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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ディメンザー人ヅェズー(4)

「ディメンザー人ヅェズー」も今日が四回目。
最終回となります。
今回はちょっと毛色の変わった感じのものになったかなという気がしますが、いかがでしたでしょうか?

それではどうぞ。


4、
「お母さん・・・」
食欲など沸きはしない。
隣のおばさんが心配しておかずを作って持ってきてくれたのだが、亮太は少し口をつけただけで残してしまった。
村雲綾子からも電話があったが、やはり今日も母は出勤していなかった。
間違いなく母はディメンザー人に連れて行かれてしまったのだ。
一刻も早く取り戻しに行きたかったが、亮太にはディメンザー人がどこにいるのかわからなかった。
相手の波動が感じられなくては、位置を知るすべが無い。
パワードボーイは常にディメンザー人の侵略に対処するだけ。
こちらから打って出ることはできなかったのだ。
それがとても悲しかった。

ディメンザー人に連れて行かれてしまった人がどうなるのか正確にはわかっていない。
ただ、二度と戻ってくることはないというのだけはわかっている。
でも、その前例をくつがえすのだ。
なんとしてもお母さんだけは取り戻して見せる。
亮太はそう固く決意していた。

「はっ?」
じわっと感じる不愉快な波動。
パワードボーイである亮太には特殊な感覚が備わっており、異次元人の活動による微妙な波動を感じることができていた。
「ディメンザー人だ」
すっくと立ち上がる亮太。
いつもなら遊びに行くような振りをしたりするのだが、今日はそんな必要はない。
もっとも、出かける亮太を見送る母の表情はいつも硬く、亮太がどこへ行くのかはわかっていただろう。
「お母さん・・・待っていて」
亮太は玄関を飛び出すと、光に包まれて変身した。

          ******

「おほほほほほ・・・いいわぁ。もっと暴れなさい、ヴィリザード!」
口元に手を当てて高笑いをするヅェズー。
目の前で繰り広げられている殺戮劇。
ワニのような姿の異次元獣は、その見かけによらずすばやい動きで、異空間に捕らわれた人々を爪とキバで引き裂いていく。
彼女はその様子を見ていて、心から楽しんでいたのだ。
悲鳴が上がり血しぶきが飛び散っていく。
下等な三次元人たちが何もできずに死んでいくのは、とても見ていて気持ちがいい。
まるで夫や息子とセックスをしているような快感さえ感じる。
ディメンザー人のメスとして、下等な生物の死はまさに快楽だったのだ。

「ママ、楽しい?」
異次元獣を暴れさせながら、ヴィヅズは母親となったメスに寄り添っていく。
彼女は目の前で殺されている連中と、以前の自分が同じ種だったなどとはまったく思っていないだろう。
むしろディメンザー人のメスとして三次元人に対し優越感を感じているはずだ。
以前のメスもそうだったから、おそらくこのメスもそうに違いない。
だからこそ可愛い。
このメスはボクの大事なママだ。
誰にも渡しはしない。
ボクの・・・ボクとパパだけのママなのだ。

「ええ、とても楽しいわぁ。三次元人どもの生命エネルギーをすするのもいいけれど、こうしてただ殺していくのも楽しいものねぇ」
異空間に取り込まれた人間は大勢いたが、すでにその三分の二は死んでいた。
必死になって逃げ惑う三次元人たち。
二人のディメンザー人は、それを楽しく見つめている。
「ふふふ・・・ママももうすっかりディメンザー人だね」
「ええ? いやだわヴィヅズったら。私は以前からディメンザー人のメスよ。それ以外の何者でも無いわ」
きょとんとするヅェズー。
「うん、そうだったね。ごめんねママ」
ヴィヅズは母親の手を取ると笑みを浮かべ、ギュッと大事そうに握り締めた。

