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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

今年も終わり

2010年もあと数時間で終わります。

今年も皆様には本当にお世話になりました。
いつも変わらぬご支援、本当にありがとうございました。

来年もできる限り「舞方雅人の趣味の世界」を続けていくつもりです。
来年もどうかよろしくお願いいたします。

皆様、どうかよい堕とし(お年)を。

ではではまた来年。
  1. 2010/12/31(金) 19:27:11|
  2. 日常
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ようやくアルバに

2010年最後の更新は「グァスの嵐」です。

なんと366日ぶりの更新。(苦笑)
ほったらかしで申し訳ありません。
そろそろケリつけないとあかんなぁ。


27、
晴れ渡った空はとても気持ちがいい。
島のそばには鳥の姿も見え隠れする。
眼下の灰色の密雲とは異なり、頭上を白い雲が流れていく。
その雲と雲の間の空間を、ファヌーはゆったりと進んでいた。
「んー、気持ちいい。嵐が去ったあとって気持ちいいのね」
健康的な小麦色の肌を日の光にさらし、ショートカットの赤毛を風になびかせるフィオレンティーナ。
まばゆいばかりのその若々しい美しさに、思わずエミリオはドキッとする。
「あ、ああ、、そうだね。なんか空気が入れ替わったって感じだね」
シャツをつんと持ち上げているフィオレンティーナの胸に目が行ってしまい、思わず目をそらすエミリオ。
彼とて健康な青年である。
女性のことが気になってしまうのは仕方がない。
作業を続けながらも、どうしてもその視線がフィオレンティーナに向いてしまうのを、エミリオは止めることができなかった。

適度な風がファヌーを推し進める。
前面で広がる帆が風を受けて大きく孕み、ギシギシとつないでいるロープをきしませる。
何物にも邪魔されない航海は順調で、アルバ島へも程なく着くことができそうだ。
「見えたぞ」
船首からゴルドアンの声が聞こえてくる。
ファヌーの前方に、島が小さく見えてきたのだ。
アルバ島に間違いない。
やっと目的地に着いたのだ。

アルバ島の桟橋に横付けする『エレーア』
エミリオが船を固縛し、フィオレンティーナとミューが桟橋に降り立つ。
ミューにとっては何度も行き来してきたミストス島とアルバ島だったが、桟橋に足をかけた瞬間、シナプス回路に言いようのない電流の流れを感じる。
それがチアーノ老人がそばにいないことによるものだと気が付いたとき、ミューは胸が痛く感じていた。

「ミューちゃん、大丈夫?」
フィオレンティーナが、桟橋に立ったまま動かなくなったミューを心配して声をかける。
「あ、はい、大丈夫です。ちょっとチアーノ様のことを思い出していました」
「そうか。ここにはチアーノさんのお友達がいるんだったね。何度も来ていたってわけか」
『エレーア』を固縛し終えたエミリオがやってくる。
「はい。早くその人のところへ行かなくては」
「そうだな。さっさと用事を済ませ、フィオを送ってやらなくちゃ」
背後からゴルドアンも桟橋に降り立つ。
アルバ島はその位置からカラスタ群島ではそこそこ名が知られてはいるが、住んでいる人は少なく、数人の人しかいないはず。
だからこそチアーノ老人も自航船で行き来してきたのだ。
もっとも、チアーノ老人はいずれ自航船を広めるつもりでいたから、隠し立てするつもりはなかったかもしれない。

「さて、その人のところへ行ってこよう。その人はなんていう人なんだい?」
「パオロ・エルトラーニさんです。チアーノ様の古くからのお知り合いだそうです」
「エルトラーニさんね? 行ってみましょ」
まったく躊躇することなくエミリオもフィオレンティーナもミューについていこうとするのを見て、ゴルドアンは苦笑した。
こいつらまるで娘を連れた若夫婦じゃないか。
まあ、ミューちゃんがちょっと大きいから、さしずめ妹を連れた兄夫婦かもしれないが。
もっとも、当の三人はそんなことお構い無しに、のんきにゴルドアンに手を振っている。
「ゴル、船は任せたよ」
「何かお土産があったら持ってきますね~」
「こっちのことは気にするな。気をつけるんだぞ」
三人が遠ざかっていくのを、ゴルドアンは微笑みながら見送った。

「さっきの船が向かった先は何がある?」
「おそらくアルバ島へ向かったものかと」
小型ギャレー『デ・ボガスタ』の後部艦橋で、ふと考え込むエスキベル提督。
ファン・ナルバエス艦長が航空図を広げて確かめる。
間違っていたりしたら目も当てられないからだ。
まったく・・・
この提督が乗ってきてから気の休まる時がない。
「我々はアルバ島には寄ったかな?」
「アルバ島は小さな島ですし、住んでいる人間もわずかです。後回しでいいとのことでしたので、いまだ寄ってはおりませんが・・・」
「うむ、アルバ島に向かってくれ。どうも気になる。そういう小さな島のほうが何かあれば隠しやすい」
「ハア・・・隠しやすい・・・ですか」
おそらく提督は自航船がもう一隻あってほしいと思っているのだろう。
だが、肝心の自航船は燃え尽きてしまったというではないか。
そんな風もなしに動く船などそうあるものではなかろうに。
問題はいつまでそんなものにつき合わされるのかだ。
こんなことでうろつきまわされるのはたくさんだ。
何か自航船にまつわるものの一つでも発見して、さっさと降りていってくれないものか。
ファン・ナルバエス艦長はそう思いつつ、部下に指示を出す。
「針路変更! 船首をアルバ島に向けろ!」
小型ギャレー『デ・ボガスタ』は、ゆっくりと船首をアルバ島に向けるのだった。
  1. 2010/12/31(金) 19:21:27|
  2. グァスの嵐
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すっかりお義父様の虜ですワ

中華なると先生の新作、「義父~百合子~」を手に入れましたー。

2010122121293618a.jpg
こちらが表紙。
いつもながらエロい表紙ですねー。

以下ネタバレなので折りたたみます。

[すっかりお義父様の虜ですワ]の続きを読む
  1. 2010/12/30(木) 21:35:19|
  2. 本&マンガなど
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アステロイドキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

ヤフオクで見かけてしまったので、ついポチしてしまった「RPGamer」誌の創刊号が到着いたしました。

rpgamer_01.jpg
こちらが表紙。

この号はあの楽しいゲーム「アステロイド」(GDW/HJ)が付録についていたので、わりと早期に売り切れになってしまったんですよね。
furoku_rpg01.jpg

「アステロイド」は、以前「2007年3月15日の記事」でリプレイを書いたことのあるSFゲームです。
TRPGっぽい楽しいゲームで、地球に落下するアステロイド(小惑星)を制御するコンピュータを破壊しようとする人類側と、そうはさせまいとするコンピュータ頭脳側との小惑星内での戦いを表したものです。

私はHJ版を持っているんですが、できればもう一つ手元においておきたいと思い、今回ヤフオクで出ていたので入札に参加しました。
予想よりは高くなってしまいましたが、それでもまあまあの値段で落札できたのでよかったです。

冊子のほうも状態がよく、速水螺旋人先生のリプレイマンガが楽しいです。
ロマンスの発生するニコルちゃんよりも、エスパー女性であるジョーンズ夫人がとても魅力的に描かれてました。
泣きボクロがエロいです。(笑)

あ~、また「アステロイド」をやりたくなりました。
ソロプレイでいいからやろうかな。

それではまた。
  1. 2010/12/29(水) 21:37:09|
  2. ウォーゲーム
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F6Fではありません

第二次世界大戦の始まった当初、いまだ第一次世界大戦の意識を引きずっていたアメリカは、戦車は後方においておき、(塹壕戦などで)戦線が膠着した状態になったとき、決戦兵器として前線に出すという考え方を持っておりました。

ところが、ポーランド戦や西方電撃戦における独軍の戦車活用を見たアメリカは、戦車を後方においておくという考え方では古いということを理解します。
戦車は突撃の先頭に立ち、大量に集中投入してこそという考え方がでてくるわけですが、そうなると今度は、それをいかに受け止めるかが問題となってまいりました。

米軍は戦車に対しては戦車で対抗といった考え方はなく、戦車に対しては専門に特化した対戦車砲が対処するという考え方でした。
独軍の電撃戦に対しては、戦車には戦車でという案も出ましたが、やはり戦車に対抗するのは対戦車砲でという考え方がその後も引き続きます。
ただし、機動性のある戦車に対抗するためには、対戦車砲をいちいち牽引していたのではとても間に合わず、やはり対戦車砲も自走化する必要があると考えられるようになりました。

米軍の考え方では、対戦車砲は独立した戦車駆逐部隊として運用され、敵の攻撃の矛先に急行して対応するというものでした。
そのため速度が求められ、さらには広い射界を得るために砲塔形式がとられ、ドイツ軍などの固定式対戦車自走砲とはまったく違うものとなっていくことになりました。

そして、その考えに基づいて作られたのがM10対戦車自走砲でしたが、M10はM3/M4中戦車系の足回りを流用するため、速度性能的に速いものではありませんでした。
そこで米軍は、M4中戦車系の車体を極力流用しつつ、新たな高速対戦車自走砲を開発することにいたします。
それがM18でした。

M18はエンジンをM4と同じコンチネンタルの星型エンジンを採用しておりますが、足回りはまったく新型で、トーションバー式のサスペンションというドイツの三号戦車等と同じものを採用しておりました。
これは高速発揮には都合のいいサスペンションであり、高速が求められたM18にはふさわしいものでした。
また、動力伝達にはユニバーサルジョイントが使われ、エンジンからまっすぐにシャフトが伸びていたM4が車体が高くなってしまったのに対し、M18は極力車高を低くするように努力が払われておりました。
エンジンや変速機などはレールの上に載せられており、カバーを外して引き出すことによってエンジンや変速機を整備することが簡単になっていたのも特徴で、場合によっては丸ごと交換することも極めて短時間で行うことができるようになっておりました。
これは現在の軍用車両の考え方を先取りしたものだったといえるでしょう。

主砲には最初は57ミリ対戦車砲が考えられておりましたが、57ミリ砲では非力だということで、M4と同じ75ミリ砲を載せることが決定します。
しかし、更なる威力を求めた米軍は75ミリ砲から76ミリ砲に決定を改め、M18の主砲は76ミリ砲で落ち着くことになりました。

強力な主砲を搭載する一方で、速度を優先するために装甲は極力薄くされました。
砲塔前面で25ミリ、車体前面で13ミリという装甲厚は、大戦中期の装甲車両としてはありえないほどの薄いもので、M18がいかに速度重視をしていたかがわかります。

おかげでM18は最高速度が時速80キロという韋駄天振りを発揮することができました。
履帯式の車両で時速80キロというのは、当時世界最速だったのです。

M18は、米軍の正式採用となり、約2500両が製造されました。
最初に配備されたイタリア戦線では、そのあまりの高速振りから「ヘルキャット(性悪女)」というあだ名までいただいたのです。
M18.jpg

M18は、確かに装甲の薄さから独軍のティーガーやパンターと撃ち合うなんてことはできませんでした。
しかし、その高速を利用して戦場に急行し、急場をしのぐという意味では役に立つ車両でした。
とはいえ、そういった場面がそうそうあるわけではなく、特に米軍が主導権を握るようになった対戦後半の車両としては、活躍の場は限られてしまいました。

M18は強力な主砲と薄い装甲、そして速い速度という非常にアンバランスな性能を持たされた車両でしたが、それでも高いレベルでその性能が融合した完成度の高い車両でした。
しかし、そういった性能を発揮できる場面が少なくなっていたことが、この車両の不幸なところだったのではないでしょうか。

それではまた。


PS:昨日まで新作「科学主任穂純」をお楽しみいただきましてありがとうございました。
今回ちょっとしたお遊びには気が付いていただけましたでしょうか?
テラズガーズの三人、狗川早智恵(イヌ)・砂流美愛(サル)・柿地佳乃(キジ)+塩村桃子司令で桃太郎を取り入れたのでした。
ニヤッとしてくれてましたらうれしいです。
  1. 2010/12/28(火) 21:26:02|
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科学主任穂純(4)

四日間連続投下してまいりました250万ヒット記念SS「科学主任穂純」も、今日が最終回です。
穂純の堕ちっぷりを堪能していただければうれしいです。
どうかお楽しみくださいませ。


4、
「とりあえずはめてみなさい。文句は後で聞くわ。もっとも、文句なんて言わないと思うけど・・・」
ホズミの言葉に仕方なく三人はブレスレットを手に取ると、今まではめていたおしゃれな感じの片手用ブレスレットを左手からはずしていく。
今ひとつ納得いかないような表情を浮かべつつも、三人はそれぞれ両手に黒革にトゲのついたブレスレットをはめた。
「それじゃいくよ」
早智恵の言葉に美愛と佳乃がうなずく。
「「「装着!!」」」
三人の声がハーモニーとなり、それぞれの躰を光が包む。
最新の転送技術が強化スーツであるガーズスーツを転送し、三人の少女たちの周囲に送りこんでくる。
ガーズスーツはすぐさまそこで実体化し、三人の躰を覆うことで、三人はテラズガーズへと変身するのだ。

「装着完了って・・・えええー?」
装着し終わったガーズスーツに思わず早智恵は声を上げてしまう。
「な、何ですの、これは?」
「こ、これはいったい・・・」
美愛も佳乃も驚きを隠せない。
それもそのはず、彼女たちが身にまとったガーズスーツは、今までのガーズスーツとはまったく違うデザインだったのだ。
今までのガーズスーツは赤、青、黄色の三色をベースに白が一部取り入れられたもので、全身を覆うスーツにミニスカートが付き、ブーツと手袋、それにヘルメットが組み合わされるものだった。
それが今彼女たちが身に着けているのは、漆黒を基調としたものにほんの申し訳程度に赤、青、黄色が配色されたもので、デザインも大幅に変わっている。
膝上までの黒革のブーツはピンヒールタイプになっており、太ももの部分は網タイツになっている。
手袋はひじまでの長さの長手袋になっていて、手首のところには変身前と同様にトゲの付いたブレスレットがはまっている。
胴部は胸元の開いた黒いレオタードになっており、腰にもアクセントとして金属のトゲの付いたベルトが巻かれていた。
背中には小さなコウモリ型の羽があり、頭部のヘルメットは魔物が口をあけたようなデザインとなっていて、そのあいた口の部分がバイザーになっている。
魔物はそれぞれが微妙に異なってはいるものの、総じて瞳の細長い不気味な目をしており、邪悪な感じを漂わせていた。

「ほ、穂純博士、これは何なんですか?」
「いったいどうしてこんな・・・」
「これじゃまるで悪魔のようです。テラズガーズにふさわしいとはとても・・・」
三人は自分とほかの二人の衣装を見比べ、それぞれが同じような漆黒のスーツであることに驚いていた。
「うふふふ・・・よく似合っているわよ。お前たちの任務にぴったりだわ」
ホズミが笑っている。
「穂純博士!」
「任務って・・・こんな胸が開いたような格好は恥ずかしいですわ」
「これじゃまるで私たちのほうが邪悪な感じがするじゃないですか」
三人は次々に不満と疑問を口にした。
「お黙りなさい。これからはそういった威圧的な衣装のほうが都合がいいのよ。弱い上におろかな地球人でも、これなら自分たちの置かれた立場に気が付くでしょう。お前たちは今日から我ら神聖帝国のインペリアルソルジャーとして地球人を支配する尖兵となるのよ」
腕組みをして冷たい笑みを浮かべているホズミ。
「インペリアルソルジャー?」
「地球人を支配って?」
「な、何を言っているんですか穂純博士? それじゃまるで私たちが神聖帝国に仕えるみたいじゃないですか」
三人は何が何だかわからない。
いったい穂純博士は何を言っているのだろう・・・
「ええ、そうよ。お前たちには今日から神聖帝国の一員になってもらうわ」
「ば、バカなことを言わないでください」
「そうです。いくらなんでも冗談にしては性質が悪すぎます」
「私たちが神聖帝国の一員になるなんてありえません!」
思わず佳乃はヘルメットを脱ぎ捨てようとした。
こんなスーツは着ていられない。
冗談にしてもひどすぎる。
それとも、穂純博士は自分たちの地球を護るという気持ちを試すつもりなのだろうか・・・

