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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

エデンの門番:舞の字版(2)

「エデンの門番:舞の字版」の後編です。

もともと「おにゃのこ改造byアダルト」スレでのBeeF様の未執筆作品についてのことから始まったので、スレ用に多少アダルトにしたつもりなんですけど、そのあたりも含めて楽しんでいただければと思います。

それではどうぞ。


「マリアンさん・・・マリアンさん」
耳元で声がする。
「マリアンさん・・・しっかりして、マリアンさん」
意識がだんだんはっきりしてくる。
ここはどこ?
私はいったい?
「はっ」
私は気が付いて目を開けた。
「よかった、気が付いたわね」
目の前にミス・マクモリスの顔がある。
私が気が付いたのでホッとしたような表情を浮かべていた。

「コーネリアさん・・・無事だったんですね?」
私は上半身を起こして体勢を整える。
何か草のようなものが敷かれた動物の寝床のような感じだ。
「ええ、今のところは・・・あなたも大丈夫?」
「はい。どうやら大丈夫のようです」
私は自分の躰を確かめた。
服は多少乱れているが、痛いところや怪我したところは無いみたい。
「よかった。私たちはどうやら拉致されてしまったようだわ」
「拉致ですか?」
私はとりあえず周りを見る。
どうやら岩をくり抜いたような部屋になっているようで、入り口らしいところは薄い黄色の膜が張ったようになっていた。

「オバノン博士」
私は部屋の隅にうずくまっているもう一人の女性に気付く。
「博士も無事だったんですね? 父は、父はどうなりましたか?」
私は思わず私の後からさらわれたであろうオバノン博士に詰め寄った。
「・・・古代マヤ文明は四世紀ごろにはそのきざしが見えはじめ、五世紀に至って・・・」
ひざを抱えうつむいたままでぶつぶつとつぶやいているオバノン博士。
目もうつろでどこか焦点があってない。
「オバノン博士・・・」
「だめよ・・・現実逃避をしてしまっているわ。ミスカトニック大学で講義でも行なっているつもりなんでしょう・・・」
ミス・マクモリスが首を振る。
私はそっとオバノン博士から距離をとった。

「どうやら連れて来られたのは私たち女性だけかもしれないわね。男性は別の場所にいることも考えられるけど・・・」
歯切れが悪くなるミス・マクモリス。
私とオバノン博士だけがここにいて、空中から放り出されたハンレー博士やフット元軍曹の姿を見ていれば、男性が他の場所にいる可能性は低いことがわかっているはず。
父は・・・父は無事なのだろうか・・・
それに、私たちはこれからどうなるのだろう・・・

「ねえ、コーネリアさん。あそこの入り口から抜け出せないでしょうか? なんか黄色い膜のようなもので覆っているだけみたいだから、破けそうなんですけど」
私はミス・マクモリスに入り口の黄色い膜を指差した。
だが、ミス・マクモリスは首を振る。
「だめよ。私も最初そう思ったので破こうとしてみたんだけど、触れたとたんにビリッと電気が走ったみたいで、とても破ることはできないわ」
「そうですか・・・」
私はため息をついた。
どうにかしてここを抜け出したいけど、いったいどうすればいいのだろう・・・

「それよりもあれをみて」
ミス・マクモリスが明り取りの隙間を指差す。
そこは細いスリットが縦に何本か走っており、外からの明かりと外気が入ってくるところだった。
私はミス・マクモリスに言われたとおりにそこへ行って外を見る。
そして思わず息を飲んだ。

そこにはあの青い女性たちがいたのだ。
以前は遠くから見ただけだったけど、今は隙間から見える向かい側の壁のようなものに何人もの青い女性がへばりついているのだ。
彼女たちは背中の黄色い翅を震わせ、壁から染み出ている何かを舐めている。
そして時折左右を見渡し、どこかへと飛んでいく。
それを入れ代わり立ち代り繰り返しているようだった。

「青い女性たち・・・」
私はなんだか恐ろしくなってあと退る。
そして壁に背中を付け座り込んだ。
「見たことも無い生き物たちだわ。姿は人間に似ているけど、いったいどういう生き物なのかしら」
ミス・マクモリスもあまり見たくないのか、隙間が目に入らない位置に腰を下ろしている。
「なんだか、蜂の巣に群れる蜂みたい・・・」
私はなんとなく感じたことをつぶやいた。
あの青い女性たちの目が大きな複眼のようになっていることや、胸のふくらみが黄色と黒の同心円状になっていて、蜂のお尻のようにも見えたからかもしれない。
「ああ、なんだかわかるような気がするわね。さしずめ蜂女ってところかしら」
ミス・マクモリスがチラッと隙間から外を見る。
きっと壁にへばりつく蜂女たちを見たのだろう。

「これからどうしましょう。助けを待つしかないのかな・・・」
ひざを抱えてうずくまる。
視界の端では相変わらずオバノン教授が何かつぶやいていた。
「それしかないかもしれないけど・・・でも難しいかもしれないわ。ここはアヤドラ河からはかなり離れているようだし、まわりは険しい岩山みたいだから、見つけてもらえないかもしれないもの」
ミス・マクモリスがきびしい表情をする。
でも、彼女がいてくれてよかった。
私だけならきっとパニックになっていたに違いない。

「とにかくいつでも逃げ出せるように体力は温存しておいたほうがいいわ。食べられるものがあればいいんだけど・・・」
「“ハーシーのチョコバー”ならありますよ。暑さで溶けかけですけど」
私はシャツの胸ポケットからチョコバーを取り出す。
だいぶ柔らかくなって甘い香りがぷんぷんするけど、何かあったときのためにと胸ポケットに入れておいたのだ。
「いいわね。食べておきましょう」
ミス・マクモリスが手を伸ばす。
「オバノン博士には?」
私がそう言うと、彼女は黙って首を振った。
「オバノン博士はもうだめだと思う・・・正気を失っているわ・・・」
私は苦い思いを感じながらも、それを認めざるを得なかった。

それでも私とミス・マクモリスがチョコバーを分け合って食べた後、溶けてべとべとになったチョコバーの包み紙に残ったチョコをオバノン博士にも舐めさせてあげた。
偽善かもしれないけど、彼女にもできるだけチャンスがあるほうがいい。
みんなが助かって、病院に入ることができれば、オバノン博士だって正気に戻るかもしれないのだから。

でもその願いはかなわなかった。
それからすぐに黄色の膜が消え、あの奇妙な連中が入ってきたのだ。
やつらは頭部らしきところの群れ成す短い触手を蠢かせ、ワーンという耳障りな音を立てている。
皮膜は折りたたまれ、胴体の下についているはさみの付いた脚でしゃかしゃかと動いてくる。
私たちが恐怖に動けないでいると、入ってきたやつらはうずくまっていたオバノン博士を掴み、外へと引きずり出していく。
「いやぁーっ! いやよぉーっ! 私何もしてないのにー!」
恐ろしさに正気に返ったのか、泣き叫び悲鳴を上げるオバノン博士。
私は彼女を助けたかったけど、どうしても躰が言うことを聞いてくれなかった。
奇妙な連中が出て行くと同時に黄色い膜が元通りになり、オバノン博士の悲鳴も小さくなっていく。
私はただ恐ろしくて、ミス・マクモリスと抱き合って泣くことしかできなかった。

「えっ?」
私は聞こえてきた音に驚いた。
「オバノン博士の悲鳴?」
ミス・マクモリスも気が付いたようだ。
私は急いで外が見える隙間に行く。
そしてそこから外を眺めてみた。
「あれは・・・」
「オバノン博士?」
私とミス・マクモリスが同時に声を上げる。
隙間から見えた向かい側の壁には、相変わらず青い女性たちがへばりついて何かを舐めている。
その壁の一部に、あの奇妙な連中がオバノン博士を貼り付けにしているのだ。
しかも、オバノン博士は何も身にまとわぬ裸にされている。
やつらはこれからいったい何をするつもりなの?

「いやよぉ・・・助けてぇ・・・お願いよぉ・・・」
両手両脚を壁に固定されたオバノン博士が首を振る。
泣き叫び疲れたのか、その声は弱弱しい。
私の中では、なにかがここから先は見てはいけないと必死に訴えかけている。
でも、私は目をそらすことができなかった。

やがて奇妙な連中が飛び去ると、蜂女たちがオバノン博士に近寄っていく。
そして貼り付けにされた彼女を眺めたり、額の触覚のようなもので触れたりしているようだった。
すると、蜂女の一人がおもむろにオバノン博士に口付けをする。
それをきっかけに、次々と蜂女たちはオバノン博士の躰を舐め始めた。

やがて、何かを手にした一人の蜂女がやってきて、オバノン博士の腰の辺りの空中で静止する。
そしてその手にした太目の棒のようなものを・・・オバノン博士の女性器に差し込んだ。
「いやぁっ!」
その叫びが誰のものだったかわからない。
オバノン博士だったかもしれないし、私だったかもしれない。
もしかしたら、ミス・マクモリスだったかも。
まさか・・・蜂女にレイプされてしまうだなんて・・・

「あ・・・ああ・・・ん・・・はぁん・・・」
でも、すぐに様子が変わってきた。
オバノン博士の声が艶めいてきたのだ。
まさか・・・
あんなことされて感じているの?

ニュプニュプと出し入れを繰り返される太い棒。
その棒を手にした蜂女は上下動を繰り返している。
その回りでは、オバノン博士の躰をほかの蜂女たちが舐め回す。
まるで何かの不気味で妖しい儀式のようだ。

「ああっ・・・ああーーん」
躰を震わせ、つま先を丸めて絶頂に達してしまうオバノン博士。
すると彼女の躰に変化が起こり始める。
肌が青く染まり始めたのだ。

「ええっ?」
「あれは?」
私もミス・マクモリスも一瞬にして何が行なわれたのかを理解した。
あれはやはり儀式だったのだ。
それも恐ろしい儀式だ。
オバノン博士はあの蜂女にされようとしていたのだ。

オバノン博士の躰はみるみるうちに変化していった。
肌は真っ青になり、両手と両足は白い手袋や白いブーツを履いたように変わっていく。
つま先は指が無くなり、かかとが尖ってまるでハイヒールでも履いているかのようになる。
男性教授陣のあこがれの的であったであろう大きな胸は、黒と黄色の同心円状に染まり、蜂のお尻のように先端が尖っていく。
ブロンドの綺麗な髪は紫色に染まり、目は巨大化して複眼を形成する。
額からは触角が伸び、頭頂部にかけて蜂の胴のようなものが形作られる。
壁に密着した背中からは黄色い翅が伸び、棒を引き抜かれた股間は青く染まり、つるんとしてひくひくといやらしく蠢いていた。
わずか数分で、オバノン博士はあの蜂女の仲間になってしまったのだ。

蜂女たちが両手両脚の枷をはずす。
すぐに新たな蜂女となったオバノン博士は翅を広げて飛び立つと、壁にへばりついて何かを舐め始めた。
そして、ほかの蜂女たちに混じってしまい、いつの間にか見分けがつかなくなっていた。

「あれが・・・私たちの未来というわけね・・・」
ミス・マクモリスがストンと床に腰を落とす。
私も何を言っていいのか言葉がでなかった。
「ふふ・・・うふふ・・・」
「コーネリアさん・・・」
「なにやってるんだろう私・・・こんなところへ来て化け物にされてしまうなんて・・・」
うつむき顔を覆ってしまうミス・マクモリス。
「まだ決まったわけじゃないですよ。あきらめないで・・・」
「無理よ。私もあなたもあの蜂女にされてしまうんだわ・・・」
「そんなこと・・・」
無いと言えるはずが無い。
ああ・・・
誰か・・・
誰か助けて・・・

                     ******

それから何時間かが経ち、ミス・マクモリスが連れ出されて行った。
必死に抵抗していた彼女だったけど、彼らには無意味だった。
最後の時には死んで抵抗すると言っていた彼女だったけど、死ぬことすらできなかった。
なぜなら、私も死んでしまいたいと思っているのに、どうしても死ぬことができないのだ。
おそらく自殺を思いとどまらせるような何か仕掛けがあるのかもしれない。

ミス・マクモリスがどうなったのか私は知らない。
おそらくオバノン博士と同じように蜂女にされてしまったのではないだろうか。
外から聞こえてきた悲鳴は、いつしか快感によがる女の声になっていたのだから。
次は私の番。
お願い・・・
誰か私を殺して・・・

黄色い膜が消える。
ワーンという耳障りな音を立てながら奇妙なやつらが現れる。
あの音は彼らの会話のようなものなのかもしれない。
短い触手をうねうねとうねらせる様は、見ているだけで気色悪い。
抵抗は無意味だ。
どうせ私の力ではかなわない。
だったらおとなしくしていたほうがいい。

やつらはおとなしくしている私に戸惑っている。
前の二人は必死に暴れたから、無理やり連れて行かなくてはならなかった。
でも、私は騒がない。
だからどうしていいのかわからないのかもしれない。

私は押し出されるようにして部屋を出る。
自らの足で部屋を出たのは私だけかもしれない。
これからおそらくあの壁に貼り付けにされるのだろう。
奇妙なやつらは相変わらず耳障りな音を出しながら、私の後をついてくる。

通路は部屋と同じように岩壁。
やつらが通りやすいようにか、両側が結構幅広い。
先は薄暗く、どこへ通じているのかわからない。

やつらと少し距離が開く。
人間の歩行速度と、やつらのはさみの付いた脚とでは、速度がやや違うのだ。
思ったとおりだわ。
私はここで走り出す。
この狭い通路ならやつらは飛べないはず。
外へ出れば飛べる奴らのほうが有利だけど、とにかくできるだけ逃げるのよ。

私は通路を走り、明かりの方へと突き進む。
後ろから追ってくる気配は無い。
やつらはこの狭い通路では人間が走る速度に追いつけないんだ。
早くここを抜け出して・・・
私は目の前に広がる明かりの中に駆け出して行った。

「嘘・・・」
私の足は止まってしまう。
すぐそこは確かに外。
でも、足元には地面が無いのだ。
断崖の切り立った崖の中腹に開いた横穴。
私がいるのはまさにそういう場所だった。
切り立った崖の下は岩だらけの谷。
そこらへんにはあの奇妙なものたちが皮膜を広げて飛んでいる。
そしてもちろん蜂女も。
ここは飛べるものの世界。
やつらが私を追わなかったのは追う必要が無かったから。
ここから抜け出すことができない場所だったからなんだわ。

私の正面にやってくる奇妙なものたち。
背後からも耳障りな音が聞こえてくる。
私の足は動かない。
一歩踏み出せば死ねるはずなのに、一歩を踏み出すことすらできないのだ。
私はただ泣くしかなかった。

私は服を脱がされる。
というよりも、妙な光を当てられ、服がチリのように粉々になってしまう。
裸になった私は、抵抗もむなしくやつらによって吊るされ、あの壁に連れて行かれてしまった。
両手両脚を冷たい金属のようなもので固定され、大の字にさせられる。
私を固定したあと、ワーンという耳障りな音を残し、やつらは私を置いて立ち去ってしまった。

足元は谷底。
風が私の躰を撫でていく。
裸でこんなところに貼り付けられ、先ほどから涙が止まらない。

やがて何体かの蜂女がやってくる。
みな一様にその大きな複眼で私を眺め、じょじょに私に近づいてくる。
青いなめし皮のような皮膚。
ブーツを履いたような足。
蜂のお尻のような黒と黄色の二つの胸。
ここにいる蜂女全てが元は人間だったのだろうか・・・

「ひゃ」
思わず声がでてしまう。
一体の蜂女が、私の胸に触角を当ててきたのだ。
微細な毛が敏感になっていた私の肌を刺激したため、思わず声をあげてしまったのだった。

それをきっかけにしたかのように、周囲の蜂女たちがいっせいに私の回りに群がってくる。
そして私の躰をところかまわず舐め始めた。
腕も、指先も、太ももも、つま先も、胸も、股間もすべて。
与えられる舌の感触に、私は気味悪さとくすぐったさ、それにいやなことにかすかな気持ちよさを感じてしまう。

私の正面に現れる一体の蜂女。
手にはあのオバノン博士に差し込んだ太くて短い棒を持っている。
ただの棒ではない。
それは男性の性器そっくりだった。
あれを私に入れようというのか?