「待て! ディメンザー人! これ以上は赦さないぞ」
突然漆黒の異空間を切り開いて飛び込んでくる銀色の少年。
青いラインの入った銀色のスーツを身に纏い、その頭部は銀色の仮面に覆われている。
亮太が変身したパワードボーイだ。
「くっ、またしても邪魔するのか、パワードボーイ!」
異空間に飛び込んできたパワードボーイの姿に歯噛みするヴィヅズ。
せっかくのママとの楽しいひと時を邪魔されたのだ。
こちらも赦せるものではない。
「パワードボーイ? お前が我らディメンザー人の邪魔をする憎き敵ね」
ヅェズーも現れた銀色の少年に敵意を燃やす。
私たちが楽しんでいる次元侵略を邪魔する者は、誰であろうと赦さない。
ヅェズーは心の底からそう思った。

「えっ?」
目の前にいるディメンザー人の女性に驚くパワードボーイ。
藤色とも言うべき淡い青紫色の肌をして頭には角を生やし、背中にはコウモリのような羽根が広がるその姿はまさにディメンザー人そのものなのに、その顔はパワードボーイである亮太にはとても見覚えのある顔だったのだ。
「お、お母さん・・・」
思わずパワードボーイがつぶやく。
「お母さん? おかしなことを言うものね。私はディメンザー人のメスヅェズーよ。私の息子はここにいるヴィヅズのみ。お前の母親などであるわけがないわ」
スッと傍らのヴィヅズを抱き寄せるヅェズー。
だが、その仕草は亮太を抱き寄せる母紗織のものにそっくりだった。

『ククククク・・・』
突然パワードボーイのそばで声が響く。
「誰だ!」
辺りを見回すパワードボーイ。
だが、そこには漆黒の異空間しかない。
『ククククク・・・紹介しようパワードボーイ。あのメスは我が妻にして息子ヴィヅズの母であるディメンザー人ヅェズーだ。もっとも、つい先日までは君の母親真木原紗織という三次元人のメスだったようだがな』
異空間にぼうっと現れるディメンザー人ヴィクゥズの姿。
どうやらどこからか投影されているらしい。
だが、そんなことは今のパワードボーイにはどうでもよかった。
耳にしたことがあまりにも衝撃的だったのだ。
「なんだって? お母さんが?」
『そのとおり。あのメスは貴様の母親さ。俺がお前の母親を犯し、ディメンザー人へと変えてやったのだ』
「ディメンザー人にだって?」
『そうだ。お前の母親をひいひいと善がらせてやり、たっぷりと精液を注ぎ込んでディメンザー人のメスにしてやったのさ。今では身も心も我らディメンザー人のメスとなって、三次元人どもを殺しまくって楽しんでいるよ。ハッハハハハハ・・・』
ヴィクゥズの高笑いが異空間に響く。
パワードボーイにはおぼろげにしかわからなかったが、自分の母がディメンザー人の男に穢され、ディメンザー人に変えられてしまったというのだけは理解した。
「うそだ・・・うそだーーーー!」
パワードボーイは絶叫した。

『ヅェズーよ、パワードボーイは混乱している。今のうちに始末するのだ』
投影されたヴィクゥズの映像がヅェズーのもとに近づく。
「ええ、わかりましたわあなた」
ヅェズーは口元に冷たい笑みを浮かべ、黒い唇を先が二つに分かれた舌でぺろりと舐める。
その姿の妖艶さに、ヴィヅズは思わず股間が硬くなるのを感じていた。
なんて素敵なメスだろう。
このメスはボクのママだ。
パパとボクのものだ。
誰にも渡すもんか。
ヴィヅズはそう心に誓った。

「うふふふふ・・・パワードボーイ、今楽にしてあげるわ」
黒革のロンググローブから覗く鋭く尖った爪を輝かせて歩み寄るヅェズー。
「いや、いやだ・・・お母さん・・・お母さん・・・目を覚ましてよお母さん!」
少しずつ後ずさりするパワードボーイ。
変わってしまったとはいえ、目の前にいるのは自分の母親なのだ。
顔つきだって変わらない。
自分の母親と戦うなんてできるはずもないのだ。
「お母さん、元に戻ってよ、お母さん!」
「うるさいガキねぇ。私はお前のお母さんなどではないわ。何度言ったらわかるのかしら」
冷たい笑みを浮かべながら近づいていくヅェズー。
その身がパワードボーイとの間合いに入ったと思った瞬間、彼女の右手が繰り出された。

