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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

エデンの門番:舞の字版(1)

10月最後の二日間は、SSを投下させていただこうと思います。
タイトルは、「エデンの門番:舞の字版」です。

もう、結構過去の話になってしまいますが、ショッカーの蜂女に惚れこまれましたBeeF様という方の「蜂女の館」というサイト様がございました。
私自身BeeF様にはお世話になりまして、当ブログもリンクをさせていただいておりました。

残念なことに、BeeF様ご本人のご都合により、「蜂女の館」は閉鎖されてしまいましたが、そこにはいくつもの蜂女を扱ったSSが掲載されておりました。
そのいずれもがすばらしいものであり、私や2chの「おにゃのこが改造されるシーン」スレや「おにゃのこ改造byアダルト」スレでご活躍されましたSS作家様たちも大いに影響を受けたものでした。

そのBeeF様は、サイト「蜂女の館」において、今後執筆してみたいシチュ及びストーリーということで、いくつかのシチュを取り上げておられました。
このたびその中の「エデンの門番」というシチュを使わせていただき、私なりに作品にまとめてみたのがこの作品です。

BeeF様が思い描いていたものとはまったく違うものであるとは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

それではどうぞ。


「パパ、ちゃんと靴下は入れた? シェービングクリームも出しっぱなしにしてあったわよ」
私は思わず苦笑する。
一人暮らしの男性なんてこんなものかしら。
母が生きていたときなら、もう少し整理されていたんでしょうけどね。
「スーツケースの中身、もう一度確認してくれないか? お前に任せるよ」
明日は出発だというのに、父は机に向かって資料の確認。
本当に大丈夫なの?
我が父のことながら心配になる。

「コーニッグ博士、おはようございます。お迎えにあがりました」
玄関にミス・コーネリア・マクモリスが現れた。
スーツをきちんと着こなし、短めのブロンドの髪にメガネをかけた知的な人。
自動車の免許も持っているなんてすごいよね。
「今行く」
書斎から父の声がする。
おそらく資料に見入っているはず。
ああなると今が十分後ぐらいになりかねない。
私は仕方ないのでミス・マクモリスに声をかける。

「おはようございます、マクモリスさん。朝食はお済みですか? トーストぐらいなら用意できますけど」
「おはようございます、マリアンさん。朝は食べてきましたのでお構いなく」
にっこりと微笑み、私の招きに応じてテーブルについてくれるミス・マクモリス。
私はとりあえずコーヒーをお出しして、少し待ってもらうよう告げる。
「いつものことですからご心配なく。それよりもマリアンさんのほうの支度はできているのですか?」
コーヒーを一口飲んでミス・マクモリスはそう言う。
私のほうの支度はほぼ問題ないはず。
スーツケース二つにまとめていつでも持ち出せるようになっている。

「私の方は大丈夫です。いつでも出発できます」
私の返事にミス・マクモリスがうなずいた。
「今回の探検行は一ヶ月以上の長丁場になるはずです。本当に行かれるおつもりなんですか?」
「もちろんです。今回の探検は父同様私にも楽しみなことなんです」
これは本当のこと。
父に倣って自然科学を学ぶ私にとっては、南米の密林地帯の実態を調査するまたとない機会なのだ。
「途中で帰りたいと思っても帰れませんですよ」
「大丈夫です」

幼い頃から父を見て育ってきた私は、学者って実は体力だということを知っているつもり。
研究対象に密着するには、どうしても現地調査は欠かせない。
そのときにモノを言うのは体力なの。
一般の人は博士というと研究室に閉じこもってというイメージがあるかもしれないけど、それは一部の博士に過ぎない。
特に父のような自然科学を相手にする人は、あちこち出歩くのだから体力は必須。
私もそのあたりは訓練してきたつもりよ。
「クスッ・・・コーニッグ博士がご自慢しつつ肩をすくめるのもわかりますわ。よろしくお願いしますね、マリアンさん」
ミス・マクモリスが小さく笑う。
うふふ・・・父には女だてらに森歩き山歩きなんてといつも言われたからね。

