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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ホワイトリリィ(14)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」もいよいよ後半突入。
今日は14回目です。

それではどうぞ。


14、
                   ******

「ドスグラー様?」
あの時と変わらぬ笑顔・・・ではなく少し心配した表情を俺に向ける蜘蛛女。
どうやらしばし過去の事を思い出してぼうっとしていたらしい。
ラーメンを食べ終えた俺が呆けていたので心配になったのだろう。
まったく、俺としたことが。
「ああ、すまんな。ちょっと過去を思い出していた」
俺は素直にそう言って蜘蛛女を見る。
「過去を・・・ですか?」
食べ終えた食器を片付けようと手を伸ばした蜘蛛女がふしぎそうな顔をした。
クーライの首領として未来に目を向けているはずの俺が、過去を思い出していたことに違和感を感じたのかもしれない。
「ああ、お前が改造されたときのことをな」
俺がにやりと笑うと、蜘蛛女の顔が少し赤くなった。
「私が改造されたときのことでございますか? ああ・・・どうかおやめ下さいませ。私が以前人間だったことなんて考えたくもございません」
「ふふ、あれほど優秀な女刑事だったではないか」
俺はちょっと苛めてやる。
改造されたことを誇りに思うように刷り込まれた思考は、人間だったときのことなど考えたくもないのだろう。
「どうかお赦し下さい。私には過去などございません。私はクーライの改造人間蜘蛛女です。それ以外の何者でもございません」
首を振って過去の自分を否定する蜘蛛女。
「ふふふ・・・目覚めた時のことを覚えているか?」
俺はさらに苛めてやる。
そう、俺が彼女に命じた最初の命令を思い出したのだ。
「はい、覚えております。ドスグラー様のお声を最初に聞いた時には、とても嬉しかったですわ」
蜘蛛女の赤い目が輝く。

そう、俺が最初に彼女に命じたのは、今までの彼女をまったく否定するような命令だったのだ。
彼女が躰を張って守っていた女子大生。
その女子大生を女戦闘員に改造するために、手術台に寝かさせたのだ。

「い、いやぁっ! 誰? あなたは何者なの?」
恐怖にあとずさる女子大生。
それを獲物を追い詰めるようにじわりじわりと迫っていく。
「うふふふ・・・私はクーライの改造人間蜘蛛女。ドスグラー様の命により、お前を女戦闘員に改造するのよ」
蜘蛛女になった春奈は、楽しみながら彼女を追い詰め、ついには手術台へと連れて行く。
彼女を守ろうとしたことなど考えもしない。
俺の命令だけがすべてなのだ。
そのあとで女戦闘員となった女子大生を連れてきた蜘蛛女を俺は褒めてやった。
あのときの嬉しそうな表情を俺は忘れてない。
それが作られた感情だったとしてもだ。

作られた感情によって俺に向けられる笑顔。
今度はそれを百合香に求めている。
焼き付けた感情ではなくゆがめられた感情。
どっちもどっちかもしれないが、俺は俺だけに向けられる百合香の笑顔が見たかった。

「美味しかった。ありがとう」
俺がそう言うと、蜘蛛女が微笑んだ。
「こちらこそ、差し出がましいことをいたしました。食べてくださいまして嬉しかったです」
トレイを手にして一礼する蜘蛛女。
俺は再び髑髏のマスクを着け、洞上健一からドスグラーへと切り替える。
エプロン姿の蜘蛛女にあらためて新鮮味を感じながら見送ると、俺は再び百合香の監視を続けることにした。

午前中の洗濯を終え、昼食を食べ終えた百合香は、一休みしているようだ。
ソファでお茶を飲みながらクロスワードパズルを解いている。
ときどきうーんとかあっとか言いながらパズルを解いている彼女を見ているのはなんだか楽しくなる。
やれやれ・・・
これでは完全なストーカーだな。
さて、はじめるとしようか・・・
俺は発信機のスイッチを入れる。
パルスの照射で百合香に感じてもらわなくてはな。

『そうそう・・・バンクーバーはカナダだっけ・・・』
クロスワードパズルに文字を書き込んでいる百合香。
その手がふと止まる。
『はあ・・・』
ピンク色の唇から吐息が洩れる。
パルスの影響が出始めたのだ。
百合香は躰の火照りを感じているはず。
だんだん切なくなってくるに違いない。
『は・・・あん・・・』
ボールペンを持っていた右手がテーブルの下に伸びていく。
左手は服の上から胸に当てられる。
『ああん・・・どうしたのかしら・・・なんだかエッチな気分になってる・・・』
それはそうだろう。
パルスでそう仕向けているのだからな。
かまわないから存分に楽しむがいい。
いやらしい自分に酔いしれて欲しい。
俺はモニターを見ながらそう思う。

『ん・・・あん・・・濡れて・・・る・・・』
胸をもみ、股間をいじり始めている百合香。
昨日も見せてもらったが、そこらのアダルト映像など比べ物にならない映像だ。
見ている俺も興奮してたぎってくるのを止められない。
だが、そこをグッと我慢する。
これは作戦なのだ。
俺が遊ぶためではない。
俺は次のパルスを流してやる。
夕べと同じく意識化に俺のことを刷り込んでやるのだ。
百合香がオナニーするときには、必ず俺のことを考えるようにしてやるのだ。
『あ・・・ん・・・お・・・お義父様・・・お義父様・・・』
俺のことを呼びながらも百合香は手を動かすのをやめはしない。
ここ数日のパルス照射で、俺への嫌悪感は消されている。
それでも羞恥なのか了史に対する罪悪感からか、頬を真っ赤にしながらオナニーする百合香。
『ああ・・・お義父様・・・い、イッちゃうぅぅぅ・・・』
やがて百合香は躰をビクンと震わせてイってしまう。
これでまた一歩、百合香を俺のものにすることができたようだ。

『はあ・・・はあ・・・私・・・どうして・・・どうしてお義父様のことを・・・』
ソファに横たわり余韻に浸っている百合香。
だが、夕べよりはいい表情をしている。
罪悪感が少し薄れたのかもしれないな。
『ああ・・・お義父様・・・私・・・今朝からお義父様のことばかり考えている・・・了史さんよりも・・・お義父様のことを考えている・・・』
それでいいのだ。
これからもっともっと俺のことを考えさせてやる。
身も心も俺に捧げるようにしてあげるよ、百合香。

夕方、俺はアジトの管理を蜘蛛女に任せて外に出る。
さも仕事をしてきたかのような顔をして帰らなければな。
アジトにつながるいくつかの出口の一つを使い、そこから一度夕暮れの街に繰り出していく。
別に何をするということもないが、タバコが切れそうだったので買いに行こうと思ったのだ。
近所のコンビニでもよかったのだが、散歩するのも悪くない。
今日は久しぶりに過去のことなど思い出した。
それにしてもあのラーメンは美味かったな。
蜘蛛女め・・・
あんなに料理ができるとは思わなかったぞ。

俺は駅前まで歩くと、大型書店に入り込む。
そこの自動販売機でタバコを買い、ついでに雑誌を見ていくのだ。
暇つぶし用に二三冊手に取り、レジに持っていこうとすると、ふとアダルトな雑誌に目が止まった。
表紙ではいやらしい黒い下着姿の女性がウィンクしている。
ふむ・・・
ああいう下着も悪くない。
白い肌の百合香にはきっと黒が似合うだろう。
俺はそんなことを考えて苦笑する。
やれやれ・・・
女性の下着姿に鼻の下を伸ばしている悪の首領とはな・・・

