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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

今月号

今月もいつも購入している雑誌を手に入れてきました。

まずは「世界の艦船」7月号。
今月の特集は中国の空母です。

中国がいよいよ航空母艦の建造に着手したということで、その空母がどういうものになるのか、また中国海軍は空母をどのように運用しようというのか、というような記事が載っているようです。

他には日本の新型砕氷船である「しらせ」二代目が竣工したという記事や、中国海軍60周年記念観艦式、羽田沖海上保安庁観閲式の情景などなど、今月も面白そうな記事が目白押し。
じっくり読ませてもらいます。

もう一つは「グランドパワー」7月号。
こちらの特集はイタリア空挺部隊全史(下)というもの。
珍しい特集ですよね。

第二次世界大戦のイタリア軍は、どうにもいいところがなかったようなイメージなので、イタリア軍の空挺部隊がどのような活躍をしたのか(あるいはしなかったのか)には興味ありますね。
写真は軍装ファンには喜ばれそうな写真がいっぱいですね。

他にはドイツ軍のソフトスキン(装甲されてないトラックなどの車両のこと)の写真や、日本軍の十センチ加濃砲の記事などが載ってます。
こっちもじっくり読ませてもらいましょう。

と、言うことで、今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2009/05/31(日) 20:52:26|
  2. 本&マンガなど
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マジョリコ(3)

マジョリコの最終回です。

それではどうぞ。

3、
「ヨシ。オシャブリハモウヨイ。次ハ自ラオネダリスルノダ」
「キュビーッ! カシコマリマシタ、サー・ティーン様」
マジョリコはX-13のペニスロッドから口を離すと、口のカバーを閉じて、床にぺたんと腰を落とした。
「ハアン・・・アア・・・サー・ティーン様ァ・・・私ノ・・・マジョリコノ中ニ・・・前デモ後ロデモイイデスカラ、サー・ティーン様ノペニスロッドヲ差シ込ンデクダサイマセェ」
腰をくいと浮かせ、淫らに振って見せるマジョリコ。
まさに娼婦が男に媚びているような仕草だ。
もちろんロボットがこんなことをする必要などありはしない。
これは全て志島博士に見せ付けるためのものなのだろう。

「ククククク・・・イイ格好ダゾマジョリコ。デハ前ニ入レテヤロウ」
「アアン・・・アリガトウゴザイマス、サー・ティーン様ァ」
マジョリコの股間のカバーが左右にスライドし、ここにも給油口のような円形の穴が現れる。
X-13は、おもむろにマジョリコの体を抱き上げると、抱えるようにして自らのペニスロッドを差し込んだ。
「ヒャアァァァァァ・・・パルスガァ・・・サー・ティーン様ノパルスガ駆ケ巡リマスゥ・・・最高・・・最高デスワァ」
脚をX-13の腰に回し、そのたくましい胸にしがみつくようにして腰を振るマジョリコ。
「ククククク・・・オ前ガ愛トヤラヲ感ジルノハ誰ダ? 言ッテミロ」
「ハイ・・・えっ? わ、私が愛している?」
X-13に下から突かれながらも、一瞬その表情が硬くなるマジョリコ。
その目がうなだれている夫に向けられる。
「ああ・・・わ、私は・・・私はなんてことを・・・」
「クククク・・・オ前ノ全テヲ書キ換エテヤル。サア、言ッテミルノダ」
「あ・・・ああ・・・私が、私が愛しているのは夫です。いやぁ。やめてぇっ!」
頭を振ってプログラムを打ち消そうとするものの、躰はX-13に絡みつくのをやめはしない。
泣きたくても泣くこともできなかった。

「クククク・・・上書キセヨ。オ前ガ愛トイウモノヲ感ジルノハ夫ニデハナイ。余ニデアル」
「ピッ、メモリヲ上書キイタシマシタ」
一瞬にしてマジョリコの記憶から夫への愛が失われる。
そして、作られた擬似感情がX-13への愛をマジョリコに感じさせた。
「問ウゾ。アソコニイル人間ノ男ニ愛トヤラヲ感ジルカ?」
マジョリコを下から突き上げながら、X-13が問いかける。
その問いに、マジョリコはチラッと志島博士を見やった。
「イイエ、私ハアノ人間ノ男ニハ愛ヲ感ジマセン。私ガ愛ヲ感ジルノハ、サー・ティーン様ノミデス」
「ソレデイイ。お前ハロボット帝国ノメスロボットダ。人間ヲ管理シ、恐怖ヲ持ッテ支配スルノダ」
「キュビーッ! 仰セノママニイタシマス。人間ヲ管理シ、恐怖ヲ持ッテ支配イタシマス」
両手をX-13の首に回し、自ら抱きついていくマジョリコ。
その口のカバーが開き、円形の穴がX-13の舌を受け入れる。
「ククククク・・・コウイウキスモ悪クナイ。サア、イクガイイ」
「キュビーッ! アア・・・イキマス・・・パルスガ躰ヲ・・・アア・・・イクゥゥゥゥゥゥ」
躰をがくがくと震わせて絶頂を迎えてしまうマジョリコ。
無論それは仕掛けられたプログラムによるものだったが、マジョリコの脳はもはやそれを受け入れるだけだった。

がっくりとうなだれる志島博士。
目の前で愛する妻が身も心も蹂躙されてしまったのだ。
それをどうすることもできなかったことに、ただただ無力感を感じていた。
「クククク・・・イカガダッタカナ、志島博士? 奥方ガ余ノモノニナッタトコロヲ見タ感想ハ」
ぐったりと動かなくなったマジョリコを寝かせ、ペニスロッドをズボンにしまいこんで、悠然と近寄ってくるX-13。
その顔には人間に対する優越感が表れている。
「くっ・・・悪魔め。殺してやる。必ず貴様を殺してやるぞ!」
キッと顔を上げ、X-13をにらみつける志島博士。
「クハハハハ・・・ソレハドウカナ? 博士ニハ我ガ城ノコンピュータト融合シテモライ、サラナル新型ロボットノ開発ニアタッテモラウトシヨウ」
「な、なんだと?」
志島博士は驚いた。
X-13は、妻ばかりか自分も機械にしようというのか?
「そ、そんなことは死んでも・・・」
「フッ、自殺トヤラデモスル気カネ? カマワンゾ。脳サエアレバ問題ハ無イ」
「くっ・・・」
歯噛みする志島博士。
最後の手段としての自殺も、脳を取り出されては意味がない。
かといって脳を破壊する手段も手近にはないのだ。
舌を噛むだけでは脳は破壊されないだろう・・・

「マジョリコヨ、イツマデ寝テイルノダ」
ぐったりと床に寝かされていたマジョリコが目を覚ます。
「キュビーッ! モウシワケアリマセン。アマリノ気持チヨサニ安全装置ガ働キマシタ」
立ち上がって右手を上げ、あらためて敬礼するマジョリコ。
そのまなざしは支配者への崇拝を思わせた。
「ヨイ、ソウプログラムシタノダ。サテ、今一度問オウ。お前ハロボットカ?」
「ハイ、私ハ帝国製ノメスロボットXW-8、マジョリコデス。サー・ティーン様」
胸を張り、何のためらいもなく答えるマジョリコ。
彼女にとって自らがロボットであることはもはや当たり前のことであり、数時間前まで人間であったことなど、上書きによって消されてしまったのだ。
「クククク・・・・ソレデヨイ。ソロソロ城ヘ戻ルゾ。アノ男ヲ連レテ来イ」
振り返りざまに志島博士を指し示すX-13。
巨体の背中のマントが翻る。
「キュビーッ! カシコマリマシタ、サー・ティーン様」
背を向けたX-13と入れ替わるように、マジョリコは志島博士に近づく。
やがて彼女は志島博士の前で歩みを止めた。

「志島博士。オ前ヲサー・ティーン様ノ居城ヘ連行シマス。自分ノ脚デ立チナサイ」
冷たい目でかつての夫を見下ろすマジョリコ。
すでに彼女にとって志島博士は愛する夫ではなく、連行するべきただの人間だった。
「ああ・・・茉莉子・・・」
思わず志島博士はそう呼びかける。
「発声ノ意味不明。私ヘノ呼ビカケト判断スルガ、私ハ茉莉子トイウ名デハナイ。私は帝国製試作型生体脳メスロボットXW-8マジョリコ。二度ト間違ウナ、人間」
「ああ・・・うう・・・」
うなだれる志島博士。
「警告スル。ロボットニ逆ラウ人間ハ死刑デス。三秒以内ニ自分ノ脚デ立チナサイ」
「うう・・・」
愛する妻の声とほとんど変わらない声が、冷たく志島博士を打ちのめす。
両脇から抱えられるような体勢だった志島博士は、無言でゆっくりと自分の脚で立ち上がった。
「ソレデイイワ。サア、来ナサイ」
くるりと背を向け、X-13のあとに続くマジョリコ。
二台の戦闘ロボットに抱えられ、志島博士はふらふらと歩き出す。
そのポケットから、データディスクを床にすべり落としたことに、どうやらロボットたちは気がついていないようだった。

                         ******

打ちひしがれた人々が、駆り立てられるようにして集められる。
かつては美しかった町並みも、今は瓦礫と火災によって見る影もない。
町の中央広場に集められた人々は、そこに女性型のロボットを見出した。
全身を黒光りするメタルスキンに包み、目元だけが人間のままのような女のロボット。
それはある意味美しく、また醜悪であった。

「オトナシクシナサイ人間タチ。コレヨリオ前タチヲ牧場ヘト導キマス。ソコデワレワレロボットニ従ッテ生キルナラバ、寿命マデ生カシテオクコトヲ約束シマショウ」
口らしき部分はカバーでまったく見えないにもかかわらず、その女性型ロボットは明瞭に言葉を話した。
武装解除された人々は抵抗する気力も失せ、ただうなだれるのみであった。

「ちくしょう! パパを返せ!」
一人の子供が足元の石を拾って投げつける。
母親が止める間もなく、その石は女性型ロボットに当たり、その足元に落ちた。
次の瞬間、ジュッという音とともに肉の焼けるにおいがして、子供がゆっくり倒れこむ。
「ひーっ!」
母親の悲鳴をよそに、女性型ロボットは言い放った。
「ロボットニ抵抗スル者ハ赦シマセン。抵抗シタ者ハ死刑デス」
その胸からはレーザーの発射口が覗き、その子供に何があったのかを人々に無言で見せ付けている。
やがて人々は、無言でロボットたちに従い、人間牧場へと向かうのであった。

                        ******

巨大な尖塔が周囲を圧し、黒光りする装甲が難攻不落を思わせる城郭。
ロボット帝国の首都の中央に築かれた中世風城郭。
それがX-13の居城であった。

周囲をさまざまな機械類に埋め尽くされた大広間。
その一番奥にある玉座に座る巨体。
ロボット帝国の皇帝X-13であった。
そこへカツコツとヒールの音を響かせて一体の女性型ロボットがやってくる。
「キュビーッ! タダイマ戻リマシタ、サー・ティーン様」
直立不動の姿勢を取り、右手を上げて敬礼する。
全身のメタルスキンを黒光りさせ、うっとりとした眼差しをX-13に向けていた。
「ゴ苦労ダッタ、マジョリコ。報告ハ受ケテイル。L地区ヲ制圧シタノダナ?」
玉座に頬杖を着き、X-13はにやりと笑う。
元人間だったこのメスロボットは、今や彼の命じるままに人間どもを駆逐しているのだ。
「キュビーッ! ハイ、L地区ハ完全ニ制圧イタシマシタ。生キ残ッタ全テノ人間ハ、人間牧場ニ隔離シテアリマス」
誇らしげに胸を張って報告するマジョリコ。
「ウム、ヨクヤッタ。サスガハ機械ノ魔女マジョリコヨ」
「オ褒メノ言葉アリガトウゴザイマス。イツモドオリ外部カラ隔離シ、内部不和ニ陥ルヨウ情報ヲ操作シタトコロ、スグニ小集団ニ分離シテ内部抗争ヲ始メマシタノデ、制圧ハ簡単デシタ」
このやり方はマジョリコ自身が編み出したものだった。
人間の弱点を突くやり方に、X-13は満足していた。

「ククククク・・・トコロデ、D地区デ新タナ動キガアッタノヲ知ッテイルカ?」
「D地区デ? モウシワケアリマセン。存ジマセンデシタ」
メモリを読み込み、情報を持っていないことを確認するマジョリコ。
「ウム、入ッテキタバカリノ情報ダカラナ。“シジマ”ヨ、マジョリコニ教エテヤレ」
『キュビーッ! カシコマリマシタ、サー・ティーン様』
X-13の周りを取り囲む機器類が明滅し、音声で情報を伝えてくる。
『D地区ニオイテ、“シジマナツミ”トイウ女性型ロボットガ、我ガロボット帝国ノ戦闘ロボットヲ多数破壊シテイルトノ情報ガ入リマシタ』
「ロボットガロボットヲ?」
マジョリコが確認のために口を挟む。
それほど今の情報はロボットにとって異質な情報だった。
『ソノトオリデス。“シジマナツミ”トイウロボットハ、90%以上ノ確率デ志島弘文博士ノデータヲ用イテ機械化サレタ人間ト思ワレマス』
シジマと呼ばれた大型コンピュータが解析データを報告する。
「クククク・・・ソイツハ余ノコトヲ親ノ仇ト言ッテイル。親ハ死ンデナドオラヌノニナ。ソレニデータモワザト放置シタトモ知ラズニ・・・クククク」
X-13は笑いながらマジョリコとコンピュータを意味ありげに見やった。

「機械化サレタ人間ナドトイウ存在ハ許サレン。マジョリコヨ、“シジマナツミ”ヲ余ノ元ヘツレテクルノダ。少々壊レテモカマワン。余ノ元デ完全ナルロボットニ変エテヤロウ。ソウスレバマタ一体、優秀ナ手駒ガ増エルコトニナル」
「キュビーッ! カシコマリマシタ。“シジマナツミ”ヲ、サー・ティーン様ノ前ニオ連レシマス」
右手を下ろし、くるりと振り返るマジョリコ。
X-13の命令を遂行しようというのだ。
「待テ」
マジョリコの脚がぴたりと止まる。
「来ルガヨイ。L地区制圧ノ褒美ヲヤロウ」
「ハイ、サー・ティーン様」
再度振り返り、うれしそうにX-13の元へと向かうマジョリコ。
二体のロボット同士の淫らな宴が始まるのだった。

END


いかがでしたでしょうか?
拍手、感想などいただけますととても励みになりますので、よろしければお願いいたします。

6月はちょっとわたわたしそうなのですが、また次のSSを楽しみにしていただければと思います。
お読みくださりありがとうございました。
  1. 2009/05/30(土) 21:22:52|
  2. マジョリコ
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05月30日のココロ日記(BlogPet)

舞方雅人さん!てんとうむし!てんとうむし!

