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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

11月11日はショッカーの日

今日11月11日は「靴下の日」だとか「ポッキー・プリッツの日」だとか様々な記念日であるわけですが、どうも「ショッカーの日」でもあるらしいです。
たぶん「1111」が「いい いい」になって、「\(^o^)イーッ \(^o^)イーッ」ってことなんだと思うんですけど、まあ、由来はどうあれ、「ショッカーの日」ということで一本SSを書いてみました。

タイトルは「女戦闘員37号」です。
今回はちょっと悲しいお話です。
それではどうぞ。


女戦闘員37号

「イーーーーーーッ!」
気が付くと、私は変な奇声を上げながら地面にたたきつけられていた。
頭に猛烈な衝撃が走り、一瞬何が何だか分からなくなる。
な・・・何?
いったい何が起こったの?
私はいったい?

全身に耐えがたいほどの痛み。
まるで躰がバラバラになってしまったかのよう。
「ゲホッ」
打ち付けたショックで一瞬呼吸が止まり、肺が空気を求めてあえいでいる。
「あ・・・」
ここは・・・どこ?
私はなんでこんなところで地面に寝転がっているの?
目を開けると遠くにコンクリートの天井が見える。
薄暗く広い空間は、ところどころに照明がついている。
排気ガスのにおいもする。
そうか・・・
ここは地下の駐車場か何かなんだ・・・
でも・・・
でも、なんでこんなところに私はいるの?

私はゆっくり手を動かしてみる。
よかった・・・
まだ手は動く。
私は右手を上に上げる。
あれ?
何この袖。
真っ黒ですべすべしてて、まるでナイロンのタイツみたい。
それに黒い手袋をしている。
こんな手袋、私持っていたっけ?
私は痛みを我慢しながら、首を動かして躰を見る。
袖からつながった黒いタイツのような服が私の躰を包んでいる。
えええええ?
右手で躰を支えて少し起こすと、それがまるで水着のような衣装であることに気が付いた。
なんで?
なんで私はこんな服を着ているの?
脚も網みたいなタイツを穿いているし、私はいったいどうしちゃったの?

「イーッ!」
「イーッ!」
「とうっ!」
「たあっ!」
「シュシューッ! シュシューッ!」
「ライダーーーキーーーック!」
「グギャァァァァッ!」

なんだかよくわからない声が遠くでする。
あれは何?
いったい何が起こっているの?
私はどうしてこんなところにいるの?

帰ら・・・なきゃ・・・
うちに帰らなきゃ・・・
お母さんが・・・お父さんが心配しちゃう・・・
なんか躰があちこち痛い。
まるで高いところから地面にたたきつけられたみたい。
なんで・・・なんでこんなことに・・・

ようやくの思いで立ち上がった私がふらふらと歩き出すと、その先には何かがいた。
人のようだけど、赤くて大きな丸い目が光っている。
全身も黒い姿で腰には大きな太いベルトを巻いているようだ。
あれは・・・何?

「まだ生き残りがいたか!」
私の方に近づいてくるその人影。
天井からの明かりがその人影を照らし出す。
「ひっ!」
私は思わず声を上げた。
だって・・・
それは人ではなかったんだもの。

それは人のような姿をしていたけど、明らかに人ではなかった。
大きな赤い丸い目を輝かせ、額には二本のアンテナのようなものが伸び、全身を黒いスーツのようなもので覆っていて、胸には昆虫の腹を思わせるような分厚い皮膚が付いていた。
裏切り者のバッタ男・・・いや、仮面ライダー・・・
なぜ?
なぜ私はそんなことがわかるの?
バッタ男って何?
裏切り者って何?
私はいったいどうしてしまったというの?

「ショッカーの女戦闘員! お前たちを生かしておくわけにはいかん!」
ショッカーの・・・女戦闘員・・・
私は・・・ショッカーの女戦闘員・・・
そう・・・だわ・・・
私は・・・ショッカーの・・・

すっとバッタ男の・・・いや仮面ライダーの手が振り上げられる。
あれを私に向かって振り下ろすつもりなのだろう。
それを理解した瞬間、私は悲鳴を上げていた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!」
それを聞き、なぜかライダーの腕が一瞬止まる。
「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。赦してください。殺さないでぇ!」
頭を抱えるようにしてうずくまってしまう私。
でも、予想していた手の一撃はなかなか来ない。
恐る恐る私は顔を上げる。
すると、そこには、何やら難しそうな表情をしている青年の姿があった。
これが・・・本郷・・・猛?
なんて・・・なんてかっこいい人なんだろう・・・

