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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

愛しい先輩(1)

今日は休日なので早め更新です。

お待たせいたしました。
先日当ブログはおかげさまで270万ヒットを達成いたしましたが、今日明日の二日間で記念SSを一本投下させていただきます。

記念SSというには短編ですし、内容もどっちかというとギャグ系のSSだとは思いますが、楽しんでいただければと思います。

タイトルは「愛しい先輩」です。
以前2009年8月13日に当ブログに掲載いたしました短編SS「愛しい彼女」の続編というか、別キャラバージョンとなります。
(タイトルをクリックで作品に飛べます)

楽しんでいただけましたら幸いです。


1、
「はふう・・・」
私は思わずため息をつく。
「あうう・・・また大きくなった気がする・・・」
両手で胸を持ち上げてみる。
ずっしりとした感触が両手に乗ってくる。
「はあ・・・」
私はもう一度ため息をつく。
「何でこんなに大きいのぉ」

私はもう以前からこの大きな胸に悩まされていた。
Gカップなんていらないよぉ。
女からは胸をアピールしているようないやみ言われるし、男からは巨乳の牛女って馬鹿にされるし。
さもなくば巨乳目当ての男たちのいやらしい視線しか向けられないし・・・

「はあ・・・いっそこんな胸ないほうがいいのにな。もっと小ぶりなら肩が凝ることもないんだろうに・・・」
私はもう一度鏡に映った自分の胸を見る。
メロンのような大きくたわわな自分の胸。
なんだかいやらしい感じがしてやっぱり好きになれない。
着る物だって苦労するし、巨乳でいいことなんてぜんぜんないんだから。

あ、いけない。
時間だわ。
早く行かないと遅れちゃう。
でも、行ったらまたからかわれるのかな・・・
いやだなぁ。

そんなことを考えながらも、私は身支度を整える。
からかわれるのはいやだけど、藍沢(あいざわ)先輩と一緒にいられるなら我慢する。
今日はカラオケでデュエットできるといいなぁ。

                   ******

「智香(ともか)ちゃん、遅いよ」
待ち合わせ場所にはもうみんながそろっていた。
どうやら私が最後らしい。
藍沢先輩が「メッ」って感じで私をにらんでくる。
「す、すみません」
私は思わず頭を下げた。
「あはは・・・いいのいいの。時間ぎりぎりだから大丈夫」
藍沢先輩が突然にこやかに微笑んで私を抱きしめてくれた。
はわぁ・・・
なんだかうれしいよぉ・・・
先輩の胸がぎゅっとあたって柔らかいよぉ・・・

「おっ、藍沢と惣間(そうま)はそういう関係だったのか? もしかしてユリユリ?」
「えへへ・・・実はそうなのだー。智香ちゃんは私の彼女なのであったー」
藍沢先輩が男子になんか言ってる?
えええっ?
私が藍沢先輩の彼女?
う、嘘でしょー?

「もう、理沙(りさ)ったら智香ちゃんをからかって。あんたには真(まこと)君という彼氏がいるでしょ」
「うにゃ? そうだったねー。あははは。智香ちゃんごめん」
広坂(ひろさか)先輩の言葉に私を放して笑っている藍沢先輩。
あ~・・・
そうだよねー。
以前そんな話してたよね。
見たことないけど、藍沢先輩にはちゃんと彼氏がいるんだよね・・・
ちょっと残念・・・

「おい、いつまでじゃれ付いているんだ? みんな集まったし、そろそろ店に行くぞ」
「OKOK、それじゃ行こう」
みんながお店に向かって歩き出す。
藍沢先輩も仲のいい広坂先輩とおしゃべりしながら歩いていく。
私はその後ろ姿を眺めながら、少し後を歩いていった。

「カンパーイ!」
グラスを合わせるカチンカチンという音がする。
私もカルピスの焼酎割りを飲む。
今日は大学祭の打ち上げ。
こうしてみんなと飲むお酒は美味しいよね。
焼き鳥をつまみ、楽しいおしゃべりをして。
うん、悪くない。

「ねえねえ、智香ちゃんは彼氏いないの?」
広坂先輩が興味深そうに聞いてくる。
心なしかその目がきらんと光っているよぉ。
「わ、私ですか? いませんよ、彼氏なんて」
「そうなの? 智香ちゃんは可愛いから男が寄ってきそうだけどな」
「そ、そんなこと・・・それに可愛いからなんかじゃ・・・」
私なんか可愛いわけないよ。
可愛いってのは藍沢先輩みたいな人のことをいうんであって、私みたいなのは・・・
それに、男の人って苦手。
みんな私の胸をいやらしい目で見るんだもん。