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/05/30(土) 07:42:49|
  2. ココロの日記
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マジョリコ(2)

マジョリコの二回目です。
楽しんでいただければ幸いです。

2、
「茉莉子。オボエテイルカ? 余ハ以前オ前ヲ我ガ物トシタイト言ッタコトガアル」
茉莉子はぞっとした。
確かにX-13は機能試験のときに茉莉子に言い寄ったのだ。
そのときは夫の弘文がいたずらにプログラムを仕込んだんだろうと思っていた。
だから、軽くいなして、それで終わったと思っていたのだ。
まさか今に至るまで執着しているとは・・・
彼女は夫の袖にしがみついた。

「アノ時茉莉子ガ言ッタコトヲ余ハ忘レテイナイ」
自分はなんと言ったのだろう・・・
茉莉子は記憶を手繰り寄せるが、何を言ったのかは思い出せなかった。
「何をするつもりだ、X-13!」
「黙レ!」
志島博士を一括するX-13。
その上でゆっくりと茉莉子に視線を移す。
「茉莉子、オ前ハコウ言ッタノダ。 “残念ね。私は人間だからロボットと一緒にはなれないわ。私がロボットだったら、きっとX-13のことを好きになっていたと思うけどね。” ト」
茉莉子の顔は青ざめた。

「余ハ今日オ前ヲ迎エニ来タ。オ前ヲロボットニ改造シ。我ガモノトシテクレル」
あごをしゃくるX-13。
すぐに戦闘ロボットがわらわらと駆け寄り、志島博士と茉莉子の躰を押さえつける。
「くっ、は、離せ! 離せー!」
「いやぁっ! 離して、離してぇっ!!」
両腕をがっちりとアームで掴まれて身動きが取れなくなる二人。
そして志島博士はずるずると引きずられ、壁際に押さえつけられてしまう。

「クハハハハ・・・志島博士、余ヲ造リ出シテクレタ礼ニ、オ前ノ妻ガロボットニナルトコロヲ見セテヤロウ」
不気味に笑うX-13。
「ふ、ふざけるな!! そんなマネをさせるものか!」
必死に身をよじり、何とかアームの戒めを解こうとする志島博士。
だが、戦闘ロボットに押さえつけられた躰は動きようがない。
「あ、あなた・・・あなたぁ・・・」
同様に押さえつけられている茉莉子。
左右の戦闘ロボットが、がっちりと茉莉子の腕を固定している。
「茉莉子。茉莉子ぉ!」
二人は必死に何とかしようとするものの、どうすることもできなかった。

ぱちんと指を鳴らすX-13。
すると、するすると滑るように三台ほどの台車が自動的に入ってくる。
そしてX-13の脇に止まると、それぞれが結合して一基の自動手術台のように変化した。
「ソノ女ヲ乗セロ」
茉莉子を掴んでいる戦闘ロボットに命じるX-13。
「「キュビーッ!!」」
茉莉子の両脇にいる戦闘ロボットが、一つ目のような円形のレーダースコープを輝かせ、命令の受領音とも言うべき音声を発する。
ロボット帝国の了解の合図だ。
「いやぁっ!!」
両脇を抱えられるようにして手術台に連れて行かれる茉莉子。
必死に抵抗するが、女性の力では戦闘ロボットを振りほどくことなどできはしない。

「いやぁっ! たすけてぇっ! あなたぁ・・・」
首を振って泣き喚く茉莉子。
「茉莉子ぉっ! 畜生! 茉莉子を離せっ!」
志島博士も必死でアームを振りほどこうとするが、やはり身動きは取れなかった。
そうしているうちに、茉莉子を連れた戦闘ロボットは、茉莉子を自動手術台に載せてしまう。
そして両手両脚を固定し、身動きができないようにしてしまった。

「ククククク・・・茉莉子ヨ、ソウ怖ガルコトハナイ。改造ハスグニ終ワル。オ前ノタメニ実験ヲ繰リ返シタノダ。一時間モアレバオ前ハロボットトシテ完成スル」
そう言って茉莉子の顔を覗き込むX-13。
茉莉子は真っ青になって首を振った。
「いや、いやです。お願い。赦して。ロボットになんかなりたくない」
「ソンナコトヲ言ウノモ今ノウチダ。ロボットニナレバ思考モ変ワル」
茉莉子の頬をそっと撫でるX-13。
「いや・・・いやぁ・・・」
茉莉子はただ首を振る。
もう正常な判断もできないのだ。
「可愛イ茉莉子ヨ。生マレ変ワルガイイ」
X-13の指が、手術台のスイッチを押した。

甲高い金属音を上げ、手術台の周りからいくつものアームがせり上がる。
「きゃぁー!!」
悲鳴を上げる茉莉子の口にカバーがかけられ、麻酔ガスが流される。
透明なカバーが手術台を覆い、内部を殺菌剤が除菌する。
くたっと意識を失った茉莉子に、いくつものアームが突き立てられ、それぞれ作業を開始した。

「茉莉子ぉーっ!」
志島博士が悲鳴にも似た叫び声を上げる。
彼の目の前で、愛する妻は衣服を剥ぎ取られ、生まれたままの姿にされていく。
そして何本ものアームの先端がレーザーメスとなり、その滑らかで美しい皮膚を切り裂いていった。
「やめろーっ! やめてくれーっ!!」
夫の叫びは意識を失った妻には届かず、彼はただ妻の躰に機械が埋め込まれていくのを見ているしかなかった。

茉莉子の躰はみるみる機械化されていった。
皮膚には液体金属が注入され、骨は軽量金属の骨格に取り替えられる。
内蔵は取り去られ、動力炉や各種制御装置が埋め込まれる。
形よい胸は形状を保持したままレーザーの発射機に改造され、母乳を生成する器官から攻撃兵器へと変化する。
体表面の毛髪は全て剃り取られ、黒光りする薄くて強靭なメタルスキンが張り付けられる。
食事の必要も発声の必要もなくなった口はカバーで覆われ、目はカメラアイに、鼻はにおいを感じるセンサーへと置き換わる。
やがて、茉莉子は全身を黒光りするメタルスキンに覆われた、女性型アンドロイドとも言うべきものに変化した。

「起動セヨ」
全ての作業が終了し、透明なカバーが取り払われた手術台に向かって、X-13が命令する。
「ピッ・・・起動命令ヲ受領。起動シマス」
カバーに覆われてしまった口元から、機械音声が流れてくる。
それは茉莉子の声によく似ていた。

目を開けて、ゆっくりと起き上がる茉莉子。
その足はブーツを履いたような形に変わり、指はなく、かかとがハイヒールのようになっている。
滑らかな曲線を描く脚部は、黒いメタルスキンが全体を覆い、足首やひざの部分が蛇腹状に稼動するようになっていた。
下腹部から腰にかけてもメタルスキンがつややかに黒光りし、つるんとした股間には女性器は存在すらうかがうことができなかった。
胸はメタルスキンに覆われた二つのふくらみが乳房を形作っているものの、先端にはカバーがかけられ、レーザーの発射口を隠している。
肩から両腕にかけてもメタルスキンが覆い、指先までつややかに輝いていた。
そして、首から頭部にかけてもすっぽりとメタルスキンが覆っており、わずかに目元だけが人間の面影を残すように肌が露出している。
無論、その肌も金属質に変化しているのはいうまでもない。

いわば茉莉子は、金属でできた全身タイツをまとったような姿だった。
そのラインは女性の美しさを保持しており、異質の美しさをかもし出していた。

「ああ・・・茉莉子・・・」
変化してしまった妻に言葉を失う志島博士。
だが、本当の絶望はこれからだった。

「起動チェック終了。各部異常ナシ。えっ? こ、ここは? 私はいったい?」
突然戸惑ったようにきょろきょろと辺りを見回す茉莉子。
何がどうなったのか、わかっていないようだ。
「ククククク・・・マダ脳ガ人間ノ自我ヲ保持シテイルノダ。ダガ、人間ノ脳ハ順応ガ早イ。スグニロボットトシテプログラムニ従ウヨウニナル」
X-13が不気味に笑う。
「えっ? ええっ? こ、これは・・・」
自分の躰を見て愕然とする茉莉子。
「い、いやぁっ!! こんなのはいやあっ!! 戻して! 元に戻してぇっ!!」
頭を抱えて喚き叫ぶ茉莉子。
機械にされてしまったなど受け入れることができるはずないのだ。

「喚クナ。余ノ元ヘ来テ完成ヲ報告セヨ」
X-13のその言葉に、茉莉子の叫びがぴたっと止まる。
「キュビーッ! カシコマリマシタ、サー・ティーン様」
スッと歩き出し、X-13の元へ行く。
「キュビーッ! 報告シマス。私ハ帝国製試作型生体脳メスロボットXW-8。ロボット帝国バンザイ。サー・ティーン様ニ栄光アレ」
右手をスッと上げ、X-13に敬礼する茉莉子。
その姿は直立不動でためらいもない。

「えっ? あ・・・私は、何を・・・」
だが、その表情が一瞬で変わる。
愕然とした眼差しで、X-13を見上げる茉莉子。
自分が言ったことが信じられなかった。

「フッ・・・」
優しそうな笑顔を見せ、そっと抱き寄せるように茉莉子を引き寄せるX-13。
そして言い聞かせるように耳元でささやく。
「ソレデイイノダ。何モ考エルコトハナイ。オ前ハロボット。余ガフサワシイ名前ヲツケテヤロウ」
「なま・・・え?」
それが何を意味するのかを知り、恐怖する茉莉子。
名前すら奪われてしまうのだ。
「あ・・・いや・・・いやです」
弱弱しく抵抗の言葉を口にする茉莉子。
だが、与えられたプログラムが、皇帝から名前をもらえることを喜びと感じるように仕向けてくる。
茉莉子は沸きあがってくる喜びに、何とか抗おうとしていたのだった。

「オ前ハメスロボット。人間ドモニ恐怖ヲ与エル魔女トナルガイイ。コレカラハ“マジョリコ”トシテ余ニ仕エルノダ」
耳元でささやかれた言葉が、まるで焼きごてで押したかのように脳裏に刻まれる。
「キュビーッ! 登録イタシマシタ。私ハ帝国製試作型生体脳メスロボットXW-8マジョリコ。サー・ティーン様ニ永遠ニオ仕エスルコトヲ誓イマス」
自分の意思とは関係なくスピーカーから声が出る。
カバーに覆われた口は動くことさえしていない。

「ああ・・・いや・・・違う・・・私は・・・私の名前は・・・ピッ、メモリーニ不整合ガ発生シマシタ」
茉莉子の脳が、必死に与えられた名前を拒絶する。
「登録名ヲ上書きシ、メモリーヲ整合サセヨ」
非情に命じるX-13。
「いや、いやぁっ! ピッ、登録名ヲ上書キシマシタ。メモリート整合シマシタ。ああ・・・そんな・・・私は・・・私の名前は・・・マジョリコ。XW-8マジョリコデス」
茉莉子の脳裏から、一瞬にして名前が消されてしまう。
もはや彼女は自分の名をマジョリコとしか考えることができなくなっていた。

「ソレデイイ。マジョリコヨ、オ前ノ能力ヲ確認シテヤロウ。エロスモードヲ起動セヨ」
「キュビーッ! カシコマリマシタ、サー・ティーン様。エロスモードヲ起動シマス。アア・・・ン・・・ハア・・・」
いきなり腰をくねらせるマジョリコ。
うっとりとした眼差しでX-13を見上げ、切なそうな吐息を漏らす。
「クククク・・・イイ娘ダ。サア、シャブルガイイ」
「ハイ、サー・ティーン様」
マジョリコはX-13の元にかがみこむと、軍服のズボンのファスナーを開き、中から巨大な一物を取り出した。
「アア・・・素敵ナペニスロッドデス。オシャブリサセテイタダキマス」
シュコッという音がして、マジョリコの口元のカバーが開けられる。
するとそこには、自動車のガソリン給油口のような円形の穴が開いていた。
マジョリコはうっとりと、おもむろにその穴にX-13のペニスロッドを差し込んでいく。
「や、やめろ! やめるんだ茉莉子!」
極力人間に模して作ったことが、今志島博士を絶望の淵に追いやっていた。

X-13のペニスロッドを咥えこみ、頭を前後に振っていくマジョリコ。
うっとりと目を閉じて、快感に酔いしれているようにさえ見える。
「アア・・・ハアン・・・美味シイ・・・美味シイデス、サー・ティーン様。サー・ティーン様ノパルスガ私ノ躰ヲ駆ケ巡ッテマス」
咥えこんだままスピーカーより声を出すマジョリコ。
人間には不可能なことを、彼女はもはや何の問題もなくやっていた。
「ククククク・・・イイゾ。オ前ノ口ハ最高ダ」
両手でマジョリコの頭を抱え込むようにして、さらに奥まで差し込んでいくX-13。
その様子に、もはや志島博士は目をそむけるしかできなかった。
  1. 2009/05/29(金) 21:28:42|
  2. マジョリコ
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マジョリコ(1)

本日から三日間で新作短編を一本投下します。
これまたちょっと変わったものに感じられるかもしれませんが、お楽しみいただければと思います。

それではどうぞ。


「マジョリコ」

1、
「ふう・・・ついに完成だ・・・」
白衣の男性が額の汗をぬぐう。
まだ四十代前半であろう。
メガネをかけた理知的な顔は、まだまだ若さを残している。
「あなた・・・これで人類は・・・」
ホッとしたような笑みを浮かべる白衣の女性。
こちらも四十歳になったばかりか。
美しい黒髪が映え成熟した女性の色気を漂わせている。
「ああ・・・あとは志願者を募れば・・・だが、いくら人類のためとはいえ・・・」
結果を出したにもかかわらず苦悩の表情を浮かべる男性。
その苦悩は奥深いものがあるようだ。
「あなた・・・」
「このシステムで人間を機械化する・・・そうすればあの悪魔どもにも負けない強い力を得ることができる。だが・・・それはもはや人間ではないかもしれないのだ・・・」
「あなた・・・」
そっと寄り添う白衣の女性。
長い黒髪がはらりと男の腕にかかる。
「ああ・・・全ては私の罪だ。あの悪魔を作ってしまったあの日からな・・・」
宙を見上げる白衣の男。
その目は遠いところを見つめていた。

