今年の締めは「ホーリードール」です。
こちらも亀の歩みですが、楽しんでいただければうれしいです。
なんだかずるずると同じような展開になっているのが問題かも。
それではどうぞ。
36、
動かない左腕に魔力を込める。
痛みは遮断してあるから感じない。
だが、左腕は鉛のように重い。
持ち上げることができるだろうか・・・
ホーリード-ルアスミの左手がゆっくりと上がる。
その手の先には強い魔力が集中して来ている。
おそらくその魔力をぶつけてくる気であろう。
だが、それはおそらく牽制。
本命は右手の杖だろう。
でなければわざわざ損傷している左腕を使うはずがない。
左手の魔力を目くらましに発して、右手の杖で攻撃してくるに違いない。
でも・・・
その手は使い古されているわよ、明日美ちゃん。
デスルリカの口元に笑みが浮かぶ。
牽制の一撃をかわすのではなくあえて弾き、続く杖の一撃をかわしてやる。
そしてホーリード-ルアスミが次の行動に移る前に前後から挟撃する。
レディアルファには私の意図は伝わるはず。
ここでホーリード-ルアスミの動きを封じれば、光の手駒を二人とも手に入れることが可能になる。
デスルリカはそう考えていた。
「えっ?」
思わずデスルリカの声が洩れる。
ホーリード-ルアスミの左手からの魔力は、正面にいる彼女に向けられたものではなかったのだ。
グッと突き出されたホーリード-ルアスミの左手は、突然その指先が下に向けられると、そこから下に向けて魔力が放出されたのだ。
校舎に向かう青白い魔力の球。
「しまった! ベータ!」
デスルリカが校舎の屋上にいる闇の少女に声をかける。
すぐさまレディアルファが放たれた魔力に向けてヘルアクスを投げつける。
突然の呼びかけに差し伸べていた手が止まる。
声のほうを向いたレディベータに青白い魔力の球が迫る。
「クッ」
すぐに障壁を張ろうとするが、一瞬間に合わない。
だが、魔力球の激突する寸前に、レディアルファの投じたヘルアクスが魔力を切り裂いていく。
「きゃあぁぁぁぁっ!」
暴発した魔力が爆風のように広がり、レディベータの髪をなびかせる。
だが、直撃をまぬがれたことで、ダメージを受けることはなかった。
「ベータ!」
爆散する魔力が薄らいでいき、無事そうなレディベータと倒れたままのホーリードールサキの姿にホッとするデスルリカ。
まさかホーリード-ルアスミが自らの魔力をあちらに向けるとは・・・
だが、うかつはそれだけに終わらない。
魔力の爆散が収まりつつあるなか、そちらに気を取られたデスルリカとレディアルファの目の前で、ホーリード-ルアスミの杖が校舎の屋上に突き刺さる。
「えっ?」
魔力の爆散に目潰しをされていたレディベータの足元にひびが入っていく。
ホーリード-ルアスミの杖からすごい勢いで放射状にひびが広がっていくのだ。
ガラガラと轟音を立てて崩れ始める校舎の屋上。
すぐにレディベータの足元も崩れていく。
「アアッ」
突然のことにバランスを崩すレディベータ。
「ベータ!」
屋上の崩壊に巻き込まれそうになるレディベータに、たまらず飛び込んでいくデスルリカとレディアルファ。
屋上の崩壊は連鎖的に建物全体の崩壊につながっていき、ホーリードールサキの倒れている場所も崩れていく。
ホーリード-ルアスミは二人の闇の女の注意がそれたことを利用して、すぐにホーリードールサキの確保に向かう。
「デスルリカ様!」
崩壊する屋上からレディベータを助け上げたレディアルファが、ホーリードールサキを抱え込むホーリード-ルアスミを指し示す。
「クッ・・・紗希・・・」
一瞬で紗希を取り戻すチャンスを失ってしまったことにデスルリカは歯噛みする。
かと言って、レディベータをレディアルファだけに任せて、自分は紗希の元へということができなかったのも事実だった。
ホーリードールサキを右手で抱えあげ、そのまま光の中に消えていくホーリード-ルアスミ。
ホーリードールサキを確保した今、闇の女と対峙する必要はない。
完全に焼き尽くすことはできなかったものの、校舎と校舎内を浄化することは完了した。
いずれ闇の女とは闘わなくてはならないものの、今はホーリードールサキの回復が先。
ホーリード-ルアスミはそう判断したのだった。
「逃げられた・・・か・・・」
ふうと息を吐くデスルリカ。
せっかくのチャンスだったが致し方ない。
レディベータが無事だっただけでよしとしよう。
紗希を取り戻すチャンスはこれからもある。
光の手駒なんかにしておけないわ。
「デスルリカ様・・・」
「デスルリカ様・・・」
二人の闇の女がデスルリカを見ている。
その目は彼女に対する崇拝で満ちている。
二人は大事な仲間。
この二人が無事でよかった。
「二人が無事でよかったわ。さあ、引き揚げましょう。こんなところに長居は無用よ」
「「はい、デスルリカ様」」
二人はうれしそうに口をそろえて返事をするのだった。
これで今年の更新はおしまいです。
また来年よろしくお願いいたします。
- 2009/12/31(木) 20:08:16|
- ホーリードール
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今日はもう12月31日です。
また一年が暮れようとしております。
あと十時間ちょっとで新年ですね。
今年も長いようで短い一年でした。
本当にあっという間と言う感じでしたね。
皆様にもずっと変わらずご支援いただきまして、本当にありがとうございました。
昨年の12月に140万ヒット記念を書いてましたので、あれから一年間で約55万ヒット増えたことになります。
すごい数字です。
皆様のおかげです。
あらためまして、本当にありがとうございました。
このブログも、今年もどうにか毎日更新を続けることができました。
来年もできる限り続けていくつもりです。
皆様どうか、来年も当「舞方雅人の趣味の世界」をどうぞよろしくお願いいたします。
それではまた今晩、今年最後の更新でお会いいたしましょう。
皆様、よい堕とし(お年)を・・・(笑)
- 2009/12/31(木) 10:36:54|
- 日常
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明日で今年も終わりですね。
今日は「グァスの嵐」を少しだけ投下します。
亀の歩みですが、お付き合いいただければと思います。
26、
「出発だ! いつまでぐずぐずしておる! ラーオン人どもにムチをくれてやれ! さっさと漕ぎ出すんだ!」
ホットワインを飲み干し、マグカップを艦長に渡して周囲に怒鳴りつけるエスキベル提督。
やれやれと肩をすくめる艦長と周囲の冷ややかな視線が集まるが、そんなことは意に介さない。
どうせこんな艦に長居はしないのだ。
下級の水兵どもにどう思われようとも知ったことではない。
ムチが床を鳴らし、ラーオン人たちの不平の声が消されていく。
立ててあったオールが横に広がり、メインマストには四角い帆が広がった。
小型ギャレー『デ・ボガスタ』の船体は、ゆっくりと島影から空中へと動いて行った。
ばたばたと帆が風を受ける音が響く。
背後からの風がぐうんと船足を速めていく。
船体の両側では、幅広のオールが規則正しく大気を掻いていく。
その様子を彼は船尾楼で眺めている。
甲板上では彼の部下たちがいつもの作業を淡々とこなしていた。
だが、その視線がちらちらと船尾楼に向けられることに、思わず彼は苦笑する。
あまり目立たぬように他の男たちと同じような服装をさせたのだが、それがかえって目立ってしまっているのだ。
白いブラウスを突き上げる豊かな胸が男どもの視線を惹かぬはずはない。
まあ、手を出せば痛い目を見るのはわかっているだろうし、女を乗せればこうなることはわかっていた。
あとは、これに早く慣れさせることだ。
「キャプテン、出港しました。行き先は?」
海賊船『バジリスク』の副長であるガスパロが彼の元に来る。
だが、彼は無言でチラリと傍らの女に目を向けただけだった。
「キャプテンはまずヒューロットに向かえと言ってます。その後サントリバルを経てアルバへとのことです。それでよろしいでしょうか、ダリエンツォ様?」
黒いズボンを穿き、白いブラウスを身につけ、腰にはカトラスを下げ、頭には赤いバンダナを巻いたクラリッサがダリエンツォに確認する。
彼女の言葉にダリエンツォは黙ってうなずいた。
「キャプテン、これはいったい?」
ガスパロが面食らう。
このところキャプテンが手懐けていた女性だというのはわかっていたが、まさか船につれてくるとは思わなかったのだ。
「今日からダリエンツォ様のおそばに仕えますクラリッサ・モルターリです。よろしくお願いします」
にこやかに一礼するクラリッサ。
思わずガスパロも頭を下げる。
「ふははは・・・そういうことだ。しばらく面倒を見てやってくれ。いっしょにいたいと言って聞かないのだ」
「は、はあ・・・」
ダリエンツォがそう言うからには何も言えない。
男ばかりの船に女が乗るなど何が起こるかわからないのだが、まあキャプテンの女と知ってて手を出す奴もいないだろう。
となれば、目で楽しむのも悪くない。
ガスパロはそう考えると、クラリッサの美貌を目の端で楽しみながら、部下たちに針路を告げる。
いくつものオールを前後に動かしていた海賊船は、大きく船体を傾かせてその針路を変えるのだった。
「まあ、なんだ。よくわからんが、これからもミューはいっしょにいるってことなんだろ? なら問題ないじゃないか」
あっさりと今までの出来事を一言のもとに受け流すゴルドアンにエミリオは苦笑する。
実際それでいいのだ。
マスターだの作られた少女だのどうでもいい。
これからもミューがいる。
それだけでいいのだ。
エミリオもそう思う。
「で、天気もよくなったし、アルバに向けて出発ってことでいいのかな?」
「ああ、小屋も一応修理してきたし、入り口には鍵もかけてきたから多分大丈夫。もっとも、誰かが見ても何をするものかはよくわからないだろうね」
エミリオたちは先ほどまで小屋の焼けた部分を修理していたのだ。
最初は機材そのものをこの『エレーア』に積むことも考えたが、場所をとりすぎるのでやめたのだった。
いずれは別の場所に移す必要があるかもしれないが、今はこのままでいいだろう。
「蒸気何とかだって? お湯で何かできるとは驚きだな」
「うん、僕もそう思うよ。でも、それがないとミューは動かなくなってしまうんだ」
「それが信じられないなぁ。何かだまされているようだ」
もちろんゴルドアンはミューを疑っているわけではない。
もしこれが大掛かりな嘘だったとしても、だまされて失うようなものはそうはない。
第一自分たちをだます理由がないと思うのだ。
まあ、不思議な少女だが、いてくれるならそれでいいとゴルドアンは考えていた。
「さて、出発するか」
ゴルドアンが船首のマストに帆を広げていく。
エミリオは錨を拾い上げて舵棒に手をかける。
フィオレンティーナとミューは強くなってきた日差しをよけ、天幕の下に場所を移す。
小柄なファヌー『エレーア』は、ミストス島を離れ、滑るように空中へと飛び出した。
行き先はアルバ島。
『エレーア』はカラスタ群島の多島海へと進んで行った。
- 2009/12/30(水) 21:03:07|
- グァスの嵐
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1941年2月3日、喜望峰を回ってインド洋に入った「アドミラル・シェーア」は、マダガスカル沖で獲物を探します。
ですがこの時には獲物はさっぱり見つかりませんでした。
そんななか、ドイツの仮装巡洋艦「アトランティス」と会合するように命じられたクランケ艦長は、インド洋で暴れている「アトランティス」から情報を得ることができると考えます。
2月14日、無事に「アトランティス」と合流した「アドミラル・シェーア」は、「アトランティス」のロッゲ艦長から情報を得ることができました。
それによると、英国の商船たちはドイツの通商破壊艦を恐れ、沿岸沿いを主に航行しているために、「アドミラル・シェーア」のいる通商航路にやってこないのだというのです。
そこで今度は東アフリカのザンジバル沖に移動し、そこで通商破壊を行なうことに決めました。
この移動は功を奏し、2月17日から2月20日にかけて、英国のタンカーとノルウェーの商船を相次いで拿捕及び撃沈します。
しかし、2月20日に英国船「カナディアン・クルーザー」を捕捉したとき、通商破壊艦に追撃されているという無電を発信されてしまいました。
しかも、通商破壊艦は大型巡洋艦クラスであることも付け加えられてしまったのです。
「アドミラル・シェーア」の位置がこれで英国海軍に知られてしまったのでした。
クランケ艦長はこの事態を重く見て、すぐにザンジバル沖から移動することに決定します。
ドイツ本国からも3月には帰投せよとの命令が来ていたこともあり、インド洋での通商破壊活動も止める潮時でした。
ザンジバル沖から喜望峰へ向かう「アドミラル・シェーア」でしたが、英国海軍の包囲網はじょじょに狭められつつありました。
上空を偵察の水上機が飛んで行ったり、小型の商船に発見の無電を発信されるなどもありましたが、より深刻な事態はレーダーの故障でした。
「アドミラル・シェーア」搭載のレーダーが使えなくなってしまったのです。
このことは敵を先にキャッチできないということになり、相当な不利になることは間違いありませんでした。
この時「アドミラル・シェーア」を追っていた英国海軍の艦艇は、重巡「グラスゴー」「オーストラリア」、軽巡「ホーキンス」「エメラルド」に加え、空母「ハーミーズ」とその護衛に当たる軽巡「ケープタウン」、さらには重巡「キャンベラ」と「シュロップシャー」という膨大なものでした。
それら英国海軍の艦艇が、まさに包囲網を閉じようとしていたのです。
しかし、「アドミラル・シェーア」にはまだ運がありました。
商船の一隻が不用意に打った無電により、「アドミラル・シェーア」の進路上に英国海軍の巡洋艦二隻がいることがわかったのです。
クランケ艦長はただちに針路変更を命じ、この英国海軍の巡洋艦群をやり過ごすことができたのでした。
2月26日、無事にインド洋を抜け大西洋に戻った「アドミラル・シェーア」に対し、クランケ艦長に騎士十字章、乗組員に鉄十字章が与えるものとするとのドイツ本国からの無電が入ります。
クランケ艦長は乗組員全員を集めてそのことを知らせたのち、これより帰投する旨を伝えました。
インド洋を脱出したとはいえ、前途には広大な大西洋が広がっておりました。
この大西洋をレーダーが故障したままで航海するのはきびしいと考えたクランケ艦長は、レーダーだけでも修理しようと本国へ部品の供給を依頼しました。
この要望は受け入れられ、「U-124」潜水艦が修理部品を「アドミラル・シェーア」に届ける手はずとなりました。
この部品受け取りのため、「アドミラル・シェーア」はまたしてもアンダルシア会合点にやってきます。
ここで「U-124」の到着を待ちながら、「アドミラル・シェーア」は水線下のフジツボなどを落として速度発揮に支障のないようにいたしました。
3月11日、待ちに待った「U-124」が到着し、レーダーの修理部品が届きます。
クランケ艦長はお礼に「デュケサ」から手に入れた大量の肉と卵を「U-124」に分け与え、レーダーの修理に取り掛かりました。
レーダーの修理を終えた「アドミラル・シェーア」は本国への航海に取り掛かります。
3月22日ごろから北大西洋では暴風が荒れ狂い、「アドミラル・シェーア」はそれにまぎれてデンマーク海峡を突破することにしました。
3月26日には英国の巡洋艦をレーダーがキャッチしますが、幸い探知はされませんでした。
その後レーダーが再び故障するものの、3月28日にはデンマーク海峡を突破。
3月30日にはノルウェーのベルゲンに到着します。
翌日4月1日、ついに「アドミラル・シェーア」は無事にドイツ本国のキール軍港に到着。
五ヶ月に及ぶ航海に幕を下ろしました。
出迎えたレーダー提督から乗組員に鉄十字章の授与が申し渡されたのち、提督は「アドミラル・シェーア」の士官室でふんだんに料理を振舞われました。
「デュケサ」より手に入れた食料はここでも大活躍でした。
「アドミラル・シェーア」の航海が終わったのち、わずか二ヵ月後には同様に通商破壊の航海に出発した戦艦「ビスマルク」が英国海軍の集中攻撃によって撃沈されてしまいます。
もはやドイツの水上艦による通商破壊活動は望み薄になっており、「アドミラル・シェーア」の航海が最後の輝きと言ってもよいものでした。
「アドミラル・シェーア」はこの航海で6000海里以上を航行し、武装商船「ジャービス・ベイ」をはじめ合計九万トン以上もの商船を撃沈いたしました。
さらに英国海軍の多くの艦艇を引きつけ、翻弄してきました。
「アドミラル・シェーア」の航海は大成功だったのです。
これはテオドール・クランケ艦長以下乗組員の努力の賜物でした。
その後「アドミラル・シェーア」はバルト海やノルウェーで行動しましたが、ヒトラーの命令や制空権制海権の喪失などで、大戦後半にはほとんど行動できなくなってしまいました。
戦争終結直前の1945年4月9日、英国空軍の空襲を受けた「アドミラル・シェーア」は、キール軍港内で横転。
そのまま沈没してしまいます。
この時32名が戦死しました。
ドイツの水上艦で最も活躍したと言ってもいい「アドミラル・シェーア」の最後でした。
参考文献
「英独航空決戦」(第二次大戦欧州戦史シリーズ3) 学研
「ポケット戦艦」歴史群像2003年4月号 学研
参考サイト
Wikipedia「アドミラル・シェーア」
- 2009/12/29(火) 20:56:40|
- シェーアの航海
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ココロ、おかしな寝言なんて言ってませんよね?
