昨日はテレビの金曜ロードショーで「ポセイドン」をやってましたね。
あれを見ると、リメイク前の「ポセイドン・アドベンチャー」をまた見たくなるのと同時に、今はもう手元にはないスーパーファミコンのゲーム「セプテントリオン」をプレイしたくなってしまいます。
セプテントリオンについてはこちら:「
2006年6月1日の記事」
どこかのメーカーでリメイクしてくれないですかねぇ。
あれはとても好きなゲームでした。
ゲームといえば、今日はVASLでいりやっく様と信長様のASL-SKリーグ2009のプレイオフ対戦を観戦しました。
SKリーグは6人でのリーグ戦をおこなったわけですが、プレイオフと決勝戦が残っておりまして、ブロック優勝の信長様と、ワイルドカードのいりやっく様がプレイオフでの対戦となったわけです。
シナリオはS5「Clearing Colleville」
防御側の独軍をいりやっく様が、攻撃側の米軍を信長様が担当されました。
結果は白兵戦への射撃を撃ち込んだ信長様の前にいりやっく様の独軍が混乱して、信長様が勝利条件を達成いたしました。
これで決勝戦は信長様と私の対戦と決定。
いよいよ決勝戦です。
何とか勝って優勝したいものですね。
でも、そんな私はそのあとでいりやっく様とS9シナリオを対戦し、イタリア軍に負けてしまいました。orz
こんなんで勝てるのか?
と、まあ今日はこんなところで。
それではまた。
- 2010/07/31(土) 21:17:24|
- ウォーゲーム
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毎月購入しているもう一つが「世界の艦船」(海人社)です。

今月の表紙がこちら。
今月の特集は「東アジアの建艦競争」。
冷戦終結後も、東アジアでは艦艇の建艦競争が続いているという状況です。
その際たるものは中国海軍の増強ですが、韓国海軍やインド海軍辺りも増強が続いているようですね。
インドはソ連の空母を手に入れるほか、自国建造も行なっておりますし、中国も近いうちには空母を持つのはほぼ確実な状況です。
東アジアは不安定な状況が続いているということですね。
先日の韓国海軍の哨戒艦撃沈についても記事が載っておりました。
やはり魚雷攻撃を受けたようですけど、魚雷の威力は凄まじいものですね。
こちらもこれからじっくり読んでいこうと思います。
それではまた。
- 2010/07/30(金) 21:18:32|
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今月も「グランドパワー」を手に入れてきました。
今月はソ連軍のBT戦車の特集でした。

こちらが表紙。
今月はかのタミヤ模型から、「BT-7」の1/35ミリタリーミニチュアが発売になります。
そこで「グランドパワー」誌でも特集を組んだということでしょう。
タミヤとの連動はいつものことですけど、やはり売れ行きに影響するんでしょうね。
BT戦車はご存知の方も多いと思いますが、もともとはアメリカのクリスティー技師が開発した戦車をソ連が購入し、独自の発展を遂げて行った戦車です。
そして最終的にはT-34へと進化するわけですが、その途中経過とはいえ、このBT戦車も充分戦力となる戦車だったと思います。
今号ではさまざまな派生車両も掲載されていますので、BT戦車の新たなる側面も見られそうです。
また、巻頭カラーでは、陸上自衛隊の新型戦車である10式(ひとまるしき)戦車が掲載されておりまして、この新型戦車の特徴的な車体を綺麗なカラーで見せてくれているのがうれしいですね。
さて、じっくりと楽しませていただくことにしましょうか。
それではまた。
- 2010/07/29(木) 21:45:44|
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本日7月28日に日付の変わった午前0時過ぎ、当ブログ「舞方雅人の趣味の世界」は
230万ヒットを達成いたしました。
いつもいつも申し述べていますことですが、これもひとえに当ブログにおいでくださいます皆様のおかげでございます。
本当に、本当にありがとうございます。
今回はキリ番ゲットできるかなぁと思って、じっとチャンスをうかがっていたんですが、2299998が来たので、急いでページを更新したところ、2300002でしたよ。orz
五年連続更新記念SSと、今回の230万ヒット達成記念SSにつきましては、何とか近いうちに発表できるようにがんばります。
今回もお待たせしてしまいまして、本当に申し訳ありません。m(__)m
今後とも、「舞方雅人の趣味の世界」をよろしくお願いいたします。
それではまた。
- 2010/07/28(水) 21:15:34|
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今日の札幌は雨模様。
少しは涼しくて助かるのですが、じめじめしていやですよねー。
とはいえ、涼しいおかげで昨日よりは体調もよく、読書にも気持ちを向けることができました。
学研の「歴史群像」の最新巻を読み終えまして、今は学研M文庫の「焦土作戦」を読み返し中です。
3月30日の記事に書きました、「バルバロッサ作戦」の続編でありまして、著者も同じパウル・カレル氏でございます。
スターリングラードでの大敗北後、ドイツ軍が乾坤一擲の一大反撃をおこなったクルスク戦。
そのクルスク戦の描写から上巻が始まりまして、中央軍集団の崩壊する下巻までとなっておりまして、今は下巻を読み返し中です。
前回の記事にも書きましたが、物語として読む分には楽しく、ゲームがやりたくなる本だと思います。
ヴェルキエ・ルキ戦なんかはコマンドマガジン76号に付録がついておりますし、独ソ戦全体のキャンペーンゲームでもある「独ソ戦2」も再販されました。
先日の「札幌歴史ゲーム友の会」では「バルジ大作戦」と「SS D-day」という西部戦線尽くめでしたので、今度は東部戦線もいいかなぁ。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2010/07/27(火) 21:41:38|
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暑いです。
そのせいかちょっと体調が思わしくありません。
おそらくバテもあるのかも。
今日は土用の丑の日ですが、うなぎ買ってきてないし、買ってきててもちょっと食べる気しないなぁ。
そんな中での暑い熱戦は高校野球の南北海道大会の決勝戦。
昨日の準決勝で札幌勢が二校とも姿を消すというがっくりな展開だったのですが、今日の函大有斗対小樽北照の試合は3対4で小樽北照が勝ち、甲子園の出場キップを手に入れました。
北照にはエースの又野投手がおり、プロのスカウトも注目しているとのことですので、甲子園でも活躍して欲しいものですね。
春はベスト8までいったので、夏も勝ちあがって行って欲しいものです。
プロ野球のほうはいよいよ明日から後半戦。
元阪神の藪投手が、ロッテのテストを受けていて、どうやらいい評価をもらっているようです。
ロッテには今岡選手もおりますので、合格したら二人で活躍して欲しいですね。
できれば日本ハム戦以外で。(笑)
ところで阪神は接触しなかったのかな。
投手は充分という判断だったのかなぁ。
7月に入って投手陣が低調な巨人は楽天とトレードを行ないましたね。
栂野投手が放出され、替わりに楽天から朝井投手がやってきました。
栂野投手は結構珍しい苗字だったので記憶に残っていたのですが、巨人を出されてしまいました。
楽天に行ったら一皮向けて活躍して欲しいものですね。
できれば日本ハム戦以外で。(笑)
今日は気力体力ありません。
こんなところで。
それではまた。
- 2010/07/26(月) 21:02:04|
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今日は「札幌歴史ゲーム友の会」にお邪魔させていただきました。
今日は多くの方が顔を見せてくださり、盛況な一日となりました。

サッポロ辺境伯様と暗黒卿様の「突撃レニングラード」(HJ)
拮抗したまま終盤を迎えていたようでした。

つじ参謀様とtaka様の「ジュリアス・シーザー」
すみません。
結果は不明です。
そのほかには今日も6ゾロ様と佐藤様がASLを対戦されておりました。

私はMどりっひ様と「バルジ大作戦」(エポック/CMJ)を対戦いたしました。
独軍を担当しましたが、なかなか進撃をすることができず、米軍にがっちりと守られてしまいます。
サンヴィットを落とすまでは行きましたが、どうにもそれ以上進めません。
結局8ターンでサドンデス負けとなってしまいました。
うーん・・・
やはりソロプレイもしっかりしてなかったので、なかなか順調に進めませんでした。
次回はもう少しうまく進撃できるようにしなくては・・・
早めに終わったのでその後はSSシリーズの「D-dey」(翔企画)を対戦。

こちらも独軍を担当しましたが、米英連合軍の猛攻撃の前に次々と撃破されて盤外に突破され敗北。
二連敗となってしまいました。
残念な結果でしたが、楽しい時間を過ごすことができました。
札幌歴史ゲーム友の会の皆様、ありがとうございました。
それではまた。
- 2010/07/25(日) 20:29:56|
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今年のプロ野球オールスターゲームが終わりましたねー。
今年はセ・リーグの一勝一分けでした。
二戦目はパ・リーグの勝利かなとも思ったのですが、見事に追いついてくれましたね。
ちなみにこういうときにはやはりセ・リーグびいきになってしまいます。
やはり主は阪神なんですよねー。
一戦目は、九回を藤川球児投手が見事に三者三振で締めてくれました。
解説の方も藤川投手の球は、わかっていても打てないのだとおっしゃっておりまして、なるほど打つのが難しいのだろうなと思います。
二戦目の今日は八回にブラゼル選手が同点のホームラン。
久保投手も二回をパーフェクトに押さえてくれましたし、阪神勢が活躍してくれたのがうれしいです。
他にも平野選手やマートン選手、城島選手もそこそこ活躍してくれたようで、後半に向けて弾みとなってくれればいいですね。
ですが、それ以上に話題をさらったのは北海道日本ハムのダルビッシュ投手でしょうか。
オールスターという舞台で新変化球のお披露目とはなかなかやってくれますねぇ。
ある記事によりますと、今回の新変化球でダルビッシュ投手は十三種類の球種を投げられることになるんだとか。
一試合につき三打席、各四球投げてもらっても同じ種類のボールが来ない可能性があることになりますよ。
本当に打つのが難しい投手なのではないでしょうか。
さて、明日は「札幌歴史ゲーム友の会」にお邪魔する予定。
リプレイ記事を読んだり作戦研究を読んだり、Q&Aやルールの明確化をプリントアウトして準備万端・・・といいたいところですけど、ソロプレイがパッとできなかったのでどうなりますことやら。
ドキドキですねぇ。
明日は連合軍に対し攻撃を仕掛けるぞというとき、あの総統閣下もこんなふうにドキドキしたのでしょうか? (笑)
それではまた。
- 2010/07/24(土) 22:13:21|
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明治27年から明治28年にわたっておこなわれた「日清戦争」後、日本は大陸における邦人権益の保護が必要になってきます。
その中の一つには、長江流域における権益も含まれておりました。
そのため日本海軍は、長江で行動するための河用砲艦を建造することにいたします。
とはいえ、当時の日本はまだまだ自力での造船が難しい状況でした。
そのため、明治36年(1903年)計画で建造されることになった二隻の河用砲艦は、いずれも英国で建造されることになったのです。
そのうちの一隻が、東京を流れる隅田川より名前を取った河用砲艦「隅田」でした。
着工からわずか八ヶ月で一応の完成にこぎつけた「隅田」は、河用に作られておりましたので外洋を航行することはできません。
そのため一度分解し、別の船で上海に運び込んでから、再度組み立てるという方法を取りました。
再組み立てが終わったのは明治36年の12月、年の瀬も押し迫ったころでした。
「隅田」はそれから武装などの取り付けなど儀装がおこなわれ、日本海軍の軍艦として就役したのは明治39年の4月でした。
就役までに時間がかかったのは、途中で「日露戦争」が勃発し、工事が中断されていたためです。
完成した「隅田」は、常備排水量が126トンほどしかないとても軽い船でした。
全長は44メートルほどもありましたが、長江の浅い場所でも行動できるようにしているため、吃水(水面下の部分)はわずかに60センチしかありませんでした。
その代わりに幅が7メートルと広く、極論すれば武装したいかだのようなものと言えるかもしれません。

それでも「隅田」は軍艦でした。
日本海軍は独特の艦種区分を持っており、海軍に所属するすべての艦艇が軍艦とはなりません。
大雑把に言えば、艦首に菊のご紋章が付いている艦は軍艦、ついていなければ軍艦以外となります。
戦艦や巡洋艦、航空母艦などは軍艦ですが、駆逐艦や潜水艦は、(あくまで日本海軍の分類では)軍艦ではないのです。
ところが「隅田」は軍艦でした。
はるかに大きい駆逐艦でも軍艦ではないのに、「隅田」が軍艦なのは、やはり長江における日本の権益を警護する艦だったからでしょう。
艦長も、こんな小さな艦にもかかわらず中佐あたりだったはずです。
武装はわずかに6センチ砲が二門と機銃が四丁のみ。
速度は13ノット。
河川交通を警備する艦ですので、これで充分だったのでしょう。
「隅田」は同時期に建造された「伏見」とともに、長江流域での警備活動に従事しました。
第一次世界大戦では、日本は連合国側として参戦しましたが、中国(中華民国)は最初中立を宣言したために抑留されてしまいます。
のちに中国も連合国側で参戦したために解放されますが、これは河用砲艦として河でしか航行できないため、日本に避難することができなかったためでした。
その後も「隅田」は長江での警備活動を続け、上海事変などでもその任を果たします。
昭和10年(1935年)3月に約30年にわたる警備活動を終え除籍。
上海で解体となりました。
このため「隅田」は、日本の軍艦でありながら一度も日本に来たことのない、日本を知らずに生涯を終えた日本軍艦となりました。
これは非常に珍しいことといえるでしょう。
小さくても日本の軍艦としてその威を示し続けた「隅田」
これまた変わった軍艦だったのではないでしょうか。
それではまた。
- 2010/07/23(金) 21:20:42|
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今度の日曜日は「札幌歴史ゲーム友の会」にお邪魔させていただく予定。
すでに対戦予定のゲームも決まっており、とても楽しみです。
対戦する予定なのは、なんとあの「バルジ大作戦」(エポック社/国際通信社)
1981年の発売当時、日本のウォーゲームファンの多くの方がプレイされた名ゲームです。

