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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ネズミとネコ(3)

三日間連続の四周年記念SS「ネズミとネコ」も、今回が最終回です。
楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ。


3、
「それにしても美しい女子(おなご)じゃ。見ろ、青城(あおき)、久しく勃たなかったわしの股間が見事に勃ったわい」
「まことに。男なら誰もがそそられる姿かと。御前」
思わず私は今自分がどんな姿をしているのかに思い至って恥ずかしくなる。
グレーのレオタード姿で両手足を拘束されて座っているのだ。
男どもが喜ぶのも無理はない。
「もうすぐこれがわしのものになるのだな?」
「はい、御前」
えっ?
わしのもの?
どういうこと?

「私をどうするつもりなの?」
私は老人をにらみつける。
こんなやつの慰み者になるぐらいなら死んだってかまわない。
でも・・・
どうにかしてもう一度美亜に会いたい・・・

「何、心配はいらん。君には最初の予定通り、わしのために働く女になってもらう。わしのためならなんでもする女にな」
老人の下卑た笑みに私はぞっとした。
「冗談じゃないわ! 誰があなたのためになど」
「ふっふっふ・・・君の意志など問題ではないのだよ。そうだろう、青城?」
「はい、御前」
老人の脇に控えていた男が、ゆっくりと私に近寄ってくる。
私の本能がこの男は危険だと告げているが、今はどうにもできはしない。
「これは日本の製薬会社とCIAが共同開発したものでね。たまたまできあがったものなんだが、洗脳にはちょうどいい代物なのだ」
男が内ポケットからケースを取り出し、その中の注射器を見せ付ける。
「せ、洗脳?」
私の意識を変えるということ?
「い、いやっ! やめてぇ」
私は大声で叫んでいた。

「これを注射し、後は適度な暗示と視覚効果を繰り返すことで、君の心はわしのものになるというわけだ。青城、始めろ」
老人にうなずき、男が注射器を持って私に迫る。
「ひっ!」
「暴れるなよ。針が折れる」
袖がまくられ、私の腕に注射器が突きたてられる。
薬剤が注入され、私はあまりのことに声もでなかった。
「これでいい。しばらくすれば気持ちよくなる」
「い、い、いやぁ・・・いやよぉ・・・」
私は駄々っ子のように首を振る。
「心配はいらんて。すぐに気持ちよくなるそうだ。そうしたら何も考えられなくなる。気持ちよさだけを感じていればいいのだよ」
「それに麻薬のように習慣性があるわけでもない。安心しろ」
男の口元がにやりと笑う。
安心しろなどと言われたって安心できるはずがないじゃない。
ああ・・・助けて・・・
あなたぁ・・・美亜ぁ・・・

ああ・・・
頭がぼうっとする・・・
なんだか躰がふわふわするわ・・・
ここはどこ?
私はいったいどうなっているの?
ぐらぐらする頭をしっかり支えようとするけれど、どうしてもぐらぐらしてしまう。
目の前に置かれたテレビモニター。
ちらちらと赤や黄色や緑が瞬いている。
なんだかとても綺麗・・・
目が離せない・・・
ああ・・・
なんだかとっても気持ちがいいわぁ・・・

                      ******

あれからどのくらい経ったのだろう・・・
私は椅子に座りっぱなし・・・
ずっと目の前のモニターの明滅する光を見てるだけ。
なのにとても楽しい。
おトイレにも行かず、時々手足をはずされてバケツのようなものにさせられる。
周りに人がいるのに全然気にならない・・・
むしろ、私の中から汚いものが出て行くようでとても気持ちいい・・・
ああ・・・
なんだか幸せな気分・・・
何も考えないで過ごすのは気持ちいいわぁ・・・

青城って人の声がする・・・
はい・・・私の名前は素襖美香子です・・・
はい・・・私は怪盗マウスです・・・
私はちゃんとお答えする。

あの老人の顔がモニターに映される・・・
老人は・・・御前・・・
御前様・・・
私の全てを捧げる人・・・
私がお仕えするお方・・・
御前様・・・
御前様・・・
御前様・・・

私は御前様のもの・・・
御前様のために働くのが私の生きがい・・・
御前様が私の全て・・・

御前様・・・
御前様の声が聞きたい・・・
御前様のお顔を見たい・・・
御前様のお姿が愛しい・・・

青城が言う。
御前様のために働くのだと。
当然だわ。
私は御前様のために生きる女。
御前様のためなら何でもするわ。

青城が言う。
御前様のためなら人だって殺せるかと。
もちろんよ。
御前様がお命じになるのなら、どんな人でも殺してやるわ。

青城が言う。
御前様に抱かれたいかと。
ええ、当たり前でしょ。
御前様に抱かれるのは女として最高の栄誉だわ。
私はこの肉体の全てで御前様に満足してもらいたいわ。

青城が言う。
お前はマウスではなくキャットだと。
ええ、そうよ。
私はマウスなんかじゃない。
私は身軽なキャットよ。
御前様に可愛がってもらうためなら、どんなところへも入り込むわ。

御前様・・・
御前様・・・
御前様・・・

                     ******

「おい、起きろ」
青城の声で私は目を覚ます。
なんだかとっても気持ちがいい。
生まれ変わったようなってこういう気分のことかしら。
私はベッドの上で躰を起こすと、シーツで胸を隠すのだった。
「悪いけど、そう簡単に裸を見せるつもりは無いわ」
青城が苦笑する。
「気分はどうだ?」
「頭がなんとなくぼうっとするけど、悪くは無いわ。むしろいい気分かしら」
私は薄く笑みを浮かべた。
こういう笑みに男は油断するもの。
青城にしたって悪い気分はしないはず。
「着替えを用意してある。着替えたら御前の元へ行け」
「了解。すぐに行きますとお伝えを」
私は追い立てるようにして青城を部屋から出すと、シーツをはずしてロッカーの扉を開けた。

