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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

アメリカ南北戦争概略その32

グラントがリーとにらみ合いに転じた頃、ジョージア州北部ではグラントの信任厚いW・T・シャーマンが、西部方面の北軍を指揮下に置き、南部諸州同盟へ圧力をかけ始めておりました。

シャーマンの麾下にはトマス率いるカンバーランド軍六万、マクファーソン率いるテネシー軍三万、スコフィールド率いるオハイオ軍一万四千の合計十万に及ぶ兵力があり、西部方面の南軍を大いに凌駕しておりました。

一方シャーマンと対峙する南軍は司令官ジョゼフ・ジョンストン以下、ハーディーとフッドの歩兵計四万とホイーラーの騎兵約一万の約五万という兵力でした。
しかし、彼らには地の利と防御側であるという利点があり、ジョンストンはその点を充分に生かしてシャーマンと戦うつもりでした。

無論、南部諸州同盟大統領ジェファーソン・デイビスはジョンストンに対して攻勢をかけるように指示していましたが、ジョンストンは何やかやと自軍の不備を言い立てて、結局動こうとはしませんでした。
その彼は、ロッキー・フェース・リッジという丘に兵を布陣して、シャーマンの北軍を待ち受けます。

シャーマンは麾下の三つの軍勢のうち、トマスとスコフィールドにロッキー・フェース・リッジを威嚇させ、マクファーソンの軍を大きく迂回させて、南軍の補給拠点レサカの町を襲撃するという作戦を立てました。
レサカが危うくなれば、ジョンストンもロッキー・フェース・リッジを放棄せざるを得ず、丘の頂上に攻め寄せるという攻撃をしなくてもすむのです。

シャーマンの作戦はジョンストンを窮地に陥れるはずでした。
トマスの示威行動にロッキー・フェース・リッジの南軍は釘付けになり、レサカはマクファーソンにその無防備の正面を晒す羽目になるはずだったのです。

しかし、マクファーソンがレサカの町に到着した時、レサカの町には南軍の歩兵部隊が防備を固めているのを目にします。
そこにいたのはキャンティー准将率いる四千ほどの南軍歩兵だったのですが、南軍兵士がレサカの防備にいるとは思わなかったマクファーソンは、ロッキー・フェース・リッジでの北軍の作戦が破綻したと考えたのか、軍勢を率いて後退してしまいました。

レサカの危険を理解したジョンストンは、慌てて全軍をレサカに集結させます。
しかも、レサカにはキャンティー准将の歩兵部隊だけではなく、レオニダス・ポーク中将の約一万ほどの軍勢がやって来ていたのです。
軍人をやめ、聖職者となって主教の地位まで登りつめたポークでしたが、その後南北戦争勃発にともなって再び軍人となり、中将にまでなったのです。
その彼がミシシッピ軍全軍を引き連れて来ていたのでした。

約六万の軍勢となったレサカの南軍に対し、シャーマンは結局約十万の兵力をもって1864年5月13日に攻撃を開始しました。
しかし、5月15日までの数次にわたる攻撃は、結局両軍に決定的な状況をもたらすには至りませんでした。
双方とも投入した兵力のわりに約四千ほどの損害を出しただけに終わり、戦場では膠着が続きました。

最終的には北軍の数の有利さがモノを言います。
シャーマンが派遣した別働隊がレサカの南に回ったことを知ったジョンストンは、連絡補給線を切られることを恐れ、やむを得ずレサカを放棄。
以後、シャーマンの北軍が南軍の拠点を迂回し、南軍がそれにつれて後退するという状況が一般化することになりました。

南軍は後退を続け、ジョージア州キャスヴィルという町まで後退しました。
それに対してシャーマンはやはり軍勢を三つに分けて三方から南下し、南軍に対する分進合撃を企図します。
そこでジョンストンは北軍が分離していることを好機として、フッドの部隊を派遣し、北軍を罠に掛けようと目論みました。
しかしこの罠が閉じる前に、フッドは北軍の別働隊を発見して、包囲を受けないように後退してしまいます。
ジョンストンはがっかりして、フッド、ポークと相談し、アラトゥーナと言う地に陣を敷きます。

しかし、北軍は南軍の防御陣を迂回する方針を貫き、ダラスという村(後にケネディが暗殺されるテキサス州ダラスとは違います)へ向かうことにしました。
ジョンストンも軍勢を率いてダラスへ向かいます。

両軍はダラス近郊のニューホープ教会で激突。
遭遇戦ではありましたが、南軍は一応にわか作りの防壁をこしらえており、北軍の攻撃は跳ね返されました。
シャーマンは南軍の右翼を迂回するべくハワードの部隊を送り出しますが、ハワードの部隊も南軍に捕捉され、「ピケッツ・ミルの戦