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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

西南戦争(27)

野村忍助の率いる奇兵隊が豊後(大分)で暴れている頃、薩軍の左翼に位置する形になった薩摩(鹿児島)方面では、またもう一つの薩軍部隊が暴れておりました。
辺見十郎太率いる雷撃隊(編成替え後の新部隊名称)です。

雷撃隊は、人吉にある薩軍本隊の左側面を守備する役目として、鹿児島と熊本の県境に近い大口に拠点を置いておりました。
明治10年(1877年)5月に入り、官軍の人吉攻撃が始まると、官軍はこの方面でも別働第三旅団の一部が水俣から大口に向かって攻め込みます。

これに対し、辺見はすぐさま雷撃隊を率いて迎撃し、逆に官軍を水俣付近まで追い返すという技を見せ付け、別働第三旅団の旅団長川路少将をあわてさせました。
雷撃隊は党薩隊の一つ熊本隊と連携し、矢筈岳や鬼岳と言った山岳地帯をうまく使って、田原坂以上とも言われる激しい攻防戦を行ないます。
官軍はまったく手も足も出ない状況に陥ってしまいました。

この状況に官軍は戦力の増強を決定。
別働第三旅団の一部で充分と思われていた大口攻略に、当の別働第三旅団のほか、佐敷の第三旅団と水俣の第二旅団を投入せざるを得なくなってしまいます。

さすがに三個旅団計万を越える兵力ともなると、薩軍の苦戦が始まり、山岳地帯で粘っていた熊本隊が後退を余儀なくされてしまいます。
辺見自身も自ら陣頭に立って兵の士気を鼓舞しましたが、やはり兵力の多寡はいかんともしがたく、雷撃隊はじわじわと大口に追い込まれて行きました。

6月1日には薩軍本隊の篭る人吉が陥落。
人吉に対する左翼の防備だった大口は、今度は薩摩本国への入り口を守る形となります。
この苦境に、辺見自身はますます闘志を燃やし、部下をよく掌握して戦いを続けました。

しかし、人吉攻撃をひと段落させた官軍は、その矛先を雷撃隊へと向けました。
官軍の攻撃の前に前線の陣地は次々と突破され、大関山、久木野、山野と陥落していきます。
また、その頃には人吉から後退した薩軍本隊との連絡も絶たれ、雷撃隊は孤立無援での戦いを余儀なくされておりました。

6月18日、官軍は大口盆地をほぼ包囲。
辺見は以後三日にわたる激戦を部下とともに戦いますが、ついに6月20日に拠点高熊山が陥落。
大口から撤退せざるを得なくなります。
この時辺見は、「おいに田原からの兵児(へこ)たちがおれば・・・」と思わず嘆いたといわれます。

その後雷撃隊は熊本隊などといっしょに横川へ後退。
二ヶ月にわたった大口での戦いは終わりました。

時を前後して、官軍の人吉攻撃の前、まだ薩軍が人吉に盤据していた頃、官軍は薩軍の退路を断つために鹿児島占領を企図します。
海軍の川村中将率いる艦隊が、別働第一旅団を輸送し、鹿児島に到着したのは4月27日のことでした。
官軍はすぐさま県庁など主要な箇所を制圧し、本営を置いて占領しますが、やはり住民の抵抗が始まります。

鹿児島には薩軍自体はおりませんでしたが、士族はまだ多数残っており、彼らが反抗の基礎となりました。
官軍は何とか治安の維持に努めますが、別働第一旅団だけでは手に負えず、川村中将は増援を求めます。
官軍は第四旅団や別働第五旅団の一部などを鹿児島に派遣。
しかし、鹿児島での住民抵抗はなかなかやまず、思い余った官軍は鹿児島市街に火を放つことまで行ないました。
この鹿児島での抵抗運動は、6月下旬まで続きます。

人吉、大口、鹿児島を失った薩軍は、日向(宮崎県)へと入ります。
日向での戦いが始まるのでした。

(28)へ
  1. 2009/09/30(水) 21:43:56|
  2. 西南戦争
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マスター

今日は「グァスの嵐」を投下します。
少しだけですがどうぞ。


25、
「ミュー、君はマスターの言うことは聞かなくてはならないんだね?」
エミリオの表情がきびしくなる。
今から言うことがいいことなのかどうかはわからない。
だけど、ここ数日いっしょにいて、ミューが動かなくなってしまうなんてのはエミリオには耐え難くなっていたのだ。
「はい。ミューはロボットです。ロボットはマスターの命令には従わなくてはなりません」
ミューはこくんとうなずいた。
「それじゃ・・・」
いいのか?
それを言ってもいいのか?
エミリオはつばを飲んだ。
だが、言わずに後悔するよりは、言って後悔した方がいい。
「ミューは今マスターがいない状態だと言ったね?」
「はい。今のミューにはマスターはおりません」
「だったら、僕がミューのマスターになりたい。僕がミューのマスターになってもいいだろうか?」
「えっ?」
フィオレンティーナが驚きの表情を浮かべてエミリオを見る。
それはフィオレンティーナも考えていたことだったのだ。

「ミュー、僕がマスターじゃだめなのか?」
ミューはエミリオの顔をただ見つめる。
そこには困惑の表情が浮かんでいた。
「ミュー」
「ミューちゃん、お願い。これからもいっしょにいようよ。ミューちゃんがいなくなっちゃうのやだよ。いっしょにいようよ」
エミリオとフィオレンティーナの言葉をただ黙って聞いているミュー。
だが、ミューは静かに首を振った。

「ミュー・・・」
「ミューちゃん・・・」
がっくりと肩を落とすエミリオとうつむくフィオレンティーナ。
ミューのマスターになるというのは、ある意味切り札だったのだ。
だが、やはりそれは勝手なことだったのかもしれない。

「違うのです」
ゆっくりと口を開くミュー。
「エミリオ様、フィオレンティーナ様、違うのです」
「ミュー?」
「違うって? 何が?」
エミリオもフィオレンティーナもどういうことかわからない。
「ミューにはわかりません。判断ができません」
「ミュー・・・」
「ミューちゃん・・・」
「ミューはきっと壊れちゃったんです。だから、エミリオ様の申し出を受け入れていいのかどうかわかりません。判断ができません」
再び首を振るミュー。
まさにどうしていいのかわからないのだ。

「ミュー」
そっと歩み寄るエミリオ。
だが、それより先にフィオレンティーナがミューを抱きしめる。
「フィオレンティーナ様」
「バカね・・・受け入れればいいの。受け入れればいいのよ。こうして出会ったのも何かの縁。エミリオも私もミューちゃんを受け入れているんだから、ミューちゃんも私たちを受け入れればいいの」
ミューを抱きしめ、その頭を撫でるフィオレンティーナ。
「フィオレンティーナ様・・・」
「フィオでいいの。フィオでいいんだってば」
「フィオ・・・様・・・」
抱きしめられながらミューはなすがままになっている。
「ミュー、フィオの言うとおりだ。僕たちを信じてくれ」
「エミリオ様・・・」
ミューが顔を上げ、エミリオが力強くうなずく。
「チアーノ様が言いました。“いいマスターを探すんだ”と。ミューにはエミリオ様こそがいいマスターである確率が高いと判断します。エミリオ様、ミューをよろしくお願いいたします」
「ミュー・・・いいのかい?」
「はい。ミューはもう一度自分で判断しようと思います。エミリオ様、ミューのマスターになってください」
「うん。約束する。マスターとして絶対ミューの嫌がるようなことはしないよ」
すっと右手を差し出すエミリオ。
ミューはフィオに抱きしめられたまま、しっかりとその手を受け取った。

「おはよう、艦長。綺麗に晴れ上がったようだな」
雨上がりの濡れた甲板を歩いてくるエスキベル提督。
三角帽の下の表情もいつになく明るい感じだ。
ただ、鋭い眼光だけは変わらない。
部下のミスを見つけ出し、いつでも叱責してやろうという目だ。
「おはようございます提督。夕べは眠れなかったのではありませんか?」
リューバ海軍の小型ギャレー『デ・ボガスタ』の艦長ファン・ナルバエスは、脇にいる水兵にすぐに飲み物を持ってくるようにあごで指示する。
「ん? そんなことはないぞ。ワシとて船乗りだ。あの程度の嵐で眠られなくなるほどではない」
艦橋の手すりに躰を預け、楽な姿勢で前方を見る。
すでに明けた空は綺麗な青空を見せており、夕べの嵐が嘘のようだ。
甲板では水兵たちが艦長の指示の下、濡れた甲板と帆、それにオールの手入れに余念がない。
毛むくじゃらで胸板の厚い筋肉隆々な奴隷種族のラーオン人も、狭苦しい漕ぎ手区画から顔を出し新鮮な空気を吸っている。
ただエスキベル提督は、ラーオン人の一団を見ると顔をしかめていた。

「提督、ホットワインはいかがですか?」
マグを差し出すナルバエス艦長。
「うむ」
エスキベル提督は礼を言うでもなく受け取り、一口飲むとこう言った。
「どうもあのラーオン人というのは気に入らんな。動物のくせに人間と同じような姿をしている。気に入らん」
ナルバエス艦長は苦笑するしかない。
リューバ海軍に限らず、漕ぎ手を必要とするギャレー船にとってラーオン人は必要不可欠だ。
だが、その扱いは決してよくはない。
足を鎖で固定し、死ぬまでオールを漕がせるのだ。
食事も決して潤沢に与えはしない。
まさに奴隷としての扱いだった。
知能も高くはなく、教えたことを実直に繰り返すので、漕ぎ手としては理想的ということなのだ。
なぜそんな種族がラーオン“人”と呼ばれるのかは誰も知らない。
エスキベル提督同様、彼らを動物としか思ってない人間は数多い。
四本腕のトカゲ型のバグリー人や四足歩行のザガン人のほうがはるかに人間離れしている姿をしているにもかかわらず、彼らはその知能の高さで人間同様の扱いを受けているのとは対照的だった。

「間もなく出航準備も整います。次はトゥルポ島というところでしょうか?」
ナルバエス艦長はラーオン人のことにはまったく触れず、次の行動のことのみを告げる。
「そうだな・・・自航船の手がかりがまったく見当たらんはずはないのだ。いまいましい」
苦虫を噛み潰したような表情になるエスキベル提督。
自航船の秘密さえ手に入れれば、彼も中央でもっと羽振りがよくなるはずなのだ。
その目論見が今のところはずれていることに、彼は苛立ちを隠せなかった。
  1. 2009/09/29(火) 21:36:49|
  2. グァスの嵐
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こういう世界もあるんだなぁ

今日は新しいリンク先様のご紹介です。

「エターニア城の悲劇」や「小悪魔リンス」などの同人作品を発表されていらっしゃるLIBIDOS様のブログ、「LIBIDOS -催眠、洗脳、MC(Mind Control)-ブログ」でございます。(クリックでリンク先へ飛べます)
LIBIDOSbanner.jpg

そのブログタイトルからもお判りの通り、LIBIDOS様も催眠や洗脳によって女性を支配する楽しい妄想を作品によって広められていらっしゃる方でございます。
特に、「エターニア城の悲劇」などをご存知の方は理解されていらっしゃると思いますが、催眠や洗脳によって女性にまず普通はやらせないようなことをやらせてしまうのも特徴で、いわゆる「バカ堕ち」と呼ばれるシチュを得意とされていらっしゃいます。

最初、私もこの「エターニア城の悲劇」を拝見したときには驚きましたが、なるほど自分の意のままになるというならこういうこともさせたくなるよなぁと思ってしまいました。
私には書けない世界ですが、素敵なイラストとあわせ、妖しい魅力にあふれていると思います。

LIBIDOS様のブログ、「LIBIDOS -催眠、洗脳、MC(Mind Control)-ブログ」もそういう妖しい魅力満載のブログでして、きっと訪れた方は楽しまれるのではないでしょうか。
一度足を運ばれてみてはいかがでしょう。
LIBIDOS様、これからよろしくお願いいたします。

今日はこれにて。
それではまた。
  1. 2009/09/28(月) 21:45:58|
  2. ネット関連
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今日は札歴会

今日はちょっとだけ札幌歴史ゲーム友の会に顔を出してまいりました。

実は今日は午後から用事があったので、顔出しをしない予定だったのですが、恥ずかしながら前回の例会でゲームのユニット(コマ)を落としてきてしまったようで、今回それを保管していてくださったHIRO会長様より受け取るために顔出しをしてきたのです。
HIRO会長様、お手数をおかけしましてすみませんでした。

9・27(1)
HIRO会長様とMどりっひ様が対戦されてました「June44」(DDH GAMES)
連合軍が押されていたようでしたが、どうなりましたか・・・

9・27(2)
ROKU様とfsino様の「The Devil's Cauldron」(MMP)
ルールを確認しながら楽しく対戦されていらっしゃったようでした。

9・27(3)
私はSpringfield様と「ドイツ戦車軍団」の「エルアラメイン」(エポック)をプレイいたしました。
私が独・伊枢軸軍を、Springfield様が英軍を担当。
ぎりぎり最後の攻撃で独・伊枢軸軍が勝ちました。

9・27(4)
私との対戦が終わりましたSpringfield様と途中からいらした柿崎唯様が対戦なさっていた「旅順攻略」(コマンドマガジン別冊)
残念ながら、私は途中で会場を後にしましたので、勝敗はわかりません。

わずかの時間でしたが、今日も楽しい時間をすごさせていただきました。
札幌歴史ゲーム友の会の皆様、どうもありがとうございました。

それではまた。
  1. 2009/09/27(日) 20:49:39|
  2. ウォーゲーム
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ひどいよ! 鬼は人間にこんなことしないのに!

