いよいよ明日からプロ野球は12球団がいっせいにキャンプインという状況ですが、ここに来て気になるニュースが入ってきました。
明日からのキャンプで二軍スタートとなっていた北海道日本ハムの斎藤佑樹投手が、右肩の故障がかなり思わしくない状況で、手術もありえるかもしれないとのことです。
斎藤投手は昨年右肩を痛め、キューバとの試合に出られなかったのですが、そのときの右肩の故障が「右肩関節唇損傷」だったようで、年明けに再検査を受けた時点でも同じ診断だったそうです。
「右肩関節唇の損傷」といえば、昨年同じ日本ハムのケッペル投手も同じ症状で手術を受けており、ほぼ一年間を棒に振っています。
斎藤投手も手術となれば、今年一年は難しいかもしれません。
現状では手術をしないで様子を見るようですが、キャンプ中も思わしくないようですと、手術に踏み切る可能性もあるようです。
斎藤投手には今年は勝負の年という思いもあったと思いますが、こういうスタートとなってしまったのはなんとも残念。
一日も早い回復をお祈りいたします。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2013/01/31(木) 20:55:34|
- スポーツ
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NHKで昨晩まで三週連続で海外ドラマ「SHERLOCK:シャーロック」をやっておりましたね。

録画はしていたんですが、一週目二週目は途中で寝てしまいまして・・・(^_^;)
結局ちゃんと見たのは夕べの第三話。
なんと言いますか、現代のシャーロック・ホームズはやはり携帯電話等いろいろなデジタルアイテムを駆使しておりますな。
その上で「観察すること」が重要と。
第三話はいわゆる「ブルース・パーティントン設計書」がベースになっているとのことですが、姿なき相手に翻弄されつつも相手を追い詰めていくシャーロックというお話でした。
最初は今日も途中で寝てしまうかなぁと思いながら見ていたんですが、途中から結構気になって最後まで見てしまいましたねぇ。
一話目と二話目も録画してあるので、これはきちんと見なくては。
世界一有名な探偵といても過言ではないシャーロック・ホームズ。
人気者も現代に放り込まれたり、犬になったりと大変ですな。(笑)
それではまた。
- 2013/01/30(水) 21:03:53|
- 映画&TVなど
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今日の夕方にツイッターでつぶやきました妄想ネタを、急遽45分で超短編SSに書けるかどうかチャレンジしてみました。
ほんとにでっち上げのSSではありますが、よろしければお楽しみくださいませ。
会社でMC
「ええっ? セクハラ?」
「そうなのー。ほら、うちの会社小さいでしょ? 事務は私一人でやっているんだけど、みんな出払っちゃったら私と社長だけになるじゃない。そうしたらいろいろセクハラされるの。ひどいときには太もも触られたりするのよ」
私は久しぶりにあった直美(なおみ)の愚痴を聞いていた。
直美とは大学時代に仲がよくなって、その後もずっと付き合いが続いてきた私の親友だ。
その彼女がセクハラに遭っているなんて。
確かに彼女は誰が見ても美人には違いないんだけど。
「そんなの・・・訴えるとかできないの?」
「うーん・・・でも、そこまでするのも・・・」
「そういうのはきちんと訴えないとだめなんじゃない?」
「それはそうなのかもしれないけど・・・でも・・・」
直美は大事にしたくないらしい。
彼女の性格から言ってもそれは充分考えられることではあったし、だからこそその社長のセクハラも止まらないのかもしれない。
「ねえ・・・美鈴(みすず)。あなた、確か“催眠術”ってやってたわよね」
「えっ? 催眠術?」
「そう。催眠術」
私が聞き返すと直美がこくんとうなずく。
「そ、それは・・・やってたけど」
確かに私は催眠術をかじったことがある。
大学では心理学を専攻したので、心理の勉強にと手を出してみたのだ。
何人かにかけてそれなりに成果を出したこともある。
でも・・・
それが何?
「だったら、うちの社長に催眠術をかけてくれない? セクハラしなくなるような・・・」
「ええっ? そんなの無理よ。催眠術と言ったってそんなに簡単には・・・」
「お願い。私もう耐えられないの。このままセクハラが続くようなら私・・・」
あう・・・
直美は思い込むとどうしようもなくなるときがある。
でも・・・
催眠術でセクハラをしなくなるようにする・・・か・・・
「一つ約束してもらってもいい?」
「約束?」
「そう。もしうまく行かなくても文句を言わない。セクハラが止まらないようならきちんと訴える。催眠術のことは他の人には話さない」
どうせダメ元なのだ。
やるだけやってダメなら直美もあきらめて社長を訴えるだろう。
それだったら、やるだけのことはやってもいい。
「約束する。約束するわ美鈴。だからお願い」
両手を合わせて拝んでくる直美。
しかたないなぁ。
「わかったわ。ダメ元でやってみる」
「ありがとう美鈴。恩に着ます」
あーあ・・・
厄介なこと引き受けちゃったかも・・・
******
「ほう・・・ワシに会いたいというのは君でしたか?」
数日後、私は直美に手配してもらって、社長に会えるように取り計らってもらった。
ビジネススーツに身を包み、まるで面接のような感じで応接室に入った私を、ハゲデブの社長が出迎える。
うわぁ・・・
直美には聞いていたけど、こんなオヤジにセクハラされたらたまらない。
私だったらすぐにでも訴えそうだわ。
「はい。直美とは友人でして、社長のお噂はかねがね。それでお伺いしているうちに一度どうしても実際にお会いしたくなりまして」
私は精一杯の笑顔を作りながら催眠術の支度を始める。
胸元のブローチを小刻みに動かし、そこに視線を集中させ、相手の意識を奪うのだ。
私は社長の視線が胸元に来るようにわざと胸を強調してみせる。
セクハラオヤジならきっと視線を向けてくるはずだ。
・・・・・・
・・・あれ?
・・・なんだろう・・・
・・・何かぼんやりして・・・
し、しまった・・・
鏡・・・
社長の背後にある鏡に私の姿が・・・
私・・・
わたし・・・
わ・・・た・・・し・・・
「どうかなさいましたかな?」
「はい・・・社長に催眠術をかけようとしていたのですが、自分がかかってしまいました・・・」
私は社長の質問に素直に答える。
「催眠術? 君は催眠術が使えるのかね?」
「はい・・・多少は・・・」
「なんと!」
ハゲデブの社長がちょっと驚いている。
「それで今は自分が催眠にかかっているというんだね?」
「はい・・・そうです」
「ワシに催眠術をかけてどうしようとしたのかね?」
「はい・・・直美へのセクハラをしないように暗示をかけるつもりでした・・・」
「・・・なるほど・・・では、今君に暗示をかけたらどうなるのかね?」
「はい・・・その暗示に従うようになります・・・」
「なーるほど・・・」
ハゲデブの社長がにやりと笑みを浮かべた。
******
「おはよう直美」
「おはよう美鈴」
ロッカーで制服に着替える私たち。
白い下着を脱ぎ、黒のいやらしい下着を身につける。
もちろん社長が見ている前でだ。
私たち女子社員は社長に着替えを見ていただかなくてはならない。
もちろんおっぱいもおまんこもしっかりとさらけ出してから着替えるのだ。
ブラを付けたら次はガーターベルトとストッキング。
パンティーはいつでも脱げるように一番最後に穿く。
黒い下着は社長がお選びになったわが社の制服。
着ているだけで社員としての喜びを感じるわ。
私たちは着替え終わると、朝の挨拶をしなくてはならない。
今日は私が前の担当。
社長の腰掛けているところに行き、ズボンとパンツを丁寧に下ろして差し上げる。
そして立ち上がった社長の股間のものを丁寧にしゃぶっていく。
直美は今日は後ろの担当なので、社長のお尻を丁寧に舐めているはず。
これは私たち女子社員の重要な朝の仕事。
社長に気持ちよくなっていただくことこそ、わが社の女子社員の務めなの。
「クックック・・・お前のおかげで社員は誰一人ワシに逆らうことはなくなったわい」
社長自ら私の頭をなでられる。
なんてうれしいのかしら。
このすばらしい社長に私は一生付いていくの。
もうほかのことなど考えられない。
「社員を無理やり働かせることで業績も多少上がってきたからな。もう一人事務員を雇ってもいいだろう。その折には・・・クックック・・・また頼むぞ」
「はい、社長。新人教育は私にお任せくださいませ」
私は新しく入る女子社員も社長のことしか考えられなくなるように教育しなくてはならない。
それこそが私に社長がお命じになられたことなのだから。
私は直美とともに社長にお仕えできる喜びを噛み締めながら、社長のものを口いっぱいにほおばるのだった。
END
- 2013/01/29(火) 21:28:46|
- 催眠・洗脳系
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昨日の日曜日でアニメ「スマイルプリキュア」が最終回を迎えましたね。

一年間お疲れ様でした。
私は過去「プリキュア」シリーズはほとんど見たことがなく、一昨年の「ハートキャッチプリキュア」を後半少しの間見たぐらいでして、昨年の「スイートプリキュア」も結局ほとんど見ませんでした。
ところが今年は、なぜか一話からしっかり見てみようと思い最初から見始めたのですが、なんと言うか肌にあったのかずいぶん楽しませていただきました。
今回の五人はよかったですね。
ハッピーもサニーもピースもマーチもビューティもみんなよかった。
最後に一話のみの登場でしたが、「バッドエンドプリキュア」の五人もいい感じでした。
一話のみというのがもったいなかったですね。
思えば春先にバスに乗ったとき、女の子が「ふまふまふまふま・・・」とつぶやいていたので、何を言っているのかなと思ったところ、「ふま、プリキュア」と続いたので、ああ、スマイルプリキュアのOP曲を歌っていたのかーと思わず笑みが浮かんでしまったことも。
来週からは「ドキドキプリキュア」だそうです。
こちらも肌に合うといいのですが。
まずは一話を楽しみに見ようと思います。
それではまた。
- 2013/01/28(月) 21:03:38|
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ツイッターで時々お話させていただいているぽぽふ様がつぶやいていらっしゃったウォーゲーム関連同人誌を、思わずポチってしまいました。

サークルMANON(マノン)様の「あんとらいど」の1と2です。
なんと驚くなかれ、マジでウォーゲーム関連同人誌なのです。
「あんとらいど」のほうはエポック/CMJの「独ソ電撃戦」を、「あんとらいど2」のほうはGDW/CMJの「インペリウム」をベースにしたお話で、まあ、リプレイにもなっていないお話ではあるのですが、読むとニヤリとしてしまいます。
確かにわかる人だけ付いて来いってレベルですので、「独ソ電撃戦」というゲームはとか「インペリウム」というゲームとはとかそういう説明はいっさいありません。
ほんとに表紙のおにゃのこたちがわいわいやっているだけと言ってもいいです。
なので、過度の期待は禁物なのですが、私には面白かったです。
価格もお手ごろですので、興味がある方はDL購入されてもよろしいかも。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2013/01/27(日) 20:55:33|
- 同人系
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昨晩と今日の午後と、VASSALでウォーゲームを堪能させていただきました。

昨晩対戦しましたのはASL-SK。
INB様とS13シナリオの続きです。
このシナリオは連合軍の対空砲陣地を攻撃する独軍というシチュエーションで、英軍の40ミリ機関砲三門をオーストラリア軍とギリシャ軍が守ります。
陣営はINB様が攻撃側の独軍を、私が防御側の連合軍を担当しました。
独軍は強力なキラースタックによる射撃で連合軍を確実にそぎ取ろうとしたようですが、ダイスの目のあやもあってなかなか思うような進撃ができません。
一方の連合軍も序盤で8-0指揮官を失うなど損害がかさみました。
一進一退の攻防が続きましたが、最後は連合軍の最後の対空砲を占領することができず、連合軍の勝ちとなりました。
とはいえ、最後までひやひやものの勝利でした。
今日の午後はちゃい様とタクテクス誌に付録として付いた「ナポレオンアットウォー(NAW)」シリーズの一作「マレンゴ」を対戦しました。