「悲鳴を上げ、ごめんなさいという。それに顔のフェイスペイントも消えているし・・・もしかして、君は正気に戻っているのではないか?」
「えっ?」
正気?
私が正気?
「ど、どういう?」
「ショッカー戦闘員は脳改造を受けていて、ショッカーのためには自分の命すらも惜しまないようにされている。なのに君は悲鳴を上げて赦しを請うた。君は脳改造から抜け出したのではないのか?」
かがみこんで私と目線を合わせてくれる本郷さん。
「わ、わかりません。気が付いたら私、ここで倒れてて、躰中が痛くて死にそうで・・・」
「そうか・・・俺がさっき投げ飛ばしたショックが、君の脳改造を解除したんだ」
そんなことが?
でも、本郷さんの言葉で私は思い出していた。
私は・・・そう・・・ショッカーに改造されちゃったのだ。

私、三羽礼子(みつわ れいこ)はあの日学校から友人の幸子(さちこ)と一緒に帰る途中、黒服の男たちに囲まれ、薬を嗅がされて気を失ってしまった。
気が付いた時には、私は台の上に寝かされていて、両手両足を固定されていた。
台を見下ろすような位置にはワシのレリーフがはめ込まれ、そのお腹のところにあるランプが光り輝くと、室内に重々しい声が流れてきたのを覚えている。

『三羽礼子。お前はこれより脳改造を受け、ショッカーの女戦闘員となるのだ』
「えっ? 何ですか、いったいそれは? 私を家に帰してください!」
『もう遅い。すでにお前の躰は強化され、プロレスラーや鍛えぬいた軍人とも互角以上に戦えるような力を持った。あとは脳改造が済めば、お前はショッカーの女戦闘員となり、ショッカーのために働くようになるのだ』
「いや! いやです! いやぁっ!」
私は必死でもがいたけど、すぐにまた薬を嗅がされて気を失った。
それから後のことは・・・
なんだか自分が自分ではなかったような気がする。
でも、私はショッカーの女戦闘員として活動し、こうして仮面ライダーに倒されてしまったというわけだ。

「私・・・私・・・」
「落ち着きたまえ。今は躰のダメージとショックで混乱しているんだ。とりあえずここを出よう。また奴らが来るといけない」
そう言って本郷さんは着ていたブレザーを私の躰にかけてくれる。
そういえば、私・・・とんでもない恰好をしているんだった・・・
思わず顔がほてってしまう。
おそらく相当に赤い顔をしているに違いない。

私は本郷さんのブレザーに腕を通し、とりあえず上だけは隠すことができた。
でも、下は今はどうしようもない。
網タイツにブーツなんてなんていやらしい恰好なんだろう。
でも、脳改造されていた時には、そんなことは思い出しもしなかった。
この躰で男を誘惑し、ショッカーの思い通りに操ることしか考えていなかった。
なんてことなのだろう。

私は本郷さんのバイクの後ろに乗り、腰に手を回してしっかりと握って振り落とされないようにする。
「ん・・・大丈夫だ、そんなに強くしなくても、君の力は強化されている。振り落とされる心配はない」
本郷さんに言われて私は少し力をゆるめる。
そうだ・・・
私はもう普通の人間じゃなかったんだ・・・

本郷さんのバイクは地下駐車場を抜け、外に出る。
そのまま通りを走っていくけど、やっぱりすごく恥ずかしい。
私は顔を隠すようにして本郷さんの背中に密着する。
本郷さんの広い背中が温かい。
若い女性が男のバイクに二人乗りして、足元は網タイツにブーツだなんてお母さんが知ったらなんて言うことか・・・
でも・・・
怒られてもいいからお母さんに会いたい。
もちろんお父さんにも。
会いたいよ。

スナックアミーゴ。
本郷さんと立花藤兵衛さんが拠点としている場所。
私にはそう記憶がある。
ショッカーから与えられた記憶だ。
私も何度かこの前を通って仮面ライダーの動向を監視していたことがあった。
「とりあえずここで君をかくまおう。君一人しか残っていなかったから、おそらく君が生き残っていることはショッカーには知られていないとは思うが、しばらく様子を見た方がいい。それに君の躰の回復も待たなくては」
「は、はい」
確かに私の躰はあちこち痛い。
でも、幸い骨折したり内臓に問題があるようなことはなさそうだ。
コンクリートの床にたたきつけられてこの程度なのだから、強化された躰に感謝しなくてはいけないのかもしれないけど・・・

