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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

久しぶりの改造SS

久しぶりに二次創作改造短編SSを書いてみました。
楽しんでいただけるとうれしいです。


「先生! 急患お願いします」
「先生、ICUの患者さんが・・・」
次々と看護婦たちが彼女の元にやってくる。
「わかったわ、すぐ行きます」
「そちらは大前先生に頼んでちょうだい、彼なら大丈夫よ」
てきぱきと指示を下し、自らも急患を診察するために救命センターの方へ走って行く。
いつものようにあわただしい総合病院の激務が彼女を襲っていた。

「ふう・・・どうやら今日も無事終わったようね」
夜になり、ホッと一息つく。
当直の場合はこれからまた夜間診療に当たらなければならないが、今日は当直勤務ではない。
冷たいジュースを自販機で買い、ゆっくりと喉を潤した。
「瑞希先生、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
看護婦たちがにこやかに挨拶してナースステーションに向かって行く。
これからの夜勤につくのだろう。
「ご苦労様」
彼女は看護婦たちに何か違和感を感じたものの、それが何かわからない。
結局ジュースの空き缶を空き缶入れに放り込むと、尾久坂瑞希(おくざか みずき)は帰り支度のために更衣室に向かうのだった。

自宅への帰路、瑞希は先ほど感じた違和感がなぜだったのかに思い至る。
彼女たちは看護婦だというのに毒々しいアイシャドウと黒っぽい口紅をつけていたのだ。
寒々とした病院の廊下では一瞬気がつかなかったのだろう。
それにしても、看護婦のする化粧ではない。
きっと昼間にどこかで遊び歩いて、そのままの化粧で来てしまったのだろう。
今頃は婦長にしっかりとお説教を食らったのではないだろうか。
遊びかぁ・・・
最近カラオケにも行ってないなぁ・・・
瑞希はそんなことを思い苦笑する。
総合病院の救命医になったのだから激務は覚悟していたものの、これじゃ恋する暇もありはしない。
友人たちは次々と結婚式の招待状を送ってよこすが、お祝いの電話をかけるのが精一杯。
披露宴で新郎の友人をゲットしようと誘われても、行く暇もありはしないのだ。
あ~~あ・・・
お酒でも少し飲もうかな・・・
瑞希はコンビニの明かりが見えてきたことで、ワインでも買って帰ろうかと思うのだった。

携帯の着メロがなる。
ポケットの中で携帯が振動する。
やれやれ・・・
自宅まであと十数メートルだというのに・・・
ワインとチーズの入ったコンビニの袋を片手に瑞希は携帯を取り出す。
着信先は思ったとおり総合病院。
きっと急患だわ・・・
瑞希はそう思いながら携帯に出る。
「もしもし」
『あ、瑞希先生ですか? すみません、大至急戻っていただけませんでしょうか』
切羽詰ったような看護婦の声。
やはり急患が入ったのだろう。
「何かあったの?」
それでも瑞希も人間だ。
戻らずにすむものなら戻らずに済ませたい。
「交通事故が重なったようで重傷者が数名運ばれてきたんです。当直だけでは正直手が足りなくて・・・」
ハア・・・
内心でため息をつく瑞希。
「わかったわ、すぐに戻ります」
瑞希は携帯を閉じると、すぐに通りに向かいタクシーを拾うのだった。

「変ね・・・」
病院に戻った瑞希だったが、意外に病院内が静かなことに気がついた。
重傷患者が数名運び込まれたのであれば、もう少し騒然としていてもいいはずなのだ。
しかもどことなく薄暗い。
明かりはついているというのに寒々としているのだ。
どうしたんだろ・・・
いつも見慣れている病院内のはずなのに、今は見慣れない別の場所にいるみたい。
「とりあえずこうしてはいられないわね」
瑞希は更衣室で白衣を身に纏うと、コンビニの袋を押し込んで救命センターの方へ向かった。

救命センターの方へ向かっても、静けさはそのままだった。
いったい重傷者が運び込まれたというのは本当なのだろうか?
なんとなく不気味さすら瑞希は感じてしまう。
「瑞希先生、お待ちしておりました」
突然背後から声をかけられ、飛び上がるほど驚く瑞希。
どこかの部屋からでも出てきたのだろうか。
一人の看護婦が瑞希の後ろに立っていたのだ。
「仁木原さん、驚かさないでよ。びっくりしたわ」
瑞希はその看護婦がいつもにこやかで茶目っ気のある知り合いの若い看護婦だということで胸をなでおろす。
だが、次の瞬間、瑞希の表情が険しくなった。
看護婦の目の周りには毒々しい黒のアイシャドウが引かれ、唇は黒っぽい口紅で染められていたのだ。
「仁木原さん、あなたそんな化粧をして、どういうつもり?」
「うふふふ・・・さあ、瑞希先生、患者がお待ちです。第一手術室へどうぞ」
瑞希の指摘をまったく意に介した様子もなく、看護婦はくるりと背を向けて歩き出す。
「ちょ、ちょっと、第一手術室って手術が必要なの? いったい何がどうなっているの?」
「来ればわかります。さあ、瑞希先生、ついて来てください」
にやりと口元に笑みを浮かべ、瑞希を促す看護婦。
「な、何なのよ、もう・・・」
瑞希はやむを得ず彼女のあとについていくのだった。