今日は同人誌をご紹介。
私がいつもお世話になっておりますサイト様、「魔転狼 蒼月」の管理人様「雪月狼」様の作品、「式鬼」でございます。


こちらが表紙。

東方シリーズのキャラ「伊吹 萃香」をメインヒロインとして、彼女に術を施して我が物にしてしまおうというストーリーです。

楽しませていただきました。
個人的にはふたやTSは苦手な部類に入るのですが、これはスムーズに楽しむことができました。
雪月狼様のイラストは、いつも大変綺麗なイラストで、私はとても素敵だと思うのですけど、今回はいつも以上に丁寧に描かれている気がします。

また、堕とし方もなかなか手をかけていて、意識下無意識下の組み合わせをうまく使っていると思います。
萃香の表情も豊かで、堕ち後の冷酷そうな表情とのギャップがうまく出ているのではないでしょうか。
表題は、萃香のセリフの一つなのですが、このときの表情に私はやられちゃいました。(笑)

後半部分のSSは堕ち後のストーリーとなっており、堕ち後の萃香を楽しめるようになってます。
こちらもなかなかいい感じでした。

雪月狼様のファンならずとも、きっと楽しめる作品だと思います。
お手に取られてみてはいかがでしょうか。

今日はこのぐらいで。
それではまた。
  1. 2009/09/26(土) 20:43:48|
  2. 同人系
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09月26日のココロ日記(BlogPet)

今週のブログ妖精界でのヒットソングは「混乱のラブソング」みたいです。

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/09/26(土) 11:09:50|
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西南戦争(26)

西郷隆盛の直接命令を受け、豊後(大分)方面に進出するべく進発した野村忍助の奇兵隊(薩軍の部隊名称)ほか約二千五百は、4月30日に延岡に入りました。
そしてこの延岡を策源地とした野村は、弾薬製造をはじめるなどし、部隊を各地区に展開させて態勢を整えます。

5月10日、豊後攻撃に八個中隊約千八百を投入することにした野村は、先発として半分の四個中隊を出発させます。
先発した四個中隊は、12日には重岡、13日には豊後竹田に侵入し、警察署や裁判所、役所などを破壊します。
翌日には後続の四個中隊も豊後竹田に到着し、ここで大分へ向かう選抜隊を編成しました。

5月16日、薩軍は選抜隊百十名をもって大分へ進撃しますが、大分は警備が固く選抜隊での攻撃は不可能となったため、大分東方の鶴崎へと向かいました。

鶴崎へは選抜隊の先行部隊十五名が突入しましたが、そこではまさに官軍の警視隊が上陸をしている最中でした。
薩軍十五名はこの警視隊に攻撃を仕掛け、数十名に及ぶ損害を与えましたが、多勢に無勢であり、警視隊の反撃を受けてやがて退却を余儀なくされてしまいます。
この鶴崎こそ、薩軍が到達した最北端でした。

一方、薩軍の豊後侵入を知った官軍本営では、ただちに対応のための部隊を派遣することにいたします。
熊本鎮台、第一旅団、別働第一旅団それぞれから部隊を引き抜き、熊本からは陸路で、鹿児島にいた別働第一旅団からの部隊は海路で豊後へと向かいます。

豊後に入った官軍は、薩軍の占領下にあった豊後竹田へと向かいました。
大分攻撃に失敗した薩軍は、豊後竹田に孤立したような状況に置かれ、延岡の野村に救援を求めます。
野村は二個中隊を救援に差し向けますが、官軍との激戦の末に、5月29日に豊後竹田は官軍の手に落ちました。

6月1日、この日は人吉が陥落した日でしたが、野村は逆に豊後竹田から後退してきた部隊とあわせて三方から臼杵を攻撃、占領します。
官軍はただちにこれに反応し、海軍の軍艦「日進」、「浅間」の二隻の艦砲射撃も加わり、臼杵を攻撃いたします。

薩軍はよくこれを迎え撃ち、6月10日まで臼杵を保持したのちに後退。
追う官軍を相手に巧みな撤退戦を行ないながら、熊田まで後退します。

6月22日には野村率いる奇兵隊の残りの隊も熊田に移動し、以後ここを拠点として各地に遊撃戦を展開。
官軍をさんざんに悩ませながら、8月中旬までの約二ヶ月間ここを守り抜きました。

野村率いる奇兵隊は、西郷の直接命令で豊後に進出いたしました。
野村の考えとしては、豊後から四国さらには本州と連絡を付けることが目的ではありましたが、その目的は達せられませんでした。
その意味では奇兵隊の行動は失敗だったといえるかもしれません。

しかし、おそらくは西郷も野村もその目的は最初から達成不可能と見ており、むしろ官軍の兵力を豊後にひきつけてかく乱することを目的としていたと思われ、その目的は充分に達成されたといえるでしょう。
敗戦続きの薩軍の中でも、この野村の行動は大きく評価されるものとなったのです。

(27)へ
  1. 2009/09/25(金) 21:41:12|
  2. 西南戦争
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三連覇とは強いなぁ・・・

昨日、プロ野球セントラルリーグの優勝が決まりました。
原監督率いる読売巨人が三年連続で優勝を飾りました。

いやー、もう強かったですね。
いろいろと言われますけど、バランスの取れたいいチームになりましたねぇ。
日本人投手で大黒柱と呼べるのがいないのが気にかかりますが、グライシンガーとゴンザレスの両投手に新たにオビスポ投手も加わって、外国人投手が大活躍でした。

打者では高橋(由)選手や李選手の不振をものともせずに、ラミレス選手や小笠原選手ががんばりましたし、坂本選手ももちろん亀井選手も五番をしっかり果たすようになりました。
また鶴岡捕手も阿部捕手の不在期間はしっかりホームを守りました。

うーん・・・
いつの間にこんないいチームになったんだろう。
若手とベテランがかみ合ういい展開。
投手陣が外国人頼みなのが気がかりといえば気がかりだけど、内海投手もこのままでは終わらんだろうしなぁ。

セ・リーグではかつての巨人のV9以来の三連覇。
原監督は名将と言ってもいいでしょうね。
すばらしいです。
巨人ファンの皆様、おめでとうございました。

さてさて、我が応援する阪神は三位争いをしているわけですが、正直三位になるチームがどこだとしても、最終的に五割超えないチームはクライマックスシリーズには出られないということでもいいんじゃないのかなぁ。
借金抱えたチームが日本一(あくまで可能性があるというだけですが)ってのは、どう考えてもおかしいでしょう。
基本は三位までだけど、最終成績が五割超えない場合は参加できないというのも考えたほうがいい気がしますね。

と、まあ、巨人優勝の陰でこんなことを思いました。
それではまた。
  1. 2009/09/24(木) 21:39:16|
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小さく作ったのに大きくしちゃった

今日は艦艇の話を一つ。

大正期、日本は海軍戦力を充実させるべく列強諸国との間に建艦競争を繰り広げておりました。
そんななか、日本だけではなく米英など列強諸国も、加熱する一方の建艦競争に経済が立ち行かなくなることを懸念し、条約によって制限しようという動きが生まれます。
この動きはワシントン海軍軍縮条約として結実し、主力たる戦艦の建造に歯止めがかけられることになりました。

このワシントン条約は、補助艦の一部にも制限が課せられますが、補助艦と言っても補給艦や輸送艦などではなく航空母艦や巡洋艦を指し、日本は航空母艦については合計の基準排水量で八万一千トンを越えないことと定められてしまいます。
ちなみに巡洋艦は排水量での制限はありませんが、一隻あたりの排水量が一万トン以下と定められ、この制限内で建造された巡洋艦を条約型巡洋艦と呼ぶようになります。

日本はこのときすでに「赤城」や「加賀」などで排水量の上限に近づいてしまっており、新たな空母を作るうえで障害となっておりました。
そこで条約では規定外とされた排水量一万トン未満の軍艦として小型空母を建造しようと目論見ます。
一万トン未満の軍艦はワシントン条約では制限されなかったので、小型空母を一万トン未満で造れば条約の制限外なので、いくらでも(国家の能力が許せば)建造ができるのです。

そこで日本海軍は、旧式化した水上機母艦の代艦として造る予定だった新型水上機母艦を空母として建造することに決定。
基準排水量を九千八百トンに抑えた小型空母「龍驤」として昭和四年に建造を始めます。

この時点での龍驤は、排水量に見合った搭載機数として24機が予定され、格納庫も一段しかなく、速力も30ノットというものでした。
このまま完成していれば、龍驤はバランスの取れた小型空母だったかもしれません。

しかし、この予定は変わってしまいます。
ワシントン条約のあと、補助艦艇でしのぎを削り始めた各国に対し、補助艦艇にも制限を設けようということでロンドン軍縮会議が行なわれ、そこでロンドン海軍軍縮条約が締結されてしまいます。

このロンドン条約により空母が一万トン未満で造るメリットはなくなりました。
一万トン以上だろうが未満だろうが制限があるのですから。
それならば、無理して小型にせずに大きくして、搭載機も増やしたほうがいいだろうと海軍は考えます。
龍驤はここで大きく設計変更されることになりました。

ですが、すでに船体そのものはある程度形になってしまっておりました。
そのため、この設計変更はある種無理やりという面がありました。
格納庫を一段から二段にして搭載機数を36機にし、さらに補用機(予備や分解状態で搭載される艦上機)を12機も搭載することにしたために、船体そのものに比して上部構造物がとても大きくなってしまったのです。
上部構造物が大きいと、その分船全体の重心が上に行ってしまいます。
重心が上に行くと、船は安定が失われ、ひっくり返りやすくなります。
それを防ぐために、今度は船体の両脇に「バルジ」と呼ばれるふくらみを付け、何とかバランスを取ろうとしました。
すると、今度は船体も上部構造物も大きくなってしまったので、排水量が増大し速度が29ノットしか出なくなってしまいます。
もっともこれは、船体が大きくなっただけではなく、機関を計画の半分にしてしまったことが原因とも言われます。

こうして途中から無理やりな設計変更を行なった龍驤は、いびつなバランスの悪い空母として完成しました。
基準排水量は一万トンを越え一万六百トンとなり、もともと小さな船体だったために艦首が低くすぐ後ろに位置する艦橋が波をかぶりやすくなっておりました。
飛行甲板はその艦橋の真上から後方へと延びており、構造物が何もないまっ平らな甲板でした。

完成した龍驤は、昭和八年に就役します。
しかしその直後から復元力の悪さを指摘され、左右への回頭を行なったときなど遠心力のために相当に傾き、転覆するのではないかと思われたそうです。

はたして日本海軍はその後、小さな船体にたくさん武装を積んで復元力を失わせてしまった水雷艇「友鶴」が転覆事故を起こし、各艦艇の復元力の見直しが行なわれます。
龍驤も就役したばかりだというのに、昭和九年には復元力改善工事が行なわれ、やっとそれが終わったと思ったら、今度は台風によって船体を損傷する艦艇が続出した「第四艦隊事件」で、艦橋や飛行甲板を損傷してしまいます。
結局この修理が昭和十一年に行なわれ、龍驤はようやく戦力となったのでした。

太平洋戦争では、赤城や加賀などの大型空母が真珠湾攻撃で華々しい活躍を見せる中、南方攻略作戦の支援として活躍し、小型空母ながらもその存在感を見せ付けました。
また、ミッドウェー作戦の支作戦として行なわれたアリューシャン作戦にも参加。
ダッチハーバーを空襲するなど成果を挙げてます。

ミッドウェー作戦で主力空母四隻を失った日本にとって、龍驤は小型とはいえ貴重な空母でした。
昭和十七年には「翔鶴」「瑞鶴」とともに第二次ソロモン海戦に参加。
ガダルカナル島に搭載艦上機による攻撃を成功させるものの、米空母「サラトガ」攻撃隊の攻撃を受け損傷。
昭和十七年八月七日、龍驤は南の海にその姿を没しました。

建造途中の計画変更によりいろいろ不都合の多い空母だったようですが、太平洋戦争初期の貴重な空母戦力として貢献した小型空母だったと思います。
私はその特異な艦形から結構好きな空母でした。
それにしても難しい漢字ですよね~。

それではまた。
  1. 2009/09/23(水) 21:18:23|
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西南戦争(25)

城東会戦後、人吉に後退する薩軍に対し、官軍は効果的な追撃を行なうことができませんでした。
大軍であるがゆえの指揮系統の混乱と、部隊配置の錯綜、それに参軍の山県有朋の慎重策が絡み合い、官軍の機動力を封じてしまったのです。
結局薩軍が人吉で態勢を整えはじめるまで、官軍は身動きが取れませんでした。

しかし、明治10年(1877年)5月に入ると、官軍は動き始めます。
人吉に対する包囲を固め、さらには熊本、鹿児島及び宮崎、大分方面と直接間接に薩軍を締め上げる作戦に出ました。
人吉に対する攻撃は、別動第二旅団が充てられ、別働第四旅団がこれに組み入れられる形となりました。

別動第二旅団の司令官山田顕義少将は、人吉のある球磨盆地に通じる七つの街道に部隊を繰り出し、そこから分進合撃の形で人吉を攻略する作戦を立てます。
七つの街道とは、東から五家荘道、五木街道、種山道、万江道、照岳道、球磨川道、佐敷道のことで、もちろん薩軍もこの七つの街道全てに守備隊を置いておりましたが、彼我の兵力差を考えれば、七ヶ所全てを突破することが可能と考えたのでしょう。

官軍は薩軍の防備の固い球磨川道と佐敷道の突破をまず図りました。
しかし、薩軍の破竹隊、常山隊、鵬翼隊(いずれも矢部浜で再編された際につけられた部隊名)の粘りに苦戦し、一時は逆襲を受け佐敷まで押し戻される状況となります。

ですが、兵力的に後が続かない薩軍はじょじょに消耗し、逆に官軍の攻撃に後退を余儀なくされてしまいます。
三ヶ月になる戦いで兵力が消耗し、優秀な下級指揮官を多く失ってしまっていた薩軍には、かつての田原坂で見せたような力はもうありませんでした。

さらに薩軍にとって誤算だったのは、比較的通りやすい道である球磨川道と佐敷道から官軍主力が侵攻してくると見ていたのに対し、別動第二旅団司令官の山田少将は、そちらを牽制として主力は険しい五家荘道、五木街道、種山道、万江道、照岳道など球磨盆地の北方から南下する道に進めたことでした。

球磨川道、佐敷道に比較して小規模の部隊しか置いてなかった各道は、官軍の大部隊に抗しきれずに次々と後退。
二年は持ちこたえられると見ていた人吉は裸同然となってしまいます。
この状況に桐野利秋は5月16日に人吉を離脱。
村田新八に爾後を任せ、新たな展開のために宮崎に向かいます。

当初の目論見どおり各街道を制圧した官軍別動第二旅団は、5月30日をもって人吉に対する総攻撃を仕掛けます。
薩軍は各所で抵抗するものの次々と打ち破られ、各隊ばらばらに孤立するか人吉へと後退して行きました。
そして、この日西郷隆盛も人吉を脱出し、宮崎へと向かいます。

6月1日、官軍各隊が続々と人吉市街に突入。
村田新八率いる薩軍約二千が必死の防戦を試みますが、大勢をくつがえすことはできませんでした。
午後には薩軍は後退を始め、大畑(おこば)方面へと向かいます。
人吉で盤据すると言う薩軍の構想はもろくも崩れ去りました。

孤立した薩軍の小部隊は、一部は官軍を振り切って脱出したものの、官軍の降伏勧告に従い投降する者も多く、また部隊が丸ごと投降するようなことも発生し、開戦以来高い士気を保っていた薩軍の戦意も、もはや低下の一途をたどっていることを如実に示しておりました。

しかし、そんな薩軍にあってなお、官軍を翻弄し続けた部隊がありました。
人吉攻防戦には参加しなかった、野村忍助の奇兵隊(これも矢部浜で再編時に付けられた部隊名称)です。

人吉攻防戦が始まる前の4月30日、野村忍助は兵力約二千五百を率いて大分方面へと向かいました。
中核は奇兵隊で、ほかに党薩諸隊が加わり、薩軍の一部隊としては大兵力でした。
野村の任務は、官軍が人吉方面に集中している今、官軍の手薄な豊後(大分)に突出してそこから四国・本州とも連絡を付けるというもので、いわば起死回生の一手ともいえるものでした。

