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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

楽しみです

先日ツイッターで会話中に話題となり、ついつい未使用中古品をポチってしまった国際通信社が再販したウォーゲーム「装甲擲弾兵」が到着しました。

装甲擲弾兵
このゲーム、エポック社がかつて発売したゲームですが、評判がよかったのか国際通信社から再販されたもので、以前から興味があったゲームです。

カテゴリーとしては戦術級となり、一ユニットが1個小隊を表しているので、戦車なら3輌から5輌、歩兵なら30人から40人ほどとなりますので、いつも私がプレイしているASLよりは一回り大きな段階の部隊を扱っていることになります。

古くはアバロンヒル社の出版した傑作ゲーム「パンツァーブリッツ」や「パンツァーリーダー」というゲームがありましたが、当時の私はどうも小隊クラスの規模のゲームに興味がなかったので、両ゲームとも一時期所持していたのですが、すぐに売り払ってしまったという状況。
今考えると確保しておいてもよかったかなぁと思います。

で、そんな私がなぜに「装甲擲弾兵」に興味を持ったかというと、先輩が所持していたのでいずれやろうといわれていたんですよね。
結局プレイせずに終わってしまったんですが、そのときにプレイするなら購入しようかと思い、姉妹品の「東部戦線」のほうは購入したんです。

b06.jpg
結局こちらもプレイしていないのですが、購入した以上はいずれはやりたいなと思っていたことと、どうせなら西部戦線を扱った「装甲擲弾兵」のほうもほしいなと思い、以来ずっと購入するかどうか迷っていたんです。

で、ついに先日対戦相手が見つかったことでほしいと思う熱が再燃し、ついにポチってしまったというわけでした。

ルールも読み込む準備を終え、あとは実際にルールを読んで対戦をするばかり。
なんだかすごく楽しみになりました。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/31(火) 21:00:00|
  2. ウォーゲーム
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今年も球春が

いよいよオフも終わり、明後日からプロ野球はいっせいにキャンプインですね。
こちら北海道はこれから各地で雪祭りという冬本番なわけですが、これでまた春が一歩近づいたという気がします。

今年は12球団のうち3分の1の4球団が新監督になり、特にセ・リーグは半分の3球団が監督交代というフレッシュな状況でのキャンプインですね。
なんと私の応援するチームはセ・パ両球団とも新監督に交代したので、今年は一段と期待が高まります。

日本ハムは栗山新監督の元でのキャンプインとなるわけですが、やはり一番の不安はダルビッシュ投手の抜けた穴をみんなで埋められるかという点でしょうか。
そこで栗山監督のお手並み拝見と行きたいところなんですが、やはりご本人に指導者経験がない分不安はぬぐえませんね。

でも、このオフで中田翔選手や田中賢介選手が結婚を発表なされ、心機一転いっそうのがんばりを見せてくれるかとも思いますので、ほかの選手を引っ張って優勝に向かっていってほしいですね。

一方の阪神タイガースは真弓監督の後を受けて和田新監督となったわけですが、こちらはFAでの流出といったようなことはなく、大きな戦力ダウンはなさそうです。
一方で大きな補強もなかったわけですが、口の悪い阪神ファンからは、真弓監督がいなくなったことが最大の補強なんて言われてますので、昨年までの現有戦力をうまく使いこなしていければ上位に食い込むことは可能かなと思います。
そのあたりは内部昇格だった和田監督ですから、選手の能力の見極めはできそうですね。

両チームとは別に今年興味深いのはなんと言ってもDeNAベイスターズでしょうか。
中畑清氏が新監督となり、巨人を放出されたラミレス選手を獲得するなど親会社が変わったこともあり今までとは一味違うチームとなりそうです。
いい意味で巨人戦が面白くなりそうですよね。

とにかくどのチームにも言えることですが、無理して怪我することだけは避けてほしいですね。
キャンプで怪我して出遅れるのは選手にとってもチームにとっても痛いことでしょうから。

今年も楽しいプロ野球の熱戦を期待しています。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/30(月) 21:00:00|
  2. スポーツ
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もみの木ならぬイタリア軍は残った

昨晩はGoma様との恒例のVASLによりますASL-SK対戦でした。

今回でエキスパンションキット#1に入っていたシナリオS47「Not So Disposed」の入れ替え戦が終わりです。
攻撃側の米軍をGoma様が、防御側のイタリア軍を私が担当したしました。

このシナリオは、1943年に行われました連合軍によりますシシリー島上陸作戦後、内陸部めがけて侵攻する米軍を、街で迎撃するイタリア軍というシチュエーションです。
米軍は精鋭ですが数が少なく、一方イタリア軍は数こそ多いものの士気が低い上に半分はあてにならない徴集兵という有り様。

S47初期配置
こちらが初期配置。
米軍は盤の下側(南)から徒歩で侵入する形であり、対戦車砲や迫撃砲も手で押して持っていかなくてはなりません。

米軍が勝利するためには、複数のヘクスにまたがる建物に統制状態のイタリア軍の複数兵ユニットが居ないようにしなくてはなりません。
逆に言えばイタリア軍は一個でも複数兵ユニットが複数ヘクスの建物のいずれかで生き残っていればいいわけで、米軍にとっては非常に厳しい勝利条件です。

前回私が米軍を担当したときも、最後のイタリア軍複数兵ユニットを排除できずに負けましたが、今回もGoma様米軍は数の多いイタリア軍に苦戦でした。

米軍3ターン終了時
米軍の3ターン目が終了したところです。
残り3ターンしかありませんが、まだまだイタリア軍の健在なユニットが残ってます。

後半は特にダイスの目がイタリア軍寄りになってしまいました。
いい場面でイタリア軍の射撃でいい目が出たり、1-2-6半個分隊が米軍の7-4-7分隊と白兵戦したらピンゾロがでて勝ってしまったりと、米軍にとっては痛い状況が続出します。

ゲーム終了時
最後は米軍決死の突撃もかなわず、イタリア軍が生き残ってゲームセット。
イタリア軍の勝利となりました。

米軍は火力はあるものの数が少なく、対戦車砲や迫撃砲も射線の関係でなかなか威力を発揮できないため、どうしても苦しい戦いになってしまうようです。
白燐弾がうまく使えればもう少し楽なのかもしれませんが、前回の対戦時でも早期に白燐弾が弾切れになったりしてうまく使えなかった気がします。

次回はS48「Converging Assaults」です。
このS47シナリオの続きの状況であり、実際にこのシナリオの結果を適用することもできるのですが、今回は別々のシナリオとして楽しむことにいたしました。

街を確保した米軍に対し、鹵獲したフランス戦車を8両も擁するイタリア軍が反撃に出るというもので、米軍はバズーカと37ミリ対戦車砲が頼りです。
守る米軍を私が、攻撃側のイタリア軍をGoma様が担当することになりました。

次回も楽しみです。
Goma様、次回もよろしくお願いいたします。
  1. 2012/01/29(日) 21:00:00|
  2. ウォーゲーム
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ワンシーンだけですが

今でも週に三・四回ほどテレビで映画を放送してくれているわけですけど、当然そこで放送されるのは名画や話題作が主なわけですが、たまにB級どころかC級だろうこれはって言う作品も放送されることがありますね。

今ではそういうB級C級のマニアックな映画はケーブルテレビなどがメインで、テレビで放送されることは少なくなりましたけれど、昔はそういうB級C級の映画もテレビでよく放送されていたものでした。

ですので、もうかなーーーり昔の話ですが、何気なくテレビで見た映画なのに、その映画のワンシーンだけで私の中ですごく印象に残ってしまった映画がありました。

そのタイトルも「巨大蟻の帝国」
もうB級らしさがぷんぷんですよね。(笑)

ストーリーとしてはある離島に別荘を立てて売ろうとした不動産業者が、販売促進のツアーを組んで客を連れてその島に行ったら、放射性物質で巨大化したアリに襲われたというだけの話。
まさにB級どころかC級かもしれません。

巨大アリも超接写で大きく見えるアリと人間を合成しただけという強引な力技。
アリがどこかへ行かないように囲ったガラスが映り込んでしまっているというシーンすら。

もうはっきり言って笑うしかない映画なわけですが、後半になると少し変化が。
巨大アリから命からがら逃げ延びた一行はその島にある町に到着するわけですが、その町の住民の様子がちょっと変。
なんだか一行をよそへ行かせないようにするかのよう。

その町には精糖工場があり、実は町はすでにアリの支配下だったのです。
映画の最初で「女王アリはフェロモンで相手を支配する」というようなことを言っていたのがここで生きてくるというつくりです。

製糖工場の一角には巨大な女王アリが君臨し、小さな部屋に人間を入れてフェロモンを吹きかけ、意のままに操っていたのでした。
町の住民はすでに支配されているので嬉々としてフェロモンを浴び、一行にもフェロモンを浴びさせようとしてきます。
最初にツアーを主催した不動産業者の女性が小部屋に入れられますが、必死に抵抗していた彼女がフェロモンを吹きかけられるとうっとりとした表情に変わり、でてきたときには「アリに従わなくてはなりません。彼らの役に立たなくては・・・」とほかの連中にもフェロモンを浴びるように促します。

もうね、このシーンだけ!
このシーンだけで私はこの映画を見てよかったと心から思いましたよ。(笑)

まあこのあとは一行が危機を脱して終わりなんで、まあB級であることは間違いない映画です。
でもこのシーンだけはよかったですよ。

フェロモンで支配されちゃうのっていいですよねー。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/28(土) 21:00:00|
  2. 映画&TVなど
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ナポリタン味!

マルちゃんでおなじみの東洋水産は、カップ麺ですと「赤いきつね」や「緑のたぬき」が有名なわけですが、北海道ではカップ焼きそばの部門でも「やきそば弁当」というカップ焼きそばがトップシェアを誇ってます。

この「やきそば弁当」はどうも北海道限定らしく、北海道でだけ高いシェアを誇る面白い商品なのですが、先日この「やきそば弁当」のラインナップに面白いものが追加されました。

その名も「やきそば弁当 ナポリタン味」
外観
こちらがパッケージ。

お笑いタレントの「タカアンドトシ」が、「焼きそばにしようか、それともナポリタンにしようか」とお店で悩んでいると、颯爽とこの「やきそば弁当ナポリタン味」が渡されるというCMで北海道のお茶の間に紹介されている商品なわけですが、早速買ってきてしまいました。
うーん・・・CMに踊らされているなぁ。(笑)

それにしても焼きそばでナポリタンですか。
いったいどんな感じなんでしょうね。
ということで早速食べてみました。

付属物
こちらが付属物。
かやくにソースに青海苔ふりかけとスープ。
このあたりは中身が若干違うことをのぞけばいつもの「やきそば弁当」と変わりません。

かやくを入れました
かやくを入れたところ。
いつもの「やきそば弁当」ですとお肉とキャベツが入っているんですが、これは赤ピーマンとたまねぎらしいです。

沸騰したお湯を入れて三分間待ち、普通なら捨ててしまうお湯でカップに入れた粉末スープを溶かします。
赤っぽいソースをかけてかき混ぜれば完成。

完成
ぱっと見の見た目は色が赤い焼きそばという感じ。
麺が細いのでスパゲティのナポリタンのイメージはありませんね。

で、食べてみました。

意外とおいしかったです。
ナポリタンが好きな人はおいしく食べられるのではないでしょうか。
私個人としては次も購入してもいいかなという味でした。
まさにナポリタン味の焼きそば。(笑)

でも・・・定着するかどうかは・・・難しいかも。
来年まであるといいけどね。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/27(金) 21:00:00|
  2. 日常
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工作工作ぅ(2)

昨日に引き続き今日も「工作工作ぅ」です。

100円ショップで購入した「板目表紙」はA3ぐらいの大きさのが五枚ワンセットになっておりましたので、まだ四枚残ってます。
そこで慣れもあるうちにもう一種作ってしまおうと思いました。

タクテクス24号
作りますのはこちら、「タクテクス」誌24号に付録としてついてきました「Battle for Germany」です。
邦題は「ベルリン陥落」と名づけられておりました。

このゲームは第二次大戦末期の欧州戦線を扱ったゲームでして、プレイヤーは米英軍を中心とした西側連合軍と、ソ連軍を担当いたします。
それじゃ肝心の敵であるドイツ軍はどうするのという疑問が出てくるわけですが、なんとこのゲームは米英軍を担当するプレイヤーが同時にソ連軍と対峙する独軍東部戦線を、ソ連軍プレイヤーが同時に西側連合軍と対峙する独軍西部戦線を担当するのです。

つまり、お互いにベルリンを目指しながら相手の邪魔をするという形でプレイされるのです。

このゲームは人気があるらしく何回か再販もされておりまして、日本でも先月コマンドマガジン日本版が付録としてライセンス生産いたしましたが、あっという間に売り切れてしまったようです。

私はコマンドマガジン版は購入しなかったのですが、それはひとえにユニットさえ作ればこれがあるからいいかと思っていたからにほかなりません。
なので、この機会にユニットを作ってしまおうと思ったのです。

厚紙に貼りました
昨日の写真と同様に厚紙を二重にして上からユニット画像をペタリ。

一列ごとに切り離し
ちょきちょきとハサミで一列ごとに切り離しました。
切れ目が入っているわけではないので、結構硬いです。

一コマずつにして完成
さらに一ユニットずつに切り離して完成。
糊付けと切り離しだけですので私でもできます。

赤はソ連軍、緑が米英軍、灰色が独軍です。
ライセンス生産版はもっとカラフルなようですね。

マップ
マップを広げました。
こちらも30年近く経って初めて広げられたマップです。
ドイツを中心とした欧州が描かれております。

両軍初期配置
早速初期配置をしてみました。
やはりユニットが並ぶといい感じですねぇ。

ベルリンへ向かう赤軍
ベルリンへ向かおうとするソ連軍。
それほど強力そうには見えませんね。

イタリア半島で向かい合う
イタリア半島でにらみ合う独軍と米英連合軍。
こちらからの進撃がしづらかったのもなんとなくわかります。

今まさにバルジ作戦開始
今まさにバルジの戦いを始めようという独軍と迎え撃つ米英連合軍。
真ん中あたりの6-5-8は第1SS装甲軍団で第2SS装甲軍団とスタックしています。

