エカチェリーナ二世による治世が終わると、その子パーヴェル一世が皇帝位を継ぎました。
パーヴェル一世はロマノフ王朝における帝位継承権を明確にするという法律を定めたぐらいで、さしたる業績を上げることはありませんでした。
1789年、フランスで世に言う「フランス革命」が起こり、ブルボン王朝が滅亡。
これにより欧州各国は革命の自国への波及を恐れ、フランス共和国との戦争に入ります。
ロシアもオーストリア、イギリス、トルコとともに対仏同盟に参加。
北イタリアに出兵したり、黒海艦隊を地中海に派遣するなどしてフランスと戦いました。
ところが1799年になると、フランスでナポレオン・ボナパルトがクーデターで総裁政府を打倒し、フランス共和国の第一執政となりました。
このクーデターによりパーヴェル一世はナポレオンの支配するフランスとは共同歩調を取ることが可能と考えたのか、対仏同盟を離脱し、逆に反英同盟をフランスとの間に結びます。
そしてまたしてもオスマン・トルコに対する戦争や、さらにはインド征服までも考えるようになり、臣下の不評を買うようになってしまいました。
1801年、ロシアで再びクーデターが発生。
パーヴェル一世は暗殺され、息子のアレクサンドル一世が即位します。
アレクサンドル一世は、フランス革命後の欧州での戦乱状態からロシアを遠ざけようとしましたが、この時代にはロシアの動向は欧州に影響を与えるまでになってしまっていたので、英仏などがロシアを自陣営に引き込むべく動くことになります。
この時期、欧州は良くも悪くもナポレオンのフランスを中心に歴史が動くことになりますが、ロシアはこの時期にグルジアやアゼルバイジャンなどを手に入れ、オスマン・トルコとも再び小競り合いを繰り返して、バルカン半島にも影響力を持つようになります。
さらにはカフカスにも手を伸ばし、中近東に影響力を持つ英国と対立し始めるようになりました。
そしてついにフランスとの直接対決となり、ナポレオンのフランス軍のロシア遠征を迎え撃ちます。
ロシアの国土の広大さや奥深さ、それに冬と焦土作戦などによりナポレオンの遠征軍は崩壊。
その後フランスはこの損害からついに立ち直ることはできませんでした。
1814年にはパリが占領されナポレオンは退位。
翌年にエルバ島を脱出したナポレオンにより一時混乱するものの、最終的にはウィーン会議によってナポレオン後の欧州体制が決定します。
欧州はとりあえずの落ち着きを取り戻すかに見えました。
1825年、皇帝アレクサンドル一世は48歳という若さで世を去ります。
長じた子がおらず、帝位継承がどうなるのか危ぶまれましたが、二人の弟のうち年下のニコライに帝位を継がせることを遺書に残しておりました。
この遺書に基づき、ニコライ一世がロシア帝位に就くことになるのですが、兄を差し置くことにためらいのあったニコライ一世は、正式に兄のコンスタンチンが帝位辞退を申し出るまで即位を断ります。
コンスタンチン自身はもともと帝位になど興味がなかったこともあり、ニコライの帝位継承はすんなり決まるはずだったのですが、ここで皇帝専制や農奴制などに反抗する青年貴族たちの反乱、いわゆる「デカブリストの乱」というのが発生します。
ニコライ一世は即位の日に流血の事態になることを避けようとしましたが、説得は失敗。
ついに実力で反乱を鎮圧せざるを得なくなりました。
このことはニコライ一世の強圧的な面を示すものとして広まり、彼自身にもある種のトラウマになったといいます。
このニコライ一世がクリミア戦争時のロシア皇帝でした。
ニコライ一世が皇帝となったロシアは、ピョートル大帝時代からの念願である対外進出路のさらなる確保を目指しました。
しかし、バルト海は確かに便利な位置にはあるものの、冬には凍結する上に出口である北海を英国海軍が押さえております。
中部の陸路はやはり新たにできたポーランドなどいくつもの国があって、進出路には向きません。
結局やはりロシアの目指すのは黒海の完全支配と、黒海の出口であるボスポラス及びダーダネルス両海峡の支配権獲得でした。
そしてその相手となるオスマン・トルコは、かつての勢力はなく組みしやすい相手と思われたのでした。
(3)へ
ちょっとロシア側の流れだけを取り上げてしまいましたが、なぜクリミアで戦うことになったのかを示すのに、ある程度のロシア史を紹介したほうがいいかなと思いました。
ロシアはとにかく黒海の支配と出口が欲しかったのだとおわかりいただければと思います。
- 2009/03/31(火) 20:54:25|
- クリミア戦争
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1480年ごろに成立した「モスクワ大公国」は、1721年にはのちに大帝とも呼ばれるピョートル一世が元老院より皇帝の位を受け取り、「ロシア帝国」と名を改めます。
この皇帝の位を得ることになった理由が、ロシアを強国に導いたピョートル一世の富国強兵策であり、その一環としてスウェーデンとの間に行った「大北方戦争」の勝利でした。
18世紀のロシアはまだまだ国力も低く、東方の二流国というイメージで欧州各国からは見られておりました。
おおっぴらに田舎の野蛮国と公言する向きもあったのです。
ピョートル一世は、そんなロシアを何とか欧州の一流国の仲間入りをさせたいと考えておりました。
そのためには他国との交流及び貿易を活発化させ、国内を富ませることが第一と考えたのです。
交流及び貿易を行なうには、できれば直接その相手国とやり取りするのが一番です。
当時の欧州の一流国といえば、英国やフランスであり、オーストリアでした。
しかし、いずれもロシアからは遠く、しかも間にいくつもの他国や地域が存在します。
陸路で交流や貿易をするには難しいものがありました。
では海上貿易ではどうでしょう?
船であれば直接フランスや英国の港へ行き、そこで貿易を行なうことができます。
また物資も船ならば低コストで大量にやり取りすることが可能です。
ロシアの産物を取引することで、英仏の優れた商品や武器も手に入るでしょう。
海上貿易ができればこんなにいいことはありません。
しかし、大きな問題がありました。
当時のロシアには面している海が北極海しかなかったのです。
北極海は気象条件などが悪く、航海向きの海ではありません。
また、英仏に行くにも、大きくスカンジナビア半島を回らなくてはなりませんでした。
英仏と海上貿易をする上で一番手っ取り早い海はどこか?
それはバルト海でした。
バルト海は当時スウェーデンが確保しておりましたが、ピョートル一世はこのバルト海への出口を求めてスウェーデンとの戦争を起こします。
これが「大北方戦争」でした。
ピョートル一世率いるロシアは、この「大北方戦争」に勝利し、バルト海沿岸の一部を手に入れます。
そしてこの新しく得た領土を流れるネヴァ川河口に新しい港湾都市を建設しました。
これが、聖なるピョートルの町「サンクト・ペテルブルク」です。
ピョートル一世はこの町に首都を移し、以後ロシア帝国はこのサンクト・ペテルブルクを中心にして国家運営がなされることになりました。
一方、ピョートル一世は、ロシアの南側にも目を向けておりました。
ロシアの南には、当時世界最強国といわれる「オスマン・トルコ帝国」がありましたが、じょじょに斜陽化しており、その国力も衰退の一途をたどっておりました。
北のバルト海と並び、南の黒海もロシアにとっては海上貿易上手に入れたい海でした。
以前はオスマン・トルコががっちりと握っていた黒海周辺でしたが、ピョートル一世は果敢に戦争を挑み、黒海の一沿岸であるアゾフを手に入れることに成功します。
これでバルト海と黒海にロシアは足がかりを得ることができました。
(時期的にはアゾフ占領のほうがバルト海進出より先)
ピョートル一世の死後、時代は下ってドイツ生まれのゾフィー・フレデリーケ・アウグスタ(ゾフィー・アウグスタ・フレデリーケとする資料もあり)という女性が、ロシア皇太子に嫁ぐためにロシアに向かいます。
1744年のことでした。
(結婚は1745年)
ゾフィーはサンクト・ペテルブルクでロシア語を学んだり、ロシア正教に改宗したりして、名前もエカチェリーナ・アレクセーエブナと改名。
奇しくもピョートル一世の妻であったエカチェリーナ一世と同じ名前となりました。
当時の女帝エリザヴェータが1762年に死去すると、エカチェリーナの夫である皇太子ピョートルがピョートル三世として即位。
エカチェリーナは皇后となります。
ロシアは当時中央ヨーロッパで頭角を現してきた「プロイセン王国」との戦争、いわゆる「七年戦争」を戦っている最中でした。
プロイセンは大王とも呼ばれるフリードリヒ二世の下、中部ヨーロッパにおける覇権確立と自国の存亡をかけて「七年戦争」を戦っていたのですが、周りは敵国ばかりという状況でまさに四面楚歌の状況でした。
フランス、神聖ローマ帝国、スウェーデン、オーストリア、そしてロシアを敵にしてしまったプロイセンは、まさに危機的状況だったのです。
即位したピョートル三世は、自他ともに認める大王フリードリヒ二世の信奉者でした。
彼はまさにプロイセンを追い詰めようとしているロシア軍を停止させ、それどころかプロイセンと講和してしまいます。
このことはロシア帝国に対する諸国の信頼を損なったばかりか、国内でもプロイセンびいきの皇帝に対する不満が噴出することになりました。
他にも人気の高かったエカチェリーナ皇后を廃して寵姫を皇后にしようとするなどピョートル三世の行動は貴族層の不満を広め、ついにクーデターが起こります。
ピョートル三世はわずか在位六ヶ月で皇帝の座を追われ、エカチェリーナがエカチェリーナ二世となって即位しました。
こののちエカチェリーナ二世の治世の下で、ロシアはさらなる拡大を続けることになります。
西ではポーランドを分割して地図上から消してしまい、南では二度にわたるオスマン・トルコとの戦争で黒海北部を完全制圧。
クリミア半島もロシアのものとなりました。
このクリミア半島が、「クリミア戦争」の主要舞台となるのです。
(2)へ
- 2009/03/30(月) 21:03:40|
- クリミア戦争
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第一次世界大戦は、戦車、航空機、潜水艦などさまざまな兵器が発展し、活躍した戦争でした。
その活躍した兵器の一種に列車砲があります。
列車砲とは、通常地上では運用が困難な巡洋艦や戦艦の主砲並みの巨大大砲を、鉄道軌道上を走る台車に載せ、鉄道上を移動して運用できるようにしたもので、巨大なものでは口径80センチにもなるものがありました。
航空機がまだ発展途上だった第一次世界大戦では、鉄道を利用して移動することができ、大きな破壊力の砲弾を打ち出せる列車砲は、まさに軌道上の怪物でした。
ドイツ軍はこの列車砲でフランスの首都パリを狙うことすら行なったのです。
第二次世界大戦になると、列車砲の砲弾程度の破壊力を持つ爆弾は航空機にも搭載できるようになった上、列車砲そのものが航空攻撃のいい目標になってしまったために、列車砲の活躍は極端に制限されてしまいます。
それでも、ドイツの一部の列車砲はセバストポリ攻略戦やイタリアでの戦いに投入され、それなりに威力を発揮したのでした。
この列車砲を、日本陸軍も装備していたことは、おそらくあまり知られていないのではないでしょうか?
九0式24センチ列車砲というのが、日本陸軍の装備した列車砲でした。
第一次世界大戦終結後、世界的な軍縮の波と関東大震災による財政引締めによる軍縮とで、日本陸軍もその装備を近代化しつつ兵員数は減らすという形の軍縮を行ないます。
その近代化の一端として、欧州製の優れた兵器を手に入れるべく使節団が1925年に派遣されます。
使節団はフランスのシュナイダー社からのちに九0式野砲や九一式榴弾砲になる新型火砲を手に入れますが、そこで列車砲も購入することになったのです。
当初購入されたのは24センチ列車砲の砲身だけであり、陸軍は東京湾の防備用に要塞砲として使用するつもりだったようでした。
ところが、満州事変が起こると、北方での防備用に使用しようということになり、日本国内で列車砲用の車台や電源車などの付属装備を整えて大陸へと送られます。
1941年、ドイツ軍による「バルバロッサ作戦」が発動され、独ソ戦が始まりました。
日本は日独伊三国同盟に基づき、関東軍特別演習の名目で対ソ戦の準備が行われます。
九0式24センチ列車砲は、何門作られたのかちょっとわからなかったのですが、対ソ戦用戦備の一つとして満州の虎頭要塞に配備されました。
ところがここは列車砲の配備場所としては前線に近すぎ、少し後方の水克の陣地に移され、そこで結局終戦前まで配備されたままとなりました。
ソ連軍が終戦直前に侵攻してきたときには分解されていたそうで、その威力を一度も発揮することなく行方不明となってます。
おそらくソ連軍によって持ち去られたものと思われます。
こうして何もしないままに生涯を終えた九0式24センチ列車砲でしたが、165キログラムの砲弾を約50キロも飛ばすことができたそうで、適切に使えていればそれなりの威力を発揮したのでしょうね。
日本軍の知られざる兵器のひとつと言えるのかもしれません。
それではまた。
- 2009/03/29(日) 21:29:26|
- 趣味
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「あなたは優しい目 だけどとってもブルー 凍り付いてしまうほど・・・」(渡辺真知子 ブルー)
という歌を思い出してしまうのですが、TRPGの一つに「RUNE QUEST:ルーンクエスト」というのがあります。
以前(
2005年11月30日)の記事で、このルーンクエストの登場モンスターの一つにスコーピオンマン(スコーピオンウーマン)というのがいて、人間の上半身と巨大サソリの下半身を持つ種族だが、女王が人間などの他種族を食べることでその上半身を持つ(場合によっては記憶も)スコーピオンマンを作り出すことができることを紹介しました。
このルーンクエストはさまざまな種族が出てくることで有名なファンタジーTRPGなんですが、このスコーピオンマンのほかにもプレイヤーをうげっと言わせる種族やモンスターがいます。
その一つが「ブルー」という種族でして、ここから表題の歌を思い出してしまうのですが、これはスコーピオンマンとは逆に頭部がヤギやヒツジ、鹿などの人間型の種族なのです。
彼らは混沌の申し子とも言うべき存在で、まさにその繁殖は混沌そのもの。
というのも、純粋なブルーのメスというものは極端に数が少なく、ほぼオスの十分の一程度しかいないのです。
そのため、彼らは他の種族のメスに自らの子を孕ませるのです。
彼らの繁殖にはメスがどんな種族かは関係ありません。
人間だろうが、エルフだろうが、オーガだろうが、果ては馬や牛だって関係ありません。
交尾さえできれば相手にブルーの子を孕ませさせることができるのです。
また、彼らはあらゆる毒や病気に耐性を持っており、そのために逆に病原体を躰にまとわり付かせていることが多く、戦っても病気をうつされかねません。
彼らが通った後は女性や家畜が犯されるわ、病気は撒き散らされるわとたまったものじゃありません。
まさにルーンクエスト内では疫病神的なモンスターなのです。
スコーピオンマンとは違い、孕ませ系が好きな方にしか萌え要素がないかもしれませんが、異形の相手に仲間が孕ませられてしまうというのも好きな人は好きなシチュかも。
またルーンクエストやりたいなぁ。
それではまた。
- 2009/03/28(土) 20:46:43|
- TRPG系
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今日はルパン三世と名探偵コナンの豪華なコラボレーションが見られますね。
どんなストーリーなのか興味津々です。
と、楽しみにしていたのですが、ちょっと気がかりなニュースが・・・
「阪神岩田投手、WBCで肩を痛める」というニュース。
これはショックです。
横浜の村田選手もお気の毒でしたが、阪神にも故障者が出ちゃったのかー。
岩田投手は2次ラウンドでの韓国戦に登板したときに違和感を感じたということで、病院で検査したところ「左肩肩峰下滑液胞炎」という症状らしく、しばらくはノースローで治療に専念しなくてはならないとのこと。
今年は開幕前に故障者が続出ですね。
矢野選手は開幕には間に合わないようですし、下柳投手や金本選手、新井選手も万全とはいえません。
彼らに代わる若手が出てくれれば問題はなく、逆に怪我している主力に危機感を与えるぐらいであればいいのですが、残念ながら今の阪神にはそういった若手がおりません。
トレードでやってきた久保投手はかなり期待できそうなのですが、やはり投手陣の先発投手不足は否定できないです。
白仁田投手や黒田投手、石川投手たちにはぜひとも先発ローテーションの一角に食い込んできて欲しいですね。