こちらが1981年発売のエポック社バージョンの箱絵。
もう来年で発売から30年ですよ。
息の長いゲームですよね。

私の持っているのはこちらのほう。
1998年に国際通信社から「コマンドマガジン日本版」の付録ゲームとして再販されたものです。
1981年版のほうは、当時はまったく「作戦級」に興味がなかったので、買おうとは思いませんでした。
友人や先輩方が対戦されていたときも、ふーんて感じで眺めていたぐらいですし。
もちろん当時からウォーゲームは楽しんでおりましたが、私はどちらかというと一ユニットが一機、一両、一隻単位のいわゆる「戦術級」と呼ばれるものに興味があったので、一ユニットが連隊や師団、艦隊や戦隊を現す「作戦級」というのは、どうにも興味をそそられなかったんですね。
その傾向は現在に至るも続いているわけですが、ここ数年はいろいろな方との対戦経験などもあり、また「作戦級」のおもしろさも理解できるようになったので、「作戦級」に対する興味のなさはほとんどなくなりました。
それでも「コマンドマガジン日本版」の付録にならなかったら、この「バルジ大作戦」はいまだに手に入れてなかったかもしれません。
そんな私ですから、この名ゲームを対戦したことがありませんでした。
ソロプレイも数えるほどしかありません。
ところがここ最近、この名ゲームを一度は対戦したいという欲求がずいぶんと高まりまして、機会がないかと思っておりましたところ、今回の対戦が決まりました次第です。
なんだかすごくワクワクしています。
陣営は独軍。
不利といわれる独軍ですが、精いっぱい暴れまくってやりたいですね。
ケーニッヒティーガーの威力を見よって事で。
それではまた。
- 2010/07/22(木) 21:33:32|
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『こちら利根四号機。敵らしきもの10隻見ゆ、ミッドウェーよりの方位10度240浬地点』
1942年6月5日午前五時、索敵に飛び立っていた偵察機からの入電が入る。
機動部隊旗艦である空母「赤城」の司令部では、司令官南雲中将が眉をひそめた。
だが、敵らしきものとは何か?
アメリカの機動部隊なのか?
それとも単なる水上艦隊なのか?
「敵の艦種を知らせよ」
すぐさま利根四号機に打電が送られる。
返ってきた返事はこうであった。
『敵兵力は巡洋艦5隻、駆逐艦5隻なり』
敵の機動部隊ではない。
空母はいなかった。
南雲長官以下にホッとした空気が広がる。
だが・・・
午前五時半。
再び利根四号機から入電。
『敵はその後方に空母らしきもの一隻を伴う』
南雲司令部は混乱した。
いないはずの空母がいたのか?
で、あればどうするべきか?
「赤城」以下の飛行甲板では、ミッドウェー島に対する第二次攻撃の準備が進められていた。
対地上用の爆弾では敵の空母は沈められない。
南雲中将は決断する。
「対艦攻撃装備に換装せよ」
運命のミッドウェー海戦が始まるのだった。
と、まあミッドウェー海戦の出だしをそれっぽく書いてみましたが、この時、アメリカの機動部隊をいち早く発見したのが、重巡洋艦「利根」の偵察機でした。
重巡洋艦「利根」は、昭和9年(1934年)に「最上」型巡洋艦の五番艦として建造が開始されました。
日本の巡洋艦は、基本的には重巡が山の名前、軽巡が川の名前となっており、軍縮条約上軽巡として作られた「最上」型の一隻である「利根」も川の名前を付けられました。
「利根」は六番艦の「筑摩」とともに着工前に設計が見直され、重巡として建造されることが決まっていたのですが、名前はそのままになったのです。
設計が見直されたことによって、「利根」は今までの日本の巡洋艦とはとても印象の違う艦になりました。
なんと、主砲の20センチ連装砲塔を四基すべて艦体の前部に集中して配置してしまったのです。
今までの日本の重巡は、20センチ連装砲塔を前に三基、後ろに二基というのが標準でしたので、まさに見た目にはとても特異な艦に見えたことでしょう。

これによって空きスペースとなった後部甲板は、航空機搭載スペースとして活用されることになりました。
「利根」は水上偵察機をなんと六機も搭載することになったのです。
今までの重巡はせいぜい二機から三機でしたので、「利根」は一隻で重巡二隻から三隻分の偵察機を持つことになったのです。
いわば「利根」は、偵察重視型の重巡でした。
昭和13年11月、重巡「利根」は完成します。
基準排水量は11200トン、全長は200メートルもの堂々たる重巡でした。
武装は主砲が20センチ連装砲塔が四基八門、12.7センチ連装高角砲が四基八門、三連装魚雷発射管が四基十二門という重武装。
主砲塔が一基少ないことを除けば、他の重巡と遜色ありませんでした。
「利根」は同型艦として完成した「筑摩」とともに第八戦隊を編成しますが、その搭載偵察機の多さを買われて、第一航空艦隊、いわゆる南雲機動部隊に配属されます。
そして持ち前の偵察機を使って、機動部隊の目として活躍することを期待されました。
「利根」はその期待にこたえる働きをして見せました。
真珠湾攻撃の時にはハワイ上空の偵察を行ない、貴重な攻撃前の情報を入手します。
インド洋作戦のときも英艦隊を発見したりいたします。
そして運命のミッドウェー海戦。
その日も「利根」からは索敵機が飛ぶ手はずになっておりました。
ところが、射出機(カタパルト)の故障からか(異説あり)、四号機の発進が30分程度遅れます。
この遅れが幸運だったのが致命的だったのかは意見の分かれるところですが、四番機はこのあと冒頭のようにアメリカの機動部隊を発見したのでした。
ミッドウェーの大敗後も「利根」は生き残り、日本海軍の主要な海戦に参加して行きます。
昭和19年のシブヤン海海戦では、敵機の集中攻撃を受けた戦艦「武蔵」のそばで対空射撃に奮戦し、前甲板の四つの砲塔が空に向かって砲撃するさまを見た者が、「まるで龍が口を開けて火を吐いているようだった」と言ったとも言います。
この時爆弾二発を受けたものの、うち一発は不発だったそうで「利根」は健在。
その後のサマール島沖海戦では、米軍の護衛空母艦隊に対し主砲を発射。
数発を命中させたといいます。
その後も生き残った「利根」は呉軍港に係留されておりましたが、終戦間際の幾度となくおこなわれた米軍機の攻撃によりついに大破着底。
そのまま終戦を迎えました。
不遇の生涯を送る重巡が多い中で、「利根」はかなり活躍した部類ではないでしょうか。
主砲塔を一基減らしてまで増やした航空機装備も、充分すぎるほどに役目を果たしたと思います。
最後はスクラップになってしまいましたが、保存しておいてやれればよかったのになぁと思いました。
それではまた。
- 2010/07/21(水) 21:42:25|
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今日もプロ野球ネタです。
先ほど試合が終わりましたが、今日は阪神も北海道日本ハムも勝ちましたねー。
特に北海道日本ハムは三連敗中だっただけに、連敗ストップでやれやれです。
二回は北海道日本ハムらしい畳み掛ける攻撃で一挙に7点取って逆転。
ところが五回に先発の木田投手がつかまって1点差。
もしかしてひっくり返されるのかと思ったところで、ついに出ましたー!!
中田翔選手のプロ入り初の第一号ホームラン!
うまく打ちましたね。
打った瞬間にホームランとわかるあたりでした。
もうね、なんというか入団時からいろいろと注目されてきた中田選手ですけど、ここまではあんまりいいことがなかったような気がします。
膝の手術からも回復したし、このホームランをきっかけにしてドンドン活躍して欲しいですね。
今後に大いに期待です。
一方我が阪神は今日は劇的サヨナラ勝ち。
2対2の延長十回、広島に2点取られてしまったときには万事休すと思いましたが、林選手のソロホームランと鳥谷選手のサヨナラツーランで逆転勝ちでした。
なんと驚き。
この勢いで明日も勝ってオールスターを迎えたいですね。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2010/07/20(火) 21:55:39|
- スポーツ
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暑いですね。
じめじめして湿度80%だそうです。
なんともたまりませんねぇ。
世間は三連休ということで、私もゆっくりしたいところでしたが、いろいろと雑用が入るのが休みの常。
今日もこまごましたことを片付けていたら、ゆっくりするのも難しい。
なんだかんだ言って平日のほうが自分のことができる不思議。(笑)
と、いいながらも、ウォーゲームのルールブックをプリントアウトしたりもしておりました。
ASL-SKの日本語ルールを出力し、クリアファイルに整理整頓。
今まではコピーを綴じて使っていたので、少しは見やすくなったかな。
ルールを再度見直すと、忘れていたこともあるので、気をつけないとと思うことも。
プロ野球では、いよいよオールスター戦が間近になり前半戦も終わりです。
この段階で、今日は北海道日本ハムの中田翔選手が一軍復帰、即試合に出場してましたね。
指名打者として先発出場し、4打数1安打ということでしたが、手術後ということもありますので無理はして欲しくないなぁという思いとガンガン打って欲しいなぁという思いが交錯しちゃいますね。
とにかく体が大事ですので、また故障しないようにして欲しいです。
阪神では金本選手が守備につくことができるようになりました。
これで代打ではなく先発で出られるようになりましたので、阪神をさらに押し上げて行って欲しいですね。
と、まあ、のほほんと過ごした一日でした。
それではまた。
- 2010/07/19(月) 21:27:40|
- 日常
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学研から出版されております「歴史群像」の8月号を読んでおります。

こちらが表紙。
まだ途中ですが、今月号もいろいろとおもしろい記事がいっぱいです。
先日まで開催されておりましたサッカーワールドカップの開催地、南アフリカ共和国でつい最近までおこなわれておりました人種隔離政策「アパルトヘイト」の歴史についても載っておりまして、間接的に日本もこの政策の延命に一役買っていたのだということを知りました。
やはり世界の中での日本というものをよく知ることが大事ですね。
日本のロケット機「秋水」開発エピソードや、メイン記事の「蘭印侵攻作戦」、「アリューシャン戦役」など太平洋戦争の記事も今回は多いですね。
楽しく読んでいきたいと思ってます。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2010/07/18(日) 19:52:19|
- 本&マンガなど
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梅雨のない北海道だというのに、ここ数日はじめじめして蒸し暑い日が続いています。
いっそ雨になってくれればとも思うのですが、各地で豪雨によります被害がでていることを考えますと、安易に雨になってくれとも言えないですね。
ところで、今日のニュースで漫画家の佃公彦氏が亡くなられましたことを知りました。
はて、どなただろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、新聞の朝刊に「ほのぼの君」という四コママンガをずっと掲載なさっていらっしゃった方だと聞けば、ああと思い出してくださる方が多いのではないでしょうか。
私の住む北海道でも、北海道新聞の朝刊にずっと長い間佃氏の「ほのぼの君」が掲載されておりました。
初期には「ちびっこ紳士」というタイトルでしたが、途中から「ほのぼの君」に変更になったそうです。
私はたぶん「ちびっこ紳士」のころから見ていたはず。
北海道新聞での掲載は、Wikipediaによれば13014回にも及んだとのこと。
1970年から2007年までの37年間ですか。
すごいものですね。
私もたかだか5年間という7分の1にも満たない日数ですが、こうしてブログを続けてきましたので、この数字がとてつもない数字であることがよくわかります。
まさに継続は力なりですね。
2007年に掲載が終了したときも寂しいものでしたが、こうしてお亡くなりになられたというニュースを聞き、またあらためて寂しさを感じております。
ずっと楽しませていただきましてありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2010/07/17(土) 21:22:14|
- ニュース
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2005年7月16日からはじめましたこのブログ「舞方雅人の趣味の世界」も、昨日の時点で丸五年間の連続更新を達成いたしました。
今日は六年目の第一歩。
通算で1827日目となります。
本当に我ながらすごいものだとびっくりです。
来年の1月には2000日になりますし、丸六年も達成したいものですね。
何とかがんばっていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします。
五年間連続更新達成記念SSにつきましては、何とか近いうちに掲載しようと思ってます。
ちょっとだけ遅れますことをご容赦くださいませ。
六年目に入りました「舞方雅人の趣味の世界」をこれからもよろしくお願いいたします。
それではまた。
- 2010/07/16(金) 21:10:44|
- 記念日
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もう、今から10年も前の作品を記事にするのもどうかと思うんですが、個人的にすごく気に入っている作品なので記事に書きます。
アダルトゲームメーカー「Overflow」様のアダルトゲーム「PureMail」です。

(パッケージです。向かって左の髪の長い娘が奈川碧)
もうプレイしてかなりの年月が経っているので、細かいところは思い出せませんけど、とてもインパクトがあった作品でした。
クラスメイトでありながら、お互いをチャットでいつも会話する相手とは思わず、やがてそこから話が進み・・・
なわけで、よくある主人公にヒロイン多数いて、そこから選択して仲を深めていくわけですが、純愛ルートと鬼畜ルートに大きく分かれ、やはりその鬼畜ルートが楽しかったです。
特にメインヒロインの奈川碧に関しては、純愛ルートとはまったく違う顔を見せてくれ、声優のダイナマイト☆亜美さんの声と相まって好きなキャラでした。
よくある調教しての奴隷化コースはもとより、なんと選択肢によってはS化して女王様へと化していきます。
それほどハードなものではなく、どっちかというと主人公を召使としてこき使うような感じですが、悪堕ちしたような感じでなかなか楽しいルートでした。
これ以後、ヒロインS化のゲームを捜し求めてみたんですが、なかなか思うようなのはなかったですねぇ。
「淫獄の学園」の沙奈江センセなんかは最高だったんですけどね。
ともあれ可愛らしい女王様の奈川碧にはほれ込んだものでした。
久しぶりにやってみたい気もするけど、今のPCで動くかなぁ。
それではまた。
- 2010/07/15(木) 21:43:36|
- PCゲームその他
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うちがいつもお世話になっておりますLIBIDOS(リビドス)様のブログ「
LIBIDOS -催眠、洗脳、MC(Mind Control)- ブログ」(ブログ名クリックでリンク先に飛べます)でもご紹介されておりますが、このたびLIBIDOS様の新作同人作品、「エターニア城の悲劇3~洗脳された気高き聖女達が家族や恋人に容赦なく襲い掛かる!」が発売になりました。