「ただいま」
散歩を終えて自宅に帰る。
駅前から家までは歩いて十五分ほど。
散歩にはちょうどいい。
「お帰りなさいませ。お義父様」
エプロン姿の百合香が玄関先で出迎えてくれる。
あのことがあって以後、一度は行なわれなくなっていた行為だ。
パルスのおかげで、今では以前のように出迎えてくれる。
ありがたいことだな。

以前のようにカバンを持って俺の部屋について来てくれる百合香。
俺は部屋の入り口でカバンを受け取ろうとする。
部屋の中は俺がタバコを吸うせいでタバコくさい。
なので、いつも入り口でカバンを受け取ることにしていたのだ。
「はい、どうぞ」
にこやかにカバンを渡してくれる百合香。
その笑みはいつ見てもすばらしい。
俺はカバンを持って部屋に入ろうとドアを開ける。
すると、百合香がくんと鼻を鳴らすのがわかった。
「うん? どうかしたかい?」
「あ・・・い、いえ」
なぜか少し赤くなる百合香。
いったいどうしたというのだ?
「その・・・タバコのにおいが・・・」
言いづらそうにする百合香に、俺は一度ドアを閉めた。
「これはすまなかったね。百合香さんはタバコが嫌いだったな。ついドアを開けてしまったが赦してくれ」
「ち、違うんです」
俺が謝ると、あわてたように首を振る百合香。
ん?
違う?
「違うんです。タバコのにおいがして・・・ああ、お義父様はいつもここでタバコを吸っているんだなぁって思って・・・タバコのにおいがお義父様のにおいのような気がして・・・その・・・なんとなくいいにおいかなって・・・」
「百合香さん・・・」
そういうことか。
パルスの影響でタバコのにおいが俺のイメージと結びついているんだな。
なるほど。
ならば百合香にもタバコを吸わせてみようか。
俺はタバコを吸う女性は嫌いじゃない。
むしろ妖艶な女性にはタバコを吸って欲しいとも思う男だ。
百合香がタバコを吸うようになれば、きっと妖艶な女になる。
ふふふ・・・
了史が目を回すかもしれないな。

「タバコがいいにおいとはうれしいな。最近はどこへ行ってもタバコは嫌われるんでね。少し肩身が狭い思いをしていたところだ」
「あ、そ、そうですわね。どこも禁煙禁煙ってなってますものね。せめて家でぐらい・・・」
少し考え込む百合香。
室内だけではなく家の中ならどこでも吸えるようにしたほうが・・・などと考えているのだろう。
了史よりも俺を優先するようになってきているのかな。
「まあ、そこまですることはないさ。それよりもタバコのにおいが好きなら、いつでも部屋に来るといい。好きなだけ嗅がせてあげるよ」
「はい。ありがとうございます、お義父様」
にっこりと微笑んでキッチンに向かう百合香。
俺はその後ろ姿を見てほくそ笑んだ。

夜は再びパルスの時間だ。
今日も百合香の躰を燃え立たせ、逆に了史の躰を役立たずにしてやる。
そして了史への嫌悪感をじょじょに植えつけるのだ。

百合香はパルスのせいで甘えるように了史を求めたものの、了史の躰は受け付けない。
夕べと同じように百合香は手や口で試してみたものの、了史のモノは一向に役に立ちはしなかった。
俺はそのあたりで了史への嫌悪感を増幅させる。
百合香はだんだんと苛立ったようになり、そのうちシャワーを浴びてくると言って寝室を出てしまう。
すまなさそうにして取り残された了史を、俺は意地悪な笑いを浮かべて見ていたのだった。

シャワーを浴びにいくと言った百合香だったが、当然火照った躰を静めるつもりのはずだ。
俺は別の蜘蛛型ロボットを起動させ、リビングの様子を探らせる。
おや?
いない?
もしかしてシャワールームか?
だが、シャワールームの明かりはついていない。
いったいどこへ?
一瞬戸惑った俺だったが、すぐに百合香はリビングに現れた。
トイレにでも行っていたのかもしれない。
だが、モニターの中の百合香は何かを持っている。
なんだろう?
いったい何を持っているのだろう・・・

『はあ・・・ん・・・お義父様のにおいがする・・・』
俺はドキッとした。
百合香は俺のワイシャツを持っていたのだ。
着替えた後で洗濯籠にいれて置いた俺のワイシャツ。
百合香はそれを取り出してきたというのか。
『はあん・・・お義父様・・・なんだろう・・・私・・・お義父様のにおいが好きになっている・・・タバコを吸うお義父様のにおいが好き・・・なんだか感じちゃう・・・』
ソファに腰掛け、俺のワイシャツのにおいを嗅いでいる百合香。
パルスの影響がここまででてきたのか・・・
いや、もともと百合香ににおいフェチの気があったのかもしれないな・・・
『了史さんのにおいはいや。了史さんのにおいなんか嫌い。さっきだって抱いて欲しいって思ってたけど、ちっとも勃たないし臭いし・・・オエッてなっちゃいそうだったわ・・・』
俺のワイシャツに顔をうずめながら股間をいじっていく百合香。
『ああん・・・お義父様のにおい好きぃ・・・なんだか感じちゃう・・・ああ・・・とても気持ちいいわぁ・・・』
俺のにおいに興奮しながらオナニーをする百合香。
やがて百合香は躰を震わせて絶頂を迎える。
了史に対する罪悪感は薄らいできているようだった。
  1. 2010/03/05(金) 21:05:27|
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ホワイトリリィ(13)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」の13回目です。

いつもお読みくださいましてありがとうございます。
ようやく中間です。
長いような早いような・・・
まだ、あと半分あります。
今後もお付き合いよろしくお願いいたします。

それではどうぞ。


13、
                   ******

「あなたは一体何者なの? そんなマスクで顔を隠したって無駄よ。警察の力を甘く見ないことね。刑事を拉致するなんていい度胸だわ」
冷静に現状を確認しつつ、あくまでも弱気を見せない女性刑事。
それが峯雲春奈(みねぐも はるな)だった。
キャリア組でありながら、現場たたき上げの刑事たちの経験と勘所を尊重し、彼らに対して尊敬と敬意を払った上で自己を主張する。
科学的捜査と旧来の捜査の双方を取り入れて、犯人逮捕に全力を尽くす。
言葉にするのは簡単だが、実行することができる人間はそうはいない。
日本征服の前段階として、警察組織の内部情報を探っていた俺は、そんな難しいことをいとも容易くやってしまうという峯雲春奈という人間に興味を抱いた。

警部という肩書きを持ち、捜査課の課長補佐という立場に就いたことすらある彼女だが、現状では恵まれた環境にいるとは言いがたい。
彼女のような存在は下からは慕われる反面上からは疎まれる。
何やかやと理由をつけて現場に貼り付けさせられ、本人もそれをさほど苦と感じていないために、いいようにあしらわれているのだ。
まだ若い彼女には、そのあたりの機微がわからないのだろう。
一所懸命に頑張れば報われるとでも思っていたのかもしれない。

俺は春奈を手に入れるため、かねてより戦闘員用素材として目をつけていた女子大生を拉致するときに、わざわざドスグラーとして警察に目を付けられるようにしてみた。
無論、そこらのぼんくら警官には、俺の痕跡をたどることは難しいだろう。
しかし彼女は俺に目をつけた。
ドスグラーなどというふざけた野郎が、こともあろうに警察に挑戦してきていると感じたのだろう。
彼女はその女子大生のガードをするようになった。
もちろん上司や同僚には報告していたのだろうが、変質者のいたずらと思われるのが関の山。
女子大生のガードに付いたのは彼女だけだった。
俺はほくそ笑んだものだった。

