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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

高額報酬には気をつけて (後)

17日から続いておりました丸10年連続更新記念&400万ヒット達成記念SS大会も今日が最終日。
昨日に続きまして「高額報酬には気をつけて」の後編です。

「マコリアインターナショナル」の面接に通ってしまった優佳。
彼女はどうなりますのか・・・

それではどうぞ。


                   ******

一人でいた時間はそれほど長いものではなかった。
しばらくして、またあの黒尽くめの連中がやってきたのだ。
彼らは、白い貫頭衣を着た人を一人連れていた。
私にはそれが最初誰だかわからなかったけど、牢の中にその人が押し込まれたとき、私はあまりのことに息を飲んだ。
「う、鵜乃沢さん?」
牢に放り込まれ、床に倒れこんだのは、変わり果てた鵜乃沢さんだったのだ。
髪の毛はすべて刈り取られ、額から後頭部へと縫い目が頭を一周している。
なんてこと・・・
鵜乃沢さんは頭を切り開かれたんだわ・・・
私は両手で口元を押さえ、悲鳴を上げないようにするのが精一杯だった。

「う・・・うう・・・」
うめき声が鵜乃沢さんの口から漏れる。
「鵜乃沢さん、しっかり! しっかりして!」
私は鵜乃沢さんの元へと近寄った。
「う・・・あ・・・頭が・・・」
頭を抱えるように押さえている鵜乃沢さん。
額の部分には二箇所に金属質のボタンのようなものが埋め込まれている。
いったい彼らは鵜乃沢さんに何をしたというのか?
「鵜乃沢さん! 鵜乃沢さん!」
「う・・・ああ・・・私が・・・私が私でなくなっていくぅ・・・あああ・・・隆一さん・・・あなたぁ・・・」
どうしよう。
とても苦しんでいるみたい。
でも私は医者じゃないし・・・

「誰かぁ! 誰か来てぇ! 誰かぁ!」
私は鉄格子に手をかけて外に叫ぶ。
鵜乃沢さんをほうっては置けない。
誰かに来てもらわなくちゃ。
「誰かぁ! 誰か来てぇ!」
「う・・・うる・・・さい・・・」
「えっ?」
私は驚いて振り返る。
すると、鵜乃沢さんが苦悶の表情で私をにらみつけていた。
「鵜乃沢さん・・・」
「うる・・・さい・・・大声を・・・出すな・・・」
頭を両手で抱えながら、苦しそうに言う鵜乃沢さん。
「だ、大丈夫なの?」
「うるさい・・・下等な人間は黙っていろ・・・」
「えっ?」
今なんて?
何を言っているの?
「わ、私はただあなたが苦しんでいたから・・・」
「うう・・・ううう・・・ご、ごめんなさい・・・なんだか私・・・変・・・」
「変?」
「ネオショッカー・・・私は・・・ネオショッカー・・・偉大なる・・・ああ・・・いやぁっ」
「鵜乃沢さん!」
私が駆け寄ろうとすると、彼女は首を振る。
「来ないで! 私は・・・私はもう・・・あああ・・・」
「鵜乃沢さん!」
がっくりとうなだれた彼女に近づくと、彼女は意識を失っていた。
私はもう一度牢の外に助けを呼んだが、誰も来てくれることはなかった。

                   ******

「う・・・」
私はゆっくりと目を覚ます。
どうやら知らないうちに眠ってしまったらしい。
服を着たまま硬い床に寝ていたので、躰のあちこちがこわばっている。
そういえば鵜乃沢さんは?
私は躰を解きほぐしながら彼女のほうを振り返る。
「ひっ」
鵜乃沢さんは起きていた。
壁に背中をつけるようにして座り、薄く笑みを浮かべ、冷たい目でこちらを見ていたのだ。
「起きていたんですね? 大丈夫ですか?」
「ヒャイーッ! 大丈夫よ・・・」
突然奇声を上げる鵜乃沢さんに私は驚く。
「う、鵜乃沢さん?」
「なあに・・・何か用?」
「い・・・いえ・・・」
相変わらず冷たい目で私を見る鵜乃沢さんに、私は何も言えなくなる。
いったいどうしたの?
昨日とはぜんぜん雰囲気が違う・・・