こちらが表紙。
もう三作目となるこのシリーズ、ファンタジー世界での洗脳された人々の姿を表しておりますが、その凄まじさが半端じゃないです。
単なる悪堕ちや言いなりではなく、バカ堕ちともいうべき意識の変化や、以前とのギャップが桁違いです。
このあたりは多少のくせもあるので、好まない方もいらっしゃるかもしれません。
でも、まさに破壊的な洗脳で女性をこれでもかとばかりに堕としてくれます。
これがあの姫様なのかと、国民だけではなく読者もそう思われること間違いないでしょう。
恐るべしです。
セリフの端々にまさに堕ちたなぁって感じの言葉がちりばめられており、悪堕ち好きにもたまりません。
一作目からのファンの方はもちろん、これを機に一作目から読んでみようかという方にもぜひぜひお手に取っていただければと思います。
なお、販売は複数のDLサイト様にわたるので、価格も少しづつ違うようです。
ご購入の際はお気をつけられるといいと思います。
それではまた。
- 2010/07/14(水) 21:20:32|
- 同人系
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先月、今年の一月号にさかのぼって定期購読の注文をしたタミヤニュースですが、今月号が届きました。

これが表紙。
上のマークは第二次世界大戦中の独軍第355歩兵師団、下は同じく独軍第110歩兵師団のマークだそうです。
第110歩兵師団はバイキングに何か関係あるのでしょうかね。
今月の記事でおおっと思ったのは、ドイツの鉄道模型館の記事。
なんと2000年の12月に着工して、今現在もまだ未完成とのこと。
完成は2014年の予定だそうで、今は完成部分のみの展示だそうです。
「
ミニチュア ワンダーランド」
こちらがホームページです。(クリックで飛べます)
「PICTURES」では館内のさまざまなディオラマの写真を見ることができますし、右側にある日の丸をクリックすれば、日本語パンフレットをPDFで見ることができます。
行ってみたいものですねぇ。
新製品情報では1/35ミリタリーミニチュアにソ連戦車「BT-7」が登場するとのこと。
T-34の直接の先祖であり、バルバロッサ作戦時にもまだ多数が在籍していた戦車ですので、独ソ戦初期のディオラマには欠かせない戦車でしょう。
ノモンハン戦なんかにも使えますね。
ラジコンのバギーやF1、ミニ四駆なども根強いですね。
飛行機では1/32でスピットファイアのマークⅧが登場。
それにしても価格がすごい。
一万円越えですか。
裏表紙はなんとびっくり、アメリカ陸軍航空隊に配備されたスピットファイアマークⅧの塗装図です。
アメリカの星のマークのスピットファイアなんてあったんですねー。
1944年のイタリアに展開した機体のようです。
プラモデルを作らなくなってから久しい私ですが、こうしてみているだけでも楽しいですね。
裏表紙の塗装図のように、まだまだ新しい発見もあります。
これで175円(配送料込み)は安い。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2010/07/13(火) 21:32:40|
- タミヤニュース
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一ヶ月に及ぶサッカーワールドカップ南アフリカ大会も、今朝方の決勝戦で幕を閉じましたね。
延長戦にもつれ込んでの決勝戦は、1-0でスペインの勝利に終わりました。
スペインチームにはお祝いを申し上げたいと思いますし、健闘したオランダチームにも同じように賛辞を送りたいと思います。
楽しい一ヶ月でした。
私はサッカーにはそれほど興味がない人なのですが、それでも世界最高峰のサッカーが集うワールドカップは、見ていてとても楽しいものでしたね。
日本代表も前評判を覆しての決勝トーナメント進出でしたし、日本国内でもサッカーが見直されてきたようです。
時差の関係で深夜から明け方にかけてのTV中継でしたが、夜中に起きだして見たのもいい思いでです。
もう寝不足に悩まされることがないのは、ちょっと寂しくもありますね。
ただ、今回のワールドカップは審判にとりましてはつらい大会だったかもしれませんね。
いくつかの試合で誤審が問題となりました。
決勝戦でもコーナーキックがゴールキックとされ、オランダにとっては不運な状況となりました。
今後に向け、審判の技術向上は求められなくてはならないかもしれません。
四年後の2014年はブラジル大会でしたか。
先のことはわかりませんが、楽しみにしたいと思います。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2010/07/12(月) 21:27:49|
- スポーツ
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今日は参議院議員選挙でしたね。
私も投票に行ってまいりました。
すでに20時を過ぎて開票速報が始まりましたね。
続々と当選確実がでているようです。
毎回言っていることですが、少しでも生活がよくなってくれるといいですね。
私の投じた一票が少しでも役に立ってくれればと願うばかりです。
今晩はこれ以外にもサッカーワールドカップの決勝戦がありますね。
スペイン対オランダの対決です。
どちらが勝っても初優勝とのことで、新たな歴史が刻まれることになるようです。
三位決定戦はドイツが勝ちましたので、これで欧州勢がベスト3を確保したことになりました。
南米勢優位と言われてましたので、この結果は正直驚きました。
おそらく四年後に向けて南米勢はかなり態勢を整えて来るのでしょうね。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2010/07/11(日) 20:26:59|
- ニュース
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昨晩はウォーゲームのSNSで対戦相手募集をなさっておりましたF谷様とVASLでASL-SK対戦。
SK#1に収録されているシナリオS1を対戦いたしました。
このシナリオは、ノルマンディーのVIERVILLE地区に侵入した米軍101空挺に対し、村の再奪取を図る独軍と援軍に向かう米軍増援部隊という双方が攻守に入り乱れるシナリオです。
機関銃などの支援火器が一切出てこないので、分隊の射撃の基本を学べる好シナリオですが、惜しむらくはバランスが結構米軍有利であるというところでしょうか。
今回は私が独軍、F谷様が米軍を担当。
序盤、独軍は何度も対戦しているパターンである西側の部隊を南側に、東側の部隊を北側に入れて米軍の増援に対処するパターンに。
ほとんど損害なく村内の建物に取り付くことができたものの、西側からの部隊が射撃によって指揮官が負傷。
攻勢が頓挫することに。
北からやってくる米軍の増援に対しては、それなりの足止めができたものの、村の中心に陣取る米軍にはなかなか接近できません。
独軍頼みの降下猟兵も、道路を渡るのがうまく行かず、米軍の射撃に射すくめられてしまいます。
そうこうしているうちに北側の米軍は圧力を増し、支えきれなくなった上に後退もできずに除去が相次ぎます。
南側で一ヶ所取り付いたものの、米軍の射撃の前にあえなく追い出されてしまい、ほぼ大勢が決したので投了しました。
やはり米軍は強力です。
独軍はバランス適用を申し出るべきだったかもしれません。
それでも久しぶりのS1シナリオはとても楽しく、なんだか初心に帰ったような気がしました。
F谷様とは初対戦ではありましたが、とてもいい雰囲気で対戦できました。
また機会があれば対戦したいものです。
それではまた。
- 2010/07/10(土) 21:11:53|
- ウォーゲーム
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もうすでに皆様ご存知の方が大半でしょうが、私もいつもお世話になっております悪堕ちサイト「
堕ち玩」様の管理人わぶき様が、新作を発表なさいました。

