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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

こんなところに?

北欧の国フィンランド。
第一次世界大戦でロシア帝国が崩壊したことにより、長い間の悲願だった独立を達成したこの国は、その後もロシア(ソ連)との間に幾度かの戦争を行ってきました。
そのうちの一つに「冬戦争」(1939-1940)があり、当ブログでも昨年10月に五回にわたって記事を掲載させていただきました。

このフィンランドの首都ヘルシンキはバルト海の奥フィンランド湾に面する都市ですが、そのヘルシンキに面した海上に浮かぶのがスオメンリンナ島です。
今でこそこのスオメンリンナ島は、ヘルシンキ市民の憩いの場として親しまれておりますが、もともとこの島はフィンランド湾及びヘルシンキを守るための要塞でした。
現在でも島の一部はフィンランド海軍の施設になっているとのことですが、要塞そのものは世界遺産として観光客にも親しまれているようです。

スオメンリンナ島にはこの要塞に関連して戦争に関する三つの博物館があります。
一つはそのものずばりの「軍事博物館」
ここにはAFV(装甲戦闘車両:いわゆる戦車の類)や砲兵器などが展示され、珍しい野戦炊事車などもあるようです。

二つ目は「潜水艦博物館」
ここには陸揚げされた実物の第二次大戦型潜水艦ヴェシッコが展示されていて、内部を見ることも可能だそうです。
このヴェシッコは、フィンランドがドイツに建造してもらったもので、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約で潜水艦の建造を禁止されたドイツが、フィンランド向けに建造することでのちのUボートの基礎となったものでUⅡA型と同型だそうです。

そして三つ目が「沿岸砲兵博物館」
フィンランド独立以前より300年間以上もの間要塞としてこの島を守ってきた沿岸砲兵隊の資料を集めたところだそうで、幾つかの砲がそのまま残されています。

驚くのがここにある大砲の一つで、なんと日本の明治32年呉工廠製の12センチ砲なのです。
なぜ北欧の国フィンランドのスオメンリンナ島に明治期の日本の大砲があるのか?
それは第一次世界大戦にまでさかのぼるお話でした。

第一次世界大戦中、ドイツは潜水艦による通商破壊戦を行ないました。
地中海でも連合国の商船がドイツの潜水艦の脅威にさらされ、英国もフランスも対潜水艦戦用に小型の駆逐艦を多数装備する必要に迫られておりました。

当時のフランスはこの大量に必要な駆逐艦を国内で建造することがかないませんでした。
フランスの造船能力をオーバーしていたのです。
自国で建造できないのであれば、輸入するしかないのですが、英国も手一杯であり、まだ参戦していないアメリカは頼れません。

そこで白羽の矢が立ったのが、連合国の一員としてアジアでドイツと戦っていた日本でした。
一刻も早く一隻でも多く駆逐艦がほしいため、フランス向け用の新型を設計する暇などありません。
そこでフランスは日本でもできたばかりの小型駆逐艦「樺」型を、そのまま建造してほしいと頼みます。

樺型駆逐艦は基準排水量600トンほどの小型の駆逐艦で、12センチ砲一門に8センチ砲四門、魚雷発射管を四基備えた手ごろな駆逐艦でした。
航続距離も長く、十隻建造された樺型はそのうち八隻が地中海に派遣されるなどして、連合軍に協力しています。

この樺型をフランスは日本より多い十二隻注文しました。
十二隻のフランス向けの樺型は「アルジェリアン」級と呼ばれ、当時のフランス植民地人の名がつけられました。
アルジェリアン級は1917年に十二隻無事に完成して引き渡され、フランス海軍で活躍します。
手ごろな大きさと性能を持ったアルジェリアン級は「タイプ・ジャポネ(日本型)」と呼ばれ、フランス海軍で重宝されたといいます。

第一次世界大戦後、1930年代には相次いで除籍されたアルジェリアン級でしたが、主砲の12センチ砲はまだ使い道があったので、ベルギーやほかの国に売却されました。
現在でもこのスオメンリンナ島以外にこの12センチ砲がベルギーに残っているそうです。

スオメンリンナ島の12センチ砲は、フランスから直接購入したのかそれとも別の国を経由したのかは定かではないそうです。
一説にはロシア経由とも言われます。
ですが、フィンランドはこの12センチ砲をラドガ湖の岬に据え付け、対ロシア用の砲台として使いました。

冬戦争のとき、この12センチ砲はラドガ湖の岬からソ連軍に向かって火を吹き続けました。
一日で162発も撃ったことがあるとも言われ、フィンランド兵にとってこの大砲はとても活躍した大砲として親しまれたといいます。

しかし、1945年に戦争が終わったとき、ラドガ湖畔はソ連領となりました。
そこでフィンランド兵たちは急いでこの大砲をはずし、スオメンリンナ島へと持ち帰ったのです。
この大砲だけはソ連に渡すなという思いがあったといいます。

こうして日本で作られた12センチ砲は、数奇な運命でスオメンリンナ島に残されました。
今でもこの大砲は「沿岸砲兵博物館」の入り口に展示されているそうです。
私は行ったことないですが、もし機会があれば見て来たいですね。

それではまた。
  1. 2009/08/28(金) 21:28:35|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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