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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

もしもベランダに女戦闘員のコスチュームが落ちていたら・・・

今日は久しぶりに超短編SSを一本投下します。

タイトルは「もしもベランダに女戦闘員のコスチュームが落ちていたら・・・」です。
いつものごとく、私の好きなコスチューム堕ちのSSです。
お楽しみいただければ幸いです。

それではどうぞ。


もしもベランダに女戦闘員のコスチュームが落ちていたら・・・

「ギギィッ!」
「ギギィッ!」
奇妙な声をあげて襲い掛かってくる人影。
全身を黒い全身タイツ状のコスチュームに身を包み、腰には大きなバックルの付いたベルトを締めている。
顔は眼だけが覗く全頭マスクに覆われ、表情はまるっきりうかがえない。
だが、すっぽり包まれているからこそくっきりと浮き上がるボディラインが、この連中が女性であることを示していた。

「性懲りもなく現れたな、グシャーの女戦闘員め!」
「気を付けろ! こいつらがいるということは、近くに怪人もいるぞ!」
「わかってるわ」
赤、青、黄色のコスチュームに身を包んだ男女がそれぞれ声を掛け合う。
暗黒組織グシャーに対抗する聖風戦隊ホーリーウインズのメンバーたちだ。
「いたわ! あそこ! 隣のビル!」
紅一点のウインズイエローが指さす先に、巨大なドクガのようなグシャーの怪人が現れる。
グシャーは首領、幹部、怪人、女戦闘員がヒエラルキーをなす悪の組織であり、怪人は常に数名の女戦闘員を引き連れているのだ。

「ようし! まずはこいつらを片付けて、隣のビルに飛び移るぞ!」
「おう!」
「ええ!」
リーダーであるレッドの掛け声に、ブルーとイエローが返事する。
すぐさま襲い掛かってきたグシャーの女戦闘員たちとの戦いが始まった。

「ギギィィィィィィィ・・・」
「ギギィィィィィィィ・・・」
レッドやブルーに投げ飛ばされ、ビルの屋上から落ちていく女戦闘員たち。
いかに強化されているとはいえ、屋上から落とされたのではたまらない。
「レッド、ブルー、放り投げるのは危ないわ。下に人がいたら危険だし、何よりこの女たちのコスチュームを回収しないと」
「そ、そうだったな。つい放り投げてしまった」
「あとで回収すればいいだろう。だが、気を付ける」
イエローの注意にレッドもブルーもうなずく。
「よし、これでこっちのビルにいた連中はすべて倒したな。飛び移るぞ!」
「おう!」
「ええ!」
それなりに距離があるのをものともせず、三人の正義の戦士たちはビルとビルの間を飛び移っていった。

直後、ドサッと音を立ててマンションのベランダに人が落ちてくる。
「ギギ・・・ィ・・・」
叩きつけられたショックか、一度ピクリと躰を動かしたものの、すぐに動かなくなってしまう。
さらにもう一体がそのすぐそばに落ちてくる。
「ギッ・・・ギギィ・・・」
背中から落ちたもう一体も、背中を打ち付けて動かなくなってしまう。
落ちてきたのはレッドとブルーに放り投げられたグシャーの女戦闘員たちだ。
たまたま隣のマンションのベランダの同じ場所に落ちてきたのだ。
黒い全身タイツに身を包んだ二人の女たちは、その場で息絶えた。

やがて女戦闘員の躰に異変が起きる。
白い煙のようなものがコスチュームから噴き出し、それに伴ってどんどんコスチュームが平たくなっていく。
数分で白い煙は出なくなり、あとには抜け殻のような黒の全身タイツとブーツと手袋、それにグシャーの紋章が入ったベルトだけが中身があったときそのままの形で残されていた・・・

                  ******

「ふう、ただいま。由美佳(ゆみか)がいてくれて助かったわぁ」
「通りかかったら、ちょうどお母さんが買い物を終えて出てくるところだったもんね。それにしても今日はいっぱい買ったのね」
部屋に入ってくる母娘。
両手にいっぱい買い物袋を提げている。
どうやらたくさん買い物をしてきたらしい。
「今日は紙類が安かったのよ。トイレットペーパーやティッシュは買いだめしておいても大丈夫だからと思って」
「私が通らなかったらどうするつもりだったの?」
「その時はその時よ。あ、悪いんだけどベランダから洗濯物を取り込んでくれる?」
「はーい」
母親に言われ、持っていた買い物袋を置いてベランダに向かう娘。
高校生なのだろう、紺系の制服に身を包み、ショートカットの髪のかわいい娘だ。