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/12/29(火) 10:38:26|
- ココロの日記
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冷蔵船「デュケサ」の発信した無電により、またしても英国海軍は翻弄されることになりました。
英国海軍はこのこしゃくな通商破壊艦を探すため、空母「ハーミーズ」と「フォーミダブル」、それに巡洋艦数隻をアフリカ沿岸に派遣しましたが、「アドミラル・シェーア」の行方は杳として知れませんでした。
1940年12月19日。
英国海軍の懸命の捜索をよそに、「アドミラル・シェーア」は「デュケサ」とともにアンダルシア会合点に到着。
ここで「デュケサ」より大量の食料を運び込みます。
卵だけでも四万数千個という数が運び込まれ、さらにはウィスキーやワインなどのアルコール類も積み込まれました。
艦内では早速ご馳走が振舞われ、ある水兵が卵を四十八個も食べたとの噂が艦内に流れると、軍医が真剣に食べ過ぎを心配したとまで言われました。
出港して二ヶ月ほどが経過して、そろそろ機関のオーバーホールが必要だと感じていたクランケ艦長は、この海上の会合点でオーバーホールをやってしまおうと考えます。
機関長はこの困難な命令をやってのけ、「アドミラル・シェーア」はドック入りすることなく機関のオーバーホールを行なってしまいました。
しかもクリスマスになる前にです。
「アドミラル・シェーア」の機関はこれでまた万全に近い状況に戻りました。
アンダルシア会合点にはクリスマスから新年にかけドイツの艦船が集結してきておりました。
通商破壊艦の仮装巡洋艦「トール」、補給艦「ノルトマルク」、給油艦「オイロフェルト」、これらが「アドミラル・シェーア」とともに新年を祝いました。
もちろん「デュケサ」の食料が、乗組員たちの腹を満たしてくれました。
年も明けて1941年1月、「アドミラル・シェーア」は再び行動を開始します。
艦内の無線傍受及び暗号解読班がまたしても活躍し、英国海軍の空母「ハーミーズ」がセント・ヘレナ島近海にいることがわかったため、「アドミラル・シェーア」はその海域を避けて行動することができました。
1月17日から19日にかけ、「アドミラル・シェーア」は貨物船二隻を撃沈し、タンカー一隻を拿捕します。
英国海軍はまたしても「アドミラル・シェーア」にスコアを上げられてしまいました。
1月25日、「アドミラル・シェーア」は再び会合点アンダルシアに戻ります。
仮装巡洋艦「ピンギン」が拿捕した捕鯨船団をドイツ本国まで回航するための要員を派遣せよとの命令を受けたのです。
回航要員の派遣は乗組員の減少を意味し、ひいては戦力の減少につながるため、クランケ艦長としては避けたいことではありましたが、命令には逆らえません。
「アドミラル・シェーア」は捕鯨船団と合流し、回航要員を派遣して今度はインド洋へと向かいます。
巡洋戦艦「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」、重巡洋艦「ヒッパー」が北大西洋で通商破壊を開始する旨の情報があり、北大西洋とインド洋で同時に通商破壊を行うことで英国海軍を翻弄しようとクランケ艦長は考えたのでした。
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- 2009/12/28(月) 21:15:45|
- シェーアの航海
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北大西洋上にでてすぐに、「アドミラル・シェーア」は活動を開始します。
艦内の無線傍受及び暗号解読班がキャッチした情報により、カナダのハリファクス港より英国に向けて出港した輸送船団HX83、HX84の二つが近場を航行中であることが「アドミラル・シェーア」にはすでにわかっておりました。
艦長のクランケ大佐は、情報を精査した末にタイミングの合いそうなHX84船団を攻撃することに決定。
「アドミラル・シェーア」はHX84船団へと向かいました。
HX84船団に向かって索敵のために水上機を飛ばしたのち、途中で独航船(船団を組まずに単独で航行する商船のこと:船団だと狙われやすいと思い、単独で航行する商船も少なくなかった)の英国商船「モパン」を偶然にも発見。
停船させて撃沈したのち、さらに船団へと向かいました。
索敵機がHX84船団を発見しその進路を知らせてきていたため、「アドミラル・シェーア」は11月4日16時30分に難なく船団を捕捉します。
当時の英国海軍は護衛艦艇の数が足りず、このHX84船団にも護衛艦艇は正規の軍艦はついておりませんでした。
わずかに通常の商船に武装を施しただけの武装商船「ジャービス・ベイ」が護衛についているだけだったのです。
「アドミラル・シェーア」に発見されたHX84船団は、ただちに被害を最小限にするべく蜘蛛の子を散らすように散開します。
また護衛についていた武装商船「ジャービス・ベイ」が、必死に船団の退避時間を稼ごうと「アドミラル・シェーア」に対して砲門を開きます。
しかし、単なる商船に武装を施しただけの「ジャービス・ベイ」では勝負にならないことは火を見るよりも明らかでした。
「アドミラル・シェーア」はさほど時間をかけることなく果敢に立ち向かってきた「ジャービス・ベイ」を砲撃で撃沈。
「ジャービス・ベイ」は艦長以下約200名の乗員とともに波間に没しました。
その後HX84船団の商船たちは「アドミラル・シェーア」によって狩り出され、三十八隻の商船のうち五隻が撃沈されました。
またそのほかにも損傷を受けた商船があり、英国は大損害を受けたのです。
これ以後、英国海軍は輸送船団の護衛に旧式戦艦を充てることにするほどの衝撃でした。
HX84船団への攻撃を成功させた「アドミラル・シェーア」は、誇らしげに戦果を報告し現場を離脱します。
ですが、この攻撃により弾薬の三分の一ほどを消費したため、補給を受ける必要がありました。
そこで前もって決めてあった会合点に向かい、そこで補給船と合流するすることにします。
11月14日、補給船「ノルトマルク」と無事に合流し、食料や弾薬の補給を受けました。
ここでクランケ艦長は「アドミラル・シェーア」を一度カリブ海近くのサルガッソ海へ向け、英国海軍の目をくらませることにします。
「アドミラル・シェーア」は西へ向かい、11月24日にはサルガッソ海で英国商船「ポートホバート」を撃沈。
しかも「ポートホバート」は通商破壊艦に襲撃されたという無電を発信していたため、英国海軍の目をサルガッソ海に引きつけるという目的も果たすことができました。
そこで「アドミラル・シェーア」は再び東へ向かってアフリカ沿岸へと向かいます。
12月1日にはカナリア諸島の南で英国商船「トライブズマン」を撃沈。
ここからさらに南下して赤道を越えました。
12月18日、「アドミラル・シェーア」に少し早いクリスマスプレゼントが手に入ります。
英国商船「デュケサ」を捕獲したのです。
この船は冷蔵船で、9000トンもの肉と果物に加え、900トンもの卵を積載しておりました。
これにより「アドミラル・シェーア」は外洋で不足する食料の心配がなくなったのです。
「アドミラル・シェーア」はこの「デュケサ」をつれてドイツ海軍の南大西洋での合流点の一つであるアンダルシア会合点に向かいました。
この一連の「アドミラル・シェーア」の行動に英国海軍は翻弄され続け、ただむなしく捜索を続けるだけでした。
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- 2009/12/27(日) 21:27:38|
- シェーアの航海
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第二次世界大戦が始まって二ヶ月ほどの1939年11月1日、一人のドイツ海軍大佐がある軍艦の艦長に就任いたしました。
大佐の名前はテオドール・クランケ。
軍艦の名前は装甲艦「アドミラル・シェーア」といいました。
「アドミラル・シェーア」は、ドイツが第一次世界大戦に敗北後押し付けられたヴェルサイユ条約の制限内で建造された装甲艦「ドイッチュランド」級の一隻で、その重武装とそこそこの速力から「ポケット戦艦」とも呼ばれるものでした。
基準排水量は一万二千トン。
全長は186メートル、最大幅は21.6メートル。
ディーゼルエンジンを八基搭載し、二軸推進で最高速度は28ノットまで出せました。
武装は28センチ砲三連装砲塔を前後に一基ずつ計二基搭載し、他にも15センチ砲八門や、魚雷発射管八門などを備えておりました。
当時の戦艦が速力25ノットから26ノット程度だったのに対しては優速なため、戦艦に出会えば逃げ出せるし、自分より速度の速い巡洋艦に対してはその28センチ砲の砲撃力で撃沈してしまおうという考えのもとで建造された軍艦であり、連合国である英仏海軍には対抗できる艦艇がありませんでした。
「アドミラル・シェーア」はこの「ドイッチュランド」級の二番艦として、1934年の11月に就役したのです。
それから5年。
「アドミラル・シェーア」はスペイン内戦に派遣されるなどしたのち、二代目艦長のテオドール・クランケ大佐を迎えます。
クランケ大佐は海軍大学校の校長を勤めていた人物であり、頭でっかちの理論家と乗組員には思われておりました。
ですがその思いは、このあとの「アドミラル・シェーア」の航海によって、見事に覆されることになります。
第二次世界大戦開戦直後の空襲によって損傷した「アドミラル・シェーア」は、その後修理と改装で1940年の半ばまで過ごしました。
その間にドイツ海軍は、1939年12月の「アドミラル・グラーフ・シュペー」の自沈や、1940年4月のノルウェー戦などによっていくつかの艦艇を失いました。
もともと海軍力の整備を1945年に完了することを目標にしてきたドイツ海軍にとって、1939年の開戦は予想外でした。
ドイツ海軍は艦艇の数の揃わぬままに第二次大戦に突入したのです。
そのような状況では、英仏海軍に対し取れる作戦の選択肢は多くありませんでした。
そこでドイツ海軍は通商破壊戦に力を注ぎます。
主要敵国である英国は島国であり、その経済活動の多くを海上輸送に頼っています。
その海上輸送を断ち切ることで、英国の国力を低下させ、戦争から脱落させることを目論んだのです。
通商破壊戦に適していたのは潜水艦でしたが、長大な航続距離を持つ水上艦艇もまたその任に適しておりました。
燃費のよいディーゼル機関で20ノット時の航続距離が8900海里という「アドミラル・シェーア」は、まさに通商破壊艦としてもうってつけだったのです。
1940年10月23日、「アドミラル・シェーア」はバルト海に面したゴーテンハーフェン港より出港します。
クランケ大佐以下乗組員たちは意気揚々と出発しました。
行く手は広大なる大西洋。
クランケ大佐はそこで通商破壊艦狩りを行うであろう英海軍との戦いを、まるでチェスのような先読みのゲームと捕らえているかのようだったといわれます。
「アドミラル・シェーア」は、キール運河を通り北海に出た後、ノルウェーのスタヴァンゲルに立ち寄り、アイスランドとグリーンランドの間のデンマーク海峡を通り抜けて大西洋へと到達します。
通商破壊の始まりでした。
(2)へ
- 2009/12/26(土) 21:17:09|
- シェーアの航海
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皆様楽しいクリスマスをお過ごしでしたか?
