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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

観察日記(1)

今日から三日間で一本SSを投下させていただきます。

札幌はもうすぐ夏休みも終わりですが、8月いっぱい夏休みという方も多いでしょう。
今回は夏休みの自由研究です。
お楽しみいただければうれしいです。

それではどうぞ。


(1)
ぼくのお父さんはしょうぐんでしれいかんをやってます。
みんなぼくのお父さんはえらくてきびしいといいますが、ぼくにはとてもやさしいお父さんです。

お父さんは今、ちきゅうという星へでかけていて、そこの生きものをこうていへいかのどれいにするためにはたらいてます。
ぼくはこの夏休みに、お父さんに会いに行こうと思います。
ちょっと遠いけど、ぼくはもうお兄さんになったのだから、だいじょうぶです。

                      ******

「これは若様。こんなところまでようこそおいでくださいましたなぁ」
地球に着いたぼくを爺が出迎えてくれた。
爺は代々我が家に仕えているお爺ちゃんで、お父さんの身の回りのことの世話をしてくれている。
代々仕えるってよくわからないけど、ぼくが生まれたときから爺はお爺ちゃんだから、きっと昔から長くいるということなのだと思う。
「爺、ぼくちゃんと地球まで一人で来れたよ」
ぼくはリュックを背負ったまま爺にちゃんと一人で来たことを言う。
お母さんは弟が生まれたばかりで来られなかったけど、僕はもうお兄さんだから一人でできるんだ。
「うんうん、一人でここまで・・・ご立派になられましたなぁ」
爺はすぐに泣いてしまう。
ぼくが何かしたといえば泣き、弟が生まれたといっては泣く。
ずいぶんと泣き虫なのだ。
ぼくはもうお兄さんだから泣かないぞ。

「おお、来たか。しばらく見ないうちに大きくなったな」
アジトの司令室に爺が連れて行ってくれた。
司令室にはお父さんの他にも何人もいたけど、お父さんは中央でかっこいい服を着て立っている。
ここではお父さんが一番えらいんだ。
ぼくは強そうなお父さんを見てすごくうれしかった。
「お父さん」
ぼくはお父さんに駆け寄った。
するとお父さんはぼくを抱きかかえてくれた。
お父さんに抱かれるのはちょっと恥ずかしかったけど、大きなお父さんがすごくよく感じられた。

「お父さん。ぼく一人でここまで来れたよ」
「そうかぁ。えらいぞ。よくやった」
お父さんはぼくを両手で高く持ち上げる。
こうしてもらうと、ぼくは周りがとてもよく見える。
すごく大きくなった気がして気持ちいい。
「ほんに若様もご立派になられて・・・」
また爺が泣いている。
泣き虫だなぁ。
「迷惑をかけたなズバール」
「なんの、ワシよりもシャノン殿のほうがいろいろと骨を折ってくださいましたわい」
「うむ、彼女にも礼を言わねばな。こいつをここまで無事に送り届けてくれて助かった」
お父さんと爺が何かしゃべっている。
きっとお仕事のことだろう。
お父さんは忙しいのだ。

「さ、若様、この爺があちこち案内して差し上げましょう」
「うむ、アジト内を見てくるといい。だが、働いている人の邪魔をしてはいかんぞ」
お父さんはぼくを降ろしてそう言う。
ぼくはもうお兄さんだから邪魔しないよ。
ちゃんとわかってるよ。
ぼくは子ども扱いされたことにちょっと腹が立ったけど、アジト内を見てまわれるのが楽しみで、そんなことは気にならなかった。

爺に見せてもらったアジトはとても大きかった。
もう建物がいっぱいあって、どこがどこだか迷っちゃう。
もし爺がいなかったら迷子になっていたかもしれない。
でも、いろいろな場所があってなんだかすごく楽しかった。

それにいろいろな人が働いている。
地球を皇帝陛下のものにするためにみんな働いているんだ。
すごいなぁ。

地球人のサンプルも見せてもらった。
なんだかぼくたちとあんまり変わらないみたいだけど、爺が言うにはとても野蛮な生きものならしい。
オスとメスがいて、オスはぼくと同じようにおチンチンが付いている。
メスはお母さんと同じようにおっぱいが大きい。
でも、こんなに似ているのに、中身は野蛮で全然違うんだって。
やっぱり星が違うからなのかなぁ。