野村は開戦後の薩軍の戦略には反対でした。
目先の熊本城にこだわることよりも、小倉、長崎、さらには本州への展開を主張し、開戦後もことあるごとに官軍の手薄な豊後進出を唱えては桐野らと衝突しておりました。

今回の人吉盤据も野村は否定的で、ジリ貧になるだけだからとやはり豊後方面への進出を訴えました。
ですが、結局その進言は桐野らには受け入れられませんでした。

こうした野村の主張に耳を傾けたのは、ほかでもない西郷隆盛でした。
西郷は次第に戦力を失っていく現状を何とか打開するべく、野村の作戦に一縷の望みを抱いたのかもしれません。
そこで西郷は特別に直命で野村に豊後進出を命じたのです。

こうして野村は西郷の命を受け豊後へ向かいました。
すでに遅きに失した感は無論野村にもわかっていたことでしょう。
ですが、おそらく野村は意気揚々と出発したのではないでしょうか。
西郷が自分に託してくれた思いを胸に、官軍に一矢報いてやろうと思っていたのではないでしょうか。
この野村の奇兵隊に、官軍はまたてこずることになるのです。

(26)へ
  1. 2009/09/22(火) 21:26:04|
  2. 西南戦争
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残念な結果に・・・

絶賛谷間進行中の舞方です。
連休中でSS書くには最高の環境のはずなのに・・・
どうにも筆が進みません。
モチベーションが上がってくるまでもう少しお待ちください。

などと言っていると、残念なニュースが入ってしまいました。
マンガ「クレヨンしんちゃん」の作者でいらっしゃいます、臼井儀人氏が登山中の転落と思われる事故でお亡くなりになられてしまいました。

最初は行方不明とのことで、無事を願っていたのですが、残念な結果に終わってしまいました。
私個人は「クレヨンしんちゃん」のマンガもアニメもそれほど見ていたわけではありませんが、人気作品の作者様ということで行方不明以降のニュースは気になっておりました。

作品はマンガもアニメもまだまだ人気絶頂と言ってもいい状態でしたので、ご本人もきっとご無念だったのではないでしょうか。
ただ、最近はいろいろとご自身思うところもあったようですので、そういった面が多少なりとも影響があったのかもしれません。

多くの人に親しまれました臼井儀人氏のご冥福をお祈りいたします。

[残念な結果に・・・]の続きを読む
  1. 2009/09/21(月) 20:26:17|
  2. ニュース
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夕食はシチュー

夕食にシチューを作ってました。
もちろん本格的なものなんかじゃなく、市販のルゥを使うお手軽モノ。
かぼちゃを入れたためにクリームシチューが黄色くなっちゃったけど、まあまあ美味しくできたからいいか。(笑)

ウィンナーも入れたからドイツっぽいかな。
きっと独軍の野戦食もこんなものだったかもね。

歴史群像の新刊読んでます。

こちらが表紙。

今号は第二次ソロモン海戦の特集。
ミッドウェー以後の日本海軍がじょじょに劣勢に追い込まれて行くのがよくわかります。
空母戦力を失った日本は、陸上基地による航空戦にも敗れ、ガダルカナルの孤立へとつながっていくんですね。

ほかには家康と秀吉が直接対決した小牧・長久手の戦いの記事が載ってます。
知っているようで知らない戦いなので、この記事はうれしいですね。

また、第二次世界大戦で枢軸国となった東欧三ヶ国のルーマニア、ブルガリア、ハンガリーの記事や、映画「大脱走」の元となったエピソードなど、今号も楽しい記事がいっぱいです。
興味がある方はお手に取られてみてもいいかもしれません。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2009/09/20(日) 20:47:33|
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西南戦争(24)

「城東会戦」は官軍の勝利に終わりました。
薩軍は木山を放棄して矢部浜町まで後退し、そこで集結後爾後についての軍議を開きます。
そして大きな方向転換を行なうことに決めました。

薩軍はこれまでの目的であった政府への問責のために中央へ向かうという方針から、官軍との持久戦を意味する三州盤踞(ばんきょ:根を張って動かないこと、その地方一帯に勢力を張ること)の態勢を取ることにしたのです。
この三州とは、薩摩、大隈、日向の三つの地方であり、鹿児島県と宮崎県を押さえて官軍と対峙し、機を見て再度攻勢に転じようというものでした。
そして、その拠点となる場所を人吉に定めたのです。

さらに薩軍は部隊編成を大幅に改めました。
今までの小隊を基本とした大隊から中隊を基本とした大隊へと編成を改め、今までの大隊長を本営付きとして首脳部を集中。
各大隊はこれまでの戦いで頭角を現してきた中堅クラスの有望な者に任せることにしたのです。
また、味気ない番号ではなく、“振武”“雷撃”“勇義”などの勇壮な名称を大隊名として士気の向上に努めました。
しかし、中隊に編成したと言っても各地の戦いで兵力は減少しており、各中隊とも百名程度の兵力しかなかったといいます。
また武器弾薬ともに不足しており、実際の戦力としては心もとないものでありました。

こうして部隊を九個大隊に再編成した薩軍は、4月22日には人吉へ向けて進発します。
ですが、平野部には官軍が布陣している以上人吉へ向かうルートは山越えの険しいルートに限られており、行軍には困難が予想されました。

先発したのは西郷隆盛と村田新八、池上四郎などが率いる約二千の兵力でした。
彼らは椎葉山系の胡麻山越えのルートを通り、翌日に出発した桐野利秋率いる主力を含む残りの兵力は、西寄りの那須越えのルートで人吉へと向かいました。

4月とはいえ山々の間を抜ける峠越えは寒さと険しさとの戦いでした。
薩軍は悪戦苦闘しながらも一歩一歩峠を越え、人吉へと向かいます。
党薩隊の一部には女性や子供もいたといわれ、かなり難儀な山越えだったと思われます。

4月27日、先に出発した西郷以下の薩軍がどうにか人吉に到着します。
また翌28日には桐野以下の薩軍も山を越え、人吉北東の江代という地に布陣しました。
西郷は桐野に対して人吉にて合流するように申し入れましたが、桐野はこれを固辞して江代にとどまります。
これは追撃してくる可能性のある官軍に備えてのものだったとも、これまで敗戦続きで西郷に顔を合わせられなかったのだともいわれます。
おそらくその両方であったことでしょう。
この頃から桐野と西郷はうまく行かなくなりはじめておりました。

人吉に到着した薩軍を人吉の人々は温かく迎えました。
人吉は党薩隊の一隊を出していたこともあり、薩軍に協力的だったのです。
薩軍は久しぶりにゆっくりすることができました。

4月28日、薩軍は桐野が到着した江代で幹部が集まり軍議を開きます。
ここであらためて人吉を中心にして持久戦を行なうことが確認され、部隊の配置も決定されました。
部隊は球磨盆地の入り口にそれぞれ配置され、盆地を囲む山々を天然の防壁として立て篭もり、大分や鹿児島方面で官軍を牽制しながら兵力と物資を蓄えるというものでした。
薩軍幹部の中には、この態勢なら二年は戦えると豪語するものもあり、その間には土佐などで反政府勢力が立ち上がるだろうと淡い期待を寄せていたのです。

薩軍はこの軍議に基づき、人吉で人口調査を行ないます。
そしてそれによって兵を集め、徴税を行い物資を調達しました。
また人吉城に弾薬製造施設を置き、弾薬製造にも努めました。
この弾薬製造施設の能力は、日産二千発ほどだったといわれます。

つかの間の平穏な時間を過ごした薩軍でしたが、引き締めも行なわれました。
軍令が発せられ、戦場での逃亡や兵士としての本分を尽くさぬものは切腹といったきびしいものとなりました。
薩軍内部に士気崩壊の予兆が起こり始めていたのでした。

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  1. 2009/09/19(土) 21:14:01|
  2. 西南戦争
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これはショックだー

今日はちょっと個人的にショックを受けたニュースがありました。

ベテラン声優であらせられます神谷明氏が、長年声をあてられておりました人気アニメ「名探偵コナン」のキャラで眠りの小五郎こと“毛利小五郎”の声を降板するというものでした。

まさに ガ━━━━━━━∑(゚□゚*川━━━━━━━━ン! という状態です。
あまりにも慣れ親しんでしまったがゆえに、小五郎のおじちゃんは神谷氏の声でしか想像が付きません。

詳しくはご自身のブログでも語られておりませんし、いろいろと憶測も飛んでいるようですが、小五郎役を降りるということだけは決定事項のようで、新しいコナンにはもう神谷氏の眠りの小五郎はありえなくなってしまいました。

「名探偵コナン」においては、推理そのものはコナンが行なっているとは言うものの、変声機の声を実際にあてているのは神谷氏であり、見せ場を盛り上げるのは神谷氏の声があってこそでした。
後任がどなたになるかはまだ未定のようですが、かなり大変であろうと思います。

ただ、今回の降板が神谷氏の病気や怪我、事故などによるものではないようなので、神谷氏自身が声優をできなくなるような話ではないのが幸いです。
毛利小五郎としての声は聞けなくなりますが、きっと今後もあの素敵な声を聞かせてくださることでしょう。
13年間の毛利小五郎役本当にお疲れ様でした。

それではまた。
  1. 2009/09/18(金) 21:03:36|
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馬姫様ではありません

戦争の進展に伴い、数々の新兵器が生まれた第二次世界大戦ですが、第二次世界大戦で初めて使われた兵器というのはそれほど多くはありません。
多くの新兵器は、それまでの兵器の発展したものであり、基本は過去にできあがっていたというものがほとんどでしょう。

航空機の分野でも、第二次世界大戦で初登場した兵器の一つにジェット機がありますが、これも航空機というカテゴリーの中では新型エンジンを装備したものというに過ぎません。
とはいえ、レシプロエンジンでプロペラを回転させて推力を得るしかなかったそれまでの航空機に比べ、新しい推進力で機体を飛ばせるようになったことで、世代が変わったことは事実でしょう。

世界初の実用ジェット戦闘機として名高いのは、ドイツのメッサーシュミットMe262ですが、それに遅れることわずか数週間で実戦配備されたのが、英国初の実用ジェット戦闘機「ミーティア」でした。

英国では第二次世界大戦の始まる前からジェットエンジンの研究が進んでおりましたが、第二次世界大戦勃発後の1940年には推力390kgのホイットルエンジンがほぼ完成の域に達し、いよいよジェットエンジン搭載の戦闘機の開発が進められることになります。

ここで製作を命じられたのが英国の老舗航空機メーカーのグロスター社でした。
グロスター社は1941年には連合国側では初めてジェット試験機を完成させており、実用機の設計にも問題は少ないと見られていたのです。

グロスター社は英国空軍省の指示に従い、実用ジェット戦闘機の設計に取り掛かりました。
当時のジェットエンジンはまだ信頼性が低く、空軍省は単発戦闘機を望んだものの、グロスター社は双発エンジンを搭載した戦闘機として設計しました。

戦争の最中であったということもあるのでしょうが、グロスター社は機体の設計に関しては既存のレシプロ機そのものといったよく言えば堅実な、悪く言えば新しさの何もない凡庸な機体デザインにまとめます。
要はレシプロ双発戦闘機のエンジンだけをジェットにしたような機体だったのです。

しかし、そのおかげで設計そのものは順調に進み、1941年9月には最初の量産型の発注が行なわれるほどでした。
この時点での機体名称は「サンダーボルト」というものでしたが、この名称はアメリカがP-47に使うことになっていたため、「ミーティア」という名称に改められます。

ところがここからがミーティアにとって不幸だったかもしれません。
予定のジェットエンジンW2がなかなか出力が安定せず、量産が遅れに遅れてしまいます。
結局違うエンジンを積んで初飛行を行なったりし、予定のW2エンジンを搭載して量産が開始されたのは1943年6月のことでした。

1944年7月になって、ようやく最初の量産型「ミーティアF.1」が実戦配備されました。
しかし、エンジンの能力も低く機体も凡庸だったミーティアF.1は、第二次世界大戦後半に登場してきた新型レシプロ戦闘機とそれほど能力が変わらないどころか、一面では能力的に劣りさえするものでした。
そのため空戦に使うことはできず、地上攻撃用として使われました。

1944年12月には新型エンジン装備の「ミーティアF.3」が登場しますが、この時点ではドイツのジェット戦闘機Me262もあまり前線には姿を見せず、ついにMe262との空戦は起こりませんでした。

第二次世界大戦では不遇な対地攻撃機としてすごしたミーティアでしたが、戦後は新型のロールスロイスエンジンができたことで性能がアップし、Me262に比肩するジェット戦闘機となりました。
しかし、この「ミーティアF.8」が相手にすることになったのは、Me262よりも格段に性能が高いMig-15でした。

朝鮮戦争に投入されたミーティアF.8は、Mig-15との空戦を行なうものの、損害ばかりが多く、結局制空戦闘はF-86に引き継がれることになるのです。

世界初の実用ジェット戦闘機としての名誉をMe-262にさらわれ、さらに戦闘機としての能力もライバル機に勝てなかったミーティア。
ちょっと不幸な戦闘機だったかもしれませんね。

それではまた。
  1. 2009/09/17(木) 21:25:06|
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新しいリンク先様のご紹介です

また新しいリンク先様ができました。

当ブログともリンクしていただいておりますブログ「同人と海」の管理人であります霧鎖姫ジャック様が、このたび心機一転新たにアイジャック様として新サイトを立ち上げられましたのです。

その名も「インムノトリコ」(クリックでリンク先に飛べます)

まさに妖しい雰囲気をたたえた素敵なサイト様で、まだコンテンツ自体は少ないものの、楽しく魅力にあふれたサイト様です。
アルやドルチェの妖しく変貌していく様に、皆様もまさにトリコになるでしょう。

また、かつての「煉獄歯車」時代のコンテンツも保管されていて、素敵な作品が再び見ることができるようになっております。
これはうれしいですよね。

ジャック様、今後ともよろしくお願いいたします。

それではまた。
  1. 2009/09/16(水) 21:36:20|
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西南戦争(23)

熊本城の包囲は崩れました。
52日間に及ぶ包囲戦についに耐え抜いたのです。
落城前に熊本城を救出しなければならなかった官軍にとって、これは勝利でした。

薩軍はついに熊本城を落とすことができませんでした。
官軍に包囲を破られた薩軍は、4月14日及び15日にかけて各所で後退していきます。
西郷隆盛も薩軍本営とともに健軍方面へと向かいました。

熊本城を落とせなかったとはいえ、薩軍はまだこの戦争をあきらめたわけではありませんでした。
新たな戦線を構築し、場合によっては熊本への再侵攻も視野に入れていたのです。
後退による混乱を早期に収束させた薩軍は、白川と木山川によって形成された肥後平野東側の扇状台地に部隊を展開。
本営を木山において官軍を迎え撃つ態勢を整えます。