いい子にして素敵なプレゼントはもらいましたか?
悪サンタの代理人からの四日連続のプレゼントの最終回です。
楽しんでいただければうれしいです。
それではどうぞ。
4、
朝起きて鏡を見る。
濡れたように真っ赤な唇。
目蓋の上に黒く染まったアイシャドウ。
うふふ・・・
ご主人様にしていただいた化粧だわ。
なんて素敵なのかしら。
そして胸と脚を覆う衣装。
黒いブラジャーもガーターストッキングも淫靡この上ない。
なんて素敵な衣装なのかしら。
ああ、もうこれ以外に着ることなんて考えられないわ。
「えっ?」
背後で息を飲む声がする。
うふふ・・・
シスターアネットのお目覚めね。
私があまりにも素敵な衣装を着ているから驚いたのかしら。
うふふふ・・・
「シスターメイリア、ど、どうしちゃったの?」
唖然として私を見ているシスターアネット。
尼僧服を着る前の色気のない白い下着姿。
うふふ・・・
だめねぇ。
あなたも女なんだから色っぽい衣装を身に着けなきゃ。
「うふふ・・・どう? 素敵でしょ。ご主人様にいただいたのよ」
私はくるりと回って淫靡な衣装を見せ付ける。
「す、素敵って・・・ご主人様って・・・な、何があったの?」
「うふふ・・・何も無いわよ。ただ私はわかったの。女は淫らで美しくあるべきだって。そしてご主人様に可愛がってもらうことこそが最高の喜びなんだってことを」
目を丸くしているシスターアネットに、私は信仰なんかよりもすばらしいものを知ったことを教えてあげる。
そう。
信仰などくだらないこと。
女の喜びを捻じ曲げるおぞましいものなのよ。
「な、何を言ってるの? わからないよ。いつものシスターメイリアに戻ってよ」
首を振るシスターアネット。
うふふ・・・
無理も無いわね。
まだ彼女はご主人様のすばらしさを知らないのだから。
でも、いいの。
これからご主人様に会わせてあげる。
ご主人様はあなたもご所望なの。
あなたもご主人様のしもべにしてあげるわ。
私はストッキングを穿いた脚でゆっくりとシスターアネットに近寄っていく。
「ちょ、な、や、やめてよ・・・こ、こないで」
両手で私を押し留めようとするシスターアネット。
私はその手を掴み、グイッと彼女を引き寄せる。
「う、うあっ」
いきなり引き寄せられてバランスを崩す彼女を、私はしっかり受け止める。
「えっ? あ・・・」
間近に迫る彼女の顔。
茶色の目が驚きに見開かれ、ピンク色の唇が小さく薄く開いていた。
可愛い・・・
「さあ、私の目を見て」
私はそう言って彼女の目を私の目に向けさせる。
「えっ?」
彼女の目が私の目を見つめたとき、私は彼女をにらみつけた。
「そんな・・・目が赤・・・く・・・」
突然力が抜けぐったりしてしまうシスターアネット。
うれしい。
うまく行ったわ。
ご主人様に教えていただいたとおりにできた。
なんてうれしいのかしら。
私はご主人様の命令どおりにできたことがとてもうれしく、気を失った彼女を抱えて地下へ向かった。
「アンアンアンアン・・・」
ゆさゆさと揺れる躰。
奥まで深く入り込んでいるご主人様の肉棒。
口からはよだれをたらし、目はうつろに見開いて快楽をむさぼっている。
うふふ・・・
気持ちいいでしょ?
ご主人様とのセックスは最高でしょ?
これ以上のことは考えられないぐらいでしょ?
私はご主人様に貫かれて善がっているシスターアネットに笑みを漏らす。
これで彼女もご主人様のモノ。
これからは二人でご主人様にお仕えするの。
二人でお仕えすれば、ご主人様の復活はたやすいわ。
早くご主人様に復活していただきましょうね。
「ああ・・・いい・・・いいですぅ・・・」
喜びの声を上げて腰を振っているシスターアネット。
もう何度絶頂を迎えたかわからないでしょうね。
ああん・・・見ていたら私も欲しくなっちゃったわぁ。
ご主人様ぁ・・・
次は私もお願いしますぅ・・・
「うふふふ・・・」
シスターアネットが笑みを浮かべながら姿見の前で一回転する。
塗れたように真っ赤な唇をして、目にはアイシャドウを塗っている。
形のよい大きな胸は黒革のベルトで上下を挟んだだけでむき出しにし、腰のガーターベルトからは私と同じように太ももまでのストッキングを吊り下げている。
股間の叢の左上にはご主人様の付けてくれた模様が浮き出ていて、指先でそっとなぞってはうれしそうに笑っていた。
「とても似合っているわ、シスターアネット」
「ありがとうシスターメイリア。最高だわぁ。ご主人様のしもべになるのがこんなにすばらしいことだったなんて・・・」
くるくると回って喜びを表しているシスターアネット。
見ているとなんだか私までがうれしくなる。
「ああ・・・どうして知らなかったのかしら。女は美しく淫らでなくてはいけないわ。男を誘惑し堕落させるのが女の使命。ああ、早く男を襲いたいわぁ」
「うふふ・・・焦らなくても大丈夫よ。男は村にたくさんいるわ。奴らの精気を吸い取ってご主人様に捧げるの。そうすればご主人様もすぐに復活なされるわ」
そう、私たちがご主人様を復活させるのよ。
「うふふ・・・ご主人様の復活。楽しみね」
ピンク色の舌で指先をペロッと舐めるシスターアネット。
私も男どもを襲うことを考えると、あそこがうずいてくるのだった。
******
「本当に取り外しちゃっていいんですか?」
村からやってきた屋根修理の男たち三人が顔を見合わせる。
たかだか女神のホーリーシンボルをはずすのがそんなにいやなのかしら。
「ええ、いずれ新しいシンボルが付けられますからご心配なく。あのような古いシンボルなど邪魔なだけですから」
「そうそう。目障りだから取り払っちゃって欲しいの。ぐちゃぐちゃにしちゃってもいいからさ」
まあ・・・シスターアネットったら。
ぐちゃぐちゃにしちゃいたいのはこの男どものほうなんじゃないかしらね。
「それならいいんですが、ホーリーシンボルを取り外したりして女神様のお怒りに触れたりしませんよね」
「そんなの気にすることは無いですわ。むしろあなたがたにもいいことがありますわ」
「そうそう。あとでたっぷりといいことがね」
尼僧服の下からストッキングに包まれた脚をさりげなく見せ付けているシスターアネット。
うふふ・・・
男たちの目が惹き寄せられているわ。
おろかな男たちね。
あとでたっぷりと楽しませてもらわなくちゃ。
私は欲望に濡れた目で男たちを見つめるシスターアネットに目配せし、二人で笑みを浮かべていた。
「うあ・・・うああ・・・あ・・・う・・・」
私はぐったりとなった男を跳ね除ける。
もうこいつは精気を搾り取ったカスに過ぎない。
うふふ・・・
ごちそうさま。
なかなか美味しい精気だったわよ。
私はたれてきた精液を指ですくって口に入れる。
ん・・・美味し。
「こっちも終わったよ。ごめんね、二人もらっちゃって」
尼僧服をまといながらやってくるシスターアネット。
彼女もたっぷり楽しんだみたいだわ。
男どもを惹き寄せるなどたやすいもの。
作業が終わったあとに誘ったら簡単に食いついてきたわ。
「ううん、いいのよ。前回は私が多くもらったから」
私も脱ぎ捨てた尼僧服を再びまとう。
がらんとしてしまった礼拝堂。
あの胸糞悪いホーリーシンボルも今はない。
ここは私とシスターアネットが男をむさぼるところ。
あの女神もまさかこんなことに使われるようになるとは思わなかったでしょうね。
「さて、こいつらを始末しましょうか」
「あーあ、男を食うのはいいけど、後始末が面倒だよね」
「そうね」
私は苦笑しながら男どもの死体を馬車に放り込む。
そして馬の目を見つめてどこか山の奥へ行くように命令する。
そうすれば狼か熊あたりが始末を付けてくれるだろう。
あとは適当にごまかせばいいし、もし身内が何か言ってきたらそっちも始末すればいい。
「これでいいわ。さあ、ご主人様のところへ行きましょう」
「ええ、ご主人様にたっぷり可愛がってもらわなくちゃね」
私とシスターアネットは、うきうきしながら地下へ向かった。
******
「ああん・・・あはぁん・・・い、いかがですかご主人様ぁ・・・私の内膣気持ちいいですかぁ? たっぷりと精気を溜めてきましたので受け取ってくださいませぇ」
ずんずんと突き入れられる太い肉棒。
まるで頭の先まで貫かれそう。
ああん・・・最高だわぁ。
ご主人様ぁ。
私はしがみつくように両脚を絡め、両手をご主人様の首に回す。
突かれるたびに躰が揺れ、えも言われぬ快楽が全身を走り抜けていく。
「あはぁん・・・ありがとうございますぅ」
ご主人様が満足してくださっている。
なんてうれしいのかしら。
私の躰でご主人様が楽しんでくれているんだわ。
ああ・・・イッちゃいそう・・・
躰が浮いちゃうぅ・・・
意識が飛んじゃうぅ・・・
あああん・・・
私は頭の中が真っ白になるような気がした。
「はあはあ・・・ありがとうございます、ご主人様ぁ」
私はまだふらふらする躰を支えて、ご主人様の肉棒に口づけする。
私を絶頂に導いてくださった愛しいモノ。
舌で舐めて綺麗にしなくちゃね。
「ん・・・んちゅ・・・れろ・・・ん・・・」
ご主人様のはすぐにまたたくましくなる。
衰えを知らないで何度でもできるの。
本当はもっともっと可愛がって欲しいけど、シスターアネットが先ほどから私をうらやましそうに見ているわ。
彼女にも順番を回さないとね。
ああ・・・それにしてもなんてすばらしいのかしら。
最高の気分だわぁ。
「あ、はい。ご主人様」
ご主人様にご奉仕をして立ち上がろうとした私を、ご主人様が呼び止める。
私はすぐにひざまずいてご主人様に礼を尽くす。
ご主人様は私のすべて。
礼を失してはいけないわ。
「えっ?」
私は驚いた。
ご主人様の手が私の顎を持ち上げる。
私の顔が上を向き、ご主人様の偉大なお顔が迫ってくる。
「ああ・・・ありがとうございます」
私の中に流れてくるご主人様のお力。
男どもより吸い取った精気で、ご主人様も力を取り戻されつつあるのだ。
その喜びを私にも分けてくださるんだわ。
なんてうれしいの。
ご主人様の力が私の中を駆け巡る。
背中や頭がミシミシ言う。
お尻もむずがゆくて何か変。
いったい私はどうなっているの?
ああ・・・なんだか怖いわ。
私が私で無くなっちゃいそうな・・・
ああ・・・ご主人様ぁ・・・
******
「うふふふ・・・あなたも素敵な淫魔になったわね。アネット」
私は目の前の美しい淫魔にそう言った。
赤い眼をらんらんと輝かせ、頭の両側からはねじれた角が生えている。
背中には黒いコウモリの羽のような飛膜が伸び、お尻からは先が尖った尻尾が伸びている。
太ももから下はまるで黒革のブーツでも履いているかのように覆われ、両手も二の腕から先が手袋をはめたように黒く指先からは鋭い爪が伸びている。
革ベルトのようなものが股間と乳房の上下を覆い、形よい乳房そのものはむき出しでまるで見せ付けているかのよう。
ニヤッと笑みを浮かべた口からは、鋭い牙が覗いており、濡れたように真っ赤な唇が妖艶だわ。
まさにシスターアネットは生まれ変わったのだ。
今の彼女はご主人様に使える淫魔。
淫魔アネット。
素敵だわ。
「うふふ・・・ありがと。メイリアもずいぶんといやらしい淫魔になったじゃない。ご主人様好みのさ」
アネットがいやらしく微笑む。
ええ、そうよ。
私もご主人様に淫魔にしていただいたんですもの。
今の私は淫魔メイリアなのよ。
私は自分の姿を姿見に映して見る。
赤く輝く猫のような瞳の目。
耳は尖り、額からは一本の角が伸びている。
躰は黒革のボンデージでも着たように覆われ、ご主人様の紋章の浮かぶ胸とおへそあたりから股間までが切れ込みを入れたように晒されている。
太ももから下はアネットと同じように黒革のブーツ状になり、両手もまた手袋を嵌めたように黒く染まっていた。
背中にはカラスの羽根のような翼が広がり、お尻からは先の尖った尻尾も生えている。
薄く笑みを浮かべた口元には牙が光り、黒いアイシャドウが妖しかった。
そう、結局のところ私もアネットもそう変わらない姿なのだ。
だって私たちはご主人様にお仕えする淫魔なのだもの。
「うふふふ・・・今度は女も犯せるね」
アネットが尻尾を持ってその先をぺろりと舐める。
すると先端はまるで男のモノのように変形し、先から毒々しい紫の液がたれてきた。
「ええ、そうね。この尻尾を使って女たちを犯しましょ。楽しみだわ」
私も尻尾の先をぺろりと舐める。
「あん」
ぞくぞくする快感が背中を走り、私は思わず声を上げた。
「うふふふ・・・さあ、中央に手紙を書こうよ。受け入れる用意が整いましたって」
「ええ、そうね。たくさんシスターを送ってもらいましょ。ご主人様が気に入った女はご主人様のしもべにして、それ以外はご主人様の贄にするの。もちろん私たちがたっぷり楽しんでからね」
「うふふふ・・・楽しみだね。ここが淫らな饗宴で包まれる日が待ち遠しいな」
「ええ、なんと言っても、ここは淫魔の修道院ですものね。うふふふふふふふ・・・・」
私とアネットは、いずれやってくる多くのシスターたちのことを思い、淫らな笑みを浮かべるのだった。
END
いかがでしたでしょうか。
最後はちょっと駆け足だったかもしれませんね。
よろしければ感想や拍手などいただけますとうれしいです。
それではまた。
次回作でお目にかかりましょう。
- 2009/12/25(金) 19:27:12|
- 地下室のシスター
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皆様メリークリスマスです。
今晩は「地下室のシスター」の三夜目です。
じわじわと堕ちていく感じが出ていますでしょうか?