私だって処女ではない。
セックスの経験だって一度や二度じゃないわ。
でも・・・
あんなのを入れられるなんていや。
いやよぉ・・・

男性器を模した棒を持って近づいてくる蜂女。
私はその顔を見て愕然とする。
大きな複眼をしているが、笑みを浮かべたその顔はミス・マクモリスのものだったのだ。
ああ・・・
そんな・・・
こんなことって・・・

「キチキチキチ・・・」
カチカチと歯を打ち鳴らしながら私に近づく蜂女。
「いやっ! やめてぇっ!」
私は必死で身をよじる。
いやだいやだいやだ。
こんなのっていやよぉ!

ずるっと蜂女の持つ棒が私の内膣に入り込む。
蜂女たちに舐められほぐされていた私の躰は、苦も無くそれを受け入れてしまう。
「はあうっ」
突き上げられる衝撃に私の躰が跳ね上がる。
そして激しいピストン運動が私の内膣で始まった。

「あぐっ、はぐっ」
上下する棒が私の中をかき混ぜる。
お腹を突き上げる衝撃がだんだん気持ちよくなってくる。
私の中の女が喜んでいるのがわかる。
こんなの初めて。
今までのどのセックスよりも激しく私の躰を燃え上がらせる。

「ああん・・・ああ・・・ん・・・」
いつしか私はよがり声を上げていた。
でもかまわない。
気持ちいい。
とても気持ちいい。
もっと・・・
もっと突き上げてほしい・・・
もっと激しく私をめちゃくちゃにしてほしい。

「ああ・・・あああ・・・ああ・・・」
もう何を言っているのかわからない。
ただただ気持ちいい。
躰が浮く。
頭の中が白くなる。
意識が飛んでしまいそう。
イく・・・
イく・・・
イッちゃう・・・

私の躰がはじけると同時に、内膣に何かが注がれる。
それは一瞬にして私の躰を駆け巡り、私を中から変えていく。
ああ・・・
なんて幸せ。
これこそが最高の喜び。
私は生まれ変わるんだわ・・・

                     ******

「キチキチキチ・・・」
私は歯を打ち鳴らして了解の合図をする。
女王様の命令が私の中に伝わったのだ。
“侵入者を確認せよ”
私はこの命令に従い、手近な仲間と壁を飛び立つ。
美味しい蜜はまたあとで。
女王様に従って私は私に与えられた仕事をこなす。
この“エデン”を邪魔するものを私は赦さない。
ここは女王様のテリトリー。
女王様と空から来た者たちの世界。
邪魔するものは私たちが排除する。
私は門番。
エデンの門番なの。
私は侵入者を確認するため、密林の中へと向かって行った。

END


いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想などいただければと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
  1. 2009/10/31(土) 20:17:31|
  2. 改造・機械化系SS
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エデンの門番:舞の字版(1)

10月最後の二日間は、SSを投下させていただこうと思います。
タイトルは、「エデンの門番:舞の字版」です。

もう、結構過去の話になってしまいますが、ショッカーの蜂女に惚れこまれましたBeeF様という方の「蜂女の館」というサイト様がございました。
私自身BeeF様にはお世話になりまして、当ブログもリンクをさせていただいておりました。

残念なことに、BeeF様ご本人のご都合により、「蜂女の館」は閉鎖されてしまいましたが、そこにはいくつもの蜂女を扱ったSSが掲載されておりました。
そのいずれもがすばらしいものであり、私や2chの「おにゃのこが改造されるシーン」スレや「おにゃのこ改造byアダルト」スレでご活躍されましたSS作家様たちも大いに影響を受けたものでした。

そのBeeF様は、サイト「蜂女の館」において、今後執筆してみたいシチュ及びストーリーということで、いくつかのシチュを取り上げておられました。
このたびその中の「エデンの門番」というシチュを使わせていただき、私なりに作品にまとめてみたのがこの作品です。

BeeF様が思い描いていたものとはまったく違うものであるとは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

それではどうぞ。


「パパ、ちゃんと靴下は入れた? シェービングクリームも出しっぱなしにしてあったわよ」
私は思わず苦笑する。
一人暮らしの男性なんてこんなものかしら。
母が生きていたときなら、もう少し整理されていたんでしょうけどね。
「スーツケースの中身、もう一度確認してくれないか? お前に任せるよ」
明日は出発だというのに、父は机に向かって資料の確認。
本当に大丈夫なの?
我が父のことながら心配になる。

「コーニッグ博士、おはようございます。お迎えにあがりました」
玄関にミス・コーネリア・マクモリスが現れた。
スーツをきちんと着こなし、短めのブロンドの髪にメガネをかけた知的な人。
自動車の免許も持っているなんてすごいよね。
「今行く」
書斎から父の声がする。
おそらく資料に見入っているはず。
ああなると今が十分後ぐらいになりかねない。
私は仕方ないのでミス・マクモリスに声をかける。

「おはようございます、マクモリスさん。朝食はお済みですか? トーストぐらいなら用意できますけど」
「おはようございます、マリアンさん。朝は食べてきましたのでお構いなく」
にっこりと微笑み、私の招きに応じてテーブルについてくれるミス・マクモリス。
私はとりあえずコーヒーをお出しして、少し待ってもらうよう告げる。
「いつものことですからご心配なく。それよりもマリアンさんのほうの支度はできているのですか?」
コーヒーを一口飲んでミス・マクモリスはそう言う。
私のほうの支度はほぼ問題ないはず。
スーツケース二つにまとめていつでも持ち出せるようになっている。

「私の方は大丈夫です。いつでも出発できます」
私の返事にミス・マクモリスがうなずいた。
「今回の探検行は一ヶ月以上の長丁場になるはずです。本当に行かれるおつもりなんですか?」
「もちろんです。今回の探検は父同様私にも楽しみなことなんです」
これは本当のこと。
父に倣って自然科学を学ぶ私にとっては、南米の密林地帯の実態を調査するまたとない機会なのだ。
「途中で帰りたいと思っても帰れませんですよ」
「大丈夫です」

幼い頃から父を見て育ってきた私は、学者って実は体力だということを知っているつもり。
研究対象に密着するには、どうしても現地調査は欠かせない。
そのときにモノを言うのは体力なの。
一般の人は博士というと研究室に閉じこもってというイメージがあるかもしれないけど、それは一部の博士に過ぎない。
特に父のような自然科学を相手にする人は、あちこち出歩くのだから体力は必須。
私もそのあたりは訓練してきたつもりよ。
「クスッ・・・コーニッグ博士がご自慢しつつ肩をすくめるのもわかりますわ。よろしくお願いしますね、マリアンさん」
ミス・マクモリスが小さく笑う。
うふふ・・・父には女だてらに森歩き山歩きなんてといつも言われたからね。

「いやぁ、すまんすまん。待たせたね」
書斎から父が出てくる。
「いいえ、コーニッグ博士、お気になさらず」
スッと立ち上がるミス・マクモリス。
すぐに手袋をはめ、車の用意をしに向かう。
「マリアンはどうする? 後から来るかね?」
「はい。私はここの後片付けをしてから向かいます」
私は父にそういい、スーツケースを玄関に運び出す。
出発は明日だが、荷物はもう大学に運んでおかねばならないのだ。

外では車のエンジンがかかる音が聞こえ、ミス・マクモリスが戻ってくる。
「博士、お荷物は?」
「あ、そこの三つです」
私はスーツケースを指し示し、そのうち一つを持って外に出る。
父は残りの二つを持ち、玄関先に留めてあるミス・マクモリスの車に積み込んだ。
「それじゃ父をお願いします。私は後から行きますので」
「わかりました。それでは博士、どうぞ」
ミス・マクモリスに促され、車に乗り込む父。
私は二人を見送ったあと父の家に戻り、後片付けをしてから大学へと向かうのだった。

あわただしい一日を終えて私は家に戻る。
もうすっかり日も暮れ、私は夕食も簡単に済ませると明日に備えて早めに寝ることにする。
今日はほんとに忙しかった。
大学のホールでは出発式が行なわれ、探検隊の面々が一人一人紹介されたけど、壇上にいた自分はあがってしまって名前を呼ばれたのもわからなかったし、カメラマンのフラッシュがまぶしくて眼を開けてられなかったし・・・
市長や学長が何か言ってたけどよくわからなかったし・・・
でも、明日の夜はもう船の中なんだなぁ。
なんだかワクワクする。
南米ってどんなところなのかしら。
まだ白人が行った事のない場所がいっぱいあるというわ。
そこにはどんな植物や動物がいて、どんな人たちがいるのだろう。
楽しみだわ。
私はそんなことを思いながら眠れない夜を過ごしたのだった。

                    ******

今日は朝からいい天気。
出発にはふさわしい天気だわ。
目の前には朝九時のボストン行き普通列車。
アーカムからはまずこの列車でボストンへ行き、そこから船で南米へ向かう。
今回の探検行は、ミスカトニック大学が全面的にバックアップしてくれており、人員も大学関係者がほとんどだ。
私も今回父のコネもあったけど、大学の学生として参加を許可されたのだ。
未知の世界へ赴く探検隊は総勢十二人。
それぞれが荷物を手に列車に乗り込んでいく。
今日は鉄道会社も配慮してくれているようで、荷物車を一両増設してくれており、学生たちが探検隊の荷物を積んでくれている。
私もスーツケース二つを手に列車に乗り込んだ。

列車は程なくボストンに到着し、ボストンからは海路となる。
荷物は船倉に追いやられ、スーツケースだけを持って船室へと案内された。
父は今回の南米密林探検隊の隊長を務めており、船室も一人であてがわれている。
ほかには、植物学のオクストン・ハンレー博士、動物学のダンカン・ラフェイ博士、考古学のブリジット・オバノン博士のそれぞれが一人の船室をあてがわれ、ほかの八人は二人部屋というわけ。
私は、女性ということもあってミス・マクモリスといっしょの部屋。
今回の探検行には彼女も同行しているの。
彼女は父の助手を務めているので、きっと父がお願いしてきてもらったのかもしれない。

残りの六人のうち四人は大学の学生。
いろいろな作業の助手を務めるのが役目。
もちろん私もその一人。

残り二人は元軍人さん。
ロバート・ハリガン元少佐とアンドルー・フット元軍曹。
ハリガン元少佐は穏やかな表情を常に浮かべた中年男性で、なんだか英国貴族のような雰囲気を持っている。
今回は探検隊のガードを引き受けてくれたというわけ。
六年前の欧州の大戦争ではあまり活躍できなかったそうだけど、ライフルの射撃の腕は抜群らしい。
戦後の軍縮で退役したけど、アーカム在郷軍人会ではそこそこ顔が利くとのこと。
フット元軍曹はハリガン元少佐の片腕だった人。
まるで元少佐の従卒のようにしたがっている。
筋肉隆々の肉体で常に短剣をぶら下げ、油断のない目で辺りをうかがっている。
現地ではこういう人が頼りになるのかもしれない。

こうして私たち総勢十二人はボストンから南米のカラカスへと向かった。
そこからは小型の貨物船でシグナヤへ渡り、そこからまた河船でアヤドラ河をさかのぼる。
現地に行くだけでも十日もかかってしまうのだ。
道のりは遠いわ。

船旅はそれなりに快適だった。
豪華客船での旅とは行かないまでも、カラカス行きの貨客船はそこそこの設備を整えていたし、食事も悪くなかった。
夕食を終えたあとには、たいてい四人の博士の誰かしらが興味深い話をしてくれたし、勉強になった。
初老の紳士という感じのハンレー博士は、メガネの奥の神経質そうな目をきょろきょろさせながら、ジャングルの毒性植物の危険性について教えてくれたし、まだ若いラフェイ博士は、引き締まった肉体で身振りを交えて南米の動物のことを教えてくれた。
また、大学内でも美人教授の誉れ高いオバノン博士も、にこやかに南米考古学の講義をしてくれ、船内はさながらゼミナールの様相を呈していたのだった。

ミス・マクモリスとの同室も楽しかった。
今までちょっと固い人かなと思っていたけど、全然そんなことがない。
むしろ優しいお姉さんという感じで、いろいろと世話を焼いてくれたのがうれしかった。
きっとあの身の回りの気を使わない父をサポートしてくれてたのだろう。
お互いのことも名前で呼び合おうということになり、私も彼女のことをコーネリアさんと呼ぶことにした。
私はこの船旅をとても楽しむことができたのだった。

一週間後、私たちはカラカスに到着した。
もう、ここは南米ベネズエラ。
ここからは荷物を小型の貨物船に移し、大陸沿いに南下してシグナヤへ。
肌の浅黒い南米の原住民たちが、私たちの荷物を移してくれる。
さびが浮いて魚の腐ったようなにおいのする貨物船だが、ここから先はこれに乗るしか仕方がない。
私もズボンとシャツに着替えて髪を後ろにまとめ暑さ対策をする。
ここからはさらに赤道に近づくのだ。