彼女を捕らえるのは簡単だった。
女子大生を拉致するときに姿を見せてやるだけでよかったのだ。
おそらく本人も罠だと思ったかもしれない。
だが、堂々と目の前で護衛対象を連れて行かれるわけには行かない。
応援を呼んだところで、すぐに来てくれるはずもなし。
異様ないでたちをした俺が黒尽くめの女戦闘員たちと姿を現したことで、彼女は対象を影からガードするという選択を放棄した。
「その娘から離れなさい! 私は警察です。誘拐未遂の現行犯とみなします。おとなしく全員そこに伏せなさい」
バックから取り出したであろう、リボルバー式の拳銃が俺にぴたりと向けられる。
当然片方の手では警察のバッジを見せることを忘れない。
夜のマンションの地下駐車場。
人気はない。
いるのは口元だけを出した真っ黒な全身タイツを纏った異様な姿をした三人の女たちと、高い襟を立たせたマントを羽織り、黒いがっしりとした全身を覆うアーマーを身に付け、白い髑髏のマスクを被ったイカレタ男。
そんな状況でも彼女は臆することなく、自己の信念に基づいて姿を現し、俺に向かって拉致をやめろと言い放つ。
反吐が出るほどの正義感であると同時に、魅力的な資質を備えていることを証明するものだ。
「何をしているの? 早く伏せなさい! あなた、こっちへ早く」
連れ去られようとしていた女子大生は、その声に慌てて彼女の元へ向かおうとした。
「キュイーッ」
俺が何も言わずとも、女戦闘員たちは彼女を逃がしはしない。
「動かないで!」
彼女の拳銃が女戦闘員たちに向けられる。
俺はその瞬間に彼女に向かってダッシュした。

その後は簡単だった。
ある程度とはいえ、強化してある俺が生身の女性に負けるはずがない。
「そんな? うっ・・・」
あまりの速さで近寄った俺に驚いていた彼女の手から拳銃を叩き落し、首筋に手刀を一発叩き込む。
これで彼女は地面に崩れ落ちる。
手加減してやったので死んではいないはず。
俺は女戦闘員たちに命じて、彼女も連れて行く。
優秀な人材が得られるというのは気持ちがいいものだ。
俺は充分に満足して、その場を立ち去ったのだった。

円形の手術台。
俺はその上に峯雲春奈を拘束していた。
全裸にされて手術台の上に寝かされた彼女は、まるで虫ピンで磔にされた昆虫だ。
だが、そんな状況でありながら、彼女はキッと俺をにらみつけ、臆するところなど微塵もない。
素晴らしい女だ。
たいていの女はこの手術台に寝かされてしまえば、めそめそと泣き出し、恥ずかしさに身をよじって命乞いをする。
無論、それはそれで俺の嗜虐心を満足させてくれるし、この手術台で改造される女性は俺が選りに選った人材だから、泣き喚いたからと言って改造を取りやめるなどということもない。
しかし、彼女のように現状を把握した上でなお絶望しないでいるというのもすごいことだ。
彼女の生来の気質によるものだろう。
まさにうってつけの人材というわけだ。

「私を裸にして楽しんでいたみたいね、この変態。いいこと、今なら私も目をつぶってあげられるわ。おとなしく私を解放しなさい。悪いようにはしないから」
口数が多くなっているのは、多少は恐怖を感じているのだろう。
ただ、陵辱されなかったことはホッとしているかもしれないな。
ふふん・・・
陵辱などしなくても、お前は望んで俺に躰を差し出すようになる。
そう、そうなるのだ。
「ずいぶんと威勢がいいな。だがそうやってしゃべっていないと怖いのか?」
俺は手術台に横たわった彼女の躰を撫でるように、そばの装置類に手を這わせる。
「何を・・・怖いわけなんか・・・」
ギリッと歯噛みして彼女は憎々しげに俺を見る。
「そうか。可愛げのない女だが、俺はお前のような女は嫌いではない」
「バカなことを! いい加減にマスクを取って顔を見せなさい! まともに顔も見せられないの? 意気地なし!」
「そう言うな。このマスクは悪の秘密結社クーライの首領として、外すわけにはいかないものなのだ」
俺がそう言ったとき、彼女は憐憫の笑みを浮かべた。
「悪の秘密結社? いい歳して子供じみたことを言っているのね・・・ああ、そうなんだ・・・女に相手にされないものだから誘拐して改造ごっこ? くだらない男ね」
「ご名答。まあ、女に相手にされていないわけではないがね。誘拐して改造というのはその通りだ。無論、ごっこではない」
マスクを通した俺の声に、俺がふざけているのではないということを感じ取ったのかもしれない。
いや、本気で気が狂った人間を相手にしてしまったとでも思ったか?
春奈の表情が曇る。
「ちょ、ま、まさか切り刻んだりするわけじゃ・・・」
「心配するな。少し眠ってもらうだけだ。気がついたときには、お前は新たな人生を歩み始めることになるだろう。クーライの改造人間としてな」
俺はマスクの裏でにやっと笑う。
彼女は可愛い改造人間になるだろう。
そして俺の大事な手駒になってくれることだろう。
「か、改造人間? わけわからないこと言ってないでこれをはずしなさい!」
この時点で春奈は固定された手足をはずそうともがきだす。
無駄なことと思っていたために今までしていなかったのだろうが、そんなことも言っていられないのだろう。
「無駄なことだ」
俺はお約束のセリフを吐いて、私の指示を待ちかねている医療戦闘員たちに合図する。
「じょ、冗談じゃないわ! やめてー!」
冗談ではないし、やめるつもりもまったくない。
白衣の医療戦闘員たちが春奈の両脇から迫り寄ると、ホースの付いたマスクを取り出して鼻と口をふさぎ、白いガスを送り込む。
「や、やめてー! ゲホ、ゲホゲホッ」
必死に息を止めてガスを吸い込まないようにする春奈だったが、空しい抵抗である。
いずれはガスを吸い込まざるを得ないのだ。
「それは単なる麻酔ガスだ。吸い込んだところで問題ない。苦しむ必要などないのだぞ」
彼女は俺をキッとにらみつけたが、その目もすぐにとろんとなってきて、やがてがっくりとうなだれた。

「キュイーッ! 峯雲春奈は完全に意識を失いました」
真っ白な全身タイツと口元だけをのぞかせた全頭マスク。
技術戦闘員と同じく通常の戦闘員と色だけが違う彼女たちも、俺が連れてきて改造した医療用スタッフだ。
看護師や医師の卵などを拉致してきて、簡易改造した上で洗脳を施す。
その時に直接技術を脳に焼き付けるため、改造手術限定ではあるものの、もともとの本人の技量に関係なく一級品の手術能力を持った医療スタッフが完成するのだ。
「改造を始めろ。じっくりと念入りにな。この女は素晴らしい素体だ。いいか、失うことは許されん。覚悟して改造するんだ」
俺は医療戦闘員たちにハッパをかける。
萎縮しては困るが、俺の一喝に引き締まってくれればそれでいい。
「「キュイーッ!」」
医療戦闘員たちが一斉に跪いて一礼する。
これがクーライの敬礼だ。
俺は彼女たちに鷹揚にうなずくと、改造手術を始めさせた。