「オルガナイズド・ヒロインズ02 シン・ザ・キャット」です。
前作「オルガナイズド・ヒロインズ01 機甲銃士ブラスターエンジェル」の続編ですが、たぶん前作を知らなくても充分楽しめる作品ではないでしょうか。
もちろん、前作を知っていることで世界観はばっちりという方は、さらなる興奮に包まれることでしょう。
表紙にもなっておりますが、この可愛い白ネコちゃんが果たしてどうなってしまうのか?
背後にいるメガネっ娘は必要なのか? (笑)
そういった疑問をこれでもかとばかりに圧倒的な破壊力を持ったストーリーで解消してくれます。
手に入れて損はないと思いますよ。
私は個人的にはふたなり系はにがてですが、ここまでドーンと見せ付けられますと、かえって清々しささえ感じます。
また、ヒロインたちが素敵な姿になってくれるので、異形化の一種的に見ることもできました。
ますますパワーをアップしたわぶき様の新作。
きっと楽しめると思います。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2010/07/09(金) 21:43:54|
- 同人系
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「ディメンザー人ヅェズー」も今日が四回目。
最終回となります。
今回はちょっと毛色の変わった感じのものになったかなという気がしますが、いかがでしたでしょうか?
それではどうぞ。
4、
「お母さん・・・」
食欲など沸きはしない。
隣のおばさんが心配しておかずを作って持ってきてくれたのだが、亮太は少し口をつけただけで残してしまった。
村雲綾子からも電話があったが、やはり今日も母は出勤していなかった。
間違いなく母はディメンザー人に連れて行かれてしまったのだ。
一刻も早く取り戻しに行きたかったが、亮太にはディメンザー人がどこにいるのかわからなかった。
相手の波動が感じられなくては、位置を知るすべが無い。
パワードボーイは常にディメンザー人の侵略に対処するだけ。
こちらから打って出ることはできなかったのだ。
それがとても悲しかった。
ディメンザー人に連れて行かれてしまった人がどうなるのか正確にはわかっていない。
ただ、二度と戻ってくることはないというのだけはわかっている。
でも、その前例をくつがえすのだ。
なんとしてもお母さんだけは取り戻して見せる。
亮太はそう固く決意していた。
「はっ?」
じわっと感じる不愉快な波動。
パワードボーイである亮太には特殊な感覚が備わっており、異次元人の活動による微妙な波動を感じることができていた。
「ディメンザー人だ」
すっくと立ち上がる亮太。
いつもなら遊びに行くような振りをしたりするのだが、今日はそんな必要はない。
もっとも、出かける亮太を見送る母の表情はいつも硬く、亮太がどこへ行くのかはわかっていただろう。
「お母さん・・・待っていて」
亮太は玄関を飛び出すと、光に包まれて変身した。
******
「おほほほほほ・・・いいわぁ。もっと暴れなさい、ヴィリザード!」
口元に手を当てて高笑いをするヅェズー。
目の前で繰り広げられている殺戮劇。
ワニのような姿の異次元獣は、その見かけによらずすばやい動きで、異空間に捕らわれた人々を爪とキバで引き裂いていく。
彼女はその様子を見ていて、心から楽しんでいたのだ。
悲鳴が上がり血しぶきが飛び散っていく。
下等な三次元人たちが何もできずに死んでいくのは、とても見ていて気持ちがいい。
まるで夫や息子とセックスをしているような快感さえ感じる。
ディメンザー人のメスとして、下等な生物の死はまさに快楽だったのだ。
「ママ、楽しい?」
異次元獣を暴れさせながら、ヴィヅズは母親となったメスに寄り添っていく。
彼女は目の前で殺されている連中と、以前の自分が同じ種だったなどとはまったく思っていないだろう。
むしろディメンザー人のメスとして三次元人に対し優越感を感じているはずだ。
以前のメスもそうだったから、おそらくこのメスもそうに違いない。
だからこそ可愛い。
このメスはボクの大事なママだ。
誰にも渡しはしない。
ボクの・・・ボクとパパだけのママなのだ。
「ええ、とても楽しいわぁ。三次元人どもの生命エネルギーをすするのもいいけれど、こうしてただ殺していくのも楽しいものねぇ」
異空間に取り込まれた人間は大勢いたが、すでにその三分の二は死んでいた。
必死になって逃げ惑う三次元人たち。
二人のディメンザー人は、それを楽しく見つめている。
「ふふふ・・・ママももうすっかりディメンザー人だね」
「ええ? いやだわヴィヅズったら。私は以前からディメンザー人のメスよ。それ以外の何者でも無いわ」
きょとんとするヅェズー。
「うん、そうだったね。ごめんねママ」
ヴィヅズは母親の手を取ると笑みを浮かべ、ギュッと大事そうに握り締めた。
「待て! ディメンザー人! これ以上は赦さないぞ」
突然漆黒の異空間を切り開いて飛び込んでくる銀色の少年。
青いラインの入った銀色のスーツを身に纏い、その頭部は銀色の仮面に覆われている。
亮太が変身したパワードボーイだ。
「くっ、またしても邪魔するのか、パワードボーイ!」
異空間に飛び込んできたパワードボーイの姿に歯噛みするヴィヅズ。
せっかくのママとの楽しいひと時を邪魔されたのだ。
こちらも赦せるものではない。
「パワードボーイ? お前が我らディメンザー人の邪魔をする憎き敵ね」
ヅェズーも現れた銀色の少年に敵意を燃やす。
私たちが楽しんでいる次元侵略を邪魔する者は、誰であろうと赦さない。
ヅェズーは心の底からそう思った。
「えっ?」
目の前にいるディメンザー人の女性に驚くパワードボーイ。
藤色とも言うべき淡い青紫色の肌をして頭には角を生やし、背中にはコウモリのような羽根が広がるその姿はまさにディメンザー人そのものなのに、その顔はパワードボーイである亮太にはとても見覚えのある顔だったのだ。
「お、お母さん・・・」
思わずパワードボーイがつぶやく。
「お母さん? おかしなことを言うものね。私はディメンザー人のメスヅェズーよ。私の息子はここにいるヴィヅズのみ。お前の母親などであるわけがないわ」
スッと傍らのヴィヅズを抱き寄せるヅェズー。
だが、その仕草は亮太を抱き寄せる母紗織のものにそっくりだった。
『ククククク・・・』
突然パワードボーイのそばで声が響く。
「誰だ!」
辺りを見回すパワードボーイ。
だが、そこには漆黒の異空間しかない。
『ククククク・・・紹介しようパワードボーイ。あのメスは我が妻にして息子ヴィヅズの母であるディメンザー人ヅェズーだ。もっとも、つい先日までは君の母親真木原紗織という三次元人のメスだったようだがな』
異空間にぼうっと現れるディメンザー人ヴィクゥズの姿。
どうやらどこからか投影されているらしい。
だが、そんなことは今のパワードボーイにはどうでもよかった。
耳にしたことがあまりにも衝撃的だったのだ。
「なんだって? お母さんが?」
『そのとおり。あのメスは貴様の母親さ。俺がお前の母親を犯し、ディメンザー人へと変えてやったのだ』
「ディメンザー人にだって?」
『そうだ。お前の母親をひいひいと善がらせてやり、たっぷりと精液を注ぎ込んでディメンザー人のメスにしてやったのさ。今では身も心も我らディメンザー人のメスとなって、三次元人どもを殺しまくって楽しんでいるよ。ハッハハハハハ・・・』
ヴィクゥズの高笑いが異空間に響く。
パワードボーイにはおぼろげにしかわからなかったが、自分の母がディメンザー人の男に穢され、ディメンザー人に変えられてしまったというのだけは理解した。
「うそだ・・・うそだーーーー!」
パワードボーイは絶叫した。
『ヅェズーよ、パワードボーイは混乱している。今のうちに始末するのだ』
投影されたヴィクゥズの映像がヅェズーのもとに近づく。
「ええ、わかりましたわあなた」
ヅェズーは口元に冷たい笑みを浮かべ、黒い唇を先が二つに分かれた舌でぺろりと舐める。
その姿の妖艶さに、ヴィヅズは思わず股間が硬くなるのを感じていた。
なんて素敵なメスだろう。
このメスはボクのママだ。
パパとボクのものだ。
誰にも渡すもんか。
ヴィヅズはそう心に誓った。
「うふふふふ・・・パワードボーイ、今楽にしてあげるわ」
黒革のロンググローブから覗く鋭く尖った爪を輝かせて歩み寄るヅェズー。
「いや、いやだ・・・お母さん・・・お母さん・・・目を覚ましてよお母さん!」
少しずつ後ずさりするパワードボーイ。
変わってしまったとはいえ、目の前にいるのは自分の母親なのだ。
顔つきだって変わらない。
自分の母親と戦うなんてできるはずもないのだ。
「お母さん、元に戻ってよ、お母さん!」
「うるさいガキねぇ。私はお前のお母さんなどではないわ。何度言ったらわかるのかしら」
冷たい笑みを浮かべながら近づいていくヅェズー。
その身がパワードボーイとの間合いに入ったと思った瞬間、彼女の右手が繰り出された。
「ぐあっ!」
左腕を押さえて後退するパワードボーイ。
すっぱりと切り裂かれたスーツから、真っ赤な血が流れ出す。
「おほほほほ・・・どうかしら、私の爪の味は。このままお前を切り刻んでやるわ」
パワードボーイの血が付いた爪を二つに分かれた舌でぺろりと舐め上げるヅェズー。
その顔にはまさに悪魔の笑みが浮かんでいた。
「お母さん・・・やめて・・・元に戻って!」
パワードボーイの言葉もむなしく、再び爪が繰り出される。
「あうっ」
とっさにかわしたものの、わき腹を一筋切り裂かれてしまう。
「お母さん・・・」
「おほほほほ・・・何を混乱しているのか知らないけれど、これがパワードボーイなの? よくも今まで私たちディメンザー人の邪魔をしてくれたものね」
手の甲を口元に当てて高笑いをするヅェズー。
「やあっ!」
ヅェズーの振上げた足がパワードボーイの腹に突き刺さる。
「がはっ!」
ブーツのヒールがめり込み、パワードボーイが蹴り飛ばされる。
そのままもんどりうって地面に叩きつけられるパワードボーイ。
「ぐ・・・」
あまりの衝撃にすぐには立ち上がれない。
「ママ、そのままそいつを殺しちゃえ」
「ええ、もちろんよヴィヅズ。すぐにこいつを始末するわ」
背後にいる“息子”に微笑み、ヅェズーは悠然とパワードボーイに歩み寄る。
腹部を押さえて苦しむパワードボーイを見下ろし、冷たい笑みを浮かべるヅェズー。
その顔が母そのものであることが、パワードボーイを絶望の淵に追いやっていた。
「お・・・かあ・・・さん・・・」
苦しい息で必死に母を呼ぶパワードボーイ。
「うふふふふ・・・死ね、パワードボーイ」
銀の少年の喉目がけて振り下ろされるヅェズーの足。
そのヒールがパワードボーイの喉を直撃する。
「ガッ・・・」
喉の骨が砕けなかったのが不思議なぐらいだったが、かろうじてパワードボーイのスーツは衝撃を受け止めていた。
だが、この一撃でスーツの機能は限界に達し、銀色の仮面が消えていく。
パワードボーイは亮太としての素顔を晒してしまうのだった。
「なかなかしぶといわね。でも、これで終わりよ。死ね! パワードボーイ!」
再び振上げられるヅェズーの足。
「おかあ・・・さん・・・もう・・・やめて・・・」
その声にヅェズーの足がぴたりと止まる。
「え? あ・・・えっ? り・・・亮太? えっ? わ・・・私はいったい?」
はっとしたように足を下ろし、亮太の顔を見下ろすヅェズー。
「私は・・・私はいったい? こ、この姿は? ああ・・・あああ・・・」
自分の両手と躰を見下ろしたあと、突然頭を抱えてしゃがみこむヅェズー。
その様子に思わずヴィヅズは駆け寄った。
「ママ、ママ、しっかりして・・・大丈夫? ママ、ママ」
「ああ・・・ああああ・・・」
頭を抱え込んだまま何かに苦しむヅェズー。
「お母さん! お母さん!」
亮太も苦しむ母に声をかける。
「うるさい! 黙れ! これはボクのママだ。ボクのママなんだ! お前になんかやるもんか!」
「いやだ。この人は僕のお母さんだ。僕のお母さんを返せ!」
にらみ合う二人の少年。
『いかん! ヴィヅズよ、ヅェズーをつれて戻るのだ。今は戻れ!』
ヴィクゥズが次元の穴を用意する。
「うん。さあママ、うちへ帰ろうね」
「え・・・ええ・・・」
よろめくように立ち上がるヅェズーを引き寄せ、次元の穴に消えていくヴィヅズ。
いまだ立ち上がれない亮太には、二人を追う力は残っていなかった。
「お母さん・・・行かないで・・・お母さーーーん」
消えていく異空間に亮太の叫び声が響き渡る。
だが、ディメンザー人の少年に連れ去られた母は、振り返りもせずに消えて行った。
「くそっ!」
握ったこぶしで地面を叩きつける亮太。
やがてゆっくりと立ち上がった亮太は、綺麗に晴れ渡った星空を見上げる。
「お母さん・・・待っていて。必ず僕がお母さんを元に戻してあげるからね・・・」
流れ落ちる涙をこぶしで拭い、亮太はあらためてそう心に誓ったのだった。
******
「ああん・・・あん・・・あん・・・いい・・・いいのぉ・・・オマンコいい・・・ヴィヅズのおチンポ最高よー」
“息子”に組し抱かれながら、ヅェズーは全身を貫く快感に自ら腰を動かしていた。
彼女の性器は“息子”の性器をしっかりとくわえ込み、そのピストン運動をすべて受け止めて射精に導こうとしている。
ヴィヅズもまた、自らの“母”をその手で犯すことこそが愛情であるかのように腰を振り続けていた。
「お前は・・・お前はボクのママだ。誰にもやらない。ボクだけのママだ。忘れるな! お前はディメンザー人のメスヅェズーなんだ。あんな亮太なんてやつのことは二度と思い出すなぁっ!!」
そう叫びながら腰を打ち付けるヴィヅズ。
赦せなかった。
ママが他の種の子供の名を呼んだことが赦せなかった。
もう二度とそんなことはさせない。
このメスはボクのママだ。
ボクの精液で今度こそ完全なるボクのママに変えてみせる。
まるで亮太への憎しみをぶつけるかのように腰を振るヴィヅズ。
その下でヅェズーは絶頂へと駆け上っていく。
「あん・・・ええ・・・もう思い出さないわ・・・亮太なんて知らない・・・私は・・・私はディメンザー人のメスよ・・・私の夫はヴィクゥズ・・・息子はヴィヅズ・・・それ以外の者はすべて敵だわぁ」
「そうだ。お前はボクとパパのものだ。それを忘れるなぁっ!」
「ええ・・・忘れないわぁ・・・私は・・・私は二人のものよ・・・ああ・・・イくイくイくぅぅぅぅぅぅ」
ヴィヅズが精液を注ぎ込むと同時に、ヅェズーの躰は絶頂を迎える。
かすかに思い出されていた亮太の記憶も、まるで風に吹き飛ばされる砂のようにヅェズーの脳裏から消えていく。
新たなる精液がヅェズーの躰に染み渡り、より完全なるディメンザー人へと変えていくのだった。
「ふふふふふ・・・気分はどうかな、ヅェズー」
息子とのセックスを終えた妻に声をかけるヴィクゥズ。
ますます妖艶さを増したヅェズーは、彼にとっても自慢できる逸品だ。
「ああ・・・ええ・・・とてもいい気分ですわ、あなた」
ヅェズーは股間からたれてくる精液を指ですくい、先が割れた舌でその指を舐めていく。
彼女の脇では、息子がすべての力を使い果たしたかのように横になって寝息を立てていた。
その寝顔がとても愛しいものであるかのように、そっとヅェズーは頬を撫でる。
その仕草にヴィクゥズは、完璧な“妻”であり“母”となったメスの姿を見出した。
「ふふふふ・・・それはよかった。次は頼んだぞ」
「はい、もちろんですわ、あなた。我らディメンザー人に歯向かう憎きパワードボーイ。必ずやこの私が始末いたします」
うっとりとした笑みを“夫”に向けるヅェズー。
その目は彼への心酔を浮かべていた。
「うむ。期待しているぞ、ヅェズー」
「あ・・・」
顎を持ち上げ、“夫”は舌を絡ませて妻と唇を合わせていく。
ヅェズーはその身に二人のディメンザー人からの愛を感じながら、パワードボーイを始末することを心に誓うのだった。
END
いわゆる「戦いはこれからだ」ENDともいうべき最後になりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?
それではまた次回作でお目にかかりたいと思います。
ではでは。
- 2010/07/08(木) 20:45:25|
- ディメンザー人ヅェズー
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220万ヒット記念SS「ディメンザー人ヅェズー」の三回目です。
今回は堕ち後を重視してみました。
それではどうぞ。
3、
「お母さん・・・」
いまだ帰らぬ母を待ち続ける亮太。
時刻はとっくに深夜になっている。
母からは一度電話があっただけ。
それ以後は何度電話をかけても、何通メールを送っても、母からの答えはなかった。
「お母さん・・・」
仕事だと言っていた母。
でもこんなに遅くなったことなど一度もない。
買い置きのカップ麺で食事はすませたものの、亮太は寂しさと心配でほとんど喉を通らなかった。
おそらくは半分近くも無駄にしたに違いない。
「お母さん・・・」
何度つぶやいたことだろう。
亮太の目から涙が落ちる。
パワードボーイとして戦っていても、彼はただの少年だったのだ。
このまま母が帰ってこなかったら・・・
そう思うと涙をこらえられない。
亮太はただ一人の部屋で、声を押し殺して泣いていた。
******
「ふふふ・・・よく似合うぞ」
室内に入ってきたヅェズーの姿に満足そうにうなずくヴィクゥズ。
ヅェズーは黒革でできたコルセットとショーツのようなものを身に纏い、膝上までのロングブーツと二の腕までの指先の出るロンググローブを着けていた。
「うふふ・・・ありがとう、あなた。うれしいわ」
うっとりと濡れたような目で夫を見つめるヅェズー。
彼女は夫に心からの服従を誓っている。
まさに身も心も捧げているのだ。
「ヴィヅズはもう寝たのか?」
「はい。もうぐっすりと」
「そうか。これからはあいつのことを頼むぞ」
「もちろんですわ、あなた。私はヴィヅズの母親ですもの」
「うむ」
ヴィクゥズはあらためて目の前のメスに満足する。
息子のために母親を作ってやれただけではなく、妻としてもなかなかのものだ。
今後はいろいろと手助けになってくれるだろう。
そのためにも、このメスを我が物として登録する必要がある。
「こちらに来い」
ヴィクゥズは手招きをしてヅェズーを呼んだ。
「はい」
ゆっくりとそばに歩み寄るヅェズー。
「これを見るのだ」
ヴィクゥズの手元にはモニターがあり、そこには文字が並んでいる。
初めて見る文字のはずだったが、もちろん今のヅェズーには問題無く読むことができた。
そこには“三次元空間担当”として“ヴィクゥズ”と“ヴィヅズ”の名が表示されていた。
「あなたとヴィヅズの名がありますわ」
「そうだ。ディメンザー人の中でも、この三次元空間を担当するのは我ら二人のみ。だが・・・」
ヴィクゥズは手元の機械を操作する。
すぐにモニターには文字が現れ、二人の名の下に“ヅェズー”という名が書き入れられた。
「私の名前が・・・」
「クククク・・・これはいわば表札のようなもの。これでお前は我が一族として登録された。これからはお前にも三次元征服の手伝いをしてもらうぞ」
「はい・・・もちろんです。よろこんでお手伝いいたしますわ、あなた。ああ・・・なんてうれしいのかしら。私は幸せです、あなた」
胸に手を当てて喜びを噛み締めるヅェズー。
ディメンザー人のメスとしてオスに奉仕できるのは無上の喜びなのだ。
ヅェズーはヴィクゥズとヴィヅズのためなら、どのような命令にもよろこんで従うつもりだった。
******
「ん・・・」
突っ伏していたテーブルから顔を上げる亮太。
朝の日差しがカーテンの隙間から差し込んでいる。
昨夜はついに母は帰ってこなかった。
蛍光灯が点いたままの静かな部屋で、亮太は泣きながら過ごしたのだ。
そしていつしか眠ってしまったのだろう。
涙のあとがテーブルについていた。
亮太はグイッとこぶしで涙を拭く。
お母さんに何かあったのだ。
きっと帰れなくなってしまった何かがあったのだ。
行って確かめるしかない。
亮太は顔を洗って服を着替えると、もう一度母の携帯に電話する。
だが、相変わらず電波が届かないと答えてくるだけ。
亮太は意を決して出かけることにする。
お小遣いや貯金箱のお金を財布に入れ、亮太は母の職場に向かうのだった。
ラッシュアワーは大変だった。
電車の中で大人たちに揉まれながら、あらためて母の大変さを亮太は思う。
そして母の会社の近くの駅で降り、そこからてくてくと歩いていく。
本当なら学校へ行っている時間だ。
いつもは母といっしょに玄関を出る。
それが今日は一人だったことがとてもさびしかった。
「亮太君? 亮太君じゃない?」
会社の入り口で亮太は声をかけられた。
見ると、何度か家に来たことのある女性が、驚いたような表情で立っていた。
「あ、おはようございます。ええと・・・」
とっさに名前が出てこない。
タイトスカート姿の女性には、確かに見覚えがあるのだが・・・
「村雲よ。村雲綾子(むらくも あやこ)。でもどうしたの? 学校は? 真木原さんは亮太君が来たの知っているの?」
自己紹介をしながら立て続けに質問する綾子。
綾子にとって亮太の母紗織は会社の同僚で敬愛する先輩であり、ときどき家に遊びにお邪魔させてもらう間柄だ。
「それが・・・お母さんが昨日帰ってこなかったんです。それで・・・」
「えっ? 帰ってこなかった? えっ? それどういうこと?」
綾子は驚いて亮太を脇へ連れて行く。
真木原さんが帰ってないとはどういうことだろう。
「どういうことなの? 真木原さんは昨日家に帰ってないの?」
しゃがんで亮太に目線を合わせる綾子。
亮太は黙ってうなずいた。
「そんな・・・昨日は残業もなかったし、定時に帰られたはずなのに・・・」
「えっ? 残業じゃなかったんですか? 僕には残業で遅くなるって・・・」
「ええっ?」
どういうことなのか?
亮太君に嘘をついたということなのだろうか?
「わかったわ。ちょっとここで待ってて。会社に出てきているかどうか確かめてきてあげる」
そう言って綾子は会社に入っていく。
亮太は希望を込めてその後ろ姿を目で追った。
綾子はしばらくして戻ってきてくれた。
紺の会社の制服を着ていた綾子を見て、亮太は母もこんな制服を着ているのかと思い少しドキドキした。
「お待たせ。遅くなってごめんね。いてくれてよかった」
ホッとしたような表情を浮かべる綾子。
なんとなく少年の姉のような雰囲気を漂わせている。
だが、すぐに表情は険しくなった。
「それでね、お母さん、真木原さんは今日はまだ来ていないわ。電話もつながらないの」
「そうですか・・・」
亮太はがっかりして肩を落とす。
もしかしたら会社に来ているかもという淡い期待も打ち砕かれたのだ。
「それでね、ちょっと気になることがあるの」
「気になること?」