私が鵜乃沢さんの態度に戸惑っていると、がやがやと音がする。
奴らが来たんだわ。
「ゲゲゲゲゲ・・・さぁて、様子はどうかな?」
牢のところに現れたのは、あのガマガエルの化け物だった。
私は思わずその化け物から目をそらしたが、鵜乃沢さんがすっと立ち上がる。
「鵜乃沢さん?」
私の声かけにも答えず、鵜乃沢さんは牢の入り口のところまで行くと、すっと右手を上げる。
「ヒャイーッ!」
「ゲゲゲゲゲ・・・どうやら脳改造がうまくいったようだな。出ろ」
ガマガエルの化け物が牢の扉を開け、鵜乃沢さんが外へ出る。
どうして?
鵜乃沢さんはいったいどうなってしまったの?

「ヒャイーッ!」
牢を出て再び右手を上げて奇声を発する鵜乃沢さん。
「ゲゲゲゲゲ・・・これを着るがいい」
ガマガエルの化け物は、背後に控えている黒尽くめの男から何か受け取ると、鵜乃沢さんに手渡した。
「ヒャイーッ!」
鵜乃沢さんがそれを広げると、それは手足の付いた真っ黒いタイツのようなもので、あの黒尽くめの男たちが着ていたものと同じもののようだった。
「えっ?」
私は思わず声を上げたが、鵜乃沢さんはまったくこちらを気にする様子もなく、自分が着ていた白い貫頭衣を脱ぎ捨てると、生まれたままの姿になる。
昨日はまったく気がつかなかったけど、鵜乃沢さんって結構躰を鍛えているのか、筋肉が発達しているみたい。
私はこの場にまったくふさわしくないそんなことをつい考えてしまったが、その間にも鵜乃沢さんは手渡された黒い全身タイツを着込んでいく。
両脚を通して躰を包み、両手を袖に通していく。
足にはさらに黒いブーツを履き、両手にも黒い長手袋をはめていく。
腰には妙なバックルの付いたベルトを締め、最後は頭全体を覆うマスクをかぶっていく。
見る見るうちに、鵜乃沢さんはガマガエルの化け物の背後に立つ黒尽くめの連中とまったく同じ姿になってしまった。
違うのはガマガエルの背後にいるのは男性であり、黒尽くめの鵜乃沢さんは女性であるということが、躰のラインからはっきりしているということだけ。
それ以外はまったく同じ姿だったのだ。

「ゲゲゲゲゲ・・・さあ、お前が何者か言ってみろ」
「ヒャイーッ! 私は偉大なるネオショッカーにお仕えする女アリコマンドです。どうぞ何なりとご命令を。ヒャイーッ!」
右手を上げてまた奇声を発する鵜乃沢さん。
ううん・・・彼女はもう鵜乃沢さんじゃないんだわ・・・
彼らの・・・黒尽くめの男たち・・・確かアリコマンドっていう連中の仲間になってしまったんだ・・・
なんてこと・・・
脳改造って・・・恐ろしすぎる・・・

「ゲゲゲゲゲ・・・それでいい。次はその女だ。お前が連れ出すんだ」
「ヒャイーッ! かしこまりました」
「ひっ」
私が息を飲む間に、女アリコマンドになってしまった鵜乃沢さんが牢屋に入ってくる。
逃げ出そうにも狭い牢屋の中ではどうすることもできない。
必死で逃れようとするものの、女アリコマンドとなった鵜乃沢さんの力はとても強く、私は身動きができなく押さえつけられてしまう。
「ヒャイーッ! 逃げようとしても無駄よ。来なさい」
引きずられるように牢から出される私。
すぐにほかのアリコマンドたちもやってきて、私の両腕を掴み取る。
「ゲゲゲゲゲ・・・ドクターメデオがお待ちだ。連れて行け」
「「ヒャイーッ!」」
私はどうすることもできず、ただ連れて行かれるしかなかった・・・

