこれしか方法はないのかもしれないけど・・・
「えーと・・・そろそろ後ろを向いててくれると助かるんだけど」
先生がにこっと笑みを見せる。
「あっ」
私たちは急いで先生に背を向けた。
「これを・・・んしょ・・・ん・・・次は・・・すごいすべすべ・・・気持ちいい・・・」
「先生?」
「あ、ごめん。なんだかこれすごく着心地がいいのよ。すごく躰にフィットする感じ。次はこれね・・・」
私の背後でごそごそと先生が着替えをしている。
あの女の人たちが着ていた衣装は、すごく躰のラインを強調するような衣装だった。
あんなの着たらとても恥ずかしい気がするけど、今はそれどころじゃないから、とにかく先生の格好を見ても気にしないようにしなきゃ。
「あ・・・ふ・・・はあ・・・ひゃ、ひゃん・・・ひゃいーーー!」
先生が突然大声を上げたので私はびっくりした。
「せ、先生? 大丈夫ですか?」
「先生?」
「先生? どうしたんですか?」
「・・・・・・何でもないわ。大丈夫よ」
落ち着いた声が返ってきて私はホッとする。
そして着替え終わったかどうか尋ねようとしたとき、先生は私たちの脇を通り抜けて自分から前に出てきた。
「さあ、行きましょう」
先生の格好はあの女の人たちと全く同じになっていた。
目だけが覗く黒いマスクをすっぽりと頭にかぶり、首から下は黒いレオタードを身に着け、脚には網タイツを穿いている。
腰にはベルトを嵌め、両手と両脚には手袋とブーツを着けていた。
唯一違うのは背丈ほどもある棒を持っていないだけで、なんというか雰囲気まで変わった感じがする。
制服の持つイメージのすごさだろうか。
私たちは先生の後について部屋を出る。
カツコツと先生の履いているブーツのヒールの音が響く。
「先生・・・足音が」
私が後ろから近寄って小声で声をかける。
足音が響いては気付かれてしまうのではないだろうか。
「大丈夫よ。心配ないわ」
すたすたと気にする様子もなく歩いていく先生。
もしかしたら、こそこそするほうがかえって怪しまれると考えているのかも。
私たちは先ほどの廊下の角まで来る。
ここを曲がればあの非常口だ。
先生はその先をちらっとだけ覗き、私たちの方を向く。
いつも冷静な先生の目がマスクの中から私たちを見つめていた。
「あなたたちはここにいなさい。いいわね」
いつもより威圧感のある先生の声に私たちはうなずき、姿勢を低くする。
そして先生が足音を響かせてあの女の人たちの方に行くのを、廊下の角からそっと覗き込む。
先生の予想通り、あの女の人たちは同じ衣装を着た先生が近づいても警戒する様子はない。
やがて先生は女たちのところに行くと、いきなり気を付けをして右手を斜めに上げた。
「ヒャイーッ! 私は偉大なるデクダルンの女戦闘員! 今日から皆様とともにデクダルンのために働きます」
えっ?
突然のことに私はびっくりする。
あれは先生がとっさに考えたことなの?
女戦闘員って何なの?