この時点で薩軍兵力は党薩諸隊も含め約八千人。
北から大津の野村忍助隊、長嶺の貴島清隊、保田窪の中島健彦隊、健軍の河野主一郎隊、御船の坂元仲平隊と西に向かって半円状に布陣し、官軍と対峙することになりました。

一方これに対して官軍も薩軍に対峙するように部隊を展開。
こちらは衝背軍と熊本城にいた熊本鎮台兵が合流したため、10個旅団約三万人という大兵力になっておりました。

明治10年(1877年)4月19日早朝。
官軍の熊本鎮台兵と別働第五旅団(新編成)及び別動第二旅団が連携して健軍方面の薩軍を攻撃。
薩軍は最初党薩隊の一つ延岡隊が応戦し、その後河野主一郎率いる部隊が加わって官軍を抑えます。
官軍はここでも防御する薩軍に苦戦し、何度も援軍を仰ぎますが、終始薩軍の防御を抜くことはできず、逆に薩軍の逆襲に追い立てられる状況でした。

翌20日。
官軍は全域で薩軍に対し攻撃を開始。
北の大津へは第一、第二、第三旅団が攻撃を仕掛けますが、野村忍助の薩軍がこれをよく持ちこたえ、互角の戦いを繰り広げます。

健軍方面で戦った別働第五旅団は、20日は保田窪方面へと向かいました。
こちらでは一時薩軍の防衛線を切り崩すも、中島健彦率いる薩軍の逆襲で旅団左翼を突破されてしまい、背後に回られてしまうという状況に陥ります。
腹背に敵を受けた別働第五旅団は包囲の危険をどうにか防いだものの、夜になっても右翼側に位置する熊本鎮台兵と連絡が取れないままでした。

保田窪での中島隊の逆襲により別働第五旅団の左翼が崩壊したことで、長嶺地区にいた薩軍貴島隊は抜刀隊を組織して熊本方面へと突出します。
薩軍の猛攻に驚いた山県参軍は、急遽予備として取っておいた第四旅団を投入せざるを得なくなり、かろうじて薩軍の突出を食い止めるありさまでした。

北の野村隊、西の貴島、中島、河野各隊の奮戦により、薩軍は官軍に対して優位に戦況を進めておりました。
しかし、南では危機的状況が薩軍に起こりつつありました。

御船は一度官軍が制圧したあと、熊本城へ向かったために放棄されておりました。
そこで再び薩軍が制圧し、坂元仲平隊が守備についておりましたが、別働第一、別動第二、別働第三の三個旅団がこれを攻撃。
圧倒的な兵力差に坂元隊はついに抗しきれずに後退を余儀なくされてしまいます。
御船川を泳いで逃げる薩軍は次々と官軍に射撃され、御船川は赤く染まりました。

薩軍本営のある木山は御船に近い位置でした。
御船から後退してきた薩軍兵は木山に逃げ込んできたため、薩軍本営は混乱のきわみに陥ります。
さらに御船を突破した官軍が木山の本営に向かってきたことで、薩軍首脳部は防戦におおわらわとなりました。

そして夜には北でも大津の野村隊が三個旅団の官軍についに抗しきれずに後退を開始。
官軍は北と南から薩軍本営を圧迫する状況となりました。

ここにいたり薩軍首脳部は決断を強いられます。
薩軍本営にいた桐野利秋は、ここを死所として迎え撃つつもりでしたが、後退してきた野村忍助らがこれを説得。
ついに薩軍本営は木山を放棄して矢部浜町へと後退しました。

官軍に対し優位に戦闘を進めていた中島、貴島、河野の各部隊も、本営が後退した以上戦場にとどまることはできず、無念の思いで部隊を引き揚げます。
薩軍との戦闘で疲弊していた官軍は、これを追撃することはできませんでした。

こうしてあの「関ヶ原の戦い」以来最大と言われる平野での野戦、世に言う「城東会戦」はわずか二日で終わりました。
薩軍は局所的には優位に戦闘を進めたものの、兵力差をくつがえすことはできませんでした。
戦いは人吉へと続きます。

(24)へ
  1. 2009/09/15(火) 21:32:54|
  2. 西南戦争
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大記録

シアトルマリナーズのイチロー選手が米大リーグ新記録となる九年連続の200本安打を達成しましたね。
108年間誰も抜くことのできなかった八年連続200本安打という記録を、日本人のイチロー選手が抜いたということで、やはり同じ日本人としてうれしいことですね。

イチロー選手のすごいところは、やはり内野安打が多いところではないでしょうか。
今年は内野安打の割合が三割に近いということですが、体調不良だったりしたこともある中で、速いペースでの200本安打達成にはやはりこの内野安打の割合の増加が威力を発揮したのかもしれませんね。

長打が無いことで花が無いとも言われましたが、今年は日系のワカマツ監督のおかげでチーム内でもやりやすい環境になっているようです。
このままで行けば、大きな怪我をしない限りは十年連続200本安打も達成できそうですね。
これからもがんばってほしいものです。

一方日本のプロ野球のほうは終盤ですねー。
クライマックスシリーズの出場権をかけた三位争いも激しくなってまいりました。

セ・リーグは優勝はほぼ巨人で決まったようなものですが、三位争いには三球団がひしめくことになりました。
ヤクルトが去年の阪神のように調子を落としてしまい、阪神と広島が追いついちゃいましたね。
どこが最終的に三位になるのか楽しみです。

パ・リーグも西武と楽天が激しい三位争いですね。
こちらは首位争いも日本ハムとソフトバンクが争っているのでどうなることやら。
あと一ヶ月ですね。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2009/09/14(月) 20:57:40|
  2. スポーツ
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今日は札歴会

今日は札幌歴史ゲーム友の会におじゃましてきました。

今日はなんとなんと本土から私がいつも通信対戦でお世話になっているiriyak様が札幌にいらっしゃいまして、対面でASL-SKを対戦させていただくことができました。
また、会員様多数の参加があり、いくつもの対戦が行われておりました。

9.13(1)
今日も6ゾロ様と暗黒卿様の「アップフロント」(AH)
数戦が行われていたようです。

9.13(3)
つじ様とサッポロ辺境伯様の「アンハッピーキングチャールズ」(GMT)
タイトルに反して国王側の勝利に終わったようでした。

9.13(5)
fsino様とMどりっひ様の「関ヶ原大作戦」(GJ)
陣営を換えて何度か行なわれていたようでした。
また、「レッドドラゴンライジング」も行なわれておりました。

9.13(6)
柿崎様とROKU様の「ウクライナ43」(GMT)
途中までのようでしたが、熱い戦いが繰り広げられていたようでした。

9.13(8)
時系列順にはあとになりますが、私との対戦が終わった後にiriyak様と今日も6ゾロ様が対戦された「ASL-SK」(MMP)
シナリオ2の対戦で、ソ連軍担当の今日も6ゾロ様が勝利なさっておりました。

私の方はというと、まずはiriyak様と「ASL-SK」(MMP)の対戦です。
シナリオはS19「PURPLE HEART LANE」です。
9.13(4)
私が防御側の独軍を、iriyak様が攻撃側の米軍を担当しました。

序盤は攻めあぐねていた米軍でしたが、じょじょに独軍防御線を崩し始め、最後は独軍が追い詰められて壊滅してしまいました。
残念でしたが楽しめました。

その後で今度はHIRO会長と「ドイツ戦車軍団」(エポック)のハリコフを対戦。
9.13(9)
HIRO会長が独軍を担当し、私はソ連軍を担当しました。

こちらも序盤は順調に進撃していったソ連軍でしたが、独軍の装甲師団が反撃に出てきてあちこちで混戦に。
双方大損害を出し続ける中で最後は独軍が逆転勝利を収め、まさにバックハンドブロゥを食らわせられてしまいました。
でも楽しかったです。

今日も楽しい時間をすごさせていただきました。
札幌歴史ゲーム友の会の皆様ならびに遠いところをおいでくださったiriyak様、どうもありがとうございました。

それではまた。
  1. 2009/09/13(日) 21:06:01|
  2. ウォーゲーム
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触るな!

昨日に引き続き「ホーリードール」の35回目です。
やっぱりこれは書いてて楽しい。
少しだけですが、それではどうぞ。


35、
「ドールサキ!」
すぐさま後を追おうとするホーリード-ルアスミ。
だが、その前にスッと躰を持っていくデスルリカ。
進路を阻まれたホーリード-ルアスミは宙で立ち止まるしかない。

「邪魔をするのですね?」
「ええ、当然でしょ。あの娘は私の大事な娘。光の手駒にしておくわけにはいかないわ」
すり抜けようとするホーリード-ルアスミの進路を阻むように身を動かしていくデスルリカ。
背後からはヘルアクスを構えたレディアルファがいつでも跳びかかれるように身構える。
それを承知しつつ、ホーリード-ルアスミは目の前の闇の女王を見据えていた。

ホーリード-ルアスミの魔力の庇護を失いその腕から滑り落ちたホーリードールサキ。
その躰はそのまま校舎の屋上に叩きつけられる。
「がふっ」
激しい衝撃がもろに伝わり、ホーリードールサキの口から血がたれた。

「えっ?」
少し離れた位置に落ちてきた青い光の手駒。
上空では駆けつけてくれたデスルリカとレディアルファが赤いほうの手駒を牽制している。
今ならば・・・
今ならばこの憎い光の手駒を除去できる。
今ならばこの手で・・・
ギュッとブラディサイズを握り締めるレディベータ。
その脚はゆっくりとホーリードールサキの倒れている場所に向けられた。

青ざめてぴくりとも動かないホーリードールサキ。
上空でのにらみ合いをよそに、レディベータはそのそばに歩み寄る。
口元からは血が一筋たれており、内部損傷が激しいことが見て取れた。
ギリ・・・
思わず歯を噛み締める。
目の前に転がっているのは光の手駒。
ブラックパンサービーストもドーベルマンビーストもこの光の手駒たちに消し去られた。
かつてこの娘が荒蒔紗希と言う名の友人であったことなどどうでもいい。
光の手駒のくせにデスルリカ様の心を独り占めしているのが赦せない。
憎い・・・
憎い憎い憎い・・・
デスルリカ様の寵愛を得るのは私とアルファお姉さまのはず。
どうして光の手駒がデスルリカ様に愛されなくてはならないのか?
そんなの赦せるはずがない。

振上げられるブラディサイズ。
漆黒の大鎌がきらりと光る。
これで終わり。
光の手駒に止めを刺す。
気持ちのいい闇の世界が広がるのだ。
光よ滅べ!

「可愛いベータ」
振り下ろされようとしたブラディサイズがぴたっと止まる。
思わずレディベータは顔を上げた。

「私の可愛いベータ。よくお聞きなさい」
視線をホーリード-ルアスミに据えたまま、デスルリカはレディベータに語りかける。
「デスルリカ様・・・」
振上げられたブラディサイズがゆっくりと降りる。
レディベータはただ次の言葉を待っていた。

「あなたの気持ちは私には痛いほど伝わってるわ。これが終わったらお話をしましょう。だから・・・だから今はその娘を傷つけないで。お願い」
「デスルリカ様・・・」
しばしうつむいてしまうレディベータ。
だが、彼女にはデスルリカの“お願い”を拒絶することはできなかった。
「・・・わかりました。デスルリカ様」
レディベータは顔を上げた。

「ありがとう、レディベータ。紗希のことをお願いね」
心よりの笑みを見せるデスルリカ。
彼女にとってもレディベータの気持ちはうれしいものなのだ。
だからできるだけいい方向に結び付けたかったのだ。

デスルリカの笑みにレディアルファもホッとする。
妹とも思うレディベータの思いがデスルリカに伝わったのだ。
それが何よりうれしかった。

レディベータにとってもデスルリカの笑みは格別のものだ。
屋上のこの位置からでははっきりとは見えないものの、それでもデスルリカが笑顔を見せてくれたことはわかっていた。
ならばそれでいいと思う。
デスルリカ様が自分たちに笑ってくれるなら、それでいいのだ。
光の手駒のことを考えるのは今はやめよう。
今はただ、デスルリカ様の言うとおりにこの青い少女を確保するのだ。
レディベータはブラディサイズを消滅させ、そっとホーリードールサキのそばにかがみこんだ。

動けなかった。
左腕の痛みは遮断した。
杖を振るには問題あるが、どのみち杖は右手で振る。
左腕が使えない程度は戦闘力の20%減にも満たないだろう。
だが、ホーリード-ルアスミは動けなかった。
正面にいる闇の女王が動きを封じているのだ。
視線をはずしてホーリードールサキの状況を確認することさえ困難だった。
このまま対峙しているわけには行かないが、かといって動きを見せれば対応される。
まして背後にはもう一体の闇の女がいる。
ホーリード-ルアスミは動くことができなかった。

そっと手を伸ばすレディベータ。
黒いエナメルのロンググローブを嵌めた手がホーリードールサキの躰を抱き起こそうと近づいていく。
先ほどまで憎んでいた少女だが、なぜだか今はそれほどの憎しみは感じない。
このまま屋上に寝かせておくのはよくないだろう。
確保をかねて抱きかかえてやろうとレディベータは思っていた。

「触るな!」
地に響くような重々しい声が白い空間に広がっていく。
肘掛を掴んだ指が震えている。
組んだ脚を解き、腰を浮かせて宙をにらむ。
それはまさに彼女にとってはあってはならないことだった。

「触るな!!」
再び叫ぶゼーラ。
できることなら今すぐにでも飛び出していきたい。
そして大事なドールを奪い返すのだ。
だが、それはできない。
ここから出ることはできない。
この白い空間で、彼女はただ叫ぶしかできないのだ。

闇の女の手が伸びる。
動けないままの青いドール。
内部損傷のせいか呼び戻すこともできない。
綺麗な綺麗な青いドール。
赤と青の一セット。
大事に大事に育ててきたのに。
闇に触られるなんて考えただけでもおぞましい。

「触るな! それは私のものだ。私のドールだ。誰のものでもない私のドールだ。闇なんかが触るなーーーー!!」
ゼーラは気も狂わんばかりに絶叫した。
  1. 2009/09/12(土) 21:52:49|
  2. ホーリードール
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09月12日のココロ日記(BlogPet)

物をなくしたら、侵略コマンダー背後ととなえると見つかるみたいですよ。

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/09/12(土) 10:56:10|
  2. ココロの日記
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おば・・・さま?