「いらっしゃい・・・と、猛か、その娘は?」
店にはパイプを片手に新聞を読んでいた立花藤兵衛さんが一人だけ。
バーテンさんはまだ来ていないようだ。
「立花さん・・・実は、この娘を一時預かってほしいんです」
「預かる? それは構わんが、どうしてだね?」
パイプをふかしてはいるものの、厳しい表情は崩さない。
さすが仮面ライダーの協力者としてショッカーを手こずらせているだけのことはある。
「それは・・・君、上着を脱いでもらってもいいかな?」
「あ、はい」
恥ずかしいけれど仕方がない。
私は上着を脱いで、黒い水着・・・じゃないレオタードっていうんだっけ、女戦闘員の衣装姿を立花さんに見せる。
「おい、猛! この娘はこりゃあショッカー!」
立花さんが目を丸くする。
無理もないわ。
普段敵であるショッカーの女戦闘員が目の前にいるんですもの。

「立花さん。確かに彼女はショッカーの女戦闘員です。いや、でした。でも、どうやら脳改造がショックで解除されたようなんです」
「なんだって? 脳改造が?」
「ええ。私がショッカーの生き残りだと思って攻撃しようとしたとき、悲鳴を上げてごめんなさいと言ったんです。ショッカーの脳改造が機能していれば、そんな言葉を言うはずがない」
本郷さんが再び私の肩に上着をかけてくれる。
なんて優しいのだろう。
「なるほど。確かに猛の言う通りだろう。あいつらがごめんなさいなどと言うはずがないからな」
うんうんとうなずいている立花さん。
「君、名前は?」
先ほどとは違い、立花さんが笑顔で私に尋ねてくる。
「あ、はい。私は女戦闘員37ご・・・ちがっ、み、三羽礼子って言います。三羽は数字の三に鳥の羽の羽です」
私は思わず女戦闘員37号と答えそうになった自分に驚いた。
まだ脳改造の影響が残っているのだろうか。
「三羽さんのご両親にも連絡をした方がいいだろう。おそらく娘さんがいなくなってずいぶん経つだろうから心配していると思うからな。すぐにというわけにはいかないだろうが、いずれはご両親のもとに」
「そうですね。奴らがもう彼女が死んだものとみなして放っておかれるようになれば安心でしょう。幸い奴らは死ねば躰が溶けてしまう。死体を確認するわけにはいかないから好都合です」
顔を見合わせて相談している立花さんと本郷さん。
親子ほど年齢が離れているにもかかわらず、お互いを心から信頼していることがうかがえる。
なんだかうらやましい感じ。

「さあさあ、そうと決まれば奥の部屋で休みなさい。まずは躰を休めることだ。ご両親にはあとでわしの方から連絡しよう。電話番号は覚えているかい?」
「ええと・・・はい、覚えています」
私が電話番号を言うと、立花さんがそれをメモに書き留める。
「よし、猛、表に行って怪しい奴がいないかどうか確かめてこい。この店はショッカーに見張られているかもしれんからな」
「そうですね。行ってきます」
すぐに本郷さんが出ていこうとしたので、私は呼び止めて上着を返す。
「ありがとう。じゃあ、ゆっくりと休んで」
「こちらこそありがとうございます」
にこやかな笑顔で私に礼を言う本郷さんに、私も思わず頭を下げる。
こんないい人なのにショッカーはこの人を狙っているんだわ・・・

                   ******

私はそれから三日間ほどアミーゴでお世話になった。
女戦闘員の衣装の代わりに緑川るり子さんが用意してくれたパジャマや服に着替えると、なんだか以前の自分に完全に戻れたような気がして嬉しかった。
強化された躰のおかげでケガの回復も早く、三日目にはもうほとんど動きには問題がなくなっていた。
こういう部分だけは強化されていてよかったとは思う。

お父さんお母さんとも連絡が付いたらしい。
二人とも私が無事だったことをとても喜んでくれたと立花さんが言っていた。
本郷さんもとても喜んでくれて、安全が確認でき次第送り届けてくれるという。
その安全も、どうやらショッカーは別の行動に専念しているらしく、このアミーゴを見張っているような気配はないらしい。
別の行動というのが気がかりではあるがと言いながらも、まずは私の安全が確保できたのは喜ばしいと言ってくれた。