「いやぁ、すまんすまん。待たせたね」
書斎から父が出てくる。
「いいえ、コーニッグ博士、お気になさらず」
スッと立ち上がるミス・マクモリス。
すぐに手袋をはめ、車の用意をしに向かう。
「マリアンはどうする? 後から来るかね?」
「はい。私はここの後片付けをしてから向かいます」
私は父にそういい、スーツケースを玄関に運び出す。
出発は明日だが、荷物はもう大学に運んでおかねばならないのだ。

外では車のエンジンがかかる音が聞こえ、ミス・マクモリスが戻ってくる。
「博士、お荷物は?」
「あ、そこの三つです」
私はスーツケースを指し示し、そのうち一つを持って外に出る。
父は残りの二つを持ち、玄関先に留めてあるミス・マクモリスの車に積み込んだ。
「それじゃ父をお願いします。私は後から行きますので」
「わかりました。それでは博士、どうぞ」
ミス・マクモリスに促され、車に乗り込む父。
私は二人を見送ったあと父の家に戻り、後片付けをしてから大学へと向かうのだった。

あわただしい一日を終えて私は家に戻る。
もうすっかり日も暮れ、私は夕食も簡単に済ませると明日に備えて早めに寝ることにする。
今日はほんとに忙しかった。
大学のホールでは出発式が行なわれ、探検隊の面々が一人一人紹介されたけど、壇上にいた自分はあがってしまって名前を呼ばれたのもわからなかったし、カメラマンのフラッシュがまぶしくて眼を開けてられなかったし・・・
市長や学長が何か言ってたけどよくわからなかったし・・・
でも、明日の夜はもう船の中なんだなぁ。
なんだかワクワクする。
南米ってどんなところなのかしら。
まだ白人が行った事のない場所がいっぱいあるというわ。
そこにはどんな植物や動物がいて、どんな人たちがいるのだろう。
楽しみだわ。
私はそんなことを思いながら眠れない夜を過ごしたのだった。

                    ******

今日は朝からいい天気。
出発にはふさわしい天気だわ。
目の前には朝九時のボストン行き普通列車。
アーカムからはまずこの列車でボストンへ行き、そこから船で南米へ向かう。
今回の探検行は、ミスカトニック大学が全面的にバックアップしてくれており、人員も大学関係者がほとんどだ。
私も今回父のコネもあったけど、大学の学生として参加を許可されたのだ。
未知の世界へ赴く探検隊は総勢十二人。
それぞれが荷物を手に列車に乗り込んでいく。
今日は鉄道会社も配慮してくれているようで、荷物車を一両増設してくれており、学生たちが探検隊の荷物を積んでくれている。
私もスーツケース二つを手に列車に乗り込んだ。

列車は程なくボストンに到着し、ボストンからは海路となる。
荷物は船倉に追いやられ、スーツケースだけを持って船室へと案内された。
父は今回の南米密林探検隊の隊長を務めており、船室も一人であてがわれている。
ほかには、植物学のオクストン・ハンレー博士、動物学のダンカン・ラフェイ博士、考古学のブリジット・オバノン博士のそれぞれが一人の船室をあてがわれ、ほかの八人は二人部屋というわけ。
私は、女性ということもあってミス・マクモリスといっしょの部屋。
今回の探検行には彼女も同行しているの。
彼女は父の助手を務めているので、きっと父がお願いしてきてもらったのかもしれない。