俺が手に入れたテクノロジーはかなりのものになる。
無論、地球の技術では使うこともできない代物が大半だ。
基礎技術がない以上、知識があっても役には立たない。
しかし、手探りで進むのと、道しるべがあるのでは大いに違う。
洗脳という技術がわりと簡単に行なえるものであったのは行幸だったかもしれない。
俺は有能な人間をさらって来さえすれば、忠誠心を植えつけて使役することができたからだ。
洗脳システムは脳を直接いじる。
異星人の脳は人類の脳とは違い、かなり複雑なものだったらしい。
それに比べれば地球人の脳など単純なものだったのだろう。
知識の焼き付けも動作のコントロールも忠誠心の刷り込みも電気信号で行なうことができたのだ。

もちろん最初は失敗の連続だった。
拉致した人間の半分は白痴化してしまったものだ。
だが、幾度か繰り返すことでしっかりと洗脳できるようになった。
今ではチップ埋め込みなども行なうことができ、洗脳ばかりか脳改造と言っていいだろう。
かつての特撮番組で行なわれていたものを、俺は実際に行えるようになったのだ。

しかし、これは作られた感情だ。
俺に従い、俺のいいなりに動き、それによって幸福感を得るように作り上げた感情だ。
自発的に向けられたものではない。
だが、俺はそれでも一向に構わなかった。
百合香に出会うまでは・・・

手術台の上でで生まれ変わっていく峯雲春奈。
細胞を遺伝子レベルから変化させていき、筋肉や骨も強靭に強化していく。
毒蜘蛛の遺伝子を注入され、彼女の美しい躰が蜘蛛と融合していくのだ。
その上でさらに補助器官や通信機などの機械部品を埋め込んでいく。
繊細な上に時間のかかる手術だが、医療戦闘員たちは手際よく進めていく。
やがて改造手術が終わった時そこにいたのは、峯雲春奈などと言う女ではなく俺の可愛い部下となった蜘蛛女だった。
  1. 2010/03/04(木) 21:21:02|
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ホワイトリリィ(12)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」の12回目です。

それではどうぞ。


12、
                   ******

「お、おはようございます、お義父様」
朝、リビングに顔を出す俺に百合香が挨拶をしてくる。
心なしかうろたえて目を伏せているのは気のせいか?
「ああ、おはよう百合香さん」
俺はそう言って顔を洗い朝食を取る。
今日からは二週間の休暇だ。
だが、了史にも百合香にも教えてはいない。
俺はアジトでゆっくりさせてもらう。
無論その時にはじっくりと百合香で楽しませてもらうのだ。
「了史はもう出かけたのかい?」
「え? あ、は、はい」
まるで心ここにあらずといった感じで百合香が返事をする。
夕べのことを考えているのだろう。
何せ、俺のことを考えてオナニーした後にさらに風呂場でもイってしまったのだからな。
俺の顔をまともに見られないのかもな。

俺は用意された朝食を平らげると、部屋で着替えて家を出る。
会社へ行く振りをして、適当なところで家の近くに設置してあるアジトへの入り口に向かうのだ。
バス停の近くに設置された、ある金融業者のATMボックス。
このATMボックスがアジトへの入り口である。
無論、設置した金融業者ですら、そんなことは知りもしない。
クーライの組織員だけが知る入り口だ。
ATMに入るやつが多少周囲を気にしていたとしてもある意味当たり前だろうし、逆に通りすがるやつはATMに入っていったやつがしばらく出てこなくても気にすることもない。
まあ、怪しまれたら入り口をふさげばいいことだ。
俺はATMボックスに入り、腕時計に仕込んだスイッチを作動させる。
すぐに床がバタンと抜けて、俺の躰はまるで滑り台を滑るようにアジトの入り口に滑り下りた。
無論すぐに床は元通りになり、ATMは何事もなかったかのように客を待ち続けるのだ。
やれやれ。
こんな仕掛けだが、女怪人や女戦闘員どもには受けがいい。
結構ドキドキすると言って楽しんでいるのだ。
無論人気の無い夜中に限るが。

俺はいつものように控え室で着替え、ドスグラーの衣装を着て髑髏のマスクをつける。
今日は控え室から出るつもりはないものの、アジトにいる以上俺はドスグラーなのだ。
クーライの首領であらねばならないのだ。
俺は執務席に着くと、操作システムを立ち上げる。
そして蜘蛛型ロボットを起動させ、映像をモニターに映し出す。
さて、今頃百合香はどうしているかな?

モニターに映し出されるリビングの様子。
おっと、ここにはいないのか。
俺も了史もいなくなった後、百合香はどんな行動をしているのか。
こういった覗き行為は何かドキドキするものがある。
やれやれ。
悪の首領たるものが覗きとは。
俺は苦笑を禁じえない。
だが、この行為には充分なメリットがある。
百合香の行動を監視することで、普段の百合香を知り、今後の作戦に生かすのだ。
そう・・・これは作戦。
これは俺の欲望を満たすと同時にホワイトリリィという存在を抹殺するものでもあるのだから。

俺は蜘蛛型ロボットをリビングから移動させる。
百合香がいなくては話にならないのだ。
さて、どこに行ったかな・・・
ふふん・・・いたか。
モニターに映し出される百合香の姿。
にこやかな笑顔を見せながら、洗濯の準備をしているところだった。
ホースを蛇口につなぎ、排水用のホースを排水溝に放り込む。
汚れ物を確認して小銭やティッシュなどがポケットに残っていないか探っていく。
『うふふ・・・また了史さんたらお釣りをポケットに入れっぱなしだわ』
了史のズボンから百円玉や十円玉をいくつか取り出した百合香は、それをエプロンのポケットに入れた。
後でちゃんと了史に言うのを俺は知っている。
ごまかすつもりなどはまったくないのだ。

さて、居場所がわかった今、俺は早速パルスを照射することにした。
フンフンと鼻歌交じりで洗濯物を確認していく百合香。
ふふふ・・・
どんな姿を俺に見せてくれるかな?
俺はスイッチを入れた。

白いワイシャツを手に取る百合香。
蜘蛛型ロボットからの映像では見づらいが、どうやら了史のものらしい。
俺も了史も言ってみればしがない会社員だ。
ワイシャツを着てネクタイを締め、スーツを纏って会社にいく。
洗濯物にワイシャツが多くなるのは当然だろう。
体格的にそう変わりがないこともあり、俺のと了史のワイシャツは見分けづらい。
そのこともあって、うちでは洗濯物を個々人で別々の衣類かごに入れている。
今百合香が確認しているのは了史の衣類かごなのだ。
その百合香の手がぴたっと止まる。
ふふふ・・・始まったな。
俺の口元に笑みが浮かんだ。

『うえっ』
顔をそむける百合香。
手にしたワイシャツから顔をそむけたのだ。
『何・・・このにおい・・・臭い』
百合香はすぐにワイシャツを洗濯機に放り込む。
『これも・・・これもだわ・・・汗臭くていやなにおい・・・了史さんお風呂入っていないの?』
シャツやパンツを手にするたびに、百合香の顔が苦痛に歪む。
実際それほどにおいがきついわけではないのだろうが、パルスを照射されている今の百合香にとっては、了史の体臭が我慢ならないいやなものに感じているのだろう。
それでいい。
徐々に了史に嫌悪感を抱き、俺に対する好感の度合いを高めてやれば・・・
百合香は俺のものになる。

