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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

さらにもう一つの・・・

昨日「ある少女の面接」の「もう一つのおしまい」を投下させていただきましたところ、こちらも好評で迎えていただくことができ、書き手として本当にうれしく思います。
皆様、ありがとうございました。

そして今日、「もう一つのおしまい」の元アイディアをいただきましたEnne様より、私が書くとこうなるよというバージョンを当ブログに投稿していただくことができました。
そこで、三日連続とはなってしまいますが、ここにEnne様バージョン、「さらにもう一つの・・・」を掲載させていただきます。

読み比べていただくとお分かりになると思いますが、Enne様のバージョンは、まさに仲のよい女性が楽しく悪事をたくらんでいるという感じで、読んでて非常にほほえましいものを感じます。
きっと私との作風の違いを存分にお楽しみいただけるものと思います。

どうぞぜひこの素敵な世界を味わってくださいませ。
よろしければ拍手感想なりいただければと思います。
Enne様、作品投稿ありがとうございました。


「さらにもう一つの・・・」

でも、額から伸びる触角がふるふると震えると、すぐに私は外部のことが手に取るように察知できた。

「すっごぉい。まるで本物の女怪人になったみたいです。これならショーでだって、ううん、道端でだって子供たちを怖がらせてやれますね」
「うふふふ、そうよぉ、まずはお子様を恐怖のずんどこ、こほん、どん底にご招待するのが悪の王道
 違うかしらぁ?」
にこやかに微笑む闇川さん。
それになんだか可愛らしい言い方だわ、「ずんどこ」だなんて。
案外ノリのいい人なのかも、ううんきっとそうだわ、ほらよく言うじゃない?
『お宅はお宅を知るもののために死す』とか何とか、だからわたしのシュミがぴーんてきちゃったんだよね。
うんうん、それなら、即採用ってのも納得できちゃうよ。

「そ、そうです、そうですよね、『王道』『お約束』すっごく燃えます」
「あははっ、じゃ、弘美さん、弘美さんの名前も決めて上げましょうね」
「え、名前ですか?」
「何言ってるのよ、怪人には怪人らしい名前が必要でしょっ?」
「あ、ホントです、はいっお願いします、闇川さん」
「こらこら、その姿で闇川さんって言うかな、台無しじゃない」
「あ!も、申し訳ありません、あ、あの何とお呼びすれば?」

すると闇川さんはすっくと立ち上がると肩にかかるショートマントをさっと翻してこういったものだ

「わたしは、ここ、青空市を支配する(えっと予定のね)シャドウ・ブラック青空支部長
 ヘル・ザーラ、よく覚えておきなさい!」
「きゃぁ、かっこいい、いい、いい、いいですヘル・ザーラ様」
「ふふっありがと」
「で、でも予定とか言うときにてへっとか舌出さないで下さい、だいいち予定なんですかぁ」
「あはは、だってさ、仕方ないじゃない、何しろ人材不足もいいとこなのよ、でも貴女、そう
 貴女は今日から我がシャドウ・ブラックの怪人 ム・カデーラ
 ム・カデーラそなたが入社してくれたのだからこれで作戦も展開できるというものよ」

「ム・カデーラ・・・」
そう呼ばれたとたんに、なんかびびーんってきた、来た来ちゃったよ
きっとわたしちょっと放心しちゃってたんじゃないかって思うわ
気が付くと目の前に闇川さ・・・あ、いえヘル・ザーラ様のお顔が・・・

「どうかして?ム・カデーラ?お顔がマスクの下でほんのり紅くなっちゃってるけど?」
「ひゃぁ、な、なんでも、あ、ありませんっ」
「うふっふ、うそ、うそ、嘘つき、ム・カデーラの嘘つき」

ヘル・ザーラ様はそう仰るとわたしの頭を優しく、こつんってされた
「あぅ」
「うふふっ言ってあげましょうか?来ちゃったんでしょ?夢が叶ってどきどきしちゃったんじゃなくって?」
「ひゃ、ヒャーィ」
思わずさっきの戦闘員おねぇさんがしたような声がでちゃった

「うふふん、正直になったわね、正直な子は大好きよ、じゃ正直になったご褒美に、もひとつ夢をかなえてあげましょう」
「夢、ですか?」
「そうよ、きっと貴女が抱えてる夢、ずっとずっとあきらめてたゆ・め」
「ヒャィーッ!」
今度はすんなりお返事が出来ちゃった

ヘル・ザーラ様は満足げに頷くと、こう仰ったの

「怪人 ム・カデーラ、シャドウ・ブラックへの忠誠の証として我が前に跪くがよい!」

もう、そのあとのことなんて、ほとんど夢の中の出来事みたい

ヘル・ザーラ様の御前に跪いたのも
そのあと戦闘員のおねぃさんたちに囲まれて特別な『お祝い』してもらっちゃったのも
いや、忘れてなんかいないよっ、ぜぇったい忘れることなんてないけど
なんだかほんっと嬉しすぎるとさ、現実感がぶっ飛んじゃうんだよねぇ

それからというものは
こんな感じで毎日が進んじゃったの

「じゃ、じゃ、幼稚園バスジャックとかどうでしょう?」
「あ、いいわねぇ~、さすが優秀な人材ね」
「えへへ~。あ、ごめんなさい、でしゃばって申しわけありません、ヒャィィー!」
「あはは、ノリノりねぇ、良いわよ~、その調子で、がんがんアイデア、いや、作戦具申してもいいのだぞっ?」
「あはっ、闇川さんまで、司令官みたいです」
「こほん、なにをいぅ、これでもシャドウブラック、青空市司令官ヘル・ザーラなのだ」
ヘル・ザーラ様はそういいながら、片眼を瞑ってウインクして見せる

そりゃさ、邪魔っけな警官とか
なんだかダサダサな原色スーツ着たうざい連中とか色々邪魔してくるんだけど
ほら、バイトって何でも大変じゃない?

先輩のおねぇさんたちを前線に送り出して原色スーツの連中が撃ってくるでっかいバズーカの弾を
防がせたりとか命令するのはちょっとばかり気が引けるんだけど

「なに言ってるの、ム・カデーラちゃんは怪人さん、怪人さんの作戦遂行の盾になるのが私達なのよ?」
「そうそう、どんどん命令してくれればいいいの」
「そうよー、戦闘員は使い捨てってのが華よねぇ」
「ム・カデーラちゃんだってヘル・ザーラ様の命令なら同じことするでしょ?おあいこよ、ね?」

わたしがわたしの命令で散っていったおねぇさんのことで一人泣いていると
先輩なのに、おねぇさん達がそういって慰めてくれたりするしね
でも、仮にも怪人なのにいまだにおねぇさん達ってばそういうときにはわたしの頭をみんなで撫でてきたりするんだよねぇ
戦闘員に可愛がられる怪人ってのもどうかなって思っちゃうよ

だけど、こんな人間関係のいいバイト先って少ないんじゃないかなって思うんだ

時給は・・・時給はちょっとばっか安いのがちょっとアレなんだけどね、あはっ


そんなわけで
わたしのバイトは現在も継続中
ね、どう?
君も一緒にバイトしない?

最近青空支部も成績が良いんで、もう2、3人バイトが欲しいんだ
ね?君なんか蜂ヲンナ型怪人ラ・ビィーにぴったりって思うんだけど?
それとも、蜘蛛ヲンナ型怪人タ・ランテのほうがいい??


                       END
  1. 2008/07/12(土) 19:33:15|
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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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