二日ほどしてシグナヤに着く。
小さな港町だが、結構な賑わいだわ。
ここはアヤドラ河の河口にあたり、川沿いの産物の集散地となっている。
今回私たちはここを拠点にして、アヤドラ河を河船でさかのぼり、上流の密林地帯に分け入ることになっていた。

父はミス・マクモリスをつれて現地のミスカトニック大学の代理人と会い、河船やその他の手配の確認をしている。
私は早くもこの不快をもよおす湿気の多さと暑さに額に汗を浮かべていた。
ぎらぎらと照りつける太陽。
町の周囲に広がる密林と蒸し暑い風。
ここは赤道直下に近い場所。
防暑帽が無ければ日射病で倒れてしまうわね。

アヤドラ河をさかのぼる船は二艘。
それぞれに六人ずつが分乗し、ゆっくりと河をさかのぼっていく。
アヤドラ河はアマゾン河ほどではないにせよ大きな河。
広い河幅で流れはゆったり。
河面を吹く風は涼しく、私たちは少しだけ暑さをしのぐことができた。

先頭の船には父と私とミス・マクモリスが乗り、それにライフルを持ったハリガン元少佐とフット元軍曹が危険に備えて乗り込んだ。
防暑帽にシャツとズボンという野暮ったい服装でも人目を引くオバノン博士も、女性一人で別な船に乗りたくはないとのことで、私たちの船に乗り込んでいた。
そうなると残りの船にはハンレー博士にラフェイ博士、それと四人の男子学生が乗り、荷物を二艘に振り分けての出発だった。

                     ******

河のぼりを始めた当初、私たちは楽しく過ごしていた。
ここでは見るもの全てが目新しく、私にとっては驚きの連続だったのだ。
日中の日差しは耐え難いほどのものではあったし、蒸し暑さも相当なものだったけど、それ以上に河の両岸に広がる景色は私の目を楽しませてくれた。

色とりどりの羽根を持つ奇妙な鳥が飛び、尻尾の長い猿が樹木の間を動き回る。
とても太くて長いヘビが枝から鎌首をもたげている。
大きな魚が水面を飛び跳ねる。
獰猛なワニが興味なさそうに私たちの船を眺めている。
そんな光景が一日中続いていた。

夜になっても陸に上がることは無い。
陸上は何が起こるかわからないのだ。
進める所までは船で進み、いよいよとなったら陸に上がる。
このあたりはまだ現地の人も暮らしているので、ときどき小船が行き交ったりする。
網で魚を取ったりしているのだ。
どんな魚が取れるのだろう。
どうもグロテスクな魚しか想像が付かないわ。

二日目の夕方、私たちは河辺の村に行きついた。
ここで一泊させてもらい、さらに河をさかのぼる。
ここから先は未知の世界と言ってもいいらしい。
何があるのか楽しみでもあり、少しだけ恐ろしくもあった。

父が何か村長らしき人と話している。
言い合いをしているようであまりいい感じの様子じゃない。
何かあったのかしら?

「どうかしたんですか?」
私は父のそばにいたミス・マクモリスに尋ねてみた。
「よくわからないわ。でも、最近空から来たモノたちが飛び回っているから森の奥には入らないほうがいいって言っているみたい」
「空から来たモノたち?」
何のことだろう?
「ええ、よくわからないんだけど、空から来たモノに見つかると、青い女が生まれるとか・・・」
「青い女?」
なんだかさっぱりわからないわ。

私とミス・マクモリスがひそひそ話をしていると、父がいらだたしげに話を打ち切った様子が見える。
きっとこの辺りの人たちは迷信深いんでしょうね。
大きな鳥かなんかをきっと神様の使いのようにあがめていたりするんだわ。

私たちはその晩をその村で過ごし、翌朝には船で出発した。
村人には持ってきたガラス玉やこまごましたものを渡して食料をいくらか分けてもらった。
大して価値のないものだけど、未開の彼らには物珍しいだろう。
二十世紀になってもう二十年以上経つというのに、いまだに彼らは紀元前を生きているみたいだわ。

私たちはどんどん密林の奥へと進んでいく。
河幅もじょじょに狭くなり、両側の木々の枝が河の上にまで広がってくる。
相変わらず鳥や獣の鳴き声がうるさいぐらいで、奇妙な虫もぶんぶんと飛びまわっている。
毒虫じゃないらしいけど、あまり気分のいいものじゃない。
ミス・マクモリスもオバノン博士も昆虫類は気味が悪いようだった。

「あれは何だ?」
突然空を指差すハリガン元少佐。
思わず私たちもその指差す方向に眼をやる。
すると、樹木の間から覗く空に何かが飛んでいるのが見えた。

それはなんとも奇妙なもの。
本来空を飛ぶとは思えないもの。
全身が真っ青で、四肢の先だけが真っ白に色分けされている。
紫色の頭部を持ち、背中の黄色い翅が激しく上下して宙に浮かんでいた。

「女? 女なのか? あれは?」
隣の船から双眼鏡を構えたラフェイ博士の声がする。
そう・・・
あれはどう見ても人間の女性。
青い女性が空を飛んでいるのだった。

「あんなのは見たことが無い。なんなんだ、あれは?」
「新種かも知れん。船をそっちへ」
二艘の船は青い女性に向かって進路を変える。
とはいえ、河に沿ってなので、樹木の間から見え隠れする青い女性を見失わないようにするのが精いっぱい。
「いっそのこと撃ち落しましょうか?」
ハリガン元少佐がライフルを手に、父のほうをうかがった。
「うむ。見失うよりはいいかも知れん。少佐、お願いする」
「了解した」
父のうなずきにハリガン元少佐はライフルを構えなおす。
耳をつんざく銃声がとどろき、青い女性が空中でバランスを失うのが目に入る。
さすが射撃には自信があるという元軍人さんだわ。

だが、ふらついて一度は墜落しかけた青い女性は、すぐに態勢を立て直した。
そして私たちの方を見て、私たちの存在に気が付いたらしい。
「なにっ? なんともないのか?」
「バカなっ! 手ごたえはあった!」
父もハリガン元少佐も驚いている。
ライフルの一撃を食らえば、猛獣だってただではすまない。
それなのに、あの青い女性は傷を負ったような感じが無い。
顔には大きな複眼のようなものがあり、胸はまるで蜂のお尻のように黒と黄色の縞模様になっている。
あの女性はいったい何なのだろう・・・

「くそっ」
ハリガン元少佐がボルトを操作してライフルを再装填する。
もう一度あの青い女性を撃つらしい。
だが、青い女性はピクッと頭を動かすと、何かに呼ばれでもしたかのように飛び去っていく。
ハリガン元少佐が二三発撃ちこんだものの、その姿は密林の樹木の間に消えて行ってしまった。

「いったいあれはなんだったのだ・・・」
父が小さくつぶやく。
青い女性が消え、しばらく私たちは放心状態となっていた。
あのような奇妙な生き物の存在は想像も付かなかった。
しかも、あんなに人間の女性に似た容姿をしているなんて・・・
「カメラは? 写真は撮ったのか?」
「二三枚撮りましたが、うまく写っているかどうか・・・」
「あれは人か? それとも鳥なのか?」
「私が見た感じではむしろ昆虫のような気がしましたな」
「どちらにしても大発見だ。もう少し奥へ進めばまたいるかも知れん」
父のつぶやきがきっかけになったかのように、皆がいっせいにしゃべりだす。
実際のところ私も少し興奮していた。
あれはどう見ても新種の生き物。
私たちは早くも大発見を行なうことができたのだ。

「待て! 何か聞こえないか?」
ハリガン元少佐がみなのおしゃべりを手で制する。
一瞬にして静まり返る二艘の船。
だが、何も聞こえない。
「私には何も聞こえないけど・・・」
オバノン博士が怪訝そうな顔をする。
でも、確かに変だ。
何も聞こえなさ過ぎる。
鳥や獣の鳴き声が聞こえなくなっているわ。
私がそのことを言おうとしたときだった。

ワーンという虫の羽音とも飛行機のエンジン音とも付かないような音がして、突然密林のあちこちから奇妙なものが空に飛び立ったのだ。
それは今までみたこともないほどの奇妙なもので、一番似ているものを上げろと言われれば、巨大なトンボに似ていたかもしれない。
でも、トンボとはまるっきり違うものであり、生き物かどうかすらわからなかった。
全体がピンク色がかっており、頭と思われるところにはうねうねと小さな触手のようなものが固まり生えている。
胴にあたる部分は甲殻類のような外骨格らしきものが覆い、そこからまた小さなはさみを持つ脚が五六本生えていた。
背中と思われるあたりからはコウモリの翼のような皮膜が広がっていて、ゆっくりと上下しながらそのものたちの躰を宙に浮かせている。
胴から連なる尾のようなものは、先がくるっと丸まって先になにやらトゲのようなものが付いていた。
そして、その奇妙な空飛ぶものたちは、いっせいに私たちへと向かってきたのだった。

「ば、化け物め!」
ハリガン元少佐のライフル銃が火を吹く。
隣ではフット元軍曹がギャング御用達のマシンガンを撃っている。
銃声が当たりに響き渡り、私たちの悲鳴がさらに輪をかけた。

「うわぁーっ!」
突然隣の船から一人の学生の叫び声がする。
何匹もいる奇妙なものたちの一体が、フット元軍曹の射撃も意に介さずに学生を掴みあげたのだ。
「た、助けて、助けてぇー!」
宙に吊り上げられ手足をばたばたさせる学生。
彼の名前はなんていったかしらなんて私が妙なことを考えているうちに、彼はその奇妙なものたちに取り囲まれていた。
そして、数体の奇妙なものに囲まれたまま急速に上空高く連れて行かれ、そこから密林の中へと放り投げられる。
「うわぁーーー」
だんだんと小さくなっていく彼の悲鳴に、私は背筋が凍りついた。

「いや、いやぁっ! 来ないでぇっ!」
「来るなっ!化け物め!」
悲鳴と銃声が交錯するなか、次に宙に持ち上げられたのはフット元軍曹だった。
マシンガンの弾が彼らの胴体を貫くが、彼らは痛みすら感じないらしい。
ドロッとした体液を流しつつも、フット元軍曹を吊り上げ、これまた高いところから放り出す。
フット元軍曹の断末魔の悲鳴がとどろいた。

「早く、早く船を出せ!」
父がエンジンのそばにいるハリガン元少佐に声をかける。
だが、ハリガン元少佐も彼らに応戦するので手一杯だ。
すぐにミス・マクモリスがエンジンに取り付こうとしたが、次の瞬間、彼女の躰は宙に浮いていた。
「いやぁっ!」
「コーネリアさん!」
「マクモリス君!」
私と父の声とミス・マクモリスの悲鳴が重なり合う。
ミス・マクモリスの躰は急速に空高くへと持ち上げられ、手を伸ばしてもどうしようもない。
彼女と他の二人が違ったのは、空中から彼女は放り出されることはなかった。
その代わり、彼らのうちの何体かとともに、彼女はどこかへ連れ去られて行ってしまったのだ。
もっとも、私にはそれを見ている余裕など無かった。

奇妙なものたちは私も空へと持ち上げたのだ。
背中を掴まれ、先の丸まった尾のようなものが胴に巻きつき、そのまま空へと吊り上げられる。
「ヒーッ! いやぁっ! 助けてぇっ!」
必死に手足をじたばたさせて叫び声を上げるが、どうすることもできない。
「マリアン! マリアーン!」
父が手を伸ばして叫んでいるが、その姿も急速に遠ざかる。
私の躰は密林の上空高くに持ち上げられてしまったのだ。

「た、助けて! 助けてくれ!」
私の隣では、私と同じように持ち上げられたハンレー博士がじたばたしている。
私の周囲と、ハンレー博士の周囲には奇妙なものたちが集まって、頭の部分の触手を震わせながら耳障りなワーンという音を出していた。

「うわぁーーーー」
やがてハンレー博士の躰が密林へと放り投げられる。
密林へ向かってだんだん小さくなっていくハンレー博士の姿を見て、私はふっと意識が遠くなるのを感じていた。
  1. 2009/10/30(金) 21:25:49|
  2. 改造・機械化系SS
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あうう・・・

舞の字の付くSS書きです。

またしても2chの規制に巻き込まれてしまったっす。
「エデンの門番」に目処ついたというのに・・・orz

どなたかここをご覧になっておりましたら、「おにゃ改アダルト」にお伝えを・・・


追記
スレにカキコしてくださりました方々、ありがとうございました。
  1. 2009/10/30(金) 00:18:37|
  2. ネット関連
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菊池君は西武でした

今年のドラフト指名選手が決まりましたね。

注目の花巻東高校の菊池雄星投手は、埼玉西武、阪神、東京ヤクルト、東北楽天、中日、北海道日本ハムの六球団が競合となりましたが、抽選の結果、埼玉西武が交渉権を獲得でした。

菊池君自身は十二球団どこでもOKとのことでしたので、おそらくすんなりと入団が決まるでしょう。

我がご贔屓球団の阪神は、菊池君の抽選にはずれ、法政大学の二神一人投手を指名。
大学屈指の投手とのことで、はずれたとはいえいい指名だったのではないでしょうか。
即戦力として活躍してくれることを期待します。

我が地元北海道日本ハムも、菊池君の抽選にはずれ、春日部共栄高校の中村勝投手を指名。
こちらは将来性を買っての指名でしょう。
甲子園の出場経験はないそうですが、育成が上手な日本ハムだと思いますので、将来先発陣の一角を締めてくれるようになってくれればと思います。

また北海道日本ハムは、今年もハーフの投手を指名しました。
浦添工業高校の運天 ジョン・クレイトン投手です。
ダルビッシュのようないい投手になってくれるといいですね。

巨人は長年ラブコールを送られてきたホンダの長野久義外野手を指名。
これでやっと長野選手も巨人へいけますね。

選ばれる人、選ばれない人、さまざまなドラフトですが、みんな来年がんばってくれることを期待です。
来期が楽しみですね。

それではまた。
  1. 2009/10/29(木) 21:13:50|
  2. スポーツ
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西南戦争(31)

開戦以来約半年という時を経て鹿児島市に戻ってきた薩軍残存部隊でしたが、県庁近くの米倉に篭る官軍を撃破することができず、薩軍残存部隊は城山に後退せざるを得ませんでした。