陣営はちゃい様が仏軍を、私がオーストリア軍を担当です。
オーストリア軍は積極果敢に攻撃を仕掛けましたが、なにぶん町や川向こうで防御する仏軍を攻めあぐね、なかなか突破できません。
ようやく左翼から突破を図ったものの、仏軍増援に挟まれて突出した騎兵部隊を失う始末。
マレンゴの町までは確保したものの、戦力はずたずたで心もとない状態に。
そこに仏軍の戦力が二倍になる反撃ターンの宣言がなされ、オーストリア軍は各所でユニットが消えていきました。
失った戦力が40戦力を超えたところで勝利の見込みなしと私のほうで投了。
オーストリア軍の敗北となり、ナポレオンは史実どおり「若鶏のマレンゴ風」料理に舌鼓を打ったことでしょう。(笑)
二戦とも面白い対戦でした。
INB様、ちゃい様、対戦ありがとうございました。
それではまた。
- 2013/01/26(土) 20:58:59|
- ウォーゲーム
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このところ野球ネタばかりですみません。
今日も野球の話題。
今年の春の選抜高校野球の出場校が確定したというニュースが入ってきました。
今年の参加校は全部で36校だそうです。
北海道からは、昨年の全道大会の優勝校の北照高校が2年連続5回目の出場となりましたが、21世紀枠で遠軽高校が初出場となりました。
遠軽高校はこのところ実力を付けてきていた高校ですので、今回初出場でどこまでやってくれますか楽しみです。
21世紀枠はほかにも3校選ばれたようで、福島県のいわき海星、島根県の益田翔陽、高知県の土佐高校がそれぞれ甲子園に出場です。
土佐高校以外は初出場で、土佐高校も20年ぶりとのことですので、フレッシュな顔ぶれという感じですね。
まあ、21世紀枠自体がそういう学校を選ぶためのものですから当然といえば当然ですが。
今年はほかに東日本大震災に基づく「東北絆枠」というものが設けられたそうで、東北地区からは4校が選ばれました。
これに21世紀枠のいわき海星が加わりますので、東北からは史上最多の5校が出場ということになったようです。
北海道は夏は南北と2校出られるのですが、春の選抜はだいたい1校のみでしたので、今回は北照と遠軽の2校が出られるのがうれしいですね。
球春もいよいよです。
それではまた。
- 2013/01/25(金) 21:04:50|
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昨日糸井選手&八木投手のトレードが発表になったばかりの北海道日本ハムですが、今日は早くも来季の監督に栗山監督の契約が一年延長されたことが発表されましたね。
栗山監督は昨年からの二年契約ということでしたが、昨年は見事にリーグ優勝という結果を出したことから、今季のシーズン中に来期の監督ははどうなんだという不安を一掃するためにもシーズン始まる前にもうはや来季の契約が決まったとのこと。
いいこととは思うのですが、これで今季は多少成績が悪くても問題ないよということを栗山監督に告げたということなんじゃないでしょうかね。
つまり、今季は育成のシーズンにせよということなんでしょう。
皆さんもご存知の通り、今季は稲葉選手が兼任コーチとなり、阿井ヘッドコーチ、黒木コーチ、大塚コーチなどコーチ陣も新人ばかりです。
加えて糸井選手、八木投手のトレードなどで戦力の低下も考えられるでしょう。
特に糸井選手の抜けた穴は一朝一夕には埋まらない。
となれば、今年に関してはとにかくコーチまで含めて育成せよということなのかなと。
そして来季以降、常時上位を維持できるチーム作りをしていこうということなんじゃないかなと思いました。
そのために、契約が今年で切れる状態ですと、栗山監督自身が次期契約のために育成を放棄して勝ちに行くことも考えられてしまいますからね。
まずはその不安を払拭して、今季は育成重視、勝敗はもちろん大事だが、やや育成に重点を置いてもいいよということを示したんじゃないでしょうか。
もちろんこれは私個人の考えですが、日本ハムの選手たちがまだ若い選手が多いことを考えると、今年一年を育成にあてるというのは充分考えられるかなと言う気はします。
糸井選手がいなくなってしまったことは残念なことではありますが、今から今季開幕戦のライトのスタメンが誰なのかワクワクしている自分もいます。
はたして鵜久森選手なのか、それとも谷口選手が抜擢されるのか、はたまた大谷選手が使われるのか、いや、ちょっと待てと移籍の赤田選手が守備に付くのか、このあたりとても楽しみです。
その意味では、糸井選手がいたのならこういう楽しみはなかったんだろうなとは思います。
今季の日本ハムがどうなるのか。
あと一週間でキャンプインです。
ワクワクです。
それではまた。
- 2013/01/24(木) 21:02:02|
- スポーツ
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プロ野球もあと10日もすればキャンプインですねー。
なんて思っていましたら、今日は驚きのニュースが飛び込んできちゃいました。
日本ハム糸井選手&八木投手とオリックス木佐貫投手・大引選手・赤田選手との2対3トレードが成立というではありませんか。
もうね、聞いた瞬間はびっくりでしたよ。
糸井選手を出したのかーってね。
何で糸井選手を出すんだ、来年はいないかもしれないけど、今年は必要な選手だろうと。
でも、少し落ち着いてきましたら、これは結構いいトレードを仕掛けたのかもしれないなと思いました。
まず、糸井選手はおそらく今年の末にはポスティングを要望するでしょうから、来年はたぶんいません。
八木選手も貴重な左の先発ですが、どうも一年通じて活躍したイメージが薄いです。
となると、二人ともいまが売り時と言ってもいいかもしれません。
日ハムの外野は陽選手、糸井選手、中田選手で磐石。
ですが、鵜久森選手のような中堅や谷口選手など期待の若手も多く、一枠空けても何とかなりそう。
逆に内野は手薄で特に金子選手の後継がまだ不在。
ここに大引選手がはまれば大いに戦力になってくれそう。
投手陣は斎藤佑樹投手が出遅れていてローテーション投手のコマに不安が残るため、ここに木佐貫投手が入ればこれもまた大きい。
赤田選手にはそれこそいざというときのためのプレイヤーとして控えてもらうことでバックアップもできる。
そう考えると今季来季にとっては非常にいいトレードだったかもしれません。
もちろんトレードは選手が活躍してくれてこそ。
糸井選手、八木投手の穴は大きいですが、そこはみんなでカバーしていきましょう。
それにしてもオリックスは手ごわくなりますね。
今季のこのカードが非常に楽しみになりました。
糸井選手、八木投手、いままでありがとうございました。
木佐貫投手、大引選手、赤田選手、これからよろしくお願いします。
それではまた。
- 2013/01/23(水) 21:03:01|
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サークル「レトロスター」様の同人作品、「女戦隊敗北!The悪堕ち!」と「変身ヒロイン敗北!The悪堕ち!2」の二本を手に入れましたのでご紹介ー。

こちらがTOP絵。
内容に関しましては若干のネタバレになりますので折りたたみますー。
[ワル堕ち]の続きを読む
- 2013/01/22(火) 21:02:41|
- 同人系
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先日の記事でも書きましたが、昨晩もセンパー様とVASSALで「ウクライナ44」を対戦。
最終ターンを終えて決着が付きました。

結論から言うとソ連軍の負けでした。(T_T)あうあう
ほんとに僅差だったんですけどね。
序盤から中盤にかけては、独軍担当のセンパー様が部隊を後退させていたこともあってわりと順調に推移しており、独軍第一装甲軍も包囲され航空補給を受けざるを得ない状況にまで追い込みました。
しかし、そこまでの間にソ連軍の各部隊は損害がかさみ、一撃を受けるともろい状況になっておりましたのです。
このゲームはソ連軍の場合はどんなに高比率でいい結果を出しても、最低1ステップ損失は避けられません。
ソ連軍の大半のユニットは2ステップか3ステップしかなく、独軍のように5ステップや10ステップもあるようなユニットはごくわずかです。
そのため、攻撃すると攻撃するほどやせ細っていくのですが、攻撃と防御の数値がアンバランスのためにソ連軍は攻撃をし続けないとなりません。
ですが、終盤になると攻撃することもかなわないほどユニットがやせ細ります。
そうなると独軍の反撃には耐えられません。
一ヶ所の戦闘に付き一ユニットが消えていくような状況で、どんどんソ連軍の部隊は消えてなくなりました。
占領したテルノポリも補給線がつながらず得点にはなりません。
また失ったステップ数がそのまま両軍の点数になるため、ソ連軍の失った部隊数が独軍の点数になってしまいます。
最後は中盤までに稼いだ点数を独軍が逆転し、僅差で独軍の勝利となりました。
うーむ・・・まさに「血を吐きながら続けるマラソン」のような苦しい展開。
とはいえ面白い対戦でした。
センパー様、今回も対戦ありがとうございました。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2013/01/21(月) 21:04:32|
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第二次大戦が始まる前、オーストラリアは自国の航空産業育成ときな臭くなる国際情勢に備えて軽爆撃機兼高等練習機となる「ワイラウェイ」という機体をアメリカのノースアメリカン社に開発してもらい、ライセンス生産を始めておりました。
しかし、実際に1941年12月に太平洋戦争が始まりますと、「ワイラウェイ」しか近代的軍用機がないという状況はオーストラリアにとって望ましくない状況であることは至極当然のことでした。
そのためオーストラリア政府は早急に新型軍用機、特に戦闘機を手に入れようと躍起になりましたが、すでに欧州では第二次世界大戦が始まっており、宗主国の英国はとてもオーストラリアのために戦闘機を輸出できるような状況ではなく、またアメリカも日本と戦争が始まってしまったことから、やはりオーストラリアに戦闘機を輸出できる状況ではありませんでした。
そこでオーストラリアは引き続き輸入の道を探ると同時に、戦闘機の自国開発を模索します。
幸いなことにオーストラリアのコモンウェルス社は航空機エンジンのライセンス生産も行っており、戦闘機用のエンジンも何とかなりそうでした。
コモンウェルス社では「ワイラウェイ」をライセンス生産していることもあり、その「ワイラウェイ」をベースにした戦闘機を開発することに決定。
ノースアメリカン社とのライセンス契約が「ワイラウェイ」の設計を変更しても良いという契約になっていたことも幸いでした。
コモンウェルス社は「ワイラウェイ」の主翼や尾翼はそのままにして、胴体を新設計にした上でエンジンを強力にした新型戦闘機を開発しました。
新胴体はずんぐりと太く短めで、どちらかというとグラマンF4FやブリュースターF2Bバッファローに似た感じの戦闘機として完成した新型戦闘機はCA-12という番号を与えられましたが、この試作機が完成するまではわずかに5ヶ月ほどという驚異的なスピードでした。
CA-12は20ミリ機銃2挺に7.7ミリ機銃2挺という当時としては結構な重武装で、200キロほどの爆弾を搭載することもできました。
最高速度は時速490キロとそれほど速いものではありませんでしたが、オーストラリア空軍はこのCA-12を採用し、原住民の使う武器の名を取って「ブーメラン」と名付けました。

「ブーメラン」は1942年10月から部隊配備が始まり、1943年には戦場に姿を現すようになりましたが、残念なことにやはり速度性能や高高度性能などが劣ることが判明し、戦闘機として日本軍戦闘機と空戦をするようなことにはなりませんでした。
しかし、低高度での運動性や爆弾搭載能力などから対地攻撃機としては充分な能力があるとされ、日本軍から制空権を奪ったあとのニューギニア戦線などでは日本軍地上部隊に対する攻撃に使用されました。
「ブーメラン」は各型合計で約250機が生産されました。
戦闘機としては能力不足でしたが、対地攻撃機としては重宝され、パイロットの評判もよかったそうです。
正直まったく存じなかった戦闘機でしたが、こんな機体もあったんですね。
それではまた。
- 2013/01/20(日) 20:58:24|
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先週からセンパー様とVASSALで「ウクライナ44」(CMJ)をプレイしております。