それではどうぞ。
3、
「う・・・ん・・・」
カーテンの隙間から朝の日差しが差し込んでくる。
なんだかまぶしい・・・
もう朝かぁ・・・
起きなくちゃ・・・
私はなんとなくだるい躰を起こして立ち上がる。
うえっ・・・
なんだか口の中がねちゃねちゃする感じだわ。
口をゆすいでこなくちゃ・・・
「おはよー、シスターメイリア」
「おはよう、シスターアネット」
私はすでに井戸の脇で顔を洗っているシスターアネットに挨拶する。
起き抜けだけど、彼女はとても元気そう。
私はなんだか太陽がまぶしくて躰がだるい。
どうしちゃったのかな・・・
「ん? 顔色よくないよ。大丈夫?」
シスターアネットが心配そうに私を見る。
やっぱり彼女にもそう見えるのね。
うーん・・・
風邪でもひいちゃったかしら・・・
「うーん、風邪でもひいちゃったかも。なんだか躰がだるくて」
私はとりあえず水で口をゆすぐ。
冷たい水がすっきりさせてくれるわ。
「そっかー、このところ忙しかったし、昨日の今日だからね。体調崩しちゃったのかも」
「うん、でも大丈夫。それほどひどくないから」
「それならいいけど。あ、先に行ってるね」
そう言って着替えへ向かうシスターアネット。
私も顔を洗って朝のお祈りに行かなくちゃ。
尼僧服に着替えて私は礼拝堂にいく。
礼拝堂に入ると、なんだかよけいに気分が悪くなる。
なんだろう・・・
胸がムカムカするわ。
私は気分の悪さをこらえ、シスターアネットの隣にひざまずく。
「大丈夫?」
祈りを捧げていたシスターアネットが心配そうに私を見る。
何でだろう・・・
祈りを捧げている彼女が腹立たしく感じるわ。
「大丈夫。くだらないことだけど、お勤めだから・・・」
「えっ?」
「えっ?」
わ、私は今何を言ったの?
シスターアネットも目を丸くして私を見ているわ。
いったい私は?
「あ、その、お腹は下ってないから・・・」
「あ、ああ、そういうことね。うんうん」
シスターアネットが納得したようにうなずいている。
よかった。
でも、私はなぜあんなことを・・・
朝のお祈りがくだらないなんて・・・
くだらないなんて・・・
くだらない・・・
くだらないことなのに・・・
「今日もあたしが村へ行ってくるよ。シスターメイリアは少し休んでて」
「あ、でも、今日の順番は私・・・」
「いいからいいから。あんまり調子よくないみたいだし、無理して悪化させてもよくないでしょ」
朝のさまざまなお勤めを終え、食事を取っていると、シスターアネットがそう言ってくれた。
「ごめんなさい。ありがとう」
私は素直に頭を下げてお礼を言う。
彼女の心遣いは本当にうれしい。
それに今はここから出たくない。
なぜかわからないけど、ここから外へ出たくないのだ。
「薬草箱から見繕っておくから、煎じて飲んでね。少し寝ていたほうがいいと思う。顔色もよくないし」
「そうするわ。ごめんなさい」
「いいのいいの。早くよくなってね」
シスターアネットはそう言って、運んできた荷物の中から薬草の乾燥させたものを見繕う。
私はありがたく受け取ると、村へ向かうシスターアネットを見送った。
シスターアネットが出かけて私は一人になった。
私はおもむろに立ち上がると事務室から鍵を取る。
そして台所の脇の扉を開け、地下へと下りた。
午前中の日差しもここには差し込まない。
完全な闇ではないけど、暗い地下は心地よかった。
私は壁の裂け目から部屋に入り、尼僧服を脱いでいく。
ウィンプルもはずして下着も脱ぎ、靴も靴下も脱いで生まれたままの姿になる。
重苦しい尼僧服を脱ぐと、心までも軽くなる。
まやかしの世界にはない闇の安らぎが私を包み込む。
ああ・・・
これよ・・・
私はこれを求めていたんだわ・・・
まやかしの世界では与えてもらえない闇の抱擁。
私はこれが欲しかったのよ・・・
私はスッとひざまずき、目の前に差し出された肉棒を咥え込む。
口の中いっぱいになる太い肉棒に、私は幸せを感じてくる。
この肉棒にご奉仕することこそ私の使命。
このお方に身も心も捧げることが私の生きがい。
このお方・・・?
このお方・・・って?
私はふと顔を上げる。
闇の中に浮かぶ真っ赤な目。
ぎざぎざに尖った白い牙。
一瞬恐怖を感じたけど、赤い目を見ていると、すぐに恐怖は収まった。
それどころか、この赤い目で見つめられると、今までの私がとてもおろかに思えてくる。
女神などに心酔し、この身をささげようとしてきたなんて・・・
なんてバカだったのだろう。
この方こそが私の主。
ご主人様なんだわ。
私は再び肉棒をしゃぶり、出された液体を飲み込んでいく。
この身を貫いてもらい、至福の喜びに酔いしれる。
ああ・・・
ご主人様・・・
私はあなた様のものです。
どうか・・・
私をお導きくださいませ・・・
******
「ただいまー」
元気のいい声が響いてくる。
シスターアネットが戻ってきたのだ。
きっと村でいいことでもあったのかしらね。
「お帰りなさい」
私は入り口まで出迎える。
「ただいま、シスターメイリア。調子はどう?」
小脇にバスケットを抱えているシスターアネット。
どうやら何かいただいてきたみたい。
「ええ、もうすっかり。とてもいい気分よ」
「そうなんだ。それはよかった・・・」
私を見るシスターアネットの言葉が止まる。
「どうかした?」
「あ、ううん、なんだかちょっと朝と雰囲気が変わったなって気がしたの」
シスターアネットがバスケットをテーブルに置く。
「雰囲気が? そう?」
そうなのかしら。
別に変わってないと思うけど・・・
「ジェスタさんから美味しそうなかぼちゃのパイをいただいたよ。夕食に食べようよ」
そう言って椅子に座るシスターアネット。
あらあら、ずいぶんお疲れみたいね。
無理も無いわ。
村人なんかのために奉仕するなんてバカらしいものね。
「ええ、そうね。その前にお茶を淹れるわ」
私は台所に行ってお茶を淹れ、シスターアネットに差し出した。
「ふう・・・美味しい。やっぱりシスターメイリアの淹れるお茶は美味しいね」
「うふふ、ありがと」
お茶を飲んで一息入れるシスターアネット。
私はなんとなくその様子に見入っていた。
夜。
シスターアネットが寝静まったのを見て、私は地下へと下りていく。
闇が広がり私を包み込んでくれ、とても気分がいい。
夜のお勤めは最悪だった。
胸がムカムカして食べたものを吐きそうだったのだ。
女神に祈るなんて、考えただけで反吐が出る。
どうして私はそのようなことをしているのだろう・・・
私は部屋に入って裸になる。
そしてひざまずいてご主人様をお迎えする。
偉大なるご主人様。
この世界を闇で覆ってくださる方。
どうしてこの方を皆で崇めないのだろう。
でもそれももうすぐ終わる。
皆がこの方を崇めるようになる。
そのお手伝いができるなら、こんな幸せなことは無いわ。
「はい、ご主人様」
私はご主人様の指示に従う。
ご主人様こそ私のすべて。
私は胸を突き出すようにして、ご主人様の爪を受ける。
チクッとした痛みが右胸に走り、突かれたところから血がにじむ。
その血をご主人様が爪で掬うと、すぐに赤い血が黒く染まる。
ご主人様はその黒く染まった血を再び私の胸にたらしてきた。
傷口に黒い血が入り、そこで複雑な模様を作る。
これはご主人様の洗礼。
私はご主人様のモノになったのだ。
私はとてもうれしかった。
******
「おはよう、シスターメイリア」
「おはよう、シスターアネット」
私はにこやかに挨拶を返す。
なんだかとっても気分がいい。
朝起きたときに右胸に黒い模様を見たとき、言いようのないうれしさがこみ上げた。
私はもうご主人様のもの。
なんてすばらしいんだろう。
「今日は調子よさそうだね」
私の顔を見てうんうんとうなずいているシスターアネット。
「ええ、とっても。いい気分だわ」
シスターアネットも元気そう。
彼女だったらご主人様に紹介してもいいよね。
女神なんかよりすばらしい方だって彼女にもわかってもらいたいし。
「よかった。今日は村のほう頼める?」
「ええ、いいわ。今日は私が行ってくるわ」
「じゃ、お願いするね。あたしは薬草園とか面倒見るから」
朝食の用意をしながらそんな会話をする。
うふふ・・・
礼拝堂に近寄らなくてすむなら好都合だわ。
村人たちへの奉仕なんてどうでもいいし。
くだらない人間たちに煩わされたくもないから、適当なところで遊んでこようかしら。
私は固焼きパンにジャムを塗ってテーブルに出しながら、そんなことを考えていた。
「それじゃいってきます」
「行ってらっしゃい。村のみんなによろしくね」
手を振って送り出してくれるシスターアネット。
うふふ・・・
可愛いわぁ。
今度彼女もいっしょに気持ちよくなりたいな。
ご主人様にいっしょに気持ちよくしてもらうの。
私はポケットの中の鍵に手を伸ばす。
大事な地下室への鍵。
今はまだ彼女を入れるわけには行かない。
いずれご主人様にお伺いを立ててから。
ああ・・・
彼女もいっしょにご主人様にお仕えしてくれたらいいなぁ。
昼下がりのザウフ村。
男の人たちはほとんどが農作業に勤しんでいる。
中には女の人も手伝ったりしているけど、多くは子供を育てたり、家事をしたりして家にいる。
うふふ・・・
本当に家事なんかしているのかしら。
きっと男でも引き込んで楽しんでいるに違いないわ。
気持ちいいことは楽しいですものね。
道行く人が私に笑顔で頭を下げていく。
うふふ・・・
かつてご主人様を地下へと追いやり、その上にあの修道院を建てて封印してきたおろかな人間たち。
今度はお前たちがご主人様の贄。
せいぜい命を大事にして、ご主人様を敬いなさい。
そうしたら少しぐらいは楽しませてもらえるかもね。
あはは・・・
私は適当に村の中を散歩する。
そして川べりで寝そべって日向ぼっこをして時間をつぶすと、そのまま村をあとにした。
村人のことなど知ったことじゃない。
せいぜい適当に生きていればいいのよ。
「ただいま」
私は陰鬱な思いでドアを開けた。
息が詰まるような修道院の空気。
今までご主人様を封じてきたご清潔な女神の気が漂っているのだ。
先日の地震でようやく結界の一部が壊れたものの、まだご主人様の復活にはいたらない。
私はいまいましく礼拝堂の入り口を見る。
女神などくそくらえだわ。
反吐が出そう。
「お帰りー」
事務室からシスターアネットが顔を出す。
「ただいま」
彼女の笑顔を見るとホッとする。
ああ・・・早く彼女もご主人様のものにならないかしら。
二人でご主人様にお仕えするのはきっと楽しいわ。
「躰の調子はどう? 大丈夫だった?」
「ええ、大丈夫よ。何も問題は無いわ。」
リビングの椅子に腰掛け、一息つく。
歩いてきたのでちょっと疲れた。
「そう、よかった。今お茶淹れるね」
「あ、私が・・・」
「いいっていいって、たまにはあたしが淹れるから。味の保証はないけどさ」
私は席を立とうとしたものの、すでに彼女は行ってしまう。
私はありがたく彼女の好意を受けることにした。
「美味しい」
お茶を飲むと躰が温まる。
なんだかとてもホッとするわ。
「よかった。シスターメイリアの淹れるお茶にはかなわないけど、美味しいって言ってもらえてうれしいよ」
向かいの席でいっしょにお茶を飲んでいるシスターアネット。
そのにこやかな笑顔がとても可愛い。
「ところでさ」
「何?」
「ベッドの脇にホーリーシンボルが置いてあったけど、提げていかなかったの?」
ああ・・・
あの反吐の出るような代物のことね。
あんなの首から提げるなんて考えたくもないじゃない。
うかつだったわ。
触るのもいやだったからその場に置いておいたのがまずかったわね。
「あ・・・そうだったかしら。きっと朝いろいろやっているうちに忘れちゃったんだわ」
「忘れた? 女神様のホーリーシンボルを?」
「え、ええ・・・朝はどうかしていたのかも・・・」
我ながら下手な嘘。
あーあ・・・
今度はちゃんと隠しておかなくちゃね。
「ふーん・・・女神様の大事なものなんだから、忘れたりしちゃだめだよ」
「ええ、気をつけるわ」
私は苦笑しながらそう言った。
******
「ああ・・・ご主人様ぁ」
夜、私は闇の中でご主人様にその身を捧げる。
ご主人様の太いモノを舐めしゃぶり、私のあそこをかき混ぜてもらう。
女である喜びに打ち震える至福のとき。
何度となく全身を快楽が走り、闇の中で絶頂を迎える私。
ああ・・・私はなんて幸せなのだろう。
ご主人様ぁ・・・
ご主人様の黒い親指の腹が、私の唇をそっとなぞる。
とてもうれしい。
目元も同じようになぞってくれる。
ご主人様好みの女になるのはとても幸せ。
私のすべてはご主人様のもの。
「はい、ご主人様」
ご命令どおりに立ち上がる。
尼僧服もウィンプルも靴さえも身につけてない裸の状態。
ちょっと恥ずかしいけど、ご主人様に晒すのなら平気。
ふとご主人様の手が動く。
私の周りに魔力が舞い、私の躰にまとわり付く。
すると私の胸には漆黒のブラジャーが形となり、腰回りにはガーターベルトが形作られる。
太ももから下には薄墨色のストッキングが張り付き、ガーターと結び付けられる。
「これは?」
私は新たな衣装に戸惑った。
とてもいやらしく女らしい衣装。
今までこんなのを着るなんて考えたこともなかったわ。
でもすぐに理解した。
これはご主人様よりのプレゼント。
ご主人様にふさわしい淫らな女になるための衣装。
私にピッタリの衣装なのだ。
「はい。かしこまりました」
ご主人様の命が下る。
我がしもべにふさわしい女になれと。
そしてもう一人も我に捧げよと。
はい。
私はご主人様の忠実なるしもべになります。
彼女もご主人様に捧げます。
どうか私たちをお導きくださいませ。
私はスッと片膝をつき、ご主人様に一礼した。
- 2009/12/24(木) 21:02:04|
- 地下室のシスター
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| コメント:6
「地下室のシスター」の二回目です。
切る位置の関係で今日はちょっと短めなんですが、楽しんでいただければと思います。
それではどうぞ。
2、
「えっ?」
何かが私に触れた気がした。
私はすぐに目を開けて辺りを見回す。
もちろんそこには誰もいない。
静かな礼拝堂があるだけだ。
気のせい?