「よいしょ」
トイレットペーパーやボックスティッシュを押し入れにしまうためにリビングを離れる母親。
その間に娘は、洗濯物を取り込むためにベランダに出る。
そして足元にあるものに気が付いた。
「えっ? これって・・・」
きれいに人の形に並べられた黒い衣装。
まるで人が着ていたまま中身だけを抜き取ったみたいだ。
頭の先からつま先までが黒一色の衣装であり、ベルトのバックルだけが銀色に輝いている。
そこにはグシャーの紋章であるピエロの顔が描かれており、その目が不気味に彼女を見つめたような気がした。

しばらく足元の衣装を見ていた娘は、やがておもむろに着ていた制服を脱ぎ始める。
上着もスカートも脱いで下着だけの姿になったかと思うと、さらに下着までも脱ぎ始める。
スポーツブラもショーツも脱ぎ、紺のソックスも脱いで生まれたままの姿になると、今度は足元の黒い衣装に手を伸ばす。
ベルトやブーツ、手袋をいったん外し、全身タイツだけになったところで、彼女は背中の部分に手を当てる。
すると不思議なことに、全身タイツの背中に切れ目ができ、左右に開く。
その穴に娘は足を差し入れ、タイツを穿くようにたくし上げていく。
腰まで穿くと、今度は腕を通し、肩まで着こんでいく。
首まで黒に覆われると、マスク部分を頭にかぶり、目の位置を合わせて調整する。
すっかり全身が覆われると、背中の切れ込みが消え、彼女の躰に密着した。

全身をくねくねと動かして全身タイツをなじませた彼女は、次に足に黒革のブーツを履き、手にも黒革の長手袋をはめていく。
最後にグシャーの紋章の付いたベルトを腰に締めると、グシャーの女戦闘員が完成した。

「由美佳ー、取り込んでくれた?」
紙類をしまい込み、食材を冷蔵庫に入れた母が、ベランダのほうを見る。
「えっ?」
そこには全身を黒い衣装で覆った女が立っていたのだ。
「だ、誰? 誰なの?」
「ギギィッ! 見てぇ、お母さん。とっても気持ちがいいの」
女戦闘員がくるりと躰を回してみせる。
「えっ? 由美佳? 由美佳なの?」
眼以外すべてが黒に覆われているが、確かに身体つきは女性である。
「うーん・・・なんだかよくわからない。由美佳だったかもしれない。どうでもいいわ、そんなの。それよりもお母さんも着ようよ。これ、とっても気持ちがいいの」
足元のもう一着を取り上げて差し出す黒い女。
「由美佳、冗談はやめて! そんなのすぐに脱ぎなさい!」
本能的な恐怖が母親を包む。
このままでは娘が得体のしれないものになってしまうのではないか。

「いやよ。これを脱ぐなんて考えられないわ。だってこんなに気持ちがいいのに・・・ギギィッ!」
首を振る女戦闘員。
「由美佳!」
「お母さんも着ようよ。気持ちよくて力がみなぎって社会を破壊したくなるよぉ。首領様の命令なら何でもしたくなるの。ギギィッ!」
「変な声を出すのはやめて。お願いだからそれを脱いで。元の由美佳に戻って!」
なんとか娘を元に戻そうと訴えかける母。
「いやよ。それに由美佳って呼ばれてもなんだかピンと来ないわ。女戦闘員073号って呼んでほしいな」
「女戦闘員?」
確か最近TVで聞いたことあるような気がするが、まさか自分たちの身の回りで起こることだとは思ってもみなかったのだ。
「そう。私はグシャーの首領様にお仕えする女戦闘員073号。由美佳なんて名前はもう必要ないの。ギギィッ!」
「そんな・・・どうしたらいいの・・・」
愕然とする母。
だが、女戦闘員が衣装を持って近づいてくる。
「お母さんも着ればいいのよ。着ればすぐにこれがどんなに素晴らしい衣装かわかるわ。さあ」
娘に胸に押し付けられるように渡された衣装をつい受け取ってしまう母。