そして俺は、了史の汚れ物の整理が終わったところでパルスの波長を切り替える。
これから百合香が手にするのは俺の汚れ物。
幸いなことに百合香は俺の汚れ物もいやな顔一つせずに洗濯してくれる。
これからはもっと喜んで俺の汚れ物も手に取ってもらわねばな。
別に百合香をにおいフェチにするつもりではないが、俺の体臭に好感を持たせるのだ。
まあ、俺に抱かれることを喜んでもらいたいからな。
百合香はまるで苦行でもこなし終えたかのようにホッと一息ついている。
了史の体臭にかなりいやな思いをしたに違いない。
男はどうしたって多少の体臭はしてしまうもの。
今までの百合香にとっては、愛する夫のにおいであり、ほとんど気にならなかったに違いない。
だが、ここ数日はその夫の体臭に悩まされてもらうとしよう。

俺の内心を知らずに百合香は俺の汚れ物を手に取っている。
最初はやはりワイシャツか。
さっきの了史の体臭がよほどいやだったのか、何となく恐る恐るといった感じにも見える。
人間とは不思議なもので、いやなにおいの後だと、他のにおいも嗅いで確認しないと気がすまないらしい。
百合香は俺のワイシャツのにおいも確かめるかのように、そっと鼻へ近づける。
女性が男物のワイシャツのにおいを嗅いでいる光景など滅多に見られるものではないな。
『はあ・・・よかった・・・お義父様のは臭くないわ・・・それどころか・・・』
百合香がホッとしたようにワイシャツを鼻から離す。
『うふふ・・・タバコのにおいがする・・・なんか懐かしいにおいだな・・・お父さんの・・・お父さんの背中におぶってもらっている時のにおいみたい』
もう一度ワイシャツに鼻を近づけてにおいを嗅ぐ百合香。
今度は深く吸い込んでいる。
『いいにおい・・・お義父様の力強さを感じる気がするわ・・・はあん・・・』
どことなくうっとりとした表情の百合香。
俺は思わずこぶしを握り締め、思い通りにいったことを確信した。

『あ・・・いけないいけない。さっさと洗濯しちゃわなきゃ・・・』
そう言って百合香は私の汚れ物を洗濯機に放り込む。
スイッチを入れ洗剤を放り込めば、後は洗濯機がやってくれる。
便利なものだ。
その間に百合香は掃除機を掛けるつもりなのだろう。
しまってあった掃除機を取り出している。
俺はここまでだと判断してパルスを止め、モニターでの監視だけを続けることにした。

しばらくしてノックの音が響く。
俺が今控え室にいることを知っているのは多くない。
おそらく蜘蛛女か?
「誰だ?」
『蜘蛛女でございます。入ってもよろしいでしょうか?』
無論だ。
俺は内部から手元のスイッチで鍵を開ける。
シュッという音とともに、スライドドアが開いていく。
「なっ!」
俺は一瞬目が点になったに違いない。
いや、まったく予想をしていなかっただけなのだが。
「失礼いたします、ドスグラー様」
入ってきた蜘蛛女は、なんとエプロンをしてトレイを持っていたのだ。
「ドスグラー様、そろそろお昼です。お腹がお空きではございませんでしょうか?」
そう言って蜘蛛女は控え室のテーブルにトレイを置く。
そこにはおにぎり二個とサラダ、それに熱々のラーメンが湯気を立てていた。
見た瞬間にお腹が減っていたことを思い知らされる。
「作ってくれたのか?」
エプロン姿の蜘蛛女に俺は余計な事を訊く。
作ってくれたのは一目瞭然だ。
俺が休暇を取ったと知ったので、お昼に食べてもらおうと思ったのだろう。
「はい。お口に合えばよろしいのですが・・・」
蜘蛛女が何となくもじもじしているのを見て、俺は再び手元のスイッチで鍵をかける。
ドスグラーの髑髏のマスクは頭全体を覆うものだが、残念なことにものを食べられるほど口が開くものではない。
俺は俺の素顔を知る数少ない一人である蜘蛛女の前でマスクを取った。
くたびれた中年親父の素顔がそこにはある。
見せたくないといえば見せたくはない。
ここでは俺はドスグラーであり、洞上健一ではありたくない。
だが、せっかくの蜘蛛女の行為を無にするつもりはない。
彼女を追い出して食べるなどということはしたくなかった。
「美味そうだ。いただくよ」
俺は置かれていた箸を取ろうと手を伸ばす。
ん?
目の前の箸は鈍い銀色に光っている。
ひんやりとした冷たさが、この箸が金属でできていることを告げている。
しかもずいぶんと軽い。
これはチタンか?
どこかでチタンは箸として使えば軽くて変質しないいい素材だと聞いたことがあるが・・・
「これはチタンの箸なのか?」
俺は蜘蛛女に訊いてみた。
「お判りでございましたか? いつもながらドスグラー様の明晰さには恐れ入ります。チタンの箸は最適と聞き及びましたので、技術部に作らせました。ドスグラー様のお手にするには相応しいかと」
俺は苦笑した。
こいつは俺以上にドスグラーのシンボルとしての価値をわかっている。
組織のトップに立つということは、シンボルとして担がれねばならないということでもあるのだ。
ともあれ、俺は湯気を立てているラーメンに口を付けた。
ずるずると音が立ち、俺の口の中に麺が吸い込まれる。
美味い。
料理の味にはさほどこだわらない俺だが、と、言うよりも味覚に自信がない俺だが、このラーメンは美味い。
きちんと出汁を取って作ったのか?
もしかしたら、夕べのうちに仕込んでいたのかもしれないな。
「これは美味い」
俺は素直にそう言った。
蜘蛛女の顔がパアッと明るくなる。
こいつめ。
こっちまで嬉しくなるような顔をしおって。
「ありがとうございます。ドスグラー様にそう言っていただけると、作ったかいがございます」
嬉しそうにそう言って微笑む蜘蛛女。
俺はふと、始めてその笑顔を見たときの事を思い出した。
あれはそう・・・
まだクーライの存在が世間に知れ渡っていなかった頃、怪人などという特撮の世界から抜け出してきた非現実が現実を侵食し始める直前のことだった・・・
  1. 2010/03/03(水) 21:19:50|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(11)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」
今日で11回目になりました。

このあたりからじょじょに百合香が変わっていくのを楽しんでいただけるかと思います。

それではどうぞ。


11、
誰もいなくなったリビング。
ソファーの上に百合香はそっと横たわる。
パジャマからはだける素肌がとても綺麗だ。
『ハア・・・だめ・・・寝られないわ・・・躰が火照っている・・・ああん・・・了史さんのが欲しかったのに・・・』
百合香はそうつぶやきながら指で股間をなぞり始める。
まさに一級品のアダルト映像といったところだが、俺は仕掛けを忘れない。
全ては彼女を俺のものにするためのことなのだ。
俺はリビングの発信機を作動させ、百合香にパルスを浴びせていく。
モニターの中では百合香がますます淫らに躰をくねらせている。
指が妖しく蠢き、躰が快感に震えていく。
『あ・・・ああ・・・いい・・・気持ちいい・・・了史さん・・・了史さん・・・』
チッ!
まったく癪だが百合香は了史を思ってオナニーをしているのだ。
そうはいかん。
俺はパルスをコントロールして、百合香の思いをゆがめてやる。
まさにクーライの洗脳技術の粋を集めた発信機だ。
特定パルスを脳に与えることで相手が考えていることに別な思考を割り込ませるのだ。
ある意味百合香を実験台に使っているようなものだが、これがうまくいけばクーライの洗脳はより完全に近くなる。
うまくいけば・・・だと?
うまくいくさ。