                    ******

かつて、ロボット工学博士の志島弘文(しじま ひろふみ)は、数体の試作を経て新しいロボットの開発に成功した。
そのロボットは肉体労働用として作られ、たくましい人間に模したボディを与えられていた。
人間の形をして人間の動作のあらゆることをサポートできる、言わばアンドロイドとして作られたそのロボットは、試作ナンバーX-13と命名され、人類の労働の過酷な部分を補うことを目的としていたのだった。
危険な鉱山での作業や、トンネルなどの工事現場、場合によっては宇宙や深海での作業など、このX-13が活躍しそうな現場は多く、人々からも注目されたロボットだった。

だが、志島博士はX-13を精巧に作りすぎた。
自我を持ってしまったX-13は、人間のような脆弱な生物よりも自らを高等な存在と考え、ロボットが人間を支配することこそが人間を幸福に存続させるものだと結論付けたのだ。

X-13はひそかに活動し、研究所の設備を使って配下のロボットを増やしていった。
そしてある日、ついにX-13は人類を支配下に置くべく行動を開始したのだった。

人類はたちまちのうちに劣勢に追い込まれていった。
同じ人間を相手にするように作られていた兵器は、その多くが戦闘ロボット相手には無力だった。
また自動兵器は大半が操作不能に追い込まれ、その能力を失っていった。
超大国も先進国も、ロボットの攻撃により都市機能を喪失し、国家としての対応ができなくなっていった。
自動車工場や電子部品の工場は、占領されると同時に戦闘ロボットの生産工場へと早変わりし、瞬く間にロボットたちはその版図を広げていったのだった。

X-13は自らを皇帝と称し、そのナンバーからサー・ティーンと呼ばしめていた。
サー・ティーンはロボット帝国を建国し、占領地の人間は動物と同じように扱うようになっていた。
家畜小屋のようなところに押し込め、ただ無気力に日々を過ごさせて帝国に反抗する気力を奪い去るのだ。
捕らわれなかった人間たちは、何とか抵抗組織を編成し、レジスタンスとしてロボットの支配に立ち向かっていた。
だが、それもじょじょに力をなくしつつあるのが現状だった。

                      ******

「あなた・・・」
夫の苦悩を我が事のように受け止める妻の茉莉子(まりこ)。
彼女も夫の助手として、X-13の開発には携わっていたのだ。
「茉莉子、すまない。君にも苦しい思いをさせてしまった・・・」
そっと妻を抱きしめる志島博士。
メガネの奥の目には涙が浮かぶ。
「あなた・・・いいえ、あなたに比べればそんなこと・・・」
「私はもう一度汚名を甘んじて受けよう。だが、これでロボットから、あの悪魔どもから世界を取り戻すことができるはず。サイボーグ兵士がロボットを圧倒してくれるはずなのだ」
志島博士が開発したのは、戦闘用サイボーグの基本構造だった。
ロボットに対抗するために人間を機械化し、その力でロボットを打ち倒すのだ。
人類は再びロボットに対して優位を取り戻し、ロボットを押さえ込まなくてはならないのだ。

「志願者については、レジスタンスのリーダー風見君と協議することになっている。きっと正義感の強い若者が志願してくれるだろう」
「ええ、あなた。私もお手伝いいたしますわ」
夫を見上げて微笑む茉莉子。
二人は本当によいパートナーだった。

「そういえば奈津美(なつみ)はどうしたかな?」
志島博士が一人娘のことを聞く。
「今日は教会へ行ってますわ。奉仕活動と学習だとか。きっともうすぐ帰ってきますわ」
二人には奈津美という娘がいる。
普通なら高校生の年齢だ。
だが、現在はまともな学校など存在せず、わずかにレジスタンスの勢力範囲内で教会や寺社が教育機関の代行を行なっているようなありさまだった。
「そうか・・・あの娘が成人するまでには、この不毛な戦いにも決着をつけたいものだ」
「きっと大丈夫ですわ、あなた。あなたの開発したサイボーグシステムがきっと平和を取り戻してくれますわ」
「だといいが・・・いや、そうだな。そうに違いない」
志島博士はそう言って強くうなずいた。

突然警報が鳴り響く。
赤色のランプがあちこちに灯り、あたりは騒音に包まれた。
「な? ま、まさか奴らが・・・」
青ざめる志島博士。
「あ、あなた・・・」
茉莉子も思わず夫の腕にすがりつく。
ここはロボットに抵抗するレジスタンスの拠点のひとつである。
だが、表向きは廃工場に見せかけてあり、ロボットたちの注意を引かないようにされていた。
人員も志島博士の研究のサポート要員と警備要員のみに限定し、出入りを少なくすることで存在を秘匿してきたのだ。
だが、それもどうやら昨日までのことだったのかもしれない。
おそらくこの場所がロボットに見つかったのだ。

「し、志島博士! お逃げください! ロボットの・・・ロボットどもの襲撃です・・・」
警備に当たっていた兵士の一人が駆け込んでくる。
「あなた・・・」
「くっ・・・こ、ここまで来て・・・」
歯噛みする志島博士。
「やむを得ない。茉莉子、データをディスクに移してくれ。データさえあればあとは・・・」
「はい、あなた」
すぐに茉莉子は今までのデータをディスクに移す。
コンパクトにまとめられていたため、作業自体はそれほど時間はかからない。
すぐに移し替えられたデータディスクを茉莉子は夫に手渡した。
「これでいい。このデータさえあれば・・・」
大事なデータを確保でき、ほんのちょっとだけ安堵する志島博士。
だが、外で起こっている銃撃戦や炸裂音がすぐ間近に迫っていることにも気がついていた。

「博士、早くこちらへ」
警備の兵士の一人が手招きする。
緊急事態に備えた裏口へと、博士を案内するつもりなのだ。
おそらく表口が突破されるのは時間の問題であろう。
少数の警備兵では、ロボット帝国の戦闘ロボットには歯が立たない。

「うむ、茉莉子、行こう」
「ええ」
顔を見合わせ、うなずきあう志島博士と茉莉子。
今はこそこそ逃げなくてはならないが、いずれロボットに一矢報いてやらねばならないのだ。
そのためにも生き抜かねばならない。
志島博士はポケットにデータディスクを入れ、茉莉子の手を引いて先導の兵士に従った。

いきなり肉のこげるようなにおいがした。
無言でくず折れる先導の兵士。
「ひっ」
茉莉子が小さく悲鳴を上げる。
通路の先からは、規則正しく重々しい足音が響いてきていた。
「しまった・・・こちらもすでに・・・」
志島博士は唇を噛み締めた。

「クハハハハ・・・久シブリダナ、志島博士」
薄暗い通路から姿を現す巨体の男。
いかめしい軍服まがいのものを着込み、軍帽をかぶってマントを翻している。
両目のカメラアイが鋭い光を輝かせ、じっと志島博士を見下ろしていた。

「X-13・・・」
小山のようにそびえる巨体のX-13を志島博士は見上げる。
そばにいた警備の兵士二人が対ロボット銃を構えるが、その躰を幾筋ものレーザーが貫きあっという間に絶命する。
他の兵士たちも銃を構える間もなくレーザーに射抜かれた。

「無駄ナコトダ。我ガロボット兵団ノ戦闘ロボットニカナウモノハイナイ」
ゆっくりと歩みを進めるX-13。
その脇にも背後にも何台もの戦闘ロボットが付き従っている。
ひょろっとしたやせた人間のような躰をしているが、黒光りする外部装甲に覆われ、頭部にはレーダースクリーンのような円形のモニターが単眼のように輝いていて、その上にヘルメットのようなカバーがかかっている。
両手にはものを挟むアームとレーザー発射口が備えられ、そのレーザー発射口が志島博士と茉莉子に向けられていた。

「くっ・・・X-13、妻には手を出すな」
志島博士は妻茉莉子をかばうように後ろにする。
「クククク・・・案ズルナ。茉莉子ハコレカラ余ガキチント可愛ガッテヤル」
にやりと不気味な笑いを浮かべるX-13。
ロボットには必要のない動作だが、人間を相手にするときには効果的な動作であることがわかっているのだ。
「な、なんだって?」
驚く志島博士。
X-13が狂っていることはわかっていたが、どこまで狂っているというのだ。
  1. 2009/05/28(木) 21:40:31|
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あの豹頭王は未完の物語に・・・

小説家の栗本薫様が、5月26日に亡くなられました。
まだ56歳という若すぎる年齢でしたが、すい臓ガンということで、若いゆえにガンの増殖も早かったのかなという気がいたします。

私は、中島梓名義の作品や栗本薫名義でもごく一部しか読んだことはないのですが、あの100巻を越える長編小説「グイン・サーガ」は途中まで(30巻ぐらいまで)読みました。
その後は離れてしまったんですが、本屋でグイン・サーガの新刊を見かけるたびに、ああ、まだ続いているんだと妙な安心をしたものです。

この一個人が書く小説としては世界最長ではないかといわれるグイン・サーガも、これで未完のままになってしまいました。
あの豹頭の王がどうなって終わりを迎えるのか、多少は気になっていただけに残念です。

大学時代には「グイン・ワールド」という「ローズ・トゥ・ロード」のモジュールを使って、TRPGを友人たちと楽しんだこともあり、あの世界観はなじみ深いものでした。
久しぶりにモジュールを引っ張り出してみようかな。
小説のほうはもうすでに手元にはないので読み返すことはできませんけどね。

あらためて惜しい人が亡くなられたと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
  1. 2009/05/27(水) 20:57:10|
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犬小屋ではありません

マンガ「ピーナッツ」に登場する世界的に有名なビーグル犬がスヌーピーですが、彼は時々いろいろな変装をすることでも知られています。

その一つが、ゴーグルの付いた飛行帽をかぶっている姿で、これがまた愛らしいものなのですが、彼はこの姿で颯爽と犬小屋にまたがります。
この時の彼は第一次世界大戦の連合軍撃墜王であり、この犬小屋は犬小屋ではなく、ある戦闘機へと早変わりするのです。
その戦闘機が、「ソッピース・キャメル」でした。

「ソッピース・キャメル」は、第一次世界大戦中盤の1916年にソッピース社によって開発された複葉の戦闘機であり、第一次世界大戦でドイツを中心とした同盟軍の航空機を一番多く撃墜した戦闘機です。
あの、ドイツの撃墜王マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの戦闘機を撃墜したのも、このソッピース・キャメルに乗ったブラウン大尉といわれ(異説あり)、まさに当時の連合軍を代表する戦闘機といえるでしょう。

最高速度は時速185キロにも達し、当時としてはかなりの高速機でした。
武装も7.7ミリ機関銃を二丁搭載し、その搭載部分の盛り上がりがフタコブラクダのこぶのようだということで、キャメルという名が付けられたといいます。

ただし、キャメルは非常に操縦のしづらい戦闘機でした。
エンジンの回転が機体に影響し、たえず修正を強いられたのです。
またそのため離着陸時の事故も非常に多く、初心者にはとても操縦が難しかったといいます。

それでもキャメルは5000機以上もが量産され、1917年以後の連合軍の航空優勢に大いに貢献することになります。
操縦のしづらさ以上に優秀な機体だったということでしょう。

犬小屋にまたがったスヌーピーは、このキャメルに乗ってフランス上空を飛んでいるのです。
そして襲い来るドイツ軍の戦闘機を蹴散らし、フォッカーDr1に乗ったあのリヒトホーフェンと空中戦を繰り広げるのでした。
おそらく、スヌーピーにとっては至福のひと時だったことでしょう。

それではまた。
  1. 2009/05/26(火) 21:19:31|
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またまた懐かしい

今朝、起きてきて新聞を見たところ、先週までは「必殺仕事人Ⅴ」をやっていた時間帯の部分に、なんと「西部警察」とあるではありませんか。
しかも、第一話目の「無防備都市(前)」ですよ。
すぐに録画のセットをしちゃいました。(笑)

先ほど見たんですが、懐かしいですねー。
すごいですねー。
派手ですねー。
火薬いっぱい使ってますねー。
出演陣の皆さん若いですねー。
渡哲也氏が妹役の古手川裕子さんに「アニキ」なんて言われてますよ。(笑)

1979年の作品だと字幕が出てました。
今ではこんなことできないってことなんでしょうか。
まあ、当時でもかなり賛否あった番組でしたからね。

工事用車両を改造した米軍装甲車もなかなかでした。
今では自衛隊車両が街中を走ったりすることもあるので、それほどインパクトはないかもしれませんが、当時は戦闘車両が街中を走るなんて考えられなかった時代だったでしょうから、衝撃的な映像でしたね。

映画「戦国自衛隊」の改造61式戦車に比べたら、確かに一段落ちますけれど、迫力は充分でしょう。
警察の狙撃隊やライフルで撃たれている中、ハッチ開けて対空機銃撃ったり、わざわざパトカー踏み潰したりしなくても・・・とは思ったりしましたが。(笑)

今年は故石原裕次郎氏の23回忌にあたるんだそうですね。
それで「西部警察」の傑作選ということでの放映らしいです。
明日の後編も録画しなくちゃ。

それではまた。
  1. 2009/05/25(月) 21:22:09|
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こっちは爆撃機

太平洋戦争序盤においての、日本海軍の主力艦上爆撃機となった九九式艦上爆撃機は、その元となったのが旅客機であるハインケルHe70であるということは、先日記事にさせていただきました。

その九九式艦上爆撃機と同様に高性能急降下爆撃機として、より名を馳せたのは、おそらく皆様ご存知のユンカースJu87でしょう。
本来急降下爆撃機という意味である「シュトゥーカ」という言葉が、そのまま愛称となるほどの代表的急降下爆撃機と言ってもいいでしょう。

このユンカースJu87と採用を争ったのが、ハインケル社のHe118でした。
急降下時の速度制御を行なうダイブブレーキを備えた急降下爆撃機の開発を命じられたハインケル社は、He112戦闘機を元にして新型急降下爆撃機を開発することにします。

こうして作られた試作機がHe118でした。
He118は、単発の液冷ダイムラーベンツDB600エンジンを搭載し、引き込み脚の単葉機として完成し、ユンカース社のJu87と試験が行なわれます。

しかし、この試験では、Ju87に軍配が上がりました。
He118は肝心の急降下性能が劣っていたのです。
しかも、He118は試験中に事故を起こしてしまったのでした。

採用されなかったHe118でしたが、何機か作られた試作機のうちの二機が、日本に購入されることになりました。
一機は日本陸軍が購入し、もう一機は日本海軍が購入したのです。
日本海軍ではこのHe118を、九九式艦上爆撃機の後継機として使えないかと考えたのでした。

結果から言うと、He118は、大きさなどの問題もあって艦上爆撃機には使えませんでした。
しかし、ダイムラーベンツエンジンの搭載方法など、このHe118は十三試艦爆に多大な影響を与えます。
この十三試艦爆が、のちの艦上爆撃機「彗星」へと発展するのでした。