「ヒャイーッ! ご報告があります。あの廊下の角に脱走しようとしている女たちが三人います。すぐに取り押さえるべきかと」
右手を上げたまま私たちの方をちらっと見る先生。
う、うそでしょ・・・
そんな・・・
「ヒャイーッ! ご苦労! すぐに取り押さえよ!」
「ヒャイーッ!」
「ヒャイーッ!」
真ん中の女の命令に左右の女たちが右手を上げ、すぐに私たちの方へと走ってくる。
「逃げて!」
私は美羅ちゃんと亜寿香ちゃんにそう叫び、自分もとにかく走り出す。
うそでしょ・・・
先生が・・・
先生がそんな・・・
廊下を走って逃げる私たちの背後から女たちが追ってくる。
速い。
これじゃ追いつかれ・・・
「ガッ!」
突然全身に電気が走ったような衝撃を受ける。
思わずその場に倒れこむ私。
衝撃に気が遠くなりながらも見ると、女たちが持っている棒を美羅ちゃんや亜寿香ちゃんに向けていた。
「あ・・・う・・・」
ダメだ・・・声が出ない・・・
女たちの棒の先端から電気のようなものが走り、美羅ちゃんも亜寿香ちゃんも廊下に倒れこんでしまう。
「そ・・・な・・・」
「ヒャイーッ! 逃げられはしないわ。連れて行きなさい」
「ヒャイーッ!」
「ヒャイーッ!」
女たちが言葉を交わしあい、美羅ちゃんと亜寿香ちゃんを担ぎ上げる。
私は何とか逃げようとするけど、躰がしびれて動かない。
「あら、まだ意識があるのね。おとなしくしなさい」
私を抱え上げようと屈み込む黒いマスクの女。
その声に私は聞き覚えがあった。
「せ・・・せ・・・」
「ヒャイーッ! 私はもうお前たちの先生ではないわ。私は偉大なるデクダルンの女戦闘員。さあ、おとなしく来るのよ」
私の躰が抱え上げられ、私は意識を失った。
******
「は、放してー!」
「た、助けてぇーーー!」
美羅ちゃんと亜寿香ちゃんの声がする・・・
いったい何があったの?
私はいったい?
私はゆっくりと目を開ける。
ここは?
私は夢でも見ていたの?
でも、そんな思いはすぐに吹き飛んでしまう。
私の前には、十字架に磔になったような美羅ちゃんと亜寿香ちゃんがいたのだ。
しかも、二人ともあの黒いレオタードや網タイツを穿いており、その躰のラインがむき出しになっているではないか。
あの女たちと違うのは、目だけが出る黒いマスクをかぶっていないだけなのだ。
「美羅ちゃん! 亜寿香ちゃん!」
「伊代美(いよみ)ちゃーん」
「伊代美ちゃーん」
泣きじゃくる二人が私の名前を呼んでいる。
すぐさま二人の元へ駆け寄ろうとした私だったが、気が付くと私の両手両足も彼女たちと同じように固定されていて、しかも私も同じようにレオタードや網タイツを身に着けていた。
「う、嘘・・・これは」
私も二人と同じ格好をしているなど全然気づかなかった。
いつの間にこんな格好をさせられたというのだろう。
ともかく私は何とか自由になろうともがくが、手足の固定はびくともしない。
どうしたらいいの?
「ヒャイーッ! 目が覚めたようね」
磔にされている私の隣にあの女たちの一人がやってくる。
ほかの女たちと違って、レオタードの首元に赤いV字型のラインが入っている。
もしかしたらリーダーなのかもしれない。
私が何も答えずにいると、美羅ちゃんと亜寿香ちゃんのところにも女たちが近寄っていく。
その手には何か黒い布のようなものを持っていた。
あれは何?
「その服の着心地はどう? 躰にフィットして気持ちいいでしょう?」
私は無言を貫く。
でも、彼女の言う通りだった。
この服は躰にフィットして着ていることを感じさせないぐらい。
まるで第二の皮膚であるかのような感じさえする。
私はともすればこの服に気持ちよさを感じるのを、必死の思いで否定した。
「うふふふ・・・残念なことにマスクの洗脳能力は、対象が意識を失っているとあまり効果を発揮しないの。だからあえてお前たちが目を覚ますまで待っていたというわけ」
マスクの・・・洗脳能力?
それじゃ先生は・・・
あのマスクをかぶってしまったから、この女たちの仲間になってしまったというの?