百合香の指がピクリと震える。
股間をいじっていた動きが止まる。
当然だ。
今、百合香は戸惑っているだろう。
妄想の世界で了史に気持ちよくしてもらうはずだったのが、思ってもみなかった男が脳裏に現れたことだろうからな。
『ど・・・どうして・・・』
ふふふ・・・
百合香よ受け入れよ。
今の事態を受け入れるのだ。
どの道今のお前は、気持ちよくなるには受け入れるしかないのだ。
『お義父様・・・』
ふふふ・・・
そうだ。
お前を気持ちよくしてやれるのは了史ではない。
俺だ。
俺こそがお前を絶頂に導いてやれるのだ。
さあ、続けよ。
火照る躰を解放してやるがいい。
さぞかし気持ちいいだろう。
パルスによって発情させられた今、絶頂を味わわなくてはおさまるまい。

『あ・・・ああ・・・ど、どうして・・・どうして私・・・』
百合香の指が動き始める。
百合香は俺のことを思いながらオナニーを始めたのだ。
『お義父様・・・私お義父様のことを・・・どうして・・・』
腰が浮き、指の動きが早くなる。
快楽をむさぼるように百合香はあえいでいる。
『ああ・・・いい・・・気持ちいい・・・いいのぉ・・・お義父様・・・お義父様ぁ』
ぐちゅぐちゅと水音が響き、形のよい胸がゆらゆらと揺れている。
やがてガクガクと躰が震え、つま先がぴんと張って絶頂を迎える百合香。
ふふふふ・・・
いいぞ、百合香。
これからお前は俺のことを考えてオナニーをするようになるのだ。
了史のことなど考えもしないようにしてやる。
お前は俺のものだ。

『ハア・・・』
余韻を味わっていた百合香が腕を額に乗せて目を開ける。
暗闇の中で気だるい躰をソファーに横たえているのだ。
『私・・・どうして・・・』
ふふふ・・・戸惑っているな。
気にすることはない。
いずれはそれが当たり前となるのだ。
『お義父様・・・私、お義父様のことをそんなふうに? 違うわ・・・今のは何かの間違い』
必死になって首を振り、自らの考えを否定する百合香。
何もそこまで否定しなくても良さそうなものだが・・・
『あのことがあったから・・・そうだわ・・・あのことがあったから・・・忘れたいのに・・・思い出したくないのに・・・』
オナニーの妄想に罪悪感を感じているのだろう。
俺に無理やりイかされてしまったと思っているのかもしれないな。

百合香は息を吐いて立ち上がる。
どうやらシャワーを浴びるらしい。
まだ混乱しているのだろうな。
ふふふ、それならもう一度昇りつめるがいい。
シャワーと一緒にパルスを浴びせてやる。
今度は純粋に肉欲を存分に楽しむのだ。
快楽をむさぼり、罪悪感など汗と一緒に流してしまえ。
俺のことも了史のことも考えずに、ただただ肉欲に身を任せるのだ。
背徳感に燃え上がるのはこれからだ。
明日以降も楽しませてやる。
俺は痴態を見せてくれた百合香への礼をかねて、百合香の躰を満足させてやる。
風呂場で大きな喘ぎ声を上げ、再び果ててしまった百合香の気配を確認して、俺はパソコンの電源を落とす。
今日はここまでだな。
充分すぎるほどの成果だ。
明日も楽しみだ。

ひんやりとした地下アジト。
俺は百合香が寝静まったのを確認してアジトに下りた。
パルス発信機は上々だ。
俺が思っていた以上の能力を発揮する。
技術戦闘員たちを褒めてやらねばなるまい。
それと、もう一つ。
おそらく言うまでもないのだろうが、今日の帰りのバカどもに思い知らせてやらねばならん。
まあ、俺に手を出したのが運の尽きだということだ。

いつものようにスモークが焚かれ、俺が姿を現すと、司令室に詰めている者たちが一斉に跪く。
もうすでに深夜だったが、司令室にはムカデ女と三人の女戦闘員たちが当直任務についていた。
女戦闘員たちの全身を包んでいる黒い全身タイツがすべすべして美しい。
頭部も口元だけを残して全てマスクに覆われているため、表情はうかがい知れないものの、いずれ劣らぬ美人と言っていいだろう。
無個性を絵に描いたような彼女たちだが、一糸乱れずに動き回る様は見ていてとても気分がいい。
「お帰りなさいませ、ドスグラー様」
「「お帰りなさいませ、ドスグラー様」」
俺に忠実であることが当たり前であり、それが嬉しいとさえ思うように洗脳された連中。
クーライの改造人間たち。
ただ、洗脳はどうしても思考の柔軟性を損ねるところがある。
ないものねだりだが、彼女たちに物足りなさを感じることもあるのだ。
「ご苦労。ムカデ女よ、蜘蛛女を呼べ。そしてお前たちは一時部屋を出よ」
俺は首領の席に付くと、ムカデ女に命じる。
寝ているところを悪いが、なに、改造された肉体はそれほど睡眠を必要とはしない。
人間だった頃の習慣を引きずっているに過ぎないのだ。
寝不足になることもないし、行動に支障をきたすようなこともない。
多少、機嫌は悪くなるかもしれないがな。
まあ、滅多に夜中に呼び出すなどしないことだし、今回は赦してもらうさ。

ムカデ女と戦闘員たちはすぐに司令室を出て行き、入れ替わるように蜘蛛女が入ってくる。
俺の前に跪いた彼女は機嫌が悪いどころか上機嫌のようだ。
「お呼びでございますか、ドスグラー様?」
顔を上げ、額の三つと通常位置の二つの計五つの赤い単眼で俺を見つめてくる蜘蛛女。
牙がのぞく口元は薄く笑みが浮かんでいて、俺に呼び出されたのが嬉しいらしい。
「帰宅途中にバカどもに絡まれたのは知っているな?」
「はい。存じております」
クーライの首領ドスグラーが、普段は洞上健一(どうがみ けんいち)などという名で製薬会社で部長をしているなど、知られるわけにはいかない。
これはクーライに属する改造人間たちですら知らないことだ。
知っているのはこの蜘蛛女と、いまだ人間の姿のままの田神紫乃だけ。
それだけ俺はこの蜘蛛女には全幅の信頼を置いていた。
いずれ百合香をクーライに迎え入れたとしても、実務面で蜘蛛女の重要性が損なわれることはないだろう。
戦闘用として改造したために、彼女は充分すぎるほどの戦闘力を持ってはいるが、管理能力も充分すぎるほどである。
その彼女にしてみれば、肉体改造をしてあるとはいえ、クーライの首領である俺に万一の事態が起こった場合のことを想定しておくのは必須のことである。
俺の行動を逐一チェックしているのは当たり前のことなのだ。
当然あの一件も監視していたことを俺は知っている。
「あのようなバカどもを放っておくつもりにはなれん。わかるな?」
「もちろんです、ドスグラー様。ご安心下さいませ。今頃はコオロギ女が彼らに子守唄を歌って差し上げている頃でございましょう。うふふ・・・アイドル歌手の歌う死の子守唄ですわ」
冷たく微笑む蜘蛛女。
こいつめ。
すでに手配済みだったか。
頼もしいやつだ。
「ふふ・・・いい娘だ。首尾よくすんだらあとで報告しろ。コオロギ女にも一声かけてやろう」
「ありがとうございます、ドスグラー様。きっと大喜びいたしますわ」
ふふふ・・・
自分こそ喜んでいるくせに。
目の前で嬉しそうにしている蜘蛛女を見ているだけで、俺も気分がよくなる。
あのガキどもにも感謝しなくてはなるまいな。