「えっ?」
衣装を持った母の表情が変わる。
ウソ・・・こんなにいい手触りなの?
いつも穿いているパンストやタイツと同じようなものだろうという無意識の思い込みが、一気に崩れ去る。
確かにナイロンぽい布地には違いないのだが、すべすべして手触りがすごくいいのだ。
思わず手に取った衣装をまじまじと見つめてしまう母。
すると腰に巻かれたベルトのバックルに描かれたピエロの紋章と目が合ってしまう。
あ・・・
急速に母の意識にこの衣装を着てみたいという気持ちが湧きあがってくる。
着てみたい・・・
この衣装を着てみたい・・・
着てみたい着てみたい・・・
着たい着たい着たい着たい・・・

「ああ・・・」
母は全身タイツを広げ、背中側に手を当てる。
すぐに切れ目ができあがり、着ることができるようになる。
母は何かに憑かれたかのように着ているものを脱ぎ始め、下着も何もかも脱ぎ捨てる。
そして裸になった彼女は黒い全身タイツに足を通した。

「ああ・・・あああ・・・」
うっとりとした表情で全身タイツを着こんでいく母。
足から腰、そして上半身へとまるで黒い布が侵食していくかのようだ。
袖に腕を通し首までたくし上げ、あとは全頭マスクをかぶるだけ。
彼女は何のためらいもなくマスクをかぶり、目の位置を合わせていく。
背中の切れ目が消え、黒い全身タイツが躰に密着すると、次はブーツを履いていく。
床がどうなろうとお構いなしであるかのように、彼女はハイヒールのブーツを足に履き、手には皮手袋をはめていく。
最後にグシャーの紋章の付いたベルトを腰に締める。
そこにはもう先ほど買い物を終えて帰ってきた主婦の姿はなかった。

「ギギィッ!」
全頭マスクに覆われた口から奇声が漏れる。
両手は全身タイツに覆われた躰を愛撫する。
たわわな双丘に密着した全身タイツ越しの胸。
太ももにぴったりと張り付いた布地がつややかに光っている。
「ギギィッ!」
マスクから覗く目を閉じ、うっとりと全身をまさぐる女戦闘員。

「ギギィッ! どう? 気持ちいいでしょ?」
母の痴態に影響されたのか、娘も奇声をあげながら全身を愛撫する。
「ええ・・・とっても。最高だわぁ。これこそ私にふさわしいコスチュームよぉ・・・ギギィッ!」
「うふふ・・・こうして右手をあげながら叫ぶともっと気持ちいいわよ。ギギィッ!」
「ギギィッ! 本当だわぁ・・・なんて気持ちがいいの・・・ギギィッ! ギギィッ!」
娘の言葉に自分も右手を上げて奇声を出す母。
「ギギィッ! ギギィッ!」
「ギギィッ! ギギィッ!」
二人は並ぶようにして右手を上げ、お互いに奇声をあげ続ける。
「くふふふ・・・これでお母さんもグシャーの女戦闘員ね。ギギィッ!」
「ギギィッ! 何を言ってるの? 私はもうあなたのお母さんなんかじゃないわよ。私たちはお互いにグシャーの女戦闘員同士。仲間じゃない。ギギィッ!」
「ギギィッ! そうだったわね。じゃ、なんて呼べばいい?」
「私は暗黒組織グシャーの女戦闘員059号よ。059号って呼んでちょうだい。ギギィッ!」
誇らしげに自分の番号を言う女戦闘員059号。
「ギギィッ! わかったわ059号。私は073号よ。よろしくね」
「ギギィッ! こちらこそよろしくね。073号」
二人はお互いの番号を呼びあった。

「ねえ、そろそろ行きましょう。首領様の下へ。ギギィッ!」
「ええ。もうここには用はないわ。私たち女戦闘員の巣へ行きましょう。ギギィッ!」
「「偉大なる暗黒組織グシャーのアジトへ。ギギィッ!」」
二人は声をそろえてそう言うと、ハイヒールの音も高らかに歩きはじめる。
せっかくホーリーウインズが倒したはずの女戦闘員二体分は、こうして新たに補充されてしまい、あとには誰もいなくなったマンションの一室だけが残っていた。

END

  1. 2017/07/03(月) 20:53:51|
  2. 女幹部・戦闘員化系SS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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