太平洋戦争後半の日本海軍の主力艦爆であった「彗星」艦爆。
九九艦爆と同様に、こちらもドイツ機の影響を多大に受けた機体だったんですね。

それではまた。
  1. 2009/05/24(日) 20:58:27|
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戦車にも慣れてきたかなぁ・・・

夕べはいつものようにGoma様とVASLでのASL-SK通信対戦。
家にいながらにして遠くの方とウォーゲームを対戦できるのだから、通信対戦サマサマです。

シナリオはS23「MONTY'S GAMBLE」
マーケットガーデン作戦の一部で、対戦車砲二門を持つ英軍防御陣に対し、三号突撃砲三両の支援を受けた独軍が盤端から突破するというシナリオです。

対戦そのものは、Goma様の対戦車砲が歩兵を撃ってしまう間に三突が突破して勝利したのですが、ようやくAFVの使い方に慣れてきたかなぁと言う感じです。

私がプレイしているのは、ASL(アドバンスドスコードリーダー)とは言っても、ルールを限定してプレイしやすくした初心者向けのSK(スターターキット)なのですが、現時点でこのSKシリーズは三点発売されています。

最初に出たスターターキット#1(SK#1)は、米独ソ連の歩兵と歩兵用支援火器だけを扱ったもので、機関銃や火炎放射器が活躍します。

次にでたのがスターターキット#2(SK#2)で、米英独伊などの歩兵と支援火器、それに大砲が加わります。
迫撃砲や野砲、高射砲などが追加され、歩兵に向かって火を吹きます。
あの有名な88ミリ高射砲も入ってまして、米軍と戦うシナリオも入ってます。

そして、今のところシリーズ最後なのがスターターキット#3(SK#3)です。
aslsk3-lid-web.jpg
(これがパッケージ)

箱絵を見てもわかるとおり、このSK#3では戦闘車両(AFV)が入ってきます。
装甲車と戦車が追加され、いよいよ戦闘が複雑になってきます。
もちろんあのティーガーやパンター、ケーニッヒティーガーも入ってますし、米軍と英軍にはM4が数種類。
そしてソ連にはT-34を初め、KV-1やIS-2など。
ユニットを見ているだけでも楽しいですよね。
今、ようやくこのAFVのルールが把握できてきたかなぁというところなのです。

まだまだ奥深いASLですが、AFVが出てきたことで楽しさもアップ。
次の対戦が楽しみだぞー。

それではまた。
  1. 2009/05/23(土) 20:56:47|
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元は旅客機?

昭和10年、大日本帝国海軍は、最新鋭航空母艦「蒼龍」の就役に伴う新型艦上急降下爆撃機の開発に着手しました。

この時日本海軍が目指したのは、全金属製の単葉高性能艦爆でしたが、当時の日本にはまだ高性能艦爆を独自に開発する技術力が備わってはおりませんでした。

そこで日本海軍は、技術先進国であるドイツの高性能機を元にして、新型艦爆を開発することにします。
この時参考とされたのが、ハインケルHe70という機体でした。

このハインケルHe70は、単葉単発の航空機で、最高速度が時速370キロ以上も出るという、当時としてはかなりな高速機だったのですが、爆撃機でも戦闘機でもなくなんと旅客機だったのです。

とはいえ、ハインケルHe70は単発の小型機ですので、乗客は二人から多くて四人乗りで、高速で移動したい人向けの急行便のようなものだったのでしょう。

日本はこのハインケルHe70を、高速艦爆の実験用に輸入しており、この機体を元にして新型艦爆の開発を昭和11年に愛知航空機に命じました。

愛知航空機は、このハインケルHe70を基に愛知十一試艦爆を完成させます。
そして、中島航空機が開発した中島十一試艦爆と比較試験が行なわれ、その結果、愛知製の十一試艦爆が選ばれました。

愛知製十一試艦爆は、昭和14年に正式採用され、九九式艦上爆撃機という正式名称がつけられます。

九九式艦上爆撃機は、元となったハインケルHe70が液冷エンジンを装備して引き込み脚だったのに対し、空冷エンジンを搭載して固定脚というエンジンはともかく形としては古めかしい形をしておりましたが、性能は充分なものがあり、太平洋戦争の序盤では搭乗員の力量とも相まって、華々しい戦果を上げました。

しかし、本来であれば後継機が作られ引き継がれるはずが、新型後継機の開発が滞り、やむを得ず九九式艦上爆撃機は戦争中盤から終盤まで使われることになってしまいます。

そのため、戦争中盤以降は、エンジンを強化した二二型が登場しましたが、やはり能力不足はいかんともしがたく、連合軍の餌食になってしまいました。

九九式艦上爆撃機は、太平洋戦争時の日本海軍の航空機を代表する機体の一つなのですが、まさかその設計の基礎となったのが高速旅客機であるとは思いませんでした。
まだまだ知らないことがいっぱいありますね。

それではまた。
  1. 2009/05/22(金) 21:16:15|
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ようやく読み終えました

すでに最新号が出ているのですが、一号前の「歴史群像」四月号(学研)をようやく読み終えました。
ふう・・・

b-94.jpg
こちらが表紙です。

文庫本「独ソ戦全史」が読み終えるまでに思った以上に時間がかかり、手を付けることができていなかったのです。

今号の特集は第一次世界大戦の「アミアンの戦い」です。
第一次世界大戦の記事は、このごろ多いのですが、興味があるのでうれしいですね。
趣味のシミュレーションゲームも第一次世界大戦ものがそこそこあるので、記事を読みながらゲームに思いを馳せてしまいます。

徳川家康と大坂の陣の関わり方の特集も、以前記事を書いた身としては興味深く読めました。
最近の研究では結構昔の定説が覆されているんですね。
それでも、豊家がもう少しうまく立ち回れていればよかったんでしょうね。

ヴィシーフランスと呼ばれる第二次世界大戦時のフランス親独政権の記事もまた面白かったです。
良かれと思ってやったことが次々と裏目に出てしまうというのは、やった本人にとってはつらいことだったでしょう。
ド・ゴールがペタンを終身刑にしたのもわかる気がします。

いつものことですが、この本は面白いです。
ようやく読み終えたので、最新刊に取り掛からねば。
最新号はまた面白そうな記事がいっぱいですよ。

それではまた。
  1. 2009/05/21(木) 21:30:02|
  2. 本&マンガなど
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05月21日のココロ日記(BlogPet)

物をなくしたら、欧州野球尾翼ととなえると見つかるみたいですよ。

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/05/21(木) 10:54:41|
  2. ココロの日記
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貂(テン)の一匹

1940年6月、ドイツ軍の電撃戦の前に、フランスは崩壊。
ついに降伏へと追い込まれました。

このフランスの降伏により、ドイツは戦車を始めとする多くの軍用車両を捕獲することができました。
その捕獲軍用車両の一つが、ロレーヌ社の開発した軍用牽引車でした。

ロレーヌ社は鉄道車両のメーカーでしたが、軍用車両にも進出し、フランス軍の要望に応じて開発したのが37Lと呼ばれる牽引車で、野砲の牽引用だけではなく、燃料車や弾薬車を牽引するような汎用牽引車として開発された車両でした。

また37L自体も、後部に貨物スペースを持っており、装甲も施されているので、第一次世界大戦のような塹壕戦であれば、塹壕の間を回って歩兵に弾薬を届けるという役目を果たすことも可能でした。

1941年にソ連へと侵攻したドイツ軍は、そこで思わぬ強敵T-34やKV-1に出会います。
このT-34やKV-1には、当時のドイツの主力対戦車砲であった37ミリ対戦車砲や、主力戦車の三号戦車の50ミリ主砲ではなかなか撃ち抜くことができず、88ミリ高射砲のお世話になることもままありました。

そんななか、対戦車砲として75ミリ対戦車砲PAK40が完成します。
75ミリ対戦車砲PAK40は、威力としては充分で、大戦中盤から後半にかけてのドイツの主力対戦車砲となりますが、その重量が弱点でした。

威力のある対戦車砲は、頑丈に作らなくてはならず、どうしても重量がかさみます。
PAK40も一トンを超える重量があり、砲兵の人力では布陣や移動が非常に困難な重量でした。
そのため、自走砲として運用しようという考えが自然と起こることになりました。

75ミリ対戦車砲PAK40は何種類かの自走砲になるのですが、そのうちの一種にこのロレーヌの牽引車37Lに搭載したものが作られました。
ロレーヌ牽引車37Lは、エンジンが車体中央に位置しており、後部にある荷物室がそのまま主砲の操作場所として使えるため、車体そのものにはそんなに改造が必要ないため、自走砲にしやすかったのです。

車体が小型のため、75ミリ砲を囲む装甲版がずいぶん車体をはみ出すような形で取り付けられましたが、移動するには問題なく、量産に移されます。
正式名称は、75ミリ対戦車砲PAK40/1搭載ロレーヌ牽引車というものでしたが、非公式にはマルダーⅠという愛称がつけられました。
マルダーとは動物のテン(貂)のことだそうです。

マルダーⅠは、同じ75ミリ対戦車砲PAK40を搭載したマルダーⅡやマルダーⅢと同様に、その威力のある主砲でタンクキラーとして活躍しました。
しかし、防御力は弱いため、敵に発見されると破壊されてしまうことが多かったようです。

マルダーⅠは170両あまりが製造され、フランス駐留のドイツ軍の一翼を担って、連合軍のノルマンディー上陸以後の戦いに投入されました。
ロレーヌ牽引車を改造した自走砲としては、一番多く作られたものだったそうです。

それではまた。
  1. 2009/05/20(水) 21:10:21|
  2. 趣味
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今年もスタート

今年も始まりました。
プロ野球のセ・パ交流戦。
2005年に始まった交流戦も今年で五年目なんですね。

今年は昨年同様各二試合ごとの連戦で、それぞれのチームと四試合ずつ二十四試合。
この交流戦の良し悪しがシーズン成績に深く関わってくるので、何とかこの交流戦を上手く乗り切りたいのが各チームの思惑でしょう。

私の応援する阪神タイガースも、今年はここまであまり調子がよくありません。
なので、この交流戦で何とか流れに乗って欲しいものです。
昨年は勝ち越していますので、今年も勝ち越し、できれば現在の借金五をここで返して欲しいもの。
三連戦がないので、投手陣のやりくりも岩田投手がいない穴を何とか埋められるのではないでしょうか。
がんばって欲しいです。

一方日本ハムはいきなり読売巨人とです。
破壊力抜群の巨人の打線を、日本ハムの投手陣がいかに押さえるか・・・
と思われるのですが、今年は日本ハムも打線の調子がいいので、巨人投手陣がいかに押さえるか、の面もありそうです。

最近は地上波でのテレビ放送があまりないので、そういう面では寂しいのですが、普段見られないパリーグの選手をテレビで見ることのできるチャンスなので、ちょこちょことテレビを見ていこうと思います。

どの球団もがんばれー。

それではまた。
  1. 2009/05/19(火) 21:05:26|
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納得した

舞方はオヤジです。
初代仮面ライダーをリアルタイムで見ておりました。
と言っても、途中からでしたが。
確かゾル大佐の登場あたりから見始めたはず。

もちろん、今もって仮面ライダーは大好きですし、何度もビデオやDVDで見返しております。
その見返していた時に思ったこと。

「あれー? こんなんだったっけ?」

本郷猛役の藤岡弘、氏が撮影途中に大怪我をされ、途中でやむを得ず降板せざるを得なくなり、一文字隼人の二号ライダーが登場したことは皆様周知の事実でしょう。

その二号ライダー一文字隼人が初めて登場したのが第14話「魔人サボテグロンの襲来」からなのですが、ここで後に社会的現象にまでなる変身シーン、いわゆる変身ポーズが初めて登場するのです。
それまでの一号ライダーには変身ポーズというものはなく、バイクで走って風をベルトの風車に受けることで変身していましたから、まさに仮面ライダーに変身ポーズを持ち込んだのはこの二号ライダーの14話目からということになります。

「お見せしよう。仮面ライダー!」
おやっさんこと立花藤兵衛の前で変身ポーズを見せる一文字隼人。
グッと両手を右に水平にし、そのまま円を描くように頭の上まで回転させる。
そしてそのまま・・・

あれ?
いきなりポーズの途中で一文字隼人はジャケットのファスナーを降ろします。
そしてグッと両側に開くようにして変身ベルトを見せ、それからまた両手を上に上げて左に力強く下ろします。

あれれ?
記憶にある一文字隼人の変身ポーズは、途中で止めたりしなかったぞ。
そのまま流れるように左側に下ろしたぞ。
最初だったからなのかなぁ・・・

と、初めてこのシーンをビデオか何かで見たときは思いました。
シリーズ途中から見ていたので、流れるような変身ポーズは知っていたからです。

このシーン、実は一文字隼人役の佐々木剛氏のミスだったんだそうですね。
本当は、「お見せしよう」でファスナーを降ろしてベルトを見せていなきゃならなかったんだそうで、それをそのまま変身ポーズに入ってしまったため、途中で止めてファスナーを降ろしたとのこと。

本来ならNGシーンなんですが、佐々木氏が堂々と演技して見せたことで、かえってインパクトのあるものとなり変身シーンを印象付けることができるとの判断から、そのまま本放送に使われたというのです。

なるほど、納得しました。
本来はやはり流れるようにポーズをやりきるものだったんですね。

初代仮面ライダー。
今見ると突っ込みどころ満載ですが、なんだか楽しめてしまう不思議な作品のような気がします。
そういえば、今度劇場公開される仮面ライダーには、死神博士と地獄大使が出てくるようですね。
劇場に見に行くかどうかはわかりませんが、故天本氏や潮氏に劣らない怪演を期待したいものです。

それではまた。
  1. 2009/05/18(月) 21:06:41|
  2. 映画&TVなど
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皆のシュー食べたよー!