                   ******

「ヒッヒッヒッヒ・・・今日もまた若い娘さんの頭蓋を切り刻めるわけじゃな。ヒッヒッヒッヒ・・・」
白衣をまとった白髪の老人ドクターメデオが薄気味悪い笑い声を上げる。
私は大きな円形の台のある部屋につれて来られていた。
そこで私は着ているものを無理やり脱がされ、裸のまま円形の台の上に寝かせられる。
両手両足を固定され、必死に逃げようともがいてみてもどうしようもない。
「ヒッヒッヒ・・・無駄なことじゃ。人間の力でははずれんわい」
そういってドクターメデオが近づいてくる。
その目は狂気を浮かべており、手には緑色の液体が入った注射器を持っていた。
「これは肉体を強化する薬品じゃ。アリコマンドは人間の数倍の力を発揮する。そのための薬品じゃ」
「私を・・・私をどうするつもりなの?」
「ヒッヒッヒ・・・知れたこと。肉体を強化し、脳改造を施して女アリコマンドにするのじゃ。ネオショッカーの手先となるのじゃよ。ヒッヒッヒ・・・」
「いや・・・いやぁっ!」
不気味に笑うドクターメデオに、私は必死で首を振る。
だが、私の腕に注射針が突き立てられ、中の薬品が注入される。
腕からじんわりと熱いものが広がってきて、躰が火照ってくる。
「ああ・・・なにこれ・・・」
「ヒッヒッヒ・・・若い娘のお前でも、これでプロレスラーですら一撃で倒せるようになる」
「そ、そんな・・・」
そんな力なんていらない。
いらないわ。

「ヒッヒッヒ・・・次はいよいよこれじゃ」
天井のアームが下がってきて、その先に付いた回転のこぎりが勢いよく回り始める。
まさか・・・そんな・・・
私は恐怖で目を見開いた。
「ヒッヒッヒ・・・おや、失禁したようじゃね。心配ない。すぐに痛みを感じることもなくなる」
「いやぁっ! たすけてぇ! いやぁっ!」
死に物狂いで手足をばたつかせるものの、両手両足はまったく動かせない。
「ヒッヒッヒ・・・なぁに、ちょっと脳をいじるだけじゃ」
私の額の位置に回転のこぎりが下りてきて、私は耐え切れずに意識が遠くなっていった・・・

「う・・・」
頭が割れるように痛い。
がんがんする。
私はいったい?
目を開けると、そこは連れ出される前に入れられていた牢屋だった。
床のコンクリートの上に寝かされていたのだ。
(偉大なるネオショッカー・・・)
えっ?
今私は何を?
(世界を支配するネオショッカー・・・)
頭が・・・頭の中で何かが・・・
(私は選ばれた存在・・・私はネオショッカーの一員・・・)
何?
何なのこれ?
(ネオショッカーにはむかう者には死を・・・ネオショッカーこそが世界を統一する組織・・・)
いやぁ!
頭の中で何かがわめいている!
私じゃない何かが頭の中で語りかけてくる!
私は頭を抱えて首を振る。
「えっ?」
髪の毛がない?
私の髪の毛がなくなっている?
そうだ・・・
私はさっき頭に手術を受けて・・・
きっとそのせいで頭がおかしくなっているんだわ。
どうしたらいいの?
助けて・・・
(助けなど必要ない・・・)
(ネオショッカーの一員としてネオショッカーに従えばいいのだ・・・)
(ネオショッカーの女アリコマンドとしてネオショッカーのために働くのだ・・・)
ネオショッカーのために働く・・・
ネオショッカーの一員・・・
(ネオショッカーこそ偉大な組織)
(ネオショッカーの一員であることは誇り)
ネオショッカーの一員であることは誇り・・・
(下等な人間どもを支配し、世界を征服する)
下等な人間どもは支配し、世界を征服します。
うう・・・だ・・・だめ・・・
ああ・・・頭が・・・頭が痛い・・・
あああ・・・

(ネオショッカー・・・ネオショッカー・・・)
「ネオ・・・ショッカー」
頭に響いてくる言葉を口にする。
なんだかとても気持ちがいい。
苦しむことなどないわ。
言葉を受け入れればいいの。
そう・・・言葉を受け入れる・・・
(ネオショッカーは支配者)
「ネオショッカーは支配者」
(私はネオショッカーの女アリコマンド)
「私はネオショッカーの女アリコマンド」
(ネオショッカーのために働きます)
「ネオショッカーのために働きます」
(ネオショッカーに忠誠を誓います)
「ネオショッカーに忠誠を誓います」
気持ちいい・・・
とてもとても気持ちいいわぁ・・・