「理沙はどうなの? 真君とはうまくやってるの?」
私には興味を失ったのか、広坂先輩は藍沢先輩に絡んでいく。
「うにゃ? 相変わらずだよ」
「ほほう。相変わらずかいがいしくご飯作ってあげたりしてるんだ」
えええっ?
藍沢先輩がご飯作ってあげるの?
いいなぁ。
私も藍沢先輩のご飯食べてみたいよぉ。

「そ、それはほら、なんていうか・・・一緒に食べると美味しいし・・・」
藍沢先輩がどぎまぎしている。
うふふ・・・
いつもの藍沢先輩じゃないみたい。
「真君イケメンだしねー」
「そ、そうかな? 普通じゃない?」
「そう思っているのは理沙だけかもよ。たまにはサービスして真君取られないようにしておきなさい」
「サービスって?」
「裸エプロンにリボンつけて、真君、私をあげる・・・とか」
いいながらもケラケラ笑っている広坂先輩。
「雅美(まさみ)・・・あんた酔ってるでしょ」
藍沢先輩も苦笑してる。
うんうん。
裸エプロンなんてとても恥ずかしくてできないですよね。

「あ、すいません。追加お願いします」
広坂先輩が店員さんを呼び止める。
「カシスソーダお願いします。ほかには? 智香ちゃんは?」
「あ、それじゃカルーアミルクを・・・」
私は好きなカクテルを頼む。
「お、惣間はやっぱりミルクか? 牛なだけあるな」
「おい、よせよ・・・」
あう・・・
やめればよかった・・・
「わりぃわりぃ、でも俺惣間の胸はいいと思うぞ。巨乳は男の夢だしな」
「やめろって、島倉」
「こらぁ、あんたら、智香ちゃんをからかうんじゃないよ」
広坂先輩が男性陣をにらみつける。
あうう・・・
やっぱりこんな胸はいやだよぉ・・・
結局注文したカルーアミルクはなんだか飲めなかった。

                   ******

「えっ? 藍沢先輩一週間も大学に来てないんですか?」
私は驚いた。
あの打ち上げのあと、サークルが違う私と藍沢先輩の接点は途切れちゃっていたんだけど、今日広坂先輩を見かけたので話しかけてみたのだ。
それなのに、こんな話を聞くなんて・・・
「どうしてなんですか? 病気とかなんですか?」
「わからないわ。携帯にもでてくれないし・・・アパートにも帰ってないみたいだし・・・」
えええっ?
藍沢先輩どうしちゃったんだろう。
「彼氏さんの家にいるとかはないんですか?」
「わからないわ。私、真さんの携帯番号とか知らないし・・・」
広坂先輩も心配そう。
それにしても一週間も姿を見ないなんて心配だよぉ・・・

広坂先輩と別れてバイトに行ってからも、私はずっと藍沢先輩のことが気になっていた。
藍沢先輩どうしちゃったのかなぁ・・・
彼氏さんの家にいるとかならまだいいんだけど・・・ホントは・・・いくないけど・・・
病気で入院しているとか、事故で生死の境をさまよっているとかじゃ・・・
あああ・・・
心配だよぉ・・・
藍沢先輩ぃ・・・

「・・・くん! 惣間君!」
「えっ? はい?」
呼びかけられていたことに気がついて私は振り向いた。
「はいじゃないよ。お客さんが待っているだろ!」
「は? え? わっ、す、すみません。いらっしゃいませ」
店長ににらみつけられ、私は今自分がアルバイト中だったのを思い出す。
「105円、98円、128円・・・」
「ぼうっとして困るなこんなことじゃ・・・栄養が胸にばかり行って頭に行ってないんじゃないの?」
あうう・・・
胸は関係ないですぅ。
もういやだよぉ・・・
私は泣きたいのをこらえて必死にレジにバーコードを読み込ませた。