私が愕然としていると、もう一人の女がそばにやってくる。
「マスクを持ってきたようね」
「ヒャイーッ! こちらにお持ちしました」
それは目だけが出る頭をすっぽりと覆う黒いマスク。
そしてそれを持ってきた女の人の声は・・・
先生の声・・・
「うふふふ・・・あそこにおいておけば、一人ぐらいは私たち女戦闘員に変装しようとして自分から着るのではないかという首領様のお言葉の通りだったわね。どう? デクダルンの女戦闘員になった気分は?」
「ヒャイーッ! 最高です。まるで生まれ変わったような気持ちです。デクダルンの女戦闘員であることがこれほど誇らしく素晴らしいことだったなんて・・・それに78号というナンバーも与えていただいて・・・ああ・・・幸せです」
うっとりとした口調で答えている先生。
ああ・・・もうあの先生はいなくなってしまったんだわ・・・
「うふふふふ・・・喜びなさい。この女だけでなく、お前たちも選ばれたのだから」
「選ばれた?」
どういうこと?
私たちも選ばれたとは?
「お前たちは部屋でおとなしくしているということをせずに、ここから脱走しようとした。そういう行動力のある女は偉大なるデクダルンの女戦闘員にふさわしい」
女戦闘員に?
ふさわしい?
まさか・・・
私たちも先生と同じように?
「うふふふふ・・・あなた方もすぐにデクダルンの女戦闘員になれるわ。このマスクをかぶればね」
赤いVラインの入った女が顎をしゃくってほかの女たちに指示をする。
「いやっ! やめてぇ!」
「いやぁっ!」
美羅ちゃんと亜寿香ちゃんに女たちがマスクをかぶせていく。
「美羅ちゃん! 亜寿香ちゃん! むぐっ!」
私にも先生がマスクをかぶせてくる。
私はなんとかかぶせられないようにと頭を動かすが、手足が固定されている以上それもわずかな抵抗でしかない。
「や、やめ・・・」
私の視界が黒い布でふさがれ、鼻も口も覆われていく。
首元までマスクが引き下げられると、目のところがのぞき穴に合わせられ、外が見えるようになる。
目が見えるようになりホッとしたのもつかの間、私の頭に声が響いてくる。
女戦闘員・・・
デクダルンの女戦闘員・・・
私はデクダルンの女戦闘員・・・
デクダルンに忠誠を誓い、首領様のために働くことが私の使命・・・
デクダルンに忠誠を誓い、首領様のために働くことが私の喜び・・・
やめ・・・やめて!
私の中に入ってこないで!
私は女戦闘員なんかじゃない!
私は女戦闘員なんかじゃ・・・
私は女戦闘員・・・
私はデクダルンの女戦闘員・・・
デクダルンに忠誠を誓い、首領様のために働きます・・・
デクダルンに忠誠を誓い、首領様のために・・・
手足の枷が外され、私の躰が自由になる。
私は手首をさすりながら、脇に置かれていた手袋を着け、ブーツを履いていく。
そして偉大なるデクダルンの紋章の付いたベルトを腰に巻き、デクダルンの一員になった喜びを感じていく。
そう・・・
私はデクダルンの女戦闘員。
偉大なる首領様の手足となって働くことが私の喜び。
なんてすばらしいのかしら。
首領様の命令なら何でもするわ。
私と同じように手袋やブーツ、ベルトを身に着け終わった二人もやってくる。
私の仲間たち。
これからはともに首領様のために働くのだ。
「「「ヒャイーッ!」」」
私たちは上級戦闘員であるC07号に右手を上げて敬礼し、服従の声を出す。
ああ・・・なんて気持ちがいいのだろう。
これまでの愚かな人間だった時のことなど洗い流されていくみたい。
もうそんな過去は思い出したくもないわね。
「ヒャイーッ! うふふふ、いい子たちね。今日からはお前たちも女戦闘員。偉大なるデクダルンのために働きなさい」
「「「ヒャイーッ! 仰せのままに!」」」
私たちは再び服従の声を上げる。
「それでいいわ。お前たちはこれからそれぞれ79号、80号、81号と名乗りなさい」
「「「ヒャイーッ! ありがとうございます!」」」
ああ・・・なんて嬉しい。
私にもナンバーをくださったんだわ。
私は81号というわけね。
なんて素敵。
私は女戦闘員81号。
私はデクダルンの女戦闘員81号よ。
デクダルンに栄光あれ!
