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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

空母から発進した陸軍機

昭和16年(1941年)12月8日の真珠湾攻撃に始まり、マレー沖海戦やシンガポールの陥落、それに引き続くフィリピンの失陥とインドネシアの陥落と、連合軍は予想以上の敗退を日本軍に対してこうむる結果となりました。

対日戦をある程度予期していたルーズベルト大統領といえども、日本軍のここまでの攻勢は想像外だったともいわれ、国民の士気高揚のためにも一度ぐらいは日本に対する勝利をどこかで得る必要を感じておりました。

伊17号潜水艦によるアメリカ本土攻撃にアメリカ自身が相当な衝撃を受けたように、おそらく日本も本土に対して攻撃を受けることこそもっとも衝撃を受けるものと考えられ、航空機による日本本土爆撃が話し合いの議題として出されます。
しかし、B-17のような長距離爆撃機といえども、日本本土を爆撃できる距離に米軍の基地はなく、またソ連の基地も日ソ中立条約の手前使用できるものではありませんでした。

となると、海上から航空母艦の搭載機で空襲を行なうことが考えられましたが、今度は艦載機の航続距離の短さから、貴重な空母を日本近海まで進出させる必要があるため、日本軍の反撃による損失を懸念しなくてはならず、空母の隻数が少ない現状では難しいものでした。

異説もあるのですが、たまたま米英両国の共同会議の中で、アフリカ方面への米国製航空機を英国軍に引き渡すための輸送に航空母艦を充てるということが決まり、それならば陸軍の中型爆撃機を空母から発進させることも可能ではと考えられたといいます。

陸軍の中型爆撃機であれば、B-17よりは航続距離が短いものの、艦載機よりは遥かに長い航続力を持っており、さらには搭載できる爆弾量も大きいものがあります。
日本本土爆撃にこの中型爆撃機を空母から発進させて使うことはできないだろうか。
アメリカの研究が始まりました。

大きな問題は二点でした。
1)、陸軍の中型爆撃機は空母に着艦できるのか?
2)、燃料と爆弾を搭載して空母から発進できるのか?
ほかのもろもろの諸問題は、全てこの二点に集約することができるでしょう。
そして、結論は単純明快なものでした。

1については論外。
空母への着艦は不可能。
しかし、2については多少の問題はあるが、可能であるとしたのです。
これで陸軍の中型爆撃機を使って日本本土を空襲するという計画が動き始めました。

機種はB-25とB-26の二種類の双発爆撃機の中からB-25が選ばれました。
そして、空母から発進するために徹底的な軽量化が行なわれます。
防衛用の下部銃座も取り外し、代わりに黒く塗った木の棒を取り付けるという有様でした。
また、最大限の航続距離を得るために爆弾倉の一部にも燃料タンクを取り付け、長距離の飛行を可能にしました。
これは先ほどの空母への着艦は不可能という回答から導かれたもので、日本への爆撃後は日本本土を飛び越えて中国に着陸する予定だったため、その分の航続力を確保する必要があったのです。

こうしてB-25の十六機が空母から発進できるように改良されました。
航空隊の指揮官として選ばれたのはジミー・ドゥーリットル中佐。
彼はテストパイロットとしての実績もあり、マサチューセッツ工科大学の博士号も持っているという“インディー・ジョーンズ”並みの人物だったといわれ、こうした冒険的作戦にうってつけと見られたのです。

B-25を搭載するのは新鋭空母「ホーネット」に決まりました。
「ヨークタウン」級空母の三番艦として就役したばかりです。
ホーネットは図体のでかい陸軍中型爆撃機を十六機も載せて、サンフランシスコを出港。
時に昭和17年(1942年)4月2日のことでした。

4月17日。
翌4月18日に日本攻撃のために飛び立つ予定を控えたホーネット艦上に緊張が走ります。
漁船を徴用し無理やり哨戒艇にした日本の特設監視艇第二十三日東丸がホーネット隊を発見。
日本軍に接近を知られてしまったのです。
第二十三日東丸はその後撃沈されるものの、日本軍の防空体勢が整えられることを恐れた米軍は予定より早くドゥーリットル隊を発進させることにしました。

4月18日早朝。
まだ夜が明けたばかりの空に、十六機のB-25が次々と飛び立って行きました。
懸念された発進時の事故もなく、無事に発艦できたのです。

第二十三日東丸が自らの最後とともに伝達したホーネット隊接近の報告を、日本軍はうまく活用することができませんでした。
航空母艦が本土空襲をするとなれば、もっと日本本土に接近する必要があると考え、空襲は19日とみなしていたのです。
まさか陸軍の中型爆撃機が空母から飛んでくるなどとは思いもしませんでした。

4月18日土曜日の穏やかな昼下がり。
帝都東京に空襲警報が発令されました。
十六機のB-25のうち、十三機は東京や川崎横浜などを爆撃。
残り三機は名古屋及び神戸を爆撃しました。
日本は効果的な防空迎撃を行なうことができず、一機も撃墜することができずに離脱を許してしまいます。

B-25は一機がウラジオストックに着陸したほかは中国に着陸。
日本本土爆撃は成功に終わりました。

この成功はアメリカ国民の士気高揚に多大なる貢献を果たし、一方日本は大きな衝撃を受けました。
帝都上空をのうのうと飛び回られ、一機も撃墜できなかったことは陸海軍を震撼させました。
いまや空母から陸軍機が発進してくることがわかった以上、米空母をなんとしても沈めなくてはなりません。
米空母撃滅のための作戦が急がれることになりました。

それではまた。
  1. 2009/01/29(木) 20:49:23|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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