私はと言えばちょっと残念だ。
せっかく本郷さんや立花さん、バーテンの史郎さんやるり子さんとお知り合いになれたのに、お別れしなくちゃいけないんだもの。
ううん・・・そんなことないよね。
家に戻って、学校にも行き、生活が落ち着いたらいつでも来てくれて構わないって言ってくれたもの。
私、ここのみんなにはまた会いたいし、きっとまた来ることに決めているんだから。

最後に私の全快祝いと称してアミーゴではパーティをやってくれた。
ささやかなものと立花さんは言っていたけど、おいしい食事やケーキも出してもらって、本当にうれしかった。
私はこの人たちの敵として、この人たちを殺そうとしていた女戦闘員だったのに、こんなにしてもらえるなんてありがたすぎる。
本当にいい人たちだ。
どうかショッカーがこの人たちの手で消し去られますように。
そのためには私も覚えていることとか協力しないとね。

「それじゃお世話になりました」
私は皆さんにお礼を言って、本郷さんのバイクの後ろに乗せてもらう。
来た時もそうだったし、立ち去るときも同じというのは、なんだか感慨深い。
ここへ来た時には私は本郷さんの上着を羽織った以外は女戦闘員の衣装だった。
でも、今はるり子さんのおかげで普通の同じ年代の女子と同じような格好をしている。
過去の私、女戦闘員だった私はもういないんだ。

「それじゃお願いします」
「しっかりつかまっているんだよ」
「はい」
私は本郷さんにしっかりつかまって身を預ける。
やっぱり本郷さんの大きな背中がたくましくて温かい。
ずっとこうしていられたらいいのにな・・・

しばらく走ると見慣れた景色が増えてくる。
そして懐かしの我が家の姿が・・・
帰ってきた・・・
本当に私は帰ってきたんだわ。

なんだかドキドキする。
本当に入っていいのだろうか?
お父さんお母さんに怒られたりはしないだろうか。
思わず足が止まってしまった私を思いやり、本郷さんが先に玄関の呼び鈴を鳴らす。
すぐに玄関が開いて、お父さんとお母さんが現れる。
「礼子!」
「礼子!」
お父さんもお母さんも本郷さんの背後にいる私にすぐに気づいて声をかけてくれる。
懐かしい、思い出のままの声だ。
いったい何日この声を聴いていなかったのだろう。
「お父さん・・・お母さん・・・」
涙がこぼれる。
「礼子」
「礼子」
お父さんが、お母さんが手を広げて迎えてくれる。
「お父さん・・・お母さぁん」
私はお母さんのところに行き、その胸に飛び込んだ。
「まあ、この子ったら」
「本当によく無事で・・・心配したぞ」
「本当によく帰ってきてくれたわ」
お母さんが私を抱きしめ、お父さんの大きな手が私の頭をなでてくれる。
よかった・・・
私はやっと帰ってこられたんだ・・・

「本郷さん・・・」
私は母から離れ、にこやかに私たちを見ていた本郷さんのところへ行く。
「本当にありがとうございました」
「しばらくはまだ外をうろつかない方がいい。たぶん大丈夫とは思うが、万一ということがある。充分気を付けて」
「はい、本郷さん」
「それじゃまた。いつでもアミーゴに遊びに来て」
「はい。絶対に行きます」
本郷さんの大きな手が差し出され、私は本郷さんと握手する。
「本当にこの度はなんとお礼を言ってよいか」
「この娘がお世話になり、本当にありがとうございました」
お父さんとお母さんも本郷さんにお礼を言う。
「礼子ちゃんのお父さんお母さん、彼女は本当にいろいろと大変な目に遭ったんです。どうかゆっくりと休ませてあげてください」
「はい。それはもう」
「ゆっくりと休ませてやります」
お父さんが私の肩に手を置く。
本郷さんにはかなわないけど、大きくて力強い手だ。
「それじゃ失礼します」
本郷さんがバイクにまたがり、走り去っていく。
私はその姿が見えなくなるまで手を振っていた。