今年の阪神は正直言ってきびしそうです。
開幕からきびしい試合が続きそうですが、がんばって欲しいですね。
それではまた。
- 2009/03/27(金) 20:51:52|
- スポーツ
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第一次世界大戦最中の1915年。
アメリカ、ニュージャージー州にあるフロント・ホイール・ドライブ・モーター・カー社の社主であり、本人自身が優秀な技師でもあったジョン・ウォルター・クリスティーは、アメリカ陸軍から高射砲運搬車を依頼され、その製作に携わっておりました。
この車両は残念ながら試作のみで終わりましたが、クリスティー本人はこのことで軍用車両に対する興味が生まれ、US・ホイール・トラック・レイヤー・コーポレーションを設立して本格的に軍用車両の分野に参入することにいたします。
クリスティーは持ち前のアイディア力で、高速戦車や飛行可能な戦車、水陸両用の戦車など、さまざまな斬新な車両を開発して行きます。
その最初のものとも言うべき高速戦車がM-1919という番号の戦車でした。
このM-1919戦車は、いわば装甲車のように前後に車輪とも言うべき大きな駆動輪を持ち、その中間に小さな転輪を配置したもので、驚くべきことに前後の車輪だけで走ることも、履帯を履かせて装軌式車両として走行することも可能という戦車でした。
通常、履帯を使うとその分接地面積が増えて抵抗が大きくなり速度が遅くなりますが、その代わりに荒れた地面でも走行ができるという利点が生まれます。
一方車輪ですと、荒れた地面での走行が制限される代わりに、良好な道路上では速い速度で走ることが可能です。
M-1919戦車は、この両方のよいところを取り入れようとしたのです。
M-1919戦車は、主砲に57ミリ砲を持ち、履帯付きで時速11キロ、車輪走行で時速21キロと当時の装甲車両としては高速を発揮することができました。
クリスティーは、このM-1919をさらに発展させていくことにします。
クリスティーは、戦車とはこうあるべきだという考えを持っている人でした。
まず、戦車は敵弾に貫通されてはならず、充分な装甲を施すべきだとしましたが、普通に分厚い装甲を施したのでは重量が重くなりすぎます。
そのためクリスティーは、断面積で見かけの厚さが増える傾斜装甲で戦車の装甲を施すことを考えました。
次に、車高を低くして敵に発見される可能性をできるだけ低くしようとしました。
見つからなければ撃たれることもないのです。
そして、何より重要なこととして速度を挙げました。
速度が速ければ、戦場に到達する戦略的移動性(機動力)も戦場での敵に対する戦術的移動性(運動力)も高まるのです。
そのため、車輪で道路を速く走って戦場に行き、履帯で荒れた地面の戦場を走るという考えだったのです。
クリスティーのその考えは、いくつもの試作車両を経て発展型のM-1928に引き継がれて行きました。
M-1928は、エンジンに高出力の航空機用エンジンを搭載し、転輪を大直径のものとした上でそれをクリスティー式と名付けられたサスペンション機構で独立懸架させることで地形追随性を増し、より高速を発揮できるようにしたのです。
M-1928戦車は、武装を搭載しない状態で重さ7.8トンの車体を履帯を履かせた装軌の状態で時速68.5キロ、履帯を履かない装輪走行ではなんと時速111.4キロもの速度を出すことができました。
これは当時の一般的な戦車が時速30キロほど、トラックでも時速60キロほどというものに比べて格段に速かったのは間違いのないところでした。
クリスティーの開発したこのM-1928及びそれに武装を施したM-1931戦車には、いくつかの国が興味を示しましたが、アメリカ人であるクリスティー本人は、何よりもまずアメリカ軍に採用して欲しかったのはいうまでもありません。
しかし、当時のアメリカは第一次世界大戦後の軍縮に加え、世界恐慌という不景気の真っ最中であったため、M-1928戦車の採用などできない状況でした。
能力の高さには注目したものの、数両を購入するぐらいだったのです。
一方、当時新興国家であったソ連は、その軍隊である労農赤軍の機械化部隊に配備する戦車として、このM-1928戦車に目をつけました。
ソ連はクリスティーに働きかけ、M-1928を手に入れるべく活動します。
クリスティーは悩みました。
正式に国交のない(1930年当時アメリカとソ連は国交がありませんでした)国であるばかりではなく、新生社会主義国家ソ連に対しては、シベリア出兵などで敵対したこともあり、アメリカがソ連に兵器を売るという行為は決して納得できるものではなかったのです。
しかし、アメリカでの採用が絶望であると知り、ついにクリスティーは決断します。
砲塔を搭載しないM-1931戦車の車体(M-1930ともM-1940とも言われる)を、農業用トラクターという名目で輸出することに合意したのです。
1930年12月24日、二両のクリスティー製“農業用トラクター”がアメリカから船積みされて出港しました。
この二両のトラクターが、その後の世界に大きな影響を与えることになることを、クリスティー本人はどこまで予想したでしょうか。
そう、この二両のトラクターは、ソ連という国でとてつもない子孫を生み出すことになるのです。
のちのソ連の主力戦車、T-34でした。
それではまた。
- 2009/03/26(木) 21:36:37|
- 趣味
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WBCでの日本チームの優勝に歓喜した昨日でしたが、今日は残念なことに春の選抜高校野球大会で、北海道の鵡川高校が敗退してしまいました。
岩手県花巻東高校の菊池投手がいい投球をしたみたいですね。
鵡川打線は八回までノーヒットに抑えられたようで、ノーヒットノーランを避けるのが精一杯だったみたいです。
強力打線という触れ込みでしたが、やはりいい投手を打ち崩すのは並大抵ではないということなんでしょうね。
夏には一回り大きくなった「シシャモ」打線を期待したいものです。
それにしても、試合をやる前から監督が「負けたと思った」(組み合わせ抽選後のインタビュー)なんて言っちゃだめですよね。
一方、テレビのCMを見てて驚いたのがこちら。
リボンちゃん(クリックするとサイトに飛びます。こちらのサイトのリボンの部屋のCM参照)
なんと、サッポロビールの一ブランド「リボンシトロン」が100周年にもなるんですねー。
びっくりです。
リボンシトロンはサイダーの一種で、確かに私が子供のころからありましたけど、まさか100年の歴史があるとはなぁ。
リボンナポリンは北海道限定ですか。
こちらも小さいころには飲んだもの。
この二種類の飲み物。
なぜか私の中では葬儀や通夜とつながるんですよねー。
昨年の祖母の葬儀のときに出された飲み物もこの二種が入ってたなぁ。
たぶん一緒に出されたビールがサッポロビールだったからなんでしょうね。
100周年にあわせてリボンちゃんも一新されたようで可愛くなってます。
久しぶりにまた飲んでみましょうかね。
それではまた。
- 2009/03/25(水) 20:55:33|
- 日常
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今日もこの話題しかないでしょうね。
ワールドベースボールクラシック(WBC)第二回目の優勝が日本で決まりましたー!!
5-3で韓国を破り、見事に優勝です。
やってくれましたよー!!
この大会五度目となる日本対韓国戦。
二勝二敗で五分の星同士でした。
日本の大会二敗は韓国にのみ、一方の韓国も大会二敗は日本相手のときのみです。
日本の先発投手は楽天の岩隈投手でした。
緊張で大変だったと思いますが、岩隈投手はその重圧を跳ね返し、三回まで韓国打線を無安打に封じます。
日本は逆に立ち上がりの良くなかった韓国の奉投手を攻めあぐねるも、三回に小笠原選手のタイムリーで一点先制。
この先制点で波に乗りたかったところですが、残念ながら追加点を奪えないでいるうちに、韓国に五回に同点ホームランを打たれてしまいます。
ここで内川選手の見事な守備が続く韓国の二塁打性のあたりを二塁でアウトに。
これで韓国に傾いた流れを断ち切りました。
七回八回と一点ずつあげた日本ですが、あと一本が出ずに突き放すことができません。
3-1のまま八回の裏に差し掛かり、先発岩隈投手に疲れが見えたところで韓国の反撃が。
長打と犠牲フライで一点を取られ3-2になったところで杉内投手に交代。
杉内投手が後続を断って一点差のまま最終回に入ります。
最終回、ここも日本はランナー出すものの点が入らず苦しい展開。
九回の裏はダルビッシュ投手がマウンドに上がります。
優勝のかかる緊張感からか、ダルビッシュ投手はランナーを出してしまい、ついに一点を奪われます。
これで3-3の同点になり、試合は延長戦に。
十回表、日本はツーアウト二三塁というチャンスにバッターはイチロー選手。
韓国としては歩かせても良かったのでしょうが、勝負に出ます。
イチロー選手はここで見事にセンター前にタイムリー。
二点が入って5-3になります。
最後はダルビッシュ投手がランナーを出しながらも締めくくり、5-3で日本の勝利となりました。
いやぁ、勝ちましたね。
正直優勝は無理だろうと思っていたのですが、見事に優勝を決めてくれました。
原監督は采配面では首をかしげる面もありましたが、運は持っている方なのかもしれません。
同一国と五回も戦うことになるシステムはどうかとは思いますが、とにかくWBC優勝です。
なんだかんだ言ってもうれしいものですねー。
ビールも美味い。(笑)
帰国後はすぐにペナントが始まりますし、藤川岩田両投手があまり活躍できなかったというのは残念でしたが、まずはゆっくり体を休めて優勝の余韻に浸って欲しいと思います。
日本代表の選手及び裏方の皆様、お疲れ様でした。
楽しい時間をありがとうございました。
それではまた。
- 2009/03/24(火) 21:17:50|
- スポーツ
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成田空港での貨物機の着陸失敗による炎上事故などもあり、結構ニュースの話題は豊富なようではありますが、やはり今日はこの話題でしょうか。
WBC日本代表、決勝トーナメント第一戦目、アメリカ代表に9-4で勝利です。
やったぁ!!
これで優勝か準優勝かの二つに一つ。
優勝まではあと一勝となりました。
今日の試合、初回に松坂投手がいきなり先頭打者ホームランを打たれるいやな展開でのスタートでした。
しかし、二回に城島選手の犠牲フライですぐさま同点に。
ところが三回にはツーアウトから一点を許して1-2に、松坂投手はちょっと安定してないようでした。
このままずるずると突き放されるのではないかと危惧したのですが、日本の打線が四回の裏に爆発。
連打連打で一挙に逆転。
それどころか大きく突き放す5点をこの回入れて6-2と4点差に。
継投でアメリカ代表を抑えてきた日本でしたが、八回表に馬原投手が捕まります。
この回ランナー二人を置いて二塁打を打たれ、二者生還で6-4。
なおもワンアウト三塁でしたが、ここは踏ん張って後続を断ちます。
この後続を断ったのが大きかったのではないでしょうか。
6-5にされていたらわからなかったかもしれません。
八回裏は日本打線が再び爆発。
ツーアウトから悪送球やタイムリーなどで合計3点を入れて9-4に突き放します。
これでほぼ勝負ありでした。
九回は藤川投手ではなくダルビッシュ投手が抑えてゲームセット。
アメリカに勝利となりました。
これで残すは決勝戦のみ。
あと一勝したほうが優勝です。
相手は五回目の対決となる韓国。
もういい加減にしてくれといいたくなるほどの対戦ですが、トーナメント表の組み合わせだから仕方ないですね。
泣いても笑っても明日で終わり。
明日は笑って終わって欲しいですね。
日本代表がんばれ。
それではまた。
- 2009/03/23(月) 20:45:57|
- スポーツ
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舞方雅人さんと1分でも1秒でも一緒にいたいのに……
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/03/23(月) 10:51:44|
- ココロの日記
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第一次世界大戦で世界で最初に戦車(と呼ばれるもの)を開発した英国は、第一次世界大戦後は大幅な軍縮と軍事費の削減に見舞われることになりました。
そのため、戦車の新規開発も滞りがちになりましたが、1934年になって歩兵支援用の新型戦車の開発が勧告され、久しぶりに新型戦車が作られることになりました。
英国は第一次世界大戦中から戦車を二種類の系統で考えておりました。
一つは速度が速い代わりに装甲がそれほど厚くない戦車で、いわば騎兵の代わりに前線を突破したあとに高速で進撃して敵後方を攻撃する戦車であり、巡航戦車と呼ばれるものでした。
そしてもう一つが、歩兵と一緒に敵の前線に突撃して、敵の塹壕線に陣取る機関銃や敵歩兵を攻撃する歩兵支援用の戦車で、歩兵戦車と呼ばれるものです。
この歩兵戦車の新型を開発しようというものでした。
歩兵戦車は歩兵と一緒に移動するわけですから、それほど速い速度は必要ありません。
歩兵が走る速度に追随できれば充分なのです。
その代わり求められるのはあらゆる攻撃をはね返す装甲防御力でした。
戦場で塹壕に向かっていく戦車には、敵からありとあらゆる攻撃が行なわれます。
野砲、対戦車砲、機関銃、爆薬を持った歩兵の肉薄攻撃など、全てが戦車を破壊しようと向けられるのです。
そういった敵の攻撃を跳ね返すには、分厚い装甲が不可欠でした。
そのため歩兵戦車の基本は、厚い装甲を持った速度の遅い戦車ということになります。
このコンセプトに沿って作られた新型戦車が、A11、通称マチルダ1型でした。
後に砂漠でドイツ軍の88ミリ砲とやりあうマチルダ(2)の先祖というべき戦車です。
マチルダ1型は、大きさも攻撃力もそれほど大きなものではないが、安く数をそろえることができる戦車として設計されました。
そのため、製造するヴィッカース社は、既存の部品や構造を流用することでコストを下げる方法を取ります。
構造を単純化し、攻撃力も砲塔(銃塔)に機関銃が一丁だけという貧弱なもので、エンジンも市販されているフォードのV8エンジンを使い、足回りも自社のトラクターからの流用というものでした。
その代わり装甲は分厚く、最大65ミリという装甲は第二次世界大戦前の戦車としては桁違いに厚いものでした。
これは当時の対戦車砲では撃ち抜けないものだったのです。
コストを引き下げて安く作れる戦車というものではありましたが、装甲に比して攻撃力が機関銃一丁のみというあまりにも貧弱なものだったために、かえって割高な戦車というイメージが持たれたこともあって140両ほどしか生産されませんでした。
ですが、生産されたマチルダ1型はフランス派遣軍にも配属され、1940年のドイツ軍の侵攻を迎え撃つことになります。
ドイツ軍の対戦車砲の砲弾をことごとく跳ね返したマチルダ1型ではありましたが、やはり機関銃一丁のみではたいした活躍もできず、結局英軍はダンケルクから逃げ出すはめになりました。
英国に残っていたマチルダ1型は、その後訓練用に回されて余生を過ごすことになります。
やはり攻撃力も戦車には必要だったということですね。
それではまた。
- 2009/03/22(日) 20:46:06|
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今日は「札幌歴史ゲーム友の会」の会合にお邪魔してまいりました。
今日のメインイベントは、はるばる関東から「ワークスゼロ」のリンクス様がおいでになることでして、札幌歴史ゲーム友の会も今日は盛況でした。
私が午前中に顔を出したときには、会場にはすでにサッポロ辺境伯様やMどりっひ様、つじ参謀様や今日も6ゾロ様が早くも顔を出しておられ、本日の対戦に思いを馳せておられました。
私はすでに対戦を申し込んでありました今日も6ゾロ様とASL-SKを対戦。
シナリオはS25「EARLY BATTLES」です。
このシナリオは、独ソ戦初期の村に立て篭もるソ連軍を駆逐しようとする独軍歩戦共同部隊との戦いを表したもので、ソ連軍には戦車二両、独軍には戦車六両が出てきます。
私が担当したソ連軍は二両の戦車のうち一両がKV-Ⅱでして、独軍の六両の戦車の砲ではなかなか破壊することができない怪物なのです。
この怪物を持って独軍を迎え撃つことになるのです。