でも、確かに私は何かに触れられたような気がしたのだ。
「あ・・・」
なんだろう・・・
いい匂い・・・
私はどこかからか漂ってきた香りに気が付いた。
なんだろう?
何の匂いなんだろう?
不思議に思っていると、なんだか頭がぼんやりしてくる。
あれ・・・?
どうしたのかな?
さっきの地震のショックか何かかしら・・・
私はよくわからないままに立ち上がる。
あれ?
私何をしていたのだろう・・・
何をしようとしていたのだろう・・・
わからない・・・
思い出せないわ・・・
私はふらふらと歩き出す。
匂いが私の躰に染みとおり、私の躰を引いていく。
なんだかわからないけど悪い気分じゃない。
むしろふわふわしていい気持ち。
このままどこかへ飛んでいってしまいそう・・・
私は礼拝堂を出ると、事務室を通って台所へ行く。
そして脇にある扉を開けて階段を下りていく。
あれ?
鍵を掛けたんじゃなかったかしら・・・
わからない・・・
思い出せない・・・
朝だというのに石造りの階段は薄暗い。
こんなに頭がぼうっとしているのに、躰はしっかりと階段を踏みしめている。
変だ・・・
でも、何が変なのかよくわからない。
ただ、いい香りが私を引き寄せるだけ。
階段を下りた先は食料庫。
でも、私の行き先はそこではない。
食料庫の脇にある崩れた壁。
その先には闇が広がっている。
これは何?
壁の向こうには何があったの?
私は引き寄せられるように崩れた壁を通り抜ける。
そこは闇。
何も見えず何も聞こえない。
ただ漆黒の闇があるだけだ。
私はその闇の中を歩いていく。
どこへ行くのかわからない。
どうして歩いているのかもわからない。
ただ、私はこの闇に包まれているのが心地よかった。
躰がふわふわする。
歩いているのか立ち止まっているのかも、もうわからない。
周りは闇。
目を閉じているのか開いているのかもわからない。
「はい・・・私はメイリア。シスターメイリアと申します」
私の口が言葉を発する。
なぜそんなことを言うのだろう?
誰に答えているのだろう?
「はい・・・普段はシスターアネットとともにこの修道院の管理をしております」
「はい・・・ここは修道院です。女神オリアナ様にお仕えする修道女たちが暮らすことになります」
なぜかわからないのに次々と答えていく私。
「はい・・・わかりました」
私はウィンプルをはずし、尼僧服を脱いでいく。
なぜだろう?
なぜ私は服を脱いでいるのかしら?
よくわからない。
でも私は服を脱いでいく。
首から提げていたホーリーシンボルをはずし、下着さえも脱ぎ捨てて、靴と靴下だけの姿になる。
恥ずかしいような誇らしいような気分が沸き、私はその場で立っていた。
「あ・・・」
躰がビクッと震える。
まるで誰かにそっと抱きしめられたかのよう・・・
首筋に何かが触れ、柔らかいものが躰を撫でていく。
「ああ・・・」
両胸がまるで愛撫するかのように柔らかくこねられ、乳首を軽くつままれる。
全身に電流が走ったかのように私の躰がビクンと跳ねる。
「あ・・・ん・・・」
私のあそこからはじんわりと愛液がにじみはじめ、叢の上からもやさしい愛撫がなされていく。
何が・・・何がどうなっているのだろう?
何も見えない暗闇で、私は誰かに優しく愛撫されている。
それはとても恐怖な出来事であるはずなのに、私は気持ちよく感じていた。
私はただ我を忘れて、愛撫される快楽に身を任せていたのだった。
******
「シスターメイリア! シスターメイリアってば! 起きなさい、シスターメイリア!」
「う・・・」
意識がじょじょにはっきりしてくる。
耳元で叫んでいるシスターアネットの声も聞こえてくる。
「あ・・・れ?」
私は目を開けて周りを見た。
「シスターメイリア、よかった、気が付いた?」
心配そうに私を覗き込んでいるシスターアネット。
いつも元気な彼女の表情が曇っていた。
「シスターアネット? ここは?」
気が付くと私は事務室の床で寝ていた。
いったいどうしてこんなところで?
「もう・・・びっくりさせないでよ。あたしが村から戻ってきたら、シスターメイリアが事務室で倒れているんだもん。最初は死んじゃったのかと思ったわ」
胸をなでおろすシスターアネット。
どうやらかなり心配させてしまったらしい。
「ごめんなさい。私もどうしてこんなことになっているのか・・・」
「こっちが聞きたいわ。どうしたのかって駆け寄ったら、すうすうって気持ちよさそうに寝ているんだもん。驚かせないでよね」
私が目を覚ましたことでホッとしたのか、シスターアネットはほっぺたを膨らませて怒っている。
「ご、ごめんなさい」
私は素直に謝ったものの、私自身がどうしてこんなところにいるのかわかってないのだ。
確かシスターアネットが出て行ってから、礼拝堂の片付けをしようと思って・・・
それからどうしたのかしら・・・
「まあ、このところいろいろと働き詰めだったもんね。それにさっきの地震もあったし・・・そのショックもあったのかも。はい、これ飲んで」
そう言ってシスターアネットがマグカップを差し出してくる。
「薬草を煎じたやつ。あったまるよ」
「ありがとう」
私はマグカップを受け取ると、椅子に座りなおして一口飲む。
蜂蜜を加えてあるのか飲みやすい。
躰の芯から温まるわぁ。
「そういえば裏の薬草園も雑草だらけになっちゃっているけど、いくつか使えるのもあるから、きちんと面倒見れば問題ないみたいよ」
「そうなんだ。私は薬草はあまり詳しくないから・・・」
「その代わり、家事一般が得意でしょ。助かるよー」
シスターアネットが微笑んでいる。
茶色の瞳がくりくりとして美しい。
「村は心配ないよ。怪我した人とかもいなかったし、家がつぶれたりとかもなかった。なんかあんまり揺れなかったらしいよ」
すぐにシスターアネットは事務室の片付けを始めていく。
「あ、私が・・・」
「いいっていいって。少し休んでて」
私が立ち上がるのを手で制してくるシスターアネット。
そんなに疲れているわけではない私は、なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
「ありがとう。台所は私がやるからいいわ。・・・入らないでね」
ふと口調が強くなる。
そう・・・
入って欲しくない。
台所はともかくあそこは選ばれた者のみが入れる場所。
今はまだシスターアネットを入れるわけにはいかないの・・・
******
冷んやりした空気。
周りは闇。
何もない空間に私は裸で立っている。
ここはどこ?
何でこんなところにいるのかしら・・・
ふとそう思う。
そうだわ・・・
ここは地下。
台所脇から入った地下室だわ。
でもどうして?
どうして私はここに?
なんだかよくわからない。
夜のお勤めを終えて寝ていたはずなのに・・・
ふかふかのベッドで寝ていたはずなのに・・・
「はい・・・」
何かが私に命令する。
上を向いて口を開けろと命令する。
私は素直に上を向いて口を開けた。
すぐに何かが流し込まれてくる。
「ぷあ・・・ゲフ」
ドロッとした液体。
私はどうしようもなくごくりと飲み込んでしまう。
なんだかよくわからない。
いったい何がどうなっているのだろう。
でも変だ。
躰が熱くなる。
なんだか火照って気持ちがいい。
「はい」
私は命じられるままにひざまずく。
目の前に突き出される黒々とした太いヘビの頭。
ううん・・・
ヘビじゃない。
ヘビの頭のようだけど違う。
とてもグロテスクな肉の棒。
昔見たお父さんのおチンチンみたい。
でも、あれはこんなに大きくはなかったし、下を向いていたわ。
目の前のこれはピンと鎌首をもたげている。
うふ・・・
何か私に語りかけてきているみたい。
じっと私の方を見つめているようだわ。
私は肉棒にそっとやさしくキスをした。
なぜだかとても愛しく感じる。
私の全てを捧げたくなるわ。
「はい」
私は命じられるままに肉棒に舌を這わせる。
えらの張った頭の部分や先っぽ、筋の浮いた太い本体に丁寧に舌を這わせ、その味を味わっていく。
ぴくぴくと小刻みに震える肉棒。
私はおもむろにそれを咥え込み、舌で愛撫するように舐っていく。
気が付くと私は頭を振り、喉の奥まで肉棒を咥えていた。
口いっぱいにその味が広がり、私の胸に幸せな気分が満ちてくる。
今までこんな幸せを感じたことはなかった。
まるでお母さんのおっぱいをしゃぶっているよう。
私は夢中になって肉棒をしゃぶるのだった。
「ング・・・」
喉の奥に放出されるドロッとした液体。
私は少しむせながらも飲み込んでいく。
お腹の中に広がっていく暖かい感じ。
なんだかとっても気持ちがいい。
私は吸い取るようにして肉棒から液体を飲み込むと、口の周りを舌なめずりした。
- 2009/12/23(水) 21:03:47|
- 地下室のシスター
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今日は早めの更新です。
今日から四日連続で一本SSを投下させていただきます。
昨年のような二週間連続とはいきませんが、年末の楽しみとしてお読みいただけるとうれしいです。
タイトルは「地下室のシスター」
それではどうぞ。
1、
「ふう・・・ようやく着いたね」
「ええ、ここが私たちの新しい家になるわけね」
私は隣でいっしょに建物を見上げているシスターアネットにそう言った。
私たちの前には古びた小さな修道院が建っている。
小さいと言ってもそれは都などの大きな修道院を知っているからのこと。
このような辺境の一修道院では、こんなものかもしれない。
「とりあえず村の者たちに言って、入り口を封鎖していた板だけははがしておいたよ。中のほうは埃だらけだけど、そっちも掃除させようか?」
修道院の敷地の入り口に止まっている馬車からおじさんが声をかけてくる。
ザウフ村からこの修道院まで乗せてきてもらったのだ。
見ると私たちが修道院を見上げている間に、荷物を馬車から降ろしてくれている。
「あ、大丈夫です。後は私たちがやりますから」
「ええ、おじさんもどうもありがとうございました」
私とシスターアネットはすぐに馬車のところに戻って荷物を受け取った。
とりあえずまだ日は高いのだし、寝る場所さえ確保できればあとは何とでもなるわ。
「そうかい? それにしても若い娘さんだけ二人よこすとは、修道院ってのは人手不足なのかねぇ?」
トランクを降ろしてくれたおじさんがそう言ったので、思わず私はシスターアネットと顔を見合わせた。
「そんなこと無いんですよ、おじさん」
「私たちはまだ修行中の身ですから、この放置された修道院を再び使えるようにして、皆様のお役に立つようにするのが修行なんです」
そう、私たちはまだ女神様に仕えるには未熟な修行中の身。
シスターアネットと二人でこの修道院を綺麗にしなくては。
「でも、まあ、これで病気や怪我の時にはお世話になることができるな。ありがたいことだ」
おじさんはそう言って修道院のてっぺんに飾られているホーリーシンボルを仰ぎ見る。
女神様の代理物とも言うべきホーリーシンボルは、修道院の象徴でもある。
この修道院がなぜ今まで放置されてきたのかわからないけど、少しでもこのあたりの人々に女神様のすばらしさを広めていけるといいな。
私はそう思い、荷物を持って修道院の入り口に向かった。
******
「ゴホッ・・・ひどい埃・・・」
扉を開けて修道院の中に入ったシスターアネットが思わず咳き込む。
口に布を当てていても咳き込んでしまうほどの埃の群れ。
いったいいつから掃除されていないのかしら・・・
おじさんと別れたあと、私たちは早速修道院の掃除に取り掛かった。
とはいえ、一日で全部ができるはずも無い。
まずは礼拝堂と私たちが暮らすことになる住居部分。