ううう・・・
私は帰り道をとぼとぼと歩く。
とりあえずあのあとは失敗せずにすんだけど、今日は散々だったよぉ。
藍沢先輩のことが心配で仕事が手につかないよぉ。
はあ・・・
今までこんなに気にしたことなかったけど、それって藍沢先輩には学校でいつでも会えるって安心感のようなものがあったからなのかなぁ・・・
はあ・・・
大学祭の実行委員会で初めて会ったのがもうかなり昔に感じるよ。
なんだか無性に藍沢先輩に会いたいよぉ・・・

「ただいまぁ」
誰もいない一人暮らしのアパートだけど、何でか私はただいまをつい言ってしまう。
まあ、一人暮らしじゃないと見せることで防犯にもつながるらしいからいいんだけどね。
「はあ・・・なんだか今日は疲れたぁ・・・」
そのまま部屋の奥のベッドに倒れこむ。
このまま寝ちゃいたいぐらい・・・
でも、シャワー浴びなきゃ・・・
タイツも脱がなくちゃ・・・
あ~、めんどくさいなぁ・・・
このまま寝ちゃおうかなぁ・・・

うつらうつらしているとコンコンとノックの音がする。
えっ?
誰か来た?
枕もとの時計を見るともう夜の9時過ぎ。
こんな時間に誰だろう・・・

私は仕方なく起き上がると玄関に行く。
「はい、どちら様でしょう?」
私は玄関の扉越しに外に声をかける。
もしかして宅配便かな?
お母さんが何か送ってくれたのかな?

『智香ちゃんこんばんは。お久しぶり』
ドキン・・・
扉の向こうから聞こえてきた声に私は胸が高鳴った。
「藍沢先輩? 藍沢先輩ですか?」
私はもう後先も考えずに扉を開ける。
すると目の前には素敵な先輩の笑顔が・・・

「あれ?」
いや、その・・・
確かに笑顔は素敵なんだけど・・・
扉の向こうには立っていたのは間違いなく藍沢先輩。
でも、その格好に私は思わず言葉を失ってしまったのだ。

「はい、智香ちゃんこんばんはー。がおー」
いたずらっぽい笑顔を浮かべ、爪のとがった両手を胸の前で構えている藍沢先輩。
その全身は躰にぴったりとした豹柄のタイツのようなものに覆われていて、頭にはちょこんと猫耳というか豹耳が乗っている。
お尻からは尻尾も伸びていて、どういう仕掛けかわからないけどクニクニと動いていた。
え~と・・・
これってコスプレ?
もしかして全身タイツ?
ゼンタイって言うんだっけ?
藍沢先輩は全身を豹柄の全身タイツで覆っていたのだった。

「あ・・・あの・・・藍沢先輩?」
「こんな時間だけど、お邪魔していい?」
「あ、はい、どうぞ」
私は藍沢先輩の格好にあっけに取られたまま、先輩を家の中に迎え入れる。
「ありがと、お邪魔します」
脇に置いてあった紙袋を持ち、そのまま玄関に入ってくる藍沢先輩。
ハイヒールのブーツのようになっていた足元が普通のタイツのような柔らかい足元に変化して、たたきからそのまま上がってくる。
「ええっ?」
「ん? ああ、これ? 靴のまま上がるわけにはいかないでしょ? ちゃんと変化させるわよ」
私が驚いたことに気がついたのか、藍沢先輩がにこやかに私に言う。
いや・・・そういう問題じゃなくて・・・

「わぁ、いい部屋だねぇ。一人暮らしにはちょうどいい感じだね」
私の部屋に入ってぐるっと見回す藍沢先輩。
あわわ・・・
ち、散らかっているからあんまり見ないで・・・
「せ、先輩、それよりも、ど、どうしてここが?」
私はあたふたとその辺に落ちていたものを片付け、座布団を出して先輩に勧めるとお茶の用意を始める。
「ありがと。うふふ・・・私たちゴッドレスの力を使えば住所を割り出すのなんて造作もないわ。通販部門だってあるんだしね」
座布団に座る藍沢先輩。
うう・・・
なんていうか・・・
目のやり場に困るよぉ。
豹柄の全身タイツが藍沢先輩のボディラインをこれでもかって見せ付けてくるよぉ。
素敵だなぁ。
うらやましいよぉ。
女の私から見ても、すごく魅力的だと思う。
私はなんだかドキドキしながら、マグカップにコーヒーを作っていた。