とはいえ、今回は(今回も)KV-Ⅱはまったくといっていいほど活躍できませんでした。
今日も6ゾロ様の巧みな攻撃の前にソ連軍は見る間に削られて行きました。
また私のセットアップも稚拙なもので、ハッチを開けていると主砲が撃てないBT-7のハッチを開け放して配置するなど、悔やまれる部分が多かったです。
結局ほとんどの歩兵を刈り取られ、KV-Ⅱだけがむなしく生き残るようなありさまでソ連軍の敗北でした。
まだまだ未熟さを思い知りました。
このあたりでリンクス様がおいでになりました。
初めてお会いするのに、ネットなどで知っているので、なんだか初めての気がしませんです。

こちらはリンクス様が持ち込まれた「バルバロッサ」です。
つじ参謀様とサッポロ辺境伯様、それにリンクス様と途中から会に顔を出されて入れ替わられたかっぱ様がプレイ。
なかなか白熱したゲーム展開になっていたようで、終始笑いと歓声が上がっておりました。
最後は北方軍集団がレニングラードを、中央軍集団がモスクワを、南方軍集団がスターリングラードをそれぞれいずれもわずかの差で陥落させることができず、ソ連の崩壊にはならなかったようでした。

こちらは「サイパン戦車戦」
私と今日も6ゾロ様が対戦しましたが、日本軍と米軍の一勝一敗に終わりました。
夕方にはHIRO会長も顔を出され、リンクス様はMどりっひ様と「シュペー号追撃」を、かっぱ様とつじ参謀様が「カエサル40」を、私とサッポロ辺境伯様がドイツ戦車軍団シリーズの「ダンケルク」をプレイ。

「ダンケルク」は独軍担当の私が、連合軍を上手く包囲して勝利させていただきました。
時間も押し迫った最後には、リンクス様と今日も6ゾロ様がASL-SKをさわりだけやってみるという夢の共演に。