ここを重点に行なって、それからおいおい全体を綺麗にしていくつもり。
女神オリアナ様の像が設えてある祭壇を、まずは丁寧に埃を払って清めていく。
こんなになるまで放って置かれたなんて信じられない。
一度災害があったとかで近くの村が放棄され、それで修道院も閉じられたらしいけど。
いったい何があったのだろう・・・
「ねえ、シスターアネット、ここってどうしてこんなに放置されていたのかしら」
私は隣で祭壇の埃を払っているシスターアネットに訊いてみた。
「ん? 知らないよー」
あまりにもあっさりした返事に私は苦笑する。
彼女はいつもこう。
さばさばしたものにこだわらない性格で、とても気持ちがいい。
だからこそ私には欠かせない友人なのだ。
「はふー・・・つかれたぁ・・・」
尼僧服が汚れるのもかまわずにどっかりと腰を下ろすシスターアネット。
茶色の髪がウィンプルの下で汗に濡れている。
無理もない。
もう日暮れ。
礼拝堂を適当に切り上げ、自分たちの部屋の掃除を終えた時点で、今日はこれまでと決めていた。
それがようやくひと段落着いたのだ。
「お疲れ様、今お茶淹れるわね」
私も疲れていたけど、なんだかシスターアネットのいかにもへたばりましたという顔を見ていたら、お茶ぐらい淹れてあげようという気になってしまう。
「ありがとー。うれしいよぉ、シスターメイリア」
「はいはい」
お茶ぐらいで眼をキラキラと輝かせて私に祈りを捧げるシスターアネットをあとに、私はトランクからお茶の道具を出してキッチンで湯を沸かす。
幸い、裏の井戸は生きているようで、美味しい水が味わえた。
「あら?」
台所の脇に南京錠がかけられた扉がある。
今日はばたばたしていて、まだ修道院の中をしっかり確認していなかったから、こんなところに扉があるとは知らなかった。
多分事務室の机にあった鍵束の中のどれかで開くと思うから、あとで落ち着いた頃に調べてみよう。
私はそう思って、沸いたお湯でお茶を淹れ、シスターアネットの元へと戻って行った。
お茶を飲みながら台所の脇の扉のことを話したところ、またしてもキランと眼を輝かせるシスターアネットに私は苦笑する。
彼女のこういう子供っぽいところが私はなんだか好きなのだ。
放置された修道院の中でさらに鍵のかかった部屋があるとなれば、見に行かないわけにはいかないのがシスターアネットという人の性。
お茶もそこそこに彼女は事務室に飛び込んで行き、鍵束を持ってきた。
「いい、開けるよ?」
鍵束と言っても五本ほどしか付いてないので、南京錠の鍵はすぐに見つかった。
南京錠と掛け金をはずし、ドアノブをグッと握ってシスターアネットは私にそう言う。
「どうぞ」
私もなんだか妙に緊張する。
開けてはいけないものを開けてしまうようなそんな気持ち。
どうせ何があるというわけでも無いとは思うけどね。
ぎぎっと言う音を立てて扉が開く。
しばらく放置されていたせいで開き渋っているのだ。
あとで油を差しておかないとならないかも。
「えっ?」
「あら・・・」
私とシスターアネットが同時に声を出す。
扉を開けた先には小部屋ではなく下に下りる階段があったのだ。
まるで闇の中に吸い込まれていきそうな感じで階段の先は暗くなっている。
このまま下りていくことはできなさそうだわ。
「ちょっと待って」
私は部屋を照らしていた燭台を取り、火が消えないように覆いをつける。
これで簡易カンテラとなり、少々の風なら大丈夫だろう。
「はい」
私は燭台をシスターアネットに手渡した。
どうせ下まで見に行かないことには彼女の気持ちは収まらないでしょうしね。
シスターアネットは私から燭台を受け取ると、ゆっくりと階段を下りはじめる。
石造りのしっかりした階段で、地下室があるのは間違いない。
多分台所の隣にあるのだから、食料か何かの保存庫だと思うけど・・・
階段は途中で折り返していて、ちょうど台所の真下に下りるようになっていた。
突き当りには木で作られた頑丈な扉があり、そこには鍵は付いていない。
シスターアネットが扉を開けて中を照らすと、そこは箍(たが)と木の板にばらされた樽や、もの入れに使われたであろう木箱などが置かれていて、まさに何かを収めておく貯蔵庫のような部屋だったことがわかった。
「なんだ・・・食料庫か」
シスターアネットがちょっと残念そうに肩を落とす。
「うふふ・・・何があると思ったの?」
「こう、なんかさ、放置された修道院の鍵のかかった地下室なんだもん。何か隠された秘密みたいなのがありそうかなって思ったのよ」
「うふふ・・・それは何かの物語の読みすぎよ」
がっかりした表情のシスターアネットに私はそう言った。
「そうだよねー。実際に何かあるわけなんか無いもんね。さ、上に戻ろう。そろそろ夕食の準備しなくちゃ」
そう言って部屋を出たシスターアネットの足が止まる。
「どうしたの?」
「えっ? いや、何かちょっと変だなって思ったの」
「変? 何が?」
私はシスターアネットの視線の先をうかがった。
そこは食料庫の扉と階段との間にある狭い空間。
その脇の壁にシスターアネットは目を向けていた。
「いや、なんとなくなんだけど、もう一つ扉があってもいいような気がしてさ・・・」
「もう一つの扉?」
言われてみれば、階段を下りたところに空間があり、脇にも少し行けるようになっている。
食料庫の扉とは別に、その先にも扉があってもおかしくは無いかも。
「まあ、なんかそんな気がしただけ。石でしっかり組まれているからそんなわけないよね」
「そうね・・・そうだと思うわ」
そう言って階段を上がっていくシスターアネットのあとを私もついていく。
なんだか妙にそこに扉が無いことが気になりながら・・・
******
それから数日。
私とシスターアネットは午前中は修道院の清掃に充て、午後からは交代でザウフ村に出かけ、村人たちとの交流に時間を費やした。
なにせしばらく修道院がなかった村だもの。
村人たちには女神様のすばらしさを早くわかっていただかねば。
私たちはそう思って日々お勤めに勤しんでいた。
「おはようございます女神様。今日も一日皆が無事に過ごせますように・・・」
私は朝のお祈りを女神様に捧げる。
今日もまた忙しい一日が待っている。
ノルさんのお宅はもうすぐお孫さんが生まれるし、チャガさんの家は娘さんが風邪をひいて寝込んでいた。
今日は何か薬草を煎じて持っていってあげよう・・・
私がそんなことを考えているときだった・・・
突然の振動。
遅れて礼拝堂に入ってきたシスターアネットが、思わず床に座り込む。
「地、地震だわ」
私もあまりの揺れに躰が振り回されてしまう。
ゴーッという恐ろしいような音が鳴り、修道院全体が揺さぶられる。
祭壇の上の燭台は倒れ、蝋燭の火が消える。
近くの布に燃え移らなかったのは幸いだけど、私もシスターアネットもただただどうすることもできずに床に這い蹲るだけだった。
ぐらぐらと揺れる修道院。
みしみしとあちこちがきしんでいる。
今にも修道院全体が崩れそうな気がして、私は生きた心地がしない。
女神様、どうか私たちをお守りください。
私は床に伏せながら、目をつぶって女神様に祈るしかできなかった。
やがて揺れが収まってくる。
がたがたと床を踊っていた燭台も動かなくなり、躰も振り回されなくなってくる。
「お、終わった・・・?」
私はゆっくり目を開ける。
まだ躰が揺れている感じがする。
地鳴りは消え、ぱらぱらと落ちてきていた天井の埃も落ちてこなくなった。
「だ、大丈夫? シスターメイリア」
自分も尼僧服姿で四つんばいになっているのに、私のことを心配してくれるシスターアネット。
なんだかうれしい。
「私は大丈夫。シスターアネットは?」
私はようやく立ち上がって尼僧服の埃を払う。
黒に近い紺色の尼僧服が白くなっちゃっているわ。
ひざががくがくして立っているのがやっとだけど、とりあえずは無事みたい。
「あ、あたしも大丈夫。でも、まだ立てないよ」
ぺたんと尻餅をついたような格好で座り込むシスターアネット。
彼女の尼僧服も頭からかぶっているウィンプルも真っ白だわ。
私はシスターアネットの手を取って立たせてあげる。
すると彼女の温かい手を握ったら、不意に恐怖が蘇り、私はぼろぼろと涙が止まらなくなってしまった。
「シスターメイリア?」
最初は驚いた表情のシスターアネットだったが、すぐに彼女は私を抱きしめてくれた。
「大丈夫。もう大丈夫だから。泣かないで」
「うん・・・うん・・・わかってる。大丈夫だから。ただ涙が止まらなくて・・・」
「わかるよ。怖かったもんね。大きな地震だったね」
まるで赤子をあやすように抱いて頭を撫でてくれたシスターアネット。
私は彼女の心遣いに感謝した。
「もう、大丈夫。ありがとうシスターアネット」
私はそう言ってゆっくりと放してもらう。
「ううん、あたしも怖かったもん。気にしなくていいよ。でも、シスターメイリアの泣き顔は可愛かったね」
私は一瞬にして顔から火が出るような気がした。
「ななななな、なんてことを」
私は思わず顔を覆ってしまう。
は、恥ずかしいよぉ。
「あはは、冗談、冗談だよ」
そう言ってひらひらと手を振るシスターアネット。
明るく笑う彼女に私も苦笑する。
彼女の明るさはいつも私を助けてくれているんだなぁと思う。
「ところで、村の人たちは大丈夫だったかな」
不意に表情を引き締めるシスターアネット。
こういうときの彼女はとても凛々しい。
「大きな地震でしたから気がかりですわね」
私も村の様子が気にかかる。
修道院は幸い大きな被害はなかった様子。
礼拝堂も壁にひびなど入ってはいない。
天井から埃が落ちてきたぐらいだけど、これは掃除をすればすむこと。
それよりも村人たちが怪我などしていないといいけど・・・
「村の様子を見に行ってきたほうがいいよね」
「ええ、私が見に行ってきます」
私はすぐに村へ向かうべく支度しようとする。
「ああ、いいからいいから。シスターメイリアはここにいて。村へはあたしが行ってくるから」
出かけようとする私を制して、シスターアネットが支度を始める。
「あ、それなら私も一緒に・・・」
「ううん、シスターメイリアにはここにいて欲しいの。入れ替わりに怪我をした村人たちが来ちゃうかもしれないし、ここを空にするわけにはいかないでしょ?」
「それはそうだけど・・・」
「それにもっと重要なことがあるの」
「もっと重要なこと?」
私はシスターアネットが言う重要なことが気になった。
「ここの後片付けを押し付けたいの」
シスターアネットがにっこりと微笑む。
私は一瞬あっけに取られ、思わず吹き出してしまった。
確かに修道院の後片付けをしなくちゃならない。
せっかく綺麗にしたばかりだというのに、また埃が巻き散らかってしまったのだ。
きっと掃除があまり好きではないシスターアネットはうんざりしちゃったのだろう。
「わかったわ、シスターアネット。気をつけて行ってきてね」
「うん。シスターメイリアも片付けるときに壊れ物とかには気をつけて」
そう言ってシスターアネットは傷薬などの入ったカバンを持って出て行った。
「ふう・・・さて、お片付けしますか」
シスターアネットを見送った私は、散らかってしまった礼拝堂に向き直る。
立てられていた燭台や飾られていた花などが散乱してしまっている。
「やれやれ。でも建物が無事でよかったわ。女神様、ありがとうございます」
私は祭壇に向かってひざまずき、両手を組んで目をつぶりお祈りをした。
- 2009/12/22(火) 20:21:08|
- 地下室のシスター
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今度濃いカレーをつくります!ぜったいつくります!