このゲームも今日までまったくプレイしたことがありません。
今になってやっとユニットを作ったわけですが、なんだか新しいゲームを手に入れたようなうれしさがありますね。
近いうちにソロプレイを楽しんでみようと思います。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/26(木) 21:05:00|
  2. ウォーゲーム
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工作工作ぅ

先日100円ショップへ行き、そこで「板目表紙」なる厚紙が5枚セットで売られていたのを見て、これってユニット工作に使えるかなと思い購入。
早速ユニットを自作してみることにしました。

自作するのは今からもう30年近くも前のウォーゲーム誌「タクテクス」25号に付録としてついていた「ナポレオン・アット・ワーテルロー(NaW)」
タクテクス25号

当時のタクテクス誌は、ルールとマップは雑誌に綴じ込まれておりましたが、ユニットは別売りになっておりまして、3号分(たとえば24号、25号、26号分)まとまった形でしか購入できませんでした。

で、当時の自分はこの3号分がほしくなかったのか、それともマンドクセ状態だったのか、次の3号分は買ったのにこの3号分は買わなかったんですよねぇ。

ですので、「ナポレオン・アット・ワーテルロー」はマップすらはずさずそのままの状態でした。
でも、ユニット画像をプリントしたものがあるので、それを厚紙に貼ってユニットを作ってみようかと思いました。

厚紙に貼った
ユニットシート画像を厚紙に貼った状態。
厚紙は半分に切って貼り合わせて二重にしています。
それでも若干薄い感じ。

列を切り離した
列を切り離してばらばらに。
カッターを使うほうがいいかなとも思いましたが、カッターでまっすぐ切れる自信がなかったのでハサミを使用。(笑)

一コマずつにした
一コマずつ切り離したところです。
このゲーム、赤は英軍なんですが、青が仏軍と思いきやこちらはプロイセン軍。
仏軍は白地に青ラインです。

まあ、ハサミでちょきちょきやりましたので大きさが不揃いですこと。
まるでかつてのアバロンヒルゲームのような。(笑)

マップ全景
こちらがマップ全景。
なんと30年近く経ってようやくテーブルの上に開かれたマップですよ。

このマップ、見てお気づきかもしれませんがヘクスがありません。
マップ上にあるのは位置ナンバーのみ。

マップにユニットを並べてみた
出来上がったユニットをマップに並べてみました。
おお、なんとなくそれっぽい。

仏軍の皆さん
仏軍の皆さん。
7-4はかの老親衛隊ですね。

ウーグモンの館
ウーグモンの館です。
ヘクスがないのでマップの地形がきれいに見えます。
実際プレイする場合はどうなんでしょうかね。

まあ工作下手な私が作ったユニットですからガサイものですが、使う分には充分かな。
たぶん人と対戦ということもあるかどうかですし。

でも、ユニットができたことでソロプレイはできそうです。
30年近く日の目を見なかったこの「ナポレオン・アット・ワーテルロー」ですが、近いうちにプレイしてやりたいと思います。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/25(水) 21:05:00|
  2. ウォーゲーム
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旧式と新型の撃ちあい(6)

米戦艦「サウスダコタ」を戦闘不能に追い込んだ日本艦隊でしたが、米艦隊にはまだ無傷の戦艦「ワシントン」が残っておりました。
「ワシントン」は探照灯を照らしている日本艦が戦艦「霧島」であることに気がつくと、これに対し猛然と主砲を発射します。
ワシントン (戦艦ワシントン)

「ワシントン」は40センチ主砲を「霧島」に、照明弾を撃ったあとの副砲を「愛宕」と「高雄」の二隻の日本重巡に向けて発砲し、「霧島」と「愛宕」それぞれに大損害を与えたと信じました。
実際には副砲の射撃は「愛宕」に軽微な損傷を与えたに過ぎませんでしたが、「霧島」のほうはこの「ワシントン」の射撃が大きな被害を与えておりました。
「霧島」は上部構造物をめちゃくちゃに破壊された上に舵が故障し、浸水で傾いたまま円を描いて回るしかできなくなってしまいます。
ワシントンの砲撃 (ワシントンの霧島への砲撃)

「ワシントン」は大損害を受けた「霧島」を撃沈したとみなして、「愛宕」以下の日本艦隊と交戦しつつ日本軍の輸送船団を狙おうと北西に向かいます。
その間日本軍は多数の魚雷をこの「ワシントン」に向け放ちますが、いずれも信管が過敏すぎたのか自爆するなどして、命中したものは一本もありませんでした。

米艦隊司令官リー少将は、これ以上輸送船団に向かっても避退してしまったかも知れず、そうなればガダルカナル島への上陸は中止されたと見ていいだろうということと、日本軍の魚雷攻撃を受けてしまう可能性があることなどから戦場の離脱を決意。
米軍時間で11月15日の0時30分ごろ、「ワシントン」は反転して離脱の途につきました。

戦闘が終了した海上では、戦艦「霧島」がまだかろうじて浮いておりました。
微速航行していた船体もやがて航行不能となり、軽巡「長良」等による曳航の試みも失敗に終わると、もはや「霧島」を救う手立ては尽きました。
「霧島」の艦長岩淵大佐は、駆逐艦に「霧島」に横付けするよう要請し、生存者を移乗させた上で自沈の処置を行います。
日本軍時間11月15日1時25分ごろ、戦艦「霧島」はゆっくりとガダルカナル島沖の海底に沈んでいきました。
このときは艦長の岩淵大佐は「霧島」と運命をともにはせず、駆逐艦に移乗して救出されました。
戦艦霧島 (戦艦霧島)

リー少将は日本の輸送船団は揚陸をあきらめただろうと踏んでおりましたが、日本軍は残余の輸送船四隻を強行突入させました。
四隻の輸送船はガダルカナル島に接近し、座礁した上で物資を揚陸するという荒業を用いてまで物資を届けようとしたのです。

日本軍時間の15日2時過ぎ、日本軍の四隻の輸送船はガダルカナル島の海岸に乗り上げ、物資の揚陸を開始しました。
しかし、夜が明けると同時に米軍機による攻撃や米軍地上部隊からの攻撃が始まり、輸送船は次々と炎上してしまいます。

結局四隻の輸送船は物資をほとんど腹に抱えたまま燃やされてしまい、陸に上げることができたのはわずかな量の物資だけでした。
日本軍のガダルカナル島への物資輸送は失敗に終わったのです。

この一連の海戦は「第三次ソロモン海戦」と名づけられました。
先の米軍巡洋艦隊との戦いが「第一夜戦」、そして今回の米戦艦隊との戦いが「第二夜戦」と呼ばれます。
この二つの戦いともに、言ってしまえば新型の米艦隊対旧式の日本艦隊という戦いでした。
米軍は新型の巡洋艦や戦艦、そしてレーダーを装備しておりましたのに対し、日本軍は旧式の艦艇と、訓練で培った夜間視力という戦いでした。
ですが、決して新型の米軍が一方的に勝利したわけではなく、むしろ米軍も被害は甚大だったといえるでしょう。
事実、米軍はこの二つの戦いで軽巡二隻、駆逐艦七隻を失い、戦艦一隻、重巡二隻が大破しました。
日本も戦艦二隻と駆逐艦三隻を失い、優秀な高速輸送船も十隻失ってしまいました。

しかし、何よりの大きな差は日本軍のガダルカナル輸送が失敗したことでした。
もはやヘンダーソン飛行場を無力化することは望めず、そうなると輸送船での大規模輸送は不可能となる以上、あとは駆逐艦や潜水艦で細々とした補給を行うしか道がなくなりました。
この時点でガダルカナル島は餓島と化すことが決まってしまったのでした。

終わり
  1. 2012/01/24(火) 21:00:00|
  2. 旧式と新型の撃ちあい
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スペシャルオペレーション誌が来た

先日i-OGM様に注文していましたMMP社のウォーゲーム誌「Operation」誌のスペシャル版、「SPECIAL OPS」誌1号が到着しました。

オペレーションスペシャル
表紙はこちら

英語がさっぱーりな私には宝の持ち腐れみたいなものではありますが、二つのゲームとASLおよびASL-SKのシナリオがついているのは魅力です。

付録ゲームのうちの一つは古代戦のようで、別のゲームのルールがないとだめらしいのですが、もう一つはASLのヒストリカルモジュール「Valor of the Guards」のマップを流用したマップを使うスターリングラード戦のゲームのようで、これはこの雑誌単体でプレイ可能なようです。

ASLのシナリオはO1とO2の二つで、O1はフランス戦でのフランス軍が守る集落にドイツ軍の突撃工兵が三号戦車の支援を受けて攻撃するというシナリオであり、O2はトーチカと地雷で守られたソ連軍陣地に対するドイツ軍の攻撃というシナリオですね。

ASL-SKのシナリオも二本でS37とS38。
S37は英軍の防御ラインを突破しようとする独軍装甲部隊という感じで、珍しく独軍にはAFVが9両も出てきます。
S38は米軍の篭もる集落に独軍歩兵が攻撃を仕掛けるもので、米軍には途中でM4A1が1両応援に駆けつけてきます。

いずれも面白そうなシナリオで、特にO1シナリオは何人かの方のプレイ報告も上がってました。
私も機会を見つけて対戦したいです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/23(月) 21:00:00|
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AGE

昨年からはじまりました新ガンダムであります「機動戦士ガンダムAGE」をなんだかんだ言って見ております。

ごらんになっていらっしゃる方も多いかと思いますが、今日の放送で第一期とも言うべきフリット君編が終了しましたね。
次週より20数年後のアセム君編がはじまるようです。

それにしてもまぁ、突っ込みどころといいますか、疑問点もいっぱいあるストーリーですね。
戦闘もどうしてそういう闘い方をするのかなって戦いをやってますしね。

悪堕ちファンとしては先週の話ががっかりの極致だったでしょうか。
せっかくUE側がユリンを捕らえたのに、何もせずパーツ扱い。
地球側との技術格差を見せるためにも洗脳して敵に回ってほしかったところでしたが、今回のガンダムは子供向けとのことですしプリキュアの例もあるからできなかったんでしょうかね。
黒系のピタスーツで敵に回ったユリンが見たかったところです。

今週の話ではUEの正体が判明しましたが、現状ではやっていることは壮大な八つ当たりという気がしてしまいます。
このあたりUEの目的等はこれから明らかになっていくのでしょうか。

まあ、いろいろなことをいいながらもしっかり見ているんですから、製作側としてはしてやったりの状態なのかもしれませんね。(笑)

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/22(日) 20:56:01|
  2. アニメ
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決まってしまいましたね

もう皆さんご存知の方がほとんどだと思いますが、先日北海道日本ハムファイターズからポスティングシステムで米大リーグへの挑戦を表明しておりましたダルビッシュ・有投手が、大リーグのテキサス・レンジャーズと契約に合意し入団が決まりました。

テキサス・レンジャーズはテキサス州アーリントンが本拠地で、近くにはあのケネディ大統領が狙撃されたダラスの街があるとのこと。
人口30万ほどの都市らしいですね。

先日までの報道では年俸等で開きがあるので決裂するかもしれないとの話でしたので、もしかしたらもしかするかも、と思っていたんですが、やはりきちんと決まってしまいましたですね。

入札額と複数年の年俸合計が日本円で86億円にもなるという話で、もう天文学的数字で想像もつきませんが、ただただすごいの一言ですね。
日本ハムとしてはこの入札金をいかにチーム強化に使っていくかということになるんでしょうか。

ダルビッシュ投手がいなくなったということは、日本ハムにとっては大きな戦力ダウンとなるわけですが、逆にこれをきっかけに若手の中からダルビッシュ投手をしのぐような活躍をしてくれる投手に出てきてほしいものです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/21(土) 20:45:55|
  2. スポーツ
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旧式と新型の撃ちあい(5)

昭和17年(1942年)11月14日21時過ぎ(米軍時間)、リー少将率いる米軍戦艦隊は、護衛の駆逐艦四隻を伴ってガダルカナル島近海に侵入しました。
艦隊の先頭には駆逐艦四隻を連ね、戦艦「ワシントン」「サウスダコタ」がその後ろに続く単縦陣(艦艇が一列に並ぶ陣形)を取っておりました。

同11月14日20時(日本軍時間:米軍時間より約二時間ずれる)、日本軍は重巡「愛宕」、「高雄」、戦艦「霧島」、駆逐艦二隻の射撃本隊と、軽巡「長良」および駆逐艦四隻の木村部隊、軽巡「川内」および駆逐艦三隻の橋本部隊の三部隊に分かれてこちらもガダルカナル島近海に侵入します。
この時点では日本艦隊指揮官の近藤中将は、米軍は巡洋艦数隻と駆逐艦数隻と判断しており、米軍に戦艦がいるとは気がついていませんでした。

この後日本軍は敵艦隊らしきものを認めたものの、スコールに阻まれて見失い、一方の米軍もレーダーで日本軍を探知することができず、お互いに気がつかないままに接近していくと言う状態でした。

23時過ぎ(米軍時間)、米艦隊は日本軍の橋本部隊をレーダーで探知。
戦艦「ワシントン」が40センチ主砲を軽巡「川内」めがけ轟然と撃ちだしました。
橋本少将はこれに驚いたものの、幸い命中弾はなく、煙幕を張って闇にまぎれ、魚雷発射のチャンスを伺うことにします。

一方日本軍時間で21時半ごろ、木村部隊の軽巡「長良」と駆逐艦二隻、さらに橋本部隊から離れて航行していた駆逐艦「綾波」が米艦隊を発見し、砲雷撃戦を開始しました。

中でも駆逐艦「綾波」はたまたま単艦で航行している最中に米艦隊の真っ只中に飛び込むような形となり、一隻で戦艦二隻、駆逐艦四隻と対峙する羽目になってしまいます。
しかし、「綾波」はここぞとばかりに奮闘し、米駆逐艦「プレストン」に主砲弾を命中させ、米駆逐艦「ウォーク」にも命中弾を与えます。
綾波 (駆逐艦綾波)