このゲームは「ブダペスト45」と同じシステムで1944年の独軍第一装甲軍の包囲からの脱出を描くもので、私は過去に何度かプレイしてきました。
今回はセンパー様ははじめての対戦ということもあり、練習対戦みたいなものですが、私がソ連軍、センパー様が独軍を担当でプレイ中です。
このゲーム、ソ連軍が強力に見えますが、防御側に回ると一転して弱いので、独軍は常に攻勢を心がけなくてはなりません。
防御に回っているとじわじわと削られるのみなのです。
一方のソ連軍もただ攻勢していればいいというものではありません。
攻撃も常に自軍のステップロスにつながりますので、攻勢を続けるとどんどん弱くなって行きます。
ここぞという戦いをしなくてはなりません。
いまのところ若干ソ連軍が優勢かなとも思いますが、独軍は強力な装甲師団の増援があるので侮れません。
今晩もウクライナの大地での戦いです。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2013/01/19(土) 21:00:00|
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遅まきながら、「宇宙戦艦ヤマト2199」の第三章を拝見いたしましたー。

箱絵は真田さんと新見さんとアナライザーですか。
今回は7.8.9.10話の四話だったわけですが、前後編となるような話はなくそれぞれが独立した話でした。
以下ネタバレ的な話ですので折りたたみます。
[ちょっと残念]の続きを読む
- 2013/01/18(金) 21:05:47|
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今日は野球の話題。
もう一昨日のことになるようですが、北海道日本ハムの中田翔選手に第一子となります長女がお誕生になられたそうですね。
中田選手は昨年の一月にご結婚なさったとお聞きしましたが、今年は一月に娘さんが誕生と二年連続でおめでたい出来事になりました。
中田選手も昨年はシーズン通して4番という打順に座りましたが、まだまだ物足りない数字だったことは否めません。
とはいえ、まだ23歳という若さでまだまだこれからの選手。
プロに入ってもう長く感じるのと、こうしてお子さんが生まれたりでずいぶん大人になったような気がしますが、私の半分も生きてないんですねぇ。
うらやましい。(笑)
お子さんが生まれたということで、今年は更なる活躍を期待してしまうわけですが、中田選手にはこれから5年10年と長く活躍してほしいものだと思います。
いつかはメジャー挑戦という話が出るのかもしれませんが、ずっとハムの主砲であり続けてほしいですね。
今日は短いですがこれにて。
それではまた。
- 2013/01/17(木) 21:07:43|
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「松」型駆逐艦によります松竹梅も三隻目。
「梅」のご紹介。
「梅」は「松」型駆逐艦の三番艦として、昭和19年(1944年)1月に起工され、同年6月に就役しました。
まさに計画時の六ヶ月で完成させるというのが実行できていたわけです。
主要目は一番艦「松」と同様で、変更されたところはありません。
就役後は慣熟訓練を行なったのち、台湾への輸送任務に参加。
無事に往復を終えました。
その後は南方に進出する戦艦「伊勢」「日向」の護衛に付いたり、「大和」を中心とする栗田艦隊に同行するなどしましたが、昭和19年(1944年)11月末ごろにはフィリピンのマニラに入港し、レイテ島オルモック湾への輸送作戦「多号作戦」に参加することになります。

(画像は同型艦「桃」)
12月5日に第八次多号作戦参加部隊としてマニラを出航。
米軍のオルモック湾南部への上陸の報に接し、オルモック湾からサン・イシドロに揚陸地を変更したものの、兵員の輸送のみ成功で重装備の揚陸には失敗。
さらに船団もほとんどが壊滅するという状況でした。
「梅」そのものは少々の被害を受けたもののマニラに無事に帰着。
その後香港へ向かい、そこで修理を受けました。
修理終了後は台湾へ行き、そこで再びルソン島に陸戦隊や物資などを輸送する任務が与えられました。
昭和20年(1945年)1月31日、「梅」は同じ「松」型の「楓」、「峯風」型駆逐艦の「汐風」の二隻とともに台湾の高雄を出航。
しかし、そのすぐあとに米軍の哨戒機に発見されてしまいます。
15時ごろから米軍のB-25およびP-47の空襲が始まり、「梅」は爆弾を三発被弾。
機械室を破壊され航行不能に陥りました。
「梅」は20度ほど傾斜し、救う手立ても失われたため総員退艦が命令されます。
生存者は「楓」、「汐風」に移乗し、「梅」は「汐風」の砲撃により処分され、「楓」と「汐風」は作戦を中止して台湾へと引き返しました。
太平洋戦争後半の制空権なき駆逐艦隊の悲劇そのままといった感じですね。
空襲に耐えつつ必死に部隊を輸送する。
そしてその大半がむなしく失われてしまう。
「梅」もそんな中の一隻でした。
それではまた。
- 2013/01/16(水) 21:05:03|
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昨日まで一番艦「松」を中心に「松」型駆逐艦をご紹介しましたが、今日は「竹」。
駆逐艦「竹」は、やはり松竹梅の並びからか、「松」型駆逐艦の二番艦として昭和18年(1943年)10月に建造が開始され、翌昭和19年(1944年)6月に就役しました。
主要目は同型艦である一番艦「松」と変わらず、公試排水量約1500トン、最大速力27.8ノット、武装も同じです。
就役後は訓練部隊で訓練を行なったのち、同型艦の「松」「梅」「桃」などとともに第四十三駆逐隊を編成。
各地に対する輸送作戦に参加し、戦闘にも参加しておりました。
そのころ、日本陸海軍は劣勢に追い込まれ、戦場もソロモン諸島やニューギニアからフィリピンへと移りつつありました。
日本軍はフィリピンでの決戦場に首都マニラのあるルソン島に設定し、ここに陸海軍の兵力を集中して米軍を迎え撃つつもりでした。
しかし、思わぬ事態が起こります。
米軍機動部隊がフィリピン戦に先立ち、日本軍の航空部隊を撃滅しようとして台湾沖に襲来しましたが、その米軍機動部隊が日本軍の航空部隊の逆襲によって壊滅したのです。
米軍は空母六隻以上を失い、そのほかの艦艇も壊滅的打撃を受けたとの報告でした。
もちろんこれは誤報でした。
日本の航空部隊は確かに米軍機動部隊を襲撃しましたが、不慣れな夜間攻撃などを行ったこともあり、実際の戦果はわずかに巡洋艦二隻を損傷させただけでした。
ですが、日本海軍がこの誤報を発表してしまったために、陸海軍でルソン島で決戦しようと決定していたはずが、その前に米軍が来襲すると予想されるレイテ島に兵力を移動し、レイテ島で決戦をしようと変更になったのです。
「竹」はこのルソン等からレイテ島への兵力輸送作戦である「多号作戦」に参加することになりました。
この「多号作戦」はルソン島のマニラから、レイテ島のオルモック湾へ陸軍部隊を輸送する作戦で、数次にわたって行なわれました。
第一次、および第二次輸送は成功裏に終わりましたが、第三次からは米軍機の空襲を受けるようになり、大きな被害を出すようになって行きます。
「竹」はこの第三次輸送および第五次輸送に参加。
第五次作戦で損傷を受けたものの生き残り、乗組員たちの間では「竹」は強運の艦であると噂が広まりました。

第五次作戦で受けた損傷を応急修理した「竹」は、昭和19年(1944年)11月30日、第七次輸送作戦に参加します。
このときは同型艦の「桑」と一緒でした。
一方米軍はこのとき空襲に加え、潜水艦や水上艦による妨害も始めており、ザーム大佐率いる駆逐艦三隻(アレン・M・サムナー、クーパー、モール)が輸送部隊撃破のためにオルモック湾へ向かっておりました。
航海の途中、「竹」は搭載していた魚雷が一本事故で投棄せざるを得なくなり、四本しかない魚雷が残り三本になってしまいます。
12月2日の夜、輸送隊はオルモック湾に進入し物資揚陸を開始します。
このとき米軍の駆逐艦三隻が現れ、周囲を警戒していた「桑」に発見されました。
米軍駆逐艦は「桑」を集中砲撃し、「桑」は命中弾多数を受け沈没。
米軍は次の目標を「竹」に定めます。
「竹」は単艦で米軍駆逐艦と交戦し、魚雷を発射。
この魚雷が見事に駆逐艦「クーパー」に命中し、「クーパー」は船体が真っ二つに折れて轟沈しました。
「竹」はその後も戦闘を続け、命中弾をいくらか受けたものの、沈没は免れます。
米軍も「竹」の奮戦でいくつかの命中弾を受け、それ以上の交戦を断念。
南方へと去りました。
「竹」は一時損傷から30度ほども傾くほどでしたが、無事にオルモック湾を離れ12月4日にはマニラへと帰着しました。
そして損傷修理のために日本へと戻ります。
無事に日本に戻った「竹」は修理を受け、昭和20年(1945年)4月には戦列に戻りましたが、以後は温存策をとられ本土決戦に備えましたが、その日がくることはなく、行動可能な状態のままで終戦を迎えました。
戦後は復員作業に従事したのち、1947年に英国へ賠償として引き渡され、解体されて一生を終えました。
ちなみに「竹」による「クーパー」撃沈は、日本海軍駆逐艦が魚雷で敵艦を沈めた最後の例となりました。
一言で言って文中にもありましたとおり運のよかった艦だと思います。
小型の簡易型駆逐艦でしたが、最後には魚雷で敵艦を沈めるという駆逐艦としては最高の戦果を上げることもできましたし、何より生き残ったのですから。
いい一生だったのではないでしょうか。
それではまた。
- 2013/01/15(火) 21:03:45|
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こうして建造されることとなった「松」型駆逐艦は、基準排水量がこれまでの艦隊型駆逐艦の約半分ほどの1300トンほどであったことから、一等駆逐艦でありながら本来1000トン以下の二等駆逐艦に付けられるはずの植物名が付けられることになり、一番艦の艦名が「松」であったことから「松」型駆逐艦と称されるようになりました。
一番艦の「松」の起工は昭和18年(1943年)8月に始まりましたが、この時点ではすでにもうガダルカナル島の攻防戦は終わっており、陸軍の兵士たちはガダルカナル島から撤退しておりました。
しかし、以後も島嶼をめぐる攻防戦は激化する一方であり、それに伴って駆逐艦の需要も多く、「松」型駆逐艦の大量生産は待ったなしの状況でした。
そのためすでに簡易生産型として手間のかかる工程を極力廃していた「松」でしたが、竣工直前には建造工程でさらに簡略化できる部分を盛り込んで徹底的に簡素化した改「松」型とも言うべきタイプも計画されました。
こちらは「松」型の一部とされることもありますが、一番艦の艦名が「橘」ということもあり、「橘」型として別扱いされることもあります。
「松」型は起工から完成までを約6ヶ月という短期間で終わらせることが目論まれておりました。
一番艦の「松」は昭和19年(1944年)4月末に完成し、約9ヶ月間かかりましたが、これは一番艦であることで造船所側も不慣れであったためで、以後の建造は約6ヶ月で工期を終えることができるようになって行きました。

(プラモの箱絵ですが)
「松」は公試排水量約1500トン。
全長は100メートル。
最大幅は9.35メートル。
最大速度約27.8ノット。
武装に12.7センチ高角砲連装、単装各一基、61センチ四連装魚雷発射管一基、爆雷36発を搭載しており、対空と対潜水艦用の武装に重点が置かれておりました。
「松」は極力手間のかかる工程を廃するために、従来の日本駆逐艦の特徴であった艦首部分の曲線構造を取りやめ、直線で形成された艦首部分となっていました。
また機関の馬力も1万9000馬力と従来の艦隊型駆逐艦の3分の1ほどしかなく、大きさを考えてもかなり速力は下がるだろうと考えられておりました。
しかし、最大速度はそれでも27.8ノットを出すことができ、意外に速度低下はそれほどではありませんでした。
このことは従来の駆逐艦の艦首構造が手間ばかりかかってそれほど効果がなかったということでもありました。
また、「松」型では日本海軍では初めてシフト配置の機関配置が取られ、前後二ブロックの機関室が設けられたことでどちらかが被害を受けてだめになっても、もう片方が健在なら動力を維持できるようになりました。
このことは生残性を大いに高めることになったといいます。
(現代の戦闘艦艇はほぼシフト配置)
完成した「松」は、その後慣熟訓練を行い、昭和19年(1944年)7月29日、第二護衛船団司令部のの旗艦として駆逐艦「旗風」、海防艦二隻、駆潜艇一隻とともに陸軍の兵士を乗せた輸送船団を護衛して出航しました。