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/12/22(火) 10:47:28|
- ココロの日記
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印度一好色様のブログ「園芸戦隊ガーデンジャー」様でもご紹介されておりましたが、「
STUDIO HP+」様の同人作品、「魔に堕ちし者Ⅲ」を拝見させていただきました。
(サイト名をクリックでサイト様に飛べます)

以下、感想とちょっとしたネタバレ。
[堕ちますねー]の続きを読む
- 2009/12/21(月) 21:41:50|
- 同人系
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NHKのドラマ、「坂の上の雲」の四回目を見ておりました。
今回は日清戦争の回でしたね。
結構戦闘シーンは力が入っていたように思いました。
秋山好古が参加した陸戦も、秋山真之の参加した海戦も双方見ごたえのあるシーンでした。
それにしても、指揮官先頭とはいえ銃弾の飛び交う中で指揮を取るのは大変だと思いました。
しかも、その場で銃弾を受けてしまっては指揮も取れません。
銃弾に当たらない運というものも、やっぱり必要だったのかもしれないなぁと思わせられますね。
あの東郷平八郎が連合艦隊の司令長官に推挙されたときも、力量はともかく運がいい男だからとも言われたそうですからね。
今年は残り後一回。
あとはまた来年の後半のお楽しみですね。
今日はこんなところで。
明日か明後日ぐらいにはちょっとしたSSを投下できるかなと思います。
年末の楽しみになってくださればいいなと思ってます。
それではまた。
- 2009/12/20(日) 21:41:02|
- 映画&TVなど
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昨晩、恒例のGoma様とのVASLによるASL-SKの通信対戦を行いました。
対戦したのはシナリオS27「STAND FOR NEW ZEALAND」です。
昨晩を含め、七回ほどの対戦でようやく終了いたしました。
このシナリオは、クレタ島に陣取る英連邦軍に対し、独軍のエリートである降下猟兵が攻撃を仕掛けると言うもので、防御側の英連邦軍を私が、攻撃側の独軍をGoma様が担当しました。
結果から言うと負けました。
残念でしたが、こちらの初期配置のまずさやダイスの目の悪さ、独軍の士気の高さなどに追い詰められてしまいました。
悔しいですが、最後まで粘れたのが救いでしょうか。
それよりもうれしいのが、これでASL-SKシリーズ三ボックスすべてのシナリオを一通りプレイできたことでした。
2007年5月19日に最初のボックスSK#1を手に入れ、初めてブログに記事にしたのが2007年の5月21日。
そのときにコメントをくださったGoma様が、今でも好敵手として対戦相手になってくださってます。
本当にありがたいことです。

そして歩兵戦闘の基本であるSK#1に入っているシナリオS1からS6まで幾人もの方と対戦し、

大砲が加わったSK#2のシナリオS9からS16までもこなし、

装甲戦闘車両(AFV)の追加されたSK#3のシナリオS20からS27まで全部一通り対戦することができました。
(間の数字が抜けているのは雑誌掲載のシナリオがあるためです)
今日は2009年12月19日。
2007年5月19日からちょうど2年と7ヶ月でした。
いやぁ、まさか本当にボックス内すべてのシナリオをプレイすることができるとは思いませんでした。
やりたいとは思ってましたが、やれるとは半分思ってませんでした。
これも好敵手として通信対戦にお付き合いくださるGoma様の存在あってのことです。
本当にありがとうございます。
ちなみに昨晩までのGomaさんとの対戦成績は22勝22敗。
これまた五分の成績とはすごい。
(同じシナリオを対戦したりしているので、対戦数とシナリオ数は一致しません)
次回はSKリーグでの対戦があります。
いずれはスタンダードでも対戦したいものです。
得難い好敵手に乾杯しつつ、次回の対戦を楽しみにしたいと思います。
それではまた。
- 2009/12/19(土) 21:07:31|
- ウォーゲーム
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第一次大戦での敗北によりヴェルサイユ条約を押し付けられたドイツは、装甲車両の保有を制限されておりました。
ですが、近い将来に再軍備をしていくにあたり、戦車と同様に偵察用装甲車の必要性も感じていたドイツ軍は、ダイムラー・ベンツ、マギルス、ビュッシング・NAGの三社に偵察用装甲車の開発を命じます。
軍の開発命令を受けた三社は、それぞれ新型装甲車の試作車を作りますが、この時要求された能力はわりと高めのものだったようで、オフロード性能などを満たすために各社は八輪、もしくは十輪ものタイヤを持つ試作車を作ります。
この中で十輪タイプのビュッシング・NAG社の試作車は問題ありとしてはずされたものの、残り二社の八輪タイプは試験の続行を認めました。
ところがここで予想外のことが起こります。
1929年にアメリカで発生した世界恐慌です。
世界的不況に陥るなか、連合国への賠償金に追われていたドイツには、高性能の装甲車を開発する金銭的余裕がなくなってしまいました。
そこで高性能の装甲車はひとまずあきらめ、廉価の装甲車を開発することにいたします。
廉価で開発するには、今あるものを活用するのが一番であり、ドイツ軍はトラックのシャーシを利用した装甲車の開発をあらためて三社に命じました。
三社はそれぞれ自社で開発した前二輪後四輪(正確には後ろはダブルタイヤなので八輪ですが)の六輪トラックのシャーシを使い、それに装甲車体を乗せる形で装甲車を作ることにいたします。
この装甲車体は厚さ八ミリの装甲板を溶接したもので、断面をひし形になるようにして車内容積を大きくしています。
シャーシにも改良が行われ、後ろ側にも操縦装置を付けることで、バックも前進と同様に行なうことができ、敵に接触したときにすばやく後退できるようになりました。
ところがこのシャーシが、三社それぞれのシャーシを使ったために長さやホイールベースがまちまちになってしまいました。
一番短いマギルス社のシャーシは、前輪と後輪の間が2.5メートルだったのに対し、一番長いダイムラー・ベンツ社のシャーシは3メートルもありました。
ですが、このシャーシの長さの違いが問題になった様子はなく、ほぼ同じ形の装甲車体を乗せて新型装甲車は完成します。
武装としては、車体上部に20ミリ機関砲と7.92ミリ機関銃を装備した砲塔を載せました。
こうして完成した新型装甲車はSdKfz231と番号が割り振られ、ドイツ軍に正式採用されました。

SdKfz231はその遠距離無線機搭載型SdKfz232とともに、再軍備後のドイツ軍の偵察車両として使われました。
しかし、廉価に開発したことで使用したトラックベースのシャーシでは、やはりオフロード走行能力は低く、機動性に難のあるものとなってしまいました。
そのため、ドイツ軍最初の電撃戦であるポーランド戦で使われたのち、フランス戦あたりまでは使われましたが、より高性能の八輪装甲車が使用されるに伴い前線から引き揚げられて行きました。
120輌ほどしか作られなかった六輪装甲車SdKfz231ですが、それでも初期のドイツ軍には貴重な偵察車両でありました。
初期電撃戦の華々しさには、この車両の果たした役割も決して小さいものではなかったでしょう。
それではまた。
- 2009/12/18(金) 21:52:27|
- 趣味
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第二次世界大戦中、ドイツ軍は占領地や友好国などから人員を募集してさまざまな外国人部隊を作りました。
その多くが本来純粋アーリア人という人種でなければならないとされていたはずの武装親衛隊に回され、戦争後半の武装親衛隊の6割が外国人であったという統計さえあり、オランダ人やフランス人、中にはロシア人も武装親衛隊の兵士として戦ったのです。
そんなドイツ軍外国人部隊の中でひときわ名が高いのが、スペイン人義勇兵師団、通称「青師団」ではないでしょうか。
スペインは第二次世界大戦前に共和国となりましたが、国内では右派と左派の激しい勢力争いが行なわれておりました。
1936年、左派勢力の人民戦線政府が成立しますが、そのすぐあとに軍部を中心とした右派勢力によるクーデターが発生。
スペインは内乱に突入しました。
この時ドイツとイタリアは右派勢力の中心人物フランコ将軍に接近し、義勇軍を派遣します。
ドイツ義勇軍のゲルニカ空爆が、のちにパブロ・ピカソの絵画「ゲルニカ」という作品で表されたりしましたが、このドイツ義勇軍の力もあって、フランコ将軍は1939年にスペインの政権を得ることができました。
第二次世界大戦が始まると、ドイツの総統であるヒトラーは、当然スペインは同盟軍として戦ってくれるはずとの期待を抱きましたが、意に反してスペインは中立を選びました。
ヒトラーは激怒しますが、フランコは内戦の痛手から回復していないからとの理由をつけ、首を振ったのです。
ですが、ドイツ義勇軍のおかげで内戦に勝利できたのは間違いないため、あくまでソ連の共産主義に対抗するためという名目で、義勇軍の派遣を行なうことを決めました。
このため、ヒトラーに対しては、義勇兵が西側連合国及びその支配下の人々と戦わないという条件をつけ送り出したのです。
スペイン政府は最初は四千名程度の義勇軍を送るつもりでしたが、この義勇兵申し込みには志願者が多く集まり、約一万八千もの兵力となったため、一個師団を編成できるとして師団で送り込むことにいたしました。
こうしてドイツにやってきたスペイン義勇兵たちは、ドイツ国防軍第250歩兵師団として編成されましたが、一般的にはスペインのファシスト政党ファランヘ党の青いシャツを着ていたことから「青師団」と呼ばれました。
青師団はヒトラーのために戦うという軍の誓いの言葉を共産主義に対抗するために戦うと修正させたうえで誓い、対ソ戦に駆り出されました。
最初は一般的独軍師団に比べて能力が低いと侮られ、前線まで徒歩で歩かされようとするなど不遇な目にあいますが、すぐにレニングラード戦線でソ連軍と戦いその実力を認められます。
青師団は何度も大損害を受けながらも、ソ連軍に対して粘り強く戦い続け、戦線を維持して行きました。
その粘りは独軍将兵も驚くほどでした。
青師団の兵士たちは、鉄十字章などの勲章を何個も受け取るほどだったのです。
ですが、連合国とスペイン内の親英保守派が画策し、フランコに青師団の引き上げを求め始めます。
フランコは考慮の末に、1943年の10月に青師団のスペインへの引き上げを命じました。
共産主義との戦いを継続しようと考える一部のスペイン人は残りましたが、青師団はここでスペインに引き揚げました。
残ったスペイン人も翌年にはほとんど帰国させられました。
ほんの一握りのスペイン人だけが、最後までドイツとともに戦いました。
青師団の損害は、戦死約四千名、負傷約八千五百名だったといいます。
また動員されたのは最初の一万八千名に増援兵力をあわせて約四万五千名にものぼったと言われます。
青師団の活躍でフランコはヒトラーに対して借りを返すことができました。
また、レニングラード戦線では、多くの独軍将兵が青師団の兵士によって救われました。
数多い独軍の外国人師団の中で、やはりトップクラスの活躍であったことは間違いないと思われます。
それではまた。
- 2009/12/17(木) 21:50:05|
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古い本なんですが、久しぶりに「グラフィックアクション」1992年7月号(文林堂)を見返しておりました。
この時の特集は「ヒトラーユーゲント」
ナチス党の青年組織であり、いわばヒトラーによる青年層支配の手段ですが、のちには武装親衛隊の師団名にも使われました。
ヒトラーユーゲントは男女別になっており、男性が「少年団」「青年団」、女性が「少女団」「処女団」に年齢別に分かれます。
「少年団」と「少女団」は10歳から14歳。
「青年団」と「処女団」が14歳から18歳までとなっておりました。
ヒトラーユーゲントの目的は、最初はナチスの教義を青少年に植え付けて、共産主義や個人主義を排除するというものでしたが、第二次大戦によってじょじょに目的が変わって行きました。
すなわち男性は将来のドイツ軍兵士として利用するために軍事訓練が取り入れられるようになり、女性も戦線後方でのさまざまな補助任務につけるように訓練されていったのでした。
1938年には日独親善のために日本にも30人のヒトラーユーゲントが来ていたんですね。
戦争後半には次々と戦場に駆り出されて行ったヒトラーユーゲントたち。
日本の学徒動員もそうですが、少年少女が戦争に駆りだされるような事にはなって欲しくないですね。
それではまた。
- 2009/12/16(水) 21:31:00|
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昭和十三年(1938年)、当時の日本陸軍は航空部隊の高速輸送機として、アメリカロッキード社の高速旅客機L-14「スーパーエレクトラ」を二十機購入いたしました。
このスーパーエレクトラ旅客機は、当時世界一周のスピード記録を持つほどの高速旅客機ではありましたが、離着陸時の安定性などに問題もあり、米軍では採用されなかったばかりか、アメリカ国内の航空会社でも積極的には採用されなかった機体でした。
ですが、日本陸軍ではこの高速性や搭載量などにほれ込み、ロッキード社の頭文字を取ってロ式輸送機として採用しました。
ロ式輸送機は当時の主力輸送機である97式輸送機よりも最高速度が50キロ以上も優速であり、陸軍は立川飛行機にライセンスを取得させ国内生産に踏み切ります。
その後川崎航空機でも生産が開始され、両者合わせて100機ほどが生産されました。
ロ式輸送機は速度も搭載量も陸軍の充分に満足できるものであり、非常に重宝されましたが、やはり大本のスーパーエレクトラ自体の低速安定性の悪さなどの欠点も引きずっており、操縦の難しい機体でもありました。
そこで陸軍は、川崎航空機に対してロ式輸送機の改良を命じます。
これに対し川崎航空機では、フラップの改善や胴体の長さを延長して安定性を増すなどしたほか、貨物の積み下ろしがしやすいように大型の貨物扉を付けたりエンジンを換装するなどの改修を行なった試作機を作ります。
試作機は昭和十五年(1940年)末に完成し、実用試験に供されました。
試験では一部修正が加えられましたが、最高速度が若干落ちたものの低速安定性が大きく改善されたほか、搭載量も増しました。
もともとは貨物輸送機として考えられておりましたが、座席を取り付けることで人員輸送にも対応できるものでした。
こうして試作機は昭和十七年一月に正式採用となり、一式貨物輸送機と命名されました。
ですが、すでに前年の昭和十六年半ばには量産が開始されており、太平洋戦争開戦時にはすでに一部が部隊に配備されていたといいます。

(一式貨物輸送機)
昭和十七年二月。
太平洋戦争初期の作戦において、インドネシアのスマトラ島にあるパレンバン油田の確保を目的とした日本陸軍の空挺部隊の降下作戦では、この一式貨物輸送機とロ式輸送機が投入され、空挺部隊を降下地点まで輸送いたしました。
降下作戦は大成功を収め、この二種類の輸送機は見事にその任務を果たしたのです。
一式貨物輸送機は川崎航空機で121機が生産されました。
そしてその後もロ式輸送機、一式貨物輸送機ともに終戦まで活用され、日本陸軍の貴重な輸送機として働いたのでした。
アメリカ本国ではあまり評価されなかったスーパーエレクトラでしたが、こうして日本ではロ式輸送機として、またその発展型である一式貨物輸送機として活躍したのですね。
日本に購入されてよかったのかもしれません。
それではまた。
- 2009/12/15(火) 21:47:20|
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そろそろ、チェコに旅行なんて行ってみたいですね。
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/12/15(火) 10:50:28|
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先日今年のドラフトでの指名を受け、阪神に入団になった新入団の選手の入団発表がありましたが、そこに名前のなかったドラフト五位指名の近大藤川俊介選手の入団が決まりました。
一時はどうなるか、入団拒否かと思われていたので、ホッと一安心です。
藤川俊介選手は、大学球界でも屈指の外野手とのことでしたが、ドラフトで三位までの指名でなければ東邦ガスに就職すると周囲に漏らしていたそうで、今回の阪神の指名が五位だったことから入団交渉が難航していたようです。
ですが、藤川俊介選手のプロ入りの意思と、阪神サイドの藤川俊介選手ならびに東邦ガスへの誠意ある対応で入団となったようです。
背番号は「7」番。
それだけ期待されているということなんでしょうね。
赤星選手の抜けた阪神外野陣の一角に割り込み、活躍を見せて欲しいと思います。
もちろんほかの新入団の選手にも大いに期待です。