180万ヒット記念というにはおこがましいのですが、「ホーリードール」を少しだけ書きましたので投下します。
短いですけどお楽しみいただければと思います。


34、
すさまじい冷気が吹きすさぶ。
周囲のあらゆる物を凍らせる強力な冷気だ。
とはいえ魔力同士のぶつけ合いなら引けは取らない。
レディベータは闇の抱擁を展開し、向かってくるホーリード-ルアスミの魔力を受け止める。
だが、魔力と魔力のぶつかり合いが一瞬視界をさえぎり、レディベータの目をくらませた。

「しまっ」
思わず口にするレディベータ。
本来なら吸収されてしまう光の魔力だが、ホーリード-ルアスミはレディベータが闇の抱擁を使うのを見越して、手前で魔力を広げたのだ。
それに伴い闇の抱擁も光の魔力を吸収しようと広がったため、一時的にレディベータの前に闇が広がってしまったのだ。
闇の女であるレディベータに取り、自ら広げた魔力の闇など視界をさえぎったりはしないのだが、光の魔力が広がり、それを覆うように闇が広がったことで闇と光が重なり合ってしまった。
そのためレディベータの視界が奪われたのだった。

それは一瞬のことだったろう。
光の魔力の広がりに反応した闇の抱擁が、光の魔力を食い尽くすのにそんなに時間はかからない。
だからレディベータの視界をさえぎったのはほんの一瞬に過ぎなかったはずだった。
だが、その一瞬をホーリード-ルアスミは狙っていた。
闇の女といえども、目を通して認識していたものを見失えば、五感をフル活用して気配を探るまでにはタイムラグが生じる。
その一瞬があればホーリード-ルアスミには充分だった。

見失った相手を探すには人間はまず首を左右に振る。
自分と同じ高さで視界外を探すのだ。
それはそうだろう。
相手の高さが変わっているとは普通考えない。
確かにこういった校舎の屋上なら左右ともしかしたら下を見るかもしれない。
だが、上を見ることはおそらく最後になるだろう。

ホーリード-ルアスミは高くジャンプしていた。
動けなくなったホーリードールサキを左手で抱え、校舎の上空にジャンプしていたのだ。
レディベータの視界を奪った一瞬。
その一瞬だけで充分だった。

スッと右手の杖が下を向く。
校舎の屋上に向けられる。
無表情の顔は、ただ次につむぐべき言葉をつぶやくだけ。
それで今回は終わりになる。
闇が広がった建物を焼き尽くし浄化する。
闇の女は倒せないかもしれないが、それは今後のこと。
今は動かなくなってしまったホーリードールサキをゼーラ様の元へ届けなくてはならない。
ホーリード-ルアスミは呪文を唱えるためにさくらんぼのような唇をそっと開いた。

「コロ・・・えっ?」
最後までつむげなかった言葉。
杖から魔力が放たれることはなく、一瞬ホーリード-ルアスミは何が起こったのかわからなかった。
こんと軽くはじかれた杖。
校舎を向いていた先端が宙を向く。
はじきあげたのは槍。
いや、槍の側面に小さな斧が付いている。
西洋の長柄武器ハルバード。
なぜそんなものがここにあるのか?
ホーリード-ルアスミはその持ち主に目をやった。

「おば・・・さま?」
無表情だったホーリード-ルアスミの目に光が戻る。
ホーリード-ルアスミの前に浮かんでいたのは、漆黒の衣装をまとった荒蒔留理香だったのだ。

「やっぱり明日美ちゃんも・・・」
デスルリカの表情が曇る。
わかってはいたことなのに、目の前で現実を見せ付けられると心が痛む。
紗希の友人として、いや、紗希の姉妹同様に感じていて、いずれは大いなる闇の元へといざなうつもりだった少女。
だが、その少女は光の赤いコスチュームを身にまとっていた。

「明日美ちゃん・・・私と来て。悪いようにはしないわ」
デスハルバードを左手で持ち、スッと右手を差し伸べるデスルリカ。
一縷の望みではあったが、デスルリカはそうしないではいられなかったのだ。
だが、突然デスルリカが現れたことで驚愕の表情を浮かべていたホーリード-ルアスミの表情がすぐに失われていく。
「明日美ちゃん・・・」
デスルリカは残念そうに目を閉じた。

「闇は浄化しなければ・・・」
無表情で杖を持ち上げるホーリード-ルアスミ。
その先端がデスルリカに向いたとき、デスルリカは目を開けた。

「レディアルファ!」
デスルリカの声とともに空気が切り裂かれる。
背後からの重たい一撃に、思わず身をよじってかわすホーリード-ルアスミ。
巨大な斧が脇をかすめていく。
レディアルファのヘルアクスが宙を薙いだのだ。
かろうじてその刃先をかわしたホーリード-ルアスミは、デスルリカに対する警戒がおろそかになる。
デスルリカはそのときを見逃さなかった。

「えっ?」
ホーリード-ルアスミの左腕に鈍い痛みが走る。
デスルリカの持つデスハルバードの穂先がホーリード-ルアスミの左腕に突き刺さったのだ。
腕の痛みが筋肉の力を失わせてしまう。
左腕で抱えていたホーリードールサキの躰がするりと抜けていく。
「ドールサキ!」
ホーリード-ルアスミの叫びもむなしく、ホーリードールサキは校舎の屋上に落ちていった。
  1. 2009/09/11(金) 21:44:49|
  2. ホーリードール
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180万ヒット到達です

日付をまたぐのではないかと思っていたのですが、本日22時過ぎに180万ヒットに到達いたしました。
ご訪問くださいました皆様、本当にありがとうございます。

最近はほぼ二ヶ月で10万ヒットという驚異的な速度でヒット数が増えており、これも皆々様のご支援の賜物と感謝いたしております。

200万ヒットも視界に入ってきて、今年中は無理でしょうけども、来年はじめには届きそうな気配です。
気を緩めることなくこのまま突っ走っていければなと思っております。

と、言っている舌の根も乾かぬうちに大変申し訳ないのですが、180万ヒット記念SSができてません。orz
先日1500日記念を作成して以後、どうもSS作成に身が入らない状態でして、いわゆる谷間の状態なんだと思います。

そのため、大変申し訳ないのですが、新作記念SSは当面先送りさせてくださいませ。
その代わりといってはなんですが、ホリドルを少し進めようと思っておりますので、お楽しみいただければと思います。

皆様には本当にご訪問いただきありがとうございます。
これからもどうか当ブログをよろしくお願いいたします。
  1. 2009/09/10(木) 22:45:20|
  2. 記念日
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敵を侮り己を見失い・・・

学研のムック本「太平洋戦争」の四巻目、「第二段作戦」を読んでいます。


こちらが表紙。
赤城の艦橋に山本五十六司令長官の全身像、レキシントンとヨークタウンのCGなどを配した表紙ですね。

過去三巻刊行されたムック本の四巻目で、緒戦の南方資源地帯奪取作戦を終えた日本軍の第二段作戦を取り扱っており、当時の日本がまさに迷走というか妥協に次ぐ妥協の産物である第二段作戦が紹介されてます。

緒戦での大勝利が準備不充分の米英軍に対する奇襲的勝利であったにもかかわらず、充分な実力を持っていると過信してしまい、おごりと敵軽視に陥った日本海軍と、緒戦で南方資源地帯を確保した以上は中国とソ連に集中したい日本陸軍は、お互いにその目指すべき方針をすり合わせることができず妥協によって今後の方針を策定し、対陸軍どころか海軍内部でも軍令部と連合艦隊司令部との間で意思統一が図られないままに「ミッドウェー作戦」に突き進んでしまったあたり、やはり負けてしかるべき負けだったのだろうなぁと思いますね。

米軍が持てる力をフルに発揮知るべく努力したのに対し、同時期に二方面での作戦を行なうことで戦力を分散し、さらにその作戦目的も敵空母撃滅なのかミッドウェー島攻略なのかはっきりしないままで作戦に突入する。
やはりおごっていたといわれても仕方ないのかもしれませんね。

「ミッドウェー海戦」そのものについてはいろいろな書籍もありますし語りつくされている気もしましたけど、やはりこうしてムック本で読んでいるとなるほどなーと感じます。
興味がある方は一読してもいいかもしれません。

それではまた。
  1. 2009/09/10(木) 21:08:57|
  2. 本&マンガなど
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ジャスティスハンター壊滅(2)

mg_max様よりいただきました「ジャスティスハンター壊滅」の後半です。
とても素敵な作品だと思いますので、皆様もお楽しみいただけると思います。

それではお楽しみくださいませ。



久しぶりに姿を現した美獣を撃退した五月は、未だかつてない激しい欲情に襲われ、任務を終えると体調不良を理由に基地には戻らず自宅のマンションに戻って、呼び出した実里が来るまでに数十回の絶頂を迎えていた。
「五月さん、ずいぶん苦しそうですね。 大丈夫ですか?」
「ダ…ダメ… もう…これだけじゃ……   …したい… …実里と…したい…  …誰でもいい… したい… したくて…したくて…堪らないの…」
実里は五月のショーツを軽く引っ張り、黒皮と肌の隙間にゲル状の薄膜がはっていることを確認すると口元を吊り上げ微笑んだ。
(クス… ハンターホワイト、スキンを脱がなくなったのね…  スキンが癒着しはじめているわよ…)
垂れ目気味だった優しい面影はなく、黒いアイラインで目尻を吊り上げ、派手なメイクを施したように残忍な顔つきになっている実里。
五月がまともな状態であれば、実里の変化に気づいて疑念を抱いたかもしれないが、いまの五月にはそんな観察力も判断力もない。
「み…実里… …して…おねがい……イかせて…  …冒させて……実里を…冒したい…」
人とは思えない力で実里をベッドに押さえつけた五月は獣のような眼で実里を見下ろし、舌なめずりする。
「…実里… …舐めて… …わたしをイかせなさい…  …そのあとで… …実里を… …メチャクチャにしてあげるから… ンフ…フフフ…」
「クスクス… 完全に理性を失ってる… 昼間倒させたマウスに仕込んでいたフェロモンガスで体内の美獣セルが活性化されたみたいね。 クス… この様子だとハンターホワイトがクイーン・レオ様のシモベになるのも… クスクス…」
黒い手で実里の服を引き裂いた五月は涎を垂らしながら実里の胸からヘソ、淫核へと舌を這わせた。
「クゥゥン… そうですよ… それがレオ様がもっとも悦ばれる責めです…  そこから舌でアッ… そ…そう……中まで舌を…」
実里は自分がレオに躾けられた責め方で五月を責め、彼女をレオ好みのシモベにする準備をしていた。
「イィッ… ンフゥ……上手ですよ五月さん…  次はわたしがお手本を… しっかり憶えて下さいね…」
「ウグゥッ… ウゥゥンッ…  実里… イィ… ザラザラした…舌が…奥まで… イィッ… クリ…クリ…イィ… モット…モット…舐めて…  ハヒィィィッ…」
実里は生まれ変わった姿に変容し、人外の物となった舌で五月を冒しまくった。


翌朝…
「五月さん、起きて下さい… 本部からの呼び出しですよ」
五月の耳元で実里が優しく囁く。
「う…うぅぅん…… 実里…さん…  あれ…いつのま……エ、エマージェンシー!!」
ベッド脇に置いてある通信機能を備えたブレスレット型パワースーツ装着ユニットを慌てて取り上げた。
「ハイ、来栖です。 ハイ、問題ありません大丈夫です。  湾岸地区Cエリアに美獣が!  ハイ、了解しました。 直ぐに向かいます」
「美獣帝国が現れたんですか…」
「ごめんなさい実里さん… わたし直ぐに出動しないといけないの。 戻ったらまた連絡するから…」
「気にしなくていいですよ。  あの五月さん…」
「ン? どうしたの実里さん」
黒い皮を身に着けたまま白のライダースーツを着用しようとした五月が手を止めて実里を見やった。
「また昨日の夜のようになるといけないから… これを…」
実里はバッグから黒のライダースーツとブーツ、それとグローブを取り出した。
「まさかそれは…」
「ハイ、黒い皮で出来ています。 ある方が五月さんの為に、特別に作って下さったんですよ」
実里の言った『ある方』が誰なのか問うこともなく、五月は手に持っていた愛用のライダースーツを床の上に落し、フラフラと実里に歩み寄ると黒いライダースーツを受け取っていた。
「それを着ていれば、昨夜のようにはならないと思います」
「そ、そうね… 助かるわ…  それにこの皮は体に張り付くように馴染むから…」
黒い皮。
クイーン・レオが用意した美獣スキンの虜になった五月がそれを拒めるはずもなく、全てを皮で包まれる悦びに恍惚の笑みを浮かべながら、その感触を確かめるようにライダースーツを装着してゆく。
そして指先に爪のような金具が付いた肘下までのグローブをロンググローブの上から嵌め、ライダーブーツとは思えない高さのあるヒールのサイハイブーツも何の躊躇いもなく身に着けた。
「ンフゥ… 素敵な着心地… まるで何も着けていないような… 自分の肌のようなこの感じ…」
黒い皮で覆われた体をうっとりとした表情で撫でます五月の顔に、何か動物の顔を表しているような怪しい隈取が浮かび上がり直ぐに消えた。
それを見ていた実里が邪悪に微笑むとネコを思わせる隈取が表れ、それも直ぐに消えてしまった。
「クスクス… とても似合ってます。 素敵ですよ」
「ウフフッ… ありがとう」
妖艶に微笑んだ五月の目尻は黒く染まり、吊り上がったように変化していた。