輸送船団は無事に目的地である小笠原諸島の父島に到着し、そこで部隊と物資を下ろしますが、揚陸後の8月4日に父島を出航したあたりで米軍航空機に発見されます。
船団はミッチャー提督の空母艦隊の艦載機の攻撃を受け、「松」「第四号」海防艦、輸送船一隻を残すのみまで減らされてしまいました。
空襲後、ミッチャー提督は水上艦隊に残敵掃討を命じ、デュ・ボース少将指揮する軽巡および駆逐艦の艦隊が輸送船団に向かいました。
18時ごろ、たった三隻の船団はデュ・ボース艦隊に捕捉され、「松」は海防艦と輸送船を逃がすために単艦で敵艦隊に突入します。
このときの米艦隊は軽巡三隻、駆逐艦は十二隻もの艦隊であり、とても「松」の歯が立つ相手ではありません。
「松」は海防艦に「われ敵巡洋艦と交戦中、ただいまより反転これに突撃・・・」の電文を最後に消息を絶ちました。
「松」が体を張って必死に逃がそうとした海防艦と輸送船でしたが、残念なことに輸送船のほうは逃げ切れず、こちらも米艦隊に沈められてしまいました。
「松」の詳しい最後はわかっておりませんが、アメリカ側の記録では撃沈されたとのことです。
「松」型は改型の「橘」型を含めて終戦までに32隻もが建造されました。
これは日本の歴代駆逐艦の中で同型艦数の多さでは「神風」型と並ぶ最多記録でした。
しかも、戦局が厳しくなってきている中でのこれだけの量産というのは、「松」型の設計が量産に充分に適していたという証でしょう。
そしてこういう小型艦は数があることが重要だということの証でもあったような気がします。
それではまた。
- 2013/01/14(月) 21:01:25|
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もう松の内は過ぎてしまいましたが、お正月ですので松竹梅を取り上げます。
と言っても、私の趣味の世界での松竹梅ですが。
昭和17年(1942年)にはじまった日米によるガダルカナル島の攻防戦は、日本海軍にとっては予想もしない戦いとなりました。
堂々とした主力艦同士が砲撃戦を持って雌雄を決する決戦ではなく、島嶼に布陣した陸兵にたいする補給とそれによる消耗戦というものだったからです。
日本海軍はそもそも米艦隊と決戦を一戦して勝利するために作られてきました。
そのためには空母でさえ主力ではなく、戦艦同士の砲撃戦を有利にするための前哨戦を戦うべきものでした。
(制空権を取ることで敵艦に対する航空機による砲撃観測が行なえる)
ワシントン、ロンドンの二度の軍縮条約で主力艦(戦艦)の割合がアメリカよりも低く抑えられた日本は、なんとしても決戦前にこの比率を五分にしなければなりません。
そのために巡洋艦や駆逐艦で夜襲をかけ、魚雷で米戦艦をしとめて減らしておく予定だったのです。
当然日本海軍の駆逐艦はそれに応じた仕様で建造されました。
高速を発揮し、航続力にすぐれ、強力な魚雷を何本も積む。
これが日本の駆逐艦でした。
ですが、ガダルカナル島の攻防戦では、そんな駆逐艦に予定外の任務を与えざるを得ませんでした。
島にいる陸兵たちへの補給任務です。
本来ならこうした補給物資の輸送はそれ専用の輸送船舶が充てられるのが普通です。
しかし、ガダルカナル島の飛行場を奪われ、島付近上空の制空権を握られ、それを取り返すこともできない状況のまま補給を行なわざるを得なくなります。
そうなれば鈍足の輸送船舶は米軍航空機のいい目標でしかありません。
多くの輸送船がガダルカナル島にたどり着けないまま沈められました。
やむなく優秀な高速輸送船も使用しましたが、高速と言っても普通の輸送船に比べてというだけの話で、どんなにがんばっても20ノットがせいぜいであり、そうなると米軍航空機の制空権内のどこかで昼間を過ごさなくてはなりません。
昼間の航行中に見つかれば、高速輸送船も空襲にはかないません。
こうして高速輸送船でも補給はできなくなりました。
こうなると、高速輸送船よりももっと高速な船で米軍航空機の制空権内を夜間のみで走り抜けなくてはなりません。
夜間は空襲の心配がないからです。
しかし、そんな高速な船となると何があるでしょうか。
駆逐艦しかなかったのです。
日本海軍は背に腹はかえられず、艦隊決戦用に建造してきた高価な駆逐艦を投入するしかありませんでした。
各駆逐艦は魚雷を下ろし、補給物資をつめたドラム缶を載せてガダルカナル島に向かいました。
そしてガダルカナル島の沖合いでこのドラム缶を投入し、陸側から引っ張ってもらう補給方法しか行えなかったのです。
これは「ねずみ輸送」と呼ばれ、多くの駆逐艦が投入されました。
しかし、昼間の空襲を避けることはできたものの、今度は米軍の水上艦艇との戦いが起こりました。
そのうちの何度かには勝利し、何度かは敗北するなどし、さらには出発や帰着時などの空襲により、多くの駆逐艦が損傷し、沈没していきました。
高価な駆逐艦をこのような形で失っていくことは、全く割に合うことではありませんでした。
そしてそれ以上に、日本国内の造船能力では、こうした艦隊決戦用の駆逐艦を失った分だけ補充するということが全く不可能だったのです。
そのため、日本海軍はこうした輸送任務や船団護衛などに適した簡易に大量生産できる小型駆逐艦を量産しようと考えます。
艦隊決戦にはやや不向きとはいえ、艦隊決戦にも使え、護衛任務にも輸送任務にも使える簡易駆逐艦の大量生産というのは、日本海軍の歴史上でも特異なことでした。
こうして建造を開始されたのが「松」型駆逐艦でした。
- 2013/01/13(日) 20:58:53|
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タミヤニュースの今月号が届きました。

こちらが表紙。
第二次大戦中の米軍第116機甲騎兵隊と、第14機甲騎兵隊のマークだとのこと。
当時の機甲騎兵は何を装備していたんでしょうね?
M8装甲車あたりですかね。
裏表紙には第41回人形改造コンテストの入賞作品がカラーで掲載。
金賞は日本に来日したときのビートルズ。
飛行機のタラップから降りてくるところですね。
ほかにもスギちゃんやスターウォーズなど。
連載の第二次大戦イタリア軍装備解説はイタリア軍火砲の三回目。
今回はオーストリアが開発しライセンス生産したM35型47ミリ砲です。
もともと37ミリ歩兵砲の強化型として開発された砲でしたが、対戦車砲としても使われたとか。
優秀だったものの、やはり47ミリ口径では大戦中期には威力不足になってしまったようですね。
今号はミリタリー系の情景が二つ。
ひとつは放棄されたパンターをコレクション(?)に加えた米兵の情景。
もうひとつは工場で改修工事を受けているエレファントの情景。
エレファントはツィンメリートコーティングが施されようというところのようです。
1/48統一のモデラーズコンテストや、スバルBRZオンリィのコンテストのことにもページが割かれてますね。
新商品として2013年タミヤカタログも発売されたよう。
これはなんとなくほしいですねぇ。
今回も面白かったです。
それではまた。
- 2013/01/12(土) 21:14:37|
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昨年オフに阪神からFA宣言を行ないました平野選手ですが、先日オリックスバファローズに移籍が決まったのはご存知の方も多いでしょう。
その平野選手の移籍に対する人的保障を阪神側は求めていたようですが、今日その人的保障で阪神に移籍することになった選手が発表されました。
高宮和也投手(31)だそうです。
正直言って今日まで全く存じませんでした。
2006年のドラフト自由枠で横浜(現DeNA)に入団し、2011年にオリックスに移籍した左投手とのこと。
通算成績は103試合で3勝7敗ということですので、先発ではなく中継ぎとして使われてきたことが伺われます。
左の中継ぎ投手ということですので、ワンポイントとか一イニングとかでは充分使う場所はあるのではないかと思うます。
中村GMも左投手は何人いてもいいと言っておりますし、うまくはまってくれれば貴重な中継ぎ左腕になってくれるかもしれません。
横浜、オリックスと渡り歩くことになり、今回もプロテクト漏れした投手ですので、どこまで期待できるのかというのも正直なところです。
ただ、心機一転出なおすつもりでやってくれれば、意外に活躍してくれるかもしれません。
今回FAでオリックスからは日高捕手も阪神に来ておりますので、うまく高宮投手の持ち味を引き出してくれればいいですね。
阪神ファンに来てもらってよかったなぁと言ってもらえるような活躍をしてくれることを期待です。
それではまた。
- 2013/01/11(金) 21:02:27|
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北海道日本ハムからメジャーリーグ挑戦を目指して海外FA宣言を行なった田中賢介選手の行き先が、どうやらサンフランシスコジャイアンツに決まったようですね。
よかったよかった。
田中選手は昨年オフに海外FA宣言を行なったわけですが、その後は音沙汰がなくどうなったのかなぁとやきもきしておりました。
今回あくまでマイナーでの契約ということですが、このあたりはやむをえないところでしょうね。
がんばってメジャーに昇格していってほしいと思います。
国内ではいよいよ新人を含めた合同自主トレがはじまってきましたね。
日本ハムの大谷選手も、阪神の藤浪選手も寮に入り、それぞれプロ生活が始まったようです。
二人とももう投球練習を開始したとも聞きますね。
毎年のことですが、このあたりからキャンプ、オープン戦あたりが一番わくわくする時期かもしれませんね。
ペナントレースがはじまっちゃいますと、逆にはらはらしかしませんからねぇ。ww
キャンプインまであと20日ほど。
今年も始まりますね。
それではまた。
- 2013/01/10(木) 21:04:55|
- スポーツ
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ということで舞方です。
先日学研の「歴史群像」誌の2月号を手に入れてきました。

表紙はこちら。
今号の特集は「絶対国防圏への道」。
太平洋戦争も中盤となり、ガダルカナル島の攻防戦に敗れた日本陸海軍がとるべき新たなる方策「絶対国防圏」。
その成立にいたるまでということで、日本陸海軍としても相当に混乱していた時期ではないでしょうか。
そのあたりを詳しく書いてあるようです。
第二特集は「ソ連軍パリ侵攻の夢」。
第二次大戦後の東西冷戦下におけるNATO軍の悪夢、そしてソ連軍にとっては夢であったパリへの侵攻。
ワルシャワ条約はいかにその夢をかなえようとし、NATOはいかにそれを阻止しようとしてきたかが書かれているようです。
第三特集は「ノルウェー侵攻作戦」。
ドイツ軍の将軍が観光マップを見て数時間で基本を作ったとも言われる独軍によるノルウェー侵攻作戦です。
海軍面の作戦では「NORWAY1940」というゲームでも取り上げられておりますので、気になる作戦ではありますね。
今号もこの三本を軸として楽しめそうな記事ばかり。
読むのが楽しみですー。
それではまた。
- 2013/01/09(水) 21:02:46|
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今村陽子先生のマンガ「ヒーローの秘密」第二巻読みましたー。