城山とは、鹿児島市の中心部にある標高107メートルの山です。
現在は国の史跡及び天然記念物に指定されており、もともとは鶴ヶ峯と呼ばれておりました。
中世に上山氏がここに城を建てたと言われ、のち島津氏によっても城が築かれました。

しかし、わずか10年ちょっとでこの城は廃城となり、以後は立ち入り禁止とされていたため、江戸期を通じてこの山は樹木の生い茂る山へとなって行ったのです。
薩軍残存部隊は、この城山に拠点を築いたのでした。

三百七十二名。
それがこの城山に篭った薩軍残存部隊のすべてでした。
そこでこの人数を約二十から三十人ほどの小隊に編成し、城山の十方面に振り分けました。

一方の官軍は、9月6日に城山の包囲体制をほぼ完了しましたが、山県参軍が9月8日に包囲防戦を主とし、攻撃を従とするという方針に決定したため、城山への攻撃は控えられ、集結する部隊で城山を完全に包囲しつくして行きました。
これは可愛岳での薩軍残存部隊の突破に懲りたためで、まさに水も漏らさぬ包囲陣を敷くことにしたのです。

官軍は続々と鹿児島へと集結しつつあり、第二、第三、第四旅団、別働第一、別動第二旅団の五個旅団に加え、警視隊など約五万名もがわずか三百七十二人を包囲したのです。
城山の周囲には、塹壕や堡塁、竹の柵までが構築され、約二週間もかけて完全なる包囲を行なったのでした。

包囲する官軍は、その間も連日城山に対して砲撃を行い、薩軍残存部隊を圧迫しました。
薩軍残存部隊は城山の一角、岩崎谷に横穴を掘り、上層部はそこで寝起きを行なうほどでした。
横穴はいくつか掘られ、西郷のいる場所を第一洞とし、桐野がいる第五洞が本営として使われました。

包囲が二週間を越えた9月20日ごろ、河野主一郎と辺見十郎太は、国家の柱石である西郷隆盛をこのままこの城山で死なせるわけにはいかないとして、官軍に西郷の助命を嘆願することを幹部連中と話し合いました。
席上、桐野利秋は今や義に殉じての死あるのみと反対しますが、残りは河野と辺見の訴えに賛同し、官軍に西郷隆盛の助命を嘆願することで決します。

9月21日、河野は西郷に面談し、西郷の助命のことは伏せたままで、官軍の元へ赴いてこのたびの挙兵の大義を説いて賊名を雪いでくることを許してくれるよう求めます。
これに対し、西郷は助命のことを知ってか知らずか、ただ無言で微笑み許可したといわれます。

9月22日、河野は山野田一輔をともに連れ、白旗を掲げて別働第一旅団に投降し、知り合いである川村純義参軍に面会を求めました。
河野は川村参軍に西郷の助命を願いますが、すでにそのときには官軍の総攻撃が決まっておりました。

9月23日、河野は官軍に捕らえられたまま、山野田のみが西郷宛の官軍よりの書を携えて城山へ戻されます。
西郷宛の書には、翌24日午前4時をもって総攻撃を行なうので、時すでに遅いのではあるが、もし西郷自らが言いたいことがあるならば、本日(23日)5時までに回答するようにとの文面がありました。
これに対し西郷は、きっぱりと回答の要無しと拒絶したといいます。

その日の夜、薩軍本営では最後の宴が行なわれたといいます。
みな飲んで歌って惜別の宴を楽しんだといいます。

明治10年(1877年)9月24日午前4時。
官軍の砲台から三発の砲声が鳴り響きました。
城山総攻撃の合図でした。

(32)へ
  1. 2009/10/28(水) 21:27:12|
  2. 西南戦争
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城島キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

今日はスポーツの話題。

えーと、もう皆様ご存知のとおり、我がご贔屓チーム阪神タイガースにシアトルマリナーズを退団されました城島健司選手が入団する運びとなりました。

城島選手は捕手として定評のある選手ですし、WBCでも日本の扇の要として重用されたことは周知のことと思います。
怪我などの問題から、今年はマリナーズでは思うような出場機会を得ることができなかったようで、日本に活躍の場を求めたということですが、正直正捕手不在の阪神としては願ったりの選手だと思います。

今年マスクをかぶった狩野選手がかわいそうな気もしないではありませんが、彼もまだ若いので、切磋琢磨して城島選手を脅かすような捕手になってほしいですね。
早くも来期が楽しみです。

また、「ドラマチック・サヨナラ賞」というのがあったんですね。
今年一番インパクトのあったサヨナラホームランに送られる賞とのことで、セ・リーグは4月25日の中日戦で代打逆転サヨナラスリーランを打った巨人の亀井選手が、パ・リーグは4月16日の楽天戦でサヨナラ満塁ホームランを打ったロッテの井口選手に送られるということです。

でも、シーズンに限らなければ、おそらくパ・リーグはあのスレッジ選手の逆転サヨナラ満塁ホームランが選ばれたんじゃないでしょうかね。

29日はドラフト会議です。
注目の菊池選手がどこに行くことになるのか、抽選の結果が気になりますね。

それではまた。
  1. 2009/10/27(火) 21:05:44|
  2. スポーツ
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今日は人妻と会ってました(笑)

仕事帰りに家にあそびに来るというので、妹(人妻)を迎えに行って家で飯を食べてました。
で、送っていって今戻ってきたところです。(笑)

なので、見事にブログ書く時間が押してしまってこの時間。
ネタも無いし困ったものです。

なので今日は途中で買ってきたマンガのことぐらい。

「ブラックラグーン」9巻
暴れまくるロベルタ編の最終巻。
どうなっているのか楽しみです。

「涼宮ハルヒの憂鬱」10巻
ツガノガク版ハルヒの新刊です。
私は原作小説は読んでいなくて、ハルヒについてはアニメとこのマンガでしか知りません。
来年には「消失」が劇場映画になるんですねー。

「ちいちゃんのおしながき」6巻
大井昌和氏の四コママンガです。
小料理屋を切り盛りする小学生の女の子という、わけわからん設定ですが、楽しい四コマで好きなマンガです。
多分今回もちいちゃんとそのほかの人々との楽しい話がいっぱいなはず。

と、まあ、今日はこんなところで。

それではまた。
  1. 2009/10/26(月) 22:29:33|
  2. 日常
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10月26日のココロ日記(BlogPet)

舞方雅人さんと1分でも1秒でも一緒にいたいのに……

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/10/26(月) 10:44:24|
  2. ココロの日記
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バケツ

1930年代、ドイツではアドルフ・ヒトラーが政権を取り、ドイツの首相となりました。

ヒトラーは、政権の公約として国民誰もが手に入れやすい“国民車”を開発するという構想を掲げておりましたが、その国民車構想をフェルディナント・ポルシェ博士と推し進め、完成させたのが「フォルクスワーゲン・タイプ1」でした。

いうまでもなく「フォルクスワーゲン」とは、国民車という意味であり、タイプ1は皆様もご存知のあの“ビートル”の愛称で知られる丸っこい自動車でした。

1938年、ドイツ陸軍は手軽な軍用自動車として、フォルクスワーゲン・タイプ1をベースにした小型軍用車の開発を命じます。
重量を抑え、オープントップで大量生産が容易な車両と言う要求に基づき、ポルシェ設計局はシンプルで生産性の高い小型自動車を開発します。
それが、「フォルクスワーゲン・タイプ62」でした。

タイプ62はすぐに陸軍の試験に回され、その結果いくつかの改良を経て「フォルクスワーゲン・タイプ82」として正式に採用されます。


このフォルクスワーゲン・タイプ82は、バケットシートを持つことからバケットシート車と呼ばれ、いつしかバケツ車と呼ばれるようになりました。
このバケツ車というのをドイツ語で表したのが「キューベルワーゲン」です。

もっとも、これにはいくつかの異説もあり、ボディが鉄板のプレス加工でバケツのように作られるからだとか、バケツのようにいろいろなものを入れることができ身近であるからとかという説もあります。

ともあれ、フォルクスワーゲン・タイプ82は、キューベルワーゲンと呼ばれ、ドイツ軍には無くてはならない小型軍用車両となりました。
量産開始が1940年なので、ポーランド戦や西方電撃戦には姿を見せませんが、以後の東部戦線やアフリカ戦線では縦横無尽に走り回る姿があちこちで見られるようになりました。

エンジンに空冷エンジンを備えているために冷却水の心配がなく、凍結や熱暑でも問題無く走れるので非常に使い勝手のよい車両であり、重量も1トンを切るほどの軽さなので、少々のことなら人間の手で押し出すことも簡単でした。

よく戦争映画などでも見かけられ、ドイツ軍版ジープのような扱いをされているので、ジープのイメージが強いせいか四輪駆動と思われがちなのですが、ベースとなったフォルクスワーゲン・タイプ1と同様にリアエンジン・リアドライブなので、四輪駆動ではありません。
ですが、車体の軽さとエンジンが後ろにあることで後輪が地面をしっかりと掴むことができたため、走破性はよかったようです。

1945年の終戦までに約52000両が作られ、まさにドイツ軍を代表する軍用車両でありました。

連絡や捜索、日常の足として、戦場を走り回ったキューベルワーゲン。
ドイツ兵には付き物の車両として、今後も長く語られる車両かもしれませんね。

それではまた。
  1. 2009/10/25(日) 20:58:08|
  2. 趣味
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日本シリーズ出場チーム決定

セ・パ両リーグの日本シリーズ出場チームが、今日両方とも決まりました。

セ・リーグは読売巨人。
原監督率いる巨人が中日を下して日本シリーズ進出です。
やはり巨人は強かったですね。

なんだかんだと言っても原監督は巨人をいいチームにまとめました。
強いです。
セ・リーグシーズン三連覇はだてじゃないですね。

一方、パ・リーグは北海道日本ハム。
勢いのある楽天を制しての日本シリーズ進出となりました。

今回のクライマックスシリーズは打線がつながりましたね。
やはり初戦のあのマンガのような逆転満塁サヨナラホームランがすべてだったのではないでしょうか。

それにしても楽天は手ごわかった。
来期また強敵になりそうですね。

試合終了後の野村監督への両チームの選手による胴上げは見ていて気持ちがよかったですね。
野村監督、いろいろありましたがお疲れ様でした。

今日はずっとTVで野球観戦の日でした。
それではまた。
  1. 2009/10/24(土) 21:49:29|
  2. スポーツ
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肝心の吸血鬼モノが~

今日はTRPG「クトゥルフの呼び声」のシナリオ集のご紹介。
ちょっと異色のシナリオ集「13の恐怖」です。

13.gif
こちらが表紙

この「13の恐怖」は、「クトゥルフの呼び声」システムで行なうTRPGのシナリオ13本を収めたシナリオ集なのですが、ちょっと変わっているところがありまして、実はこのシナリオ集はH・P・ラブクラフトの世界を楽しむためのシナリオ集ではないのです。

では、何を楽しむためのシナリオ集なのか?

実はこれは、よくあるホラー映画の世界を楽しむためのシナリオ集なのです。
そのため、13本のシナリオの題材は、それぞれ皆さんもよく知っている映画のモンスターが題材となっております。

一例を挙げますと、シナリオの一つ「アンクルティモシーの遺言」は、幽霊が取り付いた家、いわゆる幽霊屋敷がモチーフですし、「ミイラの花嫁」は文字通りエジプトのミイラがモチーフとなっています。

ほかにも吸血鬼やゾンビ、映画「ハロウィン」にでてきたような殺人カカシ、さらにはオペラ座の怪人のようなモチーフもあります。

もちろん、元ネタを知ってしまうと、プレイヤーもなーんだってことになるので、そこはなるべく元ネタが後半までわからないほうがいいでしょう。
でも、うまいゲームマスター(キーパー)であれば、きっと映画の中の登場人物の恐怖(もしくは楽しさ)を味わうことができるかもしれません。

13のシナリオの中には、結構いいものもあるのですが、私が個人的に残念だったのは、吸血鬼をモチーフにしたシナリオ「血の誓い」でした。

せっかくの吸血鬼ネタなのに、出てくるのがむさくるしいギャングの野郎ばかり。
シナリオ作った方に、なぜ美人の襲われるキャラを出さなかったのか、小一時間問い詰めたくなりました。(笑)

まあ、それはともかく、超自然的なクトゥルフの神話的存在を相手にするのもいいですが、よく知られている映画的モンスターを相手にするのもいいものですよ。

それではまた。
  1. 2009/10/23(金) 21:34:04|
  2. TRPG系
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天の涯まで

昨日の北海道日本ハムと東北楽天の試合はすごかったですね。
スレッジ選手の逆転満塁サヨナラホームランともうまさに漫画の一コマかというシーンでした。
この流れでシリーズを制してほしいものですね。

さて、先日ウォーゲームのSNSでネタに出ていたのですが、皇帝ナポレオンの率いるフランス(同盟国)軍の元帥にユーゼフ・ポニャトフスキという方がおられました。

オーストリア、プロイセン、ロシアと三方を強国に囲まれ、ついに国家としての体を失ってしまうポーランド。
そのポーランドの人間としてポーランド復活を願い、欧州を席巻したナポレオンの配下としてポーランド(人)軍団を率いてフランス軍の一翼を担った人です。

そのユーゼフ・ポニャトフスキ公を扱ったのが、池田理代子さんのマンガ「天の涯まで」です。

天の涯まで
こちらがその愛蔵版の表紙。

マンガですのでいくつかの脚色はありますが、当時のポーランドの状況やナポレオン戦争に絡む描写などこのあたりの歴史が好きな方にはお薦めのマンガです。

それにしても池田理代子さんは歴史モノが得意なんだなぁ。

すみません。
今日はこれにて。

それではまた。
  1. 2009/10/22(木) 21:34:30|
  2. 本&マンガなど
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水上もOK

第一次大戦後の軍縮や世界恐慌の中、列強各国陸軍はコストの安い豆戦車を配備して軍の機械化を図ろうといたしました。
そんな中でもてはやされたのが、機関銃一丁を装甲車体に搭載したカーデン・ロイド社の豆戦車でした。

カーデン・ロイド社はこの豆戦車系列を何種類か作りますが、そのうちの一つに水陸両用型のD-12というタイプがありました。
主に渡河や沼沢地のような地形で使うためのもので、箱型の車体に機関銃を搭載した銃塔を搭載しておりました。