「クク… 待っていたわ。 私の忠実なシモベ、ハンターホワイト」
湾岸地区に駆けつけたホワイトは、薄暗い倉庫の中でクイーン・レオと対峙していた。
「待っていた? わたしがあなたのシモベ?  フッ… 面白いこと言うわね…」
「ククク… まだ正気の部分が残っているのね。 さすがハンターホワイト、と褒めておくわね…」
語気に迫力を感じないホワイトを、レオは愛しい者を見るような眼でじっと見つめていた。
「残っている?  さっきから訳のわからないこと言って…   勝負よ、レオ」
「クク… 私と闘えるのかしら?   ククク…」
優しく微笑んではいるが、レオの眼力は美獣化が進んでいるホワイトを大人しくさせるのに、十分過ぎる力があった。
拳を握りしめて身構えていたホワイトの両手がゆっくりと体の横に下ろされる。
(えっ… なぜ… どうして…  どうしてわたし… レオを攻撃しないの…)
「クク… お前は私に逆らえない。 既にお前は私の忠実なシモベ、いまからそれを気づかせてあげる」
妖しく微笑んだレオは、これみよがしに舌なめずりをしてみせる。
「ふざけないで… どうして…わたしが… エッ…ハゥ…」
ビクンと体を震わせたホワイトはレオの前に跪くように地面に膝を着いた。
(こんなときに…どうして……   あぁ…したい…  …されたい…)
自身を抱しめるように腕をまわし、レオの前でうずくまるホワイト。
「ククク… 我が忠実なるシモベ来栖五月、その忌々しいスーツを脱ぎなさい」
「いい加減に…しなさいよ…  わたしが… あなたの…」
「クク… わたしがしてあげるわ…  ククク…」
跪く五月の顎に指を掛けて上を向かせたレオは、ヘルメットの口の部分に唇を重ねる。
「や…やめ… ハゥッ…」
(どうして… 感じるの…   ダメ…おかしくなる…)
ホントにキスをされているように感じはじめた五月は、レオの行為に答えるようにヘルメットの中で舌を出し猥らに動かした。
「ククク… スーツを脱ぎなさい… 素直に従うのよ… 私の可愛い五月…」
「ンムゥ… はあぁぁ…」
天を仰いだまま悦楽にひたるホワイトの体が光に包まれた次の瞬間、纏っていたパワースーツは消滅していた。
「クク… そうよ、いい子よ」
「ンフゥ… フゥ… どう…して…わたし……スーツ…を…」
虚ろな眼で戸惑う五月。
「ククク… それはお前が私のシモベ、我が美獣帝国に仕える美しき美獣だからよ…」
レオは黒い皮のライダースーツに浮かび上がる胸の尖りを優しく愛撫する。
「ンハァッ… そんな… わたしが… …なわけ…  イィッ…」
小さく息を切った五月の顔に怪しい隈取が微かに浮かび上がった。
「ククク… お前は私のシモベ、私の可愛い美獣…」
「ウッ…ウゥゥン… わたし…わたしは…… ハァッ…アッ……アッ…アァァ…ハァァン… イィ…」
黒い体を撫で回されて感じはじめた五月の顔の隈取がはっきりしてくる。
「クク… 来栖五月、お前は私の何?」
「わたしは…ハンター…… …そこ… もっと…中まで…」
レオは五月の顔を両手で押さえ、瞳を覗き込んだ。
「来栖五月」
「ア……ハ……ハ…ィ…」
「お前は私の何?」
「わたし… わたしは…… わたしは……ハンター…ホワ…ほわ…」
「ククク… まだそんな事を… だったら素直になれるようにしてあげるわ… ンム…ンチュ…」
レオの唇が五月の唇に重なり、体液が口の中に流し込まれると五月はそれを受け入れた。
「ンフゥ…  クク… 五月、言いなさい。 お前は私の何?」
「ハァァ…アァ…… ハイ… わたしは…シモベ…  クイーン…レオ様の…シモベ…」
隷属の言葉を口にした五月がうっとりとした顔でレオを見つめる。
「クク… そうよ。 あなたは私の部下、我が美獣帝国の忠実なるシモベ」
五月は虚ろな眼でレオの言葉をオウム返しで答えた。
「ハイ… わたしは…レオ様の部下…美獣帝国の忠実なシモベ…  ハアァァァッ…」
小さく身震いした五月が全身に拡がる従属の悦びに淫靡な笑みを浮かべると、レオも満足の笑みを浮かべ、五月を優しく抱きしめて耳元で囁く。
「今夜、…を連れて私の所にいらっしゃい。 それまであなたは私の敵、ハンターホワイトでいるのよ」
開放された五月はゆっくりと立ち上がり、直立不動の姿勢で答える。
「ハイ… クイーン・レオ様… 仰せのままに…」
「ククク… ンチュ…」
レオが五月に口付けをして姿を消すと、五月の顔の隈取が消え、瞳に強い意志の輝きが戻っていた。
「ハッ… なに… どうしてわたしスーツを…  パワースーツ・オン!!」
白と銀のパワースーツを再装着した五月は取り囲んでいるマウスを圧倒すると仲間と合流し、マウスを指揮していた美獣を葬り去った。





そして…
冷たく微笑みながらレオの前に佇む五月。
その顔には隈取が浮かび上がっている。
「五月、どうしたの! どうしてあなたが!!」
濃紺のJHの制服を身に着けた女が腕に手錠を掛けられ、レオの前に転がされていた。
「ククク… ハンターホワイトは、お前の妹来栖五月は、私の忠実なシモベ、美獣に生まれ変わるのよ」
レオは手招きで五月を呼び寄せ、足元に跪かせた。
「ククク… お前が私のシモベとなったことを、あの女に見せてお上げなさい」
「ハイ、クイーン・レオ様」
「ナッ! やめなさい、五月!! あなたはJH、ハンターホワイトよ、しっかりしなさい!!」
レオの淫核に優しく口付けをした五月は、実里から教えられたレオが悦ぶ愛撫をはじめる。
「クフゥン… しっかり躾けられたようね… ハァッ… そう…そうよ……もっと奥を…  ンフゥ…そう…もっと音をたてて…私の蜜を舐めなさい…」
「ハイ、レオ様…ンフ…ンフ…ンチュ…」
レオの愛液を舐める五月の体が少しずつ変化しはじめる。
身に着けている美獣スキンのライダースーツ、グローブ、ブーツの継ぎ目や皺、弛みがなくなり、ピタリと体にフィットすると表面がヌメヌメした輝きを宿す。
そして無駄なく鍛えられた体が締めつけられて、よりシャープでしなやかなフォルムへと整形されると、印核や胸の尖り、秘唇がくっきりと浮き出して、スキンは完全に五月の躰と化した。
「やめなさい五月… あなたは… あなたは…   さ…五月…」
美獣化してゆく妹に正気を取り戻させようとしていた三月が絶句し、顔から血の気が失せる。
レオの陰部に顔を押し付けている五月の黒いお尻の一部が隆起し、細く長く伸びるとクネクネ動き出した。
「ククク… 美獣に生まれ変わる気分はどう?」
「ハイ、クイーン・レオ様。 とてもイイ気分です。  ウフフ… 美獣になることがこんなに素晴らしいなんて… どうしてもっと早くに気づかなかったのかと後悔しています」
陰部から顔を離した五月の隈取は猛獣を思わせるデザインに変わり、目は白目と黒目が反転して、もはや人とは思えない形相になっていた。
「さ…五月……あなた…ホントに……ホントに…美獣に…なってしまう…」
恐怖に顔を引き攣らせる三月をレオは横目で見やり。
「クク… まだ信じられないようね。  ロシアン、マスクを持って来なさい」
「ビジューッ! かしこまりました。 クイーン・レオ様」
返事と共に現れた青白い肌に青灰の短い髪の毛、同じ毛色のショーツとブラ、そしてソックスと指なしグローブを着けたような美獣が優雅に尻尾を動かしながら、黒い皮のマスクを持ってレオに近づいてくる。
「あ、あなたは…」
青灰の毛の中にある三角の耳をピクリと動かした女は、猫を思わせる化粧が施された顔に妖艶な笑みを浮かべて三月を見やった。
「クスクス…」
「実里さん…大道寺実里さん… あなたまで美獣に…」
「クス…クスクス…」
実里は何も答えず三月を横目で見やりながら、レオの近くまで行くと跪いて頭を下げ、持っていた黒いマスクを両手でレオに差し出した。
「ククク… 来栖五月。 このマスクを被り、美獣キラーパンサーとなるのです」
「ビジューッ!」
美獣の名を与えられた五月は美獣帝国の奇声で答え、ゆっくりと立ち上がりながら残忍な笑みを三月に向けた。
「ウフフ… 姉さん… これを被れば、わたしは完全な美獣に、レオ様のシモベに生まれ変われるのよ」
「や、やめて、五月… いまならまだ…あなたを…  ダメよ、五月!!」
「ウフフフ…」
横目で三月を見やりながら、五月はレオから受け取ったマスクを何の躊躇いもなく被った。
『ンッ…ングゥ……ングッ』
鼻も口も覆われた五月はくぐもった声を漏らし、マスクで覆われた顔を撫で回していた。
「五月、脱ぎなさい… 早く脱いで…」
『ンン…ン…ンンン…』
「五月…」
マスクはヌチャヌチャと五月の頭部を租借するように蠢き、鈍い音をたてながら頭蓋骨を作り変えてゆく。
「ウグッ…イギィ……ギギィ…グガァァ……… ンフゥ…フゥ…フゥ…… フッ…フフッ……ウフフフッ…」
青白く変色した顔の下半部が開放され、黒く彩られた唇を吊り上げて微笑む五月の口元に銀色の鋭い犬歯が現れる。
そして頭部の変化が程なくして完了すると、五月の顔は黒い豹へと変貌していた。
「ウグルルゥ……グルルッ……」
黒い眼の中にある不気味に輝く白い瞳を縦長に細めた五月は、喉を鳴らしながら、変化し終えた躰を嬉しそうに眺めていた。
「さつ…き…」
「グルルッ… 素晴らしい… これが美獣帝国の力… グルルッ… 早くこの爪で人間ども八つ裂きにしたいわ…」
「ウソ… ウソよね… 五月…」
両手の指先にあるナイフのような爪を出し入れさせて、紫に変色した長い舌で舌なめずりしながら微笑む五月の姿は三月を失意のどん底に突き落とした。
「ククク… キラーパンサー、頼もしいシモベ…」
「ビジューッ! 偉大なるクイーン・レオ様、この忠実なるシモベ、キラーパンサーに何なりとご命令を…」
レオの前に跪き、臣下の礼をとる五月に正義のヒロインとしての意志は微塵も残されていなかった。
「クク… キラーパンサー、この女をどうすればいいか、意見を聞かせてもらえるかしら」
「ビジューッ! 恐れながら… この女の指揮能力は大きな戦力となりましょう。 この能力を活かせる美獣に改造すれば、レオ様のお役に立てるのではないかと…」
「な…なにを言うの五月… 私たちは姉妹… 姉の私を美獣にするつもりなの…  カハッ」
キラーパンサーは怯えた顔で震えている三月の鳩尾に軽く拳を当てた。
「グルッ… うるさい女ね! わたしはキラーパンサー、もうお前の妹などではない!」
「…サ…ツ……キ…」
床の上に突っ伏して苦しむ三月をさげすみながら、キラーパンサーは口元に残忍な笑みを浮かべていた。
「ククク… その女には自分が指揮を執っていたJH基地を制圧させてあげましょう。 ロシアン…」
「ビジューッ! かしこまりました」
名前を呼ばれた青灰の猫、美獣ロシアンにされた実里が三月に近づく。
「な、なにをする気なの… やめて… 私は美獣なんかになりたく…ンッ!」
三月の言葉はロシアンの唇でさえぎられた。
「ンッ…ンン……  ンフ…ンフゥ…」
首を動かして抵抗していた三月の動きが直ぐになくなり、口内に流し込まれるロシアンの甘い唾液を恍惚とした顔で飲み干してゆく。
「ククク… ロシアンの体液には、どんなに強靭な意志を持った人間でも数分で欲情させる効果があるのよ…」
「ンハッ… ア…アァ……ハァァン…」
虚ろな眼で体をよじりはじめた三月の服を脱がせたロシアンは、三月の秘所から溢れ出している愛液を舐めとる。
「イヒィ……イィ……  ハヒィ…」
ビクンと体を震わせた三月の美しい顔が快楽に崩れ、だらしなく半開きになった口元から涎と舌を垂らしていた。


72時間後…
灰色のキャットスーツに黒いグローブとブーツを着けたような躰。
意志のない白い眼をし、ネズミを思わせる隈取が描かれた顔の女が2人、レオの前に立っている。
彼女たちはJH基地に所属する三月の秘書官と看護士の1人だったが、先に基地に戻った五月に、三月の体調が優れないので見てきて欲しいと頼まれ、三月のマンションを訪れたところをマウスに襲われて美獣帝国に拉致されてきた。
「ククク… お前が産み落とすマウスピューパを呑まされた人間はインファントマウスとなり、コマンダーであるお前の意のままに… そしてインファントマウスは数日で完全なマウスへと成長する。  クク… その力、気に入ったかしら? ラットコマンダー」
「ビジューッ! 素晴らしい力です。 この力で人間どもを美獣帝国に隷属させてご覧に入れます」
インファントマウスの前に、白い躰に灰色のロングサイズのグローブとブーツ、顔の下半部を露出した白いネズミの全頭マスクを被っているようなラットコマンダーが直立不動の姿勢で立っていた。
「ククク… 美獣ラットコマンダー。 JH司令、来栖三月の生まれ変わった姿… 素敵よ」
「ビジューッ! ありがとうございます。 クイーン・レオ様」
「「ビジューッ!」」
美獣にされた来栖三月が右手を高く掲げて敬礼の姿勢で答えると、インファントマウスも同じ姿勢で声を上げた。
「クク… ラットコマンダー、その力でJH基地を美獣帝国の前線基地と化すのです」
「ビジューッ! かしこまりました、クイーン・レオ様」
再敬礼した三月が腕を下ろすと、ラットコマンダーからJH司令来栖三月の姿に、インファントマウスもJHの制服を着た女の姿に戻っていた。



6時間後…
JH司令室の床の上にインファントマウスが倒れている。
「ウフフフ… オペレーターの交代は1時間後だったわね… ミーティングルームに警備部、技術部の女たちを集めなさい」
「ハイ… かしこまりました… ラットコマンダー様…」
自分のシートに腰掛ける来栖三月の手に黒い縞模様のある灰色をした不気味な物体、マウスピューパが握られていた。
「ウフフ… キラーパンサーはJHを始末できたかしら? 地下模擬戦場の映像を…」
「ビジューッ!」
床の上に倒れていたインファントマウスが起き上がり、オペレーターシートで端末の操作を始めると、オペレーターだったときの姿に戻る。
「ラットコマンダー様… 地下模擬戦場の映像です… 現在戦闘は…」
「とっくに片付けたわよ」
司令室の入り口で答える五月が冷たい笑みを浮かべながら、血塗られた変身ブレスレット4つを床に放り投げた。
「ウフフフ… そう… こっちも急がないといけないわね…五月… いいえ、キラーパンサー」
妖しく微笑んだ三月が秘所に添えていた手を広げると粘液に包まれた産みたてのマウスピューパがあった。

END


いかがでしたでしょうか?
よろしければ拍手、感想などをいただけますと、mg_max様もとても喜ばれると思います。

mg_max様、とても素敵な作品をお送りいただきましてありがとうございました。
もしまたご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
  1. 2009/09/09(水) 21:30:05|
  2. 投稿作品
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  4. | コメント:8

ジャスティスハンター壊滅(1)

皆様はGIGAというアダルト動画のブランド様をご存知でしょうか?