「ぐあっ!」
左腕を押さえて後退するパワードボーイ。
すっぱりと切り裂かれたスーツから、真っ赤な血が流れ出す。
「おほほほほ・・・どうかしら、私の爪の味は。このままお前を切り刻んでやるわ」
パワードボーイの血が付いた爪を二つに分かれた舌でぺろりと舐め上げるヅェズー。
その顔にはまさに悪魔の笑みが浮かんでいた。
「お母さん・・・やめて・・・元に戻って!」
パワードボーイの言葉もむなしく、再び爪が繰り出される。
「あうっ」
とっさにかわしたものの、わき腹を一筋切り裂かれてしまう。
「お母さん・・・」
「おほほほほ・・・何を混乱しているのか知らないけれど、これがパワードボーイなの? よくも今まで私たちディメンザー人の邪魔をしてくれたものね」
手の甲を口元に当てて高笑いをするヅェズー。

「やあっ!」
ヅェズーの振上げた足がパワードボーイの腹に突き刺さる。
「がはっ!」
ブーツのヒールがめり込み、パワードボーイが蹴り飛ばされる。
そのままもんどりうって地面に叩きつけられるパワードボーイ。
「ぐ・・・」
あまりの衝撃にすぐには立ち上がれない。
「ママ、そのままそいつを殺しちゃえ」
「ええ、もちろんよヴィヅズ。すぐにこいつを始末するわ」
背後にいる“息子”に微笑み、ヅェズーは悠然とパワードボーイに歩み寄る。
腹部を押さえて苦しむパワードボーイを見下ろし、冷たい笑みを浮かべるヅェズー。
その顔が母そのものであることが、パワードボーイを絶望の淵に追いやっていた。

「お・・・かあ・・・さん・・・」
苦しい息で必死に母を呼ぶパワードボーイ。
「うふふふふ・・・死ね、パワードボーイ」
銀の少年の喉目がけて振り下ろされるヅェズーの足。
そのヒールがパワードボーイの喉を直撃する。
「ガッ・・・」
喉の骨が砕けなかったのが不思議なぐらいだったが、かろうじてパワードボーイのスーツは衝撃を受け止めていた。
だが、この一撃でスーツの機能は限界に達し、銀色の仮面が消えていく。
パワードボーイは亮太としての素顔を晒してしまうのだった。

「なかなかしぶといわね。でも、これで終わりよ。死ね! パワードボーイ!」
再び振上げられるヅェズーの足。
「おかあ・・・さん・・・もう・・・やめて・・・」
その声にヅェズーの足がぴたりと止まる。
「え? あ・・・えっ? り・・・亮太? えっ? わ・・・私はいったい?」
はっとしたように足を下ろし、亮太の顔を見下ろすヅェズー。
「私は・・・私はいったい? こ、この姿は? ああ・・・あああ・・・」
自分の両手と躰を見下ろしたあと、突然頭を抱えてしゃがみこむヅェズー。
その様子に思わずヴィヅズは駆け寄った。
「ママ、ママ、しっかりして・・・大丈夫? ママ、ママ」
「ああ・・・ああああ・・・」
頭を抱え込んだまま何かに苦しむヅェズー。
「お母さん! お母さん!」
亮太も苦しむ母に声をかける。
「うるさい! 黙れ! これはボクのママだ。ボクのママなんだ! お前になんかやるもんか!」
「いやだ。この人は僕のお母さんだ。僕のお母さんを返せ!」
にらみ合う二人の少年。
『いかん! ヴィヅズよ、ヅェズーをつれて戻るのだ。今は戻れ!』
ヴィクゥズが次元の穴を用意する。
「うん。さあママ、うちへ帰ろうね」
「え・・・ええ・・・」
よろめくように立ち上がるヅェズーを引き寄せ、次元の穴に消えていくヴィヅズ。
いまだ立ち上がれない亮太には、二人を追う力は残っていなかった。
「お母さん・・・行かないで・・・お母さーーーん」
消えていく異空間に亮太の叫び声が響き渡る。
だが、ディメンザー人の少年に連れ去られた母は、振り返りもせずに消えて行った。
「くそっ!」
握ったこぶしで地面を叩きつける亮太。
やがてゆっくりと立ち上がった亮太は、綺麗に晴れ渡った星空を見上げる。
「お母さん・・・待っていて。必ず僕がお母さんを元に戻してあげるからね・・・」
流れ落ちる涙をこぶしで拭い、亮太はあらためてそう心に誓ったのだった。