「あれっ? 脱げない・・・」
ヘルメットが脱げないことに気が付く佳乃。
「えっ?」
あわてて早智恵も美愛もヘルメットを脱ごうとするが、やはり同じように脱げなかった。
「これは?」
「ど、どうして?」
戸惑う三人。
今までのスーツは着用していた状態でも、ヘルメットを脱ぐことはいつでもできたのだ。
「無駄よ。そのスーツはこちらが解除しない限り脱げないわ。うふふふふ・・・」
「は、博士・・・」
「ど、どうしてしまったんですか、博士?」
「わ、私たちをどうするつもり?」
穂純博士の異様さに恐怖を感じる三人。
「言ったでしょ。お前たちは神聖帝国のために働くインペリアルソルジャーになるの。今からお前たちをそのように洗脳してあげる」
「せ、洗脳?」
「私たちを洗脳?」
「や、冗談はやめてよ。そんなことできるはずが・・・」
思わず一二歩後退る三人。
今はもう目の前の穂純博士がまったく理解できない化け物のような気がしていた。

「うふふふふ・・・それができるのよ。そのヘルメットには洗脳装置が仕掛けてあるの。私がスイッチを入れればその洗脳装置が働くわ」
「せ、洗脳装置?」
「ど、どうしてそんなものが?」
「うふふふふ・・・私がワゼック様のために作ったの。ワゼック様はその装置で私を洗脳してくださったわ。今では私はワゼック様と神聖帝国の忠実なるしもべなのよ。うふふふふ・・・」
不気味に笑うホズミ。
三人の背筋が凍りついた。

「なるほど・・・そういう趣向であったか」
奥の扉が開き、スーツ姿の男が入ってくる。
「だ、誰?」
とっさに身構えるテラズガーズの三人。
「あら、もう出ていらっしゃったのですかワゼック様? 私のほうから呼びに伺いましたものを」
入ってきた神能姿のワゼックに微笑むホズミ。
「わ、ワゼック?」
「ワゼックだって?」
三人が驚く。
まさか神聖帝国の大幹部であるワゼックがここにいるなんてありえないはずなのに・・・
「ええ、そうよ。この方こそ偉大なる神聖帝国の皇子ワゼック様。お前たちのご主人様になられるお方よ」
ホズミが入ってきたワゼックを紹介する。
「ククククク・・・直接的にはお初にお目にかかる、テラズガーズの三人よ。それにしてもなんとも魅力的なコスチュームではないか。わがしもべにふさわしい」
スーツ姿を解き、漆黒の鎧姿に戻るワゼック。
彼がこの状況を楽しんでいることは、その冷たい笑みを浮かべた表情からも明らかだった。

「クッ、プリムラ! 早く非常ベルを!!」
「わかった!」
基地内に異常を知らせる非常ベルを押そうと、すばやく壁のスイッチに向かおうとする早智恵。
それをガードするように美愛と佳乃が身構える。
「無駄よ」
ホズミが手元のスイッチを押す。
とたんに三人のヘルメットに電磁パルスが走り、三人はその場に頭を抱えてくず折れた。
「うあぁぁぁぁぁ・・・」
「きゃあぁぁぁぁぁ・・・」
「うわあぁぁぁぁぁ・・・」
三人の絶叫が響き渡る。
全身を貫くような苦痛が彼女たちを襲っているのだ。
その中でパルスがじっくりと彼女たちの脳に突き刺さり、心を歪めていくのである。
「うふふふふ・・・ワゼック様、どうぞ」
ホズミがマイクを渡す。
このマイクで三人に暗示をかけるのだ。
最初は自分でやろうと考えていたホズミだったが、こうしてワゼックが姿を現した以上、彼に三人を洗脳してもらうほうがいいと思ったのだ。
「ククククク・・・お前たちよ、よく聞くのだ。お前たちは神聖帝国の忠実なるしもべ」
ワゼックがマイクに向かって話しかける。
その声は洗脳装置となった三人のヘルメットを通して、三人の脳に刻み込まれていく。
「うあぁぁぁ・・・わ、私は・・・神聖帝国の・・・」
「あああ・・・し、神聖帝国の・・・しもべ・・・」
「ち、違う・・・しもべなんかじゃ・・・」
床に転がりもだえ苦しむ三人の少女たち。
みな頭を抑えて必死に刷り込みに耐えていた。

「ククククク・・・苦しむことはない。お前たちは神聖帝国の一員。弱きものを支配する尖兵、インペリアルソルジャーなのだ」
「私たちは・・・ああ・・・ち、違う・・・神聖帝国の・・・一員・・・一員・・・神聖帝国の一員・・・」
「私たちは弱きものを支配なんて・・・支配・・・支配・・・支配する・・・」
「や、やめてぇ・・・私たちを洗脳しないでぇ・・・私たち・・・インペリアル・・・ソルジャー・・・私たちはインペリアルソルジャー・・・」
「そうだ。お前たちは神聖帝国のインペリアルソルジャー。力こそがすべて。弱きものには死か服従を」
「私たちは・・・インペリアルソルジャー・・・」
「力こそが・・・力こそがすべて・・・」
「弱きものには・・・弱きものには死か・・・服従を・・・」
ワゼックの言葉を無意識的に繰り返すようになっていく三人。
じょじょにその声はうつろになり、苦しんだ様子も治まってくる。

「ククククク・・・いい感じになってきたようだな。お前たちは神聖帝国のインペリアルソルジャー。皇帝陛下に忠誠を誓い、俺とホズミに従うのだ。そして弱きものを支配するがいい」
「私たちは神聖帝国のインペリアルソルジャー」
「皇帝陛下に忠誠を誓い、ワゼック様とホズミ様に従います」
「弱きものを支配し、服従させます」
ワゼックの言葉が三人の脳に焼き付けられ、三人の思考は変わってしまう。
もはや苦痛はなく、ただ、ワゼックの言葉を繰り返すのみであった。

「さあ、立ちなさい、インペリアルソルジャーたち」
ホズミの命令にゆっくりと立ち上がる三人の少女たち。
バイザーの下から覗く口元には、冷たい笑みが浮かんでいる。
「うふふふふ・・・言葉による暗示とともに、わが神聖帝国に必要な冷酷さも送り込んであげたわ。もうお前たちは地球を守るテラズガーズではなく神聖帝国のインペリアルソルジャー。そうよね?」
「はい。私たちは神聖帝国にお仕えするインペリアルソルジャーです」
「皇帝陛下に永遠の忠誠を誓い、ワゼック様とホズミ様の命令に従います」
「力こそがすべて。弱きものには死か服従を」
直立不動の姿勢で答える三人の少女。
ワゼックとホズミに対する忠誠心を植え込まれた今、二人の命令は絶対なのだ。
「うふふふふ・・・それでいいわ。早智恵、お前は今日からソルジャーワイバーン。美愛はソルジャーサーペント。佳乃はソルジャーバジリスクとして地球制圧のために働きなさい。いいわね」
「「「はい、ホズミ様」」」
声をそろえて答える三人。
もはやそこには地球を守るという意識は存在しなかった。

「ククククク・・・なんとも頼もしい少女たちよ。これでテラズガーズは壊滅したも同然だな」
「はい、ワゼック様。ですがもう一人、ワゼック様のお役に立つ女を用意いたしますわ。この娘たちの指揮を執るのにふさわしい女を・・・うふふふふ・・・」
ホズミが妖しい笑みを浮かべるのを、ワゼックは頼もしげに見つめていた。

『桃子、いる? 入ってもいいかしら?』
インターコムから穂純博士の声がする。
「穂純さんですね? どうぞ」
いつものように何の疑いもなくホズミを通してしまう桃子。
だが、室内に入ってきたホズミたちの様子がいつもと違うことに戸惑いを覚えてしまう。
整列するかのようにホズミの後ろに立つ三人。
いつもの陽気な感じはなく、むしろ冷たい表情で桃子を見つめてくるのだ。
いったいどうしたというのだろうか・・・
「ど、どうしたの? みんな・・・なんか様子が変よ」
「うふふふ・・・彼女たちは洗脳され生まれ変わったわ。もはやこの娘たちはテラズガーズなどではないの。わが神聖帝国の忠実なしもべ、インペリアルソルジャーになったのよ」
ホズミがくすくすと笑っている。
「な、何を言っているんですか、穂純さん? いったい何の・・・」
桃子の背中を冷たいものが走る。
たった数十分の間に、何かが劇的に変化してしまったような感じだった。
「お前たち、桃子に生まれ変わった姿を見せてあげなさい」
「「「はい、ホズミ様」」」
すっと両手のブレスレットを掲げる三人。
「「「装着!!」」」
一瞬にして三人の姿が変わり、インペリアルソルジャーとしての姿になる。
「ひっ」
息を呑む桃子。
三人は今までとはまったく違う漆黒の衣装を身に着けていたのだ。
「うふふふ・・・インペリアルソルジャーワイバーン」
「くすくす・・・インペリアルソルジャーサーペントですわ」
「インペリアルソルジャーバジリスク。神聖帝国に栄光あれ」
三人が新たな名を名乗るのを見て、桃子はただ唖然とするばかりだった。

「これは・・・」
「言ったでしょ。この娘たちはもう神聖帝国の一員。地球支配の尖兵たるインペリアルソルジャー」
「穂純さん、あなたはいったい」
桃子がホズミをにらみつけるが、ホズミはまったく意に介した様子もない。
「うふふふふ・・・私は神聖帝国のワゼック皇子様付き女秘書官ホズミ。これが私の本当の姿よ」
ホズミが桃子の前でメガネを外して白衣を脱ぎ捨てる。
そこには漆黒に銀のトゲの付いたボンデージレオタードを身に着け、黒の長手袋と膝上までのハイヒールブーツを履いた神聖帝国の女幹部の姿があった。
このボンデージレオタードは、自らが開発した自分専用の強化スーツである。
無論適合者である三人が着ているソルジャースーツには及びも付かないが、それでも充分にホズミの力を増幅してくれるのだ。

「そ、そんな・・・穂純さん・・・あなたは・・・」
「うふふふふ・・・今日でテラズガーズは壊滅するわ。でも心配は要らないの。桃子にも私と一緒に来てもらうから」
桃子を見つめ、妖しく微笑むホズミ。
「ふざけないで! 誰があなたと一緒になど」
机の中の拳銃を取り出そうとする桃子。
だが、それを見たインペリアルソルジャーの三人が、すばやく桃子を取り押さえてしまう。
「あっ、やめて! は、放しなさい! 手を放して!」
取り出そうとした拳銃を取り上げられ、床に組み伏せられてしまう桃子。
強化スーツを着たインペリアルソルジャーに生身の人間がかなうはずがない。
「うふふふ・・・怖がることはないわ桃子司令」
「ええ、すぐに桃子司令も神聖帝国のすばらしさがわかるようになります」
「桃子司令もワゼック様とホズミ様の忠実なしもべになるんですよ」
「いやっ! そんなのはいやぁ!」
必死にもがく桃子に、ホズミが洗脳装置のリングをはめる。
「いやぁっ!!」
「うふふふふ・・・さあ、生まれ変わるのよ。桃子」
ホズミの手がスイッチを押した。

                     ******

「ああ・・・ん・・・ワゼック様のおチンポ最高ですわぁ・・・しゃぶってもしゃぶってもまだおしゃぶりしたくなっちゃいますぅ」
うっとりと蕩けたような表情でワゼックのモノを口にするホズミ。
漆黒のボンデージ姿が美しい。
いまや神聖帝国の女幹部として、ワゼック皇子付き女秘書官ホズミのことを知らぬものはいないぐらいだ。
もちろんワゼックの性のお相手も充分に勤め、ワゼックにとって必要不可欠の女になっている。

「ん・・・うふふふ・・・ご覧くださいませ、ワゼック様」
ワゼックのモノから顔を上げ、スクリーンになっている壁面を指し示すホズミ。
そこには赤茶けた星が映し出されている。
宇宙空間を進む魔空城の次なる目標だ。
「我が神聖帝国の新たなる支配地となる星ですわ。もはやあの星もワゼック様のもの同然」
「ククククク・・・またお前たちの力を見せてもらうとしようか」
ホズミの肩を抱き寄せ、その髪を撫でてやるワゼック。
あのあと地球はあっという間に神聖帝国の支配下となり、地球人は奴隷として帝国のために働いている。
それもホズミやモモコたちインペリアルソルジャーの働きがあってこそだ。
「お任せくださいませ、ワゼック様。コマンダーモモコ、資料は用意できている?」
「はい、ホズミ様。こちらに」
カツカツとハイヒールブーツのかかとを鳴らし、神聖帝国の戦闘指揮官となったコマンダーモモコがやってくる。
ホズミの作ったインペリアルソルジャー同様の漆黒のスーツを身にまとい、ヘルメットのバイザーから覗く口元には冷たい笑みを浮かべていた。

「うふふふ・・・さしたる戦力は持っていないようですわ。インペリアルソルジャーの力があれば、制圧はたやすいことかと」
資料を見たホズミがぺろりと舌なめずりをする。
弱きものを屈服させるのは実に気持ちがいいこと。
歯向かうものは皆殺しにしてしまえばいい。
それもまた楽しみの一つなのだ。
「コマンダーモモコ、インペリアルソルジャーたちを引き連れてあの星を制圧しなさい。ワゼック様にささげるのよ」
「かしこまりましたホズミ様。どうぞお任せくださいませ」
コマンダーモモコが一礼して振り返る。
「ワイバーン、サーペント、バジリスク、ホズミ様のご命令よ。あの星を制圧しなさい。いいわね」
「「「はい、仰せのままに」」」
ひざまずいていた三人が一礼して一斉に立ち上がる。
その口元には、これからの侵略が楽しみであるかのように、妖しい笑みが浮かんでいた。

END


いかがでしたでしょうか?
よろしければ、拍手やコメントなどをお寄せいただけますととてもうれしいです。

お読みいただきましてありがとうございました。
それではまた次作でお目にかかりましょう。
  1. 2010/12/27(月) 21:03:31|
  2. 科学主任穂純
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  4. | コメント:10

科学主任穂純(3)

「科学主任穂純」の三回目です。
それではどうぞー。


3、
テーブルの上に置かれた穂純の機械にワゼックの手が伸びる。
かちりと音がして、スイッチが入れられる。
「うぎぃぃぃぃぃ・・・」
穂純が絶叫を上げ、躰をぴくぴくと跳ねらせる。
頭の中に手を突っ込まれ、グニグニとこねくり回されているような激痛が彼女を襲っていたのだ。
自分で作ったものなのである程度は予測していたものの、実際に自分に使われたときの痛みは想像を超えたものだった。
「や、やめて・・・やめてぇ!」
必死に苦痛に耐える穂純。
それをワゼックは冷ややかに見つめ、機械につながっているマイクを口元へと持っていく。
「やめてぇぇぇぇ!!」
穂純は目を見開いて絶叫した。

