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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

おば・・・さま?

180万ヒット記念というにはおこがましいのですが、「ホーリードール」を少しだけ書きましたので投下します。
短いですけどお楽しみいただければと思います。


34、
すさまじい冷気が吹きすさぶ。
周囲のあらゆる物を凍らせる強力な冷気だ。
とはいえ魔力同士のぶつけ合いなら引けは取らない。
レディベータは闇の抱擁を展開し、向かってくるホーリード-ルアスミの魔力を受け止める。
だが、魔力と魔力のぶつかり合いが一瞬視界をさえぎり、レディベータの目をくらませた。

「しまっ」
思わず口にするレディベータ。
本来なら吸収されてしまう光の魔力だが、ホーリード-ルアスミはレディベータが闇の抱擁を使うのを見越して、手前で魔力を広げたのだ。
それに伴い闇の抱擁も光の魔力を吸収しようと広がったため、一時的にレディベータの前に闇が広がってしまったのだ。
闇の女であるレディベータに取り、自ら広げた魔力の闇など視界をさえぎったりはしないのだが、光の魔力が広がり、それを覆うように闇が広がったことで闇と光が重なり合ってしまった。
そのためレディベータの視界が奪われたのだった。

それは一瞬のことだったろう。
光の魔力の広がりに反応した闇の抱擁が、光の魔力を食い尽くすのにそんなに時間はかからない。
だからレディベータの視界をさえぎったのはほんの一瞬に過ぎなかったはずだった。
だが、その一瞬をホーリード-ルアスミは狙っていた。
闇の女といえども、目を通して認識していたものを見失えば、五感をフル活用して気配を探るまでにはタイムラグが生じる。
その一瞬があればホーリード-ルアスミには充分だった。

見失った相手を探すには人間はまず首を左右に振る。
自分と同じ高さで視界外を探すのだ。
それはそうだろう。
相手の高さが変わっているとは普通考えない。
確かにこういった校舎の屋上なら左右ともしかしたら下を見るかもしれない。
だが、上を見ることはおそらく最後になるだろう。

ホーリード-ルアスミは高くジャンプしていた。
動けなくなったホーリードールサキを左手で抱え、校舎の上空にジャンプしていたのだ。
レディベータの視界を奪った一瞬。
その一瞬だけで充分だった。

スッと右手の杖が下を向く。
校舎の屋上に向けられる。
無表情の顔は、ただ次につむぐべき言葉をつぶやくだけ。
それで今回は終わりになる。
闇が広がった建物を焼き尽くし浄化する。
闇の女は倒せないかもしれないが、それは今後のこと。
今は動かなくなってしまったホーリードールサキをゼーラ様の元へ届けなくてはならない。
ホーリード-ルアスミは呪文を唱えるためにさくらんぼのような唇をそっと開いた。

「コロ・・・えっ?」
最後までつむげなかった言葉。
杖から魔力が放たれることはなく、一瞬ホーリード-ルアスミは何が起こったのかわからなかった。
こんと軽くはじかれた杖。
校舎を向いていた先端が宙を向く。
はじきあげたのは槍。
いや、槍の側面に小さな斧が付いている。
西洋の長柄武器ハルバード。
なぜそんなものがここにあるのか?
ホーリード-ルアスミはその持ち主に目をやった。

「おば・・・さま?」
無表情だったホーリード-ルアスミの目に光が戻る。
ホーリード-ルアスミの前に浮かんでいたのは、漆黒の衣装をまとった荒蒔留理香だったのだ。

「やっぱり明日美ちゃんも・・・」
デスルリカの表情が曇る。
わかってはいたことなのに、目の前で現実を見せ付けられると心が痛む。
紗希の友人として、いや、紗希の姉妹同様に感じていて、いずれは大いなる闇の元へといざなうつもりだった少女。
だが、その少女は光の赤いコスチュームを身にまとっていた。

「明日美ちゃん・・・私と来て。悪いようにはしないわ」
デスハルバードを左手で持ち、スッと右手を差し伸べるデスルリカ。
一縷の望みではあったが、デスルリカはそうしないではいられなかったのだ。
だが、突然デスルリカが現れたことで驚愕の表情を浮かべていたホーリード-ルアスミの表情がすぐに失われていく。
「明日美ちゃん・・・」
デスルリカは残念そうに目を閉じた。

「闇は浄化しなければ・・・」
無表情で杖を持ち上げるホーリード-ルアスミ。
その先端がデスルリカに向いたとき、デスルリカは目を開けた。

「レディアルファ!」
デスルリカの声とともに空気が切り裂かれる。
背後からの重たい一撃に、思わず身をよじってかわすホーリード-ルアスミ。
巨大な斧が脇をかすめていく。
レディアルファのヘルアクスが宙を薙いだのだ。
かろうじてその刃先をかわしたホーリード-ルアスミは、デスルリカに対する警戒がおろそかになる。
デスルリカはそのときを見逃さなかった。

「えっ?」
ホーリード-ルアスミの左腕に鈍い痛みが走る。
デスルリカの持つデスハルバードの穂先がホーリード-ルアスミの左腕に突き刺さったのだ。
腕の痛みが筋肉の力を失わせてしまう。
左腕で抱えていたホーリードールサキの躰がするりと抜けていく。
「ドールサキ!」
ホーリード-ルアスミの叫びもむなしく、ホーリードールサキは校舎の屋上に落ちていった。
  1. 2009/09/11(金) 21:44:49|
  2. ホーリードール
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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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