亮太は顔を上げる。
「ええ、うちの営業に東間って人がいるんだけど、その彼が真木原さんと歩いていたって言うの・・・」
東間?
亮太には聞き覚えのない名前だ。
母の口からその名前が出たことは多分ない。
「一緒だったんですか? どこに行ったんですか? 東間さんって人は今日は来ているんですか?」
「来ていないわ。二人とも来ていないの」
綾子は首を振る。
「そうですか・・・するとお母さんはその東間さんと今でもいっしょなのかな・・・」
亮太はなぜか胸が苦しくなる。
母が男の人といっしょにいるなんて考えたくない。
男と女の間柄などというものは思い浮かびもしなかったが、母にはいつも自分だけの母でいて欲しかったのだ。
「亮太君・・・落ち着いて聞いて」
突然真剣な表情でしゃがみこみ、目線を合わせてくる綾子。
「まだはっきりしたわけじゃないんだけど・・・もしかしたら・・・もしかしたら・・・真木原さんは・・・」
「どうしたんですか? お母さんがどうかしたんですか?」
「もしかしたら真木原さんは・・・ディメンザー人に連れて行かれてしまったかもしれないの」
「えっ? ディメンザー人に?」
亮太は驚いた。
ディメンザー人が関わっているというのか?
「ええ、真木原さんと東間さんが歩いているのを見た人がいて、珍しい組み合わせだなって思っていたらしいんだけど、それがいきなりすうって消えちゃったんだって」
「消えちゃった? それ、どこで?」
亮太はその場所が知りたかった。
消えちゃったとすれば、それはディメンザー人に異空間に連れ込まれたに違いない。
もしかしたらまだその影響が残っているかも。
「その人は最初、見失ったのかなって思ったらしいんだけど、そのうちディメンザー人のことを思い出して怖くなってしまったって。それで今朝まで誰にも言わなかったらしいんだけど、私が真木原さんの事を訊いたものだから・・・」
「それで、どこなんですか、その場所は?」
とにかくすぐにでもその場所へ行ってみなくては。
亮太ははやる気持ちを抑え切れなかった。
「二丁ほど行った先の裏通りだって。そっち側から行った先」
「ありがとうございます。僕、行ってみますね」
「あ、待って!」
駆け出そうとした亮太を綾子が止める。
「なんですか?」
「まだ・・・まだそうと決まったわけじゃないからね。いい、何かあったら私に言ってちょうだい。これ、携帯の番号だから」
綾子が携帯の番号を書いたメモを渡してくれた。
「あ、ありがとうございます」
亮太は礼を言ってそれを受け取ると、綾子に教えてもらった裏通りへ向かって走り出す。
その様子を綾子は心配そうに見送った。
「ここがそうか・・・」
ラッシュも終わり、人通りの少なくなった裏通りにやってくる亮太。
かすかに異空間の残滓を感じる。
やはり母はディメンザー人に連れて行かれてしまったのに違いない。
「お母さん・・・」
膝をついて地面をこぶしで叩きつける。
「僕のせいだ。僕がパワードボーイなんてやっているから・・・僕のせいだ」
そう思うしかない。
偶然たまたまということもあるかもしれないが、それよりは自分の母だから狙われたと考えるほうが自然である。
「取り返さなくちゃ・・・お母さんを取り戻すんだ」
亮太はそう決意すると、裏通りをあとにした。
******
「ねえねえ、パパ、パパァ」
甘えた声を上げながら父親に寄っていくヴィヅズ。
その背後からはヴィヅズに手を掴まれたヅェズーが引き摺られるように付いて来ている。
「どうした、ヴィヅズ?」
さまざまなデータをシステムに打ち込みながら、ヴィクゥズは息子のほうに目をやった。
「ママといっしょに侵略してきていい? ママにもボクといっしょに侵略して欲しいんだ。ヴィリザードもいつでも暴れられるようになっているしね」
まるで遊園地にでも出向くように目を輝かせているヴィヅズ。
その様子に思わずヴィクゥズも笑みが浮かぶ。
「いいとも。ヅェズーといっしょに行っておいで。たっぷり暴れて三次元人どもを狩ってくるんだぞ」
「私も行ってもいいのですか?」
「もちろんだ。お前もディメンザー人のメスとして三次元人どもをいたぶってくるがいい」
「ああん・・・ありがとうございます、あなた。うれしいですわ。うふふ・・・私も次元侵略するのが楽しみだったんです」
胸に手を当ててうれしそうに微笑むヅェズー。
ディメンザー人としての思考が侵略を楽しみと感じさせている。
「やったぁっ! ママ行こ、早く行こ」
ヴィヅズが待ちきれないように再びヅェズーの腕を取る。
「あん、引っ張らないの。今行きますからあわてないで」
ヅェズーはやさしくヴィヅズにそう言うと、二人で連れ立ってでかけていく。
その様子を見ていたヴィクゥズは、にやりとほくそ笑んでいた。
******
「結局今日も来なかったな・・・真木原さんが二日連続で休むなんて・・・やっぱりディメンザー人に連れて行かれちゃったのかな・・・」
疲れた足取りで家路を急ぐ村雲綾子。
やはり紗織の不在は綾子にも影響が出ていたのだ。
しわ寄せがどうしてもでてしまい、綾子も残業を余儀なくされていた。
「ふう・・・亮太君大丈夫かな・・・私にはどうしてやることもできないけど・・・真木原さん旦那さんいないし、親戚の人とか来ているのかな・・・」
綾子は昨日の朝出会った少年のことを思い出す。
母親がいなくなってしまったとなれば、あの少年はどうしたらいいのだろう。
自分にどうにかできるわけではないが、やはり心配はしてしまう。
「明後日はお休みだし、お邪魔してみようかな。どうせ暇だしね」
思わず苦笑する綾子。
結婚適齢期の彼女でありながら、休日にデートする男性もいないことを自嘲したのだ。
「えっ?」
いきなり周囲が暗くなる。
まるで闇に包まれてしまったかのようだ。
「な、なにこれ?」
突然のことで何がなんだかわからない。
綾子は軽いパニックに陥ってしまい、きょろきょろとあたりをただ見回すだけだった。
「うふふふ・・・こうして次元断層を作るのね」
「うん、そうだよ。ママはもうこつを飲み込んだんだね。すごいや」
「うふふふ・・・ヴィヅズが丁寧に私に教えてくれたおかげよ。ありがとう」
カツコツと足音が響き、親子と思われる会話が近づいてくる。
「見て、ママ。獲物がかかったみたいだよ」
「あら、本当ね。三次元人のメスのようだわ」
姿を現した二人を見て綾子は息を飲んだ。
藤色ともいうべき淡い青紫色の肌に黒革の衣装を纏い、背中からは黒いコウモリのような羽根が生えている。
頭にはねじくれた角があり、金色の目に縦長の瞳が綾子を見つけてきらりと輝いていた。
「ディ、ディメンザー人・・・」
足が震える。
立っているのがやっとだ。
まさか自分がディメンザー人と関わることになろうとは・・・
逃げ出したいのに躰がすくんで動けない。
だが、近づいてきた二人のディメンザー人の姿を見た綾子は、よりいっそうの恐怖を感じることになったのだった。
「そ、そんな・・・真木原さんなの?」
近づいてきたディメンザー人は女性と少年のようだった。
仲良さそうに手をつないで歩いてくる。
その姿に敬愛する先輩とその息子の姿がなぜか一瞬重なったのだが、綾子にはその理由がすぐにわかった。
あまりにもそのディメンザー人の女性の顔が真木原紗織に似ていたのだ。
もちろん角があり耳も尖り瞳も縦長で金色の目をしているが、全体的な顔の作りは紗織そのものだったのだ。
「うそ・・・でしょ・・・真木原さんなの? 真木原さんがディメンザー人になってしまったの?」
がくがくと震えながらも、綾子は思わずそう口にする。
相手はまったく人間ではないにもかかわらず、綾子には他人の空似とは思えなかったのだった。
「真木原? 三次元人のメスはおかしなことを言うのね。私はディメンザー人のメスヅェズーよ。それ以外の何者でも無いわ」
口元に冷たい笑みを浮かべ、ゆっくりと近寄ってくるディメンザー人の女。
「そんな・・・」
愕然とする綾子。
これほどそっくりだというのに、違うというのだろうか・・・
「きっとボクらの姿を見て混乱しているんだよ。三次元人ってすごく精神がもろいんだ」
少年のほうもニヤニヤといやらしい笑いを浮かべている。
「そうなの? うふふふ・・・しょせんは哀れな下等生物ってことね。くだらない生きものだわ」
「そのとおりだよママ。さあ、早く食べてみてよ」
「ええ、そうするわね。こうだったかしら・・・」
少年に促されるようにしてスッと右手を上げるディメンザー人の女。
このディメンザー人は私を食べるつもりなんだ・・・
綾子はこれから自分が食べられるということをなぜか冷静に受け止めていた。
おそらく逃げても無駄だろう・・・どうせもう助からない・・・
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
闇の中に綾子の悲鳴が響き渡る。
ヅェズーがかざした手の先で、哀れな三次元人のメスは細かなチリへと分解された。
手元に集まってきた生命エネルギーを握り締め、ギュッと凝縮して命のしずくに変えていく。
そしてしたたってきた命のしずくを口で受け止め、その味を味わった。
「どう、ママ? 美味しい?」
ヴィヅズが彼女の行動をワクワクしながら見つめている。
「ええ、美味しいわ。この三次元人のメスはなかなかの味だったみたい」
しずくを飲み干して舌なめずりをするヅェズー。
「そうかー、よかったねママ。三次元人もあたりはずれがあるんだ。年取ったオスはあんまり美味しくなかったりするんだよ」
「そうなの? それじゃあたりだったのね。よかったわ」
二人は顔を見合わせてにっこりする。
その様子はまさに仲のいい母と息子のようだった。
「今度はボクの番だよ。ヴィリザードも暴れさせてやらなくちゃね。ママは他にも三次元人を狩ってもいいよ」
ヴィヅズが背後に控えさせていた異次元獣を呼び出し、その頭を撫でる。
巨大なワニのような姿をした異次元獣は、大きな口を開けてその並んだ鋭い牙を見せ付けた。
「うふふふ・・・ヴィリザードも暴れたがっているみたいね。私はもういいの。それよりヴィヅズといっしょに次元侵略をしたいわ」
これからおこなわれるであろう破壊と殺戮に胸を躍らせるヅェズー。
先ほど聞いた下等な三次元人の悲鳴をまた聞くことができると思うと、自然と快感を感じるのだ。
「うん、それじゃママもいっしょにね。行くよヴィリザード」
ヴィヅズがヅェズーの手を取り、二人は仲良く異次元獣を連れて三次元空間へと移動した。
- 2010/07/07(水) 20:16:31|
- ディメンザー人ヅェズー
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今日も早めの更新。
「ディメンザー人ヅェズー」の二回目です。
それではどうぞ。
2、
「お前たち三次元人のメスはすぐそうやって泣くのだな。安心しろ。殺しはしない」
「私を・・・私をどうするつもりなのです?」
ヴィクゥズを見上げる紗織。
「クククク・・・お前には我が妻に、そして息子の母になってもらおう」
「えっ?」
紗織は一瞬何を言われたのかわからなかった。
このディメンザー人の妻に?
そして息子の母になれというの?
「そ、そんなことができるはずありません! 私はディメンザー人ではありません! それに私にだって息子がいるんです! あなたなんかに誰が!」
あまりのことに思わず口調が荒くなる。
これでは東間と何も変わらないではないか。
だいたいディメンザー人ならば、ディメンザー人同士で結び合えばいい。
「ククククク・・・」
ヴィクゥズが笑っているのを見てぞっとする紗織。
拒否したことで殺されるかもしれないという恐怖が襲ってくる。
「お前の意思などは関係ない。お前は我らディメンザー人がどうやって子孫を残すか知っているか?」
「そ、そんなのわかるわけ・・・」
紗織が首を振る。
「我らディメンザー人はオスしか生まれないのだ。生まれるディメンザー人はすべてオス。そこで我らは異種族のメスと交尾をする。それが知的生命体のメスであれば文句はない。そしてその交尾のときに相手の肉体や精神を改変する精液を流し込み、ディメンザー人のメスへと変化させるのさ」
「ひぃっ!」
紗織は真っ青になって悲鳴を上げる。
それが本当ならば、自分はこのディメンザー人に犯され、ディメンザー人にされてしまうということなのか?
そんなのはとてもじゃないが耐えられない。
死んだほうがマシよ。
「パパ、呼んだ?」
突然スッと姿を現すもう一人のディメンザー人。
目の前のヴィクゥズに比べて小柄でどことなく幼い感じがある。
おそらくこれが息子なのだろう。
「うむ、ヴィヅズよ、今からお前に母を用意してやろう」
「えっ? ホント? やったぁ」
無邪気に喜ぶディメンザー人の少年に、紗織は背筋が冷たくなる。
彼らは本気で自分をディメンザー人のメスにするつもりなのだ。
「いやぁっ!」
紗織は思わず逃げ出した。
「むんっ!」
突然躰が動かなくなる。
背を向けて走り出したはずなのに、足がぴくりとも動かなくなったのだ。
「あ・・・ああ・・・」
必死に手足を動かそうとするが、紗織の意に反して手足はまったく動かない。
走り出した姿のままで固まってしまったのだった。
「逃げられるはずがないだろう。動きを封じるぐらいは簡単なことだ」
紗織に向かって手をかざし、にやりと笑うヴィクゥズ。
「ふうん・・・このメスがボクのママになるんだね? 大丈夫。心配しなくていいよ。パパに犯してもらえばすぐにディメンザー人のメスになれるんだ。きっととても気持ちいいよ」
「いや・・・そんなのいやぁ・・・お願い、赦してぇ」
ゆっくりと近づいてくるヴィクゥズに、紗織は絶望感に打ちひしがれる。
「あうっ」
力強い手で押し倒され、組み伏せられてしまう紗織。
目の前のヴィクゥズがまさに悪魔に見える。
左手で紗織の両手を頭の上で押さえこみ、のしかかるように覆いかぶさっていくヴィクゥズ。
紗織は身動きもできず、ただなすがままにされるしかなかった。
「ふふふ・・・いいメスだ。これからたっぷり可愛がってやる」
「いや・・・いやぁっ! 助けてぇっ! 誰か助けてぇっ!」
必死に叫び声を上げる紗織。
かろうじてできることはそれだけだった。
「無駄だ。ここは地下の上に異次元でもある。三次元人が来られるところではない」
「いやぁっ! お願い許してぇっ! 私には夫が・・・あの人がぁっ!」
「ふん」
布の引き裂かれる音がして、紗織のスカートが剥ぎ取られる。
鋭い爪が引き裂いたのだ。
穿いていたナチュラルブラウンのストッキングも破り捨てられ、白いショーツがあらわになる。
「ああ・・・お願いです・・・どうか許して・・・」
紗織はもはや叫ぶことさえできなかった。
「クククク・・・安心しろ。すぐに気持ちよくなり、自ら腰を振るようになる」
舌なめずりをして笑みを浮かべるヴィクゥズ。
その手が紗織のショーツを掴み、あっという間に引き裂いていく。
恥毛に覆われた紗織の股間があらわになり、紗織は目を閉じて涙を流す。
夫が死んだあとも守ってきた貞節を穢されるのが、ただただ悲しかった。
「クククク・・・これが三次元人のメスの性器か。なかなか具合がよさそうだ」
片手で器用に穿いているパンツを下げ、そそり立つ股間のモノを取り出すヴィクゥズ。
そして泣いている紗織の口に無理やりキスをすると、おもむろに紗織の膣内に突き入れる。
「ひぐぅっ!」
あまりのモノの巨大さに思わず紗織は悲鳴を上げる。
だが、すぐに痛みが快感へと変わって行き始めたことに紗織は驚いた。
「クククク・・・これはいい。変化する前だというのに、絡み付いて俺のモノを締め付けてくる」
「ああ・・・いやぁっ」
ずんずんとピストン運動で紗織を突き上げるヴィクゥズ。
股間のモノの先端からじわじわと先走りの液が染み出して、紗織の膣内をディメンザー人の性器へと変えていく。
「いや・・・いやぁ・・・」
むずがゆいような快感が全身を覆い、下半身が火照っていく。
それとともに快感はどんどん増していき、紗織の中の女の部分が目覚めていく。
「ああ・・・あああ・・・」
「どうした・・・もどかしいか? もっと俺のモノを感じたいのだろう? いいぞ。躰が動くようにしてやろう」
ヴィクゥズが紗織の戒めを解く。
だが、紗織は逃げ出すことができなかった。
このディメンザー人とのセックスが気持ちよく、離れることができなかったのだ。
いつしか紗織は自ら脚を絡め、腰を浮かすようにしてディメンザー人に突かれていた。
「おお・・・おおう・・・いいぞ・・・膣内が、膣内が変わってきた。まさにディメンザー人のメスの性器に変わってきたぞ」
紗織は悲しかった。
その言葉が意味することを理解していた。
愛していた夫にも息子にも申し訳なかった。
だが、それ以上にこの快楽から逃れることができなかったのだ。
あなた・・・亮太・・・ごめんなさい・・・
紗織は涙を流しながら、ディメンザー人の男の首に腕を回していくのだった。
「おお・・・出る・・・出るぞ。受け取るがいい。うぉぉっ」
「ああ・・・いやぁ・・・」
かろうじて膣内に出される恐怖にいやいやと首を振る紗織。
だが、次の瞬間、紗織の膣内には大量のヴィクゥズの精液が放出されていた。
この時点での精液は、ほぼ同化液と同じ役目しか果たさない。
大量に放出された精液は一瞬にして紗織の子宮や卵巣をディメンザー人のものへと変化させてしまう。
それどころか血液にまで入り込んで、紗織の肉体をも変えていくのだ。
「クククク・・・見るがいい。お前の躰が変わっていくところを」
「そ、そんな・・・いやぁっ!」
紗織の下腹部は肌の色が淡い青紫色である藤色に変わり、そこから急速にその藤色が広がっていた。
太ももも膝も藤色に染まり、へそから胸へも広がってくる。
紗織は驚いてブラウスを脱ぎ、ブラジャーもはずしてみた。
三十代の子持ち女性とは思えない形のよい胸も藤色に変わっており、乳首もどす黒く染まっている。
むずむずするお尻からは尻尾が伸びはじめ、鋭く尖った先端がぴくぴくと蠢いていた。
「あああ・・・いや・・・いやぁ・・・」
両手で顔を覆い泣き崩れる紗織。
変化はそこまでだったが、明らかに紗織の躰は人間ではなくなってしまっていた。
「ふむ。どうやら最初の変化はここまでのようだな。だが、あと二三回も注ぎ込めば、身も心も我らディメンザー人へと変わるだろう」
ヴィクゥズの言葉にドキッとする紗織。
事実先ほどに比べて心がじょじょに落ち着いて来ているのがわかる。
人間でなくなるという悲しみは薄れ、生えてきた尻尾も何か当たり前のような気がしてきていたのだ。
ああ・・・そんな・・・
嘆き悲しみたいのに、紗織の心はそれを許さない。
むしろもっと変えて欲しいとさえ感じ始めてきていたのだった。
「パパ、今度は上のお口から注いでやれば? きっとすぐに変わってくれるんじゃない?」
「ふむ・・・それもそうだな。よし、今度は上からだ。咥えろ」
ヴィヅズの言葉にうなずき、ヴィクゥズは力を取り戻してきたモノを紗織の前に差し出してくる。
人間の男性器と変わらない形をしたそれは、先端から液体をにじませながら、紗織に咥えられるのを待ちかねているようだった。
「あ・・・ああ・・・」
紗織は目が離せなくなってしまう。
そそり立つモノを見せ付けられ、紗織の中で何かが変わっていくのを感じる。
咥えたい・・・
しゃぶりたい・・・
喉の奥までこのそそり立つモノに犯されたい・・・
そんな気持ちがふつふつと沸き起こってくるのだ。
咥えてしまえばもう人間ではなくなるということがわかっていても、紗織は咥えずにはいられなかった。
「はむっ・・・んむ・・・んん・・・んぐっ」
むしゃぶりつくように肉棒を咥え込む紗織。
舌を這わせ、唇をすぼめて搾り取るように咥え込む。
「うぉぉ・・・いいぞ。いい舌使いだ。短い舌というのも悪くないものだな」
紗織の頭を抱え込み、より深く咥えさせるヴィクゥズ。
完全に硬くなった肉棒を、喉の奥まで差し入れる。
「んむ・・・んむ・・・」
ジュポジュポと音を立てながら肉棒を咥え込む紗織。
そこにはすでに貞淑な人妻の面影はない。
ただの一匹のメスに過ぎなかった。
「よし、出すぞ。飲めよ」
腰を前後させながら紗織を見下ろすヴィクゥズ。
その言葉に紗織はうなずき、よりいっそう肉棒を咥え込んでくる。
すでに紗織の首から下は、ほぼディメンザー人になっていた。
あとは口から精液を流し込み、完全なるディメンザー人へと変えるのだ。
このメスは悪くない。
いや、むしろ最高のメスになりえる存在だ。
パワードボーイの母親というだけで選んでみたが、どうしてどうして掘り出し物といえるだろう。
いいメスにめぐり合えたことに感謝しなくてはな。
そう思いながらヴィクゥズは紗織の口に精液をほとばしらせた。
ドクッドクッと口の中に注ぎ込まれるヴィクゥズの精液。
それは一瞬にして紗織の口の中を綺麗なピンクからどす黒い黒へと変化させる。
肉棒に絡んでいた舌も根元から伸びていき、黒く変色しながら先が二つに割れていく。
喉から滑り落ちた精液は内蔵を黒く染め、強化しながら血液へと混じっていく。
「ああん・・・うふぅ・・・」
唾液の糸を引きながら肉棒から口を離す紗織。
先が二つに割れた舌が、黒く染まった唇を嘗め回す。
顔の皮膚も青みの強い藤色に染まっていき、両耳の先が伸びて尖っていく。
耳の上からはメリメリと音を立てて角が生え、ねじくれるようにして額のほうへと伸びていく。
うっとりと見開いた目は金色に変わり、瞳が縦に細長くなっていた。
そして最後に背中から黒いコウモリのような形の羽根が広がって、紗織の変化は終了した。
どす黒く染まった鋭い爪の伸びた指をぺろりと舐め、うっとりとした表情を浮かべる紗織。
その姿はまさにディメンザー人のメスそのものだった。
「クククク・・・どうやら変化は完了したようだな。これでお前はディメンザー人のメスとなったのだ」
紗織の仕上がりに満足するヴィクゥズ。
「ああ・・・はい。私はディメンザー人のメス。ヴィクゥズ様の妻です。どうか可愛がってくださいませ」
ぺたんと座り込み、濡れたような目で自らの夫となったヴィクゥズを見上げる紗織。
変化は脳にまで及んでいた。
ヴィクゥズの精液にたっぷりと含まれていた精子は、卵子と結合するという本来の目的のほかに、相手の肉体を改変するという役目を持っている。
先端が接触したあらゆるものをディメンザー人のものとして変えてしまうのだ。
それは脳細胞も例外ではない。
紗織の脳は血液によって運び込まれたヴィクゥズの精子により、ディメンザー人の脳へと作り変えられた。
あっという間に紗織の脳裏からは愛していた夫の記憶は消えうせ、目の前にいるディメンザー人のオスに対する強烈な愛情と服従心が沸き起こる。
もはや脳まで犯され思考も変えられてしまった紗織の目には、死別した夫への愛情も罪悪感も見ることはできなかった。
「次はボクだよ。さあ、こっちへ来るんだ」
ディメンザー人の少年が紗織を呼ぶ。
紗織は一度ヴィクゥズを見上げ、彼がうなずいたのを見て少年の下へとにじり寄った。