残りの六人のうち四人は大学の学生。
いろいろな作業の助手を務めるのが役目。
もちろん私もその一人。

残り二人は元軍人さん。
ロバート・ハリガン元少佐とアンドルー・フット元軍曹。
ハリガン元少佐は穏やかな表情を常に浮かべた中年男性で、なんだか英国貴族のような雰囲気を持っている。
今回は探検隊のガードを引き受けてくれたというわけ。
六年前の欧州の大戦争ではあまり活躍できなかったそうだけど、ライフルの射撃の腕は抜群らしい。
戦後の軍縮で退役したけど、アーカム在郷軍人会ではそこそこ顔が利くとのこと。
フット元軍曹はハリガン元少佐の片腕だった人。
まるで元少佐の従卒のようにしたがっている。
筋肉隆々の肉体で常に短剣をぶら下げ、油断のない目で辺りをうかがっている。
現地ではこういう人が頼りになるのかもしれない。

こうして私たち総勢十二人はボストンから南米のカラカスへと向かった。
そこからは小型の貨物船でシグナヤへ渡り、そこからまた河船でアヤドラ河をさかのぼる。
現地に行くだけでも十日もかかってしまうのだ。
道のりは遠いわ。

船旅はそれなりに快適だった。
豪華客船での旅とは行かないまでも、カラカス行きの貨客船はそこそこの設備を整えていたし、食事も悪くなかった。
夕食を終えたあとには、たいてい四人の博士の誰かしらが興味深い話をしてくれたし、勉強になった。
初老の紳士という感じのハンレー博士は、メガネの奥の神経質そうな目をきょろきょろさせながら、ジャングルの毒性植物の危険性について教えてくれたし、まだ若いラフェイ博士は、引き締まった肉体で身振りを交えて南米の動物のことを教えてくれた。
また、大学内でも美人教授の誉れ高いオバノン博士も、にこやかに南米考古学の講義をしてくれ、船内はさながらゼミナールの様相を呈していたのだった。

ミス・マクモリスとの同室も楽しかった。
今までちょっと固い人かなと思っていたけど、全然そんなことがない。
むしろ優しいお姉さんという感じで、いろいろと世話を焼いてくれたのがうれしかった。
きっとあの身の回りの気を使わない父をサポートしてくれてたのだろう。
お互いのことも名前で呼び合おうということになり、私も彼女のことをコーネリアさんと呼ぶことにした。
私はこの船旅をとても楽しむことができたのだった。

一週間後、私たちはカラカスに到着した。
もう、ここは南米ベネズエラ。
ここからは荷物を小型の貨物船に移し、大陸沿いに南下してシグナヤへ。
肌の浅黒い南米の原住民たちが、私たちの荷物を移してくれる。
さびが浮いて魚の腐ったようなにおいのする貨物船だが、ここから先はこれに乗るしか仕方がない。
私もズボンとシャツに着替えて髪を後ろにまとめ暑さ対策をする。
ここからはさらに赤道に近づくのだ。

二日ほどしてシグナヤに着く。
小さな港町だが、結構な賑わいだわ。
ここはアヤドラ河の河口にあたり、川沿いの産物の集散地となっている。
今回私たちはここを拠点にして、アヤドラ河を河船でさかのぼり、上流の密林地帯に分け入ることになっていた。

父はミス・マクモリスをつれて現地のミスカトニック大学の代理人と会い、河船やその他の手配の確認をしている。
私は早くもこの不快をもよおす湿気の多さと暑さに額に汗を浮かべていた。
ぎらぎらと照りつける太陽。
町の周囲に広がる密林と蒸し暑い風。
ここは赤道直下に近い場所。
防暑帽が無ければ日射病で倒れてしまうわね。

アヤドラ河をさかのぼる船は二艘。
それぞれに六人ずつが分乗し、ゆっくりと河をさかのぼっていく。
アヤドラ河はアマゾン河ほどではないにせよ大きな河。
広い河幅で流れはゆったり。
河面を吹く風は涼しく、私たちは少しだけ暑さをしのぐことができた。