単艦で米艦隊に突っ込んだ「綾波」は集中砲火を浴びてしまいますが、「綾波」は魚雷も米艦隊に向けて発射。
この魚雷は先ほど命中弾を与えた「ウォーク」に命中し、「ウォーク」は船体が二つに割れて轟沈してしまいます。
さらにもう一発の魚雷が米駆逐艦「ベンハム」にも命中し、同艦は航行不能に陥りました。

「綾波」はこうして大活躍をしますが、自らも集中砲火を受け、ついに航行不能に陥りました。
しかし、ようやく戦場に軽巡「長良」以下駆逐艦四隻が駆けつけ、「綾波」の砲撃で損傷した米駆逐艦を攻撃します。
このため、「プレストン」は間もなく沈没、残った米駆逐艦「グウィン」も損傷を受け隊列を離脱せざるを得ませんでした。

航行不能になった「綾波」は米戦艦「ワシントン」の副砲で止めを刺されますが、米艦隊は護衛の駆逐艦四隻を一挙に失うという状態になりました。
日本艦隊はさらに探照灯を照らして戦艦「サウスダコタ」を発見しますが、残念ながら照らしたのが米戦艦なのか味方戦艦の「霧島」なのかが判別つかずに攻撃を断念します。
一方で米軍も「ワシントン」がレーダーで探知した「霧島」に対し主砲を向けましたが、こちらも「霧島」なのか「サウスダコタ」なのか判別がつかずに砲撃を断念。
夜間の海戦での敵味方の識別の難しさが伺えます。

この間近藤中将は、米艦隊がいまだ巡洋艦と駆逐艦という思いにとらわれていたため、木村隊と橋本隊で対処可能と判断し、本隊はガダルカナル島砲撃のコースを取っておりました。

日本軍時間で22時ごろ、日本軍本隊も敵艦隊を発見し、探照灯を照射しました。
すると闇の中に浮かび上がった艦影はまさに巨大な戦艦「サウスダコタ」であり、近藤中将は米戦艦に対し攻撃を命じます。
重巡「愛宕」、「高雄」は20センチ主砲と魚雷を、戦艦「霧島」は36センチ砲をそれぞれ発射。
すれ違いざまに「サウスダコタ」を攻撃するような形で砲雷撃を行いました。
サウスダコタ (米戦艦サウスダコタ)

この攻撃で米戦艦「サウスダコタ」は命中弾多数を受け、上部構造物にかなりの被害を受けました。
これは先の戦闘で日本軍駆逐艦の砲弾を艦橋に受けていたことも被害を大きくした要因と思われます。
「サウスダコタ」は結局戦闘不能となって戦場を離脱する羽目になり、旧式戦艦「霧島」は米新型戦艦に手痛いダメージを与えることに成功したのでした。

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  1. 2012/01/20(金) 21:00:00|
  2. 旧式と新型の撃ちあい
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ランキングが面白い

なんか寝違えてしまったのか、肩と首が痛いです。

先日購入した「歴史群像」誌が、まだ読了していない状態なのですが、すでに次の歴史雑誌が来てしまいました。

KKベストセラーズ様の「歴史人」2月号です。
1200603334.jpg
表紙はこちら。

元はウォーゲームの出版や「歴史群像」誌に記事の執筆をなされていらっしゃいます山崎雅弘氏のブログを拝見したときに、「歴史人」の2011年9月号に記事を書いているということがブログに書かれておりましたので、一度拝見してみようかなと思い購入したのがこの「歴史人」という雑誌との付き合いの始まりなわけですが、その後も興味ある特集であれば購入するというスタイルをとってきました。

今回の特集は「戦国十大合戦の謎」というもので、戦国時代にはわりと興味がありますから今月号も購入してきたしだいです。

内容についてはこれから読むことになりますが、ざっと見たところでは「戦国合戦ランキング」なるものに興味を惹かれました。
これはその合戦に対し、勢力範囲への影響、兵力や合戦の規模、戦略性、後世の注目度の四つの視点から点数を付けたもので、合計点数の高い順に十位までランキングしているようです。
ちなみに総合一位は・・・おっとこれはネタバレですかね。(笑)

ほかには日本三大奇襲の一つといわれる河越夜戦はなかったのではという記事や、桶狭間の戦いの新説、山崎合戦や賎ヶ岳の戦い等々、面白そうな記事が載っているようです。

「歴史群像」誌を読み終えたらすぐに読み始めようと思います。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/19(木) 21:00:00|
  2. 本&マンガなど
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旧式と新型の撃ちあい(4)

ガダルカナル島砲撃に向かった日本軍艦隊でしたが、カラハン少将指揮する米軍巡洋艦隊との遭遇により、戦艦「比叡」を失うという損害を受けました。

米軍の巡洋艦隊にも大損害を与え、五隻の巡洋艦すべてを損傷させるという戦果を挙げはしましたものの、ガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を砲撃することはできず、陸軍部隊を送り届けるという目的も達成できませんでした。

しかし、日本軍はまだあきらめたわけではありませんでした。
山本五十六連合艦隊司令長官は、再度残存兵力を再編してガダルカナル島ヘンダーソン飛行場の砲撃を命じます。
今度は二段構えの砲撃を行う計画で、11月13日夜に巡洋艦隊による砲撃を行い、翌14日夜に戦艦「霧島」を含む部隊で更なる砲撃を行ってヘンダーソン飛行場を無力化し、一挙に輸送船団を突入させて陸軍兵力を上陸させる予定でした。

この計画に従い、日本軍は西村少将指揮する巡洋艦「鈴谷」「摩耶」「天龍」と駆逐艦四隻が出動し、ガダルカナル島へと向かいます。
砲撃の主役は主砲に20センチ砲を持つ重巡の「鈴谷」と「摩耶」であり、砲撃が終わったのちは三川中将の巡洋艦隊と合流してガダルカナル島近海から退避する予定となっておりました。

一方カラハン少将の率いる巡洋艦隊を失った米軍は、ブル(雄牛:転じて強気の意味も)とあだ名されるハルゼー提督(大将)が、日本軍の行動を封じ込めるべく手持ちの部隊からウィリス・リー少将の指揮する第64任務部隊にガダルカナル島に向かうよう命じました。
リー少将はすぐさま麾下の戦艦二隻と護衛の駆逐艦四隻を連れてガダルカナル島沖へと向かいます。

リー少将は自分の率いる艦隊が練度や経験等でいまだ多少未熟であることを承知しておりましたが、なんと言ってもその中核となる二隻の戦艦が前年に就役したばかりの「ノースカロライナ」級戦艦「ワシントン」と、この3月に就役したばかりの最新鋭戦艦「サウスダコタ」という新型戦艦を二隻も擁していることから、日本軍の撃退には充分な自信を持っていたようでした。

日本軍時間で日付の変わった11月14日午前2時ごろ、西村少将の巡洋艦隊は無事にガダルカナル島に近づき、ヘンダーソン飛行場の砲撃を行うことができました。
重巡「鈴谷」と「摩耶」の20センチ砲が火を吹き、両艦合わせて約1000発もの砲弾がヘンダーソン飛行場に降りそそぎました。
ヘンダーソン飛行場は各所が損害を受け、駐機してあった航空機も全壊18機、損傷32機という損害を受けてしまいます。

しかし、これまた飛行場の機能は翌日には復旧し、飛行場の機能を麻痺させることはできませんでした。
そればかりか、ヘンダーソン飛行場を飛び立った攻撃隊は退避していく日本艦隊を発見して攻撃。
さらに米空母「エンタープライズ」からの攻撃隊も加わって、日本艦隊を攻撃します。

日本艦隊は計画通り三川中将の艦隊と西村少将の艦隊が合流しておりましたが、この攻撃で重巡「衣笠」が沈没、ほかの巡洋艦も何隻か損傷を受けてしまいます。
また、輸送船団も発見され攻撃を受けてしまい、輸送船十一隻中六隻を沈められるという大損害をこうむってしまいました。

重巡の20センチ砲弾ではヘンダーソン飛行場を麻痺させることはできないと感じた日本軍は、やはり戦艦による飛行場砲撃を強行することに決定します。
今度は近藤信竹中将が艦隊を指揮し、ガダルカナル島へ向かうことになりました。

今回ガダルカナル島へ向かう日本艦隊は、旗艦の重巡「愛宕」以下、戦艦「霧島」、重巡「高雄」、軽巡「川内」、「長良」、駆逐艦九隻の合計十四隻でした。
近藤中将は米艦隊が待ち受けているであろうことは予想しており、その際は一時飛行場砲撃を中止してでも米艦隊の撃滅を図る旨を艦隊に指示しておりました。

一方、リー少将の指揮する米軍戦艦隊もガダルカナル島近海に進出してきており、日本艦隊を待ち受ける態勢を整えておりました。

完成して1年ほどの新型戦艦二隻と、完成後27年にもなる旧式戦艦との砲撃戦が、今まさに始まろうとしておりました。

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  1. 2012/01/18(水) 21:00:00|
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ダブルスターSS風リプレイ

先日、ふと思いたって、かつてGDW社より発売され、日本語訳を付けてホビージャパンで輸入されましたSFゲーム、「ダブルスター」のソロプレイをやってみましたので、SS風味のリプレイを書いてみました。
ダブルスター箱 (ダブルスター箱絵)

「ダブルスター」につきましては、こちら「2011年1月9日の記事」にも書きましたが、簡単に言うと地球を発した移民船団があり、アラビア人系の移民団と中国人系の移民団が二連星にたどり着いて、お互いに戦争を始めてしまうという設定のゲームです。
ジャンプやワープといったものがないので、双方の宇宙艦隊がちまちまとマップ上を動いて同じヘクスに入ったら艦隊戦が起こります。

リプレイでどんな雰囲気のゲームか多少なりとも伝わるといいのですが・・・

                    ******

「第四艦隊全艦発進完了。第一、第二、第三艦隊も同じく発進完了とのことです」
「了解。このまま“困(コン)”の軌道の内側を通り、“姤(コウ)”星系へ向かうわ。軌道内航行中は訓練を絶やさぬこと。いいわね」
私は副官の報告にうなずくと、今後の行動の指示を出す。
まさか本当に戦争になるというのだろうか?
“姤”の連中、本気でわが“晋(チン)”に戦争を仕掛けてくるというの?

私は宋麗華。
宋家の跡取り娘として宇宙軍に入隊し、親の七光りの影響も大きいのだろうが、現在は准将の階級を与えられている。
今回私は、第四宇宙艦隊を率いて“姤”星系へ向かい、わが“晋”に対して圧力をかけてきている“姤”に対し、“晋”としての力を見せ付ける役目を与えられた。
これはあくまでもわが“晋”に対する“姤”の威圧に対する示威行動であって、決して戦争を起こそうというものではないという。
しかし、それならば艦隊に対地攻撃用のロボット戦闘機を配備し、艦隊も四つも編成して“姤”に向かう必要があるのだろうか・・・

わが艦隊は私の乗る旗艦「重慶」を中核に、戦艦、巡洋戦艦、巡洋艦など11隻からなっている。
ほかにも同様の編成の艦隊が三つあり、これはわが“晋”星系の全宇宙戦力といってもよい。
こんなに戦力を“姤”に向けて、本当に戦争にならずにすむのだろうか。

戦争になってほしくないという願いもむなしく、“姤”星系のアラブ人たちはわが“晋”に対して攻撃を仕掛けてきた。
彼らはいつもそうだ。
この星系に最初にたどり着き安定した星系を手に入れただけでは飽き足らず、今度はわが星系の資源に手を伸ばそうとする。
そのくせ我らが人口過剰で苦しんでいるというのに、移民を受け入れようとはまったくしない。
これでは戦争になるのも致し方ないというしかない。

「司令部より通信が入りました。“大有(ターヨウ)”に“姤”のロボット戦闘機群が襲来し、迎撃網を突破して地上で次々と自爆。幸い重要施設や工業施設は無事でしたが、約一千万人の死者が発生したとのことです・・・」
副官の報告に私は手にしたチューブを握りつぶす。
なんてこと・・・
一千万もの住民が殺されたというの?
“姤”の連中、赦せないわ。

「宋司令、“旅(リュ)”が、“旅”が動いてます!」
センサーで周囲を観測していた兵が驚きの声を上げる。
スクリーンに映し出された小型惑星“旅”は、一部から火を噴出し、確かに動いていた。
「司令部からの報告では“旅”には動力装置が取り付けられたとのことでした。おそらくそれが作動して軌道から離れたんだと思います」
「軌道から離れた? まさか本気であの作戦を行うというの?」
研究はされていた。
確かに研究はされていたけど、まさか本気で小型惑星“旅”を移動させ、“姤”星系のどれかにぶつけようとするなんて・・・
だが、“旅”は確実に“姤”星系に向けて移動していた。

「第三艦隊より入電! 我、敵と遭遇、被害甚大なるも敵を撃破せり」
「第二艦隊からも入電です! 敵艦隊と遭遇、救援を請う」
次々と入ってくる味方艦隊の悲報。
こちらが四個艦隊を繰り出したのに対し、敵は三個艦隊で迎撃してきたのだ。
そのため艦隊を編成する宇宙船の数は一個艦隊あたりでは敵のほうがやや多い。
陣形を組むには艦数が多いほうが有利なので、どうしてもこちらが不利になってしまうのだ。

「敵艦隊接近!」
「全艦戦闘態勢に入れ!」
私はスクリーンを凝視する。
近づいてくるアラブ人たちの艦隊。
旗艦を中心に円筒形陣形を組んでいる。
「こちらも円筒形陣形を組め」
私の命令にすぐさま艦隊が反応し、旗艦を中心とした円筒形陣形が組まれる。
第四艦隊と第二艦隊の遭遇戦 (宋司令の第四艦隊に第二艦隊が接触)