ラブホテルというものは便利なものだ。
人間どもが行為に及ぶときの音が隣に伝わらないよう、結構な防音が施されている。
まさかこれほどの叫び声をあげるとは思わなかったが、ここを選んで置いてよかったものだ。
さて、ホズミの作ってくれたこの機械、じっくりと試させてもらうとしよう。
ワゼックはマイクのスイッチを入れる。
このマイクで彼女に語りかけることで、その言葉が彼女の脳に刷り込まれることになるらしい。
いわば焼き付けることになるので、暗示がとても強固なものになるそうだ。
はたしてそれが本当か。
彼女自身で実演してもらおう。

「カザトホズミ。お前は神聖帝国の忠実なしもべだ」
「いやぁっ! わ・・・私は・・・神聖・・・帝・・・国の・・・しも・・・べ・・・」
激痛に苦しみながらもワゼックの言葉を繰り返す穂純。
暗示が脳に刷り込まれているのだろう。
「そうだ。お前は神聖帝国の忠実なるしもべ。神聖帝国に尽くすことこそが喜び」
「ああ・・・あああ・・・神聖・・・帝国に・・・尽くす・・・喜び・・・」
ベッドをきしませて躰を跳ねらせている穂純。
その目は大きく見開かれ、口からはよだれが一筋たれている。
「神聖帝国こそが宇宙を支配するにふさわしい存在。力こそがすべて。弱きものには死か服従を」
「あぐぅ・・・神聖・・・帝国こそ・・・ふさわしい・・・力こそがすべて・・・弱きものには死か服従を・・・」
激痛に躰を震わせ、失禁をしてしまっているものの、じょじょに口調が滑らかになっていく穂純。
「神聖帝国皇帝こそ全宇宙の支配者。その息子たる我に従うことこそお前の喜び」
何度も同じようなことを言って暗示を強固にする。
繰り返しが重要だと穂純は神能に伝えていたのだ。
「あなたに従うことこそが・・・私の喜び・・・」
穂純の躰の震えがおさまってくる。
目は焦点を失い、宙を見つめているだけになっていた。
「テラズガーズは憎むべき敵。お前は我がメス奴隷として我に忠誠を誓うのだ」
「テラズガーズは憎むべき敵・・・私はワゼック様の忠実なるメス奴隷」
ワゼックがにやりと笑う。
単なる繰り返しではなく、穂純の中でワゼックの言葉が自分なりの言葉に置き換えられていっているのだ。
「お前は冷酷な魔女となって神聖帝国と我がために尽くすがいい。それがお前の生きるすべてである」
「私は冷酷な魔女として神聖帝国とワゼック様のために尽くします。それが私の生きるすべて・・・」
穂純の目に輝きが戻ってくる。
だが、それは先ほどまでの穂純の目ではなかった。

シャワーを浴び終えた穂純がワゼックの前にやってくる。
全裸にバスタオル一枚で、肩までの黒髪を拭いていた。
「クククク・・・洗脳された気分はどうかな? カザトホズミよ」
ベッドに腰掛けたワゼックが含み笑いをもらす。
手足の戒めをとり頭から装置を外してやると、穂純はシャワーを浴びさせてほしいと訴えたのだ。
「はい。とてもいい気分ですわ。洗脳していただくことがこんなにすばらしいとは思いませんでした。私はもう神聖帝国とワゼック様の忠実なるしもべ。洗脳していただいて感謝しております」
にっこりと微笑む穂純。
だがその笑みにはどこか冷たいものがあった。
「クククク・・・まさか自分の作った機械で洗脳されるとは思わなかっただろう。洗脳具合はどうなのだ?」
「予想以上に強固かと。これならば改良の必要もなく充分に実用化できます。私はもう以前のようにテラズガーズの連中を仲間だと思うような気持ちはありません。テラズガーズは敵です。この気持ちが元のように戻るなど考えられませんわ」
「それならいい。お前は我がメス奴隷だ。これからは我のためにたっぷりと働いてもらうぞ」
「はい、もちろんですワゼック様。私はワゼック様の忠実なメス奴隷。どうぞ何なりとご命令を」
そういってひざまずくと、穂純はワゼックの靴にキスをする。
偉大なる支配者への当然の行動だった。

                   ******

「それで、カザトホズミをそのまま解放してきたのですか? この魔空城に連れてこずに?」
驚いた表情を浮かべるゴモー。
せっかく洗脳したというのに解放してしまうなど、いったい何を考えているのか?
「ああ、俺も最初はこの魔空城に連れてこようと思った。だが、ホズミが面白いことを考えているというのでな」
「面白いこと?」
「ああ・・・まあ、黙ってみているがいい」
にやりと笑うワゼック。
なるほど。
テラズガーズを内部より崩壊させる・・・か。
ゴモーにはなかなか思いつくまい。

                   ******

「穂純さんがどうかしたの?」
司令室に集まってきた三人の少女に紅茶を振舞う桃子。
彼女はテラズガーズの司令官だが、普段まで厳しく上下関係を求める人間ではないし、むしろ友人めいた付き合いを好むほうだったから、こうして三人に紅茶を振舞うのもいつものことだった。
「ううん。どうかしたってわけじゃないんだけど、このごろなんか雰囲気が違う気がしませんか?」
美味しい紅茶とクッキーという午後のティータイムを楽しみながらも、早智恵が気になっていたことを言う。
「あ、それは私も感じていた。なんていうか人を近づけないような感じで・・・」
佳乃も早智恵に同意する。
彼女も数日前から、あの穂純博士がなんとなく近づきがたい雰囲気を持つようになったと感じていたのだ。
「何かあったんでしょうか? もしかしてお相手に傷付けられてしまわれたとか?」
美愛が心配になる。
穂純博士にいい人が現れたというのはすでにみなの噂になっていたから、もしかしたら彼に振られたりしたことでショックを受けてしまったのかもと思ったのだ。
「うわ、そうなのかな? 穂純博士ケンカでもしちゃったかな?」
佳乃が悲しそうな表情を浮かべる。
人が傷付いたり傷付けられたりというのは彼女にはたまらないことなのだ。

「そっか・・・みんなにはまだ言ってなかったわね。ごめんなさいね。心配しなくても大丈夫よ」
桃子が三人に頭を下げる。
「えっ?」
「どういうことですか? 桃子司令」
「実はね。今穂純博士は次期ガーズスーツを目指して新ガーズスーツの開発に取り掛かっているの」
「「「新ガーズスーツの開発?」」」
三人が口をそろえ、桃子がうなずく。
「おそらくかなり難しい作業になると言っていたわ。そのためしばらくあまり人と接しないようにするって言っていたの。多分そのためにぴりぴりしているんだと思うわ」
桃子の言葉に目に見えてほっとしたような表情を浮かべる三人の少女たち。
「なんだぁ。そうだったのかぁ」
「よかったぁ」
「ホントよかった。もう、言って置いてくださいよ」
口々に安堵の言葉を漏らしていく三人。
「彼との事は聞いていないけど、そう悪い雰囲気でもないみたいよ。いずれ私たちにも紹介してくれるんじゃない?」
「うふふ・・・そのときは未来の旦那様ですかね?」
「そうかもしれませんわね」
「今頃穂純博士くしゃみしているかも」
気にかかっていたことが解消され、四人は笑顔で笑いあう。
それだけ穂純のことが気がかりだったのだ。

電子音が鳴って笑い声がさえぎられる。
司令官席のインターコムが鳴ったのだ。
はいはいといいながら、桃子は席に戻ってインターコムの通話ボタンを押す。
「はい、塩村です」
『私だけど』
インターコムから穂純の声がする。
「あ、穂純さん。どうしました?」
噂をすれば影だと思い、桃子は思わず苦笑した。
『そちらにテラズガーズの三人は行っていない? 今日は顔を出していると思ったんだけど』
三人が自分たちのことだと知って顔を見合わせる。
「来てますよ。今お茶していたんです。穂純さんもいかが?」
『・・・結構よ。それよりも三人をすぐにラボによこしてほしいの。いいわね』
それだけ言うとインターコムは切れてしまう。
そのあまりにも冷たく感じる物言いに、桃子も戸惑いを感じてしまう。
「穂純さん・・・やっぱり煮詰まっているのかなぁ・・・とにかくあなたたち、ラボに行ってくれるかしら?」
「はい。かまいません」
「どうせ準待機だったわけですし」
「穂純博士の様子も見て来たいしね」
三人はなんとなくまた多少の不安を感じながらも、にこやかに立ち上がった。

「クククク・・・」
ワゼックは笑いがこらえきれなかった。
まさか地球の守りの要とも言うべきガーズベースに自分が入ることができるとは、つい先日までなら思いもしなかったことだからだ。
もちろん地球人神能聖の姿をとってではあるものの、ホズミの導きであっさり入ることができたことはむしろ拍子抜けを感じるほどだったのだ。
どんなに強固な要塞であっても、内側から侵食されてはたまらない。
このガーズベースももはや終末が近い。
ホズミの洗脳が予想以上の結果をもたらしそうであることに、ワゼックは充分以上の満足感を感じていた。

「クククク・・・こうも簡単にガーズベースに入り込むことができるとはな」
「うふふふ・・・しょせんここの警備などザル同然ですわ。私が神聖帝国の一員になったことなど誰も気付きもしないのですから」
スーツ姿の神能、いや、ワゼックにひざまずきうっとりとした目で見上げている穂純。
科学主任として白衣を着てはいるものの、今はもう神聖帝国のワゼック付き女秘書官ホズミへと生まれ変わった女である。
「今日は楽しいものを見せてもらえるそうだな。楽しみにしているぞ」
「うふふふ・・・お任せくださいませワゼック様。わが神聖帝国の憎むべき敵、テラズガーズの最後をごらんいただこうと思いますわ」
冷たい笑みを浮かべているホズミ。
メガネの奥の瞳が邪悪に輝いている。
「ほう・・・それは面白い」
ワゼックも興味を引かれる。
テラズガーズの科学主任である穂純が神聖帝国の一員であるホズミとなったからには、程遠くない時期にテラズガーズ壊滅に持ち込めるだろうとは思っていたが、それがこれほど早く訪れようとは・・・
ここはホズミの腕前を見せてもらおうと、ワゼックは楽しみにしていたのだった。

研究室の扉がノックされる。
「どうやら三人が来たようですわ。ワゼック様はしばしそちらでお待ちくださいませ」
別室へと続く扉を指し示すホズミ。
ワゼックはホズミに一度うなずくと、扉の向こうに姿を隠した。

「穂純博士ー、来ましたよー」
「私たちに何か御用でしょうか?」
「またデータの収集ですか?」
入り口を開けてにこやかに入ってくる三人の少女たち。
「よく来てくれたわね、三人とも」
ホズミも穂純としてのにこやかな表情で三人を出迎える。
「いえいえー」
「博士に呼ばれましたら、来ないわけには参りませんわ」
「そうそう。来なかったら何されるかわからないもんね」
悪気のない佳乃の冗談に、残りの二人も思わず笑う。
「あれ? 今日はお一人なんですね? いつもは研究員さんたちがいるのに」
そんな中、佳乃は周りを見て人がいないことに気がついた。
「ホントだ。穂純博士、ほかの人たちは?」
「ああ、もう不要だから消えてもらったの。今日のお披露目には必要ないし」
「不要?」
「必要ない・・・ですか?」
ホズミの冷たい感じのする言葉にちょっと驚く早智恵と美愛。
思わず三人は顔を見合わせる。
「ええ、そうよ。いなくてもいい人にわざわざいてもらうこともないでしょう? それよりも、今日はこれを装着してみてほしいの。新しいガーズスーツよ」
ホズミが三人の前に真新しいブレスレットを置く。
ガーズスーツは、このブレスレットを介して少女たちに転送され、その身に装着することになるのだ。
「あ、なるほど」
佳乃がうんうんとうなずく。
「新型ガーズスーツの装着テストですか。それならあんまり人がいてもらっては困りますよね」
「あ、そうか」
「確かにそうですわね。ガーズスーツは重要機密ですから、人が少ないほうが機密保持には有利ですわ」
先ほどのホズミの言葉を自分たちなりに解釈してしまう三人。
そのことがホズミには可笑しかった。

「でも・・・」
テーブルに置かれたブレスレットを見て手を伸ばすのをためらう美愛。
「何だか気味悪いデザインですね。何とかならなかったのでしょうか?」
テーブルの上には、両手にはめるタイプのブレスレットが置かれており、黒革に銀色のトゲや目玉のような紋様がついている。
「何だかパンクロックのファッションブレスって感じだな。普段はめるにはちょっときついかも」
「確かに。これをはめて学校へ行くのはちょっとつらいよぉ」
佳乃も早智恵もその異様なブレスレットが気味悪く感じてしまう。
どうして穂純博士はこんなデザインにしたのだろう?
  1. 2010/12/26(日) 20:09:06|
  2. 科学主任穂純
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科学主任穂純(2)

「科学主任穂純」の二回目です。
楽しんでいただけましたらうれしいです。


2、
それからの穂純は、時々神能の誘いに応えるようになっていた。
もちろん仕事に差し支えるようなことはまったくなかったが、今までなら自主的に残って作業にあたっていた時間も、神能からの誘いがあればいそいそと出かけることが多くなっていった。

「それじゃ、あとはお願いね。そっちの作業は止めといてもいいわ。あとで私がやるから」
作業員に指示を出し、あわただしく更衣室に消える穂純。
その様子を技師たちは微笑ましく見ている。
男っ気のなかった風戸博士にも春が来た。
そう言われていたのだ。

「それじゃお先にー」
短めのタイトスカートのスーツに身を包んだ穂純が手を振って出て行く。
司令室で桃子の指示を受けていたテラズガーズの三人が、思わずその姿を目で追った。
「穂純博士はこれからデートかな?」
「そのようですね。楽しそうです」
佳乃と美愛がその様子を微笑ましそうに見送る。
タイトスカートから伸びる穂純の脚は、同性から見てもきれいで美しい。
あれなら心惹かれる男性も多いはずなのに、今までは白衣のすそで隠してしまっていたのだ。
「でも、大丈夫なのかな? 穂純博士がいないときに神聖帝国が攻めてきたりしたら・・・」
早智恵が心配そうに司令官の桃子を見る。
だが、桃子はまったく心配していなかった。
「大丈夫よ。穂純さんは仕事をおろそかにするような人じゃないし、すぐに連絡はつくようになっているわ。それに・・・」
「それに?」
「穂純さんに頼らなくても、あなた方がしっかりしていれば問題ないことよ」
にやりと笑う桃子。
もちろんこれは意地悪で言っているのではなく、三人に心配ないことを告げているだけなのだ。
「うわっ、やぶへび」
「仕方ない、トレーニングルームで一汗流してくるか」
「そうしましょう」
苦笑しながら司令室を出て行く三人。