第一次大戦中のロシア革命によって成立したソ連は、内戦によって疲弊した国力を1920年代いっぱいかけて回復させてきました。
そして当然のごとく軍の強化の一環として機械化を進めていくことになりますが、そのときに目に付いたのがこのカーデン・ロイド系列の豆戦車でした。
そこでソ連はカーデン・ロイド社に二種類の豆戦車を発注しますが、そのうちの一種がこの水陸両用タイプのD-12でした。

D-12は1931年に八輌が購入され、すぐに実用試験と国内生産に向けたデータの収集が行なわれます。
そして早くも翌年の1932年には、ほぼ丸ごとD-12をコピーしたT-33水陸両用戦車が作られました。

これはD-12自体がフォードのトラック用エンジンを流用しているなど生産しやすいものであったうえ、そのフォードのエンジンをソ連でもライセンス生産していたので、一からエンジンを作ったりする必要がなかったからでした。

完成したT-33はすぐに実用試験に供されましたが、残念なことにここで不都合が生じてしまいます。
D-12を模した足回りが河岸などの軟弱な地盤ではうまく機能しないことがわかったのです。
また、操縦手と銃手が前後に並ぶ形の車内配置も操作がしづらいということが判明しました。
これはもともとのD-12でも同様の不都合だったと思うのですが、当時のソ連はT-33を作るまで気が付かなかったのでしょうか。

そこでN・A・アストロフ技師はこの欠点を改良するため、足回りをリーフスプリングからコイルスプリングに変え、銃塔の位置も変更して操縦手と銃手が並列に並ぶようにしました。
こうして改良されたT-33は、T-37として正式に採用されました。

その後すぐに水上での安定性を増すために、車体を延長したT-37Aが作られ、以後こちらが量産されていきます。

T-37はD-12と同じようには小型の車体を持ち、車体の左右にフロート用にバルサ材をトタン板で覆ったものをフェンダーとして取り付け、車体の後ろにはスクリューと舵が付いておりました。
波のある海上などでは無理でしたでしょうが、沼や湖、穏やかな流れの川などでは充分に水上航行が可能でした。

ただ、装甲厚は薄く、最大でも10ミリに満たないものでしたし、武装も銃塔に一丁の機関銃だけでしたので、第二次世界大戦ではそれほどの戦力とはなりえませんでした。
フィンランドとの冬戦争でも、日本/満州国とのノモンハン事件でも、その水上航行能力を活かして敵の後方に回り込むなど活躍もしたようですが、反面装甲の薄さや武装の貧弱さで損害も多かったようです。

それでもT-37/T-37Aは2600輌ほども製造され、ソ連軍の機械化に貢献いたしました。
この数は、当時世界で一番量産された水陸両用戦車だったということです。

それではまた。
  1. 2009/10/21(水) 21:21:21|
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どの部隊をどうするのかが難しい

来月からいよいよ司馬遼太郎先生の書かれました「坂の上の雲」がNHKでドラマ放映されますね。
今からあの作品がどう映像化されるのか、楽しみなところであります。

「坂の上の雲」が扱っているのは「日露戦争」です。
明治になって近代化した日本が大陸に手を伸ばし、同じく膨張政策を採っていたロシアと衝突。
1904年についに戦争という形になってしまうわけですが、その「日露戦争」をゲームとして扱ったのがこちらでした。

日露
エポック社で出版された「日露戦争」です。

「日露戦争」を取り扱ったゲームは外国製のがいくつかあったのですが、このゲームが出た当時、国産で「日露戦争」を扱ったのはこのゲームが最初だったと思います。
初めて出たのが、1981年ごろだったでしょうか。
日本でもウォーゲームがブームとなったころでした。

このゲーム、実は私はそれほどやりこんだゲームではありません。
プレイ回数も片手で数えられるぐらいではないでしょうか。
でも、多くの人にプレイされたゲームであり、今もって魅力あるゲームとして語り継がれているゲームだと思います。

ルールはそれほど難しいものではありません。
基本的に移動して戦闘して再編成してという手順を両軍で繰り返すだけ。
ただ、ルールは難しくなくても、勝利のためのプレイはなかなか難しいというのが当時から今に至るも言われるゲームです。

このゲームは最初に盤上に配置される部隊は結構少ないのです。
そこで日本軍ロシア軍双方ともに本国から部隊を盤上に増援として送ってやらなくてはなりません。
その増援はポイントで表され、そのターンのポイントを使って部隊を購入していくのです。

たとえば、日本軍の二ターン目のポイントは16ポイントです。
その16ポイントをどう振り分けるかは、プレイヤー次第なのです。
最強の9-8(戦闘力-移動力)部隊は4ポイント必要です。
4-8部隊ならば2ポイントですみます。
足の速い騎兵部隊2-10も2ポイントですが、こちらは数が全部で三つしかありません。

これをどう振り分けるかで、盤上に現れる部隊数は変わるのです。
9-8を4つ登場させるのか、9-8を2つに4-8を4つ登場させるのか、はたまた部隊の損耗を回復させるためにポイントをいくらか取っておくのか。
これによって盤上の戦況は変わります。

ロシア軍も同様に増援をポイントで購入して登場させてきます。
さらにこのポイントはイベントによって減少します。
日本軍は、ロシアのウラジオストック艦隊や旅順艦隊によって輸送船が沈められ、ポイントが減ってしまうかもしれません。
ロシア軍は、日本の明石大佐がロシア本国で行なっていた妨害工作が成功し、本国からのポイントを減らしてしまうかもしれません。

こういったさまざまな要素が絡み、なかなか勝利するのは難しいといわれるのでしょう。
だからこそ今でも人気があるゲームなんだと思います。

ただし、古いゲームであるがゆえか、ルールが少々不明瞭な部分があるようです。
対戦前にはお互いにルール確認が必要なようです。

この箱入りのエポック社から出たバージョンはとっくに絶版であり、その後国際通信社がコマンドマガジンの付録として再販しましたがそちらも絶版。
ですが、11月末の「坂の上の雲」放映にあわせるかのように、国際通信社から再び再販されるようです。
もし、興味をもたれる方がおりましたら、お手に取られてみるのもいいかもしれません。
「これがウォーゲームというものなのか」とお一人でも興味を持っていただければ、記事を書いた身としてはすごくうれしいことです。

それではまた。
  1. 2009/10/20(火) 21:09:41|
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マサチューセッツ州アーカム

先日掲載いたしましたSS「トマト」の中に、その舞台がどこなのかということを暗示するつもりで、“アーカム・ガゼット紙”という新聞社を出しました。

ご存知の方やニヤッとしてくださった方がいたかどうかわかりませんが、コメントなどで突っ込みを入れてくださった方がいなかったのがちょっと残念。(笑)

“アーカム・ガゼット紙”は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州アーカムという小さな町(市)にある新聞社の一つでして、もちろん架空の町(市)の架空の新聞社です。

アーカムという町(市)は、ハワード・P・ラブクラフトという作家が書かれました一連の「クトゥルフ」小説のシリーズ(「クトゥルフ神話」とは言いたくないですね。彼の書いた時点ではまだ神話とはなっていませんでしたので)において、重要な舞台となる小規模な町(市)であります。

この町(市)がなぜ重要なのか?
それはもう、この町(市)にはあの魔道書「ネクロノミコン」(架空の書)を所蔵した図書館を持つミスカトニック大学(架空の大学)があり、「クトゥルフ」の世界における闇の世界とのつながりとなる場所だからにほかなりません。
今回私も、その架空の町(市)アーカムをイメージして「トマト」を書かせていただきました。

私は今でもときどきTRPGを行いますが、TRPGの中に「クトゥルフ」世界を楽しむホラーTRPG「クトゥルフの呼び声」シリーズがあります。
かつてはホビージャパン社からいくつかのサプリメント(ゲーム資料集)が日本語版として出され、現在でもエンターブレイン社から再販されたりしています。

そのサプリメントの中に、この架空の町(市)アーカムをゲーム背景として設定した「アーカムのすべて」というサプリメントがありました。
アーカム

このサプリメントは、アーカム市で起きた事件のシナリオやアーカム市の地図、アーカム・アドヴァタイザー紙一部、それにアーカム市を網羅した資料が入っておりまして、まさにアーカムを舞台としてゲームが行なえるようになっておりました。

資料の中には市役所やデパート、商店などの概略や、そこに勤務する人々、またいかにも怪しい人物や怪しい場所などが書いてあり、ちょっと想像を膨らませるだけで、いくつもシナリオを作れるようになっているのです。

私も「クトゥルフの呼び声」のキーパーは何度もやったことがあり、このサプリメントは大いに活用させていただいたものでした。
今回「トマト」を書いたことで、久しぶりに見返してみましたけど、これを作るのは大変だっただろうなぁと今でも思います。
アーカムはいい町(市)ですよー。(笑)

それではまた。

PS:モリシ様、悪堕ちキッド様、拍手コメントありがとうございました。
  1. 2009/10/19(月) 21:13:04|
  2. TRPG系
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10月19日のココロ日記(BlogPet)

舞方雅人さんが好きな物は延岡っていうんですけど、そんなの売ってないですよぅ……

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/10/19(月) 10:42:12|
  2. ココロの日記
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初戦勝利

今日はウォーゲームのネタを少し。

舞方はネットを使ってウォーゲームの通信対戦をときどき行っておりますが、主に対戦しているのがVASLという対戦ソフトを使ってのASL-SK(アドバンスドスコードリーダー スターターキット)の対戦です。

現在オリジナルのASLでは、参加者を募ってリーグ戦が行なわれております。
こちらも盛況で多くの対戦が行われておりますが、今回スターターキットシステムでもリーグ戦が行なわれることになりました。

aslsk1-cover.jpg
今回のリーグ戦には六名の方が参加いたしまして、私も今回その中に名を連ねさせていただきました。

リーグ戦は三名ずつを二グループに分け、グループ内で四戦、グループ外と四戦の計八戦を行ないます。
ベースとなるシナリオは、この箱絵のSK#1ルールのみで行われる歩兵戦闘オンリーのシナリオで、S2、S3、S4、S7、の四つのシナリオを陣営入れ替えで計八戦となります。

昨日、早速そのリーグ戦の第一戦目を行ないました。
お相手はiriyak様で、シナリオはS4「Welcome Back」です。
攻撃側の独軍をiriyak様、防御側の米軍を私が担当しました。

1944年12月のルクセンブルク。
町に篭る米軍守備隊を独軍が突破しようとします。
米軍守備隊は重機関銃や火炎放射器などがあるものの、実体はエリート降下兵や二線級部隊が入り混じる雑多な寄せ集め。
その兵力も八個分隊と多くはありません。

一方独軍は十五個分隊相当の兵力を五人の指揮官が率い、中機関銃も二丁と約倍の兵力です。
このうち五個分隊相当を盤外突破させれば勝利です。

結果から言うと突破はならず、米軍の勝利となりました。
初戦を勝たせていただきました。
米軍の打ち手は決して褒められたものではなかったのですが、今回はダイスの目がとてもよく、打ち手のミスを補って余りありました。
火炎放射器も活躍し、独軍兵力を削ることができました。
独軍は射撃戦を挑んでしまい、うまく前進できませんでした。

まずは一勝させていただきました。
これから残り七戦、楽しんでいきたいと思います。
まずは勝ち越しを狙うぞ。

それではまた。
  1. 2009/10/18(日) 21:02:49|
  2. ウォーゲーム
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トマト

久しぶりにSSを書きました。

久しぶりに書いたら、なんか変なSSになってしまいました。(笑)
うーん・・・楽しんでいただけますでしょうか?
よろしければごらんくださいませー。


アタック オブ ザ キラートマトに敬意を表し・・・

「おーい、リンダ」
私はオバノン報道部長の声に顔を上げる。
いつも苦虫を噛み潰したようなオバノン部長は、すぐに行動しないと機嫌が悪い。
私は飲みかけのコーヒーを置いて、すぐに部長の下へ駆け寄った。
「お呼びですか? 部長」
「ああ、今、手は空いてるか?」
空いていなくても空いているという返事以外に聞きたくないくせに・・・
「ハイ、空いてますけど」
私としてはそう言うしかない。
願わくばあまり手間のかからないことを言いつけられますように・・・

「郊外にあるモーリンデン農場とやらで近隣住民とトラブルになっているらしい。なんでも家が壊されているとかでネタになりそうだ。すぐに取材に行ってくれ」
「・・・ハイ、わかりました」
内心でエーッと叫び声をあげたいのを我慢し、私はそう答える。
はあ・・・やれやれだわ。
「写真屋にジョナサンを連れて行っていいぞ。車も社のを使っていい」
「ありがとうございます」
私は部長に頭を下げ、すぐに机からカバンを取る。
そして先ほど帰ってきたばかりのジョナサンに声をかけた。

「ジョナサン、悪いけどまた取材よ。いっしょに来て」
「うえ? 俺、今帰ってきたばかりっすよ」
ホットドッグをパクつきながら驚いているジョナサン。
「仕方ないでしょ。オバノン部長の命令なんだから」
私も思わず苦笑する。
私の机の上に散らかった書きかけの記事に眼をやり、ジョナサンも肩をすくめた。
「やれやれ・・・仕方ない、行きますか」
私はカメラケースを抱えた彼を従え、“アーカム・ガゼット”の社屋をあとにした。

「で、どこに行くんです?」
社用のピックアップを運転するジョナサン。
まだ若い彼だけど、カメラの腕は一流。
でも運転はちょっと二流かな。
「町外れにあるモーリンデン農場よ。何でも近隣住民とトラブルになっているとか」
私は窓を開け、少しでも涼しい風を取り入れる。
「なんですか? またウシの臭いがいやだとかそんなんじゃ?」
「農場だからウシじゃないとは思うけどね」
私は窓から入る風に髪をなびかせ、つかの間のドライブを楽しんだ。

                      ******

「えっ? 何あれ?」
モーリンデン農場に着いた私は目を疑った。
農場の入り口の柵は壊れ、赤い服を着た男女がなにやら作業をしている。
奥にある倉庫の前には、何か赤いものがうず高く積まれ、そちらでも赤い服の男女がうろついていた。
「なんですか、あれ?」
「わからないわ。もう少し近づいてみましょ」
私はジョナサンにピックアップを近づけるよう指示し、農場の母屋の近くまで進んでいく。
農場の人たちはみな一様に赤い服を着て、なにやらせこせこと動いていた。

「ああ、何かと思ったらトマトなのね。ここはトマトを作っているんだわ」
母屋に近づくにつれ、積まれた赤いものの正体が判明する。
真っ赤に色づいたトマトだったのだ。
それにしてもすごい量。
きっとケチャップとかの加工用なんでしょうね。
私はあんまりトマトが得意じゃないから、これだけ積まれているとなんだか恐ろしさを感じちゃうわ。