だが、やはり艦数で相手が有利だ。
しかもこちらは戦艦が一隻、巡洋戦艦が一隻なのに対し、向こうは戦艦が二隻いる。
攻撃力でもこちらの不利は免れなかった。

「まずは戦艦をしとめる! 撃て!」
艦隊の全艦の主砲から発せられたビームが敵艦隊の中核に位置する戦艦に向かう。
次の瞬間敵艦隊からもビームが我が艦隊を貫いた。
「敵戦艦撃沈!」
「戦艦「旅順」轟沈! 生存者なし!」
宇宙艦隊戦なんてこんなものだ。
相手も一瞬で沈むが、こちらも一撃で屠られる。

「二隻目の敵戦艦を撃沈しました!」
「巡洋戦艦「南林」轟沈! 応答なし!」
「敵巡洋艦撃沈!」
「巡洋艦「陽江」沈没!」
クッ・・・こちらが一隻沈めれば相手も一隻沈めてくる。
これでは艦数に劣る我が方が不利・・・
やむをえないか・・・
「後退する。第一艦隊と合流を目指す。戦場から離脱せよ!」
「了解しました」

こうして艦数の半減した我が第四艦隊は戦場を離脱。
すでに艦隊戦を行っていた第一艦隊の残存戦力と合流することにした。
今回の戦争はひどいものだ。
我が“晋”の宇宙艦隊はほぼ壊滅したといっていいだろう。
各艦隊に一隻ずつあった戦艦、巡洋戦艦は全滅し、巡洋艦もほとんど失ってしまった。
わずかに“姤”の首都星“アル・アヘル”を爆撃したことで二千七百万の住民を失わせたが、全般的には我が方が不利な状況といえるはず・・・

「宋司令、あれを!」
副官がスクリーンに映る“姤”の第三惑星“アル・ムミト”を指差して息を呑む。
「何だ?」
“アル・ムミト”の地表から巨大なきのこ雲が立ち上っている。
宇宙空間にまで見えるきのこ雲って・・・
まさか?
「“旅”が“アル・ムミト”に激突しました! おそらく大陸ひとつが消し飛び、一億人は死んだと思われます」
そ、そんな・・・
一億人が一瞬にして?
なんて恐ろしいことを私たちはしてしまったのだろう・・・
アル・ムミトに激突する旅 (アル・ムミトに激突する旅。この後地上マップからユニットが消し飛んでいく)

                    ******

今回のリプレイは中国側星系“晋”の女性艦隊司令の視点で書いてみました。
文中“晋”は中国側の星系で、“姤”はアラブ側星系の中国側の呼び名です。
この時点で双方ともほぼ戦力を失い膠着状態になったので停戦といたしました。
アラブ側も中国側も戦力をすり減らし、人口が多少減っただけ(アラブ系14億→13億:中国系12.6億→12.5億)で何の益ももたらさないまま停戦となったことで、今後数年かけて戦力を回復し、また戦争をするのでしょう。

小惑星を地表に落とすのはすさまじいですね。
落ちた地点は何も残さず消し飛びますし、隣接地域も多少のダメージを受けますから。

今回ソロプレイしたことで、だいぶルール等も飲み込めました。
今度は対人戦をやってみたいものですね。

今日はこれにて。
それではまた。

(1/18 0:18修正 人口の単位を間違って一桁多く書いてました。修正しました)
  1. 2012/01/17(火) 21:00:00|
  2. ウォーゲーム
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さーて、今月号の歴史群像は

先日購入いたしました学研の「歴史群像」2月号を読んでいる最中です。

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表紙はこちら。

今月号は太平洋戦争中の日本陸軍によりますポートモレスビー攻略作戦を扱いました「遥かなるポートモレスビー」にはじまり、第二特集では今年のNHK大河ドラマの主人公となった平清盛を扱いました「平清盛の野望」、第三特集では昨年末のNHKドラマ「坂の上の雲」でも描かれました旅順攻略戦を英国人従軍記者がレポートした「旅順攻囲戦レポート」の三本がメイン記事。

「遥かなるポートモレスビー」は、スタンレー山脈越えの実行部隊の悲劇ではなく、むしろなぜその悲劇となった作戦が行われることになったかが中心でした。
攻勢限界点をきちんと判断しなかった海軍と、それにひきづられるようにして攻勢限界点を超えてしまった陸軍双方の問題点が浮き彫りになっていたように思います。

「平清盛の野望」はまさにタイムリーな記事ですね。
昨晩の放送では見事な怪演をなさっていらっしゃった白河法皇役の伊東四郎氏が、白河法皇の逝去ということで二話目でもう退場となってしまいちょっと残念。
記事を読んでいても中井貴一氏や小日向文世氏の顔が思い浮かんできます。
今後出てくるであろう人物は誰が演じるのかなと思いながら読み進めました。

「旅順攻囲戦レポート」はこれから読み始めるところですが、外国人従軍記者から見た視点というのが驚きです。
こんなレポートがあったんですね。
内容を読むのが楽しみです。

他の記事では「ウラン作戦」の記事や、「アメリカ独立戦争」の記事なども楽しみ。
こういうのを読むとゲームをやりたくなりますよねぇ。

今号も楽しく読ませてもらいます。
それではまた。
  1. 2012/01/16(月) 21:00:00|
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潜水艦戦を充分堪能

今日は今年初めての「札幌歴史ゲーム友の会」にお伺いしてまいりました。

私は先日より今日も6ゾロ様とアバロンヒルの「サブマリン」を対戦することを示し合わせておりましたので、今日は潜水艦戦を充分堪能することができました。

まずはオーソドックスな英国へ向かう輸送船団に対するUボートの襲撃シナリオを対戦。
堂々20隻もの輸送船が船団を組み、周囲を4隻の護衛艦艇が囲む中、1隻のUボートが果敢に攻撃を仕掛けてくるというものです。
輸送船団側を私が、Uボートを今日も6ゾロ様が担当しました。

英国へ向かう堂々たる船団
こちらが輸送船団。
赤いコマは護衛の駆逐艦とスループです。

時期が1940年なので、護衛艦艇は通常のソナーと爆雷しか持っておりません。
対潜水艦には有効な前方投射兵器はないのです。

船団内にUボートが侵入
英軍は4隻の護衛艦艇が連携を組んでソナー探知を行う艦と攻撃する艦がそれぞれUボートに対しますが、なかなかうまく攻撃できません。
そうしているうちにUボートが船団内に侵入してしまいました。

Uボートの魚雷が輸送船に命中
こちらはUボートの発射した魚雷が輸送船に命中した瞬間。
この輸送船は船体を二つに割られて轟沈しました。

この戦いではUボート側のダイスが振るわず、命中した魚雷はこの一本にとどまってしまいました。
しかし、私の操船ミスなどから2隻のタンカーが護衛艦と衝突してしまい行動不能に。
これによりUボート側に点数を与えてしまい、英軍の敗北となりました。
船団内に護衛艦艇が入り込むのは混乱のもとですねぇ。

二戦目は英軍の航空母艦カレイジャスをUボートが沈めようとするシナリオ。
史実ではカレイジャスはUボートに沈められてしまいます。
今回も英軍を私が担当しました。

空母カレイジャスと護衛の駆逐艦を狙うUボート
このシナリオではUボート側は低速の輸送船と違って高速の空母に魚雷を当てねばなりません。
なので、こちらは高速を利して逃げ切る作戦にでます。

この作戦が功を奏して、Uボート側はうまく魚雷を当てることができずにカレイジャスが逃げ切りました。

最後は私が潜水艦側を担当します。
シナリオはなんと、黒海でのソ連軍潜水艦とタンカーを守る独軍護衛駆逐艦との一騎打ちというマニアックなもの。

ソ連潜水艦と独軍護衛艦との激闘の果てに
序盤、ソ連軍潜水艦は見事にタンカーに魚雷を当てて撃沈いたしましたが、独軍護衛駆逐艦に探知されてしまい、爆雷を落とされてダメージを受け浮上を余儀なくされてしまいましたことで降伏に。

「サブマリン」は今回が初めての対戦でしたので若干のルールミスがありましたが、とても楽しい対戦でした。
潜水艦の戦いを充分に堪能することができました。
機会があればまた再戦をしたいと思います。
今日も6ゾロ様、対戦ありがとうございました。

バトルフォースターリングラード
ほかには卍丸さまと柿崎様が「バトルフォースターリングラード」を対戦。
練習プレイとのことでしたが激戦が繰り広げられていたようでした。

今日はこれにて。
それではまた。
  1. 2012/01/15(日) 21:00:00|
  2. ウォーゲーム
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300万とは夢のよう

本日14時過ぎ、当ブログ「舞方雅人の趣味の世界」は、なんと300万ヒットに到達いたしました。

300万とはまるで夢のような数字です。
開設時にはまったく思いもよらなかった数字でございます。

いつも申し上げていることでございますが、これもひとえに皆様のご声援の賜物です。
本当に本当にありがとうございます。
心より御礼申し上げます。

できることなれば300万ヒット記念にドカーンと大作SSを投下したいところなんですが、いかんせん記念作品と呼べるものができておりません。
また、大作になりそうな構想もできておらず、おそらくは短編から中編に収まるものと思われます。

ですが、何とか近いうちには物にしたいと思っておりますので、どうか気長にお待ちいただければと思います。

奇しくもこの16日には当ブログ開設から丸6年半が経過となります。
6年半もの長きに渡って続けてこられたからこそのこのヒット数とも思いますので、今後もできる限りは続けていこうと思っております。

どうか今後とも当「舞方雅人の趣味の世界」を、どうか応援よろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。

それではまた。
  1. 2012/01/14(土) 21:00:00|
  2. 記念日
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513号が来た

今日はいろいろと世間が騒がしかった日でしたね。

お昼には野田首相率いる改造内閣の顔ぶれが発表され新内閣がスタートとなりましたし、夕方には広島の刑務所を脱走した李受刑者の身柄が確保されたとのことで、これで付近の方々も安心されたのではないでしょうか。
くれぐれも二度とこういう脱走者が出るというようなことを起こさないでほしいものです。

私はというと、今日は入院後も継続的に通院している父の付き添いで病院に行ってきたんですが、そこの病院事務のおねぇさん方は制服として指定されているのか、皆さん短めのスカートに黒タイツ脚という素敵な格好をなされていらっしゃるので、目の保養をさせていただいておりました次第です。(笑)

で、家に帰ってみるとタミヤ様からの封筒が。
「タミヤニュース」513号が入っておりました。

news513.jpg
こちらが表紙。
今号はアメリカ陸軍の歩兵師団のマークだそうです。

先月末から映画で「連合艦隊司令長官 山本五十六」が放映されているのに合わせてでしょうか、新製品には山本長官の人形もついた「一式陸攻」が1/48で登場。
同じ1/48では英国の「ホーカー・ハリケーン」もラインナップ入りですね。
大戦前半の名機とも言える「ハリケーン」ですので、作りたい方も多いのではないでしょうか。

連載の「第二次大戦イタリア軍装備解説」は、S.L.C型特殊潜航艇の後編です。
なんとイタリア軍は英軍の拠点ジブラルタルにこの特殊潜航艇で攻撃を仕掛けたんだそうで、その際には「トロイの木馬」とも呼ばれた偽装商船に特殊潜航艇を積んでその船底からひそかに出撃したんだそうです。
イタリア海軍もやりますね。

見開きページの情景写真は中東戦争をモチーフにしたもの。
撃破したシリア軍のソ連製のT-62の上でポーズを取り写真に納まるイスラエル兵というもので、イスラエル兵の人形たちが表情豊かです。

今月号も楽しいタミヤニュースでした。

それではまた。
  1. 2012/01/13(金) 21:00:00|
  2. タミヤニュース
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リンクしてなかったとは・・・

このたび、いつもツイッター等で親しくお話させていただいておりますゴディバ様のサイトBitter Choco Liqueur/ビターチョコリキュール 様をリンクさせていただくこととなりました。

「Bitter Choco Liqueur/ビターチョコリキュール」様は、マインドコントロールなどによってとても素敵なハーレムを築くような楽しいSSがたくさんございますサイト様です。

中には悪堕ちに類するものもございまして、私も楽しませていただいておりますです。

管理人のゴディバ様とは、以前からツイッター等で知り合わせていただいておりまして、親しくさせていただいておりますのですが、なんと今日に至るまでうちのブログからリンクをさせていただきますのを忘れていたという大失態。

冷や汗をかきながらもゴディバ様にリンクを申し出ましたところ、快くお受けくださりましたことで今回リンクさせていただくことになりました。

うちのブログのメインの悪堕ち物とはまた若干雰囲気が異なりますが、いずれも素敵なお話ばかりです。
どうかぜひ足をお運びいただきまして、甘いながらもちょっと苦味のある極上のSSに酔いしれてくださいませ。

ゴディバ様、リンクをお受けくださいましてありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

今日はリンクのお知らせでした。
それではまた。
  1. 2012/01/12(木) 21:00:00|
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旧式と新型の撃ちあい(3)

米軍司令官のカラハン少将が日本艦隊の本隊と前衛駆逐艦を別々に見つけたことに気がつかないで確認を求め、また「夕立」を回避するために駆逐艦「カッシング」が転舵したことで艦隊の陣形も乱れてしまっていたころ、「夕立」からの報告とあわせて日本艦隊も米艦隊を確認しておりました。

日本艦隊の指揮官阿部少将は、もはやこの時点においては「比叡」と「霧島」の主砲弾を飛行場砲撃用の砲弾から対艦攻撃用の徹甲弾に交換する暇はないと判断し、両艦にそのままの砲弾で米艦隊を砲撃するよう命じます。
船体の装甲板は貫けなくても、上部構造物を破壊することぐらいはできると判断したのです。

日本軍時間で11月12日23時51分、戦艦「比叡」が探照灯で周囲を照らし出すと同時に砲撃を開始。
この時点で米軍は艦隊の混乱が収まりつつありましたが、貴重な時間を失い日本軍に先手を取られてしまいました。
比叡 (比叡)

カラハン少将は艦隊に対し射撃を命じましたが、このときの命令がまた混乱を呼ぶという不手際で、米軍は戦場の真ん中で右往左往する状況に。
そうこうしているうちに日本軍の砲弾が艦隊に命中し始め、新型の防空巡洋艦「アトランタ」の艦橋に直撃弾を受けてしまいます。

