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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ホワイトリリィ(13)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」の13回目です。

いつもお読みくださいましてありがとうございます。
ようやく中間です。
長いような早いような・・・
まだ、あと半分あります。
今後もお付き合いよろしくお願いいたします。

それではどうぞ。


13、
                   ******

「あなたは一体何者なの? そんなマスクで顔を隠したって無駄よ。警察の力を甘く見ないことね。刑事を拉致するなんていい度胸だわ」
冷静に現状を確認しつつ、あくまでも弱気を見せない女性刑事。
それが峯雲春奈(みねぐも はるな)だった。
キャリア組でありながら、現場たたき上げの刑事たちの経験と勘所を尊重し、彼らに対して尊敬と敬意を払った上で自己を主張する。
科学的捜査と旧来の捜査の双方を取り入れて、犯人逮捕に全力を尽くす。
言葉にするのは簡単だが、実行することができる人間はそうはいない。
日本征服の前段階として、警察組織の内部情報を探っていた俺は、そんな難しいことをいとも容易くやってしまうという峯雲春奈という人間に興味を抱いた。

警部という肩書きを持ち、捜査課の課長補佐という立場に就いたことすらある彼女だが、現状では恵まれた環境にいるとは言いがたい。
彼女のような存在は下からは慕われる反面上からは疎まれる。
何やかやと理由をつけて現場に貼り付けさせられ、本人もそれをさほど苦と感じていないために、いいようにあしらわれているのだ。
まだ若い彼女には、そのあたりの機微がわからないのだろう。
一所懸命に頑張れば報われるとでも思っていたのかもしれない。

俺は春奈を手に入れるため、かねてより戦闘員用素材として目をつけていた女子大生を拉致するときに、わざわざドスグラーとして警察に目を付けられるようにしてみた。
無論、そこらのぼんくら警官には、俺の痕跡をたどることは難しいだろう。
しかし彼女は俺に目をつけた。
ドスグラーなどというふざけた野郎が、こともあろうに警察に挑戦してきていると感じたのだろう。
彼女はその女子大生のガードをするようになった。
もちろん上司や同僚には報告していたのだろうが、変質者のいたずらと思われるのが関の山。
女子大生のガードに付いたのは彼女だけだった。
俺はほくそ笑んだものだった。

彼女を捕らえるのは簡単だった。
女子大生を拉致するときに姿を見せてやるだけでよかったのだ。
おそらく本人も罠だと思ったかもしれない。
だが、堂々と目の前で護衛対象を連れて行かれるわけには行かない。
応援を呼んだところで、すぐに来てくれるはずもなし。
異様ないでたちをした俺が黒尽くめの女戦闘員たちと姿を現したことで、彼女は対象を影からガードするという選択を放棄した。
「その娘から離れなさい! 私は警察です。誘拐未遂の現行犯とみなします。おとなしく全員そこに伏せなさい」
バックから取り出したであろう、リボルバー式の拳銃が俺にぴたりと向けられる。
当然片方の手では警察のバッジを見せることを忘れない。
夜のマンションの地下駐車場。
人気はない。
いるのは口元だけを出した真っ黒な全身タイツを纏った異様な姿をした三人の女たちと、高い襟を立たせたマントを羽織り、黒いがっしりとした全身を覆うアーマーを身に付け、白い髑髏のマスクを被ったイカレタ男。
そんな状況でも彼女は臆することなく、自己の信念に基づいて姿を現し、俺に向かって拉致をやめろと言い放つ。
反吐が出るほどの正義感であると同時に、魅力的な資質を備えていることを証明するものだ。
「何をしているの? 早く伏せなさい! あなた、こっちへ早く」
連れ去られようとしていた女子大生は、その声に慌てて彼女の元へ向かおうとした。
「キュイーッ」
俺が何も言わずとも、女戦闘員たちは彼女を逃がしはしない。
「動かないで!」
彼女の拳銃が女戦闘員たちに向けられる。
俺はその瞬間に彼女に向かってダッシュした。

その後は簡単だった。
ある程度とはいえ、強化してある俺が生身の女性に負けるはずがない。
「そんな? うっ・・・」
あまりの速さで近寄った俺に驚いていた彼女の手から拳銃を叩き落し、首筋に手刀を一発叩き込む。
これで彼女は地面に崩れ落ちる。
手加減してやったので死んではいないはず。
俺は女戦闘員たちに命じて、彼女も連れて行く。
優秀な人材が得られるというのは気持ちがいいものだ。
俺は充分に満足して、その場を立ち去ったのだった。

円形の手術台。
俺はその上に峯雲春奈を拘束していた。
全裸にされて手術台の上に寝かされた彼女は、まるで虫ピンで磔にされた昆虫だ。
だが、そんな状況でありながら、彼女はキッと俺をにらみつけ、臆するところなど微塵もない。
素晴らしい女だ。
たいていの女はこの手術台に寝かされてしまえば、めそめそと泣き出し、恥ずかしさに身をよじって命乞いをする。
無論、それはそれで俺の嗜虐心を満足させてくれるし、この手術台で改造される女性は俺が選りに選った人材だから、泣き喚いたからと言って改造を取りやめるなどということもない。
しかし、彼女のように現状を把握した上でなお絶望しないでいるというのもすごいことだ。
彼女の生来の気質によるものだろう。
まさにうってつけの人材というわけだ。