ピックアップを母屋の前に止めた私たちは、車を降りて話しかけた。
「すみません。アーカム・ガゼット紙のリンダ・ウェイトリーといいます。農場主の方はいらっしゃいませんか? 取材させていただきたいんですが」
でも、誰も反応してくれない。
みんなトマトを大事そうに持って、一個一個丁寧に倉庫の前に積んでいる。
トマトってそんなふうに収穫するの?
大変だわぁ。

「あの、すみません」
私は男性の一人を呼び止める。
男は私をギロッとにらむと、すぐに手にしたトマトに目を向けた。
「すみません。農場主の方は?」
「お前さんもトマトに奉仕するがいい・・・」
「はあ?」
私は思わず聞き返す。
この人は何を言っているのだろう?
「トマトに奉仕するのだ。トマトのしもべとなるのだ」
そう言って男性は私をすり抜けるようにして倉庫のほうへ行ってしまう。
私は首を傾げるしかなかった。

「どうします? こいつらなんだか変ですよ」
ジョナサンも周囲の人間が奇妙に感じるようだ。
おそらくこの奇妙さが近隣とのトラブルになっているのかもしれないわね。
「仕方ないわ、母屋に行ってみましょうか・・・」
私とジョナサンが母屋に足を向けたとき、突然銃声が響く。
思わず私とジョナサンは顔を見合わせた。
「銃声ですね」
「行きましょう」
私は銃声のしたほうに向かって走り出していた。

                     ******

「いやー! ママーッ!」
「貴様ら! 妻から離れろ!」
私とジョナサンがたどり着いたのは、広いトマト畑に隣接した隣の家だった。
見ると、赤い服を着た一団が玄関先に固まり、隣家の主人と思われる男性が狩猟用のライフルを一団に向けて構えている。
その脇には白い服を着た少女が一人いて、泣いているようだった。

「何があったんでしょう?」
「わからないわ。でも、これがトラブルらしいわね。とりあえず写真をお願い」
私はジョナサンに写真の手配を頼むと、話を聞こうと前に出た。

「エミリー、早くこっちへ!」
威嚇するように銃を構えている男性。
すると、赤い服の集団から一人の女性がふらふらと男のほうへと近づいていく。
「ママ」
白い服の少女が彼女に抱きつき、銃を構えた男性が二人をカバーする。
やっぱりこの家のご主人と奥さん、娘さんのようだわ。

「すみません」
私はなるべく刺激しないように声をかける。
「アーカム・ガゼット紙のリンダ・ウェイトリーです。何があったんですか?」
「どうもこうもない。こいつらいかれてやがるんだ。トマト畑を広げるから家を取り壊すって・・・」
銃を構えたご主人が横目で私の方を見る。
その後ろには口元を赤くした女性が少女を抱きしめていた。
「ママ、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。ちょっとトマトを無理やり食べさせられただけ」
エプロンからハンカチを取って口を拭う彼女。
どうやら怪我とかはしていないようね。

私はどうして隣家を壊すようなことになったのか、農場の人たちに聞こうと思った。
農場の人たちはみな赤い服を着て、手に手にトマトを持っている。
そして不気味な笑みを浮かべ、無言で立ち尽くしていた。

何、この人たち?
私は背筋がぞっとした。
まるで何か得体の知れないものを見ているかのよう。
話が通じるかどうか怪しく感じてしまう。

「ここは俺の家だ。農場へ帰れ! 二度と近づくんじゃない!」
ライフルを向けるご主人に対し、赤い服の一団が笑みを浮かべたままトマトを差し出してくる。
「お前もトマトを食べなさい。そうすればすぐにトマトのすばらしさがわかる。トマトに奉仕するのだ」
口々にそういいながらゆっくりと近づいていく赤い服の一団。
奥さんはおびえてしまったのか家の中に入ってしまう。
でも、子供を外に置いたままってのはどうなの?

再び銃声が響く。
ライフルを持ったご主人が、空に向かって銃を撃ったのだ。
威嚇の意味だが、少しは効いたようで、赤い服の一団の足が止まる。
家の中からはまた奥さんが出てきて、少女の脇を通り抜け・・・
通り抜け?

「ぐわぁっ! エ、エミリー・・・」
「いやぁっ! パパーッ!!」
血しぶきが飛び散り、少女の悲鳴があたりに響く。
私は目を疑った。
あの奥さんが、ナイフで夫の背中を刺したのだ。
どうして?
いったいどうしてなの?
いったいここで何が起こっているの?

「うふふふ・・・私はもうトマトの虜なの。トマトに奉仕するのよ。トマトを広めなくてはならないの。それを邪魔する者は許さないわ・・・」
口元に笑みを浮かべ、血の滴るナイフを握り締めている奥さん。
その表情が赤い服の一団と同じであることに私は気が付いた。

「いやぁっ! パパーッ! パパーッ!」
動かなくなった父親にすがりつく少女。
私は目の前で起こったことが信じられない。
隣ではジョナサンも唖然としたままでシャッターを切っている。
何が何だかわからない・・・

「うふふふ・・・キャシー、あなたもトマトを食べなさい。美味しいわよ」
母親の言葉に少女が振り返ったとき、赤い服の一団がいっせいに動き出す。
「いやぁっ!」
「いやっ、やめてぇっ!」
「うわぁっ! は、放せぇっ!!」
遅かった・・・
とっととこの場から逃げ出すべきだったのだ。
私は必死に抵抗するが、赤い服の一団に手足を押さえつけられてしまう。
見ると、少女もジョナサンも手足を押さえつけられ、身動きが取れないようにされていた。

「は、放しなさい。お願い、放してぇ!」
「くそっ、お前らどういうつもりだ!」
私とジョナサンは必死に逃げ出そうとするものの、両手両脚を掴まれて身動きが取れない。
いったい私たちをどうしようというの?

「いやぁっ! トマトいやぁっ!」
押さえつけられた少女の口元に真っ赤なトマトが寄せられる。
少女は歯を食いしばって首を振り、何とかトマトを口にしないようにしているが、まわりの赤い服の連中が無理やり口をこじ開ける。
「やめなさい! 嫌がっているじゃないの!」
私は何とかやめさせようとしたものの、少女の口にトマトがつぶれるのもかまわずにねじ込まれる。
「がふっ、ぐほ・・・」
少女は必死に抵抗していたが、鼻をつままれたり無理やり押し込められたりして、ついにその喉がごくりとトマトを飲み込んでしまった。

「ゲホッ、ゲホ・・・」
少しの間むせていた少女だったが、しばらくすると落ち着いたように呼吸が整う。
すると驚いたことに、少女は自ら手を伸ばしてトマトを受け取ったのだ。
「うふふ・・・」
笑みを浮かべてトマトをかじり舌なめずりをする少女。
先ほどまで嫌がっていた様子は微塵もない。

「うふふふ・・・美味しいでしょ、トマト」
自らもトマトを口にしながら母親が少女に話しかける。
「ええ・・・とても美味しいわ。うふふふ・・・私はもうトマトの虜。トマトに奉仕いたします。トマトを世界に広めます」
少女の笑みは赤い服の一団と同じだった。
少女も彼らの仲間になってしまったのだ。

「さあ、この家を破壊しましょう。トマト畑を広げるのにこの家は邪魔だわ。この家を壊しトマトの苗を植えるの。ここはトマト畑になるのよ」
少女がうれしそうにそう言う。
もはや少女にとってこの家は邪魔な存在なのだ。
いろいろと思い出もあるはずの家なのに・・・

「ええ、そうしましょう。この家を破壊してトマト畑にするの。でも、その前に・・・」
少女の母親が私を見る。
私は背筋が凍りついた。
いやだ・・・
いやだ・・・
あのトマトを食べるのはいやだ!
いやよぉ!

私は必死になって暴れたけど、赤い服の一団が私を押さえつけて身動きが取れない。
歯を食いしばって首を振る私の前に、あの少女がやってくる。
「お姉ちゃん、トマト、美味しいよ」
私の口にトマトが押し付けられた。

                      ******

「うふふ・・・美味しい」
私はトマトを一口かじる。
みずみずしい果肉とゼリーが口の中に広がって、えも言われぬ幸せを私に与えてくれる。
ああ・・・
なんて幸せなのかしら。
トマトは最高の植物。
私はトマトの虜。
身も心もトマトのしもべなの。
トマトに奉仕しなくてはならないわ。

私の隣では、赤いシャツを着たジョナサンが、トマトをかじりながらピックアップを運転している。
ピックアップの荷台には農場から持ってきたトマトがいっぱい。
早く会社に戻ってみんなにトマトを食べさせなくちゃ。
きっとすぐにみんなもトマトの虜になるわ。
そうしたら町を壊してトマト畑にするの。
今にトマトがこの国中に・・・ううん、世界中に広まるわ。
なんてすばらしいのかしら。
私たちはトマトのしもべ。
トマトに奉仕するために生きるのよ。
私は途中で買った赤いワンピースに身を包み、窓からの風に髪をなびかせながらトマトをまた一口かじって舌なめずりをする。
ああ・・・美味しいわぁ・・・

END


いかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけましたらうれしいです。
  1. 2009/10/17(土) 19:32:19|
  2. 洗脳・戦闘員化系SS
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始まりましたね

今日はつらつらと・・・

がん検診行ってきました。
胃がん&大腸がん。
大腸がんはまあ、便の提出のみなんですが、胃がんの検診はやっぱり大変ですよね。
バリウム飲んでレントゲン台に乗ってぐりんぐりん振り回されて・・・
バリウムも美味しい味付けしてありますけど、飲まなくていいものなら飲みたくないですよねー。(笑)

結果は郵送されてくるとのことですが、なんともなければいいなぁ。
病気にはなりたくないですからね。

さて、今日からクライマックスシリーズが始まりましたね。
まずはパ・リーグの楽天対ソフトバンク。
明日からは中日対ヤクルトも始まります。

楽天はこのところの野村監督のどたばたが影響しなければいいなと思いましたが、まずは初戦をものにしましたね。
ソフトバンクは杉内が誤算でしたね。

日本ハムはダルビッシュ投手が気がかりですね。
肩や腰が本調子ではないとのことで、クライマックスシリーズどころか勝ち残ったとしての日本シリーズも難しそうです。
個人的には無理はしてほしくないので、今年の残りは静養に充てて欲しいという気もしますけどね。

巨人もなにやらグライシンガーがよくないようで、もしかしたらシーズン一位はどっちも敗退しちゃうのかなとか思っちゃいます。

阪神はクライマックスシリーズとは関係なく、早くもオフの話題を独占しつつありますね。(苦笑)
今岡選手の今後も気になりますが、林選手や福原投手もトレード要員にしての早くもトレード合戦が始まりそうです。
補強補強と大号令がかかったようで、メジャーの城島選手までもターゲットだとか。

毎年のことですが、阪神はオフの主役を握って離しませんですねぇ。

今日はこんなところで。
それではまた。

PS:悪堕ちキッド様
いつも拍手&拍手コメントありがとうございます。
すごくうれしいです。
これからもよろしくお願いいたします。
  1. 2009/10/16(金) 21:13:42|
  2. 日常
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あっという間にパンターが・・・

ドイツとの戦争を目前に控えていた1940年、ソ連は現行の対戦車砲である45ミリ対戦車砲よりも強力な対戦車砲の開発を命じました。
当時ソ連では、良好な傾斜装甲を持つT-34/76や、重厚な装甲を誇るKV-1などの戦車を装備し始めており、相手国であるドイツでも当然そういった装甲厚の厚い戦車を持っていたり開発していたりしているだろうと考えたのです。
そのため、現行の45ミリ対戦車砲では威力不足となることが予想され、より大口径の対戦車砲を開発しようとしたのでした。

当初、開発は107ミリだとか95ミリだとかのような本当に大口径の対戦車砲が考えられましたが、第92工場の主任設計技師グラービンは、動く目標である戦車に対抗するには、対戦車砲自体も操砲性能が重要であると考え、取り回しのしやすい中口径の対戦車砲を設計します。

グラービンが設計した対戦車砲は、76ミリ野砲をベースにした口径57ミリの対戦車砲で、76ミリ野砲の薬莢に57ミリ弾頭をつけたものを撃ち出すようになっておりました。
また、砲架や駐退機構など野砲から流用できるものは流用し、コストと開発時間を短縮しました。

そのおかげで開発はスムーズにいき、1940年のうちに試験までを終えることができました。
翌1941年には正式採用とされ、57ミリ対戦車砲ZIS-2となりました。

57ミリ対戦車砲ZIS-2は、その年に始まった独ソ戦にただちに投入され、ドイツ軍戦車に対して強力な破壊力を振るいます。
それもそのはず、重装甲戦車を撃破するために作られたZIS-2は500メートル離れた垂直の100ミリ装甲板を撃ち抜くことができる対戦車砲であり、当時のドイツにはそんな重装甲の戦車などなかったのです。
(ちなみにティーガーⅠの車体正面の装甲厚が100ミリです)

ZIS-2は確かに優れた対戦車砲でしたが、この当時のドイツ軍相手にはオーバースペックでした。
しかも69.3口径長という長い砲身は、製造に多額のコストがかかるものでした。
76ミリ野砲がドイツ軍戦車を簡単に撃破できた当時、製造コストがバカ高い対戦車砲を作る理由はなかったのです。

ZIS-2は製造が取りやめになりました。
わずか371門しか作られませんでした。

しかし、独ソ戦は容赦ない戦車の発展を促しました。
1943年になると、戦場にはドイツ軍の猛獣たちが現れます。
重装甲のティーガーⅠや、傾斜装甲を取り入れたパンターの装甲は、ソ連軍の76ミリ野砲や45ミリ対戦車砲ではなかなか撃ち抜けません。
ZIS-2の出番がやってきたのです。

ソ連はZIS-2の生産を再開しました。
生産が再開されたZIS-2は、その持ち前の貫徹力でドイツ軍を苦しめます。
終戦までに約1万門が生産され、戦後も長いこと使われました。

先日対戦したASL-SKのシナリオS26にもこの砲が登場し、突然林の中から現れて、我がパンターの側面をあっという間に貫通してくれました。
侮れない砲ですよー。(笑)

それではまた。
  1. 2009/10/15(木) 21:29:35|
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西南戦争(30)