「アトランタ」には艦隊の次席指揮官スコット少将が座乗しておりましたが、この一弾で幕僚もろとも戦死。
さらに日本軍の駆逐艦からの魚雷を受けて戦闘不能に陥りました。

ここに至りようやく米艦隊も探照灯を照らして砲撃を開始します。
もはや最初のレーダー射撃で一方的になどという状況ではなくなり、海上は敵味方双方の艦艇で混乱に陥っていきます。

米軍の射撃は探照灯を照らした戦艦「比叡」に集中しました。
闇の中で煌々と探照灯をつけ、しかもそれが大型艦となれば狙われるのは必定でした。
巡洋艦や駆逐艦の主砲、高角砲、機銃までが「比叡」に向けられ、「比叡」の上部構造物は大損害を受けて炎上してしまいます。

一方もう一隻の戦艦「霧島」はほかの日本艦と共同で米軍の巡洋艦を攻撃。
米軍の旗艦「サンフランシスコ」に命中弾を与え、こちらは司令官のカラハン少将を戦死させます。
主席指揮官、次席指揮官をともに失った米軍は、こうなるともう各艦個々で砲撃するしかありませんでした。

その後も双方入り乱れての砲撃戦雷撃戦が続きましたが、米艦隊の臨時指揮官となった軽巡「ヘレナ」艦長のフーバー大佐が各艦に離脱を命じたことで戦闘は終了となりました。

フーバー大佐のもとによたよたと集まってきた米艦隊は、見るも無残な有様となっておりました。
旗艦重巡「サンフランシスコ」大破、重巡「ポートランド」大破、防空巡「アトランタ」大破のち処分、防空巡「ジュノー」大破のち退避中に日本軍の潜水艦に攻撃され沈没、軽巡「ヘレナ」小破と主力の巡洋艦は五隻すべてが損傷を受けました。
駆逐艦も被害は多く、四隻沈没、一隻大破、二隻中破、無傷だったのは駆逐艦「フレッチャー」のみという状態でした。

米軍には及ばないまでも日本軍もまた大きな損害を受けました。
駆逐艦「夕立」は敵発見後単艦で米艦隊に殴り込みをかけるなど活躍しましたが、米軍の集中砲撃を受け大破。
のち処分となります。
また駆逐艦「暁」が沈没し、「天津風」「雷」「春雨」が損傷を受けました。

そして、上部構造物に大きな被害を受けた戦艦「比叡」は、舵が故障して速力が出せなくなっておりました。
このままでは夜明けとともに米軍機の攻撃を受けるのは必至であり、阿部少将は駆逐艦「雪風」に移乗して何とか曳航を試みようとしました。

また空母「隼鷹」や陸上基地から上空直援の戦闘機も向かいましたが、夜が明けるとやはり米軍の航空攻撃が始まり、「比叡」は何発もの命中弾を受けてしまいます。

阿部少将はもはや「比叡」を救う手立てなしとして「比叡」の処分を命令します。
そして自沈の準備を行い艦底の弁を開け乗組員を駆逐艦五隻に移乗させて「比叡」のそばを離れました。

五隻の駆逐艦が「比叡」を離れてしばらくすると、山本五十六連合艦隊司令長官よりの電文が入ります。
「比叡」の処分を待てというのです。
理由は、「比叡」を浮かべておけば米軍は「比叡」を沈めようと航空機を差し向けるに違いなく、「比叡」に米軍機の目をひきつける囮になってもらおうというものでした。

阿部少将は再び「比叡」の元へと戻りましたが、すでに「比叡」の姿はありませんでした。
おそらく戻ってくるまでに沈んでしまったのでしょう。
「比叡」はこの戦争で最初に沈没した日本の戦艦となりました。

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  1. 2012/01/11(水) 21:00:00|
  2. 旧式と新型の撃ちあい
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終わっちゃったかぁ・・・

もう発売されてだいぶ経っていたようなんですが、気がついたのが先日といういつものごとき状態でして、ようやく手に入れてきました「オルフィーナ・サーガ」の8巻です。

1106000999.jpg
こちらが表紙。
なんともはや・・・なオルフィーナ(マリア)ですね。

この8巻でようやくこの長かった物語にも終止符が打たれました。
17年間ですか、本当に長いこと描かれていらっしゃったんですねぇ。

以前も書きましたが、絵柄がずいぶん変わりました。
オルフィーナ姫(マリア)にしても初期のころのアダルティな雰囲気がなくなり、幼さのような感じを受けるようになりました。
個人的にはかつての絵柄のほうが好きでした。

これだけ長い間の付き合いですから、終わってしまったのはさびしい感じですね。
天王寺きつね先生としてはほっとしている面も大きいでしょうが。

この世界観はホント好きでした。
ファンタジーと見せて実はSFだという。
こういう話は自分も書きたいんですよね。
とまってしまっている「グァス」なんかはそうなんですけどね。
ケリつけないといけませんねぇ。

「うぽって!!」の2巻も買わんとならんなぁ。
こっちももう出ているんやなぁ。
うーむ・・・

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/10(火) 21:00:00|
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旧式と新型の撃ちあい(2)

出撃した「比叡」と「霧島」は、それぞれ「金剛」級巡洋戦艦の同型艦として建造されました。
巡洋戦艦とは、戦艦より高速で巡洋艦より砲撃力を増したもので、戦艦並みの砲撃力を持っておりましたが防御は弱く、第一次世界大戦の「ジュトランド海戦」では英独の巡洋戦艦が大きな損害を出しました。

「金剛」は第一次世界大戦前に英国に発注された艦で、当時は有力な巡洋戦艦として完成いたしました。
同型艦の「比叡」「榛名」「霧島」はいずれも日本で建造され、大正時代の日本は強力な巡洋戦艦を四隻も保有することになったのです。

その後、第一次世界大戦の戦訓から「金剛」級は防御力を強化するなどの大改装が行われ、種別も巡洋戦艦から戦艦へと変更されました。
しかし、巡洋戦艦時代からの速度の速さは確保されており、最大速度は30ノットを超える日本の戦艦では最も速い戦艦でした。

このため「金剛」級は高速が要求される空母機動部隊の随伴艦として南雲機動部隊と行動をともにすることが多い戦艦でもありました。

完成したばかりの「大和」「武蔵」などとは異なり艦齢30年にも達する古い戦艦であるため、上層部ももったいないという気持ちを持つことなく最前線に投入することができた戦艦でありましたので、かえって活躍の場を多く与えられた戦艦でもありました。

基準排水量は32000トン。
主砲には36センチ砲(正確には14インチですので35.6センチ砲)を連装四砲塔八門装備しておりました。
この36センチ砲の砲撃力を持ってガダルカナル島の「ヘンダーソン飛行場」を砲撃し、一時的な使用不能に追い込んでその間に第三十八師団を上陸させ、今度こそ米軍を撃滅しようと考えたのです。

「比叡」と「霧島」の両艦は、軽巡「長良」と駆逐艦十一隻に護衛され、昭和17年(1942年)11月9日に根拠地であるトラック島を出撃しガダルカナル島へと向かいます。

一方米軍もちょうどこのとき輸送船団がガダルカナル島に到着し、物資を送り届けておりました。
日本艦隊の出撃は米軍側に知られており、この輸送船団を護衛してきたダニエル・カラハン少将率いる巡洋艦隊が、この日本艦隊を迎撃しようと待ち構えておりました。

日付が変わった11月13日の午前1時過ぎ(米軍時間)、米艦隊は最新式のレーダーで日本艦隊を捉えます。
このとき日本艦隊は米艦隊の存在に気がついておらず、日本艦隊は非常に危険な状況でした。

さらに主力の戦艦である「比叡」と「霧島」は、夜明けまでに米軍機の行動圏から退避しなくてはならないことから、短時間で砲撃を済ませなくてはならないために主砲にすでに対地攻撃用の砲弾をセットしてしまっておりました。
これは飛行場砲撃には有効ですが、対艦攻撃には不向きな弾であり、せっかくの戦艦の主砲の攻撃力が半減しているようなものだったのです。

米艦隊旗艦重巡「サンフランシスコ」の艦橋では、カラハン少将が探照灯(サーチライト)を使わないレーダーだけで射撃を行おうと考えておりました。
探照灯は相手を照らし出すのはいいのですが、自分の位置も相手にわかってしまいます。
レーダー射撃ならば日本軍は米艦隊を見つけられないままに一方的に砲撃を受けてしまうことになると考えたのでした。
サンフランシスコ (米重巡サンフランシスコ)

「サンフランシスコ」の艦橋に僚艦の軽巡「ヘレナ」より日本艦隊が約25キロの位置に来たとの報告が入ります。
「ヘレナ」は新型のレーダーを装備していたので、「サンフランシスコ」よりも正確に日本艦隊の位置を捉えておりました。
まさに日本艦隊は闇の中から見つめる蛇ににらまれたかえるのような状態でした。

このとき、ひとつの偶然が日本艦隊を救います。
昼間の対空警戒態勢から飛行場砲撃用の態勢に艦隊の各艦艇の位置を変更し、そのあとスコールなどで幾度か進路変更をしたことで、前衛警戒の駆逐艦「夕立」と「春雨」が突出してしまっており、かなり米艦隊に接近してしまっていたのです。

日本時間12日の23時40分ごろ、「夕立」は闇の中に米軍艦艇らしきものを発見。
これはなんと米軍のレーダー探知とほぼ同じころでした。

発見されたのは米軍の前衛駆逐艦の「カッシング」でした。
「カッシング」もほぼ同時に「夕立」を見つけますが、突然闇の中から日本軍の駆逐艦が出現したことに驚き、あわてて進路を変えてよけようとします。
そして旗艦「サンフランシスコ」に目の前に敵がいると通報しました。

カラハン少将は驚きました。
わずか数分前に「ヘレナ」のレーダーは25キロ地点に日本軍がいると報告してきました。
それがほんの数分で目の前3キロほどの位置にいるというのか?
カラハン少将はそれがまったく違う本隊と前衛だとは思わなかったのです。
カラハン少将は再度確認するように命じ、貴重な時間が失われていきました。

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  1. 2012/01/09(月) 21:02:37|
  2. 旧式と新型の撃ちあい
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年が変わって本気出した?

先ほどまで今年のNHKの大河ドラマ「平清盛」の第一話を視聴しておりました。

いやぁ、昨年の「江」とはかなり雰囲気が違いますね。
舞子の死の場面でも血まみれになってましたし、近年ああいう血まみれの姿って見ていないような気がしましたので、今年は違うかなって気がしました。

伊東四郎氏の白河法皇もいやらしい感じが出てましたねー。
「犬が迷い込んできておる」なんて、ステレオタイプではありますが、権力者の人を人とも思わない感じを出してましたね。

中井貴一氏の平忠盛もよかったですね。
中井氏はもともと好きな役者でしたが、今回またいい感じで演じられているので好感が持てました。

ところで、あの船に乗っていた場面での海はどこの海なんでしょうか?
瀬戸内海だとは思うんですが、京にいた平忠盛がひょいひょいと瀬戸内海に行けたのかなとちょっと思ってしまいまして、もしかしたら琵琶湖なのかなとも思ったり。

ただ、まあ、海賊も出てきたので瀬戸内海なんでしょうね。

次週からは松山ケンイチ氏演じる成長した平清盛が登場ですね。
久しぶりに楽しめそうな大河ドラマかなという感じで楽しみです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/08(日) 21:33:18|
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旧式と新型の撃ちあい(1)

昭和17年(1942年)、日本はミッドウェーで空母四隻を一度に失うという大損害をこうむりました。

これによりもともとはアメリカ本土とオーストラリア大陸との連絡を遮断するフィジー・サモア作戦の支援用前線航空基地として建設が計画されたガダルカナル島の飛行場でしたが、空母を失い防戦に回る可能性がある場合でも制空権確保のためには必要と判断され、ガダルカナル島の飛行場建設は行われることとなりました。

この日本軍が建設しようとした飛行場は、8月5日には第一段階の工事が完了し、滑走路が使用できるようになりました。
しかし、このわずか二日後の8月7日、海兵隊を中核とした米軍の上陸部隊がガダルカナル島に上陸。
飛行場設営のためのわずかな部隊しかいなかった日本軍は米軍の攻撃になすすべもなく、飛行場周辺は米軍に占領されてしまいます。

このとき米軍の上陸部隊は第一海兵師団を中心に約二万名もの大兵力を擁しておりましたが、日本軍は敵情の把握に失敗し、これを十分の一の二千名程度と判断。
もともとミッドウェー島攻略に当てる予定だった陸軍一木支隊(一木大佐が指揮官のためこう呼ばれた)二千三百名をガダルカナルに送り込んで飛行場奪回を企てます。

二千名の敵に対しこちらも二千名程度で攻撃するというのは、私などは少なすぎると感じてしまうのですが、中国大陸での中国軍との戦いでは兵力の少ない日本軍が中国軍を攻撃して勝つのが当たり前的な状況が多かったので、そういった意識が働いていたのかもしれません。
それに米軍は飛行場を長期的に占領しに来たのではなく、ゲリラ行動的に飛行場を破壊して立ち去るものと考えていたようでもあり、撤退する米軍を追い払う程度という意識もあったのでしょう。

しかし、実際には約十倍の敵にまともにぶつかる羽目となった一木支隊は米軍の火力の前に壊滅し、これに驚いた陸軍は川口少将率いる約四千名の川口支隊を送り込みますが、こちらも数日の戦いでほぼ壊滅するという状態に陥ります。

そしてこの間米軍は日本軍が建設した飛行場を拡張し、「ヘンダーソン飛行場」として運用し始めることでガダルカナル島上空の制空権を握りました。
これにより日本軍はガダルカナル島を奪回するための兵力を送り込もうにも、制空権がないために送り込めなくなってしまいます。

そこで日本軍は苦悩の末ある作戦を実行します。
それは艦砲射撃でヘンダーソン飛行場を砲撃し、一時的にでも飛行場を使用不能にしてその隙に部隊や補給物資を送り込もうというものでした。