こちらが表紙。
この二人とも実は男だという。(笑)
男なのに変身すると性別が女になっちゃう戦隊ピンクちゃんを中心にした物語ですが、この二巻で一応は終わりのようです。
戦隊とプルト星人の戦いもまだ続くようで、ピンクちゃんもまだまだ戦わねばならないようですが、彼(彼女)にとっての一応のハッピーエンドということのようです。
TSものはあまり見ないのですが、前巻のときも書きましたが、これはなかなか面白かったです。
まあ、おにゃのこを改造するのと似たようなものかー。(笑)
しかし、こういうのを見ると男の娘ネタもなんか書きたくなりますねぇ。
そのうち書いてみましょうかね。
それではまた。
- 2013/01/08(火) 21:06:20|
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新年堕とし玉(お年玉)SSの第二弾を投下します。
本当は三が日の間に投下したかったのですが、書きあがるのに時間がかかってしまいました。
何とか松の内の七日までに間に合いました。
タイトルは「蛇魔女ジャルーナ」です。
今回もいわゆるシチュのみの短編です。
短い作品ですが、お楽しみいただけますとうれしいです。
それではどうぞ。
「蛇魔女ジャルーナ」
「う・・・ここは? 私はいったい?」
長いまつげがぴくぴくと震え、やがてうっすらと目を開ける後川綾乃(うしろかわ あやの)。
いったい何がどうなったというのか?
綾乃はとにかく状況を把握しようと周囲を見回す。
どうやら室内にいるらしい・・・
「えっ? キャッ」
思わず声を上げてしまう綾乃。
自分が何も身に着けていないことに気がついたのだ。
「えっ? 何?」
思わず手で隠そうとしたものの、両手が動かない。
「え? え?」
何が何だかわからない。
だが、じょじょに状況が綾乃にも飲み込めてくる。
持ち前の冷静さで落ち着きを取り戻しつつあったのだ。
どうやら綾乃は捕らえられてしまったらしい。
Xの形をした磔台に裸で縛り付けられているのだ。
薄暗い部屋に磔になっている綾乃。
このようなことをするのは奴らしかありえない。
ぎりっと綾乃は唇を噛んだ。
「気が付いたようだな」
ドスのきいた低い声が室内に響く。
そしてうろこに覆われた全身に蛇の頭部を持ち、厚い胸板と太い腕をした偉丈夫が姿を現した。
ジャジャー帝国の指揮官コブラー将軍だ。
「コブラー将軍・・・やはりあなたが・・・」
裸をさらす恥ずかしさを飲み込み、キッとコブラー将軍をにらみつける綾乃。
本来ならすぐにでも戦士たちを呼び、決戦を挑みたいところだがこの状態ではそうもいかない。
「クックック・・・いい目だ。さすがはわがジャジャー帝国に何度も煮え湯を飲ませてきた“マングース”のメンバーを統率する女司令官だな」
ちろちろと舌を出しながらニタァッと笑みを浮かべるコブラー将軍。
毒蛇コブラのように頭部の両脇から左右に広がったのど部分がそのまま両肩へとつながっている。
「クッ・・・」
やはりわかった上で捕らわれたらしい。
綾乃が地球を守る正義の秘密戦隊マングースの司令官であることは機密事項のはずだったが、どこかで情報が漏れたのだろう。
「お前たちにはずいぶんと世話になったからな。戦闘指揮官のマムシーまでも失うとは思わなかったぞ」
鋭い爪をした手で綾乃のあごを持ち上げるコブラー。
綾乃はその手を振り払うように首を振り、ありったけの憎悪をこめてにらみつける。
「あなたたちの野望はおしまいよ。マングースがある限りあなたたちの侵略は成功しないわ。地球は渡さない」
「クックック・・・確かにお前たちは強い。だがどんな強い生き物も頭を失えば弱くなるもの。そうだろう?」
「クッ」
そういうことか。
マングースの戦士たちに歯が立たないものだから、司令官である自分を殺そうというのだろう。
裸にしたということは辱めて殺すつもりなのかもしれない。
「残念ね。私を殺したところでマングースはびくともしないわ。殺すならさっさと殺したらどう?」
綾乃は不敵に笑みを浮かべる。
美人の女司令官などと国防会議などでは呼ばれたものだが、まさにその言葉にたがわぬ美しさだ。
「クックック・・・死ぬのは怖いか?」
「・・・それは・・・怖いわ・・・」
死ぬのは怖い。
それは当然だろう。
生きているものにとって死は怖い。
だが、彼女が死んでもマングースは生き残る。
マングースさえ健在ならば地球は守られるだろう。
それはたぶん間違いない。
「クックック・・・安心しろ。お前を殺しはしない」
意外なことを言うコブラー。
思わず綾乃も顔を上げてコブラーを見上げてしまう。
「殺しはしない?」
「そうだ。お前は地球人にしては優秀なメスだ。殺してしまうには惜しい。どうだ、我らとともにこの地球を支配せぬか? お前ならわがジャジャー帝国のいい女戦士になるだろう」
「はぁ?」
綾乃は驚いた。
言うに事欠いて一緒に地球を支配しようだと?
あきれてものも言えない。
「ふざけないで! 誰があなた方に協力などするものですか! 私を見損なわないでちょうだい!」
「ほう・・・殺されてもか?」
コブラーの顔から笑みが消え、鋭い目でにらみつけてくる。
背筋が凍りそうな恐怖感だが、綾乃はそれを必死で振り払った。
「たとえ殺されても、あなた方に協力するなどありえないわ」
綾乃はキッとコブラーをにらみつけた。
「クックック・・・やはりな。殺されると聞いて怖気づいて協力を申し出るようなメスなら、むしろあっさりと殺してしまおうと思ったが、殺されても協力しないと言い切るか。それでこそ我が見込んだメスだ」
再びニタァッっと笑みを浮かべるコブラー。
「さあ、わかったらさっさと殺したらどう?」
もはや助かることはないだろう。
おそらくマングースの戦士たちは綾乃がいないことに気が付いているだろうが、救出が間に合うとは思えない。
むざむざ死ぬのは悔しいが、きっと仇は討ってくれるはず・・・
「クックック・・・焦るな。実のところお前の意思など関係ないのだ」
相変わらず笑みを浮かべたままのコブラー。
ちろちろと先が二つに割れた舌が見え隠れする。
「関係ない?」
どういうことなのだろう。
「クックック・・・そうだ。お前はすぐに自らの意思で喜んで我々に従うようになる」
「何をバカなことを! 殺されたってそんなことはありえないと言ったはずよ!」
「クックック・・・我がジャジャー帝国はこれまでも利用価値のある者を仲間へと変えてきた。今まで地球人には利用価値のある者はいないと思っていたが、どうやらお前はそうではない」
鋭い爪のついた右手を手のひらを上にして差し出すコブラー。
その手のひらの上にうろこの付いた蛇の皮のようなものが現れる。
「これが何かわかるか?」
「?」
綾乃は首をかしげる。
蛇の皮のようだが、これがいったいどうしたというのだろう?
「これをお前の躰に貼り付けてやる。そうすればこの皮がお前の躰に広がってお前の躰をジャジャー帝国のメスへと変化させるのだ。その上で我らに忠実となるよう洗脳してやろう。クックック・・・」
「な?」
息を飲む綾乃。
冗談ではない。
ジャジャー帝国のメスになどされてたまるものか。
「や、やめてぇっ!!」
綾乃は必死になって逃れようとする。
しかし、両手両足はがっちりと金具に固定され、磔状態から抜け出せない。
「無駄だ。お前の力程度ではその金具を破壊することはできん」
ゆっくりと近づいてくるコブラー。
やがてコブラーは、もがく綾乃の白いお腹にぺたりと蛇皮を貼り付ける。
「ひやぁっ!」
最初は冷んやり冷たく感じたものの、やがてそこがじんわりと火照ってくる。
「いやっ、いやぁっ!!」
次にコブラーは同じような蛇皮を綾乃の両足の脛部分に貼り付けた。
「ああん、いやぁっ・・・」
身を捩って逃れようとするものの、両手両脚が拘束されていてはどうすることもできない。
お腹と両脚がじんわりと火照り、なんだかとても気持ちよくなってくる。
むずがゆいような痛いような不思議な感じが全身に広がっていく。
綾乃は身もだえしながらその感覚を受け入れるしかない。
「ああ・・・いや、いやぁ・・・」
やがて貼り付けられた蛇皮がじわじわと広がり始める。
おへそから下腹部へと広がり、形良い両胸をも覆っていく。
脛からもふくらはぎからひざへと広がり、うろこが両脚を覆っていく。
「ああ・・・そ、そんな・・・いやぁっ」
自分の腹部と両脚が蛇皮に覆われていくのを見て綾乃は恐怖におののく。
しかし、それがどうにも気持ちよく、本当に恐怖を感じているのかわからない。
綾乃の両足はすでに足の甲まで蛇皮に覆われ、足指がくっついてかかとが伸び、まるでハイヒールタイプのブーツを履いているような形へと変化する。
腹部に広がった蛇皮も背中へと広がっていき、股間から首までを覆うまるで蛇皮でできたレオタードのような姿に変わっていく。
「ああ・・・あああ・・・」
自分の躰が蛇皮に覆われていくのをなすすべなく見ている綾乃。
だが、それとともに躰中に広がっていく、えも言われぬ快感がたまらない。
「ククククク・・・両手にはこれをつけてやろう」
コブラーの手に新たに蛇皮が現れる。
それは綾乃の両手の甲に貼り付けられると、すぐさま変化し始めた。
左手の蛇皮は手袋のように左手を覆い、指先に鋭い爪を形作る。
一方右手の蛇皮はまるで綾乃の右手から蛇の頭部が生えてきたかのように右手の先を蛇の頭へと変えてしまう。
らんらんと輝く目を持ち、ぱっくりと開けた口からは毒の牙が鋭く生え、先の割れた舌がちろちろと出入りする毒蛇の頭。
綾乃の右手はそんな蛇の頭のようになってしまったのだった。
「ひぃぃぃっ! いやぁっ!!」
しゅるしゅると伸びて綾乃の顔に近づいてくる綾乃の右手。
その舌先が綾乃の頬に触れんばかりになっている。
「いやっ、戻して! 私の手をもとに戻してぇ!!」
自分の躰が変わっていくことにショックを受けているはずなのに、どんどん躰は気持ちよくなっていく。
それが綾乃には耐えられなかった。
「クックック・・・おびえることはない。これをかぶればすぐに新たな躰を誇らしく思うようになる」
コブラーが次に手にしたのは蛇の頭部を模したヘルメットだった。
鼻から上をすっぽり覆う形をしており、縦長の瞳をした蛇の目が付いている。
「いやぁ・・・やめてぇ・・・これ以上私を変えないでぇ」
幼子がいやいやをするように首を振る綾乃。
すでに躰は蛇皮に覆われ、まるで蛇皮のレオタードやブーツ、手袋を身につけているようだ。
わずかに太ももと二の腕の一部だけが人間らしさを保っている。
「クックック・・・さあ、ジャジャー帝国の一員となるがいい」
ゆっくりと綾乃の頭にヘルメットをかぶせるコブラー。
必死に頭を動かして拒む綾乃だったが、躰を拘束されている以上どうしようもない。
すっぽりと綾乃の頭にヘルメットがかぶせられ、両耳の辺りから上は蛇の頭部に覆われてしまう。
「ああっ、いやぁっ」
頭を振ってもがく綾乃。
だが、かぶせられたヘルメットは綾乃の頭にがっちりと嵌ってしまってとても抜けるものではない。
そしてヘルメットの蛇の目が輝きを増し、綾乃の目の代わりをし始める。
「な、何? いやぁっ! 私の頭をいじらないでぇ!!」
苦痛に悲鳴を上げる綾乃。
先ほどまでの快楽とは違ううねりが綾乃の脳をかき混ぜているのだ。
「ククククク・・・少しの辛抱だ。すぐにお前の思考はジャジャー帝国のメスへと変化する」
「ああ・・・そんなの・・・そんなのはいやぁっ!!」
ひときわ大きく悲鳴を上げ、がっくりとうなだれる綾乃。
全身の力が抜け、どうやら気を失ってしまったらしい。
「クックック・・・これでよい。次に目を覚ますときが楽しみだ」
コブラーの口の端が釣りあがり、ニタァッという笑みが浮かんだ。
******
「ケケ・・・ケケケケケ・・・」
がっくりとうなだれた綾乃の口から不気味な笑い声が響き始める。
真っ赤に染まった唇となったその口からは、人間のものとは思えない先が二つに割れた細長い舌がちろちろと出入りし始めていた。
やがてゆっくりと顔を上げる綾乃。
ヘルメットの蛇の目が再びらんらんと輝き始めている。
するりとまるで骨がなくなったかのように両手をうねらせて拘束金具から抜き取ると、両足も同じように金具から引き抜いてしまう。
そして、ゆっくりと二三歩前に踏み出すと、腕組みをして様子をみていたコブラーに対し笑みを浮かべた。
「クックック・・・自力で拘束を抜け出したか。気分はどうかな? 生まれ変わった気分は?」
「ケケケケケケ・・・はい、最高ですわ。私はもう下等な人間などではありません。あのような拘束など私たちジャジャー帝国の者には無意味なこと」
うねうねと動く右手を胸の前に持ってくると、愛しそうにその右手の蛇の頭を左手でなでる綾乃。
茶色に黒のまだら模様のうろこに覆われたその姿は、まさに蛇女というにふさわしい。
「クックック・・・それでいい。お前はもうジャジャー帝国のメス。蛇魔女ジャルーナと名乗るがいい」
満足そうにうなずくコブラー。
目の前にいるメスはなかなかに美しく、また邪悪を感じさせるものだったのだ。
「ケケケケケケ・・・それが私の新たなる名前なのですね。ありがとうございます。私は偉大なるジャジャー帝国の蛇魔女ジャルーナ。ジャジャー帝国に永遠の忠誠を誓いますわ」
ちろちろと舌を出し入れさせながらニタァッと笑う綾乃。
いや、もはや彼女は身も心も蛇魔女ジャルーナと化していた。
「ククククク・・・そうだ。お前は蛇魔女ジャルーナ。これからはジャジャー帝国の一員として秘密戦隊マングースと戦うのだ」
「もちろんです。秘密戦隊マングースはジャジャー帝国に歯向かう憎むべき敵。あのような連中の司令官などを務めていたかと思うとゾッとしますわ。その罪滅ぼしのためにも必ずや連中をこの手で始末してご覧に入れます。ケケケケケケ・・・」
「クックックック・・・うむ。お前の手腕、見せてもらうぞ」
「かしこまりましたわコブラー様。ですがその前に・・・」
満足そうにうなずいているコブラーの前にスッとひざまずくジャルーナ。
「生まれ変わった私の忠誠心をお見せしたいと思いますわ。ケケケケケケ・・・」
いやらしい笑い声を上げながら、コブラーの股間をそっと右手の蛇頭でなで上げるジャルーナ。
その顔には淫靡な笑みが浮かんでいる。
「クックック・・・いいだろう。お前の忠誠心、見せてもらうとしよう。来るがいい」
「はい、コブラー様。生まれ変わりました私の躰、存分にお楽しみくださいませ。ケケケケケケ・・・」
導かれるままに立ち上がり、ジャルーナはコブラーの後に付いていく。
新たなジャジャー帝国の女幹部の誕生だった。
******
「う・・・あ・・・ここは?」
ゆっくりと目を開ける鮎村舞(あゆむら まい)。
彼女は秘密戦隊マングースの一員“マングースイエロー”としてジャジャー帝国と戦っていたのだが、どうやら捕らえられてしまったらしい。
気が付くと彼女の躰は両手両脚を拘束され、X字型に磔になっていたのだ。
しかも生まれたままの姿である。
「ケケケケケケ・・・目が覚めたようね、鮎村舞。いいえ、わがジャジャー帝国に歯向かう愚か者マングースイエロー」
「誰?」
舞が顔を上げると、ゆっくりと近づいてくる人影が見える。
頭は蛇の頭部を模したヘルメットをすっぽりとかぶり、口元は人間のようだが真っ赤な唇からは先が二つに割れた舌がちろちろと出入りしている。
躰は女性のようなやわらかいラインをしており、形の良い両胸が双丘をなしているが、レオタードのような茶色と黒のまだらの蛇皮に覆われていた。
鋭い爪の左手になでられている右手はまさに蛇の頭であり、こちらも目を輝かせて舌をちろちろと伸ばしている。
両足は太ももまである蛇皮のハイヒールブーツに覆われており、カツコツと足音を立てていた。
マントを翻したさまはまさにジャジャー帝国の女幹部という雰囲気であり、おそらく強敵であることは間違いない。
「やはりジャジャー帝国・・・」
歯噛みする舞。
油断をしたつもりはなかったが、綾乃司令からの呼び出しと思い、出向いたところを捕らわれるとは思わなかったのだ。
「ケケケケケケ・・・私はジャジャー帝国の蛇魔女ジャルーナ。偉大なるジャジャー帝国の忠実なるしもべ」
ゆっくりと舞のそばまでやってくるジャルーナ。
その口元にはニタァッという笑みが浮かんでいる。
「蛇魔女ジャルーナ・・・綾乃司令のコードを使ったのはお前なの?」
マングースの隊員にはそれぞれ個別のコードが設けられている。
そのコードは偽造不可能といわれており、それゆえに綾乃のコードを使って発せられた呼び出しに舞は疑いを感じなかったのだ。
「ケケケケケケ・・・そうよ。まさか本物のコードが罠に使われるとは思わなかったかしら?」
「本物のコード? ということはやはり綾乃司令はお前たちの手に? 綾乃司令はどこ?」
裸体をさらしているにもかかわらず気丈にもジャルーナをにらみつける舞。
マングースイエローとしての活躍は伊達ではない。
「ケケケケケケ・・・後川綾乃はもういないわ」
右手の蛇頭を口元に当てて高笑いをするジャルーナ。
「いない? まさか綾乃司令を・・・」
「ケケケケケケ・・・後川綾乃はもういない。私は生まれ変わったの。今の私は偉大なるジャジャー帝国のメス。蛇魔女ジャルーナよ!」
「えっ? ま、まさか・・・そんな・・・綾乃司令? 綾乃司令なんですか?」
ジャルーナが何を言ったのかを理解し、愕然とする舞。
まさか目の前にいるこの蛇女が綾乃司令だというのか?
「ケケケケケケ・・・ええそうよ。でも言ったでしょ。後川綾乃などという下等なメスはもういないわ。そのような過去があったことを思い出すだけでも不愉快よ。私はジャジャー帝国の蛇魔女ジャルーナなの」
まるで生まれ変わった自分を確認するかのように自分の名を連呼するジャルーナ。
彼女にとっては思い出したくもない過去なのだ。
「そんな・・・綾乃司令が・・・嘘でしょ・・・」
舞にはとても信じられない。
あの美人で優しくてそれでいて凛とした綾乃司令がジャジャー帝国の一員になってしまうなんて・・・
おぞましい蛇女になってしまうなんて・・・
「ケケケケケケ・・・嘘じゃないわ。見て。私は生まれ変わったの。こんなに素敵な躰にしたいただいたのよ」
自分の躰を見せ付けるようにくるりと一回転するジャルーナ。
女性としての柔らかなラインは見る者が見れば美しいかもしれない。
「この腕も素敵でしょ。この口で何人もの人間ののどに噛み付いて毒を流し込んでやったわ。みんなぴくぴくと痙攣して死んでいくの。最高に楽しいわよ。ケケケケケケ・・・」
高笑いを発しながら右手の蛇頭を左手でなでるジャルーナ。
あの綾乃司令の面影は全くない。
だが、よく見ると口元にあるほくろが綾乃であったことを物語っている。
「そんな・・・そんな・・・」
愕然としている舞。
もし本当なら、司令官としてマングースのすべてを知っている者が敵にまわったことになる。
それはマングースにとっては計り知れないほどのダメージに違いない。
「ケケケケケケ・・・ショックを受けるのも当然ね。でも心配することはないわ」
「え?」
「あなたもすぐにジャジャー帝国の一員にしてあげる。クグツヘビとしてジャジャー帝国のために働くのよ。ケケケケケケ・・・」
「そ、そんな・・・」
クグツヘビというのは全身がうろこで覆われた人間のような姿をしたジャジャー帝国の戦闘員だ。
命令に従い冷酷に人間を襲ってくる。
「いやっ! いやよ! クグツヘビなんかにされるなんていやぁっ!!」
ぶんぶんと首を振る舞。
「ケケケケケケ・・・怖がることはないわ。クグツヘビになれば何も考えることなどなくなるのよ。悩みもなくなるし命令に従うだけで快感になるの。素敵だと思うわよ」
うろこでざらっとした左手で舞のあごをなでるジャルーナ。
「いやぁっ! やめてぇっ!」
「ケケケケケケ・・・これが何かわかるかしら?」
舞のあごをなでていたジャルーナがその左手の平を上にする。
するとそこに緑色のうろこのようなものが現れた。
「う・・・うろこ・・・」
「そう。これはクグツヘビのうろこ。これをあなたの躰に貼り付ければ・・・ケケケケケケ・・・」
ジャルーナの不気味な笑い声が響く。
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
舞の悲鳴がその笑い声に重なった。
******
「シャーッ!」
カツコツとヒールの音を響かせ、ジャルーナの前にやってくる一体のクグツヘビ。
女性らしい柔らかなラインをさらけ出してはいるものの、その全身は頭からつま先まですっぽりと緑色のうろこ状の全身タイツのようなものに覆われており、目と口だけが覗いている。
その目は人間のものだが瞳は縦に細長く、口からも先が二つに割れた舌がちろちろと出入りしている。
両手の指先には鋭い爪が伸び、両足はかかとが伸びてハイヒールのようになっていた。
「ケケケケケケ・・・素敵なクグツヘビになったわね。もう心もクグツヘビに変わったでしょう?」
「シャーッ! はい、私はクグツヘビ№63。どうぞ何なりとご命令を」
スッとジャルーナにひざまずくクグツヘビ。
それは先ほどまで磔にされていたマングースイエロー、鮎村舞の生まれ変わった姿だった。
「ケケケケケケ・・・これでもうお前は我らジャジャー帝国の一員。その身をジャジャー帝国のためにささげるのよ」
ジャルーナの右手の蛇頭が63号の頭をなでる。
「シャーッ! もちろんです。私はクグツヘビ。ジャジャー帝国の命令に従い、この身を使い捨てていただくことこそ最大の喜びです」
ニタァッと笑みを浮かべる63号。
彼女にとってはもうジャジャー帝国の命令に従うことこそがすべてなのだ。
「ケケケケケケ・・・それでいいわ。我がジャジャー帝国に歯向かう愚か者たちを始末するのです。いいわね」
「シャーッ! かしこまりました。ジャジャー帝国に栄光あれ!」
立ち上がり右手を斜めに上げて敬礼する63号。
その姿を見るジャルーナの口元には、満足そうなゆがんだ笑みが浮かんでいた。
END
いかがでしたでしょうか?
今年は何とか創作のペースを上げていければなと思っております。
お付き合いよろしくお願いいたします。
それではまた。
- 2013/01/07(月) 21:00:00|
- 怪人化・機械化系SS
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3日4日と連続でセンパー様とVASSALで通信対戦を行いました。
今年初のウォーゲームです。