お父さんがなかなかおうちに帰ってこられないのは、この地球人のせいなんだって。
地球人は皇帝陛下の偉大さがわからないから、いつまでも逆らい続けるって爺が言ってた。
でも、皇帝陛下はお優しいから、地球人をちゃんと生かしたまま奴隷にするので、星ごと破壊とかは行なわないんだって。
でも、地球人はそんな皇帝陛下の優しさにつけこんで、お父さんの仕事の邪魔ばかりするらしい。
だからお父さんはなかなかおうちに帰ってこられないんだって。
ぼくは地球人が嫌いになった。

夕食はお父さんと一緒に食べることができた。
爺のほかにも何人かの女の人がいたりして、いろいろと食事の用意とかしてくれた。
お父さんは偉いので召使いが何人もいるらしい。
すごいなぁ。

「学校は楽しいか?」
「うん。楽しいよ」
ぼくはお父さんにそう言った。
「もう夏休みの宿題は終わったのか?」
「まだだけど、半分以上はやっちゃったからあとは帰ってからで大丈夫だよ。でも、自由研究が何をしたらいいのかわからなくて困っているんだ」
この自由研究をどうしたらいいのかがぼくが困っていること。
何かいい題材がないかなぁと思う。
「自由研究か・・・お父さんも子供の頃は何をしたらいいのか悩んだものだったなぁ」
お父さんがなんだか懐かしそうにそういう。
ええっ?
ぼくは驚いた。
お父さんも何をしたらいいのか悩んだんだ。
お父さんは何でもできちゃうと思っていたよ。

「本当はここにいる間に何かできればいいんだけど・・・」
ぼくはこの地球で自由研究ができないかと思っていた。
地球でなら、クラスメイトがあっと驚くような自由研究ができるかもしれないよね。
「うーん・・・とは言ってもなぁ・・・地上に出すにはあまりにも危険すぎる。アースナイトの連中に見つかったりなどしたら・・・」
お父さんが難しい顔をしている。
アースナイトってなんだろう?
「まったくです。地上に出るなどもってのほかですぞ。このアジト内ならまだしも、地球はとても危険な場所なんですからな」
爺が首を振っている。
うーん・・・アジトの外には出られないのか。
「でも、地球で自由研究ができればクラスメイトにもきっと驚いてもらえるよ」
「なるほどな。ズバール、何かいい自由研究の材料はないかな」
お父さんに言われて、爺は少し考えている。
何かいい題材があるといいな。

「おお、そうだ。あれはいかがでしょう? 無意識時でないと使えないために役に立つかどうかわからず、実験が延び延びになっていたあのスーツの観察を若様にしていただくのです。あれならモニターでの観察だけですし、地球人の生態を観察することで自由研究の題材になるのではないでしょうか」
爺がぽんと手を叩いた。
何かいいことを思いついたときの爺のくせだ。
「む? あのものの役に立つかどうかわからんスーツのことか? 確かに実験には数日間の経過観察が必要だとは研究班から言われているが・・・」
「このさい若様に観察をしていただきましょう。若様もいずれは将軍職をお継ぎになる身。社会勉強の一つになりましょう。もちろんこの爺めもお手伝いいたしますのでご安心を」
「うーむ・・・よし、あとで研究班に俺から言っておくことにしよう。ズバール、すまんがこの子の面倒をよろしく見てやってくれ」
お父さんと爺が何のことだかよくわからない話をしている。
でも、なんだか自由研究ができそうだよ。
「若様、ご安心を。きっといい自由研究ができますぞ。爺めにお任せあれ」
「うん、ありがとう、爺」
ぼくは爺にお礼を言った。