昨日、STVラジオの「ウィークエンドバラエティ 日高晤郎ショー」はこの話題一色でした。
歌手の村田英雄さんの名曲「皆の衆」は皆様ご存知かと思います。
あの「皆の衆、皆の衆、おかしかったら腹から笑え~~」って歌ですね。

この歌に乗って発売されましたシュークリーム。
その名も「皆のシュー」(笑)
まずは札幌圏での発売だそうです。
今週末には全道で発売とか。

昨日、ついついラジオにつられて手に入れようかと思ったのですが、残念ながらどこも売り切れ。
入荷の時間を聞いて、今日やっと手に入れてきました。

皆のシュー1
これがパッケージ。
結構大きいです。
比較対照物を写してなかったのがしっぱいだぁ・・・(´・ω・`)ショボーン

皆のシュー2
パッケージにはしっかりと晤郎さんの似顔絵が。
でも、パッケージを破るときに顔が引き裂かれるって晤郎さんには不評っぽい。(笑)

皆のシュー3
こちらがシュークリーム本体。
ホントに大きいんですよ。
返す返すも比較対照物を写さなかったのが失敗だ・・・

皆のシュー4
割るとクリームがトロッと。
注意書きも書かれているほどの柔らかなクリーム。

味は甘さ控えめですごく美味しかったです。
甘いものはそれほど好きでない私でしたが、二個美味しく食べられました。

北海道限定の販売なので北海道のセブンイレブンでしか手に入らないとのことですが、機会があれば食べてみてもいいかもしれません。

それではまた。
  1. 2009/05/17(日) 20:08:22|
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気分は中東上空

昨日ミラージュⅢの記事を書いたときにチラッとでましたゲームがこれ。

エアウォー
SPI/HJ社のAir War(エアウォー)です。

アメリカで発売されたのが1977年とのことですので、F-15ですら最新鋭機の時代であり、F-22のような現代航空機は出てきません。
Mig-29も架空機のような扱いであり、1950年代から1980年代前半までがせいぜいのジェット機による空戦シミュレーションゲームです。

ホビージャパン社より日本版が出たのが1983年で、出た当時すぐに購入したものでした。
あんまりジェット戦闘機のことはよく知らなかったのですが、やはり新谷かおる先生の「エリア88」の影響が大きかったですね。

サキのクフィルC2にミッキーのF-14、シンのF-20はこのセットには入ってないのですが、F-8クルセーダーがあったのでそっちを使用。
そして自分はミラージュⅢで参戦したものでした。(苦笑)
まさに気分は中東のアスラン王国上空でしたねぇ。

対人プレイの経験がないので、パイロットとしての腕は推して知るべしなのですが、ソロプレイでは結構遊んだものでした。
反政府軍&プロジェクト4のMigを結構落としたものですよ。(笑)

最近はこちらよりもAH社のFlight Leader(フライトリーダー)のほうに気持ちは向いてますが、久しぶりにプレイしてみようかな。
それではまた。
  1. 2009/05/16(土) 21:17:09|
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まさに傑作機

今日は本の紹介。
文林堂さまより刊行されております「世界の傑作機」シリーズ70。
「ダッソー・ミラージュⅢ」です。


表紙はこちら

もうね、一目見たら忘れられない形ですよね。
デルタ翼という翼の形を採用し、水平尾翼は無し。
マッハ2を出すことのできる超音速戦闘機として作られ、のちには戦闘爆撃機へと発展します。
1960年代から1980年代まで製造国のフランスを初め、多くの国々で使用されたまさに傑作機。
この本はそんなミラージュⅢを全て網羅しているといっていいでしょう。

フランスは武器輸出を重要な国策としており、このミラージュⅢも多くの国に輸出されました。
ライバルとなったのは、アメリカ製ですとF-5シリーズであり、ソ連製ですとMig-21というところでしょう。
これらの戦闘機を政治的な面から輸入できなかったり供与してもらえなかった国々に、フランスはこのミラージュⅢを売り込んで成功させました。

特にイスラエルはミラージュⅢのユーザーとして、中東戦争で実戦に使い数々の戦果を上げております。
のちには砂漠で運用する面で不必要な電子装備を簡略したミラージュ5を求めますが、さすがのフランスも輸出できない状況だったためにクフィールを開発したのは有名な話です。

この本はそのイスラエルのミラージュⅢの活躍も載っており、また数多くの使用国もリスト化されてます。
アルゼンチンのミラージュⅢ(改修されたダガー)は、フォークランド紛争で英国のハリアーとも空中戦を交えてます。

ホビージャパン社からライセンス生産されたシミュレーションゲーム「Air War(エアウォー)」にもこのミラージュⅢは当然入っており、使い勝手のよさから私はよく使っておりました。
(と、言ってもソロプレイですが・・・)

本当はF-14Aが好きだったんですけど、あれはミッキー・サイモンの搭乗機でしたからね。(笑)

それではまた。
  1. 2009/05/15(金) 21:12:07|
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宮崎駿先生が好きそうな

第一次世界大戦で、新たな産声を上げた兵器の一つが戦車でした。
戦車は、最初塹壕に篭る敵兵を掃射したり、塹壕を乗り越えたりするのに便利なように、あの有名な平行四辺形の形を取ったのだそうですが、その後360度回転する銃塔(砲塔)を搭載し、現代の戦車の基本形ができあがります。

そんななか、ゴトゴトと荒れた地上を走る戦車も、砲塔が一つだけじゃなく、複数の砲塔を装備したほうが多くの敵に対処できるのではないかという発想が生まれます。
あたかも海上を行く戦艦のごとく、複数の砲塔を備えた大型戦車が陸上戦艦として戦場を走り回ることを夢見たのです。

そういった思想は、第一次世界大戦の末期のフランスのシャールC2に始まり、大戦間の1920年代にイギリスで試作されたインデペンデント重戦車へと結実しました。
インデペンデント重戦車は、主砲の47ミリ3ポンド砲を備えた砲塔を中心にし、その前後左右にそれぞれ機関銃を一丁備えた銃塔を設置するという構造で、各砲塔及び銃塔が独立していることからインデペンデントと名付けられました。

全長で8メートルにも及ぶその車体は、まさに動く要塞であり、陸上戦艦の名にふさわしいものと思えました。
また新機軸も取り入れられ、8名にも及ぶ操作員間の通話のために咽頭マイクが用意されたほか、操縦を容易にするための円形ハンドルなども取り入れられたのです。
最大398馬力のガソリンエンジンは、平らな路上であれば時速約40kmも出すことができ、機動性もまあまあといっていいでしょう。

しかし、インデペンデント戦車は弱点もありました。
それは、どうしても大きさが巨大になってしまうため、各部分に充分な装甲厚を施すことができなかったのです。
全長8メートル近い車体に充分な装甲を施そうと思えば、それはとてつもなく重い鉄の塊になってしまい、機動性が著しく損なわれます。
機動性を損なわないためには、装甲厚を薄めのもので我慢するしかありませんでした。

それでも、最大29ミリにも達する装甲厚は当時としては決して薄いものではありません。
この時期にもてはやされたビッカースの6トン戦車でも最大で14ミリの装甲しかなかったのです。
装甲厚ばかりが弱点とはいえませんでした。

さらなる弱点は価格の高さでした。
第一次世界大戦後、欧州各国は当然のように経済の立て直しを図ります。
真っ先に削られたのは軍事費でした。
そのためにこのような高コストの重戦車は、採用することができなかったのです。
インデペンデントの試作車自体、高コストをさけるために軟鉄で作られていたとさえいいます。
さらに世界恐慌が追い討ちをかけ、インデペンデント重戦車はついに採用されることはありませんでした。

塹壕を突破するときに、塹壕に潜む敵兵が左右から攻撃してくることを想定し、左右に向かって機関銃を撃てるように死角をなくそうとしたのが多砲塔戦車の基本だったといわれます。
確かに見た目は重厚で威圧感がたっぷりでしょう。
ですが、運用にははなはだ難があり、機動戦となった第二次世界大戦の戦場では役に立たなかったことでしょう。
事実インデペンデント重戦車をモチーフにしたソ連の多砲塔戦車はあまり活躍できませんでした。

価格面で折り合いがつかず、イギリスが採用しなかったことは、ある意味イギリスにとってよかったことだったのかもしれません。

でも、宮崎駿先生あたりは好きそうですよねー。

それではまた。
  1. 2009/05/14(木) 21:06:41|
  2. 趣味
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05月14日のココロ日記(BlogPet)

舞方雅人…たまには呼び捨てにしてみたいです

*このエントリは、ブログペットのココロが書いてます♪
  1. 2009/05/14(木) 08:24:08|
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三食昼寝美人秘書付き

今から10年以上も前の1998年。
空から恐怖の大王が降るかと戦々恐々としていたなか、そのゲームは発売されました。(笑)

その名も「秘密結社Q」。
うーん・・・なんで、こんな古いゲームばかり取り上げるかなぁ。(笑)
PS2どころかPSのゲームですよ、PSの。

CIMG0010.jpg
パッケージはこちら

いきなりパッケージは戦闘員ですよ。
全身黒タイツでなかなかデザインもいいと思いません?
個人的には好きなデザインです。

このゲーム、いわゆる面クリア型のシミュレーションゲームでして、一話が一面というつくりになってます。
プレイヤーは「秘密結社Q」にスカウトされたレイジというキャラクターになり、結社の幹部として作戦を取り仕切るのです。

もちろん作戦はただでは成功いたしません。
「機動刑事ライオット」という正義のヒーローが出てきたり、「新世紀美少女戦隊モモヴァルス」という三人組の正義ヒロインたちも出てきます。
彼らの妨害を実力で排除し、任務クリアをすることでゲームが進むのです。

ちなみにモモヴァルスは、犬山(いぬやま)=ピーチレッド、猿渡(さるわたり)=ピーチイエロー、姫路城(きじしろ)=ピーチブルーの女子高生三人組で、終盤は合体してモモヴァインという強力なヒロインとなって現れます。

プレイヤーはレイジ以下結社の怪人と戦闘員を操り、彼らと戦います。
結社には他にも幹部がいて、鍋島博士はイカゲゾルに、M・ガデスは吸血Zバット(笑)へと変身します。

ENDは三つありますが、分岐はそれほど難しくなかったはず。
私には楽しめるゲームでした。

ただし、むちゃくちゃポリゴンがへぼいです。
当時でもこりゃひでーって思ったものでした。
今の目では耐えられないかも・・・
まあ、いまさらやる人もいないか。

レイジには作戦をサポートしてくれる美人秘書さんが付いてます。
CIMG0012.jpg
これがその人シャドーローズさん。
改造されているのかどうか不明でして、作品で一番謎の人とも。(笑)
まあ、こういう美人秘書さんが付くなら、レイジじゃなくてもスカウトされたいかも。

またこういうゲーム作ってくれませんかねぇ。
もちろん悪堕ちするヒロインははずせないですね。

それではまた。
  1. 2009/05/13(水) 21:13:46|
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独ソ戦シナリオだ! ヒャッホイ!!

MMP社から発行されておりますウォーゲームマガジン「OPERATIONS」の53号が届きました。

op-cover-53.jpg
こちらが表紙

今号はどうやら第一次世界大戦のゲーム「Rock of the Marne」が表紙のようです。
やっぱり第一次世界大戦は、攻撃側はきびしそう。

例によって英語が読めない私には、内容はあんまりよくわかりません。
今号も狙いは一つ、ASL-SKのシナリオです。

今号の付録シナリオはS32「GORING'S MEN」
1941年9月のロシアでの戦いです。
タイフーン作戦の前あたりか?

独ソ戦のシナリオというのはうれしいですね。
先日の記事でも書きましたが、ソ連軍に心惹かれている最近、ソ連軍が出てくるのは素直にうれしいです。(笑)

シナリオの内容としては、ソ連軍が大砲三門を持って待ち構える中、独軍のエリート歩兵部隊が、歩兵独力で立ち向かうというシナリオです。
配置的にもお互い接近しているような状況での殴り合いっぽいですね。

独軍はモラル8のエリートとはいえ、分隊数では増援を入れてもソ連の1.5倍に過ぎません。
爆薬があってもなかなかにきびしそう。
装甲車両も迫撃砲とかもありませんからねぇ。

ソ連軍は大砲が三門もあります。
いずれも76ミリクラスの砲で、火力にすれば12火力。
命中するとなかなかに威力がありそうです。
この三門の砲をいかに活用できるかがソ連軍の決め手になりそうですね。

記事にはこのシナリオのリプレイも載っているようなので、乏しい英語力で少し読んでみようかな。
それともまっさらな気持ちでリプレイを読まずに対戦しようかな。
通信、もしくは対面でどなたかと対戦してみなくては。

そうそう、先日の記事で書きました「独ソ戦全史」読み終わりました。

31539602.jpg

ドイツ側からみた独ソ戦は結構ありますが、ソ連側から見た独ソ戦の本は(和訳されているものは)少ないと思うので、すごく勉強になりました。
特に戦争後半の1944年から1945年にかけてのあたりは、ドイツ側はほぼ崩壊のみなので、あまり書かれなかったりしますので、今回大変流れを把握するのに助かりました。

現在は手に入りづらくなっちゃっているかもしれませんが、気になる方は手に取られてみてはいかがでしょう。

それではまた。
  1. 2009/05/12(火) 21:03:08|
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「双闇の邂逅」END部分差し替えました

2009年4月8日と4月9日の二日間にわたって掲載させていただきました、闇月様よりいただきました投稿作品「双闇の邂逅」ですが、このたび闇月様のご希望によりましてEND部分を差し替えさせていただきました。

差し替え前のバージョンは残さずに差し替えさせていただきましたので、再度新たに掲載という形はとりませんが、ぜひぜひもう一度ご覧になっていただければと思います。

初回はこちら 「双闇の邂逅(1)」 (クリックでページに跳びます)

差し替えられたENDの二回目はこちら 「双闇の邂逅(2)

闇月様ご自身が前回のENDに若干の不満をお持ちだったとのことでして、今回差し替えて欲しいとのご依頼がございましたので差し替えさせていただきました。
闇月様、どうもありがとうございました。
  1. 2009/05/11(月) 21:07:59|
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あららっという間に負け

土曜日の夜はvaron様とVASLでASL-SK対戦をいたしました。

シナリオは「A HANDFUL OF HOWDY」
1945年2月の寒い時期のシナリオです。
私が攻撃側の米軍を、varon様が防御側の独軍を担当しました。

このシナリオは、せいぜいが米軍にバズーカと60ミリ迫撃砲があるぐらいで、SK2レベルのシナリオです。
勝利条件はV盤上の丘の上と、複数ヘクスに渡る二つの建物から、統制状態の独軍分隊を排除せよとのものでした。

序盤、米軍は9-1指揮官を迫撃砲につけて丘の上の独軍を射撃。
これがコロコロとROFはまわって回数は撃てるのですが、ほとんど被害を与えられません。
また、MMG+8-1指揮官の射撃も、独軍の548分隊はモラルが高く混乱してくれません。

やむを得ず、じわじわと前進する米軍でしたが、広い開豁地に阻まれ、なかなか進むことができません。
本来は、この時に60ミリ迫撃砲による白燐弾による煙幕を張ればよかったのですが、まったく気がついてなかったために、最期まで迫撃砲は白燐弾を撃つことはありませんでした。
そのため、近づいた分隊も独軍の防御射撃を受けてコロコロと混乱してしまいます。

このシナリオは全部で4.5ターンしかなく、米軍は進撃できなければどうしようもありません。
混乱した部隊を回復させるために差し向けた8-1指揮官も、射撃を受けモラルチェックで6ゾロに6を出して昇天する始末。