******
「そっちへ行ったわ80号!」
「ヒャイーッ! 了解。うふふふふ・・・逃げられるとでも思っているのかしら」
80号の言うとおりだわ。
この周囲一帯はもう私たちデクダルンの制圧下。
逃げられるはずがないのに。
愚かな人間たち。
「いやっ、来ないで!」
地面に這いずりながら、必死で逃げようとする女。
哀れな女。
残念ながらお前は選ばれなかったのよ。
私たちのような女戦闘員にはね。
だから死になさい。
私はスパークロッドの先を女に向けてスイッチを押す。
「きゃぁぁぁぁ」
電撃が放たれて女が黒焦げになる。
うふふふふ・・・
これで不要な人間がまた一人消えた。
偉大なる首領様の求める世界にまた一歩近づいたわ。
ああ・・・
偉大なる首領様。
私にさらなるご命令を。
私は女を始末したことを報告するために、アジトへと戻るのだった。
END
以上です。
よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/10(木) 21:00:00|
- 女幹部・戦闘員化系SS
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今日も野球ネタですみません。
本日、北海道日本ハムファイターズは、来季のヘッドコーチ兼打撃コーチとして、今季まで中日ドラゴンズの二軍監督を務めていた小笠原道大氏が就任すると発表したというニュースが入ってまいりました。
おお、小笠原氏が日ハムに戻ってきますかー。
中日を退団したと聞いていたので、もしかしたら日ハムに戻ってくるという可能性もあるかなーとは思っていたのですが、コーチというのは盲点でした。
てっきり、戻ってくるとすれば監督だろうと思っておりましたので、栗山監督の続投で目はないなと思っていたものですから。
でも、戻ってきてくれてうれしいですね。
打撃コーチとして来てくださるとのことなので、今季長打が少なかったチームのホームラン数を増やせるような指導をお願いしたいですねー。
清宮選手あたりも打撃のヒントを得られるのではないでしょうか。
中田選手なども外から見た視点での指導で何かきっかけをつかめるかもしれません。
楽しみにしたいところです。
ほかのコーチ人事はどうなりますかね。
あとはドラフトも気になります。
清宮君は手術を決断したと言いますし、来季に向けての動きが加速してますね。
楽しみです。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/09(水) 18:24:41|
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プロ野球クライマックスシリーズは、昨日でファーストステージが終わりました。
セ、パ両リーグともにファイナルステージへ進出するチームが決まったわけですが、パ・リーグはシーズン2位のソフトバンクが進出し、セ・リーグはなんと阪神が進出です!
ヽ(´▽`)ノヤッター
相手が横浜DeNAでしたので、シーズンの対戦成績からいえば勝ち上がれるかもとは思っておりましたが、しっかり勝ち上がってくるとは!