「私を裸にして楽しんでいたみたいね、この変態。いいこと、今なら私も目をつぶってあげられるわ。おとなしく私を解放しなさい。悪いようにはしないから」
口数が多くなっているのは、多少は恐怖を感じているのだろう。
ただ、陵辱されなかったことはホッとしているかもしれないな。
ふふん・・・
陵辱などしなくても、お前は望んで俺に躰を差し出すようになる。
そう、そうなるのだ。
「ずいぶんと威勢がいいな。だがそうやってしゃべっていないと怖いのか?」
俺は手術台に横たわった彼女の躰を撫でるように、そばの装置類に手を這わせる。
「何を・・・怖いわけなんか・・・」
ギリッと歯噛みして彼女は憎々しげに俺を見る。
「そうか。可愛げのない女だが、俺はお前のような女は嫌いではない」
「バカなことを! いい加減にマスクを取って顔を見せなさい! まともに顔も見せられないの? 意気地なし!」
「そう言うな。このマスクは悪の秘密結社クーライの首領として、外すわけにはいかないものなのだ」
俺がそう言ったとき、彼女は憐憫の笑みを浮かべた。
「悪の秘密結社? いい歳して子供じみたことを言っているのね・・・ああ、そうなんだ・・・女に相手にされないものだから誘拐して改造ごっこ? くだらない男ね」
「ご名答。まあ、女に相手にされていないわけではないがね。誘拐して改造というのはその通りだ。無論、ごっこではない」
マスクを通した俺の声に、俺がふざけているのではないということを感じ取ったのかもしれない。
いや、本気で気が狂った人間を相手にしてしまったとでも思ったか?
春奈の表情が曇る。
「ちょ、ま、まさか切り刻んだりするわけじゃ・・・」
「心配するな。少し眠ってもらうだけだ。気がついたときには、お前は新たな人生を歩み始めることになるだろう。クーライの改造人間としてな」
俺はマスクの裏でにやっと笑う。
彼女は可愛い改造人間になるだろう。
そして俺の大事な手駒になってくれることだろう。
「か、改造人間? わけわからないこと言ってないでこれをはずしなさい!」
この時点で春奈は固定された手足をはずそうともがきだす。
無駄なことと思っていたために今までしていなかったのだろうが、そんなことも言っていられないのだろう。
「無駄なことだ」
俺はお約束のセリフを吐いて、私の指示を待ちかねている医療戦闘員たちに合図する。
「じょ、冗談じゃないわ! やめてー!」
冗談ではないし、やめるつもりもまったくない。
白衣の医療戦闘員たちが春奈の両脇から迫り寄ると、ホースの付いたマスクを取り出して鼻と口をふさぎ、白いガスを送り込む。
「や、やめてー! ゲホ、ゲホゲホッ」
必死に息を止めてガスを吸い込まないようにする春奈だったが、空しい抵抗である。
いずれはガスを吸い込まざるを得ないのだ。
「それは単なる麻酔ガスだ。吸い込んだところで問題ない。苦しむ必要などないのだぞ」
彼女は俺をキッとにらみつけたが、その目もすぐにとろんとなってきて、やがてがっくりとうなだれた。

「キュイーッ! 峯雲春奈は完全に意識を失いました」
真っ白な全身タイツと口元だけをのぞかせた全頭マスク。
技術戦闘員と同じく通常の戦闘員と色だけが違う彼女たちも、俺が連れてきて改造した医療用スタッフだ。
看護師や医師の卵などを拉致してきて、簡易改造した上で洗脳を施す。
その時に直接技術を脳に焼き付けるため、改造手術限定ではあるものの、もともとの本人の技量に関係なく一級品の手術能力を持った医療スタッフが完成するのだ。
「改造を始めろ。じっくりと念入りにな。この女は素晴らしい素体だ。いいか、失うことは許されん。覚悟して改造するんだ」
俺は医療戦闘員たちにハッパをかける。
萎縮しては困るが、俺の一喝に引き締まってくれればそれでいい。
「「キュイーッ!」」
医療戦闘員たちが一斉に跪いて一礼する。
これがクーライの敬礼だ。
俺は彼女たちに鷹揚にうなずくと、改造手術を始めさせた。

俺が手に入れたテクノロジーはかなりのものになる。
無論、地球の技術では使うこともできない代物が大半だ。
基礎技術がない以上、知識があっても役には立たない。
しかし、手探りで進むのと、道しるべがあるのでは大いに違う。
洗脳という技術がわりと簡単に行なえるものであったのは行幸だったかもしれない。
俺は有能な人間をさらって来さえすれば、忠誠心を植えつけて使役することができたからだ。
洗脳システムは脳を直接いじる。
異星人の脳は人類の脳とは違い、かなり複雑なものだったらしい。
それに比べれば地球人の脳など単純なものだったのだろう。
知識の焼き付けも動作のコントロールも忠誠心の刷り込みも電気信号で行なうことができたのだ。

もちろん最初は失敗の連続だった。
拉致した人間の半分は白痴化してしまったものだ。
だが、幾度か繰り返すことでしっかりと洗脳できるようになった。
今ではチップ埋め込みなども行なうことができ、洗脳ばかりか脳改造と言っていいだろう。
かつての特撮番組で行なわれていたものを、俺は実際に行えるようになったのだ。

しかし、これは作られた感情だ。
俺に従い、俺のいいなりに動き、それによって幸福感を得るように作り上げた感情だ。
自発的に向けられたものではない。
だが、俺はそれでも一向に構わなかった。
百合香に出会うまでは・・・

手術台の上でで生まれ変わっていく峯雲春奈。
細胞を遺伝子レベルから変化させていき、筋肉や骨も強靭に強化していく。
毒蜘蛛の遺伝子を注入され、彼女の美しい躰が蜘蛛と融合していくのだ。
その上でさらに補助器官や通信機などの機械部品を埋め込んでいく。
繊細な上に時間のかかる手術だが、医療戦闘員たちは手際よく進めていく。
やがて改造手術が終わった時そこにいたのは、峯雲春奈などと言う女ではなく俺の可愛い部下となった蜘蛛女だった。
  1. 2010/03/04(木) 21:21:02|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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