「ネオショッカー」
「ネオショッカー」
「ネオショッカー」
私はその言葉を繰り返す。
どんどん私の中にその言葉が浸透し、もうネオショッカーのことしか考えられないわ。
私はネオショッカーの一員。
身も心もネオショッカーにささげます。
ネオショッカーは最高だわ。

                   ******

「ゲゲゲゲゲ・・・起きるのだ」
牢の入り口から私を起こす怪人様。
巨大なガマガエルの頭部がとても素敵。
「ヒャイーッ」
私はすぐさま起き上がると、右手を斜めに上げて敬礼する。
私たちの上に立つ怪人様には敬意を払わなくては。
私も早く怪人様の役に立ちたいわ。

「ゲゲゲゲゲ・・・どうやら脳改造もうまくいったようだな。さあ、出てきてこれに着替えるのだ」
「ヒャイーッ!」
私は背筋を伸ばして歩き出す。
牢を出て黒いアリコマンドスーツを受け取ると、着せられていた貫頭衣を脱ぎ捨て、裸になってスーツを着込んでいく。
両脚を通すだけでこのスーツのすばらしさが伝わってくる。
躰をぴったりと包んで保護し、肉体の動きを阻害せずに最高の能力発揮をさせてくれるスーツだわ。
私はスーツを腰までたくし上げると、両手を通して首のところまで包み込む。
背中のファスナーを上げると、スーツは肌に密着し、私の全身を包み込む。
なんて素敵。
すばらしいわ。
私は高揚する気分を味わいながら、頭にマスクをかぶっていく。
邪魔な髪の毛はすべて剃り取られているので、マスクがぴったりフィットする。
額に埋め込まれたソケットに、マスクに付いた触角のプラグがはまり、よりいっそう周囲の状況を感じ取れるようになる。
あとはブーツを履き、両手に長手袋をはめてベルトを締めるだけ。
私はアリコマンド。
もう下等な人間なんかじゃないわ。

「ヒャイーッ!」
アリコマンドスーツを着終わった私は、再び右手を上げて敬礼する。
「ゲゲゲゲゲ・・・お前は何者だ? 言ってみろ」
「ヒャイーッ! 私は偉大なるネオショッカーにお仕えする女アリコマンド。どうぞ何なりとご命令を」
私は怪人様にご挨拶する。
「ゲゲゲゲゲ・・・そうだ。それでいい。俺様はガマギラス。これからは俺様とともにネオショッカーのために働くのだ」
「ヒャイーッ! もちろんです。ネオショッカーのためなら何でもいたします」
私は心からそう思う。
こんなすばらしい躰にしてくださったネオショッカー。
私は心からネオショッカーに感謝した。

                    ******

「ヒャイーッ!」
「ヒャイーッ!」
ガマギラス様の命に従い、私たちは脱走者を連れ戻す。
このアリコマンド養成所から逃げられるとでも思っているのかしら。
せっかく選ばれて偉大なるネオショッカーの女アリコマンドになれるというのに。
光栄に思うべきだわ。

「ゲゲゲゲゲ・・・逃げられるとでも思っていたのか?」
「いやぁっ、離してっ!」
何とか逃れようともがく脱走者。
無駄なこと。
私たち女アリコマンドの力は人間の数倍に強化されているのよ。
振りほどくことなどできるはずもないわ。
「ゲゲゲゲゲ・・・本来なら始末してもいいのだが、女アリコマンドの素体は貴重だからな。連れて行ってすぐにドクターメデオの手術を受けさせるのだ」
「「ヒャイーッ!」」
「いやぁぁぁぁ!」
私たちは彼女を引きずるようにしてドクターメデオのところへ連れて行く。
すぐに彼女も女アリコマンドになったことを喜びと感じるようになるに違いないわ。
そして私たちとともに偉大なるネオショッカーのために働くの。
楽しみだわ。
「ヒャイーッ!」
私は思わず歓喜の声を上げるのだった。

終わり


いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想等お寄せいただけますと励みになりうれしいです。

それでは今後とも「舞方雅人の趣味の世界」をよろしくお願いいたします。
  1. 2015/07/21(火) 20:56:49|
  2. 洗脳・戦闘員化系SS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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