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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

羊ならぬ敵の皮をかぶった豹

1944年12月16日。
静かなアルデンヌの森の幽霊戦線に突如ドイツ軍の奇襲が行なわれました。
ドイツ軍の反撃である「ラインの守り」作戦、世に言う「バルジの戦い」が始まったのです。

このドイツ軍の乾坤一擲の大反撃は、パンツァーリートを歌うドイツ戦車兵で有名な映画「バルジ大作戦」の基になった作戦です。
映画では米軍のMP(野戦憲兵)に変装したドイツ軍兵士たちが橋を確保しようとしたり、標識を変えたりして米軍を混乱させましたが、実際の「ラインの守り」作戦でも、「グライフ作戦」と称して米軍に変装した部隊が米軍を混乱させようといたしました。

映画では単に米軍の軍服を着た独軍兵士ぐらいしか出てきませんでしたが、実際のグライフ作戦においては、米軍に偽装した戦車まで投入されました。
その偽装戦車の一つが、「M10パンター」でした。

本来はこういった偽装作戦であれば、敵から鹵獲した敵が使用している兵器や車両を使うのが一般的ですが、戦争末期の独軍は、鹵獲兵器といえども大事な戦力であったため、手放す部隊がありません。
実際鹵獲したM4戦車やM3ハーフトラックなどは、前線では貴重な装甲車両でした。

鹵獲した米軍戦車が使えないとなれば、自軍の戦車を使うしかありません。
そこで目をつけたのが、砲塔の位置が中央にあり、車体も直線的な傾斜装甲を持つ米軍の自走砲「M10」でした。
M10.jpg(米軍のM10自走砲)

このM10であれば、うまくやれば独軍戦車を似せることができるかもしれない。
おそらくそう思ったのでしょう。

そこで独軍は、戦争後半の主力戦車である「パンター」をこのM10に似せることにしました。
パンター(独軍のパンター)

見ておわかりのとおり、パンターはM10に最初からなんとなく似ております。
このパンターに19ミリ厚の装甲板を張り付けて砲塔をM10に似せ、前方の機関銃を取り外して前面を平らにし、星のマークをつけて塗装を米軍のオリーブドラブにすることで、M10パンター(仮称)を作り上げたのです。
M10パンター1 M10パンター2(塗装のされてない模型ですが、M10に偽装したパンターです)
足回りなどはパンターなのですが、それ以外は見事にM10っぽく偽装されてます。

独軍はこの偽装パンターを、10両ほど作成してグライフ作戦に投入しました。
おそらく米軍歩兵にはM10に見えたことでしょう。
事実、撃破されたあとにこのM10パンターを見た米軍の情報士官は、「実によくできている」と言ったそうです。

しかし、グライフ作戦は思わしい効果をあげることができませんでした。
米軍に変装した兵士も次々と捕らえられ、目的を達成することはできませんでした。
このM10パンターも結局は通常の戦車として利用されるにとどまり、相次いで撃破されたのです。

ですが、ここまでしっかりニセ車両を作ってしまうあたり、やはりドイツ人の生真面目さなんでしょうかね。

それではまた。
  1. 2009/12/11(金) 21:47:20|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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