特撮系ヒロインの陵辱モノなどを手がけているブランド様なのですが、このGIGA様がこの6月ごろから映像作品のプロット案を一般の方から広く募集しております。

その名も「ヒロイン妄想計画」
一般投稿者からストーリープロットを広く募集し、その中から優れたプロットをベースにして映像化していこうというおもしろい企画です。
すでに多数の投稿があり、うちいくつかの映像化が決まっているようです。

特撮系ヒロイン陵辱モノということで、いわゆるバッドエンドである悪堕ちモノストーリーもいくつか見られ、私自身おーっと思ったり、これは使わせてほしいストーリーだなーと思ったりすることもあるのですが(笑)、その中の一つに「ヒロイン改造(仮)」というストーリー案がありました。

ストーリー案を作られた方はmg_max様という方で、私自身おもしろいストーリーだなぁと思っていたのですが、今はこのストーリー案は「ヒロイン妄想計画」サイト様には記載されておりません。

それというのも、mg_max様ご本人が、そのストーリーをSSとして完成させ公開したいとお考えになられたからでして、GIGA様にご承諾いただき投稿を削除なさったからなのです。

そして今回、ご縁がありまして、当ブログにそのmg_max様からそのSSを頂戴いたしました。
悪堕ち作品を公開する場所として、当ブログを選んでくださったというわけなのです。
悪堕ち好きとしてとても光栄なお話であり、すごくうれしいことでした。

そこで、今日明日の二日に分け、mg_max様の作品を投下したいと思います。
どうか皆様もmg_max様の作品をお楽しみくださいませ。
mg_max様、このたびは本当にありがとうございました。

それではどうぞ。


- ジャスティスハンター壊滅 -



クイーン・レオ率いる美獣帝国が人類を脅かしはじめたのは、数ヶ月前に起きた月が太陽を覆い尽くした皆既日食の日。
いつどこで誕生したのか、素性や起源は全く分からず、人々のあいだで戦時中の生態兵器、環境汚染による生物の突然変異と噂が絶える事がなく、彼女たちが侵略者であるにも関わらず、その美しい容姿に心を魅かれる者は少なくなかった。


鬱蒼とする樹海。
その奥深くにある人工建造物。
放棄された戦時中の司令室跡が美獣帝国の侵略拠点となっている。
レオは女性ばかりを誘拐し、ここで人とネズミを組み合わせた構成員マウスや美しい獣の姿をした怪人、美獣に改造して、帝国の尖兵としていた。


優秀な人材が揃う女子大を襲撃し、美獣にする獲物の調達を企てたレオだったが、政府が極秘裏に編成したチーム、特殊パワースーツを装着して美獣帝国と戦う5人の戦士ジャスティスハンターにその企てを阻止され、失敗に終わった事を忠臣レッドアイに聞かされた。
「またしても… 忌々しいジャスティスハンター…」
首もとの白く美しい毛を撫でながらレオが呻くような声を漏らすと、闇と同化する漆黒の躰に紅い眼を輝かせるレッドアイが報告を続ける。
「ですが、レオ様。 マウスに随伴させたわたくしの部下が、面白い情報を持ち帰っております」
「面白い情報?」
「ハッ 自分の命を助けることを条件に、情報を提供してきた者が居たようです。 JH(ジャスティスハンター)のパワースーツには次世代宇宙服の技術が流用されており、その研究者の娘が先ほど襲撃した大学に在籍していると…  情報を聞き出したあと、その者は始末しております」
「ククッ… もし本当なら、その娘は使えそうね…」
「ハッ 今回はわたくしが赴き、この娘を捕獲して参ります」
レッドアイは無言で頷き微笑んだレオに一礼すると、自ら人であることを捨て、美獣に生まれ変わった政府諜報員の姿に戻り、ターゲットの捕獲に向かった。





「私がスーツの開発に関わっていたことは、キミたち以外に知る者はいないはずじゃなかったのか!!」
近い未来、実用化が有望視されている超軽量宇宙服の設計者で、その技術を流用したJHの装備パワースーツの開発を任された大道寺(だいどうじ)は、彼に呼び出されて駆けつけた来栖(くるす)姉妹、JH総司令官の姉三月(みつき)とパワースーツ装着者で唯一女性のハンターホワイト妹五月(さつき)に掴み掛かっていた。
「もちろん、そのことを知っているのは、開発に立ち会っていた私と来栖隊員以外にいません」
「だったらなぜ、美獣帝国が娘の身柄と引き換えに、パワースーツのデータを要求して来るんだ!!」
「エッ! 実里(みのり)さんが美獣帝国に!!」
三月は美獣帝国から届けられたメモリーカードを大道寺から受け取るとモバイル端末に挿入する。
そして薄暗い部屋に拘束されている大道寺実里の姿を確認した。
「まさか、昼間の襲撃で実里さんを…」
「それは無いわ。 作戦終了後に、実里さんの無事を確認しているのよ」
「そんな事はどうでもいい!! 私はパワースーツのデータを渡し、実里を還してもらうつもりだ。 私たち家族の安全を保障する。 それがキミたちに協力する条件だったはずだ、異論はあるまい」
「ま、待って下さい、大道寺教授」
(五月、いま大道寺教授に何を言っても無駄よ。 それにレオが素直に実里さんを還すハズがないわ…)
三月は五月に耳打ちすると頭を下げ、大道寺邸をあとにした。


その頃、美獣帝国では…
「ククク… 大道寺がJHに協力していたと言う情報は本当だったみたいね…」
「ヒッ… や、やめて下さい… わたしになにを…」
レオに押し倒された実里の顔が恐怖に歪む。
「ククク… 父親のもとに還す前に、少し楽しませてもらうだけよ…」
「イ、イヤ… やめて…」
「クク… 怖がることないわ… 直ぐに気持ちよくしてあげるから…」
鋭い牙が生えているレオの口が実里の口を塞ぐ。
「やめ…やめて…やめてッ……ンムグッ…ンッ…ンン……ング……ング…ング…」
レオの唾液を口の中に流し込まれた実里の動きは徐々に鈍くなり、目がトロンと惚けて体から力が抜けると、レオは実里の服を脱がせ、舌と指で全身を愛撫しはじめた。
「アッ……ハアァん…… イィ…キモチィィ…」
「クク… いい子ね…」
艶めかしい声を漏らす実里は、口元に近づけられたレオの指に舌を絡ませていた。


24時間後…
裸に白い毛皮のブラとショーツ、そして襟巻きを着けているような女。
だが白く長い髪の中に見える三角の耳とお尻で優雅に動く尻尾が、彼女が人ではない存在であることを示していた。
「クク… 殺しはしないわ。 しばらく眠ってなさい…」
足元で仰向けに倒れている白と銀のパワースーツの戦士の腹にレオの足がメリ込み、その一撃でピクリともしなくなった戦士の体は光の粒子に包まれ、白いライダースーツを身に着けた女の姿に戻る。
人質奪還と機密情報の漏洩を防ぐ為、密かに交換場所に潜り込んだJHは、待ち伏せていた美獣とマウスに襲われ、個々に切り離されてホワイトのみが取り残された。
そしてハンターホワイトはクイーン・レオのもとに誘き出され、その圧倒的な力の前に敗北していた。
「クク… ハンターホワイト、お前を誘き出すことが目的だったのよ…」
意識を失いぐったりしている五月はマウスたちに裸にされ、淫核に紫の液体が充填された圧力注射器を押し付けられた。
鈍い発射音と同時に五月はピクンと体を跳ね上げたが、目を覚ます事はなかった。
「ククク… このクスリはとってもいい気持ちになるクスリよ…  クク… したくてしたくて堪らなくなって… 女を襲い、イキまくるの…」
邪悪な笑みを浮かべたレオはそう言い残すと五月の隣に実里を寝かせ、その場をあとにした。





「ン…ウウン…  ここは…」
「五月さん、気が付きました? 気分はどうですか?」
「あなたは…実里さん… 大道寺実里さん…」
「ハイ、実里です。 助けて頂いてありがとうございます」
意識を失い倒れていた五月は、実里と一緒に助け出されて医療センターに収容されていた。
「助けただなんて… わたしは何も…」
「みなさんが言ってました。 五月さんはわたしをかばうように倒れていたって…」
(…そんなハズない…わたしは何も… レオに負けて…意識を失い…)
「でもよかった… 五月さん… 3日も眠り続けたままだったんですよ。 このまま起きないんじゃないかって…」
潤んだ瞳で五月を見つめる実里は微かに紅潮している。
「わたしの所為で… 五月さんがケガをしたと聞いて…」
「実里さん?」
「美獣帝国に捕まったとき… きっと助けに来てくれると…」
「ちょ、ちょっと実里さ…ウッ…」
五月の中で何かがドクンと脈打ち、これまで抱いたことのない淫猥な感情を覚える。
(…な…なに… どうして…こんな……   したい………やりたい……この子を…ムチャクチャにしたい…)
「み…みの……みの…り…」
ベッドに添えられている実里の手を握りしめた五月の瞳が虚ろになり、強引に引き寄せるとその唇を奪っていた。
「ンン…ン…ウンン……」
激しく吸いつき舌を絡ませる五月。
実里もそれに応えて舌を絡ませた。
「ンふゥ…」
唾液を交換しあった二人は少し離れて、互いに顔を伏せた。
「…どうして… こんなことを…」
「や…やっぱり…  やっぱり…五月さんもクスリを…」
「エッ…クスリって…」
実里はショーツを脱いで紫色に染まっている淫核を五月に見せる。
「この気持ちになったとき… こ…ここが…紫に……   たぶん…五月さんも…」
慌てて五月もショーツの中を確認すると、実里の話したとおり、淫核は紫に染まり秘所から愛液が溢れていた。
「なっ…」
「クイーン・レオに…ヘンなクスリを注射されてから……  ずっと…」
話をする実里の様子が見る見る変化し、唇が五月の唇に迫る。
「ま、待って… 実里さん…しっかり……しっかりして…」
「わたし… ずっと憧れて… 五月さんにされたいって…  眠ってる五月さんの唇を…何度も…何度も…」
「エッ… み…みの…実里さん… ダメ…惑わされないで… これはレオの…」
実里は自分の秘所を愛撫して指に愛液を絡めると、その指で五月の唇をなぞった。
「や、やめて… ちょ、ちょっと…みの……みの……み………」
鼻腔をくすぐる実里の吐息と愛液の香りが五月の思考を狂わせる。
うっとりと実里の顔を見つめたまま、五月は舌先で唇に塗られた愛液を舐め、妖しく微笑んでいた。


数日後…
体に異常が見つからなかった五月はすぐに任務に復帰していたが…。
「ンフゥ… イィ…イクッ…」
五月と実里が互いの秘所を舐め合い、小さく体を振るわせる。
怪しいクスリを注射されて体がヘンになっていると、五月は三月に言い出せず、毎晩マンションを訪れる実里と絡み合っていた。
「ハァ…  ダメだってわかってるのに… どんどん抑えられなくなってる…  もう基地の中ですれ違う女性隊員を襲ってしまいそうで… レオは何を企んでいるの…   やっぱり司令に相談して… 精密検査を…」
「それは… それはもう少し…待って下さい…」
「でも精密検査を受ければ、成分が判明すれば、中和するクスリも…」
「実はインターネットで調べてわかったことがあるんです。 亜熱帯地域に紫の羽根を持つ美しい蝶がいるそうなんです。 その蝶の鱗粉は媚薬に似た、他の生物のメスを発情させる成分が含まれているらしくて、この鱗粉を吸い込んだ女性はみんな… いまのわたしたちみたいに…   鱗粉からこの成分だけを抽出した麻薬もあるらしくて… これと言った中和剤もなく、この麻薬を打たれた女性は、ずっとこの状態が続くそうです…」
「まさか、レオはその麻薬をわたしたちに…」
「でも、この蝶を好んで捕食する生物がいるらしくて、その因果関係はわかってないみたいですけど、その生物の皮を身に着けると症状を抑えることができるそうなんです。  いまその地域に詳しい教授にお願いして、その皮を取り寄せて貰ってます」
「皮を身に着けるって… なんだか胡散臭い話だけど…」
「だからもう少しだけ、他の人に相談するのは待って下さい。 わたしと五月さんがこんな関係になってるって…」
五月は頬を紅潮させながら唇を重ねてくる実里を拒むことが出来なかった。
「わかった… その皮が届くまで…もう少し…  このままで…」
治まりつつあった欲情を呼び覚まされた五月は、ベッドに押し倒した実里の体に舌を這わせはじめていた。


2日後…
白かピンクの下着しか着けないと言っていた実里が黒いショーツを着けている。
それは妖しい光沢を放ち、実里の体にピタリと張り付くように着けられていた。
「見て下さい五月さん… これがお話した皮です… 五月さんも着けてみて下さい…」
実里から黒い皮のショーツを受け取った五月は、すでに実里が着けているが怪しい物でないかを確認しようとした。
「大丈夫ですよ、五月さん…」
五月が着ている白い革のライダースーツのファスナーを実里は手馴れた手つきで下ろしてスーツを脱がせる。
「このショーツ… 驚くほどフィットして… 気持ちイイですよ…」
いつもと違う妖しさを秘める実里の瞳にあらがえず、誘われるようにショーツに足を通す五月。
腿の中ほどまで引き上げたところで、実里が妖しく微笑み五月のショーツの端を摘むと一気に上まで引き上げた。
「ちょ、ちょっと…実里さん、自分で着けれる… イッ…ヒャッ!!」
実里の行為を拒もうとした五月の体がビクンと弾け、背中を大きく仰け反らせる。
「クスクス… これを着けると凄く感じやすくなるんですって… 軽く弄っただけなのに、イッちゃったでしょう…」
「ヒッ…イィッ…」
「クス… これを着けてイクと… クスリの効果を一時的に抑えることができるらしいですよ…」
「ハヒィ…」
「クスクス…  クスクスクス…」
指で五月の淫核を愛撫する実里は冷たい笑みを浮かべていた。
「クスクス… 大丈夫ですよ五月さん… いまは何も考えないで… 全身を駆け巡る悦びをしっかり憶えて下さいね…」
「ダ、ダメッ……イクッ… やめ、やめてぇ… 頭が…頭がおかしく… ま、またッ… イクゥゥッ!」
そのままベッドに押し倒された五月は、実里に操られるようにイカされ続けた。


翌朝…
「五月さん、起きて下さい…」
ベッドの上に寝かされている五月を優しく起こす実里。
明け方までイカされ続けた五月は死んだように眠っていた。
「う…ううん… 実里…さん……ンッ!?   み、実里さん、朝から何を…」
いきなり唇を重ねてきた実里を五月は両手で突き飛ばしてしまった。
「アッ、ごめんなさい。 実里さんが急に… 出掛ける前にあの気持ちになりたくなかったからつい…」
「クス… 大丈夫ですよ。 それよりどうですか?  わたしと…したくなりました?」
「エッ! そ、そう言えば…」
実里に問われてはじめて、あの忌々しい欲情がないことに気が付いた。
「クスクス… 効果ありましたね。 どれくらい持続するかわかりませんが、他の女性を襲いたくなったら… ショーツの上からこうして…」
実里は五月の淫核と秘所を黒皮ショーツの上から優しく撫でる。
「ヒャァ…   み、実里さん、やめてよ…」
「クスッ… ごめんなさい。  だからこのショーツは脱がないようにした方がいいと思いますよ…」
「そ、そうね…わかったわ  ありがとう実里さん   汗を流してくるわ」
頬を紅く染めながら五月は実里に礼を言うとバスルームに向かった。
「クスクス…」
バスルームに向かう五月を見送る実里は邪悪な笑みを浮かべていた。





