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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

グレイバー(5)最終回

五日間連続で投下してきましたグレイバーも今日で終了です。
拙い作品をお読みくださいました皆様、本当にありがとうございました。

そして、なんとなんと、いつもお世話になっております「Kiss in the Dark」のg-than様より、作中に出てきます暗黒組織ルインの女幹部インビーナ様のイラストをいただきました。

20070706191824.jpg

なんと素敵で凛々しいインビーナ様でしょうか。
g-than様、本当にありがとうございました。

それではグレイバーの最終回、お楽しみいただければと思います。
よろしければ読んだあとにコメントなどいただけると、とてもとても嬉しいです。
お読みいただきまして、本当にありがとうございました。


5、
弥生ちゃんはしぶしぶながらだったのかもしれないけど、立ち上がってベルトを外し、手袋を脱いでいく。
私はそれを横目で見ながら、自分のベルトや手袋を外し始めた。
心臓がドキドキする。
衣服を脱ぐことがこんなにも苦しいことだなんて・・・
脱ぎたくない・・・
私の中で何かが命令してくるよう・・・
脱ぐな、脱ぐなって言ってくる。
ダメ!
脱がなきゃダメ!
脱がなきゃグレイバーになってしまうわ。
私はセーバーチームのオペレーターなんだから・・・

私はどうにかレオタードを脱ぎ捨てる。
必死に脱ぐって考えていたら、背中にスリットが入って脱げるようになったのだ。
今まで明るく感じていた室内が、マスクを外すと急に真っ暗な闇になる。
怖い・・・
こんな闇の中で裸でいるなんて・・・
いやだ・・・いやだよ・・・
でも、私は首を振り、必死の思いでストッキングも脱ぎ捨てる。
すっかり裸になった私は、手探りに近い状態でベッドの上からシーツを外し、それを躰に巻き付けた。
「ふう・・・」
真っ暗な中、とりあえずシーツにくるまれた私は一息つく。
弥生ちゃんはどうかしら。
私は暗がりの中に弥生ちゃんの姿を探した。

「すん・・・すん・・・」
弥生ちゃんは泣いていた。
私の言うとおりに裸になった弥生ちゃんは、肩を震わせて泣いていたのだ。
きっとつらい思いだったに違いない。
私だってレオタードを脱ぐのに必死の思いだったもん。
でも、弥生ちゃんは脱いでくれた。
私はそれが嬉しかった。
「弥生ちゃん・・・」
私は近づいて声をかけ、そっとシーツでくるんであげる。
恥ずかしいよね。
心細いよね。
こんな暗闇の中、裸でいるなんて耐えられないよね。
ごめんね。
私がこんな衣装を着て変装しようなんて言ったから・・・
「秋奈さん・・・」
弥生ちゃんが振り向いた。
闇の中でも涙に濡れた頬がわかる。
私は思わず抱きしめた。
「ごめんね、弥生ちゃん」
「秋奈さん・・・私怖い。裸でいるなんて怖い。着たいの・・・あのレオタードが着たいの」
弥生ちゃんは必死に私を見つめてくる。
でも私は首を振った。
「ダメ。それだけはダメ。あれを着たら敵の思う壺よ。私たちはグレイバーになっちゃう」
「敵? 敵ってなんですか? 本当にグレイバーになっちゃうんですか? 秋奈さんは確かめたんですか?」
「えっ?」
私はどきっとした。
そ、そりゃあ、確かめてはいないけど・・・
でも、あのレオタードを着ていたら・・・
着ていることがすごく気持ちよくて・・・
ルーィなんて言うようになって・・・
ダメ!
とにかくダメなの!
「ダメ! とにかくダメ! お願い弥生ちゃん。きっと助けが来るから。お兄ちゃんが助けに来てくれるから」
私はギュッと弥生ちゃんを抱きしめ、そう自分に言い聞かせた。

渇く・・・
渇く・・・
渇いていく・・・
露出しているのは耐えられない・・・
着たい・・・
着たい・・・
包まれたい・・・
闇の衣装に包まれたい・・・

暗闇の中、私は弥生ちゃんと二人でシーツにくるまって時を過ごす。
あれから何時間経ったのだろう・・・
何時間?
ううん・・・何日かもしれない・・・
レオタード・・・
レオタード・・・
すべすべしてとても気持ちいい・・・
着たい・・・
着たい・・・
あの心地よさに包まれたい・・・