先頭の船には父と私とミス・マクモリスが乗り、それにライフルを持ったハリガン元少佐とフット元軍曹が危険に備えて乗り込んだ。
防暑帽にシャツとズボンという野暮ったい服装でも人目を引くオバノン博士も、女性一人で別な船に乗りたくはないとのことで、私たちの船に乗り込んでいた。
そうなると残りの船にはハンレー博士にラフェイ博士、それと四人の男子学生が乗り、荷物を二艘に振り分けての出発だった。

                     ******

河のぼりを始めた当初、私たちは楽しく過ごしていた。
ここでは見るもの全てが目新しく、私にとっては驚きの連続だったのだ。
日中の日差しは耐え難いほどのものではあったし、蒸し暑さも相当なものだったけど、それ以上に河の両岸に広がる景色は私の目を楽しませてくれた。

色とりどりの羽根を持つ奇妙な鳥が飛び、尻尾の長い猿が樹木の間を動き回る。
とても太くて長いヘビが枝から鎌首をもたげている。
大きな魚が水面を飛び跳ねる。
獰猛なワニが興味なさそうに私たちの船を眺めている。
そんな光景が一日中続いていた。

夜になっても陸に上がることは無い。
陸上は何が起こるかわからないのだ。
進める所までは船で進み、いよいよとなったら陸に上がる。
このあたりはまだ現地の人も暮らしているので、ときどき小船が行き交ったりする。
網で魚を取ったりしているのだ。
どんな魚が取れるのだろう。
どうもグロテスクな魚しか想像が付かないわ。

二日目の夕方、私たちは河辺の村に行きついた。
ここで一泊させてもらい、さらに河をさかのぼる。
ここから先は未知の世界と言ってもいいらしい。
何があるのか楽しみでもあり、少しだけ恐ろしくもあった。

父が何か村長らしき人と話している。
言い合いをしているようであまりいい感じの様子じゃない。
何かあったのかしら?

「どうかしたんですか?」
私は父のそばにいたミス・マクモリスに尋ねてみた。
「よくわからないわ。でも、最近空から来たモノたちが飛び回っているから森の奥には入らないほうがいいって言っているみたい」
「空から来たモノたち?」
何のことだろう?
「ええ、よくわからないんだけど、空から来たモノに見つかると、青い女が生まれるとか・・・」
「青い女?」
なんだかさっぱりわからないわ。

私とミス・マクモリスがひそひそ話をしていると、父がいらだたしげに話を打ち切った様子が見える。
きっとこの辺りの人たちは迷信深いんでしょうね。
大きな鳥かなんかをきっと神様の使いのようにあがめていたりするんだわ。

私たちはその晩をその村で過ごし、翌朝には船で出発した。
村人には持ってきたガラス玉やこまごましたものを渡して食料をいくらか分けてもらった。
大して価値のないものだけど、未開の彼らには物珍しいだろう。
二十世紀になってもう二十年以上経つというのに、いまだに彼らは紀元前を生きているみたいだわ。

私たちはどんどん密林の奥へと進んでいく。
河幅もじょじょに狭くなり、両側の木々の枝が河の上にまで広がってくる。
相変わらず鳥や獣の鳴き声がうるさいぐらいで、奇妙な虫もぶんぶんと飛びまわっている。
毒虫じゃないらしいけど、あまり気分のいいものじゃない。
ミス・マクモリスもオバノン博士も昆虫類は気味が悪いようだった。

「あれは何だ?」
突然空を指差すハリガン元少佐。
思わず私たちもその指差す方向に眼をやる。
すると、樹木の間から覗く空に何かが飛んでいるのが見えた。

それはなんとも奇妙なもの。
本来空を飛ぶとは思えないもの。
全身が真っ青で、四肢の先だけが真っ白に色分けされている。
紫色の頭部を持ち、背中の黄色い翅が激しく上下して宙に浮かんでいた。