ASL-SK1のシナリオS1の最初だけプレイされ、リンクス様の米軍が今日も6ゾロ様のドイツ軍を射撃して混乱させていたようでした。
会が終わってからは飲み会です。
はるばるおいでいただいたリンクス様を囲んで、みんなで居酒屋に繰り出しました。
今日は楽しい時間を過ごすことができました。
リンクス様、そして札幌歴史ゲーム友の会の皆様、どうもありがとうございました。
それではまた。
- 2009/03/21(土) 22:12:10|
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今日もWBCネタで行きます。
日本代表、韓国に勝ちましたね。
これで今大会四度目の対決で二勝二敗。
まさに好敵手と言ったところでしょうか。
今日は日本の先発は巨人の内海投手でした。
そのためか、捕手を阿部選手にして城島選手は指名打者としての起用でした。
一回の裏に韓国に簡単に一点を取られ、今日もいやなムードでしたが、幸い後続を断ち切ることができ一点に止めたのは大きかったと思います。
二点目が入っていたらわからなかったかも。
二回の表、日本は内川選手の大きなホームランで同点に追いつき、さらに片岡選手のライト線のポテンヒットで逆転。
ここも同点どまりだったらいやな感じでしたけど、一気に逆転できたのがよかったです。
その後は両チームともに点が取れません。
日本は内海投手の後の小松投手の調子がよかった。
韓国打線を三回途中から六回途中まで押さえ込んでくれました。
しかし、七回に田中投手が捕まり、ホームランで同点にされます。
ここもその後を抑えたのが効きました。
逆転されていたら韓国に流れが行ったと思います。
八回は日本打線が爆発。
青木選手の絶妙なバントヒットから稲葉選手が連打で続き、小笠原選手がタイムリーを打ってくれました。
さらに岩村選手のセンター前ヒットをセンターがお手玉するうちに二者生還。
五対二に差を広げました。
八回裏の韓国の攻撃でワンナウト三塁というピンチを迎えましたが、ここは馬原投手が踏ん張り得点を与えません。
九回にも日本は一点を加えて六対二とし、最後は藤川投手が締めました。
終わってみると四点差の試合でしたけど、日本代表は打ちあぐねてましたね。
中盤はなかなか韓国を攻めきることができませんでした。
決勝トーナメントではまずアメリカと当たりますけど、打撃陣が投手を助けてあげてほしいものです。
気になるのは負傷退場した韓国の李容圭選手と日本の村田選手です。
韓国の李容圭選手は内海投手から死球を受けて退場となりましたが、どうやら大事には至らなかったようでよかったです。
一方、村田選手は太ももを痛めてしまったようで、かなり重傷のようです。
おそらく日本の開幕には間に合わないことになりそうで、横浜ベイスターズにとっては大きな痛手になりそうですね。
次はいよいよ決勝トーナメント。
敗者復活はないので、負ければそこまでです。
相手はアメリカ。
勝って決勝進出と行きたいものですね。
日本代表がんばれ。
それではまた。
- 2009/03/20(金) 20:58:24|
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日本、がけっぷちで踏みとどまりましたね。
WBC(ワールドベースボールクラシック)日本代表が決勝トーナメント進出です。
昨日の韓国戦、点を取られたのが北海道日本ハムのダルビッシュ投手と、阪神の岩田投手だったので、両チームのファンとしては悲しい思いだったのですが、決勝トーナメントで挽回して欲しいです。
(岩田投手の失点は岩田投手の責任だけではないですけどね)
今日の岩隈投手はよかったですねー。
安定していましたので、不安を感じることが本当に少なかったようです。
青木選手も四安打と活躍してくれましたし、イチロー選手にもようやくヒットが出ましたね。
まだまだ攻撃陣は不安定ですが、今日キューバに勝利したことで、少し日本チームに明るさが戻ってくると思います。
明日の韓国戦は勝っても負けても決勝トーナメント進出は変わりませんが、やはり韓国からは前回の敗戦を取り戻してほしいもの。
明日の先発は内海投手(巨人)だそうなので、がんばってほしいものです。
シーズンでは応援することなど考えられませんが、明日だけは応援しますよー。(笑)
明日は休日。
日本対韓国戦は日本では午前中とのことなので、テレビ観戦ができそうです。
それではまた。
- 2009/03/19(木) 21:01:28|
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今日は短編SSを一本投下します。
先日、WEB拍手でシチュのリクエストがありまして、私も書いてみたいなと思ったものですから、ちょっとした短編に仕上げてみました。
リクエストくださった方の考えていたものとはちょっと違うかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
それではどうぞ。
「お父さん・・・お母さん・・・ひどい・・・こんなのってひどい!」
僕をかばうように立っているパジャマ姿のお姉ちゃん。
その背中がふるふると震えている。
怒っているのだろうか・・・
泣いているのだろうか・・・
向こうの部屋には血まみれのお父さんとお母さんが倒れていて、ぴくりとも動かない。
死んでしまったのだろうか・・・
一体どうしてこんなことになってしまったのだろう・・・
******
「行ってきます」
セーラー服姿のお姉ちゃんがつま先をとんとんと床に打ち付けて靴をなじませている。
「気をつけて行くのよ」
「はーい」
お母さんの声にそう返事してばたばたと玄関を出て行くお姉ちゃん。
それがいつもと変わらない朝の光景。
バスで高校に通わなければならないお姉ちゃんはお父さんと同じぐらいに朝が早い。
僕の中学は家に近いので、そんなに朝はあわてる必要がないんだけど、お姉ちゃんは大変だ。
それにお姉ちゃんは女だから、よけいに朝は手間がかかるものらしい。
自慢の髪をとかしたり化粧品のようなものをつけたりして、ちょっとおしゃれするから時間がかかるのだ。
まあ、男だって制汗スプレーだのなんだの使うからそんなに変わらないんじゃないかとは思うのだけど、女は時間がかかるものらしい。
なので、いつも朝はばたばたしてる。
お姉ちゃんが出かけることで、やっと少しは静かになるのだ。
「ほら、和樹(かずき)もさっさと支度しなさい。遅れるわよ」
いけない、矛先が僕に向いてきた。
さっさと朝食をかき込んで学校に行かなくちゃ・・・
『昨夜、またしても暗黒魔団ヴェゾルグによる破壊活動が行なわれ、死者12名を出す惨事となりました・・・』
テレビから流れてくる暗いニュース。
最近出没するようになった謎のテロ集団“暗黒魔団ヴェゾルグ”
まるで一昔前の特撮のような怪人が暴れまくるとかで、監視カメラの映像にその姿が映っていたりもする。
警察でも対処に苦慮しているらしく、特別対策チームを編成して対処するということらしいが、そのあたりはまだマスコミには伏せられているらしい。
ネットの掲示板あたりでは虚実真実取り混じったいろいろな書き込みが流れているが、暗黒魔団ヴェゾルグがどういった連中なのかについてははっきりしない。
「またなの? お父さんの会社、大丈夫かしら・・・」
お母さんがテレビのニュースを見て心配する。
僕も気にはなるけど、今まで襲われてきたのは重工業系の会社や大きな企業が多いから、お父さんの会社はたぶん大丈夫じゃないだろうか。
「大丈夫だと思うよ。お父さんの会社はそんなに大きい会社じゃないし、ヴェゾルグよりも不景気でリストラのほうが心配だよ」
僕はちょっと茶化しつつお母さんにそう言って安心させてあげる。
「そうよねー。ヴェゾルグも企業ばかり狙わないで政治家とか狙えばいいのにね」
「うんうん、今の首相とかね。さて、ごちそうさま」
僕は食器を台所に下げ、上着とカバンを手に玄関に向かう。
口臭予防にガムを一枚口に入れ、靴を履いて玄関を出る。
「行ってきます」
それが今朝のことだった。
******
「キュイーッ!!」
「キュイーッ!!」
全身黒尽くめの直立したアリのような男たちが何か言っている。
人間にはわからない言葉でコミュニケーションを取っているのかもしれない。
荒らされて家具が散乱したリビング。
必死の抵抗をしたらしいお父さんは、僕が小学生のころ使っていたバットを掴んだまま倒れていた。
そしてそのそばではお母さんも・・・
「お父さん・・・お母さん・・・」
絞り出されるようなお姉ちゃんの声。
僕はその声すら上げることはできなかった。
「どうやらこの家にいるようだな」
破壊されて大きな穴が開けられた壁から、巨大な体格の人影が一人入ってくる。
その姿は異形。
全身をトゲの突き出たグレーの鎧で覆い、頭部は茶色の牛の頭になっている。
その口には牙が生え、鋭い眼光が僕たちに向けられていた。
「魔人ゴズモウ・・・」
僕は以前テレビで見たヴェゾルグの幹部の姿に、思わずその名をつぶやいた。
「ほう・・・俺様の名を知っているか小僧。やはりテレビというものは情報伝達には威力があるらしい」
お姉ちゃんの後ろ側にいる僕に、ゴズモウが笑いかけてきた。
「お、弟には手を出さないで!」
スッと僕とゴズモウの間をさえぎるお姉ちゃん。
かすかに震えているのに、それでも僕を守ろうとしてくれているんだ。
ここは僕がお姉ちゃんを守らなくちゃいけないのに・・・
僕はグッとこぶしを握る。
そうだよ・・・
僕が守らなくてどうするんだ。
「ふん。小僧などには用はない。抵抗しなければ生かしていてやってもいい」
「だったら・・・」
「俺様が用があるのはお前だ」
ゴズモウの言葉に僕は驚いた。
お姉ちゃんに用があるって?
どういうこと?
「わ、私に?」
お姉ちゃんも驚いているらしい。
僕はゴズモウがお姉ちゃんを見ている隙に、そっと戸棚に手を伸ばす。
そこには果物ナイフが置いてある。
果物ナイフなんかじゃ勝つのは難しいだろうけど、時間を稼いでお姉ちゃんを逃がすんだ。
僕はそう思い、どうにか果物ナイフを手に取った。
「ふむ・・・確かにお前には素質があるようだな。だが、表面にはでていない。どうりで見つけるのに手間取ったはずだ」
「私を探すためにここへ来たというの?」
「そうだ。見つけるのに手間取ってしまったので、このあたり一帯を探し回ってしまったがな」
ニタリと笑うゴズモウ。
さっきから近所ではパトカーや救急車のサイレンが鳴り響いていた。
「ひどい・・・手当たり次第に殺したというの?」
「俺が入り込むとギャーギャー喚くのでな。叩きのめしてやったらみんな動かなくなったわい。人間はもろいものよ。グハハハハ・・・」
僕はぞっとした。
こいつらはまさに悪魔だ。
最低最悪のテロリストたちなんだ。
「さて、それでは始めるとするか」
ゆっくりとお姉ちゃんに近づいてくるゴズモウ。
「ひっ、こ、こないで!」
「お姉ちゃんに近寄るな!」
お姉ちゃんが小さく悲鳴を上げたとき、僕はお姉ちゃんの脇から飛び出した。
「むっ?」
「和樹っ!」
「てえーい!」
僕は果物ナイフを構えて突進する。
僕がお姉ちゃんを守るんだ!!
「ふん!」
「ぐはぁっ!!」
僕の頬に激痛が走る。
「和樹っ!」
お姉ちゃんの声を聞きながら、僕はテーブルとソファの間に吹っ飛んでいた。
「がふっ」
テーブルが倒れ、上のものが飛び散り、僕はかろうじて殴られたんだということを理解する。
果物ナイフはどこかへ飛んでしまい、僕は頬を押さえるしかできなかった。
「小僧、おとなしくしていろ」
僕をにらみつけてくるゴズモウ。
「や、やめて! それ以上弟に手を出さないで!」
再び僕の前に立ちはだかるお姉ちゃん。
悔しい・・・
悔しいよ・・・
僕はいつもお姉ちゃんに守られてばかりだ・・・
痛みと悔しさで涙が出る。
「ふん、よけいなことをするからだ。そこでおとなしく見ていろ。お前の姉が生まれ変わる様をな」
「えっ?」
「えっ?」
僕もお姉ちゃんも思わず声を出す。
生まれ変わる?
それっていったい・・・
「くそっ、お姉ちゃんに手を出すな」
僕はようやく立ち上がる。
「和樹、大丈夫?」
振り返って僕を見るお姉ちゃん。
その顔は青ざめていた。
「お姉ちゃん。逃げて!」
僕はもう一度ゴズモウに跳びかかった。
せめて目潰しでもできれば、お姉ちゃんを逃がせるかもしれない。
神様、僕に力を・・・
「がふぅっ」
僕は再び殴り飛ばされる。
やっぱり魔人には手も足もでない。
今度はお腹を殴られたおかげで、僕は夕食を吐き出してしまっていた。
「和樹ぃっ!!」
僕のところに駆け寄ってくるお姉ちゃん。
その顔が涙で濡れている。
ごめんね、お姉ちゃん・・・
僕、お姉ちゃんを守れなかった・・・
「ふん、うるさい小僧だ。捻り潰してやるわ」
「や、やめてください。もう弟には手を出さないで。用があるのは私なんでしょ? 弟を殺したりしたら、私も舌を噛みます」
お姉ちゃんが僕の体に覆いかぶさる。
お姉ちゃん・・・ごめんね・・・
「ぬう・・・めんどくさい奴め。いいだろう。その小僧は生かしておいてやる。その代わり儀式を受けるのだ」
「儀式?」
「そうだ。お前は我がヴェゾルグの洗礼を受けるのだ」
ゆっくりとお姉ちゃんに近づくゴズモウ。
「や、やめろ・・・」
僕は苦しい息の下で、必死に声を出す。
「か、和樹、しゃべっちゃだめ。死んじゃうよぉ」
お姉ちゃんが泣いている。
悔しい悔しい・・・
僕には何もできないのか・・・
「わかりました。儀式を受けます。だから弟だけは助けてください」
「お姉ちゃん・・・」
僕は唇をかむ。
どうにかしたいけど躰がもう動かないんだ。
悔しいよ。
お姉ちゃんを逃がしたいのに・・・
悔しいよ・・・
「うむ。それでいい。なに、儀式が済めばそのような小僧のことなどどうでもよくなるわ」