3日はGJ誌28号付録の「1813諸国民戦争」
センパー様がフランス軍を担当し、私が連合軍です。
連合軍は序盤から中盤にかけて仏軍の攻勢の前にベルリンを失ったのが痛く、終盤に大兵力で反撃したものの得点を取り返すまでにはいたりませんでした。

4日はコマンドマガジン日本版52号付録の「赤い夕陽のナポレオン」
こちらは私が仏軍を、センパーさんが連合軍を担当でした。
こちらはパリを狙う連合軍に対し仏軍が各個撃破を狙い、連合軍の進撃を阻みます。
センパーさんの連合軍も善戦したものの、最後まで仏軍の優位は動かず仏軍の勝利となりました。
正月対戦は一勝一敗でした。
センパー様、今回も対戦ありがとうございました。
昨年は130回を越える対戦ができましたが、今年は何回できますでしょうかね。
今年も数多くの対戦をこなしたいと思います。
それではまた。
PS:明日、堕とし玉SSの第二弾を投下したいと思います。
いわゆるシチュのみの短編ですが、お楽しみに。
- 2013/01/06(日) 21:01:27|
- ウォーゲーム
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今日はメジャー帰りの福留選手の阪神入団発表がありましたねー。
わが阪神に取りましては今季の補強の目玉だそうで、これで福留選手、西岡選手、日高選手と三人の選手を獲得したわけです。
当然この補強によって若手の出番が失われるという危惧があるわけですが、このメンバーもいつまでも元気なわけではないでしょうし、彼らからレギュラーを奪うぐらいでないとだめでしょう。
今季新たに加わった藤波君や北條君には彼らからレギュラーを奪い取るぐらいの気持ちでがんばってほしいです。
阪神の将来は君たちにかかっているよー。
さてさてこの補強、今季の阪神に取りまして吉と出ますか凶と出ますか・・・
今季の阪神が楽しみです。
今日は短いですがこれにて。
それではまたー。
- 2013/01/05(土) 21:16:55|
- スポーツ
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大正期に入ると、日本海軍も海軍航空に重要性を認識するとともに、航空母艦の建造にも取り掛かるようになりました。
米英が既成艦の改造で航空母艦を建造していたのに対し、日本海軍では最初から航空母艦として建造を開始した「鳳翔」を就役させる予定でしたが、この「鳳翔」に搭載する艦上戦闘機も同時に開発を行なうことに決まります。
日本海軍はこの新型艦上戦闘機の開発を三菱に命じました。
三菱では第一次世界大戦で名機ソッピース・キャメルを製作したソッピース社からスミス技師を招聘していたこともあり、彼の設計をもとに航空母艦から発着できる戦闘機の開発を始めます。
1921年(大正10年)2月にはじまった開発は、早くもその年の9月には試作機が完成。
10月には初飛行に成功しました。
試作機は木製骨組みに羽布張りの複葉単座機でしたが、当時の戦闘機としては優秀で、陸上機と比べても遜色のないものでした。
日本海軍はこの性能に満足し、1923年(大正12年)に十年式艦上戦闘機として採用いたします。