「インスタントですけど、どうぞ」
「ありがとう」
私はコーヒーの入ったマグカップをテーブルに置く。
そういえば通販がどうとか言っていたけど、ちゃんと聞いてなかったよ。
まあ、うちの住所を知ることなんてどうとでもなるよね。

「美味しい」
コーヒーを一口飲む藍沢先輩。
頭の上の豹耳がぴくぴく動いている。
「あ・・・あの・・・」
「ん? 何?」
向かい側に座った私をまっすぐ見てくる藍沢先輩。
やっぱりなんだかドキドキしてしまうよぉ。

「そ、その格好はどうしたんですか? やっぱりその・・・コ、コスプレとかいう奴なんですか?」
私はそれだけを一気に言うと、心臓を落ち着けるためにコーヒーを飲む。
「んー・・・コスプレなんかじゃないわよ。だって、これ、私の躰そのものだし」
にこやかに微笑んでいる藍沢先輩。
「えっ? それはどういう・・・」
躰って?
コスプレ衣装じゃないの?
「この全身タイツのようなものはね。もう私の皮膚そのものなの。もちろん脱ぐなんてことはできないし、脱ぎたいとも思わないわ」
えっ?
脱げないって?
「えっ? そ、それじゃおトイレとかはどうするん・・・」
口にしてから私は赤くなってしまう。
トイレのことなんて聞いてどうするの、私。
「くすっ、トイレなんか必要ないのよ。あのね智香ちゃん。私はもう人間なんていう下等生物とは違うの」
「下等生物?」
「そうよ。私はもう人間なんかじゃないわ。ゴッドレスの改造人間豹女なの。これからは藍沢先輩じゃなく、豹女って呼んでちょうだい」
そう言って笑う藍沢先輩。
ひょ、豹女って、い、いったい先輩はどうしちゃったの?

「ひょ、豹女・・・ですか?」
「そう、豹女よ。どう? なかなか素敵な躰でしょ?」
躰を見せ付けるように両手を頭の後ろで髪を掻き揚げるようにして、腰をくねらせる藍沢先輩。
豹柄の全身タイツが躰に密着してとても柔らかなラインを描いている。
「は、はい・・・素敵です・・・けど」
「だからもうトイレなんかには行かなくてもいいの。食べたものはほとんど分解してエネルギーにできるし、余分な水分とかは体表から蒸発させればすんじゃうし。人間なんかとは違うわ」
「はあ・・・そうなんですか・・・」
私はもうそう言うしかない。
もしかして先輩は何か演劇の練習でもしているのかなぁ・・・

「まあ、智香ちゃんが私の言うことを信じられないのも無理はないわ。私自身改造されるまで信じられるものじゃなかったしね」
優しく微笑んでいる藍沢先輩。
「改造・・・ですか?」
なのに私はこんな返事しかできない。
改造ってなんだろう?
人間じゃないって・・・先輩はどう見ても人間・・・だよね。

「でもね。智香ちゃんも改造されればすぐに私の気持ちがわかるようになると思うわ」
「えっ? 私も改造ですか?」
私は驚いた。
先輩は私を改造する気なの?
改造って・・・何されちゃうの?
「ええ、そうよ。私が今日ここへ来たのはね、あなたを我がゴッドレスにスカウトするためなの」
「スカウト?」
ええ?
スカウトって?
モデルか何かですか?

「私ね、智香ちゃんなら適性があると思うの。もちろん着てみなくちゃ適性があるかどうかはわからない。でもね、ゴッドレスの電子頭脳も70%ぐらいの確率であなたが改造人間にふさわしいと見ているわ」
「改造人間って、私人間じゃなくなっちゃうんですか?」
「ええ、そうよ。人間などという下等な存在からはおサラバするの。改造人間というより高度な存在に生まれ変わるのよ」
藍沢先輩が目を輝かせている。
先輩はその改造人間ってモノになっちゃったってこと?

「なんだか、怖いです」
私は正直にそう言った。
人間じゃなくなっちゃうなんて想像も付かないし、正直なんか騙されているというか先輩の言うことが信じられない。
先輩は人間じゃないなんて言うけど、どこから見たって豹柄の全身タイツを着ているだけの人間だし、改造だなんて言われたって先輩の頭がどうかしちゃったんじゃないかって思っちゃう。
きっとこれは広坂先輩とグルになって私を担いでいるんじゃないだろうか・・・
  1. 2011/04/29(金) 19:37:18|
  2. 怪人化・機械化系SS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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