ゴズモウがにたにたと笑っている。
その後ろで黒アリ男たちが何かの用意を始めていた。
******
荒らされた部屋の中央に横たわる黒い繭のような物。
さっきお姉ちゃんはその繭のような物に入れられてしまった。
きっといやだったに違いないけど、僕のほうを見て無言で自分から立ち上がり、ゴズモウに導かれるままに繭の中に入れられたのだ。
僕は何度も行っちゃだめだと言ったけど、黒アリ男たちが僕を押さえつけ、お姉ちゃんは行ってしまった。
僕はただ涙を流すしかできなかった。
「グフフフ・・・小僧、よく見ておけ。そろそろお前の姉が魔人となって出てくるころだ」
「えっ?」
僕は耳を疑った。
お姉ちゃんが魔人になる?
生まれ変わるってのはそういうことだったのか?
お姉ちゃんが魔人に?
「嘘だ」
「あん?」
「嘘だ! お姉ちゃんが魔人になんかなるはずがない! お姉ちゃんはちょっとしたことで怒るし僕とけんかだってよくするしおやつだって取り合ったりするけど、絶対に魔人になんかなるものか! あの優しいおねえちゃんが魔人になんかなるものか~!!」
僕は叫んだ。
ありえない。
お姉ちゃんが魔人になるなんてありえないんだ。
たとえどんなことされたって、お姉ちゃんは魔人になんかなるもんか!
「グフフフ・・・はたしてそうかな? まあ、よく見ていることだな。グハハハハ・・・」
ゴズモウは笑っていた。
シュウッて音がして、黒い繭が消えていく。
その霧のようなもやの中からゆっくりと姿を現すお姉ちゃん。
・・・・・・
僕は息を飲んだ。
お姉ちゃんの姿が・・・
お姉ちゃんの姿は変わってしまっていた。
肩口までの髪も、気の強そうな目も、口げんかでは絶対負けない口元も、何も変わってはいない。
でも、お姉ちゃんは変わってしまった。
両耳の上からは捩じれた角が生え、両目の瞳は赤く縦長になり、口からは小さな牙も覗いている。
黒いつやのあるスカート付きのレオタードのような衣装を着て、両手には長手袋を嵌め、背中からはコウモリのような翼が生えていた。
ひざ上までのブーツを履き、お尻からは尻尾まで伸びている。
まるでゲームにでてくるインプかサキュバスみたいな姿なのだ。
僕はあまりのことに声がでなかった。
「グフフフフ・・・どうやら終わったようだな。魔人になった気分はどうだ?」
ゴズモウがお姉ちゃんに語りかける。
するとお姉ちゃんはペロッと舌なめずりをするとこう言った。
「はい、最高の気分ですわ。私は魔女サキュビア。暗黒魔団ヴェゾルグの忠実なるしもべ」
紫色の唇が信じられない言葉をつむぐ。
僕はとても信じられない。
あのお姉ちゃんが・・・
優しかった僕のお姉ちゃんが・・・
「う、嘘だー!」
僕は思わず叫んでいた。
黒アリ男に押さえつけられていたけど、僕は必死で振りほどこうとした。
でも、奴らの力はとても強い。
「嘘だ嘘だ嘘だー!! 嘘だと言ってよお姉ちゃん!!」
僕はただ叫ぶしかできなかった。
「うふっ、和樹ったらまだ生きていたの? もうとっくに殺されたかと思ったけどよかったじゃない」
僕のほうを見て笑みを浮かべるお姉ちゃん。
その笑みはとても冷たくぞっとするものだ。
「お姉ちゃん・・・」
「ばかねぇ。ゴズモウ様に逆らうなんて愚か者のすることよ。私たち魔人に人間が敵うはずないでしょ」
口元に手を当てて楽しそうに笑っているお姉ちゃん。
まるで虫けらでも見るかのように僕を見ている。
「お姉ちゃん・・・」
信じたくない。
信じたくないけど・・・
信じたくないけど、お姉ちゃんはもう・・・
「お姉ちゃんなんて呼ばないで欲しいわ。私は魔女サキュビア。お前たち下等な人間とは違うのよ」
「うわぁっ!! お姉ちゃんを返せ!! お姉ちゃんを元に戻せ!! お姉ちゃんを元通りにしろぉっ!!」
僕は暴れた。
もうどうなってもよかった。
お父さんもお母さんも死んじゃった。
そしてお姉ちゃんは魔人にされちゃった。
こんなことってあっていいはずがない。
「うふふふ・・・やはり下等な動物ね。騒がないの。せっかく生き延びたんだし、私が可愛がってあげる。なんと言ってもあなたは私の“弟”だそうだものね」
お姉ちゃんが僕のそばに来る。
「少し眠りなさい。カ・ズ・キ・・・」
その赤い瞳が僕を見つめ、僕は意識を失った。
******
ぴちゃ・・・ぴちゅ・・・
あふれてくる蜜。
僕はそれを全て舐め取ろうと舌を這わす。
「あん・・・ああ・・・いいわぁ・・・いいわよ・・・もっと舐めなさい・・・」
お姉ちゃんの命令が下される。
僕はもっと激しく舌で舐めまわす。
奥からあふれてくる蜜が、僕の口いっぱいに広がり、僕はとても幸せな気持ちになる。
「あふ・・・いいわぁ・・・さすが魔獣カメレオンね。舌使いは絶品だわ。それとも、今はカズキって呼んであげようか?」
カズキ・・・
なんだか僕はうれしくなる。
「オネエチャン・・・」
僕は左右別々に動かせる目でお姉ちゃんの姿を見上げる。
黒い衣装を身につけたお姉ちゃんは魔女サキュビア様だ。
美しく残忍なヴェゾルグの女幹部様。
僕はそのしもべとして働いている。
きちんと命令をこなせば、こうしてご褒美がいただける。
なんて幸せなんだろう。
「オネエチャン・・・」
僕はもう一度サキュビア様のことをそう呼んだ。
「うふふ・・・だめよカズキ。そう呼んでいいのは二人きりのときだけなんだからね。いつもはちゃんとサキュビア様って呼ぶのよ」
サキュビア様が素敵な笑顔でそう言ってくれる。
この笑顔のためなら僕はなんだってやってやる。
下等な人間どもを殺しまくり、地上をヴェゾルグのものにしてやるんだ。
そうしたらサキュビア様はまたご褒美をくれるに違いない。
ああ、楽しみだ・・・
「さあ、カズキ。今度はお前のモノで私を満足させるのよ。いいわね」
手袋に包まれた指を舐めながら、僕を誘うサキュビア様。
「はい、オネエチャン」
そう言って僕はサキュビア様と一つになる。
「ああ・・・ん・・・」
サキュビア様の声がまた一段と高くなった。
END
いつもとはちょっと雰囲気の違うものになったかもしれませんね。
よろしければお読みになった感想などいただけるとうれしいです。
それではまた。
- 2009/03/18(水) 20:58:16|
- 異形・魔物化系SS
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1916年、第一次世界大戦真っ最中のアメリカで、一つの巡洋戦艦の設計が出来上がりました。
排水量で三万トンを超え、速力も35ノットに達するという巨大で高速な巡洋戦艦の設計でしたが、さすがのアメリカといえども第一次世界大戦中ということもあって実際の建造には取り掛かることができませんでした。
その後、第一次世界大戦の戦訓などを取り入れた設計変更がいろいろとなされ、ようやく着工が開始されたのが1921年のことでした。
しかし、同年11月に開催されたワシントン海軍軍縮会議において、戦艦と巡洋戦艦の保有数に制限が掛けられたため、着工したばかりのこの巡洋戦艦は建造中止になってしまいます。
ですが、この巡洋戦艦は新たなる道が開けることになりました。
日本の巡洋戦艦「赤城」「天城」同様に航空母艦への改造が決まったのです。
この航空母艦に改造されることになった巡洋戦艦が、「レキシントン」でした。
1922年に航空母艦としての建造が再開されたレキシントンは、1925年に進水式を迎え、1927年に航空母艦CV-2として完成します。
計画時から巨大だった巡洋戦艦の船体を使用しているため、レキシントンは基準排水量で三万六千トン、全長は270メートル、最大幅は約40メートルにも達するという巨大なものでした。
この全長は、第二次世界大戦後に就役したミッドウェー級にいたるまで米空母の中ではトップクラスです。
巡洋戦艦としての韋駄天ぶりは健在で、レキシントンは34ノットの最高速度を誇り、船体上部を全て飛行甲板にした上に艦首をエンクローズド(閉囲)するという形状は、当時の空母としては異様なほど近代化されたものでした。
レキシントンは、同様の経緯で建造された姉妹艦「サラトガ」とともに、戦前の米空母の主力として君臨し、対日戦の最前線で活躍することになります。
1941年12月、日本軍の真珠湾攻撃で幕を開けた太平洋戦争ですが、レキシントンは航空機をミッドウェーに輸送中でした。
そのため日本軍の攻撃をまぬがれ、日本軍にとっては空母を一隻も攻撃することができなかったという残念な結果に終わります。
明けて1942年、レキシントンは各島々の日本軍基地を攻撃し、その後5月に行なわれた珊瑚海海戦に参加します。
レキシントンは僚艦「ヨークタウン」と共同で日本艦隊を攻撃、日本の空母「祥鳳」を撃沈することに成功します。
しかし、日本も空母「翔鶴」及び「瑞鶴」から攻撃機を発進させ、レキシントンに襲い掛かりました。
レキシントンは果敢に対空砲火を放ったものの、爆弾二発と魚雷二本を受け大破してしまいます。
応急処置が功を奏し、いったんは火災が収まったものの、格納庫が密閉されているという構造が裏目に出て、気化した燃料に引火。
大火災を起こしたレキシントンはもはやなすすべがなく、味方駆逐艦「フェルプス」に魚雷を打ち込まれ、波間に没しました。
1942年5月8日のことでした。
巨大な煙突を持ち、「レディレックス」の愛称で知られたレキシントンは、その後の標準的な米空母とは一線を画した存在であったと言えるかもしれません。
ですが、その後の米空母の発達に多大な影響を与えた空母であったことは間違いないでしょう。
それではまた。
- 2009/03/17(火) 21:01:43|
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1940年。
第二次世界大戦二年目のこの年、ドイツ軍はオランダ、ベルギー、フランスへと侵攻を開始しました。
いわゆる西方電撃戦です。
この時、イギリスも大陸派遣軍をフランスに送っており、共同でドイツ軍を食い止めようとしましたが、ドイツ軍の電撃戦の前に前線は崩壊。
英軍はダンケルクから命からがら本国へと脱出します。
着の身着のままで脱出した英軍は、その武装のほとんどを放棄してきており、戦車大砲はおろか小銃までフランスに置いたままでした。
英軍はとにかく兵力の再編を図ることになりますが、小銃ですら放棄してきてしまったとあっては、膨大な数の銃からまず作らなくてはなりません。
戦車、大砲、航空機、艦船と、とにかくありとあらゆるものを作らなくてはならなかった英国は、自由主義の兵器廠である米国に泣きつくことになりますが、当然自国でも全力で兵器生産をしなくてはならず、安く早く大量に作れる兵器を模索します。
フランスの戦場でドイツ軍のMP40などのサブマシンガンの威力を見た英軍は、このサブマシンガンを大量配備して急場をしのごうと考えました。
拳銃弾を近距離でばら撒く兵器であるサブマシンガンであれば、それほど工作精度は必要ではなく、町工場レベルの技術でもそれなりの物が作れると踏んだのです。
そこでシェパード少佐とタービン技師がエンフィールド小火器工場に持ち込んだのが、鉄パイプに引き金や弾倉をつけただけのようなサブマシンガンでした。
シェパードのS、タービンのT、エンフィールド社のENを組み合わせ、STEN(ステン)と名付けられたこのサブマシンガンは、見るからに簡易製造のやっつけ仕事といった外見の銃でしたが、とりあえずは射撃できるし製作コストは安いしということで英軍に採用されます。
そしてさらに部品を減らして簡易化したステンマークⅡも製造されますが、こちらは銃身のライフル溝もたった二本しかなく、銃床も鉄パイプに肩当部分の鉄板をつけただけという代物で、弾倉も不具合が多くしばしば弾が出ないようなありさまでした。
ですが、とにかく安く手っ取り早く作れる銃というコンセプトには沿っており、町工場でも充分作れるような銃だったために終戦までに420万挺も作られます。
そうなると英軍ばかりではなく、少々ばら撒いても惜しくないということで、フランスの対独抵抗組織にも空中投下されて使われることになりました。
その一部は独軍の手に落ちて、独軍でもMP749(e)というナンバーで使用されており、おそらく敵味方がステンで撃ち合うなんてこともあったことでしょう。
日本では竹やりが終戦前には使われたようですが、英国でもドイツ軍の上陸に備えて水道管用の鉄パイプに銃剣を溶接した“鉄パイプ槍”ともいうべき物が作られたといいます。
それよりははるかにマシなのかもしれませんが、ステンサブマシンガンはまさに鉄パイプ銃と言ってもいいものでした。
ですが、英軍にとっては身近なサブマシンガンであり、とりあえずは使えるものであったステンは終戦まで英軍のいる戦場には姿を見せることになりました。
簡易生産型のサブマシンガンではありましたが、弾が出るものがあるというだけでも英軍にとっては助かるものだったのですね。
それではまた。
- 2009/03/16(月) 20:56:43|
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にゅーん。緊迫は舞方雅人さんの大切なものみたいです!だからかくれんぼさせちゃいます。
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/03/16(月) 10:58:49|
- ココロの日記
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gu_fuテンプレ終了。
また折を見てテンプレ変更やります。
どうもでしたー。
- 2009/03/16(月) 01:39:29|
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今日はマンガの紹介。
テンプレートにあわせてこちらです。