これに伴い、ヘンダーソン飛行場を砲撃しようと向かった日本艦隊と、ガダルカナル島周辺をパトロールする米軍艦隊との間に数次の水上艦隊戦が生起します。

まず最初に起こったのは「サボ島沖海戦」でした。
この海戦では砲撃に向かった日本軍の重巡艦隊が米軍艦隊の前に敗北し、重巡「古鷹」と駆逐艦一隻を失い、重巡二隻が損傷を受けました。

しかし、10月13日夜には戦艦「金剛」と「榛名」がガダルカナル島に接近し、ヘンダーソン飛行場を砲撃して一時的に使用不能といたしました。
このとき陸軍はこの艦砲射撃を「野砲千門に匹敵する」と喜びの報告をしています。

ところがヘンダーソン飛行場は不死身でした。
日本軍の知らない間に米軍は滑走路を拡張しており、砲撃を受けなかった滑走路から飛び立った航空機が制空権を保持していたため、日本軍は第二師団の揚陸を妨害されてしまい兵員は何とか上陸したものの、武器弾薬や食料などの物資が半分も揚陸できなかったのです。
このため第二師団の攻撃もまた米軍に跳ね返されて失敗となり、ガダルカナル島の戦いはずるずるとどうしようもない消耗戦になっていったのです。

日本軍は制空権を取ろうと躍起になりましたが、前線飛行場のラバウルからガダルカナル島はあまりにも遠く、長距離飛行のできる零戦でもガダルカナル上空での戦闘は30分もできるかできないかでした。
そのため長距離を飛んで疲れ果てたパイロットの乗る零戦と、上昇してきたばかりの疲労の少ないパイロットの乗る米軍機とでは勝負にならず、またたとえ空戦に勝利しても同じ距離を戻らねばならない零戦はあまりにも不利で制空権を取ることはできませんでした。

第二師団の攻撃も失敗に終わり、それ以上にガダルカナル島への補給もままならない状況に対し、やはりヘンダーソン飛行場を使用不能にするしか道はないとした日本軍は、再度ヘンダーソン飛行場への艦砲射撃を試みることにいたします。
それも重巡の20センチ砲ではなく、破壊力の大きい戦艦の主砲を使うことにいたします。
しかし、残念ながら制空権のない海上では戦艦は夜しか行動できません。
米軍機の行動圏の外で日没を迎え、ガダルカナル島に砲撃し、朝になる前に米軍機の行動圏を出る。
そのためには速力が速くなくてはなりません。
日本の誇る戦艦「大和」や「武蔵」「長門」では速力が遅くてだめなのです。
(速力よりももったいなくてそんな任務に使えないとした説も)

そこで速力の速い戦艦である「金剛」級が選ばれました。
「金剛」「榛名」は10月の砲撃で使いましたから、今度は同型艦の「比叡」と「霧島」に白羽の矢が立てられます。
再度の艦砲射撃を行うため、「比叡」と「霧島」は出撃していきました。

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  1. 2012/01/07(土) 21:15:00|
  2. 旧式と新型の撃ちあい
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瓦礫も街の賑わい

先日先々日とセンパー様にお相手いただきまして、ゲームジャーナル誌19号付録ゲーム「スターリングラード強襲」を通信対戦いたしました。

このゲームは今年70周年を迎える1942年のスターリングラードにおける独ソの市街戦を表したもので、いわゆるアルンヘムシステムと呼ばれる将棋のように交互手番で対戦するゲームとなっております。

0104初期配置
こちらが初期配置。
見てわかりますようにエリア式のマップになっておりまして、独軍はヴォルガ川沿いの重要拠点七ヶ所(向かって右よりトラクター工場、バリケード工場、赤い10月工場、テニスラケット地区、第一停車場、穀物サイロ、第二停車場)のうち六ヶ所をゲーム終了時に占領していれば勝利となります。
逆にソ連軍は最低二ヶ所を保持していればいいわけですが、独軍は火力も高く強力なカードも多いので、なかなか厳しい戦いを強いられるようです。
今回は私が独軍を、センパー様がソ連軍を担当いたしました。

01042ターン開始時 (第二ターン開始時)
第一ターン、独軍は早々にママエフ墓地と10月公園、病院、中部峡谷、そして重要拠点のひとつ第二停車場を占領します。
このうちママエフ墓地は重要拠点ではないものの、市街地を見下ろせる制高点となる丘があったことから、このエリアを支配する陣営はカードを余分に一枚持つことができるため、早期に占領できたのは独軍にとって幸先のよいスタートとなりました。

01043ターン開始時 (第三ターン開始時)
第二ターンでは、独軍は着々と各エリアへの足がかりをつかんでいきます。
重要拠点の穀物サイロやテニスラケット地区に先遣部隊を送り込み、後方のツァリーッツァの森や陸軍兵舎も占領するべく部隊を前進。
さらに盤右側では重要拠点のトラクター工場を占領し、さらにバリケード工場も占領することに成功しました。
ソ連軍は何とか占領された地区を取り戻そうと対岸から兵力を送り込んで来ています。

01044ターン開始時 (第四ターン開始時)
第三ターンも独軍の進撃は続きます。
盤左側ではツァーリッツァの森を占領し、重要拠点の穀物サイロも占領しました。
また労働者住宅街も占領し、重要拠点の赤い10月工場ににらみを効かせます。

01045ターン開始時 (第五ターン開始時)
第四ターンの独軍は兵力の再配置といった感じでした。
しかし、赤い10月工場や第一停車場、テニスラケット地区には先遣隊を入れて足がかりをしっかりと確保します。
ソ連軍はかなり追い詰められてきておりました。

0104ゲーム終了時 (ゲーム終了時)
第五ターン、独軍の手持ちカードはほぼ最高といえるような状態になり、各重要拠点への攻撃が始まります。
赤い10月工場は開始早々に独軍が占領し、これで残る重要拠点はテニスラケット地区と第一停車場のみ。
独軍はすべての攻撃力をテニスラケット地区に注ぎ込み、重砲支援カードや蹂躙攻撃カードを駆使してついにここを占領します。
残る重要拠点が一ヶ所となったソ連軍は奪回の見込みなしとしてここで投了。
スターリングラードの市街戦は独軍の勝利に終わりました。

今回は全般的にダイス目がとにかくよかったです。
低火力の射撃でもソ連軍にダメージを与えることができたり、高火力の攻撃がすごくいいダイス目だったり。
またカードのめぐりもよく、ママエフ墓地の早期占領が大きな意味を持ったと思います。
逆にソ連軍にとってはそういった面でカードのめぐりやダイス目がよくなかった気がします。

プレイした印象としては面白いゲームです。
ソ連軍がちょっと厳しいような気がしますが、次回入れ替え戦でその厳しさを感じたいと思います。
センパー様、対戦ありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/06(金) 21:20:00|
  2. ウォーゲーム
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今年はこれらも・・・

先日記事に書きましたGJ19号「スターリングラード強襲」ですが、無事手に入れることがかないました。

gj19cover.jpg

おかげさまで先日来VASSALによる通信対戦も行うことができ、昨晩も瓦礫の山での死闘を楽しんでおりまして、今晩続きをやる予定でおります。

こうして今年もウォーゲームとは切り離せない一年となりそうですが、今年は今まであまりやらなかったゲームにも日の目を見させてあげたいですね。

そんな中で今やりたいなぁと思っておりますのは海戦物でしょうか。

帆船の戦い
やはり帆船好きの舞方といたしましては「帆船の戦い」はやりたいところですねぇ。
VASSALのモジュールもあるのですが、なかなか対戦する機会を作れておりません。
今年は対面通信どちらでもいいので、一度は対人戦を対戦したいものです。

submarine.jpg
あとはこちらの「サブマリン」もやりたいですね。
札歴会では今日も6ゾロ様が結構楽しまれていらっしゃるようなので、機会があれば胸をお借りしようかな。
こちらもVASSALモジュールはあるようなので、通信対戦も可能かも。

当然このほかにいつものASLやASL-SKもプレイしたいですね。
うーん・・・やっぱりやりたいゲームがいっぱいだ。

今年はどれだけ対戦できるでしょうか。
できるだけ多くの対戦機会を作りたいと思います。

今日は決意表明みたいなものでしたね。
それではまた。
  1. 2012/01/05(木) 21:00:00|
  2. ウォーゲーム
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今年はすごかったですね

ご多分にもれず、我が家も正月2日3日の午前中から午後にかけては、テレビで「箱根駅伝」を延々と視聴しておりました。

今年はもう皆さんご存知のとおり、東洋大学が総合優勝を飾りました。
やはり5区の山登りでは柏原選手が圧倒的な力を見せ付けましたね。

今年の東洋大の強さは柏原選手だけではなく、そのほかのメンバーも区間トップで走りぬくという姿勢が強かったことでしょう。
ほとんどの選手が各区間のトップを取るというすごさ。
総合タイムが10時間51分というのもうなずけますね。

2日の往路では5区で東京農業大の津野選手が体調不良に陥ってしまい、テレビ放送中にゴールできないほどの状況でした。
最後まで何とか走りぬいた津野選手でしたが、大丈夫だったのでしょうか?
ふらふらになりながらも走り続ける津野選手に、沿道の皆さんは熱い声援を送っておりましたね。

復路では東洋大の圧倒的な速さについていけない大学が多く、8区9区で繰り上げスタートが行われました。
たすきはぎりぎりでつながりましたが、神奈川大学の9区の受け渡しはどきどきしましたね。
あせっているのと疲労で立ち上がれなくなり、必死に手を伸ばしてたすきを渡そうとする姿が印象的でした。

テレビの視聴率は28%も行ったそうですね。
多くの方が見ていたんでしょうね。
うちも毎年なんだかんだ言いながら見てしまいますもんね。

きっと各大学では今日からもう来年の箱根に向けてスタートが切られているんでしょう。
来年の「箱根駅伝」も楽しみです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/01/04(水) 21:00:00|
  2. スポーツ
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吸血帝国キュラー(2)

未莱が寝かされている円形の台の周囲からいろいろなチューブやアームが伸びてくる。
アームの先端には注射針のようなものや歯科医の使うようなドリルのようなものが付いており、天井からの照明に鈍く光っていた。
「いやっ! いやぁっ!」
アームを避けようと必死に身を捩る未莱。
だが、突然首筋に痛みを感じて動きが止まった。

「うふふふふ・・・アタシたちがなぜ吸血帝国キュラーと呼ばれるかわかるかしら? そのチューブはあんたの血を吸い取って、換わりに魔液を注入するの。とっても気持ちいいわよ」
「ああ・・・あああ・・・」
少し離れた場所で未莱を見つめるモスキュラー。
未莱の首筋に突き立てられたアームからは透明なチューブが伸びていて、その中に未莱の真っ赤な血が吸い出されていく。
そしてもう一本のアームがその隣に突き立てられると、そこからつながったチューブからは毒々しい緑色をした液体が未莱の躰に流し込まれていくのだった。

「ああ・・・はあ・・・ああん・・・」
緑色の液体が流し込まれるとほぼ同時に苦痛の表情を浮かべていた未莱の顔がうっとりとしたものに変わっていく。
「うふふふ・・・気持ちいいでしょ? その魔液はあんたの躰の隅々まで染み渡り、あんたの躰をキュラーの女怪人へと変化させてくれるのよ」
「ああ・・・いや・・・ああ・・・きもち・・・いい・・・」
うっとりと快楽に浸る未莱。
全身に魔液が行き渡ることでとてつもない快楽が押し寄せてきているのだ。
「ああ・・・だめ・・・だめなのに・・・」
全身を襲う快楽に、未莱の思考もぼやけ気味になっていく。

やがて未莱の躰に変化が現れる。
健康的な白い肌をしていた未莱の肌が緑色に染まっていき、それからさらにどす黒く変わっていく。
ぴくぴくと震えていた指先が、まるで骨がなくなったかのようにうねうねと動き始め、爪が消えてひとつの触手のように融合していく。
滑らかだったお腹には縞模様のような皺が寄りそれがうねうねと動いていく。
「あはぁ・・・あはぁ・・・」
口元を快楽に緩め、あえぐように息をする未莱。
うねうねと動き始めたお腹からはぬめぬめとした粘液が滲み出し、太ももからつま先にかけても皺が寄ってぞわぞわと動き出す。
つま先からは足の指が消え、先が細くなってこちらも触手状に変化する。
背中ががくんと持ち上がり渦巻状の固い殻が形成され始めると、台のその部分が自動的にくぼんで未莱の躰を正しい位置に戻していく。
変化が始まった躰には台の周囲から伸びる複数のアームが突き立てられ、さらに未莱の変化を完全なものへと変えていく。

「気持ちいい・・・キュラー・・・キュラー・・・なんて気持ちいいのぉ・・・」
うっとりと心地よさに浸る未莱。
変化はその頭部にも及んでいく。
髪の毛はすべて抜け落ち、どす黒いぬめぬめした皮膚が首筋から上へと広がっていく。
皮膚は頭部をすべて覆いつくすと、額の辺りから二本の触角のようなものが伸びていき、その先端に新たな眼球が形成されていく。
最後に赤くぬめっとした唇が口元を彩り、未莱の変化は完成した。

触覚のように額から伸びた眼球をゆっくりと見開く未莱。
その口元には冷たい笑みが浮かんでいる。
やがて未莱は触手状に変化した両手を金属の拘束具からするりと引き抜くと、同じように両足も拘束具から引き抜いた。
そしてゆっくりと躰を起こすと、触手状だった足をハイヒールのブーツ状へと変化させ、台の脇へと降り立った。

「あら、終わったようだから拘束を解いてあげようと思ったのに、自分で抜け出しちゃったのね」
口元にやさしい笑みを浮かべて近づいてくるモスキュラー。
それを見て異形と化した未莱も笑みを浮かべる。
「うふふふ・・・今の私にはこんな拘束具は意味がないわ」
触手状になった腕をうねうねとうねらせる未莱。
その姿は粘液に覆われたようにぬめぬめするどす黒い軟体の躰になっているが、躰のラインは女性らしい滑らかなラインがそのまま保持されている。
背中には渦巻状に巻かれた巨大な殻が背負われており、鈍く輝いてかなりの硬さを持っていることが伺える。
頭部は躰と同じように軟体の皮膚で覆われていて、かつて目があった位置は皮膚に覆われているものの、額から伸びている触覚のような角の先に小さな眼があって、それで周囲を見ているのだった。