さらに俺はパルス発信機の予想以上の上出来さを蜘蛛女に伝え、技術戦闘員たちに数日の自由時間を与えるよう指示をする。
洗脳改造され、技術戦闘員とされてしまった彼女たちは、堂々とショッピングなどに出歩くことなどはできないが、それでも自由時間はありがたいものなのだ。
お金などに執着などない彼女たちにとっては、知的好奇心を満足させるものがいいらしく、読書やネットサーフィンに時間を費やすことが多いらしい。
飴とムチとは言わないが、怪人も戦闘員も適度に緩めるところは必要だ。
たとえ洗脳で自我を奪ったとしても、楽しみまで取り上げるつもりはない。
俺に忠実であればいいのだ。
蜘蛛女はうやうやしくかしこまりましたと一礼し、司令室を出て行こうとする。
指示を伝えに行くつもりなのだろう。
俺はその腕を取り、引き止める。
「ド、ドスグラー様?」
一瞬驚いた表情の蜘蛛女。
無理もない。
こんなことなどそうは無いからな。
「蜘蛛女。指示を出したら戻って来い。シャワーを浴びてな」
俺の言いたいことを理解したのだろう。
蜘蛛女は驚いたような顔をした後、少し赤くなってこくんとうなずく。
可愛いやつだ。

そそくさと司令室を出て行く蜘蛛女の後ろ姿を眺めながら、俺は苦笑する。
百合香の代わり?
ああ、そうかもしれない。
だが、蜘蛛女はそれを理解したうえで、俺に喜んで抱かれるだろう。
それに、俺は自慢じゃないが、自分のものは大事にする。
蜘蛛女とて同じことだ。
あれも俺の大事な女。
だから俺はたっぷりと可愛がってやる。
蜘蛛女もそれを楽しみにしているだろう。
ふふふ・・・
どうやら戻ってきたようだ。
さて、楽しませてもらうとするか。
俺は蜘蛛女をともなって司令室を後にした。
  1. 2010/03/02(火) 21:16:06|
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ホワイトリリィ(10)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」も今日で10回目です。
楽しんでいただけますとうれしいです。

それではどうぞ。


10、
「ただいま」
俺は玄関を開けて自宅に入る。
「あ、お帰りなさいませ、お義父様」
百合香が玄関まで迎えに出てきてくれる。
今は以前と同じように笑顔を向けてくれるようになり、俺としても気分がいい。
「百合香さん、お土産だよ」
俺はケーキの箱を差し出した。
「まあ、いつもありがとうございます。あとでデザートに出しますね」
にこやかにケーキの箱を受け取る百合香。
彼女のご機嫌を取るのにいつもケーキでは芸が無いが、息子の嫁である百合香に花を買って帰ったりアクセサリーを買って帰ったりなど、今はまだ表向きできることではないからな。
「お義父様」
「ん? 何だい?」
俺が靴を脱ぐのを百合香はいつも黙って待っている。
話しかけてくるなどここ最近無かったことだ。
やはり俺への嫌悪感はほぼ解消されたと見るべきだろう。
「このケーキ、いつもの秋田屋さんのでは無いんですね? 最近人気のランペルールじゃないですか? 高かったでしょ」
ほう、知っているのか。
確かに結構値段はよかったが。
店も小洒落ていたし、そういえば客も多かったな。
「ああ、部下の女性に教えてもらったんだ。ケーキが美味しいと評判らしいな」
俺は先に立ってリビングへ向かう。
いつもは鞄を持った百合香が先に立つのだが、今日は俺の後を付いて来た。
「ええ、美味しいらしいんですよ。私も食べてみたいと思っていたんです。お義父様のおかげで願いが叶いました」
俺は振り向きたい衝動を必死でこらえた。
きっと百合香は今満面の笑みを浮かべているだろう。
見られないのが惜しい。
「それはよかった。百合香さんに喜んでもらえれば俺も嬉しい」
「あ・・・ありがとうございます」

今、口ごもったな。
何かあったか?
いや、先日の陵辱を思い出してしまったか?
ふとしたことで俺が百合香を女として見ていることを思い出したのかもしれないな。
まあいい。
そう簡単にはいくまい。
今夜から本格的に仕上げて行けばいいのだ。
「ああ、腹が減ったな。そういえば了史はまだかい?」
俺はそう言ってリビングに入る。
テーブルには今日もとりどりのおかずが並んでいた。
毎日この食道楽を楽しめる男はそうはおるまい。
いい女だ。
「了史さんは今お風呂に入っています。さっき帰ってきたところですわ」
「そうか」
ふん、帰っていたのか。
俺は急にいまいましくなり、着替えのために部屋に向かった。

夕食後、俺はいつもの通り部屋にこもる。
すぐに灰皿を手元に寄せて一服する。
タバコの煙が肺に染み渡ってなんとも言えず美味い。
明日からはしばらく時間が自由になるので、百合香に対する工作もいろいろとできるはずだ。
明日からが楽しみだ。
それにしても・・・
俺は夕食の時間を思い出す。
美味しそうに料理を食べる俺を、百合香は以前のような笑みを浮かべて、嬉しそうに見ていてくれたのだ。
それは俺の心をたぎらせた。
だが、次の瞬間、その思いは苦いものになる。
風呂から上がってきた了史が百合香の笑みを独り占めする。
俺が居るのを気にも留めずに百合香とキスをする。
いまいましい。
だが、了史よ、今にお前は思い知ることになる。
百合香の笑みがもはやお前に向くことは無くなるのだということを。
そして俺の息子に生まれてしまった不幸を嘆くようになるだろうということをだ。

俺はパソコンを立ち上げる。
いつものごとく数通のメールが入っていた。
『偉大なる我が首領ドスグラー様へ』?
蜘蛛女のやつ・・・
俺は苦笑する。
携帯にしろメールにしろ、日常的に使われているものの方がかえって人目を引きづらい。
クーライも専用の通信網を保持してはいるものの、日常的な連絡は携帯同様メールで行なうことも多いのだ。
俺はメールを開く。
中身はいつもの活動報告だ。
無論今は活動を控えさせているから、報告することはそうは無い。
それに本当に重要なことは会った時に直接話す。
要は単に俺にメールを送りたいだけなのだ。
携帯での通話同様、俺への直接メールは女怪人だけに許された特権だ。
女戦闘員たちには許されていない。
だから、女怪人たちはその特権を生かすべく、俺にメールしたり携帯で会話をするチャンスを探している。
携帯での会話はさすがにタイミングの問題があるので、そう頻繁には困るのだが、メールは俺が見たい時に見ればいいので、女怪人たちはこぞって俺にメールしてくる。
“やさぐれ首領の趣味の世界征服日記”などというタイトルででもブログを書けば、きっと女怪人たちからのコメントでコメント欄はにぎやかかもしれないな。
新たに怪人となったムカデ女も早速メールを送ってきている。
中身はモサドの情報だ。
俺の気を惹きたくて書いてきたのだろう。
可愛いやつ。
俺はそれぞれに返事を打ち込むと、送り返してやる。
きっと地下のアジトでは俺のメールに女怪人たちが喜んでいることだろう。

さて、俺のやりたいことはメールを読んで返事を打つことではない。
これから俺は百合香に俺の良さを教えてやるのだ。
俺はパソコンのモニターに監視用蜘蛛型ロボットの映像を映し出す。
天井裏に潜んでいた蜘蛛型ロボットは、すぐに活動を開始して換気口から這い出ていく。
このまま二階の百合香の寝室に忍び込ませ、内部の様子を探るのだ。
その様子を見ながら俺は信号パルスを調整する。
思考操作は今日から更なる段階に入るのだ。