「ボクの精液で、今度はお前をボクのママにしてやるよ。さあ、咥えるんだ」
まだ多少未発達ではあるものの、それでも充分に生殖行為が可能となったヴィヅズの肉棒が突き出される。
「ああ・・・はい。いただきます」
ディメンザー人のメスはオスに逆らうことはない。
メスになった時点で身も心もオスに捧げるのだ。
ヴィクゥズがうなずいた以上、これはヴィクゥズの命令と同じだった。
「んむ・・・ん・・・んちゅ・・・」
絶妙な舌使いでヴィヅズの肉棒を舐めしゃぶる紗織。
先端が二つに分かれた舌を上手に使い、ヴィヅズの射精感を高めていく。
「うわ・・・すごい。すごいよパパ。こんなに気持ちいいなんて知らなかった。ううっ、出、出るっ!」
ビュクビュクと紗織の口の中に出されるヴィヅズの精液。
紗織はそれを一滴残らず漏らすまいと飲み込んでいく。
精子たちがさらに紗織の変化を強固なものへとしていき、脳にも影響を与えていく。
うっすらとしか感じなくなっていた息子への思いが、目の前の少年への強烈な母性に取って代わられる。
この瞬間から紗織にとっての息子はヴィヅズであり、亮太という存在そのものが脳裏から消えうせていた。
「ああ・・・気持ちよかった。どう? これでお前はボクのママになったでしょ? どう?」
自分の精液を舐め取ったメスにヴィヅズはたずねる。
「うふふ・・・ええ、私はヴィヅズのママよ。あなたのことがとっても大好き。よろしくね」
「やったぁ! ママ、ママ、ボクのママだ!」
にっこりと微笑んだ紗織に抱きついていくヴィヅズ。
少年にとっては本当に久しぶりのママの誕生だったのだ。
それに以前のママは少年の精液ではなく、少年の血を与えられてママになっている。
そのせいか、少年にとってはあまり大事なメスだとは思えなかった。
自分の精液を与えてママにしたのは今回が初めてだった。
「あらあら、甘えん坊さんね」
紗織もうれしそうにヴィヅズを抱きしめる。
先日までその手に抱きしめていたのが違う存在だとは考えもしないのだ。
「クククク・・・よかったな、ヴィヅズ」
「うん、パパ。ボクうれしいよ」
父に頭を撫でられ目をきらきらと輝かせているヴィヅズ。
その様子にヴィクゥズも喜びを隠しきれない。
やはり子供には母が必要だったのだ。
少し遅くなったが、これからはこのメスがヴィヅズのために働いてくれるだろう。
「ねえパパ、ママに名前を付けてあげてよ。ディメンザー人になったママにふさわしい名前を」
「む? パパが付けていいのか?」
「うん、いいよ。だって、このメスはボクのママだけど、パパのメスでもあるんだから」
「そうか。うーん・・・そうだな・・・ヅェズーというのはどうかな? ありがちだがディメンザー人のメスにはふさわしいと思うが」
少し考えて名前を付けるヴィクゥズ。
「うん。それがいいよ。ヅェズー。ママ、ママの名前はヅェズーだ。いいね?」
「ええ、私の名前はヅェズー。ディメンザー人のメス、ヅェズー」
紗織はうれしそうにうなずく。
名前をもらったことがとてもうれしかったのだ。
紗織という名はこの瞬間にヅェズーとなった。
もはや彼女にとって紗織という名は何の意味も持たなかった。
「ねえ・・・ママ・・・」
少しもじもじしながらヅェズーを見るヴィヅズ。
「なあに、ヴィヅズ?」
その様子を見て愛しそうに微笑むヅェズー。
「ボク・・・もっとママといっしょになりたいよ」
少年はそう言ってそそり立つ肉棒を見せ付ける。
「まあ、うれしいわ。ママももっとヴィヅズを味わいたいの。ママをたっぷり可愛がってちょうだい」
ディメンザー人としての思考に染まってしまった彼女は、舌なめずりをして少年のモノを見つめている。
「ふふふ・・・それなら俺のも味わってもらわねばな」
ヴィクゥズが彼女の肩を抱く。
「ああん・・・もちろんよあなた。あなたのもたっぷりと味わわせてちょうだい」
いやらしく胸を揺らし、二人を誘うように床に腰を下ろすヅェズー。
やがて三人の快楽の宴が始まり、いつ果てるともなく続くのだった。
- 2010/07/06(火) 20:01:42|
- ディメンザー人ヅェズー
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今日は早めの更新。
大変お待たせいたしました。
220万ヒット達成記念SSを、今日から四日連続で投下させていただきます。
4月1日に「四月馬鹿」を投下して以来ですので、丸々3ヶ月間SS無しだったんですね。
本当にお待たせしてしまいまして申し訳ありませんでした。
今回のタイトルは「ディメンザー人ヅェズー」
どうかお楽しみいただければと思います。
それではどうぞ。
「ディメンザー人ヅェズー」
1、
「キシャアァァァァァァァァァ!」
断末魔の悲鳴を上げる漆黒の怪鳥。
パワードボーイのクラッシュキックを受けたのだ。
厚さ二メートルものコンクリートをぶち抜くキックの威力に、さしもの異次元獣も耐えることはできなかった。
「ああっ、ガラザール!」
カラスを巨大化させたような異次元獣ガラザールがあっけなく倒されたのをみて、思わず声を出してしまう。
空を飛べるガラザールは次元侵略にはうってつけだったし、パワードボーイにも充分対抗できると思っていたのだ。
「おのれパワードボーイ! ボクが相手だ!」
暗黒の異空間内に姿を現す声の持ち主。
それは身長など大きさ的には小学生ほどの少年のようだったが、その姿は紛れも無く人間ではない。
頭の両脇にある先が尖った耳の上からは、額のほうに向かって角が左右から生えており、金色をした目は瞳が縦に細長いトカゲのような目をしている。
肌は藤色のような淡い青紫色であり、背中からは黒いコウモリのような羽根が生えていた。
胴部を覆う皮鎧のようなものを着ており、お尻からは細長い尻尾まで生えている。
いわばその少年は、よく悪魔と呼ばれるような存在をイメージしたときに思い浮かべるであろう姿に似た形をしていたのだった。
「こい、ディメンザー人! 今日こそ決着をつけてやる!」
クラッシュキックでガラザールを倒したパワードボーイが体勢を整える。
こちらも銀色の仮面に銀色に青いラインの入ったスーツを着ているが、やはりその体格は小学生ほどの少年にすぎない。
だが、この銀色の仮面の少年こそがパワードボーイであり、異次元より突如として現れたディメンザー人による次元侵略を防ぐ正義の使者だった。
次元侵略を目論むディメンザー人の少年と、自らの住む次元を守ろうとするパワードボーイという二人の少年たちは、互いに向かい合い一触即発の態勢を取る。
はたから見れば、それはまるで二人の子供が遊んでいるかケンカをしているようにも見えるだろう。
しかし、その戦いはまさに世界の命運をかける戦いだったのだ。
にらみ合う二人の少年。
そのどちらもが相手の動きを警戒する。
だが、そこに新たな声がかけられた。
「ヴィヅズよ。お前はまだパワードボーイと戦うには力不足だ。引き上げるのだ」
新たな声をかけたのは、ディメンザー人の少年によく似たがっしりとした体格の男だった。
黒い皮鎧のようなものを着込み、筋肉を隆々とさせている偉丈夫。
少年と同様の藤色のような淡い青紫色のなめし皮のような皮膚をして、尖った耳の上からは角が生えており、背中からはコウモリのような羽根も生えている。
まさに少年がそのまま大人になったような存在であった。
「でもパパ、ガラザールが・・・」
「言うことを聞くのだ。ヴィヅズよ」
少年をにらみつけるディメンザー人の男。
ヴィヅズと呼ばれた少年は、仕方なくジャンプして後退する。
「逃げるのか、待て!」
パワードボーイは逃げ出そうとしたヴィヅズを追いかけようとする。
だが、新たに現れたディメンザー人の男の手が一閃すると、オレンジ色のリングが現れてパワードボーイの足元を切り裂いていく。
「くっ」
思わず足が止まるパワードボーイ。
「パワードボーイよ。今回もお前の勝ちだ。だがわれわれはあきらめん。この次元は必ず我らディメンザー人のものとしてくれる」
ディメンザー人の男はそういうと、異空間に次元の穴を開けて吸い込まれるように消えていく。
彼の隣に下がっていたヴィヅズと呼ばれた少年ももちろんいっしょに消えていた。
「また逃げられちゃった・・・」
周りで消滅していく異空間から通常空間に戻りながら、パワードボーイは肩を落とし残念そうにつぶやいた。
******
「ただいま」
そう言って少年は玄関のドアをくぐる。
「亮太(りょうた)・・・お帰りなさい」
すぐに奥から玄関に出てくる一人の女性。
少年の姿を見ると、ほっと胸をなでおろす。
「ただいま、お母さん」
少年の顔に笑顔が浮かぶ。
やはり母が出迎えてくれるというのは、とてもうれしく胸が温かくなるものなのだ。
「よかった・・・亮太・・・無事でよかった・・・」
膝をついて玄関先で少年を抱きしめる母。
いつも無事な顔を見るまでは気が気ではないのだ。
こんなまだ小学生の少年なのに、人類のために戦わなくてはならないとは、なんという運命なのだろう。
少年の母である紗織(さおり)はそう思わずにはいられない。
「お母さん・・・」
自らも母の背中に手を回す少年。
温かい母親のぬくもりがうれしい。
しばらくそうしていたのちに、抱きしめていた少年をその肩にそっと手をかけて引き離すと、母は愛しそうにその頬をそっと撫でる。
「さあ、手を洗ってうがいして。もうすぐ晩ご飯できるからね」
「うん」
少年はちょっと名残惜しそうに母から離れると、台所へ行って手を洗うのだった。
真木原亮太(まきはら りょうた)は紗織の一人息子だ。
まだ小学校の四年生だが、正義の少年パワードボーイとして、異次元からの侵略と戦っている。
亮太が言うには、何か次元を超えた正義の意思のようなものに選ばれたらしい。
異次元人であるディメンザー人の侵略を阻止するよう指示されたのだという。
ディメンザー人の親子が繰り出してくる異次元獣を打ち破り、この次元に平和をもたらしているのが銀色の仮面の少年パワードボーイだった。
紗織がそのことを知ったとき、亮太はすでにパワードボーイとしてディメンザー人と戦っていた。
年端も行かない小学生が人類のために戦うなんてことは、紗織には耐えられるものではなかったが、パワードボーイ以外にディメンザー人に対抗できるものはいなかった。
人類の兵器はことごとく無力化され、異次元獣には歯が立たない。
紗織が反対しようとも、亮太がパワードボーイとして戦うほか無かったのである。
無論亮太もそのことは承知していたし、逆に亮太自身はパワードボーイとして戦えることがうれしかった。
父親亡き後、女手一つで亮太を育ててくれている母を何とかして守りたい。
少しでも母の役に立ちたい。
亮太は常にそう思っていたのだ。
小学生の自分にできることなど多くはない。
でも、異次元からの侵略になら、パワードボーイとして戦うことができ、母を守ることができるのだ。
誰の力でもない、自分の力で母を守ることができる。
そのことが亮太にはとても誇らしかったのだった。
「今日は亮太の大好きなハンバーグよ」
手を洗ってリビングに戻ってきた亮太の耳に、なんともうれしい言葉が届く。
思わず亮太はやったぁと声を上げていた。
バンザイをしているその姿が紗織にはほほえましい。
一刻も早く亮太がパワードボーイとして戦わなくてすむ日が来ることを、紗織は祈らずにはいられなかった。
******
「グスッ・・・クスン・・・」
少年が泣いている。
「泣いていても何も変わりはしないぞ、ヴィヅズ」
少年に背を向け、父は次回の計画を考える。
パワードボーイを排除するしかない。
それはわかりきったことなのだが、異次元獣だけではなかなかパワードボーイに勝てないのだ。
何か今ひとつ決め手が欲しい。
その決め手となるようなことを見つけなくてはならないのだ。
悲しんでいる息子に声をかけてやる余裕などはなかった。
「ママ・・・」
その言葉にぴくりと耳を傾ける。
振り返ってみると、泣き疲れた少年は眠っていた。
今回の異次元獣は可愛がっていたようだから、きっと倒されたことがつらかったのだろう。
母親のぬくもりを求めるのも当たり前かもしれない。
前回の妻は早くに壊れてしまった。
その後、この世界の次元侵略を任されたために妻を作らずにいたが、やはり息子のためにも母というメスが必要かもしれない。
母がいれば息子を慰めることもできるだろう。
新たな息子は今のところは必要ないが、自分のためにもメスを手に入れることは気分的にもいいかもしれない。
手ごろなメスを見繕うことにしようか。
そう考えた彼の目に、ふと今までに集めたパワードボーイに関するデータが映り込む。
それを見た彼はにやりと口元に笑みを浮かべると、システムのスイッチを切って眠っている息子を抱え上げ、寝室へと連れて行った。
******
「真木原さん、今日はもうおしまい?」
その日の仕事を終え、帰り支度を整え会社を出たところで、紗織は声をかけられた。
見ると営業先から戻ってきた同僚の東間(あずま)がニヤニヤと笑っている。
東間はこのところ何かにつけて紗織に声をかけてきており、付き合って欲しいと思っているようだったので、その気のない紗織にはちょっと困る相手だった。
好青年ぽい見せかけをしているが、その笑いはどこか不気味な感じでもある。
その腹の底には何かがあるような気がして、紗織はこの男にいやなものを感じていた。
「ええ、今日はもうこれで、お先に失礼いたします」
やり過ごそうとする紗織に、東間は駆け寄ってきて追いすがる。
「だったらさ、ちょっと待っててよ。すぐに報告済ませて出てくるからさ。美味しい物を出す店に連れて行ってあげる」
「すみません。息子が待っておりますし、今日は早く帰らなくてはなりませんから」
紗織は表面上はにこやかに拒絶する。
「つれないなぁ。たまには誘わせてくださいよ。食事ぐらいいいじゃないですか。それに息子さんだってもう小学生なんでしょ? 一人で留守番ぐらいできますって」
「ごめんなさい。どなたか別の方を誘ってあげてください」
「待ちなよ。俺が誘っているんだからさぁ」
歩いていく紗織の腕を掴み取る東間。
「離してください。人を呼びますよ」
紗織は東間をにらみつける。
同僚だし揉め事にはしたくないが、これ以上黙っていると変な考えを起こされても困るのだ。
「おお、こわ。俺は単にいつもお世話になっている真木原さんに美味しいものを食べてもらいたいだけですよ。それでもだめ?」
「すみません。お断りさせていただきます」
紗織は東間が手を離したことで、頭を下げてきちんと断った。
「ふう・・・やれやれ。俺に付き合っておいたほうがいいと思うんだけどなぁ。息子さんのこと、知られたくないんでしょ?」
「えっ?」
背を向けて立ち去ろうとした紗織の足が止まる。
「俺、知っちゃったんだよね。あんたの息子のこと。マスコミとかに知られたらいろいろとやばいんじゃないの?」
いやらしい笑いを浮かべる東間。
このところ何かこの女の弱みはないかと思って調べていたのだ。
「そのことをどうして?」
紗織の顔が青ざめる。
「俺さ、あんたの息子があのパワードボーイとやらだかに変身する所をさ、見ちゃったわけ。それでどう? 食事は付き合ってくれる?」
紗織はうつむいて唇を噛んだ。
「お待たせ。さあ、行こうか」
会社を出てきた東間が紗織の腕を取る。
紗織は無言で東間に付き従った。
すでに亮太には携帯で遅くなることを知らせてある。
悔しいが、亮太がパワードボーイだと世間に知られたらどんなことになるかわからない。
マスコミは連日押しかけ、ディメンザー人に勝てるかどうか質問攻めにするだろうし、もしかしたらいろいろな検査や実験をさせられるかもしれない。
政府や自衛隊が戦いを強要するかもしれない。
一番の恐怖は、ディメンザー人が亮太そのものを狙うかもしれないのだ。
紗織は亮太をそんな危険な目に逢わせることはできなかった。
でも、ここで東間の言いなりになってしまえば、これからも関係を強要されてしまうだろう。
今日はうまく食事だけですませたとしても、明日以降はわからない。
いずれ肉体を要求されるのは火を見るよりも明らかだ。
そんなのはいやだ。
紗織はまだ夫を愛している。
亡くなってしまったとはいえ、夫以外に躰を許すなんてありえない。
どうしたらいいの?
紗織にはこの状況をどうしたらいいのかわからなかった。
「心配しなくてもいいんだよ。今日は食事だけにしてあげるからさ。まあ、そのうち俺のことしか考えられないように調教してあげるよ」
ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべている東間。
紗織はそんな東間に心からの恐怖を感じた。
調教?
まるで人をペットか家畜のように扱う気なの?
紗織は思わずぞっとする。
今すぐにでも逃げ出したい。
でも、そうなると亮太はどうなるのか・・・
どうしたらいいのだろう。
答えは出ない。
紗織は黙ってうつむいて歩いているしかなかった。
「あれ?」
東間が思わず声を上げる。
紗織が顔を上げると、なぜか周囲が闇に包まれていた。
「な、なんだ? この道は明るい通りだったのに、何で突然暗くなるんだ?」
突然のことに周りをきょろきょろとする東間。
紗織も何が起こったのかわからず、思わず周囲を見渡した。
「ふん、どうやら余分なものが混じったようだな」
どこからともなく声がして、いきなり二人の前に人影が現れる。
「ひっ!」
「ああっ!」
東間も紗織も思わず息を飲んだ。
目の前に現れたのは、ディメンザー人だったのだ。
「ディ、ディメンザー人?」
「そんな・・・」
ディメンザー人の恐ろしさは誰でも知っている。
異次元獣を使い破壊をおこなうだけではなく、人間の生命エネルギーを吸い取るために連れ去ったりもするのだ。
ディメンザー人に異次元に連れて行かれてしまった人は、二度と戻ってくることはない。
人々はそのような事態が自分に降りかからぬよう、ただ祈るだけだった。
「我が名はヴィクゥズ。そこのメスよ、真木原紗織とはお前のことだな?」
屈強そうなディメンザー人の男が射るような目で紗織を見る。
黒い皮の胸当てとパンツのようなものを穿き、藤色をした皮膚はなめし皮のように強靭そうだ。
金色に輝く目は瞳が縦に細長く、まるで爬虫類の目を思わせる。
尖った耳の上からは角が生え、背中には黒いコウモリのような羽根が広がり、先の尖った細い尻尾をぶら下げているその姿は、まさに悪魔と呼ぶにふさわしい。
その悪魔の問いに紗織は、思わずうなずいてしまっていた。
「こ、この女が目的なんだな? だ、だったら俺は関係ない。この女は好きにしていいから、俺をここから出してくれ。頼む」
東間ががたがたと震えている。
その様子に紗織はただ哀れさと情けなさを感じるだけだった。
「お前には用はない」
その言葉に一瞬安堵の表情を浮かべる東間。
だが、ディメンザー人ヴィクゥズが東間に向かって手をかざすと、その表情は苦悶の表情へと変わっていく。
「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁ」
みるみるうちに東間の躰は分解し、塵のようになって崩れていく。
そしてヴィクゥズがかざしていた手を握ると、上を向いて自らの口の上に持っていき、絞り出すように何かのしずくを口の中にたらしていく。
「ふん・・・あまり美味くない生命エネルギーだな」
滴ったしずくをゴクリと飲み干すと、ヴィクゥズはにやりと笑った。
あのしずくは東間の命だったんだわ。
そう理解したとき、紗織はどこかホッとした自分に気が付いていた。
これでもう脅迫されることはない。
どうあれ自分と亮太はもう東間に煩わされることがなくなったのだ。
だが、今の状況はもっと悪いものに違いない。
このディメンザー人は明らかに自分を狙ってきたのだ。
無事で返してはもらえないだろうと紗織は思う。
「私をどうするつもりですか?」
うかつなことは言えない。
亮太との関係を聞かれたら、できるだけとぼけるしかない。
紗織はそう決めていた。
まずは相手の出方を見る。
名指しで来た以上、すぐに殺されるとは思わなかった。
殺されるなら有無を言わさず殺しているだろう。
先ほどの東間のように。
「おとなしくしていろ。すぐに終わる」
じろりと紗織をにらむヴィクゥズ。
爬虫類のような縦長の瞳が不気味だった。
「うっ」
急に紗織をめまいのような感覚が襲う。
何が起こったのかわからなかったが、周囲が闇から硬質な壁に囲まれたホールのような場所に変わっていた。
「ふふふ・・・お前たち三次元人には理解できないだろうな。こうして瞬時に場所を移動するというのは」
「ここは・・・ここはどこなんですか?」
「我が拠点だ。お前たちの感覚では地下ということになるかな」
「そんな・・・」
紗織は言葉を失った。
まさか一瞬にして場所を移動するなどとは思いもしなかったのだ。
パワードボーイである亮太ならばわかっていたことかもしれないが、紗織はディメンザー人についてはニュースで報道されている程度のことしか知らなかった。
おそらくディメンザー人に連れて行かれた人々も、こうして瞬間移動で連れて行かれたのだろう。
「ああ・・・亮太・・・」
もしかしたら二度と会えなくなってしまったのかもしれない息子を思い、紗織はその場に崩折れた。
- 2010/07/05(月) 19:49:50|
- ディメンザー人ヅェズー
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昨日から今朝にかけて二試合がおこなわれましたサッカーワールドカップで、いよいよベスト4が決定いたしました。
勝ち残った四強は、オランダ、ウルグアイ、ドイツ、スペインの四ヶ国でした。
なんとブラジルもアルゼンチンも敗れてしまいましたですね。
驚きでした。
ブラジル対オランダ戦もそうでしたし、ドイツ対アルゼンチン戦もそうでしたが、やはり後半にブラジルもアルゼンチンもプレイが崩壊してしまいましたですね。
特にアルゼンチンはまさかの四失点という大量失点でした。
次はいよいよ準決勝。
6日にウルグアイ対オランダ戦が、7日にドイツ対スペイン戦がおこなわれます。
どちらも真夜中ですが、見たくなりますねぇ。
決勝に進出するのはどの国でしょうか。
残りわずかのワールドカップですが、最後まで楽しませてくれそうですね。
明日からは四日間連続でSSを一本投下しようと思います。
よろしくお願いいたします。
それではまた。
- 2010/07/04(日) 21:39:39|
- スポーツ
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印度一様のブログ、「
園芸戦隊ガーデンジャー」でもご紹介されておりましたが、サークル「
ライト・レイト・ポート・ピンク」様の同人誌、「誕生!!悪の女戦士 ビーデル洗脳改造計画」を手に入れることができました。