「遅くなったかしら・・・」
腕時計に目をやりながら道のりを急ぐ穂純。
待ち合わせ場所には、すでに神能が待っていた。
「ごめんなさい、お待たせしちゃって」
「いや、今来たところだから気にしないでいいよ」
神能はそう言ってくれるが、おそらくは10分ぐらいは待たせたはずだ。
穂純は神能の心遣いがうれしかった。
「それじゃ行こうか。美味しい店があるんだ」
「ええ、聖さん」
穂純はいつものように神能の腕を取る。
男性の腕に寄り添って歩くのは素敵だった。
穂純は神能に連れられ、今日も楽しい時間をすごすのだった。

こういうのも悪くないものだな・・・
ワゼックは、隣で寄り添うように寝ている女を再び抱き寄せる。
カザトホズミ・・・
最初はテラズガーズの科学主任ということで、うまく行けば手駒とし、悪くても抹殺することでテラズガーズの力を弱めることができればいいと思っていた。
だが、ここ数日付き合っているうちに、この女を心底から配下にできればと思っていたのだ。
そのために洗脳装置を作らせる。
この女の持つ技術であれば、おそらく不可能ではないだろう。
問題はいかにして作らせるかだ。
幸い、精神感応の力で、この女はかなり自分に気を許している。
こうしてベッドを共にすることもできるようになった。
セックスの相性も悪くない。
自分に抱かれて淫らにあえぎまくるところは可愛いものだ。
この女ならそばに置いてもいいだろう。
ククククク・・・

                     ******

「穂純博士、どうしたんです?」
「何かあったんですか?」
ぼうっとしている穂純を見かけ、早智恵と美愛がやってくる。
「えっ? あ、ああ、なんでもないのよ」
穂純は笑みを浮かべて首を振った。
まさか作業中にほかの事を考えていたとは言えない。
今は作業に集中しなくては・・・
そう思う穂純だったが、頭の中は神能に言われたことでいっぱいだった。

心を開かせるための機械・・・
それが聖さんには必要だという。
重病を患っている少年。
だが、手術を受ければ助かる見込みはあるらしい。
でも、少年は病気のせいで心を閉ざし、誰の言うことも信じない。
手術を受けるように説得しても、どうせ手術したって苦しんで死ぬだけだと拒絶する。
聖さんは何とかその少年を助けたいのだ。
だから、一時的なものだとしても少年に彼のことを信じさせたいのだという。

聖さんは私が科学技術に通じていると叔父から聞いて知っていた。
だから、もしその子の心を開いてくれるような機械があれば・・・と言ったのだ。
私なら・・・
私なら多分できる。
人間の脳波に影響を与え、暗示を焼き付けて心理的な障壁を取り除くような装置を作る。
私ならできる。
でも・・・
そんなものを作ってもいいのだろうか・・・
もし・・・
もし悪用されたりしたら・・・
人の心に影響を与えてしまうような装置だから・・・

「穂純博士!」
「えっ?」
「データいつまで取るんですか?」
「えっ? あ、ああ、もういいわ」
あわてて穂純は早智恵から機器を取り外す。
ガーズスーツの強化に向けて、三人の基礎的データを取り直しているのだ。
今日は早智恵と美愛の二人だが、明日には佳乃も参加する。
神聖帝国が動きを見せない今のうちに、ガーズスーツの強化に取り込み、いずれ訪れるかもしれないピンチに備えるのだ。

「穂純博士・・・」
「えっ? 何?」
自分の躰から計測機器を外している穂純に美愛が声をかける。
「やっぱり変ですわ。心ここにあらずという感じです。何かあったのですか? もしかして彼氏さんとケンカでもしたのですか?」
背中までの長いつやつやした黒髪と切れ長の目をした物静かな雰囲気の少女が、穂純をじっと見つめている。
その目には彼女のことへの心配が浮かんでいた。
「ううん・・・そんなことないわ。ただ、ちょっと考え事をしていただけ」
穂純は微笑んで首を振る。
この子達に心配をかけることなどできない。
今回のことは単なる個人的なことなのだから。
だが、彼氏とケンカしたのかと言われたとき、穂純の心臓はどきんと跳ね上がったのだ。
聖さんとケンカ・・・
もし、今回のことを断ったことで聖さんとケンカ別れになってしまったとしたら・・・
キューっと胸が痛くなる。
いやだ・・・
そんなのはいやだ・・・
穂純にはもう神能のいない状況など考えられない。
神能を失うなど考えたくもなかった。

早智恵と美愛が退室してから、穂純はいつしか機能の計算を始めていた。
神能に頼まれた機械を作るのだ。
もちろんその少年にだけ使うことを約束してもらう。
一回だけ使ってすぐに廃棄すればいい。
そうすれば誰かに悪用されることもないだろう。
設計図も完成後は廃棄して、二度と作らなければいいのだ。
一回だけ。
一回だけ聖さんに使ってもらえればいい。
穂純は一心に少年の心を解きほぐすための機械を作り始めていた。

                   ******

「ふあ・・・」
思わずあくびが出てしまう。
「眠そうだね。退屈かな?」
笑いながら話しかけてくる神能。
あわてて穂純は首を振った。
「とんでもない。聖さんとのおしゃべりが退屈だなんてことはぜんぜん。ただ、ちょっと寝不足で・・・」
「おや、仕事が忙しいのかい?」
穂純はまた首を振った。
「そんなことはないんだけど・・・聖さんに喜んでほしくて・・・」
少し頬が赤くなったのは、食事についているワインのせいではないだろう。
「ほう・・・もしかして脇にあるそれかな? 楽しみだね」
「あとでお渡ししますね」
穂純はそういって脇に置いた紙袋に目をやった。

美味しい食事と楽しい会話。
穂純は神能と過ごすこの時間が本当に好きだった。
食事を終え、少しほろ酔い気分の穂純を、神能が優しくエスコートする。
二人はいつもと同じく、二人きりになれる場所に入っていった。

すとんとベッドに腰を下ろす穂純。
隣には神能が腰掛け、穂純の肩に手を回す。
「聖さん・・・」
「穂純」
神能の唇が穂純の唇と重ね合わされる。
その手が胸に滑り降りてきたとき、穂純は残念そうにこう言った。
「待って・・・先にお渡ししたいものが」
「先に?」
お預けを食らったことに面食らう神能。
だが、渡したいものがあると言っていたことを思い出す。
「明日の朝バタバタするのはいやだし、きちんと話をしておきたいの」
「わかった。穂純の言うとおりにするよ」
ちょっと残念そうに穂純から身を引く神能。
ここ数回の逢瀬で、ワゼック自身穂純の躰に惚れ込んでもいたのだ。

穂純は一息ついてから、ゆっくりと紙袋の中のものを取り出した。
紙袋から出てきたものが、手編みのマフラーなどではないことに、思わず神能は笑みを浮かべる。
だが、穂純はまったくそれに気が付いた様子もなく、二人の間に取り出したものを置いていった。
「これは?」
おおよその見当は付いていたが、ワゼックである神能が問いかける。
「聖さんに頼まれたものを私なりに作ってみたの。おそらく、これで聖さんの言っていた少年の心を開くことができると思う」
真剣な表情を浮かべる穂純。
人の心を外部からいじろうという機械なのだ。
真剣になって当然である。
「本当かい? これで人の心を操ることができるのかい?」
「操るというのとは違うわ。これは相手に強力な暗示を刷り込む機械なの」
「暗示?」
「ええ。たとえば、聖さんはとても信用置ける人だから、その言うことには素直に従わなくちゃいけない。彼の言葉は信用できるから従わなくちゃいけないって言うような暗示を相手に刷り込むの。そうすれば、相手の少年は聖さんを信用するようになって、聖さんが手術を受けるように言えば、きっと言うとおりにするわ」
穂純の言葉にうなずく神能。
まさにこれこそが望んでいたものだ。
それをわざわざ敵である穂純が作ってくれるとはな。

「暗示か・・・だがすぐに暗示が解けてしまうような心配はないのかい? そのせいで逆にもっとかたくなになられてしまっては・・・」
「それは大丈夫だと思うわ。暗示はかなり強力に焼き付けられるはず。少々のことでは暗示が解けてしまうようなことはないと思うの」
「そうか。それならばいいんだ。ありがとう穂純。これで俺の願いがかなうよ」
神能は穂純の両手を取り、握り締めて感謝の意を伝える。
地球人には効果的なしぐさのはずだ。
「聖さん」
「ん? なんだい?」
「約束してほしいの。その少年に暗示をかけたら、すぐにこの機械を私に返すって。その子にだけ使って、ほかには一切使わないって約束して。そうじゃないと、私・・・」
真剣な表情を向ける穂純。
「わかったよ。俺が使うのは一回だけだ。約束する。それでいいかい?」
穂純が安心したようにうなずく。
メガネの奥の瞳もようやく安堵の色を浮かべていた。

「ん・・・」
意識がゆっくりと戻ってくる。
朝が来たのだろうか?
穂純はゆっくりと目を開けた。
見知らぬ部屋・・・ではない。
夕べ泊まったラブホテルの一室だ。
そういえば、夕べは聖さんと一緒に泊まったんだったっけ・・・

ベッドから起き上がろうとした穂純は違和感を感じた。
手足が動かないのだ。
「えっ?」
穂純は驚いた。
両手が後ろ手に縛られ、両足も足首のところで縛られている。
まったく身動きが取れなくなっているのだ。
「ど、どうして? 聖さん。聖さん!」
パニックに陥って神能の名を呼ぶ穂純。
その声を聞いたのか、すぐに神能が現れる。
「やあ、お目覚めかな? カザトホズミ」
「ああ、聖さん。お願い、誰かに縛られたの。解いてくださいませんか?」
「それはできないな。縛ったのは俺なんだから」
「えっ? ど、どうして?」
穂純は神能の言葉に面食らう。
いったいなぜ自分が縛られなくてはならないのだろう?
「君の作ってくれた機械の性能を、これから君で試させてもらうんだ。暴れられたりしたら厄介だからね」
「そんな・・・試すなんてしなくても・・・機械の性能は保証します」
「まだわかっていないんだね、カザトホズミ。俺はこの機械をガキのために使うつもりなんかないんだよ」
笑みを浮かべる神能に、穂純は背筋が冷たくなるのを感じた。
もしかして、自分はとんでもないことをしてしまったのではないのだろうか・・・

「テラズガーズの科学主任カザトホズミ。君にはいろいろと苦労をさせられたものだ。わが神聖帝国の魔獣をことごとく返り討ちにしてくれたね」
「えっ? どうしてそのことを?」
穂純がテラズガーズに所属していることは極秘中の極秘である。
知っているものは彼女の身内にさえいないはずなのだ。
なぜそのことを神能は知っているのだろう。
「ククククク・・・まだ気が付かないのか? 俺は神能聖などという地球人ではない。神聖帝国の皇子にして地球侵略の指揮官であるワゼックである」
神能の姿が揺らぎ始め、じょじょに黒い金属質の鎧とマントを身にまとった姿となる。
それは穂純も見たことのある、神聖帝国の指揮官の姿に他ならなかった。
「うそ・・・うそでしょ? 聖さんがワゼックだなんて・・・」
目の前のことが信じられない。
あの優しい聖さんが神聖帝国のワゼックだなんて・・・
そんなバカなことがあるはずが・・・

「うそではない。俺はお前を信用させるために地球人神能聖として振舞った。お前はそれにまんまと引っかかったというわけだ」
冷たい笑みを浮かべるワゼック。
穂純の目から涙が落ちる。
「信じていたのに・・・聖さんとなら一緒に生きていけると信じていたのに・・・だましたのね!」
「そういうことだ。俺はお前をだました。だが安心するがいい。すぐにまたお前は俺を信じ、俺のために尽くすようになる」
穂純の目が見開かれる。
「まさか・・・そんな・・・」
自分の頭に感じる異物感は、あの機械のリングだったのだ。

穂純は一度しか使わないという神能の言葉を信じ、機械の使い方を教えていた。
相手の頭にリングをはめ、暗示をパルスとして脳に送り込む。
そうして暗示を焼き付けることで、相手の心に作用し、暗示を強固に植え付けるのだ。
そのやり方を一から丁寧に穂純は神能に教えていた。
まさかそれが自分に使われることになるなどとは思いもせずに。

「お前の作った機械を、俺は有効に使わせてもらう。お前を俺のそばで働く一匹のメスにしてやろう。一生手元で可愛がってやるぞ」
「いやぁ・・・いやぁっ! やめてぇっ! 使わないでぇっ!」
必死に身をよじって手足の戒めを解こうとする穂純。
だが、ベッドに寝かされている穂純の両手も両足も自由にはならず、頭のリングも何かに引っ掛けてはずすということはできなかった。
  1. 2010/12/25(土) 20:31:33|
  2. 科学主任穂純
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科学主任穂純(1)

今日は早めに更新です。

本当に本当にお待たせいたしましたー。
ようやく250万ヒット記念SSが完成いたしましたので、今日から四日間連続で投下させていただきます。
タイトルは「科学主任穂純(ほずみ)」です。
いつもと代わり映えのしない作品ですが、クリスマスプレゼントとしてお楽しみいただけましたら幸いです。

それではどうぞ。


1、
「「「ピーチスラッシュ!!!」」」
三人の少女の声がハーモニーとなり、それぞれの振るう剣の先から赤、青、黄色の三本の光がらせん状に渦を巻いて魔獣の躰に突き刺さる。
「グギャァァァァァァッ!」
すでに動きが鈍くなるほどダメージを受けていた魔獣に、それを避けることなどできるはずもなく、魔獣は断末魔の声を上げながら光の中で崩壊する。
またしても地球侵略のために送り込んだ魔獣が、テラズガーズの三人に倒された瞬間だった。

「クッ・・・」
モニターに映し出された光景に歯噛みする男。
ここは魔空城。
神聖帝国の地球侵略の拠点であり、また異次元に浮かぶ巨大な宇宙船でもある。
男はトゲの付いた金属質のアーマーに身を包み、背中にはマントを羽織って、額には皇族のしるしである角の付いたサークレットをはめている。
全身を黒一色で統一したその姿からは、怒りのオーラとも言うべきものが立ち上っていた。
「ゴモー」
「ハ、ハハァッ!」
彼の背後でモニターを見ていた白衣の老人が青ざめた顔でひざまずく。
彼の繰り出した魔獣がまたしても敗れた以上、叱責は免れない。
「お前はなんと言った? 今度こそテラズガーズを葬り去る。そう言っていたはずだな」
振り返る男の整った顔には、むしろ笑みさえ浮かんでいた。
「も、申し訳ありません。今一歩、今一歩のところでしたが、あの女の邪魔が入り・・・」
床にひれ伏して顔を上げることさえできないゴモー。
だが、確かにそうなのだ。
今回の魔獣はあと一歩のところでテラズガーズに敗れたのだ。
まさかあのタイミングで新装備を繰り出してこられるとは・・・

