A grove of ASLというサイト様の主催で、アドバンスドスコードリーダー(ASL)のstarter kitのシナリオを使用したトーナメントがVASLというネット対戦システムを使って行なわれております。
まだまだASL&VASL初心者の私ですので、トーナメントに参加など毛頭しておりませんが、行なわれている試合を時々覗かせていただいております。
手に汗握る白熱の展開が繰り広げられ、毎回楽しませていただくとともにいろいろと勉強もさせていただいております。
他の方のプレイというのも見ていると楽しいですよね。
(ルールや背景を知っているゲームという前提が必要かもしれませんが・・・)
さて、先日バズーカ&パンツァーシュレックをコメントさせていただきましたが、今日もASL SK2に入っている砲兵器ユニットについてのコメントを。
第一次世界大戦で真価を発揮した迫撃砲は、その後ポピュラーな歩兵支援用の砲として各国軍隊が採用します。
迫撃砲は砲弾を上に向かって撃ち上げるのが一般的で、砲弾はやがて地球の重力に引かれて落ちてくるため、上手く調節することにより敵の頭上に弾を降らすことが可能というメリットを持っています。
これはASLでも、通常林にいる敵ユニットは+1の防御効果を持ちますが、迫撃砲に関しては木の枝で上から降ってきた砲弾が炸裂するためにかえって被害を大きくするということで-1と射撃側に有利な修整となることで表わされています。
また簡単な構造(一般的な砲と比べて)で軽量の迫撃砲は、分解したりすることなくそのままでもわりと簡単に場所を変えることができ、SK2内でも複数兵ユニットによって移動させることが可能です。
(もちろん分解することで、より移動させやすくなることは言うまでもないですが、SK2ではそこまでのルールは無いようです)
SK2のドイツ軍には5㎝と、8.1㎝迫撃砲がカウンターとして用意されています。
まずは5㎝迫撃砲から。
この5㎝迫撃砲は、中隊支援用として配備されたもので、重量は14㎏、砲身長は465ミリ、最大射程が約520メートルほどでした。
SK2では最大13ヘクス先まで届き、一ヘクスの対辺間が40メートルですから、まさにピッタリです。
砲弾は0.9㎏のHE(榴弾)のみ。
手軽な軽迫撃砲でしたが、弱点もありました。
それは製造に手間とコストがかかりすぎること。
複雑なテレスコピックサイト(いわゆる照準器)が付き、落発式ではなく撃発式のため発射機構も付いている。
要するに無くてもいいようなものが付きすぎていたんですね。
結局、ドイツ軍も金がかかりすぎの兵器として、1941年には製造中止。
残ったものは壊れるまで二線級部隊などで使用されました。
一方同じようなことをしていたのが英軍です。
口径5.1㎝の2インチ迫撃砲がカウンターとして入っていますが、このカウンターはおそらくシルエットから見て後期の奴だと思われます。
もともとはスペイン製の5㎝軽迫撃砲を輸入して使っていた英軍でしたが、これもドイツの5㎝軽迫と同じで気泡式の照準器や精密に頑丈に作られていて重いわ必要無いわの部分が多かったそうです。
そこで英軍はこれを大幅に改良して、簡便で使い勝手のいい軽迫撃砲に改良しました。
もともと500メートル内ぐらいの肉眼で見える敵に向かって撃つことが多い兵器ですから、複雑な照準器など必要ないのです。
2・3発撃って着弾を見て調節すればいいだけ。
ということで複雑な部分はみんな取り払ってしまいました。
こうしてできた2インチ迫撃砲は、重量わずか4㎏(ASLで4PPなのは重さばかりではなくかさばるからか?)、射程450メートル(SK2では最大射程が11ヘクスだからこれもほぼピッタリ)の有用な軽迫撃砲になりました。
さらにドイツ軍のとは違い、榴弾ばかりか発煙弾や照明弾も撃ち上げられ、大変役立ったそうです。
(SK2でも発煙弾撃てますね)
軽迫撃砲は米軍も装備しています。
ところが米軍の軽迫撃砲は、なかなか本格的な迫撃砲で、口径も6㎝ありました。
これはもともとフランス製の6㎝迫撃砲をライセンス生産したもので、8.1㎝迫撃砲のミニチュア版といったものでした。
重量は19㎏、砲身長726ミリ、射程は約1800メートルもありました。
(SK2でも45へクスも飛びます)
重量1.3㎏の榴弾のほか、こちらも照明弾や発煙弾を撃ち上げることができ、特に太平洋の戦場では日本軍の万歳攻撃を防ぐために照明弾を絶えず撃ち上げていたそうです。
ただ、海兵隊の兵士たちは、この6㎝軽迫の破壊力に懐疑的であったそうで、ジャングルに潜む日本軍には威力不足と思っていたそうです。
しかし、なんとこの懸念は日本軍が払拭してくれました。
日本軍に鹵獲された6㎝軽迫は海兵隊員たちの頭上に砲弾を降らせてきて、海兵隊員たちはかなりの損害を受けたそうです。
そのため、6㎝軽迫は威力を見直され、海兵隊でも有効に活用するようになったとか。(笑)
それにしても、1940年にライセンスを取得して、1944年までに3万門を造る計画を立てる米国もすごいですが、その製造会社に選ばれた中にファイアストーン・タイヤ&ラバー社って・・・6㎝軽迫はゴム製品ですか?(笑)
今日はこのあたりで。
それではまた。
- 2007/06/06(水) 21:56:01|
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