私は「ドラゴンボール」は実はほとんど読んだことがなく、今回のヒロイン「ビーデル」も「ドクターゲロ」もよく存じません。
ですが、この作品はそういった予備知識無しでも充分楽しむことができました。
特にヒロイン「ビーデル」よりも、すでに洗脳されて「ドクターゲロ」の片腕になってしまっている「ブルマ」が、まさに悪の女幹部然として邪悪な笑みを浮かべつつ「ビーデル」を洗脳して行きますが、それがとても素敵でした。
印度一さんもおっしゃってましたが、まさに「ブルマ」がメインヒロインと言っても過言では無いほどの活躍ぶりを見せてくれます。
もちろん「ビーデル」の洗脳もじっくりしっかりやってくれますので、最後はちゃんと悪堕ちです。
とても楽しい作品ですので、洗脳悪堕ち好きの方は手に入れてみてもいいかもしれません。
それではまた。
- 2010/07/03(土) 21:26:20|
- 同人系
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「エブロ川の戦い」でフランコ側ファシスト軍に大損害を与えた人民戦線側でしたが、踏みとどまったファシスト軍に対し、人民戦線側はもはや攻勢を行なう力を失っておりました。
人民戦線側にとって最後の望みは、ヒトラー率いるドイツがチェコスロバキアに対しておこなった領土割譲要求を英仏が拒否することで第二次世界大戦が始まり、ファシスト軍に対抗する人民戦線に英仏の支援が行なわれるというものでありましたが、9月におこなわれたミュンヘン会談の結果は人民戦線の期待を裏切るものでした。
英仏はヒトラーのドイツに宥和政策で望み、第二次世界大戦はまだこの時点では起こらなかったのです。
それどころか英仏は、ソ連が広げつつある共産主義という脅威に対して、ファシストが防波堤の役目を果たしてくれるとまだ考えており、ソ連の影響下に置かれてしまった人民戦線を逆に不安の目で見ていたのでした。
その結果、人民戦線への英仏の支援の望みは無くなり、もはや人民戦線が頼るのはソ連だけという状況になりますが、ソ連とのつながりが強くなればなるほど、スペインの民衆からは支持されなくなって行きました。
1938年10月、人民戦線側の大攻勢をしのぎきったフランコは、ファシスト軍に反撃を命じます。
勢力を使い果たしていた人民戦線軍の陣地は瞬く間に突破され、ファシスト軍は各地で人民戦線軍を敗走させました。
人民戦線側は態勢を立て直すこともできず、戦いは一方的なものだったといいます。
12月にはファシスト軍はカタロニア地方への攻撃を開始。
翌年の1939年1月末には大都市バルセロナがついにファシスト軍の攻撃に陥落いたします。
人民戦線政府の首脳や人民戦線側と行動を共にする人々は、冬のピレネー山脈を徒歩でフランスに落ちのびていきました。
2月には英仏がフランコの政権を承認し、人民戦線政権は崩壊。
スペインの政権はフランコにあると認められました。
3月、フランコは内戦の終結を目指し、マドリッド攻略に取り掛かります。
今回もマドリッド攻防戦は熾烈を極めるものの、ここにいたってもなお徹底抗戦をおこなおうとするスペイン共産党と戦意をなくしていたアナーキスト派による内紛が発生。
もはや統制の取れない状態の人民戦線側に勝ち目があろう筈がなく、3月28日にはついにマドリッドは陥落、人民戦線側の最後の砦も失われました。
3月30日にはフランコがマドリッドに入城。
4月1日をもってスペイン全土に内戦の終結が宣言されました。
ここに1936年から足掛け3年にわたってスペイン全土に吹き荒れた内戦は、ようやく終結を見たのでした。
内戦終結後もフランコは人民戦線側の残党を弾圧して行きました。
多くの人民戦線派の人々が投獄され、死刑になったといいます。
ある統計では、この内戦で60万人の死者が出たとされますが、そのうち戦死は10万人にしかならず、2万人が人民戦線側のテロにより、20万人がフランコ側のテロにより死亡し、空襲や内戦中の食糧事情の悪化で栄養不良により死んだ人などが6万人、そしてフランコ側に投降後病死や処刑などにより死んだ者が20万人だったとされてます。
バスク地方とカタロニア地方の自治権は取り上げられ、バスク語やカタロニア語も使用を禁じられました。
このような状況により、スペイン国外へ逃亡した人はかなりの数に上ったといいます。
スペインはこの後の第二次世界大戦や東西冷戦期を、フランコによる独裁政権で過ごします。
フランコはスペイン総統として独裁を行い、1975年に83歳でその生涯を閉じました。
彼は独裁者としての自分の後継者は作らず、かつての国王の孫であるフアン・カルロスを後継者に任命。
フアン・カルロスはフランコの遺言に従い、国王フアン・カルロス一世として即位。
そのため、フランコ没後はスペインは王政復古により王国へと変わります。
(ただし、国名はスペインとされ、スペイン王国という呼び方はしません)
フアン・カルロス一世はフランコの独裁路線を継承せず、スペインを民主化された立憲君主国へと導き、現在のスペインへと変えて行きました。
スペインはようやく近代化を終えたのです。
スペイン内戦 終
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参考文献
「スペイン内戦」 歴史群像2000年夏・秋号 学研
他
参考サイト
「Wikipedia スペイン内戦」
「Wikipedia フランシスコ・フランコ」
「Wikipedia 国際旅団」
「裏辺研究所 歴史研究所内ヨーロッパ史スペイン内戦」
「スペイン内戦とその影響 酒井 輝」
他
今回もお付き合いいただきましてありがとうございました。
資料の簡易的な引き写しですが、ある程度スペイン内戦のことを知っていただけましたなら幸いです。
- 2010/07/02(金) 21:27:27|
- スペイン内戦
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今日から7月ですね。
周年記念SSはどうしよう・・・