「わが神聖帝国は宇宙を支配せねばならん。宇宙は強いものが支配し、弱いものはそれにひれ伏さなくてはならんのだ。大宇宙の摂理に従い、強い我らが弱い奴らを支配する。それこそがわが父神聖帝国皇帝ワデックの望み」
男はふと虚空を見上げる。
まるでそこに父がいるかのように。
だが、その表情が厳しくなる。
「ゴモー! 今の我らはどうだ! これでは我らの方が弱きものではないか」
「ハハァッ! 申し訳ありません」
「何かいい手はないものか・・・このままでは父上に顔向けができん。しょせん親の七光りとあざけられるのみ。そのような屈辱は耐えられん・・・」
ひれ伏しているゴモーのことなどもはや眼中にないかのように男は背を向ける。
ふと男の目がモニターに向けられた。
「あの女・・・確かカザトホズミとか言ったな・・・」
モニターの中には、テラズガーズの三人に駆け寄る一人の女性が映っていた。
「は、はい、左様です。あの女こそテラズガーズの科学主任カザトホズミ。ガーズスーツをはじめとする装備の開発者です」
ゴモーの言葉に男がうなずく。
「ふむ・・・あの女を何とか我らの仲間に引き込めないものかな。わが手駒となれば、かなり役に立ちそうだが・・・」
男があごに手を当てて考える。
あのさまざまな機器類を作り出す能力は並ではない。
手駒にすることができれば、神聖帝国の強化にも役立つだろう・・・
「それは・・・難しいところかと・・・地球人は精神力が強く、我らの精神感応では支配できません。せいぜい多少の好感触を与えることができるだけ。それでは我らの手駒にはなりますまい」
ようやく顔を上げるゴモー。
どうやら嵐は去ったらしい。
「ふむ・・・あの女は科学主任と言ったな」
「左様です、ワゼック皇子」
「ならば、あの女自身にそういったものを作らせてみればよい。そう、自らを洗脳するための洗脳装置のようなものをな」
「うまく行きましょうか・・・」
ゴモーの顔に疑問の色が浮かぶ。
「だめでもともとだ。やってみる価値はあろう。ククククク・・・」
ワゼックは自分の思いつきに、思わず笑いがでるのを止められなかったのだった。

                    ******

「みんなお疲れ様。今回の敵はかなりの強敵だったけど、無事に撃退することができたわ。これもみんなのおかげよ」
司令官室に集まってもらった三人を前に、テラズガーズ司令官の塩村桃子(しおむら ももこ)がねぎらいの言葉をかける。
司令官の前にそろった三人の少女が、その言葉に柔らかな微笑を浮かべた。
まだ幼い雰囲気の残る高校生ほどの少女たち。
それが地球を神聖帝国の魔手から守っているテラズガーズの三人である。
これにはもちろん理由があり、彼女たちのまとうガーズスーツの適合者が、今のところこの三人しかいないということが大きい。
原因はいろいろと考えられているものの、そのいずれもが未確定の域をでずに解消されておらず、自衛隊員のような戦闘訓練を受けた人間がガーズスーツをまとって戦うという状況には今のところいたっていない。
そもそも、ガーズスーツそのものが、テラズガーズ科学主任の風戸博士による偶然の産物的な存在なので、三人の適合者がいたというだけでも驚きと言っていいのだ。

とはいえ、適合者への特化は進んでおり、三人のガーズスーツはそれぞれ赤、青、黄色の三色に塗られてそれぞれが特定のスーツを着るようになっている。
赤のガーズプリムラの狗川早智恵(いぬかわ さちえ)は、折川高校の二年生で陸上部に所属している。
身体を動かすことが大好きで、いつもトレーニングでランニングを欠かさない。
青のガーズサルビアの砂流美愛(すながれ みあ)は、お嬢様学校で名高い私立美望女子学院の同じく二年生。
砂流家のお嬢様であり、華道や茶道のたしなみを持つしとやかな女性だ。
もっとも、ガーズサルビアとして戦いに臨むときには、その限りではない。
黄色のガーズクロッカスは柿地佳乃(かきじ よしの)といい、王林大学付属高校三年生。
物静かな知的美女で、将来は医師を目指している。
読書が趣味で暇を見ては本を読んでいることが多いが、知的好奇心も強く、科学主任の風戸博士のところに顔を出すこともままあった。
この三人が地球を守るテラズガーズなのだった。

「これまでの傾向から言って、神聖帝国も魔獣の再投入までは時間がかかるでしょう。少しの間、羽を伸ばせると思うわ。次の呼び出しまでは自由に過ごしてもOKよ。ただし、常に連絡が取れるようにしておくことと、トレーニングは欠かさないようにね」
「「「ハイ、桃子司令」」」
三人は声を合わせて返事する。
ここまでになるには時間がかかったものだった。
塩村桃子は、そんなことをふと思って笑みが浮かぶ。
本当に三人はよくやってくれている。
適合者というだけで戦いに駆りだされ、考え方も生活様式もまったく違う三人が力を合わせる羽目になったのだ。
今のチームワークは奇跡に近い。
すっかり仲のよくなった三人を前に、なんとなく保護者気分になる桃子だった。
「それじゃ解散」
「「「ハイ、失礼します」」」
三人がにこやかに司令官室を後にする。
おそらくこれから食べ歩きとショッピングとカラオケだろう。
自分も暇なら行きたいところだが、司令官と一緒では羽も伸ばせないだろうし、何より報告書の作成等やることがある。
地球を守るのも、彼女たちだけでできるものではない。
戦闘による被害や損害を算定して報告し、政府が速やかに復旧や金銭保障が行えるようにしなくてはならないのだ。
そのための基礎資料として報告書の持つ意味は大きい。
テラズガーズ司令官として、報告書作成も重要なる任務の一つだったのだ。

「お疲れ様」
三人と入れ替わりにそう言って入ってくる一人の女性。
白衣を着て、手には書類のフォルダを持っている。
メガネをかけた知的で清楚な感じを漂わせる女性だ。
肩までの黒髪が美しい。
「穂純さんもお疲れ様です」
迎える桃子がにこやかに微笑む。
入ってきたのは、テラズガーズの科学主任風戸穂純(かざと ほずみ)。
先ほどのテラズガーズの三人が着る、無敵のガーズスーツの開発者である。
ほかにもテラズガーズの武器や、さまざまな支援装置を開発するテラズガーズの頭脳であり、彼女のおかげで地球の平和が保たれているといっても過言ではない。
もっとも、本人いわく、多少頭のねじがゆるかったり一本二本はずれているから、ほかの人が思いつかなかったことをするだけよ、とは言うのだが。

「はい、報告書」
桃子の机の上に持ってきた書類を置く穂純。
今回の魔獣の動きを封じた妨害波発生装置のことも触れられているに違いない。
実際あれがなければ今回は危うかったのだ。
いいタイミングで装置を開発してくれる穂純の能力に、桃子も全幅の信頼を寄せていた。
「ありがとうございます。それにしてもよく今回の敵がこちらの動きを先読みしてくるとわかりましたね」
「別にわかっていたわけじゃないのよ。いずれはそういう作戦を取ってくるんじゃないかなと思ってね。こっちが先回りして作っておいたの」
「なるほど。“こんなこともあろうかと思って”って奴ですね」
「まあね」
古いアニメの有名なセリフに、思わず笑い出す二人。
もっとも、当のキャラはそのセリフを言ってはいないらしいが。

「それじゃあとはよろしく」
「あら、お茶でもいかがですか? 美味しい紅茶淹れますけど」
報告書を置いてすぐに出て行こうとする穂純を引き止める桃子。
「ごめんね、ガーズスーツのメンテをしなきゃ。今回結構手ひどくやられたからね」
ひらひらと手を振って出て行く穂純。
その姿を苦笑しながら見送る桃子だった。

                   ******

「お見合いですか?」
思わず紅茶を淹れる手が止まる桃子。
それほど、今聞いた言葉は驚きだったのだ。
いや、普通に考えれば、なんら驚くべき言葉ではないのだが、その言葉を発したのが穂純であるということが、驚きを誘発していたのだ。
「みたいなものっていうか・・・叔父さんの紹介なのよ。いい人がいるから今度会ってみないかって・・・」
なんとなく困ったような表情を浮かべている穂純。
無論彼女とて適齢期であり、男性に興味がないわけではない。
だが、今はテラズガーズの科学主任としての仕事があるし、またそれにやりがいも感じている。
また、今まで研究一筋だった彼女は、男と付き合った経験に乏しく、それが尻込みをさせることにもなっていた。

「いいことじゃないですか。穂純さんはずっと研究室に篭もりっぱなしなんですから、少しは外に目を向けるのもいいことだと思いますよ」
湯気の立ち上るいい香りのする紅茶を穂純に手渡す桃子。
テラズガーズの司令官という立場に着かなければ、喫茶店でも開いていたかもしれない。
「そうかもしれないけど・・・まあ、叔父さんの顔を立てるためにも、一度は会うつもりだけどね」
穂純は手にした紅茶を一口飲む。
「美味しい」
紅茶特有の味が口の中に広がり、心も躰も温かくなる。
「いつ会うかもう決まっているんですか?」
自分もカップに口をつける桃子。
自分より年上ということもあり、穂純にはだいたい敬語を使うことが多い。
「明日」
なんとなく憂鬱そうに穂純が答え、思わず桃子は苦笑した。
叔父さんに対する義理がなければ、まず会おうとはしないんだろうなと桃子は思う。
「明日はおやすみですし、神聖帝国の襲撃も多分ないでしょう。ゆっくりしてきてくださいね」
「うん。ありがと・・・はあ・・・」
思わずため息の出る穂純であった。

                   ******

「こちら神能聖(かみの たかし)君。まだ若いが医師を務めていてね。将来を嘱望されているんだ。神能君、こちらが私の姪でね、風戸穂純という。いろいろと面倒を見てやってくれないか」
頭髪の薄くなった中年の男がメガネをかけた女性を紹介する。
モニター越しに見て知ってはいたものの、こうして対面すると、なかなかどうしてこちらの美的感覚にも美しいと思える女性だとワゼックは思った。
地球人とほぼ同じような外見を持つワゼックにとって、地球人に変装するのはわけもない。
地球侵略にあたりそろえた情報によれば、地球人はきわめて種族的にも近く、おそらくは子孫を残すことさえ可能だという。
ワゼックは、素直に目の前の女性とセックスをしてみたいものだと感じていた。

「神能です。将来を嘱望なんてとんでもない。まだまだ駆け出しで未熟な男です」
「風戸です。はじめまして。私こそ何もできない未熟者ですけど、よろしくお願いいたします」
挨拶を返してくる穂純に、ワゼックはすぐさま精神感応を送り込む。
精神的に同調し、こちらへの警戒心を薄めて好印象を持たせるのだ。
神聖帝国の宇宙支配には欠かせない能力である。
弱きものを支配する上で、支配者に対し好印象を持たせることができれば、それだけ反抗しようとする意識は低くなる。
だが、しょせんは印象操作に過ぎず、相手を言いなりにするようなことはできない。
せいぜい魔獣の意識コントロールを行うぐらいのものなのだ。
だからこそ、この女に対象を言いなりにさせる装置を作ってもらわなくてはならない。
敵の能力を利用する。
これも強いものの特権だ。

思ったより素敵な人だわ。
穂純は目の前の男性にそういう印象を抱いた。
すらっとして背が高く、ハイヒールを履いた穂純を少し上から見つめている。
その目がとても優しい感じで、穂純は一目で気に入っていた。
肉体も無駄がなさそうで、医師というよりもスポーツマンに近い感じだ。
おそらく何かの運動をしているのは間違いないだろう。
叔父さんに言われてしぶしぶ来たけど、これはいい人と巡り会えたのかもしれないわ。
穂純はそう思い、久しぶりに胸がときめくのを感じていた。

「さあさ、後は若いもの同士で話しなさい。わしはちょっと用事があるのでこれで失礼するよ。神能君、姪をよろしく頼んだよ」
「はい、もちろんです。今日はありがとうございました」
ワゼックはそういって頭を下げる。
ターゲットに接触するために接近したが、思った以上にこちらの役に立ってくれた。
精神感応がかなり有効に効いたらしい。
そそくさと立ち去る中年男の後姿に、ワゼックは冷ややかな笑みを浮かべていた。

それからの時間は、穂純にとってはとても楽しい時間だった。
男性とお付き合いしたことなどなかった穂純は、楽しい会話と美味しいお酒と食事にすっかり魅せられていた。
最初ということもあり、あまり遅くまではという神能の紳士的な態度にも感心した穂純は、別れ際には携帯の番号とメールアドレスを交換することに何の問題も感じなかった。
  1. 2010/12/24(金) 19:53:18|
  2. 科学主任穂純
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ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン

お日様のような暖かい笑顔の月の姫君による物語が幕を閉じました。

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佐々木少年先生のマンガ、「真月譚月姫」の最終第10巻を読みました。

もうね、涙腺がこんなに弱かったのかと・・・
泣けてしまいますねぇ。

前巻第9巻でロアとの決着が付いた後のいわばエピローグ。
夕暮れの教室での別れのシーンは、「月姫」というゲームをプレイしたときから、何度も泣かされ続けました。
ええ、もう今回も泣かされましたとも。

佐々木少年先生の描かれますアルクェイドは本当にかわいいです。
やはり月姫はアルクェイド無しには語れませんね。

できればこの第10巻は、第9巻と同時発売にしてほしかった。
そうすれば最終決戦の流れのままにこのエピローグに持ってこれたかなという気がします。
とはいえ、間が開こうがそんなことはお構い無しの破壊力のあるエピローグなんですけどね。

7年間にわたった「真月譚月姫」のマンガもこれで終わり。
「月姫」とも一区切りというところでしょうか。
でも、早いとこリメイク版を作ってほしいですねぇ。
頼みますよ、TYPE-MOON様。

今日はこれにて。
それではまた。

PS:やっとやっと新作SSができました。
明日から四日間連続で投下させていただこうと思います。
250万ヒット記念としては遅くなりましたが、クリスマスプレゼントとしてお受け取りくださいませ。
  1. 2010/12/23(木) 20:52:43|
  2. 本&マンガなど
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アナザーエンド

山文京伝先生の同人誌、「砂の鎖 ANOTHER END」をようやく手に入れることができました。

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こちらが表紙。

この同人誌は、これ単独ではまったく何のことかわからない作品と言っていいでしょう。

これは「ホットミルク」誌に掲載されていた山文先生の「砂の鎖」という作品の、文字通り別なENDを描いたものなのです。

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こちらが「ホットミルク」に掲載された「砂の鎖」の単行本1と2です。
夫、妻、娘の三人で仲良く暮らす家庭に、ある日会社の会長の孫が一ヶ月間の約束でホームステイにやってきます。
少年はやがてこの妻と娘を・・・

山文先生お得意の人妻陥落モノです。
少年のねちねちとした責めにやがて性の喜びを教え込まれて・・・

驚いたことに、単行本は雑誌掲載時とは結末が違うものでした。
個人的にはこの結末の変更は好みではなかったので、雑誌掲載時の結末が同人誌として出されると知ったときにはほしいと思ったものでした。

が、タイミングが悪くなかなか手に入れられないでおりまして、今回ようやく再販になったことで手に入れることができたわけです。

おかげで、単行本掲載時の結末を読んだときのなんともいえない気持ちがよみがえってきました。
寝取られモノはこのなんともいえない気持ちがいいんですよねー。

というわけで、第1巻発売が2001年ですので、9年間に及ぶ「砂の鎖」がようやく私の中でも終わった気がします。
再販してもらえてよかったー。

それではまた。
  1. 2010/12/22(水) 21:25:44|
  2. 同人系
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タバコよお前もか・・・

作品中で堕ちシーンをインパクト付けるための効果的な手段として、私はよくタバコの喫煙シーンを出したりいたしますが、私個人的にはタバコは吸いませんし、あまり好きではありません。