                   ******

「ああん・・・あん・・・あん・・・いい・・・いいのぉ・・・オマンコいい・・・ヴィヅズのおチンポ最高よー」
“息子”に組し抱かれながら、ヅェズーは全身を貫く快感に自ら腰を動かしていた。
彼女の性器は“息子”の性器をしっかりとくわえ込み、そのピストン運動をすべて受け止めて射精に導こうとしている。
ヴィヅズもまた、自らの“母”をその手で犯すことこそが愛情であるかのように腰を振り続けていた。
「お前は・・・お前はボクのママだ。誰にもやらない。ボクだけのママだ。忘れるな! お前はディメンザー人のメスヅェズーなんだ。あんな亮太なんてやつのことは二度と思い出すなぁっ!!」
そう叫びながら腰を打ち付けるヴィヅズ。
赦せなかった。
ママが他の種の子供の名を呼んだことが赦せなかった。
もう二度とそんなことはさせない。
このメスはボクのママだ。
ボクの精液で今度こそ完全なるボクのママに変えてみせる。
まるで亮太への憎しみをぶつけるかのように腰を振るヴィヅズ。
その下でヅェズーは絶頂へと駆け上っていく。
「あん・・・ええ・・・もう思い出さないわ・・・亮太なんて知らない・・・私は・・・私はディメンザー人のメスよ・・・私の夫はヴィクゥズ・・・息子はヴィヅズ・・・それ以外の者はすべて敵だわぁ」
「そうだ。お前はボクとパパのものだ。それを忘れるなぁっ!」
「ええ・・・忘れないわぁ・・・私は・・・私は二人のものよ・・・ああ・・・イくイくイくぅぅぅぅぅぅ」
ヴィヅズが精液を注ぎ込むと同時に、ヅェズーの躰は絶頂を迎える。
かすかに思い出されていた亮太の記憶も、まるで風に吹き飛ばされる砂のようにヅェズーの脳裏から消えていく。
新たなる精液がヅェズーの躰に染み渡り、より完全なるディメンザー人へと変えていくのだった。

「ふふふふふ・・・気分はどうかな、ヅェズー」
息子とのセックスを終えた妻に声をかけるヴィクゥズ。
ますます妖艶さを増したヅェズーは、彼にとっても自慢できる逸品だ。
「ああ・・・ええ・・・とてもいい気分ですわ、あなた」
ヅェズーは股間からたれてくる精液を指ですくい、先が割れた舌でその指を舐めていく。
彼女の脇では、息子がすべての力を使い果たしたかのように横になって寝息を立てていた。
その寝顔がとても愛しいものであるかのように、そっとヅェズーは頬を撫でる。
その仕草にヴィクゥズは、完璧な“妻”であり“母”となったメスの姿を見出した。
「ふふふふ・・・それはよかった。次は頼んだぞ」
「はい、もちろんですわ、あなた。我らディメンザー人に歯向かう憎きパワードボーイ。必ずやこの私が始末いたします」
うっとりとした笑みを“夫”に向けるヅェズー。
その目は彼への心酔を浮かべていた。
「うむ。期待しているぞ、ヅェズー」
「あ・・・」
顎を持ち上げ、“夫”は舌を絡ませて妻と唇を合わせていく。
ヅェズーはその身に二人のディメンザー人からの愛を感じながら、パワードボーイを始末することを心に誓うのだった。

END


いわゆる「戦いはこれからだ」ENDともいうべき最後になりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?
それではまた次回作でお目にかかりたいと思います。
ではでは。
  1. 2010/07/08(木) 20:45:25|
  2. ディメンザー人ヅェズー
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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