ショーツを着けるようになってから2人は会っていなかったが、五月から連絡を受けた実里は彼女のマンションを訪れていた。
「はじめは良かったけど… 2日位前から…またあの気持ちになることが多くなって…  効果が切れると言うか… 間隔が短くなって、そのときはこれまで以上に強く… 誰かと… したいって…」
話をしている五月の瞳は虚ろに濁り、実里の唇を見つめたまま、ゆっくりと顔を近づけていた。
「わたしはもうショーツを着けなくても大丈夫に… あっ、さ、五月さん、ダメですンムッ…」
実里は激しく唇を吸われ、ベッドに押し倒された。
「もう…ダメなの… 自分でするだけじゃ満足できないの…我慢できないの…  お願い…実里さん… わたしをイカせて… わたしに…舐めさせて…」
そう言うと五月は実里の淫核を舐め、自分の淫核を実里の口に近づけた。
「五月さん、落ち着いて…ンッ…ンン…   わ、わかりました…だからもう少し…優しく…」
獣のように襲い掛かる五月を馴らすように、実里は五月が感じやすい場所をピンポイントに責める。
「クアッ…ハゥ… イィ…み…みのり…さん… もっと…もっとお願い… ヒギィ…ィ…イィ…」
欲情した胸の尖りをつねられて激しく仰け反る五月。
彼女の体を知り尽くした実里の責めは、瞬く間に彼女をベッドに鎮めた。
「盛りのついた五月さんは、胸を責められると直ぐイッちゃうんですよね… クスクス…」
「ハッ…ハッ……ハッ…  み、実里さん… ごめんなさい…  わたしいま…無意識に…」
「クス…気にしないで下さい。 わたしで良ければいつでも五月さんの…」
実里は優しく微笑みながらベッドの上で余韻に浸っている五月の胸に、ショーツと同じ黒い皮のブラを着けた。
「これを着けていれば、またしばらくは症状を抑えることができると思いますよ…」
「エ… このブラは…」
「ハイ、ショーツと同じ皮で出来ています。 クスクス… 用意して来て正解だったかな。  けどわたしはショーツだけで治まったのに五月さんは…  注射されたクスリの量が違うのか、もしかしたらクスリの成分が違ったのかもしれませんね…  それを着けてもう少し様子を見たほうがいいかもしれませんね…   それより五月さん… もう少し…しませんか?」
頬を紅く染めて訊ねる実里に、五月は『うん』と頷きたかったが、これ以上は実里に迷惑が掛かると思い、そうすることが出来なかった。
「あ、ありがとう…実里さん… このブラのおかげかな… もう大丈夫みたい…」
「そ、そうです…か…   でも、また何かあったら連絡して下さいね」
五月の言葉に実里は少しガッカリした表情を見せていた。


それから2週間あまりが経過した夜…
実里に薦められるまま、欲情を抑える為の黒い皮を身に着けていった五月は、いつのまにか仲間や姉に相談することを考えなくなり、唯一自分のことを理解している実里だけを頼るようになっていた。
黒い皮のブラとショーツ、そして数日前に渡された黒い皮のストッキングを着けて自慰にふける五月に、実里は新しい皮を用意していた。
「五月さん、具合はどうですか?」
「ンフゥ… も…もうダメみたい… 新しい皮を…皮を…着けないと… 治まらないの…」
ベッドの上を這いずり実里にすがりつく五月をさげすみ、邪悪に微笑む実里。
(クスクス… すっかり皮の虜になったみたいね…)
「クス… そうじゃないかなぁと思って、これを用意して来ましたよ」
そう言うと実里は黒い皮のロンググローブを取り出した。
「これを嵌めて、アソコを指で掻き回せば…  クスクス… 想像しただけでイッちゃうんじゃないですか」
実里が誘うようにグローブの口を広げると、五月は小さく頷き、躊躇なくそこに腕を滑り込ませる。
「ハァッ…気持ちイィ…  しっとり…肌に吸い付く感じ… 体の一部になってゆくみたい…」
反対の腕もグローブの中に入れた五月は指の先までしっかり馴染ませるようにグローブを引き上げた。
「その通りですよ…」
「エッ?」
「クスクス… 何も言ってませんよ。  それよりどうですか五月さん、落ち着きました?」
「エェ… でも… もう少し落ち着きたいから…   実里さん…してもいい?」
嬉しそうに微笑んだ実里は五月が失神するまでイカせ続けた。


それから数時間後…
樹海の人工建造物。
美獣帝国の謁見の間に実里の姿があった。
レオに捕らえられた実里は開放される前に、レオに洗脳調教を施されて彼女の意のままに働く従順なペットにされていた。
「クイーン・レオ様、ハンターホワイトは快楽を求めるのはクスリの所為だと思い込み、美獣スキンに疑問を抱いている様子はありません。 もうスキンを身に着けていないと落ち着かないようです」
「クク… クスリはただの催淫剤、とっくに効果は消えているわ。 いま快楽を求めているのは、美獣スキンから体内に取り込まれた美獣セルが脳を侵し、美獣帝国に相応しい思考への改造が順調に進んでいるから…  ククク… 上出来よ。 お前にご褒美をあげないといけないわね…」
手招きで実里を誘うレオ。
実里は顔を紅潮させ、淫猥な笑みを浮かべていた。
「ハ、ハイ… ありがとうございます。 クイーン・レオ様」
着ている物を全て脱ぎ、裸になった実里は四つん這いでレオの足元まで移動すると、嬉しそうにレオの足を舐めはじめた。
「ククク… 何て可愛いペットかしら… ちゃんと躾けたとおりに出来るのね…」
実里はお尻を左右に振り、レオに服従する悦びを表していた。
「クク… ハンターホワイトはお前のことを疑いもしない。  それどころか、自分が美獣に改造されている事に気づきもせず… ククク…」
裸で足元にひれ伏し、嬉しそうに足を舐めている実里の頭を撫でながら。
「ククク… そうね、そろそろお前にも私のペットに相応しい躰を与えてあげないと…」
  1. 2009/09/08(火) 21:40:11|
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はたして堕ちの原因はつかめるのか?

今日は新しいリンク先様のご紹介です。

その名も「堕落事故調査委員会 第一会議室」(クリックでリンク先に飛べます)

こちらは、当ブログ2009年8月21日の記事(クリックで記事に飛べます)でご紹介しました同人誌、「堕落惑星」を製作された「堕落事故調査委員会」の代表であられますシューミット様(シュー様)のブログです。

まだ記事は少ないですが、同人誌「堕落惑星」の再販に関することなどや、今後の活動予定などなどを皆様にご報告するブログになるとのことで、冬に向けてまた動き出しそうな気配です。

「堕落事故調査委員会」には多くの方が参加されており、今後も素敵な堕落を見せてくれそうです。
ヒロインたちの堕落を克明に記した報告書(同人誌)は、これからも堕落原因究明のために作られていくのではないでしょうか。
今後が本当に楽しみなグループだと思います。
シューミット様、これからもよろしくお願いいたします。

ここでちょっとした予告を一つ。
当ブログに驚きの投稿がありました。
明日にでも投下しますのでお楽しみに~。

それではまた。
  1. 2009/09/07(月) 21:22:37|
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西南戦争(22)

明治10年(1877年)3月20日、官軍はついに薩軍の田原坂防衛線を突破いたしました。
しかし、薩軍は有明海から吉次峠を経て木留、植木、隈府にいたる防衛線を構築し、官軍をまたしても食い止めます。
北方から攻める官軍は、再び気も遠くなる陣地戦を行なわなくてはなりませんでした。

3月21日から23日にかけ、官軍は薩軍防衛線に対し攻撃を行ないますが、薩軍の前に攻撃は頓挫。
第二の田原坂ともいえる状況が現出します。

結局官軍はここでも薩軍の防衛線を突破できないままに日が過ぎることになります。
こうなると両軍とも対峙に慣れ、近隣の村人が菓子や酒を売ったり風呂場を作って入浴したりなどということも前線で見られるようになりました。

4月1日、膠着状態打破のために官軍は吉次峠を攻撃します。
薩軍は必死に防衛しますが、官軍の衝背軍に対処する兵力などを抽出されるなどして戦力が落ちていた薩軍は、吉次峠を守りきれませんでした。
耳取山、半高山、吉次峠がこの日に陥落。
薩軍は後退を余儀なくされてしまい、翌4月2日には木留も官軍に占領されてしまいます。

官軍は兵力と物量に勝ることを利用して、じりじりと薩軍を圧迫します。
4月9日には隈府(菊池)も陥落し、薩軍はさらなる後退を強いられました。
しかし、熊本城への道はまだしっかりと押さえており、北側の官軍は熊本城まであと一歩と迫りながらも、なかなか突破を果たせませんでした。

北側の官軍主力が陣地戦を展開するなか、南から北上して来た官軍の衝背軍は、ついに熊本城から突破してきた部隊との接触に成功しておりました。
熊本城内の食料が尽きようとしていることを知った衝背軍は、4月12日をもって薩軍の緑川防衛線に総攻撃を掛けることを決定します。

4月12日早朝、衝背軍は全軍が緑川を渡河していっせいに行動に移ります。
別働第一旅団と別働第三旅団は御船方面へ、別動第二旅団と別働第四旅団は川尻へと向かい、南側から熊本城へと向かいました。

薩軍の衝背軍阻止部隊指揮官であった永山弥一郎は、それまでの戦いで負傷して薩軍本営にいましたが、衝背軍が総攻撃に出てきたというので、陣頭指揮を取るべく御船に向かって人力車で出発します。
彼が御船に到着したときには、すでに薩軍と官軍の戦いは始まっておりました。

永山は手近にあった酒樽に腰掛け部下を鼓舞して戦いましたが、御船にいた薩軍兵力はわずか千人ほどであり官軍の圧倒的兵力の前にやがて総崩れとなってしまいます。
死を覚悟して御船に来た永山は、もはやこれまでと意を決すると、近くの農家を持ち主の老婆から金を払って買いうけ、そこに火を放って炎の中で自刃します。
三番大隊長として薩軍の中核の一人であった永山弥一郎の最後でした。

4月13日から14日にかけて、別動第二旅団と別働第四旅団も各所で薩軍の抵抗を撃破。
薩軍の拠点であった川尻も14日の午前9時ごろにはほぼ官軍の占領下となりました。
この時別動第二旅団の一部隊を率いていた山川中佐は、川尻陥落により薩軍が混乱していることを利用して一気に熊本城へと突進します。

部下の中から選抜した精鋭を率いた山川中佐は、やがて混乱する薩軍の中を駆け抜けて熊本城の城壁に到達。
味方が来るのを一日千秋の思いで待ち続けてきた熊本城内の鎮台兵は、山川部隊の到着に欣喜雀躍し、旗を振り手を振り涙して迎えたといいます。
ただし、この山川中佐の行動は独断専行であったとしてのちにとがめられています。

同4月14日、衝背軍を阻止し切れなかった薩軍は、ついに熊本城の包囲をあきらめて後退を開始。
西郷隆盛ら幹部も熊本県南部の健軍まで後退します。

4月15日。
別動第二旅団と別働第四旅団が揃って熊本城に入城します。
ここに52日間にもわたった熊本城包囲戦は、官軍が熊本城を守りきって終了。
谷干城司令官以下熊本鎮台の守備兵の苦闘は終わりを告げました。

(23)へ
  1. 2009/09/06(日) 21:11:35|
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つ、積んでた爆雷が・・・

第一次世界大戦後、大量に建造された平甲板型駆逐艦を抱えていたアメリカ海軍は、しばらく駆逐艦の建造を取りやめておりました。
しかし、太平洋を挟んで向かい側に位置する日本海軍が日々増強されていくに従い、新型駆逐艦の建造が1930年代に入って行なわれるようになっていきます。

ワシントン及びロンドン海軍軍縮条約に基づき、いくつかの種類が作られていくことになりますが、そのうちの後半に作られたものの一つがシムス級駆逐艦でした。

シムス級駆逐艦は、1936年度計画で12隻が作られ、それぞれ1939年から1940年にかけて就役しました。
つまり、1941年に始まる太平洋戦争において、最新鋭の駆逐艦の一種だったのです。

基本的にはシムス級は先代のバグレイ級をベースに設計され、砲力を増すために12センチ砲を五門に増やし、変わりに4連装魚雷発射管を四基から三基へと減らしたものでした。
基準排水量は1500トンほどにまとめられ、35ノットの高速を発揮できましたが、上部構造物が重いトップヘビー状態だったため、いくつかの改修を行なわなければならなかったようです。

このシムス級駆逐艦の一隻に「ハンマン」という駆逐艦がありました。
四番艦として1939年8月に竣工したハンマンは、太平洋戦争勃発に伴い対日戦に投入されることになります。

ハンマンは機動部隊の護衛艦として使われ、空母の直衛に当たることが多かったようです。
1942年6月のその日も、ハンマンは米軍機動部隊の一隻として行動しておりました。

運命のミッドウェー海戦の6月5日、米軍は日本の機動部隊を襲撃し空母四隻を撃沈するという大戦果を上げました。
しかし、その代償として、空母「ヨークタウン」が損傷を受けてしまいます。
ハンマンはそのヨークタウンの護衛についておりました。

ダメージコントロールが功を奏し、ヨークタウンはのろのろとハワイに向かって後退します。
ハンマンほかの駆逐艦が寄り添うように警戒しておりましたが、海中をしのびよってくる日本の潜水艦には気がついておりませんでした。

ミッドウェー海戦から二日後の6月7日、日本の潜水艦「伊-168」が魚雷を四本発射します。
うち二本は狙い過たずにヨークタウンに命中しましたが、ヨークタウンに寄り添っていたハンマンにも一本が命中してしまいました。

炸薬量の大きな魚雷が命中しては、排水量1500トン程度の駆逐艦などひとたまりもありません。
ハンマンはわずか2分ほどで海面より姿を消したといわれます。
まさに轟沈でした。

不幸だったのはこのあとです。
ハンマンはヨークタウンを救おうと、ぎりぎりまで接近してヨークタウンの修理班の支援行動を行っていたのです。
そのため、ハンマンはヨークタウンのすぐそばで沈んで行きました。

駆逐艦には対潜水艦用に爆雷を積んでます。
おそらくこのとき、ハンマンの爆雷は信管がセットされていたのでしょう。
ハンマンが沈んでいく途中、その爆雷が爆発を起こしました。

魚雷を食らい横腹を損傷していたヨークタウンにとって、この爆雷の爆発は致命傷でした。
確かに魚雷だけでも沈んだかもしれませんが、爆雷の爆発が止めを刺したといっていいでしょう。

こうして後を追うようにヨークタウンも海中に没しました。
伊-168は一回の魚雷発射で二隻を沈めたのでした。

一所懸命に助けようとしていた味方艦を自らが道連れにしてしまうとは、ハンマンにとっては悔やんでも悔やみきれないことだったかもしれませんね。
それではまた。
  1. 2009/09/05(土) 21:41:46|
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09月05日のココロ日記(BlogPet)

おなかすきました!はぅぅ~、舞方雅人さんって帰ってくるのおそいですよ~。料理冷めちゃいます。

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/09/05(土) 10:39:15|
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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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