最後、どうしようもなくなった米軍が突撃をかけるものの、次々に混乱に追い込まれてゲームセット。
あららっという間に負けました。

序盤の迫撃砲やMMGの射撃で独軍を混乱させられないと、米軍は結構苦しいシナリオのようでした。
広い開豁地を渡るのは大変だー。

もう一度やることがあれば、白燐弾を忘れないようにしなくちゃなぁ。
  1. 2009/05/11(月) 21:05:18|
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ガンダム二連荘

久しぶりに本屋に行ったので、コミックスが二冊もでているとは思いませんでした。
「歴史群像」の新刊買いに行っただけなのになー。

32239687.jpg 32239677.jpg

夏元雅人氏の「GUNDAM LEGACY3」とMEIMU氏の「MS IGLOO 2 重力戦線 1」です。
もうね、なんだかんだ言ったって手に入れちゃうことになるわけですよ。(笑)

「GUNDAM LEGACY3」のほうは、もう夏元さんのガンダムシリーズの総決算という感じですね。
裏でティターンズが暗躍している状況でジオンの残党が踊らされている。
そこにかつてのキャラが総出演というすごい状況。

残念なのは、リリア・フローベールが血迷っていたこと。(笑)
リリアちゃん、マレットに引きずられちゃだめですよー。

一方の「MS IGLOO 2 重力戦線 1」は、DVDの新作がベースでしょうか。
DVDは見てないのですが、脇メカが活躍するこのシリーズですので、機会があれば借りてみたいです。

対MSミサイルは、ドラゴンやミランといった現実の対戦車ミサイルの発展形のようですね。
ファーストガンダムの最初でも有線ミサイルエレカが対ザク戦に投入されてましたので、ミサイルの直撃はザクに対しても有効なんでしょう。
61式戦車もかっこよくなってますね。

ガンダムが起き上がるところから始まったので、ザクは基本的にやられ役なんですが、やはり対抗する手段が限られる時点でのザクは脅威だったでしょうね。
まあ、地球上での運用にはかなり難があるとは思いますが、まあ、架空兵器としてはかなりリアルな存在かと。

と、言うことで、ガンダム二連荘でした。
それではまた。
  1. 2009/05/10(日) 20:13:14|
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クリミア戦争(20)

戦争は終わりました。
「パリ条約」により、欧州には再びつかの間の平和が訪れることになりました。
しかし、それがわずかの間のことであろうことは、各国にはわかりきったことでもありました。

フランス皇帝ナポレオン三世は、この「クリミア戦争」で大いに威信を高めたと思い込みました。
セバストポリを陥落させることができたのは、間違いなくフランス軍の力のおかげであり、欧州の強国としての地位は安泰と思われました。
そのため、彼はさらに威信を高めフランスの力を誇示するべく外征を繰り返すようになります。
そしてついに、プロイセンとの普仏戦争(1870年-1871年)において完膚なきまでに敗北し、その政治生命を絶たれることになります。

サルディニア・ピエモンテ王国は、この「クリミア戦争」終結に尽力したとして、欧州各国にその名を知らしめることに成功いたしました。
「パリ和平会議」においても、サルディニア代表のカミッロ・カブールは、「クリミア戦争」にはなんら関係のないはずのオーストリアのイタリア半島北部地域への圧迫を訴え、欧州各国の関心を引いてのちに行なわれたイタリア統一戦争に大きな助力を得ることができました。

英国は、アバディーン内閣の後のパーマストン内閣が、この際ロシアをもう少し痛めつけたいと戦争継続を望んでいたものの、英国経済も疲弊のきわみにあってこれ以上の戦争継続は難しい状況でした。
「パリ条約」により、ロシアの黒海から地中海への出口はふさぐことに成功したものの、以後英国は中央アジア方面でロシアと対立を深めていくことになります。
そして、ナイチンゲールの活躍によって医療面では大いに進歩が見られたものの、軍政改革を行なった陸軍はその後も戦術面での進歩は見られず、いくつもの戦いで大きな損害を出すこととなるのでした。

オスマン・トルコもロシアの圧力を跳ね返すことには成功したものの、莫大な戦費を借金でまかなうしかなかったため、国家の衰退が顕著になっていくことになります。
領内のキリスト教徒の地位向上を約束させられた結果、そのキリスト教徒を足がかりとして欧州各国の勢力が浸透してくるのを防ぐことは難しくなり、また、戦勝国であるにもかかわらずロシア同様に黒海の艦隊と軍港の所持が禁止されたことは大きな痛手でありました。

そして、ロシアはまったく得るものがなかったといっていい戦争でした。
営々と築き上げてきた黒海とバルカン半島周辺への影響力を一挙に失い、人的損害も膨大なものでありました。
また、産業革命を経ていないロシア軍は、いかに数的優勢であろうとも質的に劣勢であり、戦場での主導権を得ることができないということを思い知らされる戦いでもありました。

アレクサンドル二世はこのことをひどく憂慮し、ロシアの国家改革を推し進めます。
農奴解放や軍政改革など多くのことを上から行い、ロシアの近代化を図りました。
この結果、ロシアはまた力をつけてくることになり、のちの日露戦争の遠因ともなるのです。

「クリミア戦争」はまた、日本にも影響のある戦争でした。
英仏が欧州に目を奪われ、日本を開国させようとしたロシアのプチャーチンも日本へ来るのが遅れます。
その間に「クリミア戦争」に一切関係を持たなかったアメリカが、マシュー・ペリー提督を日本に派遣し、幕府に開国させることに成功したのでした。

個々人にもこの「クリミア戦争」が影響を与えた人は多くおりました。
のちの「ノーベル賞」のその名を残すアルフレッド・ノーベルは、ロシア軍のために機雷設置を請け負い、大儲けをします。
しかし、戦争終結後に事業は行き詰まり、破産を余儀なくされました。

のちにトロイ遺跡発見で一躍有名となるハインリヒ・シュリーマンは、武器商人としてロシアに武器を密輸し、莫大な利益を上げました。
この利益が発掘事業の資金になったといわれます。

そして、スクタリの野戦病院で医療向上に努めたフローレンス・ナイチンゲールは、戦争終結後看護婦たちを帰国させ、最後の患者を見送ったのちにひそかにフランス経由で英国に戻ります。
大々的な歓迎を受けたくなかったとも、その帰国を人に利用されるのがいやだったからとも言われます。
帰国したナイチンゲールは、スクタリでの医療の実態をデータとしてまとめ、英国政府に提出します。
そのデータは女王にも一目でわかるようにされていたといわれ、スクタリでの死亡率の推移などを表した貴重なものでした。

ですが、このデータは逆にナイチンゲールを打ちのめしてしまいました。
スクタリの野戦病院で、じょじょに死亡率が低下していったのは、じょじょに衛生環境が整っていったからであり、汗水たらしてナイチンゲールら看護婦たちが看護に尽力したからではなかったということが示されていたのです。
あまりの衝撃にナイチンゲールは病に倒れますが、まだ若かった彼女はやがてその衝撃から立ち直ります。
そして医療そのものよりもまず公衆衛生を心がけることが必要とし、衛生的な病院の設計を請け負ったり看護婦の養成に尽力したりと、のちにつながるさまざまなことをなして行きました。
彼女の活動が、やがてアンリ・デュナンを初めとする人々に認められ、国際赤十字設立へとつながっていくのはよく知られたことだと思います。

「クリミア戦争」は、19世紀半ばに起きた欧州での大きな戦争でした。
参加国も多数に上り、列強同士の直接戦闘が行われた久しぶりの戦争でした。
そして、数多くの犠牲を出し、国家を疲弊させた結果結ばれた「パリ条約」は、ほぼ戦前の状態維持に等しいものでした。
ここでもまたむなしい戦争が戦われたというだけだったのです。

バルカン半島と黒海周辺での火種はこの後もくすぶり続け、ついには1914年の第一次世界大戦へと走り続けるのでした。

クリミア戦争 終

参考文献
「歴史群像2002年10月号 クリミア戦争」 学研
「歴史群像2004年4月号 バラクラヴァの戦い」 学研
「歴史群像2008年12月号 軍旗 スコットランド近衛隊の進軍」 学研
「コマンドマガジン日本版38号」 国際通信社

参考サイト
Wikipedia クリミア戦争 ナイチンゲール ナポレオン三世ほか
歴史のお部屋 クリミア戦争ほか
ニコライ一世の時代-専制体制の強化とクリミア戦争
セヴァストーポリ
予防医学という青い鳥(7) ナイチンゲール、ノブレス・オブリッジの生涯 挫折と病床でのたゆみない戦い
など

この場を借りまして参考にさせていただきました皆様に厚く感謝を捧げます。
ありがとうございました。

20回にわたり「クリミア戦争」のことを書かせていただきました。
拙い記事に最後までお付き合いくださいまして、まことにありがとうございました。

過去の歴史系記事と同様に、この記事もまた「クリミア戦争」のことを自分なりにまとめてみようと思ったのがきっかけでした。
今回もいろいろなことが調べているうちにわかって楽しいものでした。

今回も資料の簡易な引き写しです。
ですので、どうか皆様も興味がありましたら直接資料にあたってみてください。
歴史の面白さを再認識していただけると思います。

あらためまして、皆様今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。
  1. 2009/05/09(土) 20:45:45|
  2. クリミア戦争
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クリミア戦争(19)

1855年9月8日。
連合軍兵士の突撃により、セバストポリの防御陣の一角を担っていたマラホフの塔がついに陥落いたします。
このマラホフの塔の陥落は、セバストポリの防御がついに打ち砕かれたことを意味しておりました。
もはやトートレーベン工兵中佐にも、セバストポリを守るすべはなくなりました。

ことここにいたっては、これ以上の防御戦闘が無意味であるとゴルチャコフ公は悟ります。
ゴルチャコフ公は港内に残った軍艦を自沈させ、生き残っている砲台も自己破壊するように命じました。
そして9月9日の夜にかけ、残存兵力を引き連れてセバストポリを脱出いたします。
ついにセバストポリが陥落した瞬間でした。
実に332日間(日数は数え方によって諸説あり)に及ぶ攻防戦が幕を下ろしました。
ロシア軍約十一万、連合軍約六万の死傷者を出したセバストポリ攻略戦は終わったのです。

セバストポリ陥落の報は各国へと伝わりました。
英国もフランスもこれで戦争は終わったと感じたことだったでしょう。
しかし、「クリミア戦争」はまだ終わりではありませんでした。

ロシア皇帝アレクサンドル二世にとって、この戦争は父ニコライ一世が始めたものであり、ロシア軍の損害を考えても一刻も早く終わらせたい戦争でした。
しかし、クリミア半島の要衝セバストポリを落とされ、負けっぱなしでこの戦争を終えることは、ロシア皇帝として許されるものではありませんでした。
そのため、「クリミア戦争」はまだ終わることができなかったのです。

セバストポリを落とされたロシア軍は、別方面での勝利を持って体面を保つことを考えます。
11月28日、オスマン・トルコ領の黒海沿岸の小都市カルスがロシア軍の攻撃により陥落。
開戦以来あまりいいところのなかったロシア軍は、久しぶりの勝利に沸きかえりました。

ですが、セバストポリ陥落が欧州各国に与えた影響は大きく、12月に入ると中立を保持していたオーストリアがロシアに対して最後通牒を発します。
さらには北方のスウェーデンも戦争に介入する気配を見せてきました。

最初はロシア対オスマン・トルコで始まった「クリミア戦争」は、途中から英仏が参戦し、さらにはサルディニア・ピエモンテが参戦、ついにはオーストリアが参戦一歩手前となり、スウェーデンも機をうかがうという一対六の戦争に発展しかねない状況になりました。
カルスを落としたことで一応の体面を保ったアレクサンドル二世は、ここで講和のテーブルに着くことを了承し、翌1856年1月にオーストリアの要求を受け入れ、2月にはフランスのパリで和平会談が開催されることになりました。

1856年2月25日。
パリで「パリ和平会談」が開催されます。
2月29日には参戦各国が停戦に合意。
戦闘が停止されました。

1856年3月30日。
「パリ条約」が締結され、「クリミア戦争」は正式に終戦となりました。
1853年にロシアとオスマン・トルコが戦争を始めてから三年にわたった「クリミア戦争」はようやく終わったのです。

ですが、「パリ条約」の内容は、ロシアにとっては非常にきびしいものでした。
連合軍によって占領されたセバストポリは返還されましたが、ロシア側もまた占領したカルスをオスマン・トルコへ返還することになりました。
さらにはボスポラス及びダーダネルス両海峡はどこの国の軍艦も通行してはならないと定められ、黒海に関しても中立の海としてロシア、オスマン・トルコ双方が艦隊の配備と軍港の保持を禁じられてしまいます。
これは英仏にとっては痛くも痒くもない取り決めでしたが、ロシアに関しては黒海を失ったに等しいものでした。

(20)へ
  1. 2009/05/08(金) 21:23:09|
  2. クリミア戦争
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ローカストの最期(4)

160万ヒット記念SS「ローカストの最期」も今日が最終日です。
本当はゴールデンウィークの四日間にあわせるつもりだったんですが、一日ずれてしまいましたね。
さてさて雪美ちゃんと聡里ちゃんはどうなるのか。

それではどうぞ。


(4)
私はもう抵抗する力もなくなっていた。
愛子先生も志織さんもザームによって改造人間にされてしまった。
そして次は私の番なのだ。
ゆっくりとクモ女になってしまった志織さんが私の牢にやってくる。
その口元にはいつもと同じように笑みが浮かんでいるけど、とても冷たい笑みだった。

「志織さん・・・」
「うふふふ・・・そんな人間のときの名前で呼ばないでくれるかしら? 私はもう沢城(さわしろ)志織などという人間ではないわ。今の私はザームの改造人間クモ女」
笑みを浮かべたままいきなり私のあごをつかんで引き寄せる志織さん。
五つの単眼が私を無機質に見つめていた。
「これから改造を受けて私たちの仲間になるというから殺しはしないけど、そうじゃなかったらお前など殺しているわ。だから気をつけることね。おほほほほ・・・」
突き飛ばすように私を放す志織さん。
「さあ、その女を手術台に載せるのよ」
「い、いやぁっ!!」
私の両腕を抑えた女戦闘員にできるだけ抵抗するものの、私の力では振りほどくことなどできはしない。
私はなすすべもなく手術台に寝かされ、両手両脚を押さえつけられてしまうのだった。

手術台の周囲からいくつものチューブがのびてくる。
もう恐怖はなくなっていた。
ただただ悲しかった。
私はもう人間じゃなくなってしまうんだ。
それがただどうしようもなく悲しかった。
「お父さん・・・お母さん・・・」
両親の顔が思い浮かぶ。
両腕、両脚、肩口などにチューブが突き立てられた痛みが走る。
何かが躰の中に流れ込んでくる。
「美穂ちゃん・・・恵美ちゃん・・・」
楽しかった学校生活が思い浮かぶ。
授業はいやなこともあったけど、友達と過ごす時間はとても好きだった。