十年式艦上戦闘機はエンジン冷却器の位置等により一号と二号に区別されますが、二号は最高速度215キロメートルを発揮し、武装は7.7ミリ機関銃二挺を装備しておりました。
昭和に入りますと名称変更により十年式艦上戦闘機から10式艦上戦闘機と呼ばれるようになりましたが、その能力の高さから1928年(昭和3年)まで生産が行われ、一号二号合わせて128機が生産されました。
そして1930年(昭和5年)ごろまで第一線で使われたといいます。
航空母艦から発着する戦闘機という未経験の分野の第一号でありながら、優秀な性能を持っていたというのはすごいですね。
やはり名機を設計してきたスミス技師の手腕の高さにもよるのでしょうね。
それではまた。
- 2013/01/04(金) 21:02:28|
- 趣味
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こちらも昨日同様昨年末に購入してきた「グランドパワー」誌の新年号です。

表紙はこちら。
今号の特集は「ソ連軍重自走砲(1)」
主にSU-152の特集です。
SU-152はクルスクの戦い等でドイツ軍のティーガー戦車やパンター戦車を撃破したということから、「ズヴェラボイ(猛獣殺し)」とあだ名されたソ連軍の自走砲ですが、今回はこのSU-152とそこに行き着くまでのさまざまに行なわれた各種試作自走砲について記述なされてます。
今回へえって思ったのは、SU-152が思うほどには装甲が厚くないことでした。
KV-1重戦車ではなく装甲厚を削ったKV-1Sをベースにしているため、正面装甲でも60ミリほどだったんだそうですね。
もう少し厚いんじゃないかと思っておりました。
第二特集は「陸上自衛隊60式装甲車写真集」
車両の解説は入っておりませんでしたが、現役時代の60式装甲車の写真がいくつも掲載されておりました。
巻末には日本陸軍の四一式山砲の取扱書が丸ごと掲載されてました。
旧仮名遣いのものなので手軽に読むというには行きませんが、当時の取扱書がそのまま掲載されるとは驚きです。
次号は「ソ連軍重自走砲」の二回目。
ISUシリーズの特集となるようです。
こちらも楽しみですね。
それではまた。
- 2013/01/03(木) 21:03:00|
- 本&マンガなど
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今月の「世界の艦船」誌です。