どうしてこんなところにいるんだろう・・・
私たちはここで何をしているんだろう・・・
心が渇く・・・
じりじりと焼き尽くされるような思い。
裸だから・・・
裸だから心が渇く・・・
満たされたい・・・
漆黒の闇に包まれたい・・・

「秋奈・・・さん・・・」
弥生ちゃんが顔を上げる。
ずっとうつむいて躰を震わせていた弥生ちゃん。
「弥生ちゃん・・・もうすぐだよ・・・もうすぐ・・・」
何がもうすぐ?
もうすぐ何だと言うの?
変だ・・・
頭が働かない・・・
思うことはただ一つ・・・
レオタードが着たい・・・
「秋奈さん・・・私・・・レオタード・・・着たい・・・」
弥生ちゃんの目が私を見つめてくる。
その目が必死に訴えてくる。
「ダメ・・・着てはダメ・・・」
私はもう何度言ったかわからない言葉を繰り返す。
着てはダメ・・・
なぜダメなんだろう・・・
「秋奈さ・・・ん・・・だったら・・・だったら触るだけ・・・触るだけでいいの・・・触るだけで・・・」
「ダメ・・・それでもダメ・・・」
「どうして? どうしてなの? 触るだけでどうしていけないの?」
弥生ちゃんの声がきつくなる。
「どうしてって・・・あれに触ったら・・・触っちゃったら・・・」
触ったら・・・どうだというの?
何があるというの?
わからない・・・
思い出せない・・・
暗闇の中でどうして私たちは裸でいるんだろう・・・
手を伸ばせば、すぐにレオタードが手に届く・・・
レオタード・・・着たい・・・
あのレオタードに包まれたい・・・

「レオ・・・タード・・・」
ふらっと立ち上がる弥生ちゃん。
何をする気かしら?
シーツがはずれ、暗闇の中に彼女の裸身が浮き上がる。
「レオ・・・タード・・・」
そのまま彼女はふらふらと脱ぎ散らされたレオタードやパンストのところへ向かって行く。
いけ・・・ない・・・
私もシーツを纏ったまま立ち上がる。
レオタードはダメ・・・
レオタードはダメ・・・
私は半ば朦朧とする意識の中でそれだけを思っていた。

「ハア・・・レオタード・・・」
弥生ちゃんがぺたんと床に座り込んでレオタードに手を伸ばす。
私は倒れこむようにして、その手の先にあるレオタードを奪い取った。

ああ・・・
なんて素敵な肌触りなんだろう・・・
これ・・・
これが欲しかったの・・・
私はこの瞬間に確信する。
このレオタードが私を満たしてくれるのだ。
このレオタードが私を包んでくれるのだ。
ああ・・・
私が飢えていたのはこの感触に包まれること。
このレオタードに包まれることだったんだわ。
私は手に取ったレオタードを思いっきり抱きしめた。

飢えた目で私をにらみつける弥生ちゃん。
私はうなずくと、抱きしめていたレオタードをそっと渡す。
このレオタードは弥生ちゃんのもの。
私のはあっちにある。
私をずーっと待っているのだ。
いつ着てくれるのかと言わんばかりに、私を待っている。
私は立ち上がるとシーツを放り出す。
こんなものに躰を包むなんてバカみたい・・・
私はすぐに私のレオタードを手に取った。

パンストに脚を通し、レオタードを身に付ける。
すべすべした肌触りがとても気持ちいい。
どうしてこれを脱いだりしたんだろう。
もう絶対に脱いだりしないわ。
これは私そのものなの。
私はこの衣装と一体なのよ。

膝上までのブーツを履き、両手には肘までの長手袋。
マスクに覆われた頭はすっきりとして周囲もよく見える。
「ルーィ!」
再びルインの紋章の入ったベルトを締めた私は、すごく嬉しくなって叫んじゃった。
私の隣では、弥生ちゃんも同じように背筋を伸ばして立っている。
スタイルがいいからすごくよく似合う。
「ルーィ!」
弥生ちゃんも嬉しそうに声をあげた。
ああ、なんて素晴らしいんだろう・・・
ルインに栄光あれ!