とはいえ、タバコは日本では国家の重要な収入源ですので、国としては適度な人数がタバコを習慣的に吸ってほしいと思っているのではないでしょうか。

現在ではタバコの害を表す肺がんになった肺の写真などをタバコの箱に表示するような英国でも、かつては紳士のたしなみ的にタバコが吸われていたようです。

コロンブスが新大陸よりタバコをもたらして以来、タバコはパイプで吸われるのが一般的であり、英国でもパイプタバコが主流でした。
そこにナポレオン戦争の一部とも言われる半島戦争(1808年-1814年:スペインとポルトガルのあるイベリア半島でのフランス軍対英国軍及びスペインとポルトガルの軍及び民兵などのゲリラ部隊との戦い)を戦い、英国に戻ってきた兵士たちや、インドに赴任していた軍人や富豪たちが伝えたのが葉巻タバコでした。

葉巻タバコは最初それほど広まりはしませんでしたが、1829年に葉巻の税率が下がったことから急速にパイプタバコから葉巻タバコへ乗り換える人が増えていきました。
さらに英王室のヴィクトリア女王はタバコ嫌いでしたが、その夫たるアルバート公は葉巻タバコが大好きであり、そのことも英国人の間に葉巻タバコが広まる要因にもなったようです。

そこに新たな流れをもたらしたのはクリミア戦争(1854年-1856年:クリミア半島におけるロシア軍対トルコ軍及び英仏等の連合軍の戦い)から帰還した兵たちが広めた紙巻タバコでした。
それ以前にも紙巻タバコはあったのですが、ほとんど人々の間には知られていなかったのです。

それがトルコ軍の兵士たちの間で流行っていた紙巻タバコに英仏軍の兵士たちが影響を受け、彼らが本国で紙巻タバコを広めることで、欧州全体に紙巻タバコが広まったといわれます。

紙巻タバコはそのタバコを巻いた紙が燃えることによる臭い等好みが分かれるものでしたが、アメリカの南北戦争(1861年-1865年)終結により、アメリカバージニア産の味のいい葉タバコが輸入されるようになると、その人気をじわじわと広めていったと言います。

とはいえ、19世紀のいわゆるヴィクトリア朝時代を通じて紙巻タバコのシェアは17%ほどに過ぎなかったといわれ、多くの英国紳士は葉巻タバコかパイプタバコを吸っていたことになります。
この二種は愛好者層がはっきりと分かれ、上流階級と中流階級では葉巻タバコが吸われ、いわゆる下層階級と一部の愛好家だけがパイプタバコを吸うようになり、パイプは紳士的なタバコの吸い方ではないと見られるようになったそうです。
でも、かの有名な「シャーロック・ホームズ」氏はパイプタバコの愛好者でしたね。

当時からタバコの害についてはいろいろと取りざたされてはいたようですが、まだまだ一般的には知られておらず、むしろ愛煙家を悩ませたのは当時のコーヒーなどと同様にタバコにもさまざまな混じり物を混ぜて売られていたことでした。
ダイオウ、ギシギシ、オオバコ、ゴボウ、ブナ、カシなどさまざまな植物が混ぜ込まれ、愛煙家を「タバコよ、お前もか・・・」と悩ませていたと言います。

もっとも、混ぜ物が多い分、味はともかく躰にはよかったのかもしれませんね。

それではまた。
  1. 2010/12/21(火) 21:09:30|
  2. 趣味
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日清では敵、日露では味方

1885年(明治18年)、一隻の防護巡洋艦が、ドイツのフルカン造船所において竣工いたしました。
艦の名前は「済遠」
当時の清国がドイツに発注して作らせた巡洋艦でした。

防護巡洋艦とは、戦艦や装甲巡洋艦が舷側に装甲板を張り巡らせているのに対し、重量面等からそういった装甲を張ることができない小型の巡洋艦の防御力増強を目指したもので、機関部のみの上に装甲を張った甲板を置くもので、この装甲甲板を防護甲板と言ったことから名づけられたものです。

完成した「済遠」は、全長75メートル、基準排水量2350トンほどの当時としては中規模の巡洋艦でした。
ですが、武装はなかなかに強力であり、21センチ連装砲を艦前部に一基搭載し、後部には15センチ単装砲を搭載するという重武装でした。
この小型の軍艦に(その艦にとっては)大口径の主砲を搭載するという考えは、当時の日本も三景艦(松島・厳島・橋立の三隻のことで日本三景の名をとったことから)に取り入れており、日清両国が同じ考えで軍艦を作っていたということになります。

日清戦争前の日本海軍にとって清国海軍は強敵であり、この「済遠」も日本には対抗できる艦が少なく、対応が難しい軍艦でした。
清国はこの「済遠」を北洋艦隊に編入し、対日の最前線に投入することにします。

1894年(明治27年)、日本と清国の間に日清戦争が始まります。
7月25日、朝鮮半島の北西豊島沖で、日本の巡洋艦「吉野」「秋津洲」「浪速」の三隻と、清国の「済遠」「広乙」の二隻が遭遇。
まだ宣戦布告前ではありましたが、最後通牒の期限は切れており、すでに戦争状態といっていい状況でした。

双方とも味方との合流を目指していたときに起こった偶然の遭遇でしたが、両国艦隊は互いに発砲。
日清戦争の火蓋が切られます。
(どちらが先に発砲したかについては諸説あり)

日本海軍のほうが隻数では上回っておりましたが、「済遠」の21センチ砲よりも口径の大きい砲を搭載していたのは「浪速」のみであり、「吉野」も「秋津洲」も15センチ砲装備の巡洋艦でした。
しかし、「済遠」の艦長方伯謙は二対三の不利を感じて早々に逃げ出します。

「済遠」が逃げてしまったことで、「広乙」は追い詰められて逃げ場を失いついに撃沈されてしまいました。
一方、一隻になった「済遠」を「浪速」と「吉野」が追いかけますが、「済遠」は降伏したと見せかけてはまた逃げるなどトリッキーな動きを繰り返します。

こうして逃げ回る「済遠」の前に、かねてより合流する手はずになっていた砲艦「操江」と清国陸軍兵士を乗せた英国汽船「高陞」が現れます。
このため「浪速」がこの「操江」と「高陞」に対応することになり、「浪速」の艦長であった東郷平八郎が「高陞」を撃沈することになりました。
(いわゆる「高陞」号事件)

「済遠」はさらに逃亡を続け、「吉野」が追いかけますが、結局このときには「済遠」は逃げ切ってしまいます。

その後、「済遠」は日本海軍と清国海軍の一大決戦である「黄海海戦」にも参加しますが、そこでも艦長の方伯謙は「済遠」を逃げ回らせ、なんら戦局には寄与しなかったと言われます。

威海衛に逃げ込んだ清国艦隊は、ついに威海衛の戦いで降伏を余儀なくされ、「済遠」もそのとき日本軍の手に落ちました。
海戦では逃げ回っていた「済遠」はほぼ無傷だったと言われますが、内部の状態はひどいものだったと言われます。

日本軍の手に落ちた「済遠」は、日本軍の手で修理され、日本軍艦として再就役をいたします。
名前はそのまま「済遠」とされ、当初は巡洋艦として扱われますが、のちに海防艦へと艦種が変更されました。
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(日本軍艦となった「済遠」)

1904年(明治37年)、今度は日露戦争が始まります。
「済遠」は今度は日本軍の味方として出動いたしました。

「済遠」はロシア船「エカテリノスラフ」を拿捕したり、旅順の包囲戦に参加するなど活躍をいたします。
そして、陸軍による第三回旅順要塞総攻撃の支援のために、203高地をその主砲で攻撃中、機雷に触れてしまいました。
「済遠」は瞬く間に沈没。
こうして日清両国で戦った巡洋艦はその生涯を終えました。

日本が(日清、日露、太平洋)戦争で捕獲し、再使用した巡洋艦は七隻ありますが、「済遠」は「広丙」とともにその最初の二隻のうちの一隻でした。
最後は触雷しての沈没でしたが、七隻の中では一番活躍したと言ってもいいかもしれません。
これも海戦では逃げ回ってくれたおかげかもしれませんね。

それではまた。
  1. 2010/12/20(月) 21:06:23|
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大盛況

今日は札幌歴史ゲーム友の会に顔を出してまいりました。
私は今日のみでしたが、昨日今日の連続例会でした。

それにしても今日は大盛況。
顔出しの方含めて14名もが一堂に会しました。
会場が狭い狭い。(笑)

101219(1).jpg
こちらは“しん”様とつじ参謀様の「The Korean War」(VG)
このところいろいろときな臭い半島の北と南の戦いです。

101219(2).jpg
こちらはVAL様とfsino様の「イランイラク戦」ゲーム。
申し訳ありませんがタイトルは存じません。

101219(3).jpg
鈴木様と札幌辺境伯様の「Spanish Eagles」
ナポレオンのスペイン戦のようです。

101219(6).jpg
sf様とHIRO様の「デストロイヤーキャプテン」(CMJ51号)
見たところ二対一の戦い?

101219(7).jpg
こちらはいりやっく様と暗黒卿様の「UP FRONT」
日本軍と米海兵隊の戦いのようでした。

私は午前中からお昼過ぎにかけていりやっく様とASL-SKを対戦しました。
シナリオはS14「88s AT ZON」
私が攻撃側の米軍を担当し、いりやっく様が防御側の独軍を担当されました。

101219(4).jpg
独軍の88ミリ砲の射撃がすさまじく、何度もROFが回って射撃され続けたのが印象的でした。
米軍の二個スタックが壊滅に追い込まれましたけど、最後は米軍が脱出ポイントを確保して勝利。
ぎりぎりでしたが勝つことができました。

午後からは今日も6ゾロ様とASL-SK対戦。
シナリオはS17「A RIDGE TOO FAR」
攻撃側の英軍を6ゾロ様が、防御側の独軍を私が担当しました。

101219(5).jpg
双方のダイス目がすさまじく、ピンゾロにはピンゾロの応酬という白熱した射撃戦。
最後は独軍の射撃が功を奏するかどうかにかかりましたが、英軍の勝利に終わりました。

今日は一勝一敗でした。
今年はこれでおしまい。
また来年よろしくお願いいたします。
  1. 2010/12/19(日) 21:05:51|
  2. ウォーゲーム
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イタリア製の準戦艦

今年もNHKで司馬遼太郎氏原作「坂の上の雲」のドラマ第二期が放映され始めましたね。
明日は今期第三回目で「日露開戦」となり、いよいよ「日露戦争」が始まります。

日本は「日清戦争」後フランス、ドイツ、ロシアによる「三国干渉」が行われ、以後「臥薪嘗胆」の合言葉の元で軍備拡張に励んでいくことになるわけですが、海軍も六六艦隊の名称の元で、戦艦六隻、装甲巡洋艦六隻の建造を行っていくことになります。

この六六艦隊の十二隻の戦艦と装甲巡洋艦が、日露戦争での海軍の主力となっていくわけですが、もちろん日本としては、戦力はより以上にあるほうが望ましいわけです。
そしてそれ以上に、仮想敵国であるロシアが戦力を増強できないことが望ましいわけで、戦争前から日露両国は虚虚実実の駆け引きを行っておりました。

そんな中、南米の一国チリが隣国アルゼンチンと緊張状態に陥り、英国の造船所に二隻の戦艦を発注しておりました。
しかし、チリとアルゼンチンの緊張関係は解消され、戦艦の必要性を感じなくなったチリは完成前の戦艦を他国に売却しようと考えます。

建造していた英国は、日英同盟に基づき日本にこの完成途上の戦艦二隻の購入を打診してきます。
しかし、日本は予算が苦しく、さすがに戦艦二隻を購入する余裕はありません。
日本が購入を渋っている間、この戦艦に目をつけたのはロシアでした。
ロシアが英国に戦艦の購入を打診してきましたので、普通に考えれば、この戦艦はロシアに購入されることになったでしょう。
しかし、日英同盟に基づき英国は日本への応援として、なんとこの戦艦二隻を自国で購入してしまいます。
英国海軍の戦艦となれば、少なくともロシアの戦力にはなりません。
当時の英国はここまで日本を応援してくれていたのでした。

一方チリと緊張関係にあったもう一国アルゼンチンも、イタリアの造船所に装甲巡洋艦を二隻発注しておりました。
装甲巡洋艦とは、簡単に言えば戦艦ほどではないが装甲と中口径砲を装備した軍艦で、日本では準戦艦的な扱いをされております軍艦のことです。

当然アルゼンチンも、チリとの緊張関係が解消したことから装甲巡洋艦の必要がなくなり、この二隻の装甲巡洋艦を他国に売りに出しました。
これに目をつけたのがロシアです。
またしてもロシアはイタリアに対して二隻の装甲巡洋艦の購入を打診します。
そうなると日本としては黙っていることはできません。
装甲巡洋艦といえども準戦艦的な存在ですから、このままではまたロシアの戦力が増強されてしまいます。

日本はついに乏しい予算をやりくりして、この二隻の装甲巡洋艦を購入することに決めました。
さすがに装甲巡洋艦ですから、戦艦よりは安かったのでしょう。

イタリアにおいてロシアと日本の装甲巡洋艦購入合戦が繰り広げられ、最終的に購入に成功したのは日本でした。
こうして二隻の装甲巡洋艦「リヴァダビア」と「モレノ」は「リヴァダビア」は「春日」に、「モレノ」は「日進」として日本の装甲巡洋艦となります。

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(装甲巡洋艦春日)

全長111メートル、満載排水量8100トンの船体に、「春日」は25センチ砲単装砲と20センチ連装砲を、「日進」は20センチ連装砲二基を装備して完成。
速力も20ノットは出るという、当時としては有力な軍艦でした。

面白くないのはロシアです。
戦艦の購入は英国に邪魔され、装甲巡洋艦は日本に買われてしまいました。
しかも装甲巡洋艦は今後起こるであろう日露戦争では敵艦になってしまうのです。

そこでロシアは、「春日」「日進」をイタリアから日本へ回航するときに軍艦に後を追わせて、もし回航途中に日露開戦となった場合には即座に撃沈するということを考えました。
しかし、この策も両艦の回航の護衛に英国海軍が支援することが決まり、ロシアとしては手が出せなくなってしまいます。

「春日」と「日進」が日本に到着したのは、明治37年(1904年)2月16日。
それより先の2月8日には日露戦争が開戦しており、この開戦のタイミングは、「春日」と「日進」が日本近海まで到着した時期を選んだとも言われています。

「春日」と「日進」は、その後の日本海軍において戦艦艦隊である第一艦隊に配備され、まさに戦艦として扱われました。
日本は開戦後に六隻あった戦艦のうち二隻を機雷で失いましたので、「日本海海戦」の時には戦艦は四隻しかなく、この「春日」と「日進」の存在がどれほど大きかったか計り知れません。
事実「春日」と「日進」は「日本海海戦」において大活躍をし、バルチック艦隊の撃滅に貢献をいたしました。

「春日」と「日進」の活躍はこの二隻を売却することになったアルゼンチン政府をも喜ばせ、日本とアルゼンチンの友好にも寄与いたしました。
現在でも行われている「日本海海戦記念式典」には、当時の日英同盟の関係による英国海軍関係者とともに、アルゼンチン海軍関係者も招待されるのが慣わしとなっているとのことです。

アルゼンチン向けのイタリア製の軍艦でしたが、日本にとって大変有力な軍艦となってくれたんですね。

それではまた。
  1. 2010/12/18(土) 21:10:59|
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よかったんだと思うけど・・・