夏元雅人先生のガンダムマンガ、「ガンダムレガシー」(1)(2)です。
角川書店発行の月刊誌「ガンダムエース」に不定期連載された短編を集めた短編集ですが、一年戦争やその後のネオジオン抗争など宇宙世紀ものガンダムの外伝的ストーリーを集めたものとなっています。
もちろんメインは一年戦争ものであり、ゲームなどに登場したキャラクターの一つのエピソードを取り上げたような形を取ってます。
いわば「ガンダム イグルー」などと同じようなものですが、一年戦争(前後含む)はこうした外伝的エピソードを受け入れる余地が大きくてうれしいですね。
私も一年戦争ではローネフェルトのストーリーを書かせていただきましたし、こういった作品を読むとまたSS書きたくなりますです。
また、夏元先生の描くキャラは女性が可愛いですね。
「闇夜のフェンリル隊」のソフィ、シャルロッテ、「グラナダ特戦隊」のリリア、いずれも可愛い女性パイロットです。
彼女たちの活躍も見てて楽しいですね。
今日はこれまで。
それではまた。
- 2009/03/15(日) 20:26:06|
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面白いテンプレートなのでお借りしてみました。
「gu-fu」です。
あの青い巨星さんですよ~。
とりあえず一日だけテンプレ変更です。
- 2009/03/15(日) 10:54:53|
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「帝都奇譚」が一段落付き、次のお話を妄想中の舞方ですが、今日は机の中の整理とかやっておりました。
そんな中で見つけたのがこちら。

なんだかわかりますか?
これ、30年ほど前のタミヤ模型から出ていたミリタリーモデルの情景写真集「パチッ特集号」なんですよ。
一番上が13号、以下15号から20号まで。
13号が1976年、20号で1980年の発行ですね。
当時は一冊200円(13・15号)から250円(16から20号)で販売されていたようです。

中身はこんな感じ。
光っちゃって見づらいのはご勘弁ください。
もうね・・・
懐かしいなんてもんじゃないですよ。
中学高校ごろのプラモ小僧だった時代が思い出されます。
親からお金ちょろまかして「75ミリ対戦車砲PAK40」を買って怒られたりしたなぁ・・・
最新号はタミヤのHPによると65号のようですよ。
カラーページも入っているので900円するようです。

こちらはプラモ製作用の資料として出された戦場写真集などの資料集。
買ったのはこの四冊のみ。
戦場写真集にはドイツのいろいろな戦車が載ってて、当時は穴が開くほど見入ったものでした。(笑)

こちらはタミヤニュース。
20冊ほど手元に残っております。
102号まで購入したんだなぁ。
当時は一冊100円でした・・・
(下記に訂正文あり)
と、思ったら、このタミヤニュースは今でも一冊100円で売られているんですね。
驚きです。
最新号は479号のようです。
すごい息の長い冊子だなぁ。

「プラモのモ子ちゃん模型講座」の保存版1から4までと、タミヤコミックス二種。
それと当時プラモについてきたカタログ(カラーと線画版)二種です。
「プラモのモ子ちゃん」は萌えキャラの走りかもしれませんね。