                      ******

それからしばらくして爺に呼ばれたので付いて行ってみると、アジトの研究所というところに連れて行ってもらえた。
すると、透明な壁の向こうに、真っ黒な躰にぴったりした服を着た人が二人寝かされていた。
二人は目だけ出したマスクをかぶり、足にはブーツを履いて手袋をつけ、帝国の紋章の付いたベルトを腰に嵌めていた。
「爺、あの人たちは何なの?」
ぼくは不思議に思ってそう聞いた。
だって、あんな真っ黒な服装の人は見たことないし、とても奇妙だけどなんだか美しかったから。
「若様、あれは地球人でございます」
「えっ?」
ぼくは驚いた。
確かに地球人とぼくたちの体つきは似ているけど、あんな服を着たら見分けがつかないよ。
「あれは地球人のメスです。若様にはあのメスどもの観察をしていただきたいのです」
「地球人のメスを?」
そういわれてみれば、あの真っ黒な人たちの胸は膨らんでいる。
「そうです。あの服には特別な仕掛けがしてありましてな。わかりやすく簡単に言うと、あの服を着た地球人はじょじょに皇帝陛下の偉大さがわかり、帝国に心からお仕えするようになるはずなのです」
ええっ?
野蛮な地球人が皇帝陛下の偉大さがわかるようになるの?
本当に?
「ですが、まだ実験段階でしてな。しかも、地球人の意識があるときには上手く作動しないのです」
「えっ? それじゃだめなんじゃないの?」
ぼくは爺にそう言った。
「寝たり意識を失ってくれれば上手く作動するので、寝ている間にじょじょに皇帝陛下の偉大さがわかるという仕組みなのですが、何せ時間がかかるゆえ実験もままならなかったのですよ。でも、若様が観察してくれれば助かります」
「ふーん・・・」
ぼくは正直がっかりした。
もっと楽しい自由研究ができるかと思ったのに、地球人のメスどもの観察だなんて・・・

「あの者たちがこれからどうなるのか。ちゃんとスーツの機能が働いて皇帝陛下の偉大さをあの者たちが感じるようになるか。若様にはそれを観察していただきます。どうですか? 他ではできない自由研究だと爺は思いますぞ」
そうか・・・
確かに爺の言うとおりだ。
地球人の観察日記なんて他では絶対できないよね。
さっきはがっかりしちゃったけど、これはぼくしかできないんだ。
うん、そう考えるとなんだかワクワクして来たや。

「うん、わかったよ爺。ぼくちゃんとあのメスどもを観察するよ」
「おお、やってくれますか? それでこそ若様。お父様もきっとお喜びになりますぞ」
ぼくの言葉に爺はうんうんとうなずいた。
なんだかお父さんよりも爺のほうが喜んでいるみたいだけどなぁ。

「それでこれからどうするの? この部屋であの地球人のメスどもを飼うの?」
「いやいや、それではたいした観察にはなりますまい。あの地球人どもは一度解放します」
爺がにやりと笑う。
爺がこういう顔をするときはいつも何か楽しいことを考えているときだ。
「解放しちゃって大丈夫なの? 逃げちゃったりしない?」
「ご心配なく。最小限の刷り込みは行ないました。あの地球人どもは戦闘員スーツを着せられていることに驚きはするでしょうが、すぐにスーツを解除して日常生活に戻るはずです。また、スーツを着せられたことをあの二人以外に話すこともできないでしょう」
爺の脇から若い研究員さんが教えてくれる。
よくわからないけど、どうやら二人が逃げる心配はないみたいだ。

「これがあの地球人どものデータです」
そう言って渡されたものには、二人の地球人のメスの画像と名前、それにいろいろな数字が書いてあった。
ぼくは画像の地球人たちがどっちがどっちなのかを見極めようとしたけど、二人ともマスクのおかげで目だけしか出してないので、わからなかった。
仕方ないので、おっぱいの大きさが違うのでそちらで区別することにする。
おっぱいの大きいのがサユリ、ちょっとだけ小さいのがアキという名前だ。
ぼくは名前と特徴をメモに書いた。

「さて、ここからは若様にお任せしますぞ。しっかり観察してください」
爺がノートパソコンのようなものをくれる。
この画面にあの地球人のメスどもの姿が映し出されるんだって。
メスどもには常時小型ロボットが張りついて様子をこの画面に送ってくれるから、ぼくはそれを観察するだけ。
ぼくが地球にいる間、観察日記を書いていくよ。
  1. 2009/08/15(土) 21:17:52|
  2. 観察日記
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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