可愛(えの)岳を突破した薩軍残存部隊は、8月21日に三田井に到達。
翌22日には三田井を出発、鹿児島へと向かいました。

この時点で桐野利秋は官軍による包囲が厳重であることなどから、再度熊本へ進出して熊本城の奪取という策を進言します。
しかし、この進言は西郷によって却下され、薩軍残存部隊は鹿児島へと向かったのでした。

とはいえ真っ直ぐに鹿児島へ向かったのではなく、九州中南部の山々を渡り歩き、あるときは流言を流し、あるときは部隊を分けて行軍し、またあるときはもと来た道を引き返すなどして行動の秘匿に努めました。
そのかいあってこの時点で官軍は薩軍残存部隊を完全に見失っており、官軍は部隊の分散を余儀なくされたばかりか、振り回されるばかりでした。
官軍の小部隊は、ときどきにおいて薩軍残存部隊と遭遇はするものの、少数精鋭となっていた薩軍残存部隊を補足するまでにはいたらなかったのです。

薩軍残存部隊はこうした行動を取りながらも、じょじょに鹿児島へと近づきました。
一週間の彷徨のあと、8月28日には霧島山の北にある小林という町に到達した薩軍残存部隊は、小林の警察屯所を襲撃し、さらに霧島山をかすめるように南下して29日には横川という町に達します。
ここから先は、さらに南下して加治木という町を抜ければ、鹿児島はすぐでした。

ですが、ここでようやく官軍の部隊が薩軍を阻みます。
延岡から急遽船で移動してきた第二旅団が、加治木に上陸して薩軍の前に立ちはだかったのです。
薩軍残存部隊は少数精鋭とはなっていたものの、やはり官軍の正規部隊と戦うには数が少なすぎました。
数度の交戦ののち、官軍を突破することはできないと判断した薩軍残存部隊は、加治木進出をあきらめ有川から蒲生へと迂回します。

鹿児島にはこの時点で第二旅団の一部と新撰旅団、それに警視隊約二百名がおりましたが、薩軍残存部隊に対するため、第二旅団の一部から三個中隊、新撰旅団から一個大隊を引き抜くなどして兵力が低下しておりました。
そのため、残存兵力では鹿児島市街全体を守ることは難しいと考え、いざというときには県庁近くにある米倉に篭って戦うこととされておりました。

明治10年(1877年)9月1日。
薩軍残存部隊は蒲生から街道を南下し、鹿児島市街へ向かいます。
途中官軍の迎撃を受け、ここでも足止めをされてしまいますが、辺見十郎太の機転によってここでも迂回行動を取ることにより城山から鹿児島市街へと入りました。
可愛岳突破より約半月、2月中旬の鹿児島出兵から半年以上が経過した中で、ようやく西郷隆盛ら薩軍将兵は鹿児島に戻ってきたのです。

鹿児島市外に戻ってきた薩軍残存部隊は、すぐさま市街の制圧に乗り出しました。
まず辺見率いる部隊が、私学校に駐屯していた官軍新撰旅団の輜重隊約二百名を攻撃。
輜重隊はなすすべなく米倉へと後退しました。
西郷の帰還は鹿児島市民にも歓迎され、鹿児島市街はすぐに薩軍残存部隊に協力する態勢となったため、官軍はやむなく予定通り米倉へと集結し、ここで篭城する形となりました。
この時米倉には、米八百石と薪炭数千貫が備蓄されていたと伝えられます。

9月2日、薩軍残存部隊は鹿児島市街を見下ろす城山に大砲を設置し、米倉に篭る官軍に対して砲撃を加えます。
この砲撃で官軍部隊は大いに苦しめられてしまいますが、残念ながら陥落させるまでにはいたりませんでした。

翌9月3日には官軍も増援を鹿児島市街に投入します。
別働第一旅団が鹿児島に上陸し、第二旅団も陸路鹿児島市街に到達して、米倉にいる官軍の救出をはかりました。
薩軍残存部隊にこれを妨害する力はなく、官軍は米倉に篭る部隊との連絡に成功。
薩軍残存部隊は城山へと撤収しました。

城山に後退した薩軍残存部隊でしたが、戦意は変わらず高いものがありました。
薩軍の貴島清は官軍の態勢が整う前に米倉を奪取すべきと訴え、桐野もそれに賛同します。

9月4日午前3時、貴島率いる決死隊約百名が、二隊に分かれて米倉を襲撃します。
決死隊は抜刀突撃を行い、官軍の兵士と壮絶な白兵戦を繰り広げますが、駆けつけた第二旅団に圧倒され、ほぼ全滅の憂き目を見てしまいます。
貴島清自身も白兵戦によって戦死。
薩軍残存部隊は城山に押し込められる形になってしまいました。

9月1日から始まった「米倉の戦い」はこれで終了。
いよいよ薩軍最後の戦い、「城山の戦い」が始まります。

(31)へ
  1. 2009/10/14(水) 21:13:49|
  2. 西南戦争
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結構よかったじゃん

ボンデージ衣装が好きな舞方。
以前から気になっていたタイトルの映画がありました。

「ボンデージエンジェル」
もうね、まんまなタイトルですよね。(笑)

でも、実際どんな映画なのかは知らなかったのです。
ところが、こんな私のために友人が手に入れてくれました。
ありがたやありがたや(^人^)

ちょっと時間開いちゃったんですが、ようやく見ることができましたー。
感想・・・結構いいじゃんこれ。
悪堕ち好きには結構いいですよー。

一応SFです。
B級どころかC級D級と言ってもいいですけど、私は結構楽しめました。


以下ネタバレ

[結構よかったじゃん]の続きを読む
  1. 2009/10/13(火) 22:04:25|
  2. 映画&TVなど
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新作人形劇

今日は「札幌歴史ゲーム友の会」にちょっとだけ顔出ししてきました。

本来は対戦予定だったのですが、対戦相手の都合が悪くなってしまい対戦が流れてしまったので、顔出しだけになりました。

10・12(1)
こちらは柿崎様とMどりっひ様が対戦されていた「NO RETREAT!」(コマンドマガジン別冊)
慣れるとかなりさくさくと進みそうで、おもしろそうでしたが、ソ連軍のユニット数が少ないので、量で押してくるソ連軍というイメージにはなりづらいですね。

10・12(2)
こちらはHIRO会長とつじ参謀様が対戦されておりました「Bastogne」(MMP)
バルジ戦のバストーニュ近郊だけを切り抜いたゲームのようで、対戦はまだどちらがどうとはいえない状態でした。

顔出しのあとは即帰宅となりましたが、今日からNHK教育で「人形劇三国志」ならぬ「人形劇三銃士」が始まったんですよねー。
録画しておいたのですが、リアルタイムでも見ちゃいました。

ダルタニアンのお父さんが殺されちゃいますけど、最後の言葉が長かったこと。(笑)
「歯を・・・磨けよ・・・」
「帰ったら・・・手洗いだぞ・・・」
うーむ、さすがは脚本三谷幸喜。

全四十回とのことですが、一話から十話までは一挙放映とのことで、今週一から五話、来週六から十話を月曜から金曜でやるみたいです。
とりあえずは見ていくか~。

それではまた。
  1. 2009/10/12(月) 20:05:32|
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新しいリンク先です

このたびうれしいことにまた一つリンク先様が増えました。

たか(t)様のブログ、「鏡(IF)の世界のお話」様でございます。(ブログ名クリックでリンク先に飛べます)

鏡(IF)の世界のお話」様は、たか(t)様がつづられます妖しくも魅力的なお話が掲載されているのに加え、ご自身の気に入られました同人作品やサイト様のご紹介記事など多岐にわたる内容豊富なブログです。

情報的にも内容的にも足を運ばれて損のないブログ様だと思いますので、ぜひぜひ一度ご訪問いただければと思います。

たか(t)様、これからもよろしくお願いいたします。
  1. 2009/10/12(月) 19:36:08|
  2. ネット関連
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10月12日のココロ日記(BlogPet)

到着と上積みと舞方雅人さん

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/10/12(月) 07:54:31|
  2. ココロの日記
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物持ちが良過ぎ?

歩兵に対する支援となると、いろいろな手段がありますが、大きなものの一つに砲撃があることはおわかりいただけると思います。
特に150ミリクラスの野戦重砲は、遠距離からの支援砲撃の中核となる大砲であり、各国も重視しておりました。

もちろんイタリア陸軍も重視していたには違いないのですが、先日のライフルの記事同様、第二次世界大戦に参戦する準備がまったくできていなかったため、150ミリクラスの重砲も旧式砲が主力だったのはいうまでもありません。

ですが、旧式にもほどがありました。

大戦初期のイタリアの重砲として装備されていたのは、「カノーネ・ダ・149/35」という大砲で、口径149ミリ、砲身長35口径というものでした。
重量は8,220kg。
がっしりとした重砲で、45.96kgもの弾量の榴弾を16,500メートルも飛ばすことができ、そこそこの能力の大砲でした。

しかし、この砲には大きな弱点がありました。
なんと、この大砲には駐退複座機構がなかったのです。

皆様も映画などで近代式の大砲を見たとき、発射の瞬間に大砲の砲身がグッと下がるのを見たことがあるのではないでしょうか?
大砲は火薬の燃焼エネルギーで砲弾を発射するわけですが、そのときの反動を和らげるために砲身を下げて吸収するのです。
当然下がったままでは次の発射に差し支えますから、砲身の位置を元に戻す複座機構と対になるので、駐退複座機構というわけなのですが、カノーネ・ダ・149/35にはこの駐退複座機構がありませんでした。

この駐退複座機構がないとどうなるのか。
今度はナポレオン戦争あたりの古い映画を見たことはありませんでしょうか?
大砲を一発撃つと後ろにゴロゴロゴロと下がっていってしまい、次の発射のために人力で元の位置に戻してやらなくてはならないのです。
なんと、重量8,220kgもある大砲が、一発撃つごとにゴロゴロと後ろに下がってしまうのです。
それを元の位置に戻すために砲兵は押し戻してやらなくてはなりません。
これでは連続発射など望むべくもありません。
カノーネ・ダ・149/35はあまりにも旧式すぎる大砲でした。

こんな大砲が1900年に作られ、さらにはそれが第二次世界大戦でも使われたというのが驚きですが、実質イタリア軍の野戦重砲はこのカノーネ・ダ・149/35が主力だったようです。
イタリア軍は砲の後方に坂を作り、発射で下がった大砲が坂を上り、また坂を下って元の位置に戻るようにして使ったといいますが、どちらにしても発射速度は遅いものだったでしょう。

アフリカにも約60門が持ち込まれ、英軍相手に火を吹いたといいますが、おそらくあまりにも旧式な大砲であることに友軍のロンメル将軍も唖然としたのではないでしょうか。

日本もそうですが、イタリアもまた国力のなさで新型への更新がはかどらなかったんですね。

それではまた。
  1. 2009/10/11(日) 21:03:21|
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順位確定

まだ一・二試合残っている球団もありますが、今年のセ・パ両リーグの順位が確定しましたね。

さて、今年も私は4月3日のブログ記事で順位を予想したわけですが、いったいどれだけ的中したでしょうか?

まずはセ・リーグ。
一位は読売ジャイアンツ。
今年もぶっちぎりの独走でしたね。
正直強かった。

私の予想も一位は巨人でした。

二位は中日ドラゴンズ。
なんだかんだ言って無難にまとめてきました。
巨人との直接対決がちょっと分が悪かったようで、ゲーム差が付いてしまいましたですね。

私の予想は広島でした。
はずれました。

三位は東京ヤクルトスワローズ。
後半の失速が響いて熾烈な三位争いになりましたが、最後はヤクルトが三位になりました。
抑えの不安定さが響いたかもしれません。

私の予想は阪神でした。
これまたはずれました。

四位は阪神タイガース。
実質的な上積みがないので三位あたりかと思いましたが、予想以上に力が落ちていたようです。
投手陣打撃陣ともに建て直しが必要でしょう。

私の予想はヤクルトでした。
はずれました。

五位は広島カープ。
もう少しのびてくるかと思いましたが、意外とのびませんでした。
ブラウン監督も退団となり、来期の建て直しが急務でしょう。

私の予想は中日でした。
はずれました。

六位は横浜ベイスターズ。
戦力的にきびしいこともあり、予想通りの結末になってしまいました。
ここも来期の建て直しが必要でしょう。

私の予想も横浜でした。
ここは戦力的に見ても予想通りとなりました。

セ・リーグは一位と六位が当たりました。
予想しやすいところが当たった感じですね。

ではパ・リーグです。
一位は北海道日本ハムファイターズ。
ダルビッシュ投手頼みの所があるので優勝は難しいかと思いましたが、まとまったチーム力を発揮して優勝旗を手に入れました。
正直優勝できるとは思いませんでした。
来期は育成の年になりそうです。

私の予想は西武でした。
残念ながらはずれました。

二位は東北楽天ゴールデンイーグルス。
後半の追い込みは見事でした。
まがりなりにも三本柱が揃い、投手陣が充実したことが大きいのではないでしょうか。
CSでは脅威です。

私の予想は日本ハムでした。
優勝してくれたのでうれしいですが、予想ははずれました。

三位は福岡ソフトバンクホークス。
日本ハムにずいぶんとお付き合いしてくれたのが印象深いです。
一位と二位が七試合ほど勝ち負けが同じという試合が続きました。
そこで勝ち星を伸ばせなかったのが痛かったと思います。

私の予想もソフトバンクでした。
これは当たってくれました。

四位は埼玉西武ライオンズ。
予想外の伸び悩みでした。
発展途上の悪い面が出てしまったということでしょうか。
もう少し上に行くと思いましたが・・・

私の予想は楽天でした。
はずれました。

五位は千葉ロッテマリーンズ。
バレンタイン監督の退団が既定事項としてのしかかり、枷になってしまったのかもしれません。
実力を発揮できなかったような気がします。

私の予想はオリックス。
はずれました。

六位はオリックスバファローズ。
昨年の二位から予想外の転落でした。
今年はけが人が多かったのも響いているかもしれません。

私の予想はロッテでした。
はずれでした。

パ・リーグはなんと三位しか当たりませんでした。
難しいものですねー。

ちなみに父の予想はすごかったです。
セ・リーグは二位と三位のヤクルトと中日が入れ替わっただけで四つが的中。
パ・リーグも一位と四位の西武と日本ハムが入れ替わっただけで、こちらも四つが的中です。
驚いたなー。

皆様の予想はいかがでしたか?
予想って難しいですよねー。

それではまた。
  1. 2009/10/10(土) 21:08:24|
  2. スポーツ
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えっ? 元に戻すの?