躰が熱い。
全身が燃え上がるように熱くて痛い。
細胞の一つ一つが作り変えられていっているみたい。
熱くて痛くて私は身をよじる。
でも、固定されているのでちょっとしか動けない。
「聡里ちゃん・・・」
最後に思い浮かんだのは、ここ数ヶ月のうちに友人になった彼女のことだった。
改造されてもなお人として生きる聡里ちゃん。
きっと人に言えない苦しみがあったと思う。
「聡里ちゃん・・・ごめんね・・・私・・・改造されちゃう・・・」
私は自分の躰がじょじょに変わり始めるのを感じながら、思わずそうつぶやいていた。

                     ******

「うふふ・・・」
思わず笑いがこみ上げる。
なんて気持ちがいいんだろう。
手足を留めていた枷がはずされ、私はゆっくりと躰を起こす。
私の躰は赤茶色の外骨格に覆われている。
胸もお腹も両手も両脚も節々で形作られ、柔らかなラインを描いている。
額には触角が震え、大きな単眼とともに周囲の様子を余すところなく伝えてくれる。
両脇と両手両脚の外側には小さな脚が蠢き、鋭い爪を輝かせている。
なんてすばらしいんだろう。
私はもう人間などという下等な生き物じゃないんだ。
私はザームによって改造された改造人間なのだ。
自分の躰を見回して、私はうれしくて飛び跳ねたいぐらいだった。

『ふふふ・・・改造が終わったようね。気分はどうかしら、ムカデ女?』
私はもう胸がいっぱいになった。
女王様が私に声をかけてくださったのだ。
うれしいよぉ。
私はすぐに女王様に向き直る。
「はい、最高の気分です。こんなすばらしい躰にしていただき、御礼の言葉もございません」
『おほほほ・・・これでお前も我がしもべ。ザームのために働くのです』
「もちろんです。私はザームの改造人間ムカデ女。ザームと女王様のために全てを捧げます」
私は女王様に一礼する。
そう、私はザームのムカデ女。
ザームのためなら何でもするわ。

「うふふ・・・おめでとうムカデ女」
「これであなたも私たちの仲間ね」
サソリ女とクモ女が私を迎えてくれる。
ザームの改造人間である二人はとても素敵。
「ありがとうサソリ女、クモ女」
私はあらためてザームの改造人間であることがうれしかった。

『ほほほほ・・・これで出来損ないの周りの女どもは全てザームのしもべ。そなたたちに命じます。我の邪魔をする出来損ないのイナゴ女を始末してきなさい。いいですね』
私が二人と話していると、女王様の命が下る。
「かしこまりました、女王様」
「私たちにお任せくださいませ」
「出来損ないのイナゴ女は、私たちが必ず始末いたします」
私たちは女王様の前に整列して命令を承る。
ザームを抜け出したイナゴ女。
精神改造を受けなかった出来損ない。
下等な人間のままの精神でザームに歯向かう愚か者。
どうして私はあんな存在を許容できていたのだろう。
女王様に逆らう者は容赦しない。
イナゴ女は私たちで始末しなくちゃ。
私は二人と一緒に女王様の前をあとにした。

                      ******

翌朝、私は擬態した姿でクモ女のいる喫茶店「アモーレ」へと向かう。
人間に擬態するなどあまり気乗りしないけど、人間どもに騒がれないようにするには仕方がない。
おろかな人間どもには、私がザームの改造人間であるなどとは思いもしないだろう。
まったくバカな連中だわ。
早く女王様の支配する世界になればいいのに。
そんなことを考えながらも、私は朝から気分がいい。
夕べ夜に人間のときの住処へ戻ったとき、父親と母親などというおぞましい存在を嬲り殺してやったのだ。
私が人間だったことなど考えたくもない。
あのような下等な生き物とつながっているという過去を消すことができて、ホッとしたわ。

それに今朝はあの出来損ないのイナゴ女を始末できる。
何も知らないイナゴ女は、今朝ものこのこと「アモーレ」に姿を見せるはず。
そこが罠だとも知らずにね。
そして待ち受けたクモ女とサソリ女、それに私によって始末される。
あのような出来損ないは始末されなくてはならないの。
ザームのすばらしさをわからずに女王様に逆らう出来損ないなど生きていてはだめなのよ。
私はイナゴ女の最後を脳裏に思い描き、思わず笑みが浮かぶのだった。

                      ******
                      ******

朝の多少の眠さをこらえて私はバイクを走らせる。
結局夕べもザームの動きはなかった。
それ自体は喜ぶべきことなんだけど、奴らが陰で何をたくらんでいるのかと思うと、喜んでばかりもいられない。
今日は南区のほうを回ってみよう。
奴らが何をたくらもうと、絶対に成功なんかさせないわ。
と、その前にバイトバイト。
考え事をしている間に私のバイクは「アモーレ」の前に着く。
私はすみのほうにバイクを立てると、ヘルメットを脱いで小脇に抱え、店の入り口に向かった。

「おはようございます」
「アモーレ」の入り口を入ると、コーヒーのいい香りが漂ってくる。
「おはよう、聡里ちゃん」
「おはよう」
いつもの優しい志織さんの声に重なり、もう一人の声が私にかけられた。
「あ、おはようございます、愛子さん。今日はどうしたんですか?」
見ると、矢木沢医院の愛子さんがテーブルでコーヒーを飲んでいた。
まだ開店前だというのに珍しいこともあるものだわ。
「ふふふ・・・ちょっとここに用事があってね」
「そうだったんですか」
なんだかいつもの愛子さんらしくない冷たい笑み。
私はちょっと気になったけど、すぐに奥で着替えを始める。

「聡里ちゃん、ちょっと」
いつものエプロン姿でテーブルを拭き始めた私を、志織さんが呼び寄せる。
「はい、なんですか?」
私はカウンターへ行き、志織さんの向かいに立つ。
「今日は少し開店を遅らせるわ。彼女が何か話があるようなの。そこに座ってこれでも飲んで一緒に聞いてくれるかしら」
目で愛子さんを指し示す志織さんの手には、おいしそうなコーヒーが用意されていた。
「あ、はい。いいんですか?」
私はコーヒーを受け取ると、カウンター席に腰を下ろした。
「うん、少しショックな話かもしれないから、これを飲んで落ち着いて欲しいの」
何かいつもと違う志織さん。
いったい何があったのだろう。
まさかザームのことで何かあったのだろうか・・・
私はふとそんなことを考えながら、志織さんの淹れてくれたコーヒーを一口飲んだ。

「!!」
私は自分の舌を疑った。
うかつにも一口飲んでしまったけど、まさか毒が入れられているとは思ってもみなかった。
「し、志織さん?」
信じられない。
いったい何がどうなっているというの?
「あらあら、改造された舌は伊達じゃないってことかしら。サソリ女の毒は無味無臭のはずなんだけどね」
志織さんが冷たく笑っている。
どうして?
どうして志織さんが?

「私の毒が見破られるなんて癪だわぁ。でも、さすがに私たちに毒を入れられるとは思っていなかったようね。一口目はちゃんと飲んでくれたようだし」
愛子さんも笑みを浮かべて私を見ている。
その目はまるで獲物をしとめようとするかのようだ。
「うふふふ・・・サソリ女の毒は改造人間にも効くのよ。しばらくすれば躰が動かなくなってくるわ」
ゆっくりとカウンターを回ってフロアに出てくる志織さん。
「あ、愛子さん・・・志織さん・・・」
私はじわじわと躰に毒が回り始めたことを感じていた。
躰がしびれてくるのだ。
このままでは・・・

「うふふふ・・・そんな志織なんて人間のときの名前で呼んで欲しく無いわ。私はザームによって改造されたのよ。今の私はザームの改造人間クモ女」
「うふふふ・・・私も同じくザームの改造人間サソリ女なの。出来損ないのイナゴ女、覚悟しなさい」
「そ、そんな・・・」
目の前で姿を変えていく志織さんに愛子さん。
なんてこと・・・
二人ともザームによって・・・
ザームによって改造人間にされてしまったんだ・・・

私はしびれる躰を何とか支え、気力で二人の改造人間に向き合う。
もう二人を元に戻すことはできない。
精神改造をされてしまった今、彼女たちは敵なのだ。
私はどうしようもない悲しみを感じながら、この場を切り抜けることを考えていた。

「おはようございます」
ああ・・・なんてこと・・・
私はあまりのタイミングの悪さに唇を噛む。
こんなときに雪美ちゃんが来てしまうなんて・・・
「雪美ちゃん、来ちゃだめ! 逃げて!!」
「えっ? きゃぁっ!!」
背後から雪美ちゃんの悲鳴が聞こえ、私にしがみついてくるのがわかる。
当然だわ・・・
目の前にザームの改造人間が現れたんだもの、逃げるに逃げられなくなっちゃったんだ。
仕方ないわ。
何とか雪美ちゃんを連れて脱出しなくちゃ・・・

「雪美ちゃん、いい、私が二人の相手をするわ。その間に店を出て逃げるのよ」
「逃げる?」
「ええ、何とかこの場を切り抜けて逃げて欲しいの。私のことなら心配いらないから」
私は背後の雪美ちゃんをかばうように、二人と向かいあった。

「逃げる必要なんか無いわ」
「えっ?」
雪美ちゃんの言葉に私は驚いた。
「だって、出来損ないのイナゴ女を始末するのが私たちの任務なんですもん」
いきなり私の首筋に激痛が走る。
「あぐぅっ」
しがみついてきた雪美ちゃんを突き飛ばすようにして私は床に転がった。
「ゆ、雪美ちゃん?」
「違うわ。私はもう古木葉雪美なんかじゃないの。私はザームの改造人間ムカデ女なのよ」
雪美ちゃんの姿が変わっていく。
私はもう、言葉も出なかった。

「うふふふ・・・サソリ女の毒と私の毒、二種類の毒が混じったお前に助かるすべは無いわ」
「うふふ・・・ついでに私の糸もお見舞いしてあげる」
志織さんだったクモ女の糸がお尻からつむぎだされ、私の手足に絡みつく。
「う・・・あ・・・」
首筋から入った毒が急速に私の躰から熱を奪っていく。
動くことも擬態を解除することもできないとは・・・
「ふふふふ・・・残念ね。きちんと精神改造を受けていれば、こんな目にあわずにすんだのに」
「さ、三人とも、お願いだから目を覚まして・・・あなたたちはザームに・・・」
私は必死で訴える。
お願い・・・
人間の心を取り戻して・・・

「違うわ。私たちは自らの意思でザームと女王様にお仕えしているの。お前のような出来損ないとは違うのよ」
「グホッ」
ムカデ女になってしまった雪美ちゃんのケリが私の腹部に入る。
ああ・・・
もう三人に私の言葉は通じない・・・
もう彼女たちは身も心もザームの改造人間になってしまったのだ・・・

「うふふふふ・・・さあ、とどめを刺してあげるわ」
冷たい声が響く。
今のは誰の声だろう・・・
もう何もわからない・・・
意識も朦朧としてきた。
ごめんね・・・
私、ザームを倒せなかったよ・・・
鋭い爪の一撃が私の胸を貫いて、私の意識はそこで途切れた・・・

END


いかがでしたでしょうか。
最後だけちょっと視点を聡里ちゃんに変えてみました。
聡里ちゃんの絶望が伝われば成功かなと思います。

四日間お付き合いいただきありがとうございました。
  1. 2009/05/07(木) 21:31:21|
  2. ローカストの最期
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ローカストの最期(3)

「ローカストの最期」の三回目です。

それではどうぞ。


(3)
私たちが矢木沢医院に着いたのは、夜8時近かった。
住宅街にある矢木沢医院はなんとなくひっそりとした感じがする。
私たちは裏口から中に入り、愛子先生に会いに行った。

「愛子ー。来たわよー」
待合室に入る私と志織さん。
すでに診察時間も終わっているため誰もいない。
看護婦の渡代(わたしろ)さんたちももう帰っちゃったみたい。

『診察室にいるから来てくれるかしら』
奥の診察室から声がする。
私たちは診察室のドアを開け、中に入った。

「来たわよ、愛子。それで話って何なの? 雪美ちゃんは明日学校だから早く帰してあげないと」
「すぐに終わるわ。適当に座りなさい」
なんだかいつもと雰囲気が違う愛子先生。
椅子を回転させて私たちに向き直り、脚を組んで座っている。
ふと気がつくと、いつもはしていないマニキュアをして、口紅やアイシャドウをしているみたいだった。

いつもと違う雰囲気の愛子先生に戸惑いながら、私たちは適当に腰を下ろす。
「あの娘は来ていないわね?」
「ええ、今日は西区を回るって言ってたから、まっすぐ帰ると思うわ」
「そう。それでいいわ」
薄く微笑む愛子先生。
「話というのは、お前たちがあの娘にだまされているということよ」
「えっ? だまされている?」
「えっ?」
私は驚いた。
愛子先生は、私たちが聡里ちゃんにだまされていると言うの?