瞑想。
誓いの言葉。
ルインへの忠誠。
グレイバーとしての誇り。
私たちはそういったものを心行くまで味わう。

319号と一緒にする誓いの言葉の唱和。
「・・・しもべ・・・」
頭の中に囁かれる言葉と同じ言葉を紡ぐ319号の唇。
それがふと私に近づき、私の唇と重ね合わさる。
はあん・・・
全身を駆け抜ける電流のような快感が気持ちいい。
「・・・喜び・・・」
くらくらするような快楽に酔い痴れながら、私も誓いを唱和する。
そして、今度は私の唇が319号の唇と重なった。
黒く艶めかしい319号の唇。
「・・・服従・・・」
それが次の誓いの言葉を奏で、再び私の唇と重なり合う。
「ルイン・・・」
私は誓いの最後のフレーズをつぶやきながら、319号と抱き合った。
もう私は迷ったりしない。
私はグレイバー320号。
この身はルインのもの。
もう以前の私ではないわ。

           ******

「ふふふ・・・どうやら、完了したようだな」
私たちの前に立っているのはインビーナ様。
赤いビキニ型のアーマーがつややかに輝いている。
一体何のことなのか私にはわからない。
でも、インビーナ様のお言葉は力強い。
私たちグレイバーを導いてくださる強さにあふれている。
「320号」
「ルーィ!」
私はインビーナ様に敬礼する。
番号を呼んでいただけるのは光栄なこと。
「お前には特別任務についてもらうぞ」
「ルーィ!」
特別任務?
私はまだ作られたばかりだというのに・・・
「以前のお前はセーバーチームのオペレーターだった。その記憶はあるな?」
「ルーィ! もちろんです。ですがそれは過去のことです。思い出したくもありません」
それは本当のこと。
あんな人間なんていう統制の取れない生き物だったなんて考えたくも無いわ。
グレイバーであることは本当に幸せ。
「ふふ・・・それでいい。だが、セーバーチームを壊滅させるためにはお前の記憶が不可欠。従うのだ」
「ルーィ! もちろんです。何なりとご命令を」
「セーバーチームの要、司令の盛逸成実を捕らえよ。いいな!」
インビーナ様のご命令だわ。
「ルーィ! かしこまりました。セーバーチームの司令官、盛逸成実を捕らえます」
私は胸を張って命令に答える。
命令は絶対服従。
それがグレイバーの喜びなの。

「319号、お前にはこれからも320号の指導に当たってもらう」
えっ?
それは本当ですか、インビーナ様?
私は思わず嬉しさに飛び上がりそうだった。
おそらくは別々に配属されるもの。
そう思っていた私にとっては、319号とこれからもともにあることができるのはすごく嬉しい。
インビーナ様、ありがとうございます。
「いいか320号、お前はわがルインへの昇華にとまどいと抵抗を感じていたな。だがそれを319号が取り除いてくれたのだ。これは評価に値する」
ああ・・・
その通りです、インビーナ様。
私はおろかにも人間であろうといたしました。
319号はそんな私を救ってくれたのです。
「320号、お前はこれからも319号とともに行動し、服従の喜びを自らのものにするがいい!」
「ルーィ!」
「ルーィ!」
私がインビーナ様のお言葉に、大いなる喜びを感じて声をあげると、319号が続いて綺麗に和した服従の声をあげてくれた。

「よし、では誓いの言葉を」
「「ルーィ!」」
私と319号はうなずいた。
誓いの言葉。
私たちの頭の中にいつも語りかけられる言葉。
グレイバーにとっての大事な言葉。
それを口にすることは喜び以外の何者でもない。
「「ルインのしもべ」」
「「ルインに身を捧げることは喜び」」
「「ルインに全てを、命令には絶対服従を」」
「「ルインに栄光あれ!」」
私は胸の奥から声を出し、319号とあの部屋で何度となく交し合った誓いの言葉を誇らしく宣言した。
  1. 2007/07/06(金) 19:26:23|
  2. グレイバー
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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