19世紀末、ドイツのモーゼル社のボルトアクションライフルの優秀性に目を付けたイタリア陸軍は、銃の機関部をモーゼル社のライフルのコピーにしたマンリヘル・カルカノライフルを作りました。
このライフルはM1891ライフルと呼ばれ、口径6.5ミリと小さく、全長は1285ミリ、重量3.8キロのライフルでした。

このM1891ライフルは、第一次世界大戦でのイタリア軍の主力小銃として使われ、大量に生産されたのですが、あまりにも大量に作られたため、第二次世界大戦にいたっても、多くのM1891ライフルが倉庫に眠っているありさまでした。

ところが、第一次世界大戦で6.5ミリの口径では威力不足が指摘され、1930年代に入ってアビシニアでの戦いなどで再度威力不足が指摘されると、イタリア陸軍も重い腰を上げざるを得なくなりました。
そこで6.5ミリ弾の薬莢の先に7.35ミリの弾頭を付けるという変な弾薬を作って対処することになり、M1891ライフルの銃身を7.35ミリ用に合わせ、それと同時に長さを若干短くして使いやすくしたM1938ライフルを作ります。
6.5ミリ弾を撃ち出す火薬の量で7.35ミリ弾を撃つのだから、当然弾頭はまっすぐ飛ばなくなりすぐに落ちてしまうことになりますが、これも弾頭部分に軽いアルミニウムを一部使用することで、6.5ミリ弾頭と同じ重さにすることで無理やり解決します。

M1938ライフルは全長が1020ミリとなり、重量も3.4キロと軽くなった上、7.35ミリ弾を撃ち出せるというライフルになったわけですが、イタリアの工業力の力のなさか、旧式のM1891ライフルとの更新はなかなか進みませんでした。

1939年9月、ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まります。
当時のイタリアは軍備的にはとても戦争などできる状態ではありませんでしたが、1940年にオランダやベルギー、ノルウェーなどがドイツに征服され、フランス戦が始まると、指導者だったムッソリーニは勝ち馬に乗るべくフランスに宣戦を布告します。

こうしてなし崩し的に戦争に突入したイタリア軍でしたが、そうなると使用するライフルが問題でした。
新型のM1938ライフルで統一したいところなのですが、とても数が足りません。
弾薬も変な弾薬なので製造が追いつきませんし、倉庫にはM1891ライフル用の6.5ミリ弾がいっぱい眠っておりました。

そこでイタリア陸軍は決断します。
6.5ミリに戻しちゃえ!

なんとM1891ライフルだけじゃなく、M1938ライフルまでも7.35ミリ型の生産を打ち切り6.5ミリ弾用にしちゃったのです。
銃身を6.5ミリ用に変更したM1938ライフルは重量が少し重くなって3.45キロになりましたが、今度はこの変更が大変でした。

すでに作られた7.35ミリ型のM1938ライフルを全部6.5ミリ型にする力もイタリアにはなく、結局前線では6.5ミリと7.35ミリの両方が使われることになり、M1891及びM1938の6.5ミリ型用の6.5ミリ弾と、M1938の7.35ミリ型用の7.35ミリ弾の二種類の弾を供給するはめになったのです。
補給の面では悪夢だったことでしょう。

1943年、イタリアは連合国に降伏しました。
そこでイタリアに駐留していたドイツ軍がイタリアを制圧し、イタリア軍の武装解除を行ないます。
そのとき確保した武器はドイツ軍がありがたく使わせてもらうことになるのですが、M1891もM1938もまとまった数がドイツ軍の手に落ちました。

そこでドイツ軍としては自軍で使用する上で6.5ミリ弾だの7.35ミリ弾だの紛らわしいことを避けるために、ドイツ軍の7.92ミリ弾を使えるようにしようと考えます。
そうすれば、ドイツ軍のライフルを使おうが、確保したイタリア軍のライフルを使おうが、弾薬供給の面では7.92ミリ弾だけですむからです。

ところが、M1891もM1938も銃身を変えて7.92ミリ弾を使えるようにしてみたところ、銃本体の強度不足から暴発の恐れがあるということで、結局このアイディアは使えませんでした。
ドイツ軍もあきらめてそのまま使うしかなかったようです。

あまりいいライフルとの評価を受けなかったM1938ですが、戦後ある事件に関与したことで脚光を浴びました。
1963年11月に発生したアメリカ大統領ジョン・F・ケネディ暗殺事件です。
この事件でケネディ大統領を暗殺した犯人といわれるリー・ハーヴェイ・オズワルドが使用したとされるのが、このM1938ライフルでした。

もちろんこの事件は謎が多く、M1938ライフルが大統領を本当に撃ったのかどうかは定かではありませんが、最初から最後まで異色の経歴を持つ銃だったのではないでしょうか。

それではまた。
  1. 2009/10/09(金) 21:36:09|
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西南戦争(29)

台風の被害が各所ででているようです。
札幌も風雨が強まってきました。
何事もなく通り過ぎてくれることを祈ります。

「西南戦争」の29回目です。
そろそろ終わります。

延岡の北に長尾山という山があり、そこから東南に張り出す山並みが北川の下流にある無鹿付近の山並みと合流するあたりが和田越と呼ばれるところでした。
この和田越に辺見、村田の両隊が布陣し、そこから無鹿に向かって中島、貴島、河野の隊が布陣します。
薩軍は、この和田越で最後の一戦を挑むつもりでおりました。

これに対し官軍は、和田越正面に別動第二旅団を充て、無鹿方面には第四旅団、その右翼に新撰旅団を配置。
第一、第二、第三旅団が左翼から大きく迂回攻撃を行なう計画でした。

明治10年(1877年)8月15日。
この日は朝から濃い霧が立ち込めておりました。
その霧も午前8時ごろには綺麗に晴れ、夏の朝の日差しが降りそそぎます。
薩軍は西郷隆盛自身が和田越の戦場に姿を現し、桐野、村田、別府らとともに全軍を指揮します。
西郷自身が陣頭指揮に立つのは、開戦以来初めてのことでした。

この西郷自身の督戦に薩軍の兵たちの意気は上がりました。
ふもとを埋め尽くす官軍の兵士たちにも臆することなく、山上から銃撃を行い抜刀して切りかかりました。
この薩軍の攻撃に、別動第二旅団は苦戦を強いられたといいます。

一方の官軍も、実質的指揮官である参軍の山県有朋が、和田越からわずか二キロの樫山に陣取り、この戦いを眺めておりました。
距離的に言って西郷自身を見ることができたかどうかは不明ですが、両軍の大将格が戦場に姿を現したことからも、この戦いが最後の決戦であるという認識だったと思われます。

官軍は北川の河口に軍艦を遡上させ、そこから艦砲射撃で支援砲撃を行ないます。
また、和田越ばかりでなく無鹿山を含め全線で攻勢を開始。
その兵力にものを言わせて薩軍を圧迫します。

山上から撃ちおろす薩軍は地の利を得てはいるものの、やはり官軍との兵力差はいかんともしがたく、じょじょに薩軍は追い詰められていきました。
やがて西郷自身の付近にも銃弾が飛び交い始め、桐野や村田が後退するように進めましたが、西郷は頑として動きませんでした。
ですが、西郷を死なせてはならないとばかりに周囲の者が抱きかかえるようにして戦場を離脱。
西郷の後退とともに薩軍の気力も尽き、昼ごろには総崩れとなりました。
薩軍は北にある長井村に退却。
ここに薩軍最後の組織的戦闘は終わりました。

翌8月16日、西郷は長井村で残った全軍に解散令を布告します。
「諸隊にして降らんとするものは降り、死せんとするものは死し、士の卒となり卒の士となる。ただその欲するところに任ぜよ」
西郷自身の筆による書は、薩軍全員に行動の自由を許すものでありました。

解散令を発した後、西郷は陸軍大将としての軍服と全ての書類を焼却しました。
また負傷していた長男とも別れ、常にそばに寄り添っていた愛犬二頭も鎖を解き放ったといいます。
身辺整理は終わりました。

解散令により薩軍兵士は行動の自由を許されました。
官軍への投降が相次ぎ、一部は自決して身を処しました。
それでも西郷の周りには、鹿児島士族を中心に約六百名が残りました。
彼らは最後まで西郷と行動を共にするつもりだったのです。

長井村は官軍の包囲下に置かれておりました。
西郷らのいる本営のそばにも砲弾が落ち始めておりました。
そんな中で、今後どうするかの会議が行なわれておりました。

降伏か、玉砕か、再起を図るために脱出か、会議は紛糾します。
まず決まったのは突破でした。
ここから脱出して落ち延びることに決します。
だがどこへ行くかがまた問題でした。
桐野は熊本へ、別府は鹿児島へ、野村は豊後へとそれぞれが主張します。
いったんは豊後方面ということに決まりかけましたが、北の熊野が陥落したとの報が入り、豊後案は断念されます。

8月17日になっても結論は出ませんでしたが、辺見と河野が主張する可愛岳(えのだけ)からの突破を西郷が受け入れ、西郷の裁定によって可愛岳突破に決しました。
とりあえず現状の包囲を可愛岳で突破して、三田井で次の策を講じようとなったのです。

可愛岳は、標高728メートルの山で断崖が続く険しい山でした。
その高さ以上に見る者には威容を感じさせ、思わず圧倒されるほどだったといいます。
西郷らはこの山を越えようというのでした。

17日午後10時ごろ、突破の前のささやかな酒宴を終え、薩軍残存部隊は地元猟師の案内のもと可愛岳に登り始めます。
部隊を前軍、中軍、後軍の三つにわけ、西郷自身は中軍で負傷した別府ともども山かごでの登坂でした。

さすがに私学校からのつわものたちは軍律を守って粛々と行動し、夜間行軍で困難を極めつつも午前4時半ごろには前軍が山頂付近に到達。
ここから北斜面を見ると、断崖の南斜面とは違ってなだらかな斜面になっており、屋敷野と呼ばれる台地に官軍部隊の天幕があるのが見えました。

官軍の警戒部隊であると思われましたが、意外にもその防備は手薄のようであり、前軍の辺見らは中軍後軍の到着を待ってこれを攻撃することに決定。
到着後に突撃を開始します。

不意を突かれた形になった官軍は混乱し、なすすべなく逃走を開始。
実はここにいたのは警戒部隊ではなく第一、第二旅団の本営でした。
総攻撃に備えて食料や銃砲弾を運び上げて集積していたところを襲われたのでした。
旅団長以下は命からがら脱出し、薩軍残存部隊は銃弾三万発と大砲一門を捕獲して、さらに部隊を進めます。

可愛岳を突破した薩軍残存部隊は、その後も官軍の小部隊と小競り合いを繰り返しながら、8月21日に目的地である三田井に到達いたします。
蟻の這い出る隙間もなかったはずの官軍の包囲網は、予想もしなかった可愛岳突破という薩軍残存部隊の行動により、抜けられてしまったのでした。
官軍の山県参軍は、包囲網を抜けられたことに大いに悔しがったと伝えられます。
官軍はまたしても西郷に逃げられたのでした。

(30)へ
  1. 2009/10/08(木) 21:43:18|
  2. 西南戦争
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一丁で二丁

北海道日本ハムファイターズの優勝から一夜明けました。
今朝はしっかりスポーツ新聞買って来ました。(笑)
今後はクライマックスシリーズ、さらには日本シリーズです。
再度引き締めてがんばってほしいものです。

さて、今日は趣味の話。

第一次世界大戦中のロシア革命によって生まれた新生ソ連は、その後のロシア内戦やフィンランドとの冬戦争などで拳銃の弾をばら撒くことのできるサブマシンガン(SMG)の有効性に注目いたしました。
そこで、拳銃のデザインで定評のあったトカレフや、機関銃をデザインしていたデグチャレフなどにサブマシンガンの製作を依頼しますが、なかなかモノになるサブマシンガンはできませんでした。

そんな時、ゲオルギー・セメノビッチ・シュパーギンはデグチャレフのデザインしたサブマシンガンを基に一つのサブマシンガンをデザインします。
シュパーギンのデザインしたサブマシンガンは、ライフル銃のような木製の銃床を持ち、銃身のカバーの先に50メートルから500メートルまでのサイトを付け、71発も入る円形のドラム型弾倉を引き金の先の部分に取り付けたもので、大雑把にはデグチャレフのサブマシンガンとほぼ同様のものでした。

このシュパーギンのサブマシンガンは、1940年12月に正式採用となり、「PPSh1941(PPSh-41)」という形式番号が与えられます。
PPShはペー・ペー・シャーと呼ばれ、溶接やプレス加工で製造されたため、大量に製造されることになりました。
そのすさまじさは、1942年の一年間だけで約150万丁も作られたほどで、ソ連軍とPPSh-41は切っても切れない装備となったのです。

一般の歩兵中隊にはSMG小隊が付随し、偵察兵や戦車随伴兵にいたっては、全員がこのPPSh-41装備ということも珍しくありませんでした。
終戦までにはなんと500万丁以上も作られたといいます。

サブマシンガンは基本的に短距離で弾をばら撒く兵器であるため、後期型ではサイトも500メートルまでではなく100メートルと200メートルの二種類だけにしてしまったり、銃身も精密なものである必要はないということで、ドイツ軍との戦いで一丁でも多くのPPSh-41がほしかった時期には、なんと倉庫で眠っていたライフル銃の銃身を途中でぶった切って、一丁のライフル銃から二丁分の銃身を取り出して使ったなどという逸話も残ってます。

大戦後半になると、もっと省資源型のサブマシンガンが求められ、実際に製造も開始されますが、すでに大半の部隊にはこのPPSh-41が配備されてきてしまったため、逆に新型の製造が抑制されるということまで起きました。

ドイツ軍もこのPPSh-41を「バラライカ」と呼んで鹵獲使用しており、71発と装備弾数が多かったため自軍のシュマイザーMP-40よりも好んだ兵士も多かったといいます。

ソ連製兵器の特徴として、製造は粗雑で見た目はよくないのですが、とにかく頑丈で故障も少なく実用的なサブマシンガンだったといいます。
戦後も中国や北朝鮮などでは製造され、朝鮮戦争やベトナム戦争でも使用された息の長いサブマシンガンとなりました。

戦争映画などでもソ連兵が出てくれば、そのうちの誰かは持っているという銃なので、おそらく皆様も目にしたことがあるでしょう。
まさにソ連軍を代表する兵器の一つだと思います。

それではまた。
  1. 2009/10/07(水) 21:44:13|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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