プロ野球も続々と契約更改やトレード等の話が続いてますね。

わが阪神もブラゼル&マートンの両外国人選手にそれぞれ2億円で契約更改されたといいますし、スタンリッジ&メッセンジャー両投手もそれぞれ契約が更改されたとのこと。

今日は藤川球児投手が現状維持の4億円で契約更改になったそうで、来季はまた活躍してくれそうです。
肩の故障にだけは充分注意してほしいものですね。

一方かつて阪神に在籍し、メジャーリーグにも挑戦し昨年は東北楽天で中継ぎとして登板した藪恵壹投手が、来季は阪神の2軍投手コーチに就任することになりました。
メジャーでの経験も生かした投手コーチとして期待したいですね。
本人自身が55歳でも140キロのボールを投げたいと語っており、選手寿命をいかに長くするかを考えたコーチングをしたいそうですので、安藤投手や福原投手にもう一花咲かせてあげてほしいです。

一方北海道日本ハムは、一度戦力外として自由契約にした多田野投手と再契約を結んだそうです。
以前坪井選手とも同様の再契約を結んだ経緯がありますので、二度目ということでしょうか。

多田野投手は今年は調子が上がらず、わずか2試合の登板しかなかったことから大幅な年俸ダウンを提示される予定だったそうで、むしろ日本ハムよりもいい条件を出してくれるところがあるならそちらへ行ったほうがいいとの判断から戦力外になったそうです。
しかし、トライアウトで好投するもいい条件で契約してくれる球団がないことから、年俸ダウンで日本ハムが再契約ということになったようですね。

まあ、日本ハムにしてみれば、年俸の高い多田野投手は要らないけど、年俸が安い多田野投手ならOKよということなんでしょうね。
これで日本ハムは格安でそこそこ実績のある先発投手候補を確保できたということでしょうか。
うまいことやっているような気もしますが、どうなのかなぁ。
確かにいい条件でほかの球団が取りに来るかもしれないわけだから、放出自体はいいんでしょうけどね。
多田野投手にしても野球ができなくなるよりははるかにいいことなので、よかったんだとは思いますけど・・・
来季は元の年俸を取り戻す以上の活躍をしてもらえたらうれしいですね。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2010/12/17(金) 21:10:26|
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ラインの護り発動

12月はいろいろとありますけど、今日16日は第二次世界大戦後半の1944年にヒトラーの乾坤一擲の大反撃「ラインの護り」作戦の発動された日ですね。
いわゆる「バルジ大作戦」です。

独軍はこの一大反攻のために東部戦線からも兵力を引き抜き、西側連合軍、特に米軍の戦線の中でも兵力の薄い箇所にぶつけます。
その数20個師団約25万人。
一方米軍は約6万人でした。

ドイツ軍はパイパー中佐の部隊を先頭に無理やり米軍戦線に切り込んでいきました。
その中核にはケーニッヒティーゲルが配備されており、その威力を見せ付けたように言われますが、実際は機動性に乏しいケーニッヒティーゲルよりも、パンターのほうが活躍をしたみたいです。
KTH1.jpg  パンター

結局は独軍の攻勢はやがて先細りになっていくわけですが、ウォーゲーマーとしては何とか歴史よりも上手く攻勢を行いたいと思うものでして、さまざまなアルデンヌ戦のゲームをやったりするわけです。
また「バルジ大作戦」(EP/CMJ)をやりたくなりますね。
eww4.jpg  023.jpg

それにはやはり実際の戦闘がどう行われたかを知るのが一番。
ということで、久しぶりに「アルデンヌ攻勢」(学研)を読み返そうかなぁと思った本日でした。
アルデンヌ攻勢

それではまた。
  1. 2010/12/16(木) 21:09:33|
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真冬日

今日はむちゃくちゃ寒いですー。

最高気温で氷点下1.5度(マイナス1.5度)の真冬日。
1月下旬の寒さだそうで。
17時の気温はなんと氷点下7.6度(マイナス7.6度)で、明日の朝方の気温の予報が氷点下9度(マイナス9度)だとか。
今晩は水道凍結を防ぐためにも元栓締めにゃならんかな。

それにしてもいきなりの真冬日には参りました。
昨日の昼間は冷たいとはいえ雨だったので、路面に雪はなかったのですが、今日はこの有様。

20101215(2).jpg
近くにある小さな公園ですが、ベンチが雪に埋もれてます。(笑)

20101215(1).jpg
こっちはブランコの周囲に近所からの除雪された雪が盛り上がっています。

昼ごろ撮った写真なんですが、雪が降っていたせいで薄暗いです。
札幌には小さな公園があちこちにあるんですが、冬はこうして雪捨て場になるんですよね。

多分これはもう根雪になるんでしょう。
来年の3月末ぐらいまで雪に埋もれる生活です。
やれやれだ。

明日の朝は下手したら日本酒も外に置いておくと凍りそう。
北海道の冷蔵庫はものを凍らせないためにあるといいますが、今日は実感できますよー。

寒い季節です。
皆様もお風邪など召しませぬよう充分ご注意くださいませ。

それではまた。
  1. 2010/12/15(水) 21:16:57|
  2. 日常
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おのおの方、討ち入りでござる

今日12月14日は名高い「元禄赤穂事件」の赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日ですね。
正確には太陽暦に直すと1703年1月30日のことになるのですが、まあ、12月14日が討ち入りの日ということでかまわないでしょう。

この赤穂浪士の討ち入りをきっかけに、虚虚実実入り乱れて作られた物語が「忠臣蔵」であることは間違いなく、そのため、どこまでが事実でどこからが創作なのかがわかりにくくなっているのも確かなことだと思います。

ともあれ、この赤穂浪士の吉良邸討ち入りにおいて主役となったのが、大石内蔵助良雄(おおいしくらのすけよしたか:よしおという説も)でした。
そこでこの大石内蔵助のことをちょこっと書いてみます。

大石内蔵助良雄は、万治2年(1659年)に赤穂浅野家家老の家に生まれました。
石高は1500石。
赤穂浅野家は当時5万石でしたから、家臣で1500石というのは大きいものだったと思います。

大石家はもともとは藤原氏の一族藤原秀郷の末裔である小山氏の一族だそうです。
代々近江の国の大石庄(現滋賀県大津市)で暮らしていたため、大石性を名乗るようになったといいます。

大石家と浅野家のかかわりは、内蔵助の曽祖父大石良勝(おおいしよしかつ)の時代からでした。
豊臣秀吉の義弟浅野長政の家臣となった大石良勝は、大坂の陣で見事な働きを見せ、大いに長政を感心させたといいます。
そのため長政は、大石良勝を三男浅野長重の永代家老として取り立て、長重の子浅野長直が赤穂浅野家として転封されたのに付き従い、大石家も赤穂へとやってくることになったのでした。

大石良勝は赤穂浅野家の家老という職を大過なく勤め上げ、その職を息子大石良欽(おおいしよしたか)に継がせます。
良欽は徳川家康の重臣だった鳥居元忠の子忠勝の娘を嫁にもらい、大石良昭(おおいしよしあき)をもうけます。
この大石良昭が岡山藩の重臣池田由成の娘を娶り、もうけた子が大石内蔵助良雄でした。

内蔵助15歳の折、父の良昭が他界。
そのため内蔵助は、祖父良欽の養子となり、19歳で祖父から家老職を継ぎます。
赤穂浅野家家老大石内蔵助の始まりでした。

21歳で筆頭家老となった内蔵助は、決して有能な家老というわけではなかったといいます。
多くの資料では凡庸と評され、「昼行灯」とも言われておりました。
「松の廊下刃傷事件」がなければ、大石内蔵助の名は、歴史の片隅に埋もれてしまっていたことでしょう。

元禄7年、備中松山水谷家が改易となり、赤穂浅野家に城を受け取る収城使となるよう命が下ります。
このとき内蔵助は松山城に単身で乗り込み、徹底抗戦を叫ぶ水谷家家中をなだめ、家老の鶴見内蔵助を説得して城を開城させたと言います。
その後明け渡された松山城に在番としてとどまり、約1年半あまり松山城を管理しました。
このときの経験が、のちの赤穂城明け渡しに際して役に立ったことは疑いないと思われます。

この後は多くの人がご存知の「忠臣蔵」に登場する大石内蔵助となっていくわけですが、のちに大石家は三男大三郎良恭(だいざぶろうよしやす)が広島浅野本家に召抱えられることとなり、知行1500石そのままで再考されました。

あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし

大石内蔵助の辞世の句(異説あり)ですが、彼はいったい最後に何を思っていたのでしょうか。

内蔵助のことを書くつもりでしたが、大石家の流れになってしまいました。
お許しくださいませ。

それではまた。
  1. 2010/12/14(火) 21:30:42|
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ついに500号

タミヤから「タミヤニュース」の500号が届きました。

news500.jpg
こちらが表紙。
アメリカ軍のヘリ部隊のマークだそうです。

それにしてもすごいですねー。
ついに500号ですよ。

第1号の発行が1967年だそうですから、すでに40年以上の歴史があるのですね。
本当に驚きです。
しかも狙ったかのように2011年1月号が500号とはこれまたすごい。

でも、500号だからって別に増ページなわけでも特集が組まれているわけでもないという。
せいぜいが、第10号の「模型ファンをたずねて」に登場なされた俳優の石坂浩二氏と元タミヤの社員だったというイラストレーターの大西將美氏が「タミヤニュース500号によせて」という文章を載せられているぐらいでしょうか。

とはいえ、見開きでカラーページを設け、1号から500号までの表紙を全部網羅して見せてくれたのはすごい。
かつて購入していたころの表紙も(当然)しっかり載っておりました。

今回の「模型ファンをたずねて」はタレントの所ジョージ氏。
所氏も結構模型は作られるんだそうですね。

新製品の紹介では1/350という大型スケールの重巡「利根」がやはりの大迫力。
全長576ミリといいますから、60センチ近い大きさです。
その分お値段も結構しますけどね。

ほかには人形改造コンテストの入賞作の紹介などもあり、いつもながらのタミヤニュースでした。

来月は501号。
また新たな一歩として、1000号目指して続けていってほしいものですね。

それではまた。
  1. 2010/12/13(月) 21:23:53|
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兵棋演習

今日も先ほどまでNHKドラマ「坂の上の雲」を見ておりました。

今日は第二期の第二回目。
ついに正岡子規が亡くなってしまいました。
このドラマでの香川さんも見納めですね。

正岡子規の死のシーンはずいぶんあっさりと逝ったものだなぁと感じました。
もちろん仰々しく苦しんで死ぬシーンを望んでいたわけではありませんが、もう少し最後の言葉とかを言いながら多くの人に看取られて・・・になるのかなと思っていましたので。

興味を引かれたのは海軍大学校での兵棋演習のシーンでしょうか。
まさしく私のやっているウォーゲームそのものでしたね。
もともとウォーゲームはここから発生しているので、当然といえば当然ですが。
サイコロを振って損害判定(逆に言えば相手に与えたダメージ)を行うのも、ウォーゲームも同様です。

もっとものちの日本海軍では、ミッドウェー海戦時の兵棋演習のときに米軍の能力を恣意的に下げて、「今の命中は三分の一とする」なんてことをやってしまったりして意味を成さなくなってしまったりいたしますが。

次回はいよいよ日露開戦ですね。
どのように戦闘シーンを見せてくれるのか。
それがとても楽しみです。

それではまた。
  1. 2010/12/12(日) 21:18:52|
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またまたまたまた新しいリンク先です

またまたうれしいことにリンク先様が一つ増えました。

Pixiv等で素敵なイラストを描かれておられます彗嵐様の、「彗嵐のでんのぅおもちゃばこ」様でございます。
(サイト名クリックでリンク先に飛べます)

Pixivをご覧になられます方は、彗嵐様のお名前で検索されますとおわかりになられるかと思いますが、彗嵐様は女性の異形化や怪人化、魔物化などのイラストを描かれておられます。
そのため、そういった系統が好きな私は以前からお伺いしておりましたが、このたびブログを開設なされましたということで、リンクさせていただくこととなりました。

彗嵐様のイラストは先日のあおば様同様どことなくほんわかした柔らかい感じのイラストでございます。
そのため女性の柔らか味なども余すところなく表現されておられますので、なおさら異形化や怪人化が際立って見えてきます。
その上でなお女性らしさも残されておられ、まさに私の理想といえるでしょう。

ブログ自体はまだ開設したばかりということですので、これから中身が充実されていくことになるとは思いますが、どのような作品で満たされていくことになるのか、今からとても楽しみです。
彗嵐様、このたびはリンクありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

それではまた。
  1. 2010/12/11(土) 21:35:09|
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キツネセンセの新作

もうとっくの昔に単行本第一巻が発売になっておりますので、ご存知の方も多いでしょうが、天王寺キツネ先生(ひらがなのきつねから改名だそうで)の新作マンガ「うぽって!!」です。

こちらが表紙。
201004000057.jpg
恥ずかしながらつい先日このマンガのことを知りました。

「うぽって!!」ってタイトルはなんじゃらほいって思っておりましたけど、てっぽう(鉄砲)の逆読みなんですねー。
はい、内容を読んでようやくそのことに気が付きましたとも。(笑)

最近の萌え系擬人化マンガの一つなんでしょうか。
軍用銃擬人化マンガです。
表紙の女の子が持っている軍用銃が、この少女自身でもあります。
つまり、自分が自分を持って撃つという。
な、何じゃそりゃ・・・

内容はふつーに面白いです。
いわゆる学園モノになっており、銃が人間の姿で銃のことを学ぶ学校に通ってます。
そこになぜか本物の人間の教師がやってきて・・・
というわけですが、この学校、口径と使用銃弾で高等部(7.62ミリ系)、中等部(5.56ミリ系)、初等部(拳銃弾を使うサブマシンガン系)に分かれており、主人公はベルギー製FNCアサルトライフル(5.56ミリ系)のために中等部に属してます。
いろいろと銃の豆知識的な話も出てますので、銃器マニアのキツネ先生の本領発揮というところでしょうか。

ただ、迷走しているという感じが無きにしも非ずですね。
今後どのような展開にもって行くつもりなんでしょうか。
銃器と人間のほのぼの恋愛モノ?