「うふふふ・・・そのようね。どうやら見たところカタツムリの女怪人ってところかしら」
「ええ。私はもう下等な人間なんかじゃないわ。偉大なる吸血帝国キュラーの女怪人スネイルキュラーよ。オホホホホ・・・」
触手状になった手を口元に当てて高笑いする未莱。
いや、彼女はもう身も心もキュラーの女怪人スネイルキュラーへと変化してしまっていたのだった。

「うふふふ・・・よろしくねスネイルキュラー。キュラーの女怪人になった気分はどうかしら」
「ええ、モスキュラー。もちろん最高よぉ。キュラーの女怪人がこんなにすばらしいものとは思わなかったわぁ。こうしてキュラーの一員になれてとても幸せ。今まであんな人間なんていう下等動物だったなんてゾッとするわぁ」
両手で自らの躰を愛しそうに抱き締めるスネイルキュラー。
「うふふふふ・・・これからは二人で一緒にキュラーのために働きましょう」
「ええ、もちろんよ。私はもう身も心も偉大なる吸血帝国キュラーのもの。キュラーのためなら何でもするわ」
「うふふふ・・・それじゃまずはあんたの能力を見せてもらおうかしらね。こっちにいらっしゃい」
くるりと背を向けてドアに向かうモスキュラー。
「お安い御用よ」
流れるようなラインの脚を動かし、ヒールの音を響かせながらモスキュラーのあとに続くスネイルキュラー。
二人は仲良く改造室をあとにするのだった。

                  ******

「ねえ、いつまで私たちをここに閉じ込めておくの?」
「お願いです。家に帰してください。ここのことは誰にも言いませんから」
「私たちはキュラーに歯向かったりしません。どうか帰して・・・」
薄暗い牢に閉じ込められている人質の女性たち。
何とかここから開放してもらおうと、鉄格子の向こうに立っている黒尽くめの戦闘員たちに懇願する。
悲しいことだが、彼女たちにとってはそれしか手段がないのだ。
頼みの綱ともいうべきアースナイトの一人イエローナイトはキュラーに捕らえられてしまったし、ほかのブルーナイトやレッドナイトは来てくれる様子もない。
絶望感に打ちひしがれながらも、彼女たちは一縷の望みを託して懇願するしかなかったのだ。

「うふふふふ・・・」
鉄格子の前に現れるモスキュラー。
その姿に牢にいる女性たちは息を呑み静かになる。
「やっぱり下等動物どもはあきらめが悪いのねぇ。もういい加減にあきらめてもよさそうなのに」
「そ、そんな・・・」
あきらめろと言われてもそう簡単にあきらめられるものではない。
自分の命がかかっているのだ。
「お願いですから私たちを解放してください。もう私たちの役目は終わったんでしょ?」
「イエローナイトを捕らえたんですから、もう私たちは関係ないんじゃ・・・」
おずおずと自分たちを解放してくれるように懇願する女性たち。

「うふふふふ・・・あんたたち、そのイエローナイトがどうなったか知りたくないかしら?」
「えっ?」
「イエローナイトが?」
「どうなったかを?」
モスキュラーの言葉に顔を見合わせて困惑する女性たち。
知りたくないといえば嘘になる。
自分たちが人質になったせいでとらわれたイエローナイトには多少の罪悪感があるのだ。
だから彼女がどうなったのかは知りたかった。
「ええ、うふふふふ・・・会わせてあげるわ」
笑みを浮かべながら指を鳴らすモスキュラー。
女性たちは何かいやな雰囲気を感じながらも、近づいてくる足音を耳にする。

「うふふふふ・・・こんばんは、皆さん」
「ひゃぁっ!!」
「ひぃぃぃぃっ!」
鉄格子の向こうに現れた姿を見て女性たちは言葉を失い悲鳴を上げる。
「まあ、失礼ね。わがキュラーの新しい仲間スネイルキュラーの姿を見て悲鳴を上げるなんて」
「まったくだわ。しょせん下等動物ね。偉大なるキュラーによって改造されたこの姿のすばらしさがわからないなんて・・・」
恐怖におののく女性たちに、腰をくねらせて自らの姿を誇らしげに見せ付けるスネイルキュラー。
うねうねとうねる軟体の躰が女性らしさをより強調している。
「ええ、とても素敵よ、スネイルキュラー」
「ありがとう。あなたもとても素敵よ、モスキュラー」
二人のキュラー怪人は女性たちの前で抱き合ってキスをする。
「うふふふ・・・いい味だわ。やっぱりあんたを仲間にしたのは成功ね」
「うふふふ・・・あなたのおかげよモスキュラー。私をこんなすばらしい女怪人にしてくれたんですもの。感謝してるわ」
唇を離した二人の間に、唾液の糸がつぅっとたれる。

「うふふふ・・・ほら、下等な連中がアタシたちを見てぽかんと口を開けてるわ」
「あら、本当。ねえモスキュラー、この女たちに利用価値があるって言っていたけど、どうするつもりなの?」
なまめかしいピンク色の舌で舌なめずりをするスネイルキュラー。
「うふふふ・・・この女たちは実験材料にするのよ。生まれ変わったあんたの能力の実験に使うといいわ」
「まあ、うれしいわ。うふふふ・・・そろそろ私の力を試してみないとね」
スネイルキュラーの目に喜びの色が浮かぶ。
「楽しみね。この連中は自由にしていいわよ。煮るなり焼くなり好きになさい。うふふふふ・・・」
モスキュラーはそういうと、名残惜しそうにスネイルキュラーから離れて一歩下がる。
スネイルキュラーも残念そうに唇に指を当ててキスの感触を楽しんだ。

「うふふふふ・・・お前たちにも感謝しないとね。お前たちが人質になってくれたおかげで私はこうして偉大なるキュラーの女怪人に生まれ変わることができたわ。礼を言わなくちゃ」
ゆっくりと鉄格子に近づくスネイルキュラー。
「ああ・・・そ、そんな・・・」
「イエローナイトが・・・キュラーの怪人になってしまったの?」
「まさかそんな・・・」
あまりのことに女性たちは言葉を失ってしまう。
目の前のカタツムリの女怪人がイエローナイトだったなんて・・・
「ええ、そうよ。以前の私はイエローナイトなどというくだらない存在だったわ。何もわからずにキュラーに歯向かっていたおろかな女だったの。でも今は違うわ。偉大なるキュラーに私は選ばれたの。私は偉大なるキュラーの女怪人スネイルキュラーに生まれ変わったのよ。オホホホホ・・・」
高笑いするスネイルキュラー。
そこにかつてのイエローナイトの面影はまったくない。

「うふふふ・・・これからどうなるか心配しているのかしら? でも心配は無用よ。お前たちを殺したりはしないわ」
おびえる女たちにスネイルキュラーがやさしく言う。
「えっ? 殺さない?」
「本当ですか?」
スネイルキュラーの言葉に女性たちの間にほっとした空気が流れる。
「ええ、本当よ。お前たちには私の可愛いカタツムリたちの宿主になってもらうわ。そのことを感謝するのね」
スネイルキュラーは背中の殻から小さなカタツムリを取り出すと、女性たちに投げつける。
「えっ? きゃぁっ!」
「いやぁっ!」
「きゃぁっ!」
カタツムリは女性たちの顔に張り付くと、そこからうねうねと蠢いて彼女たちの耳に入り込んでいく。
女性たちはあわてて張り付いたカタツムリを払い落とそうとしたが、カタツムリはしっかりと張り付いたまま耳の中へと消えていった。

「ああ・・・」
「頭が・・・頭の中でカタツムリが・・・」
次々と頭を抱えて苦しみだす女性たち。
一人、また一人と冷たい牢の床の上に倒れこんでいく。
やがて女性たちの躰に変化が起こり始める。
カタツムリがもぐりこんでいった耳の耳たぶにはコウモリが羽を広げたような模様が浮かび、目の周りはまるでアイシャドウを引いたように黒く染まり、唇も濃い紫色の口紅をつけたように染まっていく。

「あら、彼女たちに何をしたの?」
スネイルキュラーの背後で様子を伺っていたモスキュラーが鉄格子の向こうを覗き込む。
「うふふふ・・・この女たちには私の可愛いカタツムリたちを植え付けたのよ。さあ、お前たち、起きなさい」
スネイルキュラーの命令に、女性たちは目を開けるとゆっくりと起き上がる。
そして着ているものをおもむろに脱ぎ始める。
驚いたことに彼女たちの躰はまるで黒いレオタードを着たような感じに変化しており、すらっと伸びた脚も網タイツを穿いたようになっていた。
そして足には黒いブーツを履いたようになっており、両手の爪も黒いマニキュアを塗ったように染まっていた。
「うふふふふ・・・この女たちはもう私のしもべ。私の可愛いスネイルレディたち」
「へぇ、自前で女戦闘員を作っちゃったんだ。やるわね」
モスキュラーが感心する。
「うふふふ、ありがとうモスキュラー。今まで私が倒した戦闘員の埋め合わせをしないとね。さあお前たち、これからたっぷりと暴れてもらうわよ。いいわね」
「「「キュラー!」」」
整列していっせいに右手を上げるスネイルレディたち。
その様子にスネイルキュラーは満足げに笑みを浮かべるのだった。

END
  1. 2012/01/03(火) 21:00:00|
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吸血帝国キュラー(1)

「オホホホホ・・・イエローナイト、あれをごらん!」
極彩色の翅を広げ、一点を指差しながら高笑いをする毒蛾の女怪人モスキュラー。
「えっ?」
思わずその指差された方に視線を移すイエローナイト。
もちろん戦闘態勢は整えたままだ。

「あれは?」
そこには一台の黒塗りのバスが止まっていた。
そしてその中には複数の若い女性たちが載せられている。
「クッ」
ヘルメットの中で唇をかむイエローナイト。
彼女はあのバスが何を意味するのか即座に理解したのだ。

「うふふふふ・・・どうやら理解したようね。そう、あのバスの中には人質がいるわ。あんたが仲間を呼んだり抵抗したりすれば・・・うふふふ・・・人質がどうなるかは・・・わかるわよね」
複眼の下の人間そのままの口に笑みを浮かべるモスキュラー。
背中からは色鮮やかな翅が広がり、全身を細かい毛に覆われてはいるものの、その流れるようなボディラインは美しい女性のままであり、腰のくびれも胸の膨らみも人間の女性と変わらない。
頭部も複眼や触角など毒蛾の特徴を持っているのに、口元だけは人間の女性と同じだった。

「クッ、卑怯者め」
悔しさに歯噛みするイエローナイト。
だが、人質をとられていては手出しすることができない。
悔しいがここは相手の言うとおりにして隙をうかがうしかない。
本来なら仲間を呼びたいところだが、今はそうもいかないだろう。
とにかくチャンスを待つしかない。

「ああ・・・」
黒塗りのバスの中からため息が漏れる。
吸血帝国キュラーの女怪人と対峙していたアースナイトの一人、イエローナイトが身構えるのをやめてしまったのだ。
それは当然自分たちが人質になっているからに他ならない。
自分たちのことを気にかけてくれたことがうれしい反面、自分たちのせいで正義が悪に屈してしまうかもしれないと思うと心苦しかった。

「イエローナイト! 私たちにかまわず戦って!」
バスの中から声がかかる。
だが、すぐにざわめきが広がった。
「何言うのよ! 勝手なこと言わないで!」
「私たちは無関係なのよ! 家に帰してよ!」
「イエローナイト、お願い、助けてぇ!」
「いやぁっ! 死にたくないよぉ」
一人の言葉がきっかけで人質の女性たちが堰を切ったようにしゃべり始めたのだ。

「あらあら・・・勝手なことばかり言って無様なものねぇ。これだから下等な動物なのよね、人間って。オホホホホ・・・」
バスの中のざわめきを聞き、あざけるように笑うモスキュラー。
「私はどうなってもいいわ。バスの中の人たちを解放して」
「うふふふふ・・・さぁて、どうしようかしらね」
戦うのをやめたイエローナイトの訴えに肩をすくめて見せるモスキュラー。
「卑怯よ! あの人たちには何の関係もないでしょう」
イエローナイトが怒りにこぶしを握り締める。
「関係はないかもしれないけど、どうするかはアタシ次第よね」
複眼をバスに向け、冷酷な笑みを浮かべるモスキュラー。

「それよりも、今は自分の置かれている立場を認識してもらおうかしら。さあ、変身を解除しなさい、イエローナイト」
「へ、変身を?」
思わず躊躇するイエローナイト。
変身を解除してしまえばほとんど無防備になってしまう以上、躊躇するのも当然だ。
「人質がどうなってもいいの? 早くしなさい!」
「わ、わかったわ・・・」
黒塗りのバスの周囲には黒い全身タイツに身を包んだキュラーの戦闘員たちがおり、モスキュラーが一言発すればすぐに中の人質を始末しようと待ち構えている。
この状況ではイエローナイトに選択肢は無かった。
「ああ・・・レッド、ブルー・・・お願いだから駆けつけて・・・」
「うふふふふ・・・レッドとブルーがくるとでも思っているのかしら? 残念ね。あの二人なら今頃はビーキュラーがたっぷりとお相手をしているころよ」
「そ、そんな・・・」
愕然とするイエローナイト。
道理でこんなに時間が経っているにもかかわらず二人が現れないはずだ。
二人は二人で別のキュラー怪人と戦っていたのだとは・・・

