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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

西南戦争(20)

明治10年(1877年)3月20日午前10時ごろ、鉄壁を誇った薩軍の田原坂防衛線がついに官軍に突破されました。
薩軍は各隊が個別に後退を始め、連鎖的に陣地を放棄して行きました。
官軍は勢いに任せて薩軍を追撃しましたが、薩軍はわずかの兵を向坂に集めて反撃し食い止めます。
官軍もこれ以上の突破はなりませんでした。

3月4日に攻撃が開始されて以来、17日間の攻防の末にようやく田原坂防衛線は崩れました。
まさに死闘と言っていい戦いでした。
両軍の砲撃銃撃で山肌は削られ、草木はなぎ倒されました。
薩軍も官軍もこの田原坂の戦いでは大きな損害を出しました。
記録の残っている官軍の死傷者数は、この17日間で二千四百名にもなりました。

田原坂は突破されました。
官軍はついに坂を越えました。
しかし、薩軍は完全に敗退したわけではありません。
薩軍は秩序だった後退を行ない、再度防衛線を張りました。
山鹿の桐野隊も隈府へと後退し、まだがんばっている吉次峠から木留、植木を通り隈府へとつながる新防衛線を構築して官軍を迎え撃つ体勢を整えます。
官軍はまだまだほんの一山超えただけでした。

一方、日奈久に上陸した官軍の衝背軍に対するため南下した薩軍は、部隊を三つの道路に分けて分進し、北上してきた官軍前衛と氷川沿いにある宮原、鏡、立神という村付近で遭遇しました。
薩軍はここで官軍をがっちり食い止め、官軍の北上は一時停止を余儀なくされてしまいます。

3月21日、官軍は黒田参軍と別働第一旅団(別動第二旅団を改称)の残余が日奈久に上陸。
25日には山田顕義少将指揮する別動第二旅団(こちらは新設)と川路利良少将兼大警視指揮する別働第三旅団も上陸し、衝背軍は兵力約八千名へと増強されました。

3月26日、氷川沿いに展開した衝背軍は、増強された兵力をもって薩軍防御陣に攻撃を仕掛けます。
官軍は海軍の軍艦による海上からの支援も受け、薩軍を圧倒。
薩軍はたまらず小川にまで後退しますが、ここも午後には制圧されました。

衝背軍は海沿いに別働第一旅団、山側に別働第三旅団を配し、その中間に別動第二旅団を置くという三旅団並進の態勢で薩軍を北に押し上げます。
北海道開拓使長官だった黒田清隆参軍は、あくまでも着実に進撃することを考え、いずれかの部隊が突出するようなことを戒めました。

3月30日、衝背軍は宇土半島の付け根にある松橋に到着します。
松橋は薩軍にとっては落とされてはならない要衝でした。
ここから先は肥後平野が広がるために、官軍を阻止することが難しくなってしまうからです。
薩軍はなんとしてでもここで官軍を食い止めなくてはなりませんでした。

黒田参軍は別働第三旅団に娑婆神峠を攻略させて側面の憂いをなくした上で、高島少将(28日に大佐より昇進)の別働第一旅団と山田少将の別動第二旅団に松橋攻略を命じました。
しかし、さすがに薩軍の守りは堅く、さらに薩軍は水門を破壊して水田に海水を引き込んだため一帯が湿地となってしまい、官軍兵士は思うように進めません。
迂回して側面に回ろうとした別動第二旅団も丘陵に陣取る薩軍兵士の射撃に射すくめられ、これも進撃を阻まれます。

折からの雨がそれに輪をかけ、官軍の攻撃はまったく進捗しないまま、損害だけがかさみます。
山田少将は一時後退も考えましたが、高島少将がこれに反対。
一度引いたら薩軍の防備は強固となり、再攻撃時に多大な犠牲が予想されてしまう。
ここは撤退するべきではないと訴えました。
おそらく田原坂での苦戦を思ったのではないでしょうか。

結局30日は雨と泥の中官軍は野営に入ります。
翌31日、干潮で潮が引いたのを利用し、別働第一旅団は海岸沿いに松橋を攻撃。
別動第二旅団もそれに呼応して再度の松橋攻撃を仕掛けました。

この攻撃に薩軍も松橋を守りきれなくなり、ついに松橋は官軍の手に陥落します。
そのまま官軍は勢いに任せて北上し、翌4月1日には宇土まで一気に進出しここも占領しました。
宇土は熊本城までわずか10キロに位置しており、宇土東方の木原山から熊本城を望んだ官軍将兵は思わず万歳を叫んだといいます。
2月22日に薩軍の攻撃が開始されて以来、薩軍に包囲され続けた熊本城まで官軍はあとわずかに迫ったのでした。

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  1. 2009/08/19(水) 21:28:50|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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