脚フェチ舞方としては、キツネ先生のいつもながらの黒スト美脚を見せてくれた高等部のじーすり姉様(G3:ドイツ製なのでゲードライと読みたい気はする)にめろめろです。

天王寺キツネ先生の新作ですので、まずは今後に期待というところでしょうか。
じーすり姉様の黒スト脚をもっと見せてくださいませ~。

今日はこれにて。
それではまた。
  1. 2010/12/10(金) 21:26:16|
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二敗目食らってしまいました

今日は札幌はとても寒い一日でしたが、札幌ドームだけは熱かったみたいですね。

北海道日本ハムファイターズにドラフトで一位指名を受けた早稲田大学の斎藤佑樹投手の、入団発表記者会見&お披露目が行われ、なんと八千人ものお客さんが札幌ドームに集まったそうです。
テレビも各局が生中継をして、その模様を放送。
斎藤投手の日本ハムユニフォーム姿もばっちり紹介されてました。
来季、一軍で投げられるかどうかはまだわかりませんが、怪我なくしっかりとトレーニングして早く一軍のマウンドに立ってくれることを期待です。

この記者会見にぶつけてきたのかという感じなのが、東北楽天の田中将大投手の契約更改ですね。
なんとプロ入り五年目で二億円を突破したとのことでした。
実力の世界ということですが、すごいことですねー。
斎藤投手との差が今の時点ではこれだけ開いているということでしょう。
この差がこれからどうなっていくのか、楽しみですね。

私のほうは信長様とVASLでのASL-SKのリーグ対戦を、先週今週と行いました。
シナリオはS2「WAR OF THE RATS」
1942年のスターリングラードの戦いです。

S2初期配置
これが両軍の初期配置でした。
青い駒がドイツ軍、茶色がソ連軍です。
私は攻撃側のドイツ軍を担当しました。

ドイツ軍はソ連軍が守備する建物を奪わなくてはなりません。
信長様のソ連軍はそうはさせじと守ってくるわけです。

独軍の攻撃は序盤から躓きっぱなしでした。
煙幕を展張して道路を渡ろうとしたのですが、煙幕を張れずにストップしてしまう部隊が続出。
やむなく路上に突撃した部隊もソ連軍の射撃に射すくめられ、二ターン目にソ連軍と白兵戦になった部隊も、ソ連軍の徴集兵とこちらの9-1指揮官+エリート分隊と相互除去になってしまいます。

さらに独軍を悲劇が襲ったのは四ターン目でした。
独軍最高の9-2指揮官と機関銃を持った二個分隊のスタックにソ連軍の射撃が炸裂。
一瞬にして9-2指揮官が除去となり、分隊もすべて混乱してしまいます。
その上ソ連軍は増援が登場し、戦力が増強されてしまい、この時点で独軍に勝機はほぼなくなりました。

五ターン目に起死回生を狙って一個分隊がソ連軍の増援部隊三個分隊+9-2指揮官に白兵戦を仕掛けます。
ここでピンゾロが出ればソ連軍はすべて除去となるので、独軍にも勝機が生まれるのです。
しかも、ここで不意打ちを取ることができ、サイコロ二個で3以下が出ればソ連軍を全部除去できるという願ってもない事態に・・・

しかし、夢はかなわずこちらの攻撃は効果なし。
逆に一個分隊が除去されて万事休す。
最後は独軍に勝機がまったくなくなり投了となりました。

これで今年のリーグ戦は五戦で三勝二敗となりました。
今日も6ゾロ様が四戦全勝なので、優勝がまた一歩遠くなってしまいました。
しかしまだ直接対決もあるので、優勝目指してがんばります。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2010/12/09(木) 21:10:01|
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エチオピア戦争(14)

1936年5月2日、フランス領ソマリランド(現ジブチ)に脱出したハイレ・セラシエ皇帝は、そこから船で英国へと向かいました。
彼は一縷の望みをかけて、国際連盟に彼自らが姿を表してエチオピアの現状を訴えることで、何とかイタリアの侵略を止めることができないものかと考えていたのです。

しかし、皇帝自らが首都を捨てて国外へ脱出したという事実は、その思惑がどうであれ国民にとっては納得できるものではありませんでした。
エチオピア国民はこのことを忘れず、後々までハイレ・セラシエ皇帝の治世に影響を残すことになります。

5月5日、ついにイタリア軍は、エチオピアの首都アディスアベバへの入城を果たします。
皇帝の脱出した首都は、もはや治安を守る者もなく混乱の局地にあり、暴動と略奪が荒れ狂っておりました。
イタリア軍はそんな中で武力抵抗するものなどを捕らえるとただちに処刑し、占領政策を始めます。

ソマリランド方面から侵攻したグラツァーニ将軍麾下の部隊も、「ヒンデンブルク・ライン」を突破した後はエチオピア東部の制圧を進め、5月8日にはハラールを占領。
これでエチオピア軍の抵抗はほぼ潰え去りました。

5月9日、イタリアは以前からの植民地であるエリトリア及びイタリア領ソマリランドと、エチオピアを合わせた地域にイタリア領東アフリカ帝国の建国を誇らしげに宣言します。
帝国の皇帝には、イタリア国王エマヌエーレ三世がそのまま即位いたしました。
この瞬間、アフリカ最古の独立国は消滅し、エチオピアはイタリアの植民地となったのです。

1936年6月30日
国際連盟の総会が開かれました。
席上イタリア代表は、「わが国は文明の使者としてエチオピアに公正と解放をもたらす聖なる使命を完遂した」とエチオピアを占領したことを述べ、「文明国の責務を果たしたイタリアが、経済制裁を受けているという異常事態はいかなることか」として、経済制裁の解除を求めました。
一方、英国に亡命していたハイレ・セラシエ皇帝がそれに反論し、「イタリアはエチオピア人が文明人でないために(侵略も毒ガス使用等も)赦されるとしているが、それは事実ではない」として熱弁を振るいますが、各国の賛同を得ることはかないませんでした。

結局イタリアのエチオピア侵略は黙認され、経済制裁すら賛成多数、反対はエチオピアの一票だけという結果で解除されてしまいます。
国際連盟には、国際紛争を解決する力がないことをまざまざと見せ付けた瞬間でした。

「(第二次)エチオピア戦争」は終わりました。
双方の損害、特にエチオピア軍の損害はかなりなものだったと思いますが、はっきりした数字はわかりません。
これによってイタリアはようやくエチオピアを植民地として支配することに成功したわけですが、まだその領土の三分の二は支配できておらず、その支配にはさまざまな困難が待ち受けておりました。

エチオピア人は各地でレジスタンス活動を行い、グラツァーニ将軍も爆弾テロの標的として狙われます。
イタリア軍もそれに対して厳しい態度で臨んだため、各地で衝突が絶えませんでした。
エチオピア人指導者は多くが処刑され、エチオピア正教の聖職者たちも多くが処刑されました。

イタリアはイタリア人百万人を入植させる計画でしたが、こうしたエチオピア人の抵抗も根強く、わずか十四万人程度にとどまりました。
しかもその大半は現地に根付くことができず、十万人以上がイタリアへ戻ったとも言います。

1939年9月、ドイツ軍がポーランドに侵攻し第二次世界大戦が始まります。
翌1940年6月、オランダ、ベルギー、フランスの相次ぐ敗退にイタリアも枢軸国として急遽参戦。
火事場泥棒のようだと非難されましたが、フランス領の一部を手に入れることに成功します。
そして、アフリカでも英領ソマリランドを手に入れようと侵攻し、一時は占領いたしますが、英国軍の反撃が始まると、イタリア軍はじょじょに押され始めました。

1941年に入ると、フランス軍と英軍の共同攻撃によりエリトリアのイタリア軍が壊滅。
英国に亡命していたハイレ・セラシエが英軍とともにエチオピアの地を再び踏みしめます。

イタリア軍の敗走はとどまるところを知らず、ついにエチオピアのイタリア軍は抗戦を断念して降伏。
イタリア領東アフリカ帝国は、わずか5年で崩壊します。
ハイレ・セラシエが、首都アディスアベバに帰還したのは、くしくもイタリア軍が1936年に入城した5月5日のことでした。

エチオピア戦争 終


エピソード

大日本帝国陸軍の参謀として、とかくいろいろと言われることの多い服部卓四郎大佐(最終階級)は、大尉の時にこの(第二次)エチオピア戦争の観戦武官としてエチオピアの地に赴任しております。

高知県香南市にある「近森大正堂」様という菓子店では、「エチオピア饅頭」という一口サイズのお饅頭を販売していらっしゃいます。
漉し餡を包んだお饅頭ということですが、残念ながら私は食べたことはございません。
現在ではエチオピア大使館からの公認もいただいているお饅頭とのことですが、この「エチオピア饅頭」という名前の由来が、(第二次)エチオピア戦争で粗末な武器しかないながらも勇敢に祖国防衛のためにイタリア軍に立ち向かうエチオピア兵のことを新聞記事で知った当時の初代店主が、そのことに感動して名づけたというものだそうです。

                      ******

参考文献
「コマンドマガジン日本版第27号」(国際通信社)

参考サイト
「Wikipedia エチオピアの歴史」
「Wikipedia 第一次エチオピア戦争」
「Wikipedia 第二次エチオピア戦争」
「Wikipedia ベニート・ムッソリーニ」
「Wikipedia ハイレ・セラシエ一世」


今回もお付き合いくださいましてありがとうございました。
8月からところどころ間を空けて14回続けてきたわけですが、エチオピアとイタリアというどちらかというとマイナーな両国間の戦争を知っていただければ幸いです。
また、資料等によっては若干違う部分もあるかと思いますが、ご了承くださいませ。
  1. 2010/12/08(水) 21:23:05|
  2. エチオピア戦争
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3年ぶりの海自特集

毎号購入している「世界の艦船」(海人社)の今月号は、2008年1月号以来の海上自衛隊特集でした。

世界の艦船201101
表紙はこちら。
ヘリコプター搭載型護衛艦ひゅうがの正面からの画像ですね。
空母型の船型がよくわかります。

今回の特集は、1月号恒例の海上自衛隊特集。
アメリカ海軍特集と同様に3年おきぐらいに特集が組まれます。
現有海上自衛隊の全艦艇が、モノクロではありますが写真で紹介されますので、ページ数も多いです。

北海道民としては、第一管区海上保安本部所属の巡視船そうやが、このほど延命工事を終えて釧路に戻ってきたという写真記事が載っており、きれいに改修されたそうやの写真に目が行きました。
もう船齢もかなりになるベテラン巡視船ですが、これでまだ15年ほどは使うようで、北の海の守りにまだまだがんばってもらうことになりそうです。

記事としては、先日の尖閣諸島問題に絡んで、海上自衛隊の島嶼防衛の作戦能力なる記事が載っておりました。
また、現有16隻の潜水艦も22隻体勢に増勢するとのことで、原子力動力潜水艦の取得も視野に含めるべきではないかとの一文もありました。

客船では世界最大の客船の二番船アリュール・オブ・ザ・シーズの写真が載っておりましたが、まあ、何というか巨大な建造物ですね。
総トン数で22万5千トンと言いますから、そこらのタンカーも顔負けです。
全長も360メートルといいますから、日本配備の原子力空母ジョージ・ワシントンよりも長いのです。
船客も6300名に達するというのですが、乗組員も3000人ぐらいはいるんでしょうね。
だいたい最近の客船は、乗客二人に乗組員一人の割合みたいですから。
劇場やプールはいうに及ばず、アイススケートのリンクまであるというのがすごいです。
船内でアイスショーですよ。
すごいですねー。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2010/12/07(火) 21:31:23|
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ギャップが楽しい

今日はまた一つ新しいリンク先のご紹介です。

私の過去作「強奪」を掲載していただきました「人形姫」様に素敵なイラストを投稿されていらっしゃいました、あおば様のサイト「あるなな。」様です。
(サイト名クリックでリンク先に飛べます)

あおば様とは、「人形姫」様を通じてお互い名前は存じているというレベルの知り合いでございましたが、ツイッターなどを通じていろいろと会話などをさせていただき、このたびリンクを快く承諾していただきました。

あおば様の描かれるイラストは、「あるなな。」様をご覧になっていただきますとおわかりになられると思いますが、とても柔らかな雰囲気のイラストを描かれるお方です。

ですが、油断してはいけません。
あおば様のイラストは、なかなか猟奇的だったり、触手だったり、機械化だったりするのです。
そのギャップがまたとても不思議な魅力を放っておりまして、きっとご覧の方々の心を虜にすると思います。
私もあおば様のイラストはとても大好きです。

あおば様、このたびはリンクをお受けくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

今日はこれにて。
それではまた。
  1. 2010/12/06(月) 21:28:25|
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第二期開始

先ほどまでNHKを見ておりました。
もちろん「坂の上の雲」です。

今日から第二期が始まりましたね。
今期は計四回ということで、いよいよ日露開戦から戦争前半に差し掛かる部分ということのようです。
来週は正岡子規が亡くなるということで、香川さんの演技がこれでみられなくなるというのはちょっと寂しいものがありますね。

今日の放送では戦艦「朝日」が冒頭に登場しました。
「朝日」はこの後連合艦隊の主力戦艦の一隻として日露戦争に参加し、日本海海戦でバルチック艦隊を迎え撃ちます。

その後は大正期に入りワシントン海軍軍縮条約にて練習艦となりますが、なんと潜水艦救難器具も装備して潜水艦救難艦としての機能も持たせてあったそうです。
そして昭和期に入ると工作艦(艦艇の修理や維持補修を行う機能を持った艦)へと改修され、中国で現地の日本軍艦艇の維持補修に当たりました。

最後は太平洋戦争で米軍潜水艦の雷撃により沈没することになりますが、明治、大正、昭和と三つの期間にわたって使用された息の長い艦となったのです。

日本海海戦は来年の第三期での放映となりますが、そのときには三笠以下の日本戦艦四隻のうちの一隻として活躍するシーンを見せてくれるのではないでしょうか。
放送が楽しみです。

それではまた。
  1. 2010/12/05(日) 21:14:09|
  2. 映画&TVなど
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今月は一号戦車

昨日は当ブログの250万ヒット達成に、多くのお祝いコメントをお寄せくださいましてありがとうございました。
今後も自分なりに精一杯がんばってまいりますので、どうか今後とも応援よろしくお願いいたします。

そして、今朝は一件のニュースに非常に驚かされました。
プロ野球の東京ヤクルトスワローズが、インターネット広告会社のサイバーエージェントに身売りするというニュースです。
横浜ベイスターズの身売りが取りざたされたばかりでしたので、ヤクルトもかと衝撃を受けましたが、どうやら今のところヤクルト球団が身売り報道を否定しましたね。
来季はヤクルトのままで行くことは間違いないようです。
ですが、抜本改革がなされないと、今後も身売り報道は出てきそうですね。

今日はグランドパワー誌の今月号のご紹介。

GP1101.jpg
こちらが表紙。
今月はドイツの一号戦車が中心特集です。

一号戦車は、第一次世界大戦後のドイツの最初に開発した戦車ですが、もともとは訓練用の軽戦車として作られたものの、その後第二次世界大戦の勃発で大戦前半はドイツ装甲師団の主力として使われ、のちには偵察や連絡用として大戦中期まで使われるという息の長い戦車となりました。

今月号で私が驚いたのは、資料写真などで見かける一号戦車は主にB型が多かったため、生産数もB型のほうが多いと思っていたのですが、実際はA型のほうが生産数が多かったということでした。
なんとA型が1000両以上作られたのに対して、B型は400両程度しかなかったということで、写真の多さが生産数とは比例しないということを感じさせられました。

ほかにも一号戦車の車台を利用した指揮車両や、大戦中盤に登場した重装甲の一号戦車F型なども紹介されており、いろいろと知らないことも載っているようなので、楽しんで読んでいきたいと思います。

今日はこれまで。
それではまた。
  1. 2010/12/04(土) 21:28:39|
  2. 本&マンガなど
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250万ヒット到達

おはようございます。

日付の変わった本日午前1時過ぎ、当ブログはついに250万ヒットに到達いたしました。

2005年7月16日の開設以来、延々と積み重ねてきた日数は1967日。
250万という数字は本当に開設当初には夢にも思わなかった数字です。

これも本当にひとえにご訪問くださいます皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。

しかし、皆様にこの二ヶ月間何をしていたとお叱りを受けますのは必至なのですが、記念SSが完成しておりません。
これも長編というならいざ知らず、今回のは二三日程度の短編となりそうです。
ですが、近いうちには何とか公開にこぎつけようと思っておりますので、どうか少しの間お待ちくださいませ。

これからも「舞方雅人の趣味の世界」を、どうか応援よろしくお願いいたします。
本当にありがとうございます。

それではまた。
  1. 2010/12/03(金) 10:16:52|
  2. 記念日
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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