海人社の「世界の艦船」誌8月号です。
先日の「グランドパワー」誌8月号と同時に毎回購入しております。
今回の特集は「日米海軍の50年」
いわゆる米第七艦隊と日本の海上自衛隊との半世紀の関わりの歴史ですね。
これによると、長らく米第七艦隊の空母として横須賀を母港としてきた「ミッドウェー」は、1973年から日本に来ていたんですね。
それから退役するまでの18年間を日本配備として過ごし、1991年に横須賀を離れています。
まさに70年代80年代の第七艦隊を象徴する空母でしたね。
惜しむらくは、その飛行甲板の狭さなどからF-14を運用できず、多くの日本のミリタリーファンが望んだF-14を目にする機会をあまり与えてくれなかったことでしょうか。
個人的に残念だったのは、この6月で退役した海上自衛隊の護衛艦の中に「ゆうばり」と「ゆうべつ」があったことです。
すでに護衛艦「いしかり」は退役しており、これで北海道の河川にちなんで名付けられていた護衛艦が三隻ともいなくなってしまいました。
「いしかり」は小型の護衛艦でしたが、日本の護衛艦として初めてハープーン対艦ミサイルを装備した護衛艦として知られており、「ゆうばり」「ゆうべつ」はその拡大改良型でした。
北海道ゆかりの艦名の護衛艦だっただけに、退役は寂しく感じてしまいます。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2010/07/01(木) 21:27:15|
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