第一手術室の扉が開く。
中には数名の看護婦たちが手術台を取り囲んでいた。
おかしい・・・
瑞希はとっさにそう思う。
医師の姿が誰一人としていないのだ。
他の手術にかかりきりとも考えられるが、それにしてもおかしすぎる。
しかも看護婦たちは手術着ではなく普通の白衣のままではないか。
「瑞希先生。お待ちしておりました」
「こちらへどうぞ」
看護婦たちがいっせいに瑞希の方を向く。
「ひっ」
瑞希は息を呑んだ。
看護婦たちはみな一様にアイシャドウをし、唇を黒く染めているのだ。
あまりの不気味さに瑞希は言葉を失った。
「な、何なの、あなたたち」
思わず後ずさりする瑞希。
だが、入り口はすでに二人の看護婦が固めていた。
「瑞希先生、怖がることは何もありません。先生は栄光あるデストロンによって選ばれたのですわ」
瑞希をここへ案内した仁木原看護婦がそっと背後から腕を取る。
反対からももう一人の看護婦が腕を取り、瑞希を手術台に連れて行く。
「ちょ、は、離して」
「これから手術が始まります。瑞希先生が必要なんです」
瑞希は抵抗しようとしたものの、両腕をがっちりと押さえつけられ、逃げ出すことはできなかった。

「な、何よこれ?」
瑞希は思わず声を上げる。
手術台の上に載せられていたのは重傷を負った患者ではなかったのだ。
そこには一台のテレビが置かれ、まるで瑞希の方を見上げるかのように画面が瑞希を向いていた。
「て、テレビじゃない? いい加減にふざけるのはやめてよ! あんたたち、いたずらも度が過ぎているわ!」
瑞希は怒りが湧き起こった。
こんな時間に呼び出しておいて、急患だと思うから来てみれば、手術台にテレビを載せて手術させようというのか?
ふざけているにもほどがある。
瑞希は必死で両腕を振りほどこうとしたが、まるで人間とは思えないほどの力が看護婦たちにはあるようで、まったく振りほどくことはできなかった。
「「これより手術を行います」」
看護婦たちが唱和する。
「ふざけないで! テレビの手術なんかできるものですか!」
「いいえ、手術を受けるのは瑞希先生。あなたです」
にやりと笑う看護婦たち。
彼女たちはいっせいに白衣を脱ぎ捨てると、驚いたことに全員が黒いレオタードを着込み、網タイツを穿いていた。
そしてその黒いレオタードには、白くサソリをモチーフにしたであろう文様が記されているのだ。
「あ、あなたたちはいったい・・・」
「「私たちは栄光あるデストロンの女戦闘員。この病院の看護婦の中より選ばれ、改造を受けたのだ。イーッ!!」」
右手を高く上げ、奇妙な声を上げる看護婦たち。
瑞希はもうあまりのことに何がなんだかわからなかった。

「い、いやぁーっ!!」
無理やり両肩を押さえつけられて手術台に近づけさせられる瑞希。
目の前には一台のテレビのブラウン管が瑞希の恐怖に満ちた表情をうっすらと反射している。
突然そのブラウン管が明るくなったと思うと、ザーッという何も写さない荒れた画面が表示された。
えっ?
な、何なの?
見たところ手術台に置かれたテレビには電源コードがついていない。
電池で作動するとも思えないが、いきなり電源が入ったのだ。
しかも、何も映し出していなかった画面はすぐに切り替わり、彼女の顔を映し出す。
「ええっ?」
驚きの声を上げる瑞希をよそに、黒いレオタード姿になった女戦闘員たちは瑞希の両腕と両肩を押さえつけ、瑞希は正面から画面を見る羽目になってしまう。
やがてテレビ画面には奇妙なうずまき模様が表示され、それはぐるぐると回転して瑞希の目を惑わせる。
いけない・・・これを見てはいけない・・・
瑞希はとっさにそう思ったものの、彼女の目は意思に反して画面を見続けてしまう。
やがてうずまきを見入っていた瑞希は、意識が朦朧となり、躰の力が抜けていく。
「あ・・・ああ・・・」
ガクンと首をうなだれ、ぐったりとなってしまう瑞希。
それを見た女戦闘員たちの口元に笑みが浮かんだ。

ぐったりとなった瑞希は手術台に乗せられると、テレビと一緒に白いシーツをかけられる。
そしてデストロンが誇る改造手術が、彼女の肉体の改造を始める。
手術台の脇に設置されたボックスには、さらに彼女の躰に融合させるべく用意されたアフリカ産のヒトクイバエが入っており、液体によって溶かされたヒトクイバエのエキスが瑞希の躰に流し込まれる。
いつの間にか病院の手術台は、デストロンの自動改造手術台となっており、女戦闘員と化した看護婦たちの目の前で、瑞希の躰は異形の存在に変えられていくのだった。

やがて手術台は静かになり、ゆっくりと白いシーツが取り払われる。
ゆっくりと起き上がる異形化した瑞希。
その姿はまさにテレビとハエを取り込んだ女の姿。
両目の位置にはハエの巨大な複眼の代わりにテレビモニターが左右に置かれ、触角の代わりにはアンテナが額のあたりから伸びている。
喉元にはスイッチが並び、形のよかった瑞希の胸はハエの腹部を思わせる節に覆われたものへと変化していた。
背中にはハエの翅が広がり、躰全体を黒い毛が覆うその姿はまさに異形。
だが、かつての瑞希はその姿を見せつけるように誇らしげに立ち上がる。
「うふふふふ・・・なんてすばらしいのかしら。私は栄光あるデストロンの改造人間テレビバエ。今日からこの病院の院長は私が務めます。邪魔者はすべて始末するのよ。いいわね」
冷酷に言い放つ改造人間テレビバエ。
「「イーッ!!」」
誕生したテレビバエの前に勢ぞろいし、女戦闘員たちは右手を上げて敬礼した。

「テレビバエ」END
  1. 2008/04/25(金) 19:47:54|
  2. 怪人化・機械化系SS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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