鏡台に向かい、薄化粧を落としている百合香。
化粧などしなくても百合香の美しさは変わらないと思うのは俺の欲目だろうか。
だが、蜘蛛型ロボットのレンズを通しても、化粧を落とした百合香に美しさの陰りはいささかも見られない。
ベッドにはにこやかな表情で百合香を待つ了史。
やはりな。
今日は楽しむつもりなのだろう。
冗談ではない。
お前は百合香に相応しくはない。
百合香は俺のものだ。
今からそれを思い知らせてやろう。
俺はパルス発信機のパルスを調節する。
百合香には悪いが、今日のお楽しみはあきらめてもらわなければならない。
その分いずれ俺がじっくり楽しませてやる。
待っているのだ、百合香よ。

蜘蛛型ロボットの視界を発信機に合わせる。
天井に隠すように仕掛けられた発信機のパイロットランプがかすかに光る。
灯を消されても気付かれる心配は無いというわけだ。
俺はパソコンに入力して発信するパルスを選択する。
蜘蛛女のおかげで技術戦闘員たちが改良してくれた力作だ。
彼女たちにはご褒美をたっぷりやらねばならないな。
そんなことを思っていると、モニター内では百合香がいそいそと了史の待つベッドにもぐりこむ。
俺は了史に殺意すら覚えた。
あの百合香を好きにしている了史。
嫉妬で気が狂いそうになる。
いっそのことこのまま了史の部屋へ行き、その場で了史を殺して百合香を犯してやりたいぐらいだ。

落ち着け・・・
それでは了史は百合香との幸せな記憶を抱いたままあの世へ行く。
そんなことはさせない。
了史には百合香に裏切られた絶望を味わってもらわねば・・・
ふ・・・
俺は気が狂っているのだろうな・・・
実の息子にこのような感情を持とうとは・・・
まあ、悪の首領を楽しもうというのだ。
これぐらい狂っているのがちょうどいいか。
俺は苦笑する。
欲しい物は手に入れる。
俺はそうして今まで生きてきた。
自分には到底手の出せないようなものも、異星人のテクノロジーのおかげで手に入れることができた。
妻だって好きな男が別にいたはずだったが、強引に陵辱した上で我がものにした。
次は百合香だ。
相手が了史だろうと構うことは無い。
奪われる方が悪いのだ。

すでにパルスは照射されている。
了史用に調節したパルスと百合香用に調節したパルス。
この二つを相互干渉させずに発生させるのはかなりの高度な技術がいる。
だがクーライの技術陣に不可能は無い。
優秀な技術者を集め、さらに英才教育を施したりすることで俺に忠実な技術者集団ができあがる。
無論全員女性であり、通常の女戦闘員とは色違いの白い全身タイツに、口元だけが覗く全頭マスクをかぶせて技術戦闘員と名付けて使役しているのだ。
技術者として女性はふさわしくないと思われるかもしれないが、どうしてどうして、細やかな女性は技術者としても適している。
その技術戦闘員たちに作らせた発信機だ。
二種類のパルスを照射するなど造作も無い。

灯の消された二人の寝室では、二人の愛の営みが始まっていた。
『ん・・・百合香・・・もう濡れているのかい?』
『あん・・・意地悪・・・了史さんの指がいけないんじゃない』
耳をふさぎたくなる衝動に駆られ、俺はボリュームを下げる。
聞きたいのはそんな声ではない。
蜘蛛型ロボットの監視カメラは暗視タイプだ。
ほんのわずかな光でも増幅して鮮明に室内を映し出してくる。
ベッドの中でもぞもぞ動いている二人。
了史の愛撫に百合香の躰に官能の炎が燃え盛っているのだろう。
いつもより百合香の反応はいいはずだ。
パルスによって内側から燃え立たせられているのだ。
今の百合香は盛りの付いたメス猫同然にされている。
男が欲しくて仕方ないはずだ。
百合香は発情する躰をもてあますかのように布団を跳ね除ける。
うっすらと汗をかいた白い肌が艶めかしい。
了史の上に乗る騎乗位の体勢で、あられもなく了史のモノをむさぼろうとしている。
まさに一匹のメスがそこにいた。

だが、百合香の動きが止まる。
躰をずらして了史の股間に手を這わせる。
俺はスピーカーのボリュームをあげた。
『どうしたの? 調子悪い?』
百合香のせつなそうな声がする。
俺は意地悪い喜びを覚える。
そう、了史は今勃たないのだ。
勃起しないのだ。
当然だ。
俺がそうしているのだから。
了史に向けたパルスは脳を通して了史の肉体を制御する。
了史がいくら百合香に欲情していても、躰は反応しないのだ。
せっかく百合香が発情していても、了史は抱くことができないのだ。
俺は思い通りの結果に、思わず笑い声を出さずにはいられなかった。

『疲れているのね・・・このところお仕事忙しかったから・・・』
多少の落胆を言葉に滲ませつつも、百合香は了史のモノを愛撫する。
ゆっくりと優しくしごいて力付けようとしているのだ。
無駄なことを・・・
今の了史には何をやっても無駄なのだ。
パルスによって肉体は反応しないようになっている。
百合香の魅力的な肉体を見ても勃起しないのだ。
『あ、あれ・・・お、おかしいな』
苦笑しつつも何とか股間のモノを勃起させようと頑張っている了史。
『うふ・・・大丈夫。私に任せて』
百合香はさらに躰をずらすと、了史のモノをくわえ込む。
チッ、なんてことだ・・・
だが今は我慢だ。
これも百合香を手に入れるためには仕方が無い。

百合香は一所懸命に了史のサオに舌を這わせ、袋を優しく愛撫している。
発情した百合香はその行為自体に興奮しているのか、頬を赤らめていやらしく音を立て、股間には愛液を滲ませている。
だが、了史のモノは反応しない。
困ったようなすまなそうな顔で了史は百合香を見つめている。
妖艶な百合香の表情に、きっと内心は興奮しているのだろう。
だが躰は言うことを聞かないのだ。
まさに地獄の責め苦かもしれない。
技術戦闘員たちは実にいい仕事をしてくれた。
まさに溜飲が下がる思いだ。

『ハア・・・』
百合香がいくらやっても勃起しない了史のモノに疲れたのか、そっと躰を起こす。
『す、すまん。百合香』
『気にしないで。きっと疲れているのよ。今日はもう寝ましょ』
うなだれた了史に百合香は笑顔を向ける。
優しい女だ。
おそらくまだ躰は火照っているだろう。
欲望は満たされていないはずだ。
それでも了史を気遣っている。
まったくいい女だ。

百合香はパジャマを羽織って布団に入る。
隣では了史が今の体たらくなどなかったかのように目を閉じている。
さて、このままおとなしく寝るのかな?
動きがなくなるようなら後押しが必要かもしれないが・・・
『ん・・・んん・・・』
その小さな声を聞いた俺は思わず笑いを浮かべていた。
百合香の上にかぶせられた布団がもぞもぞと動いている。
ふふふ・・・
やはり躰が火照ったままでは寝られまい。
そっと起き出す百合香。
隣ですでに寝息を立てている了史を起こさないように、どうやら部屋を出るらしい。
俺は蜘蛛型ロボットに百合香の後を付けさせた。
  1. 2010/03/01(月) 21:12:17|
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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