表紙はこちら。
驚きました。
今月の特集は「アメリカ海軍」です。
今までの流れですと、一月の新年号に海上自衛隊やアメリカ海軍の特集が来ると思っておりましたので、先月号が「海上自衛隊」特集でしたから、このタイミングで「アメリカ海軍」の特集が来るとは予想外でした。
とはいえ、こうして特集を組んでいただけるのはうれしいですね。
アメリカ海軍はさすがの規模なので、別冊を組まれる可能性が高かったですからね。
別冊ともなると価格も高くなりますし、手が出しづらくなってしまいますところでした。
それにしても、こうしてアメリカ海軍の特集を見ると世界最大の海軍というのがよくわかりますね。
一時期の600隻艦隊には及びませんが、400隻を超える戦闘艦艇を有する海軍はほかには考えられません。
まさに質量ともに世界一の海軍ですね。
そして新型艦艇も空母「ジェラルド・フォード」をはじめ「ズムウォルト」級駆逐艦や「アメリカ」級強襲揚陸艦など続々と建造中であり、質の維持に懸命になっているのもわかります。
その一方で、補給艦艇などは運用をMSC(軍事海上輸送部隊)に委託し、民間人に運用を任せることで経費の削減を図っているようで、予算の確保に頭を悩ませているのも見えますね。
アメリカ海軍がこれからどうなっていくのか。
興味は尽きませんですね。
それではまた。
- 2013/01/02(水) 20:51:20|
- 本&マンガなど
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今年最初のSSを投下です。
どちらかというと悪堕ちというよりは異形化ネタというところでしょうか。
少し楳図先生風味が入ってます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
「巳年」
「きゃー!! いやぁ!!」
「ちょっとパパ、やめてよ、気色悪い!」
家に帰ってくるなり娘と妻の悲鳴の合唱だ。
まあ、無理もないか。
俺が持っているのはたまたま友人からもらった蛇の抜け殻なんだからなぁ。
「ごめんごめん。でも、今年は巳年だろ。蛇は縁起がいい生き物なんだぞ。この蛇の抜け殻でお金が貯まるといわれているんだ」
俺はビニール袋に入れられた蛇の抜け殻を後ろに隠す。
「そ、そういう話しがあるのは知っているけど・・・」
「いやぁ」
今にも泣きそうな娘の麻菜(まな)を妻の麻子(あさこ)が抱きしめている。
困ったなぁ。
神棚の脇にでも置いておこうと思ったんだが・・・
「まあ、そういうなよ。別に生きているわけじゃないし。それにこんなふうに頭から尻尾まできれいに残っている抜け殻は珍しいんだぞ。ほら、眼の部分だってしっかりしている」
よせばいいのに、なんだかこれだけ嫌がられるのが腹立って、俺はもう一度ビニールを持ち上げて見せる。
「キャー!!」
「や、やめてパパ」
麻菜は一目散に自分の部屋に逃げ帰ってしまったし、麻子は俺をにらみつけてくる。
あちゃー。
しまったなぁ。
麻菜には刺激が強すぎたか。
さっきはなんとなく見ただけだったろうからな。
こうして見せ付けられたら逃げもするよな。
うー・・・
あとで謝ろう。
トラウマにならなければ・・・
ん?
麻子が硬直している?
「どうした、ママ?」
「えっ? あっ? な、なんでもないわ。なんか蛇と眼が合ったような気がして・・・」
「眼が合った?」
俺はぶら下げたビニール袋を見てみる。
確かに眼の部分までしっかり残ってはいるが、眼が合ったというのは・・・
「気のせいだと思うわ。それよりも麻菜きっと泣いているわよ。どうするの?」
腰に手を当てて怒っている麻子。
「ごめんごめん。蛇なんてそんなに見たことないだろうにこんなに怖がるとは思わなかったよ。謝ってくるよ」
「ちゃんと謝ってよ。それとその蛇の抜け殻、目に付かないところにしまっておいてよ」
「わかったわかった」
俺は麻子にそういうと服を着替えに寝室にいく。
そしてかばんと蛇の抜け殻を置くと、スーツを着替えて麻菜のところへ行って謝った。
******
「ねぇ、パパ、あの抜け殻どこに置いたの?」
仕事から帰ったら麻子が不安そうな顔をしてそう聞いてきた。
「どうした? 何かあったのか?」
「今朝は言わなかったけど、私夢を見たのよ。あの蛇が私を飲み込む夢。私なんか怖くて・・・」
心なしか青ざめているようだ。
「おいおい、昨日見たからその印象が強かっただけだよ。ちゃんと神棚の脇に白い紙袋に入れて置いたから見えないよ」
「ねえ、なんだか気味が悪いわ。捨てることはできないの?」
「うーん・・・せっかく堂坂(どうさか)がくれたものだしなぁ。それに俺から頼んだことだし・・・」
堂坂がわざわざきれいなものを見繕ってくれたものをそう簡単に捨てるのもなぁ。
それにお金が貯まるというのは捨てがたいよ。
堂坂も今じゃ年収1000万らしいし、それも彼の努力以外に蛇の抜け殻のご利益があるかもしれないじゃないか。
まあ、俺も心から信じているわけじゃないが・・・
「そう・・・」
不安そうな麻子。
「気にするなよ。一週間もすれば気にならなくなるって」
「だといいんだけど・・・」
麻子としては捨ててほしいんだろうけど、俺としては捨てられないよなぁ。
ここは我慢してくれ、麻子。
******
「ねぇ、パパ。あの白いのには何が入っているの?」
今日は麻菜か。
「白いのって?」
「あれ」
麻菜が指差す先には神棚の脇に置いた白い紙袋がある。
「あー、あれはパパの大事なものが置いてあるんだよ。高いところにあるから麻菜は届かないと思うけど、触っちゃだめだよ」
麻菜には蛇の抜け殻は捨てたことにしたんだよな。
だからあの中に蛇の抜け殻が入っているなんて知られるわけには行かないからな。
「でも、どうしてだい?」
「今日幼稚園から帰ってきたらママがあの袋の中を見てニコニコしていたの」
「えっ? ママが?」
「うん。だから何かいいものが入っているのかなって思って・・・ママに聞いてもなんでもないって言うし」
麻子のやつ。
麻菜の前で袋覗いていたら麻菜が気になるのは当たり前じゃないか。
「ママ、いいかい?」
俺は麻菜がテレビを見始めたので、先ほどのことを確認するべく台所に入る。
「ん? なにやってるんだ?」
俺が台所に入ると、麻子が茶碗を傾けて何か飲んでいた。
「え? ああ、パパ? これ? たまごが古くなってきてもったいないと思ったから飲んだのよ」
「たまごを飲んだ?」
こともなげに答える麻子に俺は驚く。
たまごなんて普通生では飲まないんじゃ?
「ええ、飲んだのよ。たまご、美味しいわよ」
「そ、そうか・・・ところで、あの蛇の抜け殻、見たのか?」
「抜け殻? ううん、パパがあそこに置いてからは見ていないと思うけど・・・」
ふるふると麻子は首を振る。
嘘を言っているようには見えない。
「そ、そうか。いや、麻菜がママがあの袋の中を覗いていたって言うもんだから・・・」
「麻菜が? 変ねぇ。見たような記憶はないんだけど・・・でも、今朝からなんか頭がぼうっとするのよね・・・」
「風邪か?」
「わかんない・・・くしゃみも鼻水も出ないから違うとは思うけど・・・熱もないようだし」
自分の額に手を当ててみる麻子。
その手の甲がなんだか白くがさついているようだ。
台所仕事で手が荒れているのかな・・・
「そうか。体調には気をつけろよ」
俺はなんだか妙な感じを受けながらも、台所をあとにした。
******
「ただいまー」
「パパおかえりー」
奥から麻菜が両手を前にしてやってくる。
「おー、麻菜。ただいまー」
俺はかばんを置いて麻菜を抱きかかえる。
そしてそのまま靴を脱いでリビングに向かう。
「ママはご飯の支度かな?」
「ママ寝てるぅ」
「寝てる?」
こくんとうなずく麻菜。
今日は麻子が出迎えに来なかったので、きっと台所かなと思っていたのだが、寝ているとは。
昨日頭がぼうっとするって言っていたから、やっぱり風邪かな・・・
「な?」
リビングに入った俺は驚いた。
寝ているというからてっきり部屋で寝ているのだとばかり思ったら、なんと麻子はリビングのテーブルの下で丸くなって寝ていたのだ。
「マ、ママ?」
「ん・・・あ・・・パパ? お帰りなさい」
ゆっくりと目を開け、ぼうっとした表情でテーブルの下から俺を見上げる麻子。
「な、なにやってんだ? こんなところで」
「え? あ・・・あれ? 私なんでこんなところで? なんか狭いところで丸まってたいなって思って・・・」
もぞもぞとテーブルの下から這い出してくる麻子。
「丸まってたいって・・・何もテーブルの下にいることないだろう」
俺は苦笑しながら麻菜を下ろす。
「そ、そうよね・・・でも、なんだかここが落ち着いちゃって・・・」
自分でも不思議だという感じで首をかしげている麻子。
「変な奴だな。まあいいや。それよりも先にお風呂に入ってくるから、晩御飯よろしく頼むよ」
「ええ・・・それじゃ麻菜も一緒にお願いできるかしら」
「いいよ。よし麻菜、パパと一緒にお風呂入ろう」
「わぁい。パパとお風呂ー」
両手を挙げて喜んでくれる麻菜。
俺は麻菜を連れてお風呂に行く。
あと何年こうして一緒に入ってくれるかな・・・
「美味しいね。ママのシチューは絶品だね」
「ぜっぴん」
麻菜が舌足らずな口調で俺のマネをする。
お風呂上がって三人で夕食だ。
以前はもっと帰りが遅かったんだが、この不景気で残業も減り、こうして早く帰ってこられたりもする。
もっとも、その分給料は減っているのだが・・・
「うふふ・・・褒めても何にもでないわよ」
微笑みながらペロッと舌を出す麻子。
なんだかさっきからやたらと舌を出しているような・・・
まあ、食べているのがシチューだからそのせいだろう。
寒い季節にはクリームシチューはぴったりだ。
躰も温まるしね。
「おかわりー」
麻菜も今日はおかわりだ。
たくさん食べて大きくなるんだよ。
******
「ねえママ、見て見てぇ」
日曜の昼下がり、のんびりしていると麻菜が絵本を持ってくる。
俺に見せるのかと思ったが、どうやらママに見せたいらしい。
「ママ見てぇ。カエルさーん」
絵本のページを広げながら台所のママを呼んでいる。
「あらぁ、美味しそうなカエルさんねぇ」
食器洗いを終えたのか、台所から麻子が顔を出して麻菜の差し出す絵本を見たが、俺はその言葉にぎょっとした。
「お、美味しそう?」
俺が横から麻菜の持っている絵本を見てみたが、そこにはかわいらしいカエルの王子様が描かれているだけで、どこにも美味しそうな雰囲気はない。
「美味しそうって、どこが?」
「え? パパ知らないの? カエルは食用になるのよ。食用ガエルってあるんだから」
麻子は唇を舌で舐めながら、きょとんとした表情を浮かべている。
「いや、それは知っているけど・・・これは食用とかそういう話じゃ・・・」
麻菜もなんだか寂しそうな顔をしている。
きっと可愛いとでも言ってほしかったのだろう。
「えー? でもカエル美味しそうじゃない? カエル食べたくなっちゃったわぁ」
ぺろりと舌なめずりをする麻子。
なんだか先日から様子が変だ。
いったいどうしたというのだろうか?
「パパ・・・カエルさん・・・」
「うんうん、可愛いね。読んであげようか?」
俺はとりあえず言い争いをするつもりもないので、困ったような顔をしている麻菜を呼ぶ。
「わぁい」
とてとてと俺のところにやってきて、ちょこんと俺の前に座ると絵本を開く麻菜。
その首筋がちょっと赤い。
「麻菜、これどうした?」
なんか傷がついたみたいだ。
でもこんなところが傷つくなんて、何かあったのかな?
「ママにかじられたの」
こともなげにそういう麻菜。
だが、俺はびっくりした。
「ママにかじられたって?」
「うん。朝、ママにかじられたの」
「朝? 痛くなかったの?」
「ちょっと」
麻菜は別に気にしていないみたいだ。
確かに可愛い麻菜は食べちゃいたいぐらいとは思うが・・・
かじるなんておかしくないか?
「ちょっとママ、いいかな?」
絵本読みがひと段落ついたところで、俺は麻子に声をかける。
なんだかこのところ変だぞと言おうと思ったのと、麻菜をかじったというのが気になったからだ。
「なぁに? どうしたのパパ?」
麻子が手をさすりながら俺のほうを向く。
相変わらず舌をぺろぺろと出している。
「手、どうかしたのか?」
俺は話のきっかけをつかむのと、手をさすっていることが気になってそう聞いた。
「ああ、これ? 特になんでもないわ。乾燥するとうろこ肌になっちゃうのよね」
麻子はなんでもないとばかりに両手を俺に見せてくれたが、その手の甲は白くがさがさしてまさにうろこ肌というのがぴったりだ。
「本当にうろこのようだな。大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。ハンドクリームも塗っているし」
「そうか・・・ならいいんだけど、最近ちょっと変じゃないか?」
「変?」
きょとんとする麻子。
いきなり変だと言われたらそりゃそうか。
「ああ、カエルが美味しそうとか魔菜の首を噛んだりとか・・・」
「ええ? だって、カエルは美味しそうじゃない? あなたは食べたいとは思わないの?」
「思うわけないだろ。カエルなんて普通食べないぞ」
「そうかしら・・・私は食べたいわぁ。カエル美味しそうなんですもの」
ごくりと麻子がつばを飲み込む。
本当にカエルが食べたいらしい。
そんな食習慣が麻子にあったなんて・・・
「麻菜だって美味しそうじゃない? 頭から丸呑みしたくなっちゃうわぁ」
「なんだって?」
頭から丸呑みだと?
「ああん、でも心配しないで。あの子を食べたりはしないわ。あの子は大切な私たちの子ですもの」
「当たり前だ!! わが子を食べるなんてどうかしているぞ。お前、少しおかしくなっているんじゃないか?」
思わず声が荒くなる。
麻菜を食べるなんてとんでもない。
「私がおかしいですって?」
ぎろりと俺をにらんでくる麻子。
俺は背筋が凍った。
こんな眼で彼女は俺をにらむのか?
釣りあがった目で瞳が細長く見える。
まるで獲物をにらみつける肉食動物のような目だ。
俺はたちまち自分の中で気力が萎えていくのを感じていた。
「私のどこがおかしいって言うの? 私はおかしくなんかないわ」
「あ・・・ああ・・・」
俺はそう答えるしかない。
もう麻子に何も言う気はない。
この場から逃げたい。
麻子ににらまれたくない。
「パパー」
麻菜が呼んでいる。
「い、今行くよ」
俺はこれ幸いと麻子のそばを離れた。
ああ・・・なんだかすごく恐ろしかった・・・
******
あれから俺は麻子に何も言えなくなってしまった。
麻子の目が怖くて何か言おうにも怖気づいてしまうのだ。
麻菜は別に気にならないらしい。
ママママと寄り添っているし、二人で仲良くしているようだ。
ここ数日はママとお風呂も入っているようだし、気がつくとぺろぺろと舌を出すようにもなっている。
麻子のくせが移ったのかもしれない。
麻子のうろこ肌はひどくなっているようだ。
手の甲あたりはまるで鰐皮のようにうろこ状になっている。
病院に行ったらと言いたいのだが、本人は気にならないらしい。
むしろうろこ状の肌を愛しそうに眺めていたりする。
何でこんなことになってしまったのだろう・・・
******
「パパ・・・パパ・・・」
「ん・・・」
俺を起こす声がする。
なんだ・・・こんな時間に・・・
俺は眠い目をこすりながら起きると、呼んでいる声に振り向く。
「うわぁっ!」
その瞬間、俺は心臓が口から飛び出すかと思うほどの衝撃を受けた。
暗闇の中にゆらりと立っていたのは麻子と麻菜だ。
だが、それは俺の知っている二人ではなかった。
二人の顔は表面がすべてうろこで覆われ、ぎょろりとした眼は瞳が縦に細長く、先が二つに割れた舌がちろちろと口から出たり入ったりしていたのだ。
「うわぁっ! な、なんだ、お前たちは?」
「うふふふふ・・・私たちは蛇。蛇神様に蛇にしていただいたのよ。二人とももう身も心も完全な蛇になったのよ」
蛇の顔をした麻子がくすくすと笑っている。
「パパ。パパも一緒に蛇になろ。みんなで蛇になるの」
同じく蛇の顔をした麻菜がちろちろと舌を出す。
バカな・・・
これは夢だ。
俺は夢を見ているに違いない。
「蛇神様はパパも蛇にしていいとおっしゃってくださったわ。あなたも蛇になるのよ」
口をあけて鋭い牙を見せる麻子。
俺に向かって伸ばした両手も鋭い爪が伸びうろこに覆われている。
「うわぁっ! やめろぉっ!」
俺はあわてて布団を跳ね除ける。
そして部屋を飛び出すと、神棚の脇にあった白い紙袋を手に取った。
そうだ。
本当はとっくに気がついていたのだ。
この蛇の抜け殻をもらってから麻子はおかしくなったのだ。
二人があんなふうになったのはきっとこれが原因だ。
だからこれさえ捨ててしまえば・・・
俺は二人が牙を向いて襲い掛かってくるのを背後に感じながら玄関から外へ出る。
そして紙袋ごと蛇の抜け殻を握りつぶし、ぐしゃぐしゃにして遠くへ放り投げる。
「キャーー」
「ああーー」
背後で二人が倒れるのを俺は感じていた。
******
「ママ、ママ、しっかりしろ」
俺は倒れている麻子を抱き起こす。
その顔はいつもの麻子の顔だ。
さっきまでのうろこに覆われた顔じゃない。
倒れた麻菜も普通の顔に戻って寝息を立てている。
どうやらあの蛇の抜け殻を捨てたことでもとに戻ったようだ。
「あ・・・パパ?」
麻子が目を覚ます。
「よかった・・・気がついたか」
俺は麻子を抱きしめた。
よかった・・・本当によかった。
「パパ・・・パジャマ姿で私どうしてこんなところに?」
「ああ・・・驚くなよ。ママは蛇になっていたんだ。でももう大丈夫。あの抜け殻のせいだったんだ」
「そう・・・私は蛇になっていたの・・・ねえ、それはこんな顔だったかしら?」
俺が驚く間もなく麻子の顔には再びうろこが覆い、鋭い牙をむき出してくる。
「うわぁっ! そんな!」
悲鳴を上げた俺に覆いかぶさろうように麻子がのしかかってくる。
すごい力だ。
いったいどこにこんな力が・・・
「や、やめ・・・」
やめろといいかけた俺の口に麻子の口が重なって何かを流し込んでくる。
「ぶえっ! な、何を?」
「うふふふふ・・・言ったでしょ、私はもう身も心も蛇になったって。もうあの抜け殻を捨てても遅かったのよ。パパには私の体液を飲ませたわ。麻菜にも飲ませて蛇にしたの。これでパパも蛇になるのよ」
にたぁっと口の端を吊り上げて笑みを浮かべる麻子。
「あ・・・そんな・・・」
のどが熱くなり、俺は急速に意識を失った。
******
「パパおかえりー」
「おかえりなさい、パパ」
会社から帰ってきた俺を妻と娘が出迎えてくれる。
「ただいま。ほら、お土産だぞ」
俺は会社帰りにペットショップで買ってきたカエルが入った箱を差し出す。
「わぁい」
「あら、美味しそうなカエルね。あとでいただきましょ」
うろこに覆われた顔に笑みを浮かべ、ちろちろと舌を出している麻菜と麻子。
二人とも好物のカエルを見てうれしそうだ。
もっとも、俺自身もさっきから食べたくて仕方がないんだがな。
あの日から俺たちは蛇になった。
蛇神様によって蛇に生まれ変わったのだ。
俺たちがなぜ選ばれたのかはわからない。
だが、俺たちは蛇に生まれ変わったことに満足している。
普段はうろこを隠しているが、家では隠す必要もない。
俺は先の割れた舌をちろちろと出しながら、麻子に続いてリビングに入る。
蛇になったおかげで、会社でも言うことを聞かない奴をにらみつけて従わせることができるようになった。
これで部下の把握もうまく行き、給料も上がるかもしれない。
そうなれば麻子に二人目を仕込んでやろう。
卵を産む麻子の姿が眼に浮かぶようだ。
今年はきっといい年になるに違いない。
俺はそう思いながら妻と娘を後ろから抱きしめた。
END
いかがでしたでしょうか?
今年もよろしくお願いいたします。
それではまた。
- 2013/01/01(火) 19:04:23|
- 異形・魔物化系SS
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