来期の阪神に生え抜き選手の活躍が一人でも多く現れることを願います。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2009/12/14(月) 20:56:44|
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もう手元に手に入れてから数日以上が経っているのですが、今月のグランドパワー誌の特集は独軍の三号戦車でした。

三号戦車の特集は、もうこれで何回目? というぐらいに特集されているには違いないのですが、やはりなんだかんだ言って見てしまいますねぇ。
独軍の主力として電撃戦の中心となるはずだった中戦車ですが、機動性を発揮するための足回りの設計が思うように行かず、支援戦車の四号戦車があまり機動性を重視しなかったために信頼性は高いけれども機動性の低い足回りを選択したことで量産に入ったあとも、三号戦車は量産ができなかったんですよね。
なので、三号戦車がまがりなりにも形になって量産されたのはE型から。
その頃には対ポーランド戦も始まってしまい、翌年の対フランス戦でも数の少なさから主力とはなりえず、チェコ製の38(t)型や一号戦車、二号戦車が華々しい電撃戦の主力となってしまいました。
ようやく数も揃って名実ともに独軍装甲師団の主力戦車になったのは1941年ごろ。
そのときには対ソ連戦が始まり、T-34と遭遇してしまったことで、あっという間に主力戦車としての命脈を絶たれてしまった不幸な戦車でした。
今回の記事でへーっと思ったのが、三号戦車の武装に関する記事でした。
37ミリから50ミリ、そして75ミリ短砲身砲へと進んでいく三号戦車の主砲と、それに使用する弾薬の記事はすごく興味深かったです。
中でも、三号戦車に限らず独軍の戦車砲と対戦車砲は口径や薬室の寸法などが同じでも、弾丸の共用はできなかったという記事は驚きでした。
いや、知らなかったんですよ。
三号戦車の長砲身50ミリ戦車砲と、50ミリ対戦車砲PAK38あたりは共通で使えるものと思っていましたので。
ところが対戦車砲は撃鉄で信管を叩いて発射するのに対し、戦車砲は電気で着火して発射する方式なのだそうで、弾丸の共用はできないんだそうです。
知りませんでしたー。
ほかにも米軍のM3/M5軽戦車系列の影響を受けて作られた、マーモン・ヘリントン系軽戦車などの記事もあり、楽しめました。
マニアックな雑誌ではありますけど、情報も濃いなぁと感じます。
それではまた。
- 2009/12/13(日) 20:53:17|
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年末の風物詩ともいえる、12月14日の「討ち入り」が迫ってきましたね。
「元禄赤穂事件」、いわゆる「忠臣蔵」です。
もういまさら何も言うことはないほど、皆様ご存知のお話ですが、大まかなあらすじとしては、江戸時代中期に差し掛かる元禄14年、朝廷からの勅使を幕府がお迎えすることになり、その勅使供応役として赤穂浅野家当主浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)が指名されたことが発端となります。
浅野内匠頭には、その指南役として高家吉良家当主吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)が充てられますが、この吉良上野介と浅野内匠頭との間に行き違いが生じたものか、勅使を迎えた当日に浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷を負わせるという事件が起きました。
いわゆる「松の廊下の刃傷」です。
浅野内匠頭はすぐに取り押さえられ、事情聴取のうえ即日切腹。
吉良上野介は抵抗しなかったとしてお咎めなし。
この片やお咎め無しの裁定が禍根を残す要因となりました。
この事件により赤穂浅野家は取り潰され、家臣は家禄を失うことになりました。
家老大石内蔵助良雄(おおいしくらのすけよしたか)は、一方的な幕府の裁定に異を唱えるべく亡き主君の仇討ちを計画。
一年半にも及ぶ準備期間の末に、四十六人の同士とともに吉良上野介の邸宅に討ち入り、見事に吉良上野介を討ち果たします。
そして、幕府の切腹の沙汰に従い、大石内蔵助ら四十七人は切腹をして果てました。
この事件は「仮名手本忠臣蔵」として歌舞伎の題材となり、圧倒的な人気となりました。
客が入らないときには忠臣蔵を演目に入れるといいとまでされました。
そして映画やテレビの題材として、毎年討ち入り日の12月14日近辺に上映されたり放映されたりいたしました。
正確には討ち入り日は旧暦の12月14日なので、新暦では1月30日になるそうなのですが、今でも年末の12月14日を討ち入り日とすることが多いようです。
個人的には大石内蔵助役は日本テレビの年末時代劇の「忠臣蔵」での里見浩太郎さんが、吉良上野介役は映画「四十七人の刺客」での西村晃さんがお気に入りです。
むむ、黄門様と助さんですかね。(笑)
「四十七人の刺客」での大石内蔵助役の高倉健さんやテレビの「大忠臣蔵」の三船敏郎さんは、立派過ぎてなんだか討ち入り前の昼行灯ぽさが無いような気がしますね。
今年は地上波では忠臣蔵関連のドラマとかやらないようですけど、なんと討ち入りをシミュレートしたシミュレーションゲームがでます。
ウォーゲーム日本史第四号「討入忠臣蔵」です。
(クリックでサイトに飛べます)
片や上野介を逃がそうとする吉良側、方や上野介を討ち取ろうとする赤穂浪士。
裏になっている吉良側ユニットに赤穂浪士側は隣接して表にして正体を確かめ、上野介を見つけ出さなくてはならないようです。
はたして上野介を討ち取ることができるのか。
やってみたいですねー。
欲しいけど今お金がないよー。
ですが、こうしてゲームになってしまうというのもすごいですね。
さすが忠臣蔵。
それではまた。
- 2009/12/12(土) 21:33:53|
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1944年12月16日。
静かなアルデンヌの森の幽霊戦線に突如ドイツ軍の奇襲が行なわれました。
ドイツ軍の反撃である「ラインの守り」作戦、世に言う「バルジの戦い」が始まったのです。
このドイツ軍の乾坤一擲の大反撃は、パンツァーリートを歌うドイツ戦車兵で有名な映画「バルジ大作戦」の基になった作戦です。
映画では米軍のMP(野戦憲兵)に変装したドイツ軍兵士たちが橋を確保しようとしたり、標識を変えたりして米軍を混乱させましたが、実際の「ラインの守り」作戦でも、「グライフ作戦」と称して米軍に変装した部隊が米軍を混乱させようといたしました。
映画では単に米軍の軍服を着た独軍兵士ぐらいしか出てきませんでしたが、実際のグライフ作戦においては、米軍に偽装した戦車まで投入されました。
その偽装戦車の一つが、「M10パンター」でした。
本来はこういった偽装作戦であれば、敵から鹵獲した敵が使用している兵器や車両を使うのが一般的ですが、戦争末期の独軍は、鹵獲兵器といえども大事な戦力であったため、手放す部隊がありません。
実際鹵獲したM4戦車やM3ハーフトラックなどは、前線では貴重な装甲車両でした。
鹵獲した米軍戦車が使えないとなれば、自軍の戦車を使うしかありません。
そこで目をつけたのが、砲塔の位置が中央にあり、車体も直線的な傾斜装甲を持つ米軍の自走砲「M10」でした。

(米軍のM10自走砲)
このM10であれば、うまくやれば独軍戦車を似せることができるかもしれない。
おそらくそう思ったのでしょう。
そこで独軍は、戦争後半の主力戦車である「パンター」をこのM10に似せることにしました。

(独軍のパンター)
見ておわかりのとおり、パンターはM10に最初からなんとなく似ております。
このパンターに19ミリ厚の装甲板を張り付けて砲塔をM10に似せ、前方の機関銃を取り外して前面を平らにし、星のマークをつけて塗装を米軍のオリーブドラブにすることで、M10パンター(仮称)を作り上げたのです。

(塗装のされてない模型ですが、M10に偽装したパンターです)
足回りなどはパンターなのですが、それ以外は見事にM10っぽく偽装されてます。
独軍はこの偽装パンターを、10両ほど作成してグライフ作戦に投入しました。
おそらく米軍歩兵にはM10に見えたことでしょう。
事実、撃破されたあとにこのM10パンターを見た米軍の情報士官は、「実によくできている」と言ったそうです。
しかし、グライフ作戦は思わしい効果をあげることができませんでした。
米軍に変装した兵士も次々と捕らえられ、目的を達成することはできませんでした。
このM10パンターも結局は通常の戦車として利用されるにとどまり、相次いで撃破されたのです。
ですが、ここまでしっかりニセ車両を作ってしまうあたり、やはりドイツ人の生真面目さなんでしょうかね。
それではまた。
- 2009/12/11(金) 21:47:20|
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第二次世界大戦において、英軍は旅団本部以上の上級指揮部隊用の移動指揮車両の開発に取り組みました。
装甲指揮車を使うことで、機動戦である砂漠での戦いなどでの部隊の指揮運用の柔軟性を高めようとしたのです。
開発に携わったのは英国の車両メーカーAEC社でした。
AEC社は、砲兵用に大砲牽引車である「マタドール」牽引車を製作しており、そのシャーシをベースにした武装装甲車なども製作しておりました。
当然開発期間の短縮などを考え、この装甲指揮車もこのマタドール牽引車のシャーシを使うことが決まります。
マタドールは四輪駆動の大型牽引車であるため、武装装甲車にするときにはシャーシを途中で切断して前後をくっつけて全長を短くするという荒業を使いましたが、車内容積を広くしなくてはならない装甲指揮車ではそんなことは必要ありません。
また避弾経始などを考慮して複雑な外形にする必要も少ないため、単純な箱型の車体にすることができ、それもまた車内容積を広くすることに役立ちました。
すると、結局出来上がった形は大型バスに装甲を施したようなものになりました。
左右には大型の扉がついて乗り降りがしやすく、車内にはL字型のテーブルに椅子が三脚設けられておりました。
椅子は写真などを見ると、革張りの座り心地のよさそうなもので、さすが高級指揮官用移動指揮車という趣です。
この革張り椅子にもしっかりシートベルトがついているのはさすがでしょうか。
ほかには指揮車として必要な無線機と操作員用の椅子が二脚。
あとはドライバーとナビゲーターが乗るようです。
車体側面には巻き取り式の天幕が用意され、引き伸ばして足をつければ、すぐに日陰を用意することもできました。
こうして完成した装甲指揮車は、「AECドチェスター装甲指揮車」と名付けられ、英軍に採用されました。
終戦までに265両が作られ、英軍部隊で使われましたが、このドチェスター装甲指揮車は英軍とは違う場所で有名になってしまいます。
それは、砂漠の戦いでこの装甲指揮車を捕獲したドイツ軍が、ロンメル将軍の使用する指揮車にしたことで、そちらの方で知られることになったからでした。

ドイツ軍は捕獲した装甲指揮車のうちの一両を「マンモス」と名付け運用します。
マンモスはロンメル将軍の愛車として知られるようになり、ドチェスター装甲指揮車は英軍でよりもドイツ軍の車両として有名になってしまったのでした。
私自身も車両の形が形でしたので、ドイツ軍がどこかのバスを現地改造して指揮車にしているのだと昔は思っていたものです。
英軍の車両だったと知ったのは、かなりあとになってからでした。
ロンメル将軍のトレードマークのゴーグルといい、このドチェスター装甲指揮車といい、ロンメル将軍には英軍製品が付き物なんですね。
それではまた。
- 2009/12/10(木) 21:59:35|
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本日、阪神タイガースの赤星憲広選手が、ご自身のブログで引退を発表なされました。
それによりますと、ずっと復帰に向けてがんばってきたものの、怪我の回復どころか次回また痛めてしまうと、半身不随や命にも関わるとのことで、現役を引退するしかなかったようです。
頚椎を痛められたのは存じておりましたが、そこまでの重傷とは思っていなかったので、正直ショックです。
赤星選手は阪神外野陣の要ですし、あのダイビングキャッチなどのハッスルプレーが見られなくなってしまうのは残念でなりません。
また、阪神で高い盗塁の技術を持っているのは赤星選手ぐらいと言ってもいいので、阪神から走れる選手が抜けてしまうのも痛いです。
赤星選手、9年間お疲れ様でした。
本当にありがとうございました。
それではまた。
- 2009/12/09(水) 21:21:42|
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昨日久しぶりに「ルパン三世 風魔一族の陰謀」の話をメッセの友人といたしました。
もう20年も前の作品なんですね。

もともとはカリオストロ公国の話から冒頭でのカーチェイスの話になり、カーチェイスならこの作品も負けてはいないということで話の俎上に上ったのですが、実際この作品のカーチェイスシーンは語り草になってもおかしくないすごいものですよ。
この作品、私個人はすごく気に入っているルパン作品の一つなのですが、何せ声優陣が総入れ替えになっているため、一般的に受け入れられてないんですよねー。
山田康雄氏が亡くなられた後に作られていれば、今でもこの声優陣だったかもしれないなぁと思うこともあります。
まあ、五右衛門役の塩沢兼人氏は交代になっているでしょうけど。
古川氏のルパンも小山さんの不二子も銀河氏の次元も加藤氏の銭型も、聞いているうちに違和感なくなってきますよ。
いい作品なので、見ておられない方がいらっしゃいましたら、ぜひいちどご覧になってみてください。
カーチェイスシーンだけでも見る価値はありますよー。
それではまた。
- 2009/12/08(火) 21:27:43|
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今週の『週刊ブログ妖精』は観艦式特集らしいですよ!
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/12/08(火) 10:46:12|
- ココロの日記
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昨日お邪魔しましたSF・ファンタジーゲームイベント「STARMYの会」に持ち込んだものの、結局プレイしなかったのがこのゲームでした。

ツクダホビーの「グイン サーガ」です。
残念ながら作者である栗本薫様がお亡くなりになられてしまいましたので、原作小説は未完となってしまいましたが、このゲームは本伝19巻、外伝4巻が出版されていた当時の1985年ごろに発売されたもので、私は友人から譲り受けました。
先日までNHK-BSで放送され、現在はNHK総合で放送されております「グイン サーガ」のアニメで扱っているまさにそのものの16巻までのパロとモンゴールとの戦いのイメージ的シミュレーションゲームであり、「ノスフェラス」と「パロ」という二つのゲームが一つのボックスに入っているゲームになってます。
「ノスフェラス」はパロの双子のリンダとレムス、それにグインの一行と、それを追うアムネリスらモンゴールの一隊との戦いをゲーム化したもので、モンスターのイドのルールや、突風で吹き飛ばされてしまったグインのルールなどがあります。
「パロ」のほうはまさにモンゴール占領下のパロ軍の決起とモンゴール軍との戦いの本格的シミュレーションゲームで、徴税による軍の維持などまでルール化されてます。
まだ一度もプレイしたことはありませんので、いつか何かのチャンスがあれば対戦してみたいかなと思います。
以前KEBO様もお持ちだとおっしゃってましたね。
それではまた。
- 2009/12/07(月) 21:03:32|
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SF・ファンタジーゲームオンリーゲーム会である「STARMYの会」にいってまいりました。
この会は、「札幌歴史ゲーム友の会」の会員であるMどりっひ様が中心となって開催されましたもので、いつもはやらないSF・ファンタジーゲームをやろうという集まりです。
早速私も参加させていただき、普段あまりやらないゲームを堪能してまいりました。
まずはGDW/HJの「アステロイド」
私はコンピュータ頭脳側でプレイ。
探索者側を二人でやっていただきましたが、警備ロボットが途中三台も起動するという凶悪な状態になったにもかかわらず、探索者側が何とか切り抜けて勝利をもぎ取って行きました。
また、MUTHU様のお持ちになったプロレスカードゲームや、HJのカードゲーム「悪代官」もプレイ。
「悪代官」は久しぶりですが面白かったです。
締めは6人でエポックの「超人ロック」
グルンベルクを担当して殺しまくりに行きましたが、ニアが生き残ってしまって勝利とはなりませんでした。
久しぶりのSF・ファンタジーゲームを楽しむことができました。
Mどりっひ様ならびに対戦いただきました皆様、ありがとうございました。
- 2009/12/06(日) 19:50:39|
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