保存版はこんな感じで一枚ペラで配布されていたものをまとめた冊子になってます。
今となっては結構お宝かも?
まあ、こんなものを見つけてしまった日には、机の中の整理などやってられんわけですよ。
ええ、読み返しておりましたとも。(笑)
そうして時間が過ぎ去った一日でした。
それではまた。
2009年6月8日訂正
タミヤニュースの当時の価格は店頭売りは50円でした。
通信販売での郵送料込みで100円です。
お詫びして訂正いたします。
- 2009/03/14(土) 20:44:53|
- タミヤニュース
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「帝都奇譚」の最終回です。
それではどうぞ。
32、
いそいそと買い物籠を下げ、魚屋の店先から離れる美月。
店先にいる和服の中年女性たちとは明らかに一線を画する黒い西洋メイド服を身につけた美月は、通りを行く人たちの目を惹き付ける。
今ではもう慣れてしまったこの衣装だが、以前はかなり恥ずかしく感じたものだ。
だが、文明開化から50年も経っているというのに、いまだに和服でもないだろうと今では思う。
それに、スカートひらひらとはいえ、慣れると結構動きやすい。
なので、美月はこのメイド服が気に入っていた。
「早く戻らなくちゃ・・・」
藤で作られた買い物籠は、黒いメイド服とは取り合わせが妙といえば妙だったが、美月が持つとなんだか似合う。
「今日はお嬢様のお好きなお煮付け。きっと喜んでくれるだろうな。中山さんの味付けは絶品だし・・・」
調理人の腕前を思い、夕食の買い物を終え、屋敷に向かう美月だった。
「上坂さんですね?」
いきなり呼び止められる美月。
振り返ると、すらりとした長身の女性が立っている。
黒の躰に吸い付くようなワンピースに身を包み、長い黒髪を後ろで束ねてまとめている。
薄く笑みを浮かべた口元には紅を乗せ、目には黒い日よけのメガネをかけていた。
「あなたは?」
美月は少し警戒し、相手の素性を確認する。
「失礼。私は鷹司の摩耶子お嬢様にお仕えするもので、破妖月子と申します」
そう言って黒メガネを取る女性。
その目が一瞬赤く輝いたかと思うと、美月はなんだか気分が落ち着いて、彼女に従おうと思った。
「うふふ・・・摩耶子様がお待ちかねなの。一緒に来てくださるわね?」
笑みを浮かべて美月を手招きする月子。
美月は招かれるままに月子に付き従った。
カーテンで日差しを閉ざされた暗い部屋。
奥の椅子には一人の女性が腰掛けている。
美月はよくわからないままにこの部屋に連れてこられていた。
ここは鷹司家。
立派な内装は、鷹司家の華族としての家柄を示しているかのようだ。
「白妙家のメイドを連れてまいりました」
スッと一礼する月子。
椅子に座る女性に敬意を払っていることがうかがえる。
「ご苦労様」
静かで優しげな声。
椅子に座る女性が髪の毛をそっと手でかきあげる。
いまだ珍しい女学生用のセーラー服に身を包み、黒いタイツで足を覆っている。
「日差しの中を歩いてきて喉が渇いているのではなくて? いいわよ。その娘で喉を潤しなさい」
薄闇の中で笑みを浮かべるセーラー服の少女。
美月にはその少女が誰だかよくわかっていた。
彼女の主人たる桜お嬢様のご学友。
鷹司家の摩耶子お嬢様に他ならない。
だが、なぜ自分はこんなところにいるのだろう・・・
どうしてここに来てしまったのだろう・・・
美月にはその答えが出てこなかった。
「ありがとうございます。摩耶子様」
そう言って、美月の体を抱きしめる月子。
そっとキスをするように、月子の唇が美月の唇に重ねられる。
その姿に摩耶子は満足感を味わった。
あの日、意識を失った月子はもはや退魔師としての力を発揮することはできなかった。
摩耶子はおとりとなった小夜に月子を屋敷まで運ばせ、そこで月子のエキスを存分に吸い取った。
退魔師である月子のエキスは美味であり、摩耶子の力を増幅させるのには充分だった。
そして摩耶子は、月子に自分の血を飲ませ、“新たな世界に生きる者”へと変えてやったのだ。
「うふふふ・・・美味しいかしら? 月子さん」
「ああ・・・はい、美味しいです。摩耶子様」
ぐったりとなった美月から口を離し、うっとりとした表情で月子は答える。
もはや彼女に退魔師としての意識はない。
あるのは“新たな世界に生きる者”として、摩耶子に従い獲物のエキスをすすることのみ。
美月の美味しいエキスを吸い取り、月子はとても満足だった。
「その娘にはあなたの血をあげなさい。私から桜さんへのプレゼント。彼女に私からの招待状を差し上げなくてはね。うふふふ・・・」
桜のエキスを吸い、彼女もまた“新たな世界に生きる者”へと変えてやる。
小夜と久には学園のめぼしい少女たちを襲わせる。
程なくしてこの帝都は摩耶子の支配下になるだろう。
邪魔者は・・・
「ねえ、月子さん。あなたが情報交換をなさった憲兵隊の方。なんと言いましたかしら」
「入生田曹長ですか? 彼ならすでに私が・・・」
ぺろりと舌なめずりをする月子。
抱えていた美月を床に寝せ、自らの腕を切って血をたらす。
「そう・・・後は宮内省の退魔師連中かしらね」
口元にたらされた血を無意識のうちに舐める美月を見ながら、摩耶子は再び笑みを浮かべた。
「そちらもご心配なく。私のほうで始末いたします。すでにかつて一緒に修行した神薙零(かんなぎ れい)を呼び出して私の血を与えてやりましたので」
笑みを浮かべて傷口を舐める月子。
その傷がみるみるふさがり、切った痕さえわからなくなる。
「そう、そっちは任せるわ。うふふふ・・・さあ、お立ちなさい」
摩耶子は自ら席を立ち、美月のところへ歩み寄る。
目を開けて、ゆっくりと立ち上がる美月。
その目は赤く輝き、摩耶子を崇拝するかのように見つめてくる。
「さあ、お行きなさい。そして今晩にも桜さんをお連れするの。いいわね」
「はい・・・摩耶子様」
自らの主人が桜ではなくなったことを宣言するかのように美月はそう答える。
部屋を出て行く美月の後姿を見やり、今晩桜がここへ来ることを思うと心が浮き立つのを抑えられない摩耶子だった。
END
2006年の3月5日に第一回が旧ブログで掲載されて以来、約3年もの歳月をかけてしまった「帝都奇譚」ですが、ここで一応の区切りとさせていただきます。
内容についてはもういうまでもなくグダグダになってしまいました。
使えた設定使えなかった設定さまざまです。
選択肢を提示して、多かったリクエストに沿って書くという構想も上手に消化することができませんでした。
途中でこのまま未完で沈めてしまおうと思ったことも何度もありました。
ですが、やはり書き始めた以上は、何らかの形でけりをつけようと思い、こうして最後まで書き上げることができました。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
本当に皆様に感謝感謝でございます。
力及ばずいいできではなかったことは平にご容赦のほどを。
この経験を糧に力量のさらなる向上を目指します。
どうかこれからも応援のほどをよろしくお願いいたします。
長い間「帝都奇譚」にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
それでは次作でまたお会いいたしましょう。
- 2009/03/13(金) 21:16:32|
- 帝都奇譚
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2005年7月から2006年7月まで続けていたMSNスペースでの旧ブログですが、このたび全ての記事をこちらのブログに移動させました。
ですので、今まで記事の保管のために保守してきた旧ブログを閉鎖します。
訪問履歴とか見ましても、いまだに旧ブログを通ってこちらのブログへやってきているという方はほとんどいないと思いますので、閉鎖しても問題はないと思います。
旧ブログのSSは全てこちらに移したか、「
舞方雅人の趣味の掲示板」のほうに掲載してありますので、こちらに関しても問題ないと思います。
もっと早く全ての記事を移す予定でしたが、結構手間取ってしまいました。
旧ブログは明日にも閉鎖します。
もし、まだ旧ブログへのリンクがつながっているという方がおられましたら、旧ブログに関してはリンクを解除してくださいませ。
旧ブログは閉鎖しますけど、こちらはまだまだ続けますよー。
これからもよろしくお願いいたします。
旧ブログにお付き合いくださいました皆様。
ありがとうございました。
- 2009/03/12(木) 20:54:41|
- ネット関連
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阪神ファンの私としては、この話題は書かないわけには行かないでしょう。
1985年。
プロ野球は阪神タイガースほぼ一色に塗り込められました。
開幕五連敗(引き分け挟む)でスタートしたこの年、4月17日の阪神対巨人戦、巨人槙原投手から、バース選手、掛布選手、岡田選手が伝説ともなる甲子園バックスクリーン三連発を放ち勝利。
以後、阪神タイガースはホームランの量産を続け、上位をキープ。
8月には日航ジャンボ機の墜落事故で中埜球団社長を失うという悲劇もありましたが、同月27日には首位に立ち、ついに10月16日にヤクルトに引き分けて優勝を決めました。
その後、日本シリーズでも西武に四勝二敗で勝って日本一となるわけですが、この阪神タイガース優勝時に、今でも最強助っ人の一人としてたたえられる外国人選手ランディ・バース氏に風貌が似ているといわれ、ファンの手によって持ち去られた挙句に道頓堀川に投げ込まれてしまった、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースおじさんの人形が、このたび道頓堀川から24年ぶりに発見されたというのです。
阪神タイガースは、1985年の優勝のあと、極端な低迷期に迷い込み、2003年になるまで優勝から遠ざかってしまいます。
この間、カーネル・サンダース人形が道頓堀川から引き揚げられることなく行方不明であったため、ファンの間からは阪神が優勝できないのはこのカーネル・サンダースの呪いではないかとまでささやかれたものでした。
2003年に優勝したことで、呪いは解けたという話もありましたが、昨年13ゲーム差をひっくり返されるという事態を見ると、まだまだ呪いは解けてなかったのかもしれません。(笑)
そのカーネル・サンダースの人形がシーズン開幕前についに見つかったということで、今度こそ呪いは解けるだろうと大阪はにぎわっているようです。
すでに引き取りたいというところが数ヶ所あり、争奪戦に発展しかねない模様で、ケンタッキーフライドチキン側の対応が気になるところですね。
今のところ引き取りたいと名乗りを上げているのは、阪神甲子園球場と、通天閣のようですけど、ファンとしては甲子園球場に置いて欲しいかなと思います。
新井選手や久保田投手の故障など、気がかりな面もある今年の阪神ですが、災い転じて福となすで、カーネルおじさんに見守っていただき、優勝目指してがんばってほしいものです。
今年は頼むぞタイガース。
それではまた。
- 2009/03/11(水) 21:09:56|
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三月に入り、各地でプロ野球のオープン戦たけなわな状況ですが、今年はそのほかにWBC(ワールドベースボールクラシック)という世界規模の野球大会が開催されてます。
日本も原監督の下で「侍ジャパン」とニックネームをつけられた代表チームが、東京ドームでの第一ステージを対戦いたしました。
初戦の中国戦を4-0で勝ちあがったものの、固さが残る日本代表は、次戦の韓国戦に不安を残したわけですが、幸い二戦目の韓国戦には14-2と大勝しました。
このままアメリカで行なわれる第二ステージに乗り込んで欲しかったところですが、WBCのトーナメントルールに基づき敗者復活で勝ちあがってきた韓国と再度対戦。
緊迫の投手戦となりましたが、0-1で韓国に敗れました。
驕りがあったわけでも油断があったわけでもないのでしょうけど、やはり打線は水物ということでしょうか。
昨日の韓国戦はぱったりと打てなかったですね。
お互いにミスが出ましたが、少ないチャンスをものにした韓国が最少得点での勝利でした。
機動力を使うような場面も作り出すことができず、韓国投手陣に揺さぶりをかけることもできなかったような気がします。
力の差はお互いにそうないと思うので、チャンスをつかめたかどうかが勝敗を分けたのでしょうね。
阪神は今日のオープン戦で新外国人メンチ選手がホームランを打ちましたが、やはり打線があまり調子よくないようです。
新井選手が腕を痛めたようですし、メンチ選手もあまり打撃が振るわないようです。
オープン戦でバカスカ打って(打たされて)、研究されてシーズンではさっぱりというのもいやですが、オープン戦ですら打てないというのも不安ですね。
打線が低調なのは日本ハムも同様でしょうか。
中田選手は二軍落ちのピンチですね。
やはりまだまだ力が足りないのか。
高卒二年目ですから、今年一年ぐらいはまだまだ鍛えていかないとならないようですね。
開幕は来月三日。
スタートダッシュを決めるのはどこでしょうか。
願わくば阪神と日本ハムにダッシュして欲しいんですけどね。
それではまた。
追伸です。
昨日、いろいろといじったブログですが、たった一日での変更でもうしわけありませんけど、カテゴリー別の記事の並びを以前と同じく新しいものからに直しました。
古い記事からというのは、どうも旧ブログからの移設記事なのであまり見栄えがしないというか、未熟な記事ばかりでお恥ずかしいんです。
なので、新しい記事から表示させてくださいませ。
カテゴリーを増やしましたので、SSに関してもそれほど読みづらくないのではないかとは思うのですが、FC2にはカテゴリーごとに古い順からとか新しい順からとか変えられるようリクエスト中です。
導入されるかどうかわかりませんが、導入されましたらカテゴリー別も読みやすくなると思いますので、当面はご了承くださいませ。
- 2009/03/10(火) 21:10:12|
- スポーツ
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今(以前からも)私はASL(SKですが)にはまっております。
もっとも、スタンダードには進んでいないので、モジュールを全てそろえていらっしゃるような方から見るとまだまだだということになるのかもしれませんけどね。(笑)
こちらのブログでもプレイ風景など書いたり、ユニットにまつわる実際の兵器の記事などを書いたりして、少しでもASLの魅力を感じていただければと思っておりますが、新たにASLを始めようとする方にとって、今現在の状況はよいものとは言えません。
なぜならば、基本とも言うべきモジュールである「Beyond Valor」(ドイツ軍、ソ連軍、フィンランド軍が入っているモジュール)が出版元であるMMP社において在庫無しな状況なのです。