本郷さんが立ち去って、私たちは家に入る。
ああ・・・全然変わってない。
すごく懐かしく感じる。
「礼子」
お母さんが居間に入った私を後ろからそっと抱きしめてくる。
もう、お母さんたら・・・
でも、お母さんも私がいなくなって寂しかったのかもしれないな。
「お母さん」
「本当によく帰ってきてくれたわ。ありがとう。女戦闘員37号」
「えっ?」
私の首筋に鋭い痛みが走り、急速に力が抜けていく。
「お・・・かあ・・・さん・・・なに・・・を?」
「うふふふ・・・それは改造人間にも効果がある毒物よ」
「躰の自由が利かなくなってきただろう? ふふふふ」
床に倒れこんだ私を冷たい目で見降ろしてくるお父さんとお母さん。
「おと・・・さん・・・ど・・・して」
だんだん言葉が出なくなってくる。
「お前には感謝しているよ、女戦闘員37号」
「ええ。お前がまだ生きていることを確認した偉大なるショッカーは、お前がいずれここに戻ってくると見込んで私たちを改造してくださったの」
「お前のおかげで俺たちは生まれ変わることができたのさ。俺たちはもうお前の親などではない。ふふふふふ・・・」
「うふふふふ・・・」
躰がどんどん麻痺していく私を見つめながら笑っているお父さんとお母さん。
そんな・・・そんなことって・・・

「イーッ!」
「イーッ!」
二人が服を脱ぎ捨てる。
そこには、黒く躰にぴったりとしたタイツのような服で全身を覆ったお父さんと、以前私が着ていたような黒いレオタードと網タイツを身にまとったお母さんがいた。
二人とも顔には赤と青のペイントが塗られ、お父さんはベレー帽をかぶって腰にショッカーのマークの付いたベルトを、お母さんは赤いサッシュを巻き付けていた。
「そ・・・な・・・」
「イーッ! 俺はショッカー戦闘員143号」
「イーッ! 私はショッカー女戦闘員42号。私たちはショッカーを脱走した女戦闘員37号の処刑を命じられたのよ」
アジトで見慣れたショッカーの戦闘員と女戦闘員。
それが今私の目の前にいるなんて。
「お前がのこのこと帰ってきてくれたおかげで、俺たちは任務に成功し、意気揚々とアジトに戻ることができる」
「礼を言うわ、37号。うふふふふ・・・」
お母さんのブーツが私の脇腹を蹴る。
「ぐっ」
「普通の人間ならもうとっくに死んでいるのに、さすがにショッカーに改造された肉体は死ぬまで時間がかかるわね」
「なに・・・どうせもう助からんさ。ふふふふ」
お父さんがそう言って笑った時、居間のガラスが突然割れた。

「遅かったか! まさかすぐに手を出してくるとは!」
ガラスを破って飛び込んできたのは・・・本郷さん?
目がかすんできてよく見えない・・・
でも・・・声は間違いなく本郷さん・・・
「イーッ! 本郷猛!」
「帰ったのではなかったの?」
「あまりにもアミーゴ周辺にショッカーの気配がなくなったのが不自然だったのでな。アミーゴではなくこっちで彼女を襲うものと思って周囲を警戒していたのだが・・・まさかご両親がとは・・・」
本郷さんの言葉に苦いものが混じっているような感じがする。
でも・・・これは本郷さんが悪いんじゃない・・・
ショッカーが狡猾すぎたのよ・・・

「くそっ! この毒をお前もくらえ!」
「やぁっ!」
お父さんとお母さんが・・・ううん、ショッカーの戦闘員と女戦闘員が本郷さんに飛び掛かっていったみたい。
でも、本郷さんは強いわ・・・
負けたり・・・しない・・・

「とうっ!」
「イーッ!」
「たぁっ!」
「イーッ!」
遠くで何か聞こえてくる。
もう目の前が真っ暗で何も見えない。
なんだか最初に本郷さんと会った時のよう・・・

「しっかり! しっかりするんだ礼子ちゃん!」
私の躰がふわっと浮く。
あ・・・
私は本郷さんに抱きかかえられているんだ・・・
嬉しい・・・
本郷さんに抱いてもらえた・・・
「ほ・・・ご・・・ん」
「いいからしゃべるな。すぐに病院に連れていく」
本郷さんの声だ。
私は本郷さんに抱かれ、本郷さんの声を聞きながら死んでいける。
なんて嬉しい・・・
本郷さん・・・
好きでした・・・
私の・・・バイクに乗った王子様・・・

END
  1. 2018/11/11(日) 18:24:39|
  2. 洗脳・戦闘員化系SS
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プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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