「女? 女なのか? あれは?」
隣の船から双眼鏡を構えたラフェイ博士の声がする。
そう・・・
あれはどう見ても人間の女性。
青い女性が空を飛んでいるのだった。

「あんなのは見たことが無い。なんなんだ、あれは?」
「新種かも知れん。船をそっちへ」
二艘の船は青い女性に向かって進路を変える。
とはいえ、河に沿ってなので、樹木の間から見え隠れする青い女性を見失わないようにするのが精いっぱい。
「いっそのこと撃ち落しましょうか?」
ハリガン元少佐がライフルを手に、父のほうをうかがった。
「うむ。見失うよりはいいかも知れん。少佐、お願いする」
「了解した」
父のうなずきにハリガン元少佐はライフルを構えなおす。
耳をつんざく銃声がとどろき、青い女性が空中でバランスを失うのが目に入る。
さすが射撃には自信があるという元軍人さんだわ。

だが、ふらついて一度は墜落しかけた青い女性は、すぐに態勢を立て直した。
そして私たちの方を見て、私たちの存在に気が付いたらしい。
「なにっ? なんともないのか?」
「バカなっ! 手ごたえはあった!」
父もハリガン元少佐も驚いている。
ライフルの一撃を食らえば、猛獣だってただではすまない。
それなのに、あの青い女性は傷を負ったような感じが無い。
顔には大きな複眼のようなものがあり、胸はまるで蜂のお尻のように黒と黄色の縞模様になっている。
あの女性はいったい何なのだろう・・・

「くそっ」
ハリガン元少佐がボルトを操作してライフルを再装填する。
もう一度あの青い女性を撃つらしい。
だが、青い女性はピクッと頭を動かすと、何かに呼ばれでもしたかのように飛び去っていく。
ハリガン元少佐が二三発撃ちこんだものの、その姿は密林の樹木の間に消えて行ってしまった。

「いったいあれはなんだったのだ・・・」
父が小さくつぶやく。
青い女性が消え、しばらく私たちは放心状態となっていた。
あのような奇妙な生き物の存在は想像も付かなかった。
しかも、あんなに人間の女性に似た容姿をしているなんて・・・
「カメラは? 写真は撮ったのか?」
「二三枚撮りましたが、うまく写っているかどうか・・・」
「あれは人か? それとも鳥なのか?」
「私が見た感じではむしろ昆虫のような気がしましたな」
「どちらにしても大発見だ。もう少し奥へ進めばまたいるかも知れん」
父のつぶやきがきっかけになったかのように、皆がいっせいにしゃべりだす。
実際のところ私も少し興奮していた。
あれはどう見ても新種の生き物。
私たちは早くも大発見を行なうことができたのだ。

「待て! 何か聞こえないか?」
ハリガン元少佐がみなのおしゃべりを手で制する。
一瞬にして静まり返る二艘の船。
だが、何も聞こえない。
「私には何も聞こえないけど・・・」
オバノン博士が怪訝そうな顔をする。
でも、確かに変だ。
何も聞こえなさ過ぎる。
鳥や獣の鳴き声が聞こえなくなっているわ。
私がそのことを言おうとしたときだった。

ワーンという虫の羽音とも飛行機のエンジン音とも付かないような音がして、突然密林のあちこちから奇妙なものが空に飛び立ったのだ。
それは今までみたこともないほどの奇妙なもので、一番似ているものを上げろと言われれば、巨大なトンボに似ていたかもしれない。
でも、トンボとはまるっきり違うものであり、生き物かどうかすらわからなかった。
全体がピンク色がかっており、頭と思われるところにはうねうねと小さな触手のようなものが固まり生えている。
胴にあたる部分は甲殻類のような外骨格らしきものが覆い、そこからまた小さなはさみを持つ脚が五六本生えていた。
背中と思われるあたりからはコウモリの翼のような皮膜が広がっていて、ゆっくりと上下しながらそのものたちの躰を宙に浮かせている。
胴から連なる尾のようなものは、先がくるっと丸まって先になにやらトゲのようなものが付いていた。
そして、その奇妙な空飛ぶものたちは、いっせいに私たちへと向かってきたのだった。