「さあ、早く!」
「クッ・・・」
やむを得ず右手のブレスレットをかざして変身を解除するイエローナイト。
黄色いミニスカート型の躰にぴったりとしたバトルスーツが解除され、着用前の普段着姿に戻ってしまう。
バイザー付きのヘルメットも消えてしまい、髪が翻って凛とした表情の素顔があらわになる。
「解除したわ。これでいいでしょ」
憎憎しげにモスキュラーをにらみつけるイエローナイト。
「うふふふふ・・・いいざまね、イエローナイト。いえ、その姿のときは園里未莱(そのざと みらい)だったかしら」
「えっ? 私の名が知られている?」
その事実に愕然とする未莱。
アースナイトのメンバーの名前は最高機密のはずで、関係者の間でもほとんど知られていないはずだというのに・・・
「オホホホホ・・・吸血帝国キュラーを甘く見ないことね。あんたたちの情報など筒抜けよ」
口元に手の甲を当てて高笑いするモスキュラー。
自分の思い通りの展開に満足しているのだ。

「ほら、変身を解除したわ。これでいいでしょ。早くあの人たちを解放して」
両手を広げて改めて変身を解除したことをアピールする未莱。
どうあれ人質さえ解放することができれば、あとは何とでもなるはずだ。
「オホホホホ・・・お前たち、その女を拘束しなさい」
「「ヒャイーッ!」」
モスキュラーの命で黒尽くめの戦闘員たちが未莱の両腕を取り押さえる。
「な、人質は?」
「オホホホホ・・・残念ね。あの女たちにも利用価値があるのよ。だから開放するわけにはいかないわ」
「そ、そんな・・・」
変身を解除すれば人質は解放されると思っていた未莱は愕然とする。
「卑怯よ! 人質を解放して!」
「うるさいわね。少しの間眠っていてもらうわよ」
モスキュラーが背中に広がる翅を震わせる。
きらきらとした鱗粉が舞い散り、未莱の周囲に降りかかる。
「こ、これは? ごほっ、ごほっ」
思わず鱗粉で咳き込む未莱。
すると急速に眠気が襲ってくる。
「えっ? 何?」
しまったと思う間もなく未莱の意識は闇に飲み込まれていく。
戦闘員たちに両腕をつかまれたままぐったりと眠り込んでしまう未莱。
「オホホホホ・・・私の毒鱗粉の味はどうかしら? 安心なさい。しばらく眠ってもらうだけよ。さあ、お前たち、この女と人質を連れてきなさい」
「「ヒャイーッ!」」
奇声を上げてモスキュラーに従う戦闘員たち。
やがて黒塗りのバスもろとも彼らの姿は突然現れた闇の中へと消えていった。

                 ******

「う・・・こ、ここは・・・」
冷んやりした空気に目を覚ます未莱。
「えっ?」
寝そべった躰を起こそうとして自分の躰が拘束されていることに未莱は気がつく。
両手首と両足首が金属のベルトで固体され、台の上に大の字のように寝かされていたのだ。
しかもあろうことか衣服は一切身に着けておらず、胸も股間もさらけ出したままだという。
「ええ? ど、どうして?」
何がなんだかわからない未莱は軽くパニックに襲われた。

「オホホホホ・・・目が覚めたようね、園里未莱」
「あなたは・・・」
寝かされている台の脇に近づいてくる毒蛾の女怪人に目を移す未莱。
そこにやってきたのは間違いなく自分を眠らせた張本人だ。
「キュラーの女怪人モスキュラー」
極彩色の翅を背中で広げるモスキュラーを未莱はにらみつける。
こんな状況でも彼女の中の正義の心はくじけてはいないのだ。
「うふふふふ・・・名前を覚えてもらえて光栄だわ」
モスキュラーの口元にほんのりと笑みが浮かぶ。

「こんな格好をさせて、私をどうするつもり?」
何とか手足の拘束をはずそうと身を捩る未莱。
「うふふふ・・・無駄よ。その拘束は人間にははずせないわ」
「クッ・・・ヒャッ」
いきなりモスキュラーの指がお腹の上をなでていき、未莱は思わず声を上げてしまう。
「な、何を!」
「うふふふ・・・綺麗な躰。素敵だわ。でもこれからもっともっと素敵になれるわよ」
「えっ?」
「心配しなくてもいいわ。あんたを殺したりはしない。それどころかあんたには新しい生活を与えてあげる」
「新しい生活?」
いったいどういう意味なの?
私を殺さないって、どうするつもりなの?
未莱は戸惑いを隠せない。

「うふふふふ・・・アタシ、前からあんたのことが気になっていたのよね。あんたがアタシたちの仲間になれば二人でじっくり楽しめそう」
そういいながら未莱の躰に指を這わせていくモスキュラー。
その鋭い爪がちょっとだけ未莱の肌を傷つける。
「つっ」
「あら、ごめんなさい。やっぱり人間の肌はもろいわね。でも、キュラーの女怪人になればそんなもろい躰とはおさらばできるわよ」
未莱の肌ににじんだ血を指で掬い取り、その指をぺろりと舌で舐めるモスキュラー。
その口元には淫靡な笑みが浮かんでいた。

「女怪人になる? まさか・・・」
「うふふふふ・・・キュラーの怪人に生まれ変わることはすばらしいわよぉ。アタシも以前は人間だったわ。でも下等な人間だったころのことなんてもう思い出したくもないけどね」
「そんな・・・私をキュラーの女怪人にするつもりなの?」
愕然とする未莱。
「そのとおりよ。正義などというくだらないものを信じているあんただけどその能力は折り紙つきだものね。キュラーの一員になれば優秀な女怪人になれるわよ」
「冗談じゃないわ。誰があんたたちの仲間になんて! クッ」
未莱は何とか拘束を逃れようと身を捩る。
だが、モスキュラーの言うとおり人間の力ではびくともしなかった。

「うふふふ・・・今はそう思うのも無理はないわね。アタシも怪人になる前は化け物になんかなりたくないって思ったわ。でもそんな気持ちは怪人になれば消えるのよ。むしろキュラーの怪人にしてくださってありがとうって感謝の気持ちでいっぱいになるの。あんたもすぐにそうなるわ」
そういいながら未莱の胸をなでていくモスキュラー。
「そんなことあるもんですか! 私はどんなことをされてもキュラーに感謝したりなんかしないわ!」
「素敵な胸。いい形だわ。この胸を永遠にそのままとどめておきたいと思わない? キュラーの怪人になれば病気や老化で醜くなって死ぬことはなくなるのよ」
「キュラーの怪人になるほうがよほど醜いわよ! ふざけないで!」
必死に手足の拘束をはずそうともがきながらも、未莱はモスキュラーに言い放つ。
グロテスクな昆虫や植物と融合する姿のどこが美しいというのか。
「うふふふ・・・アタシから見れば人間のほうが脆弱で醜いと思うわ。あんたもすぐにわかるわよ」
「冗談じゃないわ!」
「うふふふ・・・おしゃべりはここまで。次に話すときが楽しみだわ。うふふふふ・・・」
やさしく未莱の頬をなでてから台のそばを離れていくモスキュラー。
その指がパチンと鳴らされると、台の周囲の機器類が明滅し始めウィンウィンとうなりをあげていく。
「いやぁっ! やめてっ! やめてぇっ!!」
未莱はこれから自分が何をされるのかを考え、恐怖に叫び声をあげるのだった。
  1. 2012/01/02(月) 21:00:00|
  2. 怪人化・機械化系SS
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ウサギからタツへ

「ようやく追い詰めたわよ、総統マイカータ!」
頭部にピンク色のウサ耳をつけ、紺色の襟に三本の白線を入れたセーラー服を上に羽織り、その下には白いウサギの尻尾のついたピンクのレオタード姿という正義のヒロインセーラーバニーは、漆黒のマントをまとい仮面をつけた怪しい男をにらみつける。
この男こそ世界を悪堕ちで満たそうと画策する悪の秘密結社「アクオチスキー」の総統マイカータにほかならない。

「クックックック・・・わがアジトにようこそセーラーバニー。罠とも知らずにご苦労なことだ」
仮面の下からくぐもった笑い声を発する総統マイカータ。
おそらく満面の笑みを浮かべているに違いない。
「なっ、罠ですって?」
驚くセーラーバニー。
確かに雑魚しかいなかったとはいえ、このアジトに侵入するにはそれなりに苦労もした。
それが罠だったというの?

「そうだ。いかにお前に配下の怪人をつぶされたとはいえ、戦闘員たちしかいないのはおかしいとは思わなかったのかね?」
確かに言われてみると、ここがアジトならば怪人の一人ぐらいはいてもおかしくはなかった。
そう思ったセーラーバニーの表情が曇る。
「私をおびき出したというの?」
「ククククク・・・そういうことだ」
「何のために?」
「ククククク・・・決まっておろう。もうすぐ年も変わる。ウサギ年は終わり、タツ年がやってくるのだ。わかるな、ウサギは終わりタツとなるのだ」
「ウサギが終わり・・・タツとなる?」
怪訝な表情を浮かべるセーラーバニー。
いったいこの男は何を言いたいのか?
確かにもう年が変わる。
だからこそ新年を気持ちよく迎えるためにここで「アクオチスキー」をつぶさなくてはならないのだ。

「ククククク・・・そう、ウサギからタツとなるがいい、セーラーバニー」
パチンと指を鳴らす総統マイカータ。
するとセーラーバニーの背後にX字型の磔台が床からせり上がり、その各部の先端からワイヤーが伸びてセーラーバニーの両手両足を絡め取る。
「なっ?」
あわててワイヤーに絡まれた手足を解こうとするが、ワイヤーは絡みつくと同時に磔台に引き寄せるようになっており、セーラーバニーはなすすべなく磔台に固定されてしまう。

「クッ・・・は、離しなさい、卑怯者!」
両手両足を磔台に固定されたセーラーバニーの躰に、さらに中央の胴体部分もワイヤーがまきついて動きを封じてしまう。
もはやセーラーバニーがいかにもがこうと、磔台から逃れることはできなかった。

「ククククク・・・何の用意もしていないとでも思っていたのかね? その磔台は君専用の特別製だ。今までの戦いで君の最大パワーはわかっている。いかに君の力でもそのワイヤーから逃れることはできない」
「そんなの試してみなくてはわからないでしょ」
そう言いながらもセーラーバニーはマイカータの言葉が正しいことを認めざるを得ない。
どんなにあがいても固定された躰は磔台から抜け出せないでいたのだ。

「ヒャッ?」
突然セーラーバニーの視界がさえぎられる。
頭の上からすっぽりとおわんのような物がかぶさってきて、セーラーバニーの頭部の上半分を覆ってしまったのだ。
「な、何これ? いったい何をするつもりなの?」
恐怖におののくセーラーバニー。
今までこんな目に遭ったことはなく、初めてのことに戸惑いと恐怖を感じているのだ。

「何、心配はいらない。それは洗脳装置だ。今宵は大晦日。世間では除夜の鐘で煩悩を払うという。だが、その洗脳装置は逆にお前に邪悪な煩悩を植え付けるためのものだ。除夜の鐘が終わって年が明けるころには、お前はアクオチスキーに仕える悪の女戦士に生まれ変わるだろう」
「バ、バカなことを・・・そんなことできるはずが・・・きゃあっ!」
言い終わらぬうちにセーラーバニーの頭に電気が走る。
それと同時にどこからともなく重々しい鐘の音がアジト内に響いてくる。
「そうら、除夜の鐘が始まったぞ。108つの煩悩を払ってくれるありがたいものだそうだ。だが、人間の煩悩とはすなわち悪の心。そのようなもの払ったとて払いきれるものか」
「ああ・・・あああ・・・」
全身を震わせるセーラーバニー。
そのおわん型の洗脳装置からは邪悪なパルスが流され、セーラーバニーに送り込まれているのだ。

またひとつ鐘が鳴る。
「ああ・・・いやぁ・・・あああ・・・」
「ククククク・・・煩悩、悪の心が送り込まれるのはどうかな? 自分の心が悪に染まっていくのを感じるのではないか?」
「あああ・・・い・・・や・・・」
だんだん言葉すら発せなくなっていくセーラーバニー。
「まあ、ゆっくりと除夜の鐘を楽しみたまえ。私はNHKの行く年来る年でも見てくることにしよう」
そう言って磔になっているセーラーバニーに背を向ける総統マイカータ。
「ああ、言い忘れるところだったが、その脇に生まれ変わった君用の衣装を用意してある。よかったら着てくれたまえ。私は隣の部屋にいるから、洗脳が終わったら来るがいい」
チラッと視線をセーラーバニーに向けると、すぐにドアを開けて出て行ってしまうマイカータ。
あとには苦悶の表情で磔にされたままのセーラーバニーだけが残された。

                  ******

スッと扉が開きカツコツという足音が響く。
パソコンにテレビを映し出し、みかんを仮面越しに器用に食べながらテレビを見ていたマイカータは、椅子を回転させて部屋に入ってきた人物に向き直る。
「うふふふふ・・・」
入ってきたのは黒いレオタードに銀色のうろこ模様の胸当てをつけ、黒エナメルのハイヒールブーツを履き、ひじまでの手袋をつけた女だった。
頭には銀色に輝く龍の頭部をかたどったヘルメットをかぶり、肩からはうろこ模様のマントを翻している。
ヘルメットのバイザーの下から覗く口元は真っ赤にぬれたような口紅が塗られ、冷たい笑みが浮かんでいた。

「ククククク・・・よく似合っているぞセーラーバニー。いや、今はもうレディドラグーンと呼ぶべきかな?」
「うふふふふ・・・あけましておめでとうございます、総統マイカータ様。私はもうセーラーバニーなどというおろかな女ではございませんわ。今の私はアクオチスキーに忠誠を誓うレディドラグーン。どうぞ、何なりとご命令を」
スッとひざまずいて頭を下げるレディドラグーン。
そこには正義のヒロインだった面影はまったくない。

「ククククク・・・それでいい。もはやお前は悪に堕ちた悪の女。我に従いアクオチスキーのために働くのだ」
「かしこまりましたマイカータ様。このレディドラグーン、アクオチスキーのためなら何でもいたします」
うっとりとした表情でマイカータを見上げるレディドラグーン。
「うむ、頼んだぞレディドラグーン。年も明けた今、ウサギは消え去りタツが支配する年となった。存分に力を発揮するがいい」
「はい、マイカータ様。お任せを」
ぺろりと舌なめずりをするレディドラグーン。
悪の支配する年の幕開けであった。

END
  1. 2012/01/01(日) 20:00:00|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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