このモジュールなくしてASLは始められません。
ですが、在庫切れで手に入りません。
これは非常につらいことだと思います。
新たに始めようとする人は、まずここでストップせざるを得ません。
(再販作業中ではあるようです)
では、スタンダードに進む前にSK(スターターキット)から始めてみようとするとどうでしょうか?
こちらもSK1が在庫切れで手に入りません。

SKは各ゲームが独立しているので、いきなりSK2やSK3から入ってもいいので、そこは救いなのですが、やはりSK1から始めたいというのも人情でしょう。
せめて基本となる最初のモジュールである「Beyond Valor」やSK1は在庫を保持していて欲しいと思うのですが、なかなかそうも行かないんでしょうね。
SKについてはSK2もしくはSK3からいきなり始めることもありなので、興味のある方はぜひぜひー。
難しそうに感じますけど、そんなことないですよ。
面白いゲームなので、多くの方がASLに触れてみてほしいものです。
ゲームのことはここまで。
今日はブログをいろいろといじってみました。
まず、カテゴリーを大幅に増やしました。
三回以上に渡って掲載されたSSについては基本的に一つのカテゴリーにしました。
また、「短編SS」も、「洗脳系」「改造・機械化系」「異形・魔物化系」などに分類しました。
そしてブログ記事としては、普通は上が新しい記事なのですが、カテゴリーから開いたときには上に古い記事がくるようにしました。
これでSSは上に一話目が来るようになりました。
「趣味」や「ウォーゲーム」のように多くの記事があるカテゴリーは、新しい記事が後ろに行ってしまうので、かなり見づらくなってしまいましたが、検索で調べることもできますので、そちらを利用していただければと思います。
また、旧ブログから、2006年2月分の記事をこちらに移動しました。
おかげで「悪の組織を作ろう」がこちらで読めるようになりました。
読みやすくなった、読みづらくなったなど、ご意見ございましたらぜひご意見をコメントでお寄せくださいませ。
それではまた。
- 2009/03/09(月) 21:12:50|
- ウォーゲーム
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ココロ、見ちゃいました。舞方雅人さんのベッドの下に乗員が隠してあるのを……
*このエントリは、
ブログペットのココロが書いてます♪
- 2009/03/09(月) 10:34:32|
- ココロの日記
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今日はちょっとPCの中身を整理しておりました。
使っているPCもそろそろロートルなんですが、まだまだがんばってもらわなくちゃ・・・
ということで、容量がいっぱいになってきたHDDを、少しでも容量確保しようと思って、いらないのは削るか外付けに移動させようと思ったのが始まり。
なんせデフラグしようにも「空き容量が足りません」なんて出るものだから、デフラグもできやしない。
何でこんなにたまったかなぁ・・・
まあ、アップデートやらスカイプの導入やら通信対戦用のモジュールのダウンロードやらいろいろやっているからなぁ・・・
ということで、ちまちまと画像を削ってみたり、録音してあった音楽を消してみたり、いらないテキストファイルなどを削ってみたりしたものの、そんなことで容量はそれほど確保できません。
まあ、こんなものかなーと思って、それでもデフラグできるだけの空き容量は確保したのでデフラグ開始。
でも、デフラグしても断片化した部分がそう解消されません。
空き容量も不足気味だし仕方ないなーと思って断片化している部分を確認すると・・・
おや?
○○○体験版
×××体験版
△△△体験版
なんだかゲームの体験版ばかりですよ?
そういえば結構ダウンロードしていたような気が・・・
しかも落としたあとはやってない。(笑)
現物手に入れたものも多いので、体験版なぞは削除してもいいやと思ってフォルダを見ると・・・
あるわあるわ、体験版がいっぱい。(笑)
それらを削除したところ、なんとHDDの空き容量が大幅アップ。
なんと容量の三割以上も食いつぶしていたのかー。
その後再度デフラグをかけたら、すっきり断片化も無くなってOKOK。
体験版って結構容量食うんだなー。
びっくりでした。
とまあ、そんなことをしていた一日。
創作活動には手が出ずじまい。
困ったもんだ。
それではまた。
- 2009/03/08(日) 20:39:04|
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新しいリンク先ができました。
ふたばの「悪堕ちスレ」で「キャラクターなんとか機」で作成したキャライラストを投下し、それに伴う悪堕ちSSを発表なさっているMizuha様のブログ、「
「なんとか」悪堕ちさせてみる。」です。
(ブログ名をクリックすると、リンク先に飛ぶことができます)
Mizuha様は、「悪堕ちスレ」発祥の正義戦隊セイバーズ対悪の組織ダーククロスのさまざまな設定や物語を収めた「
セイバーズ&ダーククロスまとめ」サイトにSSが掲載されていらっしゃる悪堕ち好きな創作家の方でいらっしゃいます。
このたび、新たにご自身の悪堕ち系創作物を掲載するブログを開設されたとのことで、早々にリンクをさせていただきました。
まだ開設されたばかりですので、中身に関してはこれからじょじょに掲載されていくことになるのでしょうけど、その力量の程は「悪堕ちスレ」で発揮されておりますので、きっと楽しい悪堕ち作品がこれから広がっていくことと思います。
私も、皆様と一緒に新たな悪堕ち創作家の出発を応援していきたいと思います。
Mizuha様、リンクどうもありがとうございました。
- 2009/03/08(日) 20:17:13|
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「世界の艦船」の4月号です。

今回はお隣の韓国海軍の特集。
表紙も韓国海軍のイージス艦「セジョン・デワン(世宗大王)」の船体中央部ですね。
今号を見てわかることは、韓国海軍の強化が著しいということでしょう。
この「セジョン・デワン」を初めとするイージス艦が建造中を含めて三隻、ミサイル駆逐艦が六隻、燃料電池潜水艦が建造中を含めて三隻、通常動力潜水艦が九隻。
堂々たる戦力です。
さらに強襲揚陸艦「ドクト(独島)」を中核とする揚陸艦も合計五隻。
海上戦力的には北朝鮮の海軍力を大きく引き離しているといえるでしょう。
日本にとっても、良きにつけ悪しきにつけ意識しないとならない戦力です。
ちょっとこの本の内容とは離れますが、海上自衛隊も海上保安庁も大幅な艦船の更新時期に来ています。
海上自衛隊はまだマシなほうですが、海上保安庁にいたっては所属船艇の三割が耐用年数を超えているといいます。
いざというとき、いや日常から日本の海の安全を守ってもらわなくてはならない組織なのに、海上保安庁に回る予算は微々たるモノで、更新はまったくままなりません。
十隻の更新が必要でも、二、三隻分の予算しかないのです。
ですが、同じ国土交通省の道路局には多額の予算が下りてます。
そのあたり、何とかならないものなのでしょうか・・・
閑話休題。
そのほかの内容としては、アメリカに新型空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」が就役したことがカラーページで紹介されています。
いわゆるパパブッシュですね。
1月10日の就役なので、ぎりぎり息子のブッシュ大統領の任期に間に合ったというところでしょうか。
これでアメリカの巨大な戦力の中核をなす巨大空母「ニミッツ」級の最後の一隻が完成しました。
ニミッツの就役が1975年ですから、34年後に十番艦が完成したことになります。
驚くべき長期にわたって建造されてきた同型艦ということになりますね。
また、横浜水上警察署の現有全船艇のカラー写真なども興味深いところです。
豪華客船「MSCファンタジア」の船内写真もすごい。
もうね、ホント豪華です。
テニスコートにプールにバーラウンジ。
どんな人が乗るんだろうって思いますね。
いつものことながらいろいろと楽しませてくれる雑誌です。
中身、じっくり読んでみなくては。
それではまた。
- 2009/03/07(土) 20:43:52|
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