やってくれますねぇ。
試合運びはまさに短期決戦向けの采配。
強みであるリリーフ陣をバンバン投入してのDeNA打線を抑えにかかる形でした。
三戦目では抑えの藤川球児投手を8回9回の二イニング投げさせるという、シーズンではなかなかやれない采配での逃げ切り。
本当に総力戦という感じでしたね。
これで明日からは巨人とファイナルステージです。
シーズン終盤から続いているリリーフ陣のフル回転の影響がやや心配ですが、ここで巨人を下せば面白いですねぇ。
まあ、本当はシーズン優勝の巨人が日本シリーズに行くべきとは思うのですが、こういう制度がある以上はできるだけ利用したいものですからね。
頑張れ阪神タイガース。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/08(火) 18:35:12|
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プロ野球の昭和の大投手、400勝を達成した史上唯一の投手である金田正一氏が、昨日お亡くなりになったそうです。
享年86歳とのことでしたので、うちの父と同い年だったんですね。
金田氏の現役時代は1950年代60年代と、私の生まれる前や直後でしたので、現役時代のことはほとんど存じません。
むしろロッテの監督時代の方が記憶にある感じでしょうか。
と言いましても、当時はパ・リーグはそれほど露出のなかった時代ですので、何か話題があるたびにニュースなどで見た程度だったと思います。
しかし、今回お亡くなりになられたということで、改めて現役時代のデータを拝見させていただきましたが、ホント驚きました。
金田氏の所属していた当時の国鉄スワローズは、決して常勝というようなチームではなく、むしろ弱くて下位に低迷することが多い球団でした。
そんな球団に所属しながら、勝ち星を重ねていったのですから、本当にすごいです。
一例をあげますと、1958年に金田投手はシーズンで31勝というすさまじい勝利数を上げているのですが、その年の国鉄スワローズの成績は、58勝68敗でセ・リーグ5位という成績で終わっています。
つまり、チームの58勝のうち31勝を金田投手お一人で稼ぎ出しているというわけで、すごいという言葉以外出てこないですよね。
恐ろしささえ感じますわぁ。
通算成績:400勝298敗、防御率2.34
お疲れ様でした。
ご冥福をお祈りいたします。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/07(月) 19:14:53|
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今日の阪神は残念ながら負けてしまいましたが、昨日のラグビー日本代表戦は見事に勝ちましたねー。
これで三連勝。
いよいよ決勝トーナメント進出も現実味を帯びてきました。
日本で開催されておりますラグビーのワールドカップ大会。
おかげでいまさらながらにラグビーというスポーツの面白さを感じておりますです。
けっこう戦略性の高いスポーツなんですねー。
ボールを持って強引に行くこともあれば、スクラムでそのまま押し込んだり、パスで両翼にボールを回してそこからの突破を狙ったり。
その駆け引きともいえるところがなかなかに楽しいなぁと思って中継を見ておりました。
日本代表はこれでロシア、アイルランド、サモアと破って三連勝。
次戦はスコットランドですね。
引き分け以上なら決勝トーナメント進出決定。
できれば四連勝で勝ち抜きたいところ。
試合は13日の日曜日。
日本代表がんばれ。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/06(日) 18:18:45|
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今日から始まりましたプロ野球クライマックスシリーズファーストステージ。
阪神は横浜DeNAとの勝負です。
いやぁ、びっくりしましたねぇ。
まさか勝つとは思いませんでした。
8‐7で勝利ですよ。
勝ち抜けまであと一勝です。
今日はもう中盤で勝負あったと思いましたね。
初回に西投手が3点を取られ、1点を返したと思ったら島本投手が4点取られて1‐7。
この時点でダメだなと思いました。
しかし阪神は横浜には強かった。
7回に北條選手のスリーランなどで4点を入れると、8回にも北條選手のスリーベースなどで3点取ってついに逆転。
最後は藤川球児投手が二死一二塁のピンチをしのいでゲームセット。
いや、もう信じられない勝利です。
∩(・ω・)∩バンジャーイ
明日もこのままの勢いで勝ち抜けてほしいですね。
一勝一敗になると厳しくなりそうなので、できれば明日で決めてほしいところです。
頑張れ阪神タイガース。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/05(土) 18:43:38|
- スポーツ