「うふふ・・・素敵」
そこには私好みの黒いレザーでできた衣装がかけられていた。
黒いエナメルレザーのキャットスーツ。
首からつま先までを覆うぴったりした全身タイツ状になっているけど、胸のカップは取り外すことができ、股間もファスナーで開くようになっている。
私にはとてもふさわしい衣装だわぁ。
私はうれしくなってすぐにそれを身に付ける。
もちろん下着なんてものは着けはしない。
肌に吸い付くように密着するエナメルレザーの心地よさに、私は思わずゾクゾクした。

足元にはひざ上までのニーハイブーツが置いてある。
もちろんこれも黒のエナメルレザーでできており、ピンヒールタイプのものだ。
サイドのジッパーを下ろし、脚を通して履いていく。
ヒールのおかげで背筋がピンとなるので気持ちがいい。

あとは黒エナメルの長手袋。
指先にちょっとした金属製の爪が付いている。
うふふ・・・
これで引っかかれたら痛いじゃすまされないかもね。
私は腕を通して眺めてみる。
爪の金属質の輝きがとても綺麗。
私は思わず爪に舌を這わせ、その冷たい感触を味わった。

最後は頭にかぶるマスク。
同じ黒いエナメルレザーで、頭をすっぽりと覆ってくれる。
でも、口元と目だけは覗いているので、見たりしゃべったりするのに不都合はない。
頭の上には両側に尖った三角耳が付いていて、私が何者かを示している。

「ニャーオ」
私は手首をちょっと曲げ、甘えたように鳴いてみる。
うふふふ・・・
とっても気持ちいいわぁ。
猫って最高。
そう、私はキャット。
御前様の飼い猫なの。

「お待たせいたしました、御前様」
御前様のいらっしゃる部屋に入り、私はスッと片膝を折る。
御前様の目が私に注がれ、私はそれだけでとてもうれしかった。
「おお、来たな。うむ、よく似合うぞ。とても美しい黒猫だ」
「ありがとうございます、御前様。ニャオーン」
御前様のお言葉がうれしくて、思わず私は鳴いちゃった。
「うむうむ、可愛いキャットよ、こちらへおいで」
「はい、御前様」
私はすぐに御前様の足元にひざまずき、甘えるように顔を上げた。
「いい子だ。今日からお前は私の飼い猫。私のために働くのだぞ」
「はい、御前様。私はキャット。御前様の忠実な飼い猫です。ニャオ」
私は御前様にその忠誠心を見せるべく頭をこすり付ける。
ああ・・・なんて幸せなのかしら。
御前様に触れていられるなんて最高だわぁ。

「キャットよ、この写真を見るのだ」
「はい、御前様」
私は御前様が差し出した一枚の写真を見る。
そこにはマンションの玄関を出る父親と、それを見送っている女の子と母親の姿が写っていた。
一瞬何か懐かしい感じがしたものの、どうってことない写真に過ぎない。
「これがどうかなされたのでしょうか? 御前様」
私は写真を御前様に返し、その意図を尋ねてみた。
「ん? お前はこの写真を見てどう思った?」
「特に・・・何も。平凡そうなつまらない感じの男と、くだらない笑顔を見せている私と娘としか・・・娘は多少は可愛いようですけど、それだけですわ」
あの写真にいったい何の意味があるのだろう。
そこに写っている私は私ではない。
あれは過去のくだらない私だ。
思い出す意味すらないわ。

「ククククク・・・そうかそうか。これでお前は完全に私のものとなったわけだな」
御前様がうれしそうに笑っている。
「はい、御前様。キャットは身も心も御前様のものです。どうかこれからはずっと可愛がってくださいませ。ニャーオ」
私もうれしくなって鳴いてしまう。
「いいとも、たっぷり可愛がってやるぞ。熟れたお前の躰は味わい深そうだからな」
「ああん、御前様ぁ」
私はメス猫らしく腰を振る。
御前様のおチンポが欲しくてたまらない。
私は舌なめずりをして御前様の股間に眼をやった。

「だがその前に、やってもらわねばならないことがある」
「ああ・・・はい、何なりとご命令を、御前様」
私は欲情を抑えて命令を待つ。
御前様にお仕えするキャットとして、命令は絶対なのだ。
「これを見ろ」
先ほどとは違う写真を見せてくる御前様。
そこには以前テレビで見た政治家が写っていた。
「野党の幹事長だ。こいつがどうにも小うるさくてな。スキャンダルなネタでもあれば少しはおとなしくもなろう。キャットよ、こいつのスキャンダルネタを探って来い。屋敷に忍び込めば何かあるだろうて」
「かしこまりました御前様」
私はすぐに立ち上がる。
ここからはメス猫キャットではなく怪盗キャットの時間。
楽しい潜入活動が待っているわ。
うふふふ・・・
楽しみぃ・・・

「屋敷の様子などは青城がある程度は探ってくれておる。後はお前の腕次第だ」
「お任せくださいませ御前様。このキャットが必ずや御前様のご満足いただけるような情報を手に入れてまいりますわ。ニャーオ」
私は爪をペロッと舐め、ワクワクする心を楽しんだ。
「クククク、帰って来たらたっぷり可愛がってやるぞ。しくじるなよ」
「ああん、楽しみですわぁ。それでは行ってまいります、御前様。ニャーオォ」
私は一声高く鳴き声を上げると、御前様の部屋をあとにするのだった。

END
  1. 2009/07/18(土) 20:58:58|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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