「ば、化け物め!」
ハリガン元少佐のライフル銃が火を吹く。
隣ではフット元軍曹がギャング御用達のマシンガンを撃っている。
銃声が当たりに響き渡り、私たちの悲鳴がさらに輪をかけた。

「うわぁーっ!」
突然隣の船から一人の学生の叫び声がする。
何匹もいる奇妙なものたちの一体が、フット元軍曹の射撃も意に介さずに学生を掴みあげたのだ。
「た、助けて、助けてぇー!」
宙に吊り上げられ手足をばたばたさせる学生。
彼の名前はなんていったかしらなんて私が妙なことを考えているうちに、彼はその奇妙なものたちに取り囲まれていた。
そして、数体の奇妙なものに囲まれたまま急速に上空高く連れて行かれ、そこから密林の中へと放り投げられる。
「うわぁーーー」
だんだんと小さくなっていく彼の悲鳴に、私は背筋が凍りついた。

「いや、いやぁっ! 来ないでぇっ!」
「来るなっ!化け物め!」
悲鳴と銃声が交錯するなか、次に宙に持ち上げられたのはフット元軍曹だった。
マシンガンの弾が彼らの胴体を貫くが、彼らは痛みすら感じないらしい。
ドロッとした体液を流しつつも、フット元軍曹を吊り上げ、これまた高いところから放り出す。
フット元軍曹の断末魔の悲鳴がとどろいた。

「早く、早く船を出せ!」
父がエンジンのそばにいるハリガン元少佐に声をかける。
だが、ハリガン元少佐も彼らに応戦するので手一杯だ。
すぐにミス・マクモリスがエンジンに取り付こうとしたが、次の瞬間、彼女の躰は宙に浮いていた。
「いやぁっ!」
「コーネリアさん!」
「マクモリス君!」
私と父の声とミス・マクモリスの悲鳴が重なり合う。
ミス・マクモリスの躰は急速に空高くへと持ち上げられ、手を伸ばしてもどうしようもない。
彼女と他の二人が違ったのは、空中から彼女は放り出されることはなかった。
その代わり、彼らのうちの何体かとともに、彼女はどこかへ連れ去られて行ってしまったのだ。
もっとも、私にはそれを見ている余裕など無かった。

奇妙なものたちは私も空へと持ち上げたのだ。
背中を掴まれ、先の丸まった尾のようなものが胴に巻きつき、そのまま空へと吊り上げられる。
「ヒーッ! いやぁっ! 助けてぇっ!」
必死に手足をじたばたさせて叫び声を上げるが、どうすることもできない。
「マリアン! マリアーン!」
父が手を伸ばして叫んでいるが、その姿も急速に遠ざかる。
私の躰は密林の上空高くに持ち上げられてしまったのだ。

「た、助けて! 助けてくれ!」
私の隣では、私と同じように持ち上げられたハンレー博士がじたばたしている。
私の周囲と、ハンレー博士の周囲には奇妙なものたちが集まって、頭の部分の触手を震わせながら耳障りなワーンという音を出していた。

「うわぁーーーー」
やがてハンレー博士の躰が密林へと放り投げられる。
密林へ向かってだんだん小さくなっていくハンレー博士の姿を見て、私はふっと意識が遠くなるのを感じていた。
  1. 2009/10/30(金) 21:25:49|
  2. 改造・機械化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

あうう・・・

舞の字の付くSS書きです。

またしても2chの規制に巻き込まれてしまったっす。
「エデンの門番」に目処ついたというのに・・・orz

どなたかここをご覧になっておりましたら、「おにゃ改アダルト」にお伝えを・・・


追記
スレにカキコしてくださりました方々、ありがとうございました。
  1. 2009/10/30(金) 00:18:37|
  2. ネット関連
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5

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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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