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最後の最後で逆転して3位に滑り込んだ阪神でしたが、いよいよ明日からクライマックスシリーズのファーストステージが始まります。
セ・リーグは横浜DeNA対阪神が、パ・リーグはソフトバンク対楽天が、ファイナルステージ進出をかけて試合を行い、先に二勝したほうが勝ち抜けです。
パ・リーグの方は正直どちらが勝ってもいいやというレベルなのですが、やはりセ・リーグは阪神に勝ち抜けてほしいところ。
( ˘ω˘)
シーズンでの対戦成績では阪神が有利ではありますけど、球場は横浜球場ですので、地の利は横浜にありますから、もちろん油断はなりません。
というか、短期決戦ですから、シーズンの対戦成績などほぼ無意味かもしれませんしね。
第一戦の先発は横浜が石田投手、阪神が西投手とのこと。
まずは何より先制点を取りたいところですね。
頑張れ阪神タイガース。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/04(金) 18:47:41|
- スポーツ
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昨日は最高気温が25度と夏日になった札幌市。
昨日の朝の段階では最高気温が29度近くまで上がるのではという予報もありましたので、そこまでは上がらなかったのですが、それでも10月という季節にしては異例の暑さでした。
しかし、週末土日にかけましては、今度はまた気温がグッと下がるみたいです。
特に日曜日は最高気温でも15度に行くか行かないかだそうで、朝晩はこの冬初めてストーブの出番になるかもしれませんねぇ。
今時期は仕方ないことではありますけど、気温差が激しくて大変ですねぇ。
気温が高い日があったり低い日があったりというのを繰り返しつつ、だんだん寒くなっていくんですよねー。
冬はいやですなぁ。
おそらく今月下旬から来月初旬には初雪が降りますねぇ。
その前に雪虫が飛んでくるんですよねー。
やれやれ。(^_^;)
皆様も激しい気温差で体調を崩さないようにご注意くださいませ。
( ˘ω˘) 私も気を付けよう・・・
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/03(木) 18:42:48|
- 日常
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昨日は阪神が最終戦で広島を逆転してCS進出を決めたという記事を書きましたが、今日は日本ハムの栗山監督が辞意を固めたとの報道から一転残留し、来季の監督となったことが発表されました。
うおお!
驚きました。
てっきり辞意は固く、球団が慰留しても辞めるんじゃないかなと思ておりましたので。
これで来季も栗山体制が続くことになりましたね。
決まった以上は頑張ってほしいです。
コーチ陣とかどうなるのか気になりますねー。
ともあれ、すでに来季はスタートです。
戦力外になってしまった選手もいらっしゃいますが、ドラフトやトレードで新たに加わる選手もいるでしょう。
来季の日本ハムに期待したいですねー。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/02(水) 17:40:20|
- スポーツ
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昨日は今季のセ・リーグのシーズン最後の試合でした。
阪神‐中日戦が行われたわけですが、3‐0で阪神が勝利し、最後の試合を白星で飾ることができました。
そして、これにより、阪神のシーズン成績が69勝68敗6分けとかろうじて五割を超え、なんと70勝70敗3分けでシーズンを終えた広島を勝率で上回ったことでリーグ3位に滑り込み、逆転でCS出場を決めました。
Σ(°ω°)ナントー
いやぁ、まさか3位浮上するとは思いませんでした。
阪神のことだから、どこかで負けて終わりだろうと思ったのですが、まさかまさか6連勝で勝ち切ってしまうとは。
びっくりです。
これで二年ぶりのCS出場です。
最下位だった昨年の翌年に、まさか五割超えを成し遂げてくれるとは。
まさかまさかですねぇ。
ここまで来たからにはファーストステージを勝ち抜いて巨人と試合をやってほしいところです。
夢の日本シリーズ出場も。(笑)
ラグビー日本代表のジャイアントキリングにあやかり、ジャイアンツキリングと行きたいですねー。
これでセ・パ両リーグのすべての試合が終了し、順位が決まりました。
セ・リーグは巨人が、パ・リーグは西武が優勝でした。
阪神は3位、日本ハムは5位となりましたが、正直これは逆であろうと思ってました。
阪神はBクラス、日本ハムはAクラスだろうと思っておりましたので。
来年は両チームで優勝してほしいですねー。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/10/01(火) 17:55:17|
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