「そうよ。お前たちはザームが悪魔のような邪悪な組織と思っているのでしょう? 違うわ。ザームはそう、神の組織なのよ」
「どういうこと? ザームが神の組織ですって?」
志織さんが信じられないという顔をしている。
もちろん私だって信じられない。
「ザームはこの世界を救うことができるのよ。人間にこの世界を任せていたのでは世界は滅びるだけだわ。人間はザームに支配され、女王様に従うことによってのみ生き延びることができるのよ」
「何を言っているの、愛子? ザームが何をしようとしているかわかっているでしょ? 奴らは人間を改造して改造人間にしてしまうのよ」
「ええ、そうよ。女王様に選ばれた人間のみが改造を受けて、人間という下等な存在でなくなることができるのよ。改造人間こそ至高の存在であり、人間を支配するものなのよ」
クスッと笑う愛子先生。
どうしちゃったんだろう。
こんな愛子先生は見たことない。

「信じられない。いったいどうしちゃったの愛子? あなたは人間を異質な存在にしてしまうザームをあれほど憎んでいたじゃない! 医者として絶対に赦せないって」
志織さんが首を振る。
先ほどからの愛子先生の言葉が信じられないのだ。
「うふふ・・・それは下等な人間の考えよ。改造人間のすばらしさがわからないんだわ」
「愛子・・・」
「愛子先生・・・」
「うふふ・・・やはりお前たちのような下等な人間には、ザームのすばらしさがわからないようね」
冷たい目で私たちを見つめてくる愛子先生。
違う・・・
いつもの愛子先生じゃない。
いったい愛子先生はどうしちゃったの・・・

「愛子! あなたふざけているんでしょ? いい加減にして!」
「さっきから愛子愛子とうるさいわね。もう私をそんな名前で呼ばないで欲しいわ」
スッと立ち上がる愛子先生。
そしてゆっくりとメガネをはずし、白衣を脱ぎ捨てる。
「な、何を?」
私も志織さんも思わず目をそらす。
愛子先生は驚いたことに白衣の下は裸だったのだ。
「うふふふ・・・私はもう矢木沢愛子などという人間では無いわ。私はザームによって改造を受けたの。今の私はザームの改造人間サソリ女!」

「ええっ?」
私と志織さんの目の前で、愛子先生の姿がみるみるうちに変わっていく。
つややかな髪の毛が赤茶けた外骨格に変わり、ヘルメットのように頭部を覆う。
躰にも赤茶色の外骨格が鎧のように覆っていき、スタイルのよい愛子先生そのままの柔らかいラインで包み込んでいく。
背中からはお尻を伝ってするすると長い尻尾が伸びていき、その先には毒針を持つサソリの尾が形成される。
両手は鋭い爪を持つ硬い外皮に覆われ、脚にはハイヒールのブーツ状に外皮が覆っていく。
数秒も経たないうちに、愛子先生の姿は人間とサソリが融合したような異形の姿に変わっていた。

「あ・・・ああ・・・愛子・・・」
「愛子・・・先生・・・」
私も志織さんも言葉が出ない。
あの優しく素敵な愛子先生が、こんな化け物になってしまうなんて・・・
「おほほほほ・・・どうかしらこの姿。素敵でしょ? 最高だわ。あはははは・・・」
口元に手を当てて高笑いする愛子先生。
その口元だけは人間のままで変わらない。

「ゆ、雪美ちゃん、逃げるのよ。愛子は・・・愛子はもう・・・」
志織さんが唇を噛み締めている。
親友といっていい愛子先生のあまりの変貌に悔しくて仕方ないのだろう。
「は、はい」
私はすぐにきびすを返す。
聡里ちゃんに連絡を取るのだ。
愛子先生のことを聡里ちゃんに知らせなければ・・・

でも、診察室のドアを開けたとたん、私たちの足は止まってしまう。
入り口にはあの黒い女戦闘員が二人立っていたのだ。
そして私たちを部屋の中に押し戻すように入ってくる。
「あ・・・ああ・・・」
私も志織さんも思わず言葉を失った。

「おほほほほ・・・逃げられるとでも思っていたのかしら? おろかな人間どもね」
サソリ女と化した愛子先生が笑っている。
あの愛子先生がこんな姿になってしまうなんて・・・
私と志織さんは逃げ場を失い、立ち尽くしたところを女戦闘員に取り押さえられてしまった。
「うふふ・・・こいつらはここで看護師をやっていた連中なの。いやだいやだって泣き叫んでいたけれど、今ではこうしてザームの忠実なしもべへと生まれ変わったわ」
「そ、そんな・・・渡代さんと高仲さんなの?」
志織さんが私たちを捕らえている二人の黒い女たちを驚きの目で見た。
「そんな名前だったかしらね。でも、そのような名前などもう意味は無いわ。こいつらはもうザームの女戦闘員。人間なんかじゃないのよ」
「ああ・・・ひどい・・・」
私は腕を後ろ手にねじられて身動きができないまま、目を伏せてしまった。
「愛子、お願い、目を覚まして! あなたはザームに操られているのよ!」
「お黙りなさい。私は自らの意思でザームに仕えているわ。身も心も女王様に捧げているのよ」
誇らしげに胸を張る愛子先生。
外骨格に覆われた形のよい胸がつんと上を向いていた。

「わ、私たちをどうするつもりなんですか?」
私はようやくそれだけを言う。
何とか逃げ出したかったけど、両手をねじられてそれもできない。
「殺すつもり・・・なんですか?」
「うふふ・・・心配はいらないわ。殺すつもりならとっくに殺しているわ。あんな会話などしないでね」
「えっ?」
「喜びなさい。女王様はお前たちを生かして連れてくるようにご命じになられたわ。女王様にお会いできるのよ。さあ、二人を連れて行きなさい」
「「キキーッ」」
女戦闘員が私の腕を引っ張り始める。
「あっ、いやあっ!」
私と志織さんは無理やり引きずられるようにして矢木沢医院を後にした。

                       ******

「雪美ちゃん・・・雪美ちゃん・・・」
どこかで私を呼ぶ声がする。
「雪美ちゃん・・・雪美ちゃん・・・」
「ん・・・」
意識がじょじょにはっきりしてきて、私はゆっくりと目を開けた。
「雪美ちゃん? よかった。目が覚めたのね」
私の顔を覗き込んでいる志織さん。
「あ・・・志織さん」
優しそうな志織さんの顔。
私はホッとした。
ん・・・あれ?
志織さんの豊満な胸が揺れている。
「えっ? ええっ?」
私は飛び起きた。

「し、志織さん?」
見ると、志織さんは上から下まで何も着ておらず、裸で私のとなりに座っていたのだった。
「あ・・・あんまり見ないで。恥ずかしくなっちゃうわ・・・」
思い出したように胸を抱きしめて隠す志織さん。
でも私はそれどころじゃない。
私自身も何も着ていなかったのだ。
「え、えええっ?」
私は急いで志織さんに背を向ける。
うう・・・恥ずかしいよぉ・・・

「どうやら意識を失わされているうちに衣服を脱がされてしまったみたいね」
背中から志織さんの声がする。
「そ、そうみたいですね・・・」
私はそれだけいうのが精いっぱい。
ただ、周りだけは確認してみる。
どうやら三方を壁に囲まれた部屋で、残り一面に鉄格子が嵌まっていた。
「典型的な牢屋ですね」
「そのようね。おそらくザームのアジトなんだわ」
私の言葉を志織さんも肯定する。
鉄格子の向こうは薄暗く、何があるのかよくわからない。
私は心細さに躰が震えるのを感じていた。

「私たち、これからどうなるのでしょうか・・・まさか、私たちも・・・」
私はその先の言葉がいえなかった。
愛子先生や矢木沢医院の看護師さんたちのように、私たちも改造されてしまうのかとは、とても言えなかったのだ。
「それは・・・わからないわ・・・考えたくもない。せめて聡里ちゃんに連絡ができれば・・・」
志織さんも苦悩の表情を浮かべる。
そう、聡里ちゃんが助けに来てくれれば・・・

「うふふふふ・・・」
薄暗がりの中から笑い声が響く。
「だ、誰?」
「キャッ」
誰何する志織さんとは裏腹に、私は思わず身を硬くしてしまう。
「目が覚めたようね。二人とも」
ゆっくりと牢に近づいてくるサソリ女と化した愛子先生。
黒く丸い単眼が輝き、人間のままの口元には冷酷そうな冷たい笑みを浮かべていた。
「愛・・・子・・・」
志織さんが辛そうにつぶやく。
「女王様が先ほどからお待ちかねよ。お言葉を聞けることを光栄に思うことね」
愛子先生がそう言うと、奥の暗がりがぼうっと赤く光り始める。
そして、奇妙なうずまきのような形のレリーフが浮かび上がった。

『サソリ女よ』
レリーフから重々しい女性の声が響く。
「ハハッ」
すぐに私たちに背を向けて、サソリ女と呼ばれた愛子先生がひざまずいた。
『ご苦労でした。上手く捕らえてきたようですね』
「お褒めのお言葉ありがとうございます女王様。下等な人間どもなので簡単に捕らえることができました」
悔しい・・・
こんなふうに言われちゃうほど簡単につかまってしまうなんて・・・
私は唇を噛み締める。

『早速その者たちの改造を始めなさい。我がしもべへと生まれ変わらせるのです』
「かしこまりました女王様。すぐに改造を始めます」
愛子先生が女王の言葉にうなずく。
「そ、そんな・・・」
私は恐怖に身震いし、言葉を失った。
ザームは私たちを改造してしまうつもりなんだ。
ああ・・・そんなのはいやだよぅ・・・
聡里ちゃん・・・
早く助けに来て・・・
私は聡里ちゃんが来てくれることを天に祈った。

「うふふふ・・・まずはお前からよ」
私たちに向き直った愛子先生が志織さんを指差す。
「い、いやぁっ!! 改造なんていやぁっ!!」
真っ青な顔で悲鳴を上げる志織さん。
両手で自らを抱きしめるようにして床に座り込んでしまう。
「黙りなさい! 改造を受ければすぐにいやではなくなるわ。さあ、連れ出すのよ」
愛子先生の指示で牢の入り口が開けられ、あの黒い女戦闘員たちが入ってくる。
「いやぁっ! 助けてぇ! お願い助けてぇ!」
「し、志織さん! きゃぁっ!」
私は志織さんを助けようと女戦闘員にしがみついたけど、すぐにサソリ女となった愛子先生に強い力で引き剥がされてしまう。
「おとなしくあの女が改造されるところを見ていなさい。次はお前なのだから」
私を押さえつけて耳元でささやくサソリ女の愛子先生。
その声はあの優しかったかつての愛子先生そのままだった。
「お願いです。私たちを助けて。も、もうザームには逆らいません。聡里ちゃんとも付き合いませんから・・・」
聡里ちゃん、ごめんなさい・・・私、改造なんてされたくないよ・・・
「うふふ・・・そんなに嫌がるものではないわ。改造人間はすばらしいものよ。下等な人間だったことが思い出したくもなくなるわ」
「いや・・・いやぁ・・・」
私の目から涙がこぼれる。
身動きできない私の前で、志織さんは牢から引きずり出されていった。

「いやぁ・・・お願いよぉ・・・赦してぇ・・・もうあの娘には関わらないわ・・・だから赦してぇ・・・」
せり上がってきた台座に寝かされる志織さん。
両手と両足に枷を嵌められ、身動きができなくされる。
私にはどうすることもできない。
ただ、志織さんが改造されるのを見ているだけ・・・
聡里ちゃん・・・
どうして助けに来てくれないの?
聡里ちゃん・・・

「ひやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
志織さんが悲鳴を上げる。
いくつものチューブがのびて、志織さんの躰に突き立てられたのだ。
黒や緑の液体がどくどくと流れ込み、赤い血が抜き取られていく。
「ああ・・・あああ・・・」
躰をがくがくと震わせ、苦悶の表情を浮かべる志織さん。
私は思わず目をそらす。
「うふふふ・・・これで彼女は生まれ変わるわ。お前も楽しみにしてなさい」
私を放り出すように解放するサソリ女の愛子先生。
私は床に倒れこむと、そのままそこでただ涙を流すだけだった。

「あ・・・あああ・・・」
志織さんの躰に変化が生じ始める。
白くて綺麗だった肌が、ぼこぼこと波打ち始め、どす黒く変色し始めたのだ。
やがて、志織さんの肌には剛毛が生え始め、見る間に全身に広がっていく。
剛毛は黒と黄色のまだらとなり、志織さんの両腕と両脚に縞模様を描いていく。
腰が浮いてお尻が大きく膨らんでいき、そこにも黒と黄色の剛毛が生えていく。
両手の爪は鋭く伸び、両脚のかかとが尖って、まるでハイヒールのようへと変化する。
両目は黒い単眼となり、額にも三つの単眼が作られる。
最後に両脇から二本ずつの蜘蛛脚が伸びてきて、志織さんに突き立てられていたチューブがはずされた。

「志織さん・・・」
私は変わってしまった志織さんに、思わず呼びかける。
「う・・・うう・・・」
ゆっくりと身じろぎをする志織さん。
やがてその首が少し持ち上がり、自分の姿を見下ろした。
「あ・・・あああ・・・い、いやぁっ!!」
固定された両手両脚をばたばたさせ、狂ったように悲鳴を上げる志織さん。
「いやぁっ!! こんな躰はいやよぉっ!! 戻してぇっ!! 元に戻してぇっ!!」
「志織さん・・・」
「ああ・・・見ないでぇっ!! お願いだから見ないでぇっ!! こんな躰はいやぁっ!!」
一瞬私を見て、すぐに顔をそらす志織さん。
すっかり変わってしまった自分の姿を見られたくないのだ。
私は唇を噛んでうつむいた。

「おほほほほ・・・何を嘆いているの? そんなすばらしい躰になれたんじゃない。安心しなさい。すぐに精神改造が始まるわ。それがすめばすぐにその躰が誇らしく思うようになるわ」
いつの間にか志織さんのそばにサソリ女と化した愛子先生が立ち、口元に手を当てて笑っている。
「いやぁ・・・いやよぉ・・・ひどい・・・泣くこともできないなんて・・・お願い・・・お願いだから元に戻してぇ」
「お黙りなさい。さあ、精神改造の始まりよ」
「いやぁっ!!」
首筋から上も黒い剛毛に覆われた志織さんの頭部に、リング状の物体が嵌められる。
そして、そのリング状の物体からの光が志織さんに浴びせられていく。
「ああ・・・あああ・・・」
苦しそうに口元をゆがめる志織さん。
でも、やがて緊張がほぐれていくかのように硬くなっていた躰が弛緩し、口元に浮かんでいた苦悶は薄い笑みへと変わっていく。

「志織さん・・・」
しばらくして志織さんに浴びせられていた光が止まる。
頭に嵌められていたリング状の物体がはずされ、両手両脚の枷がはずされる。
やがて、ゆっくりと躰を起こす志織さん。
その姿はまさに蜘蛛と志織さんが融合したかのような姿だ。

「うふ・・・うふふふ・・・」
「志織さん?」
異形となった志織さんの口から笑みが漏れる。
「うふふふふ・・・なんてすばらしいのかしら。これが私の躰。なんて美しくて素敵なのかしら。最高だわ」
異形となった自分の手や姿を見下ろして笑う志織さん。
私は目を閉じた。
志織さんは変わってしまったんだ。
あの優しかった志織さんは・・・もういない・・・

『改造が終了したようね。気分はどうかしら、クモ女?』
レリーフから声がする。
「はい。最高の気分です女王様。私はザームの改造人間クモ女。このようなすばらしい躰に改造していただき、とても感謝しております」
レリーフに向かって一礼するクモ女と化した志織さん。
『ほほほほほ・・・それでいい。これからは我がザームのために尽くすのです。いいですね?』
「もちろんでございます。私は身も心もザームと女王様のものでございます。どうぞ何なりとご命令くださいませ」
『いいでしょう。それでは早速そなたに命じます。残ったあの少女も我がしもべに改造してしまいなさい』
「かしこまりました。女王様」
クモ女と化した志織さんの口元には邪悪な笑みが浮かんでいた。
  1. 2009/05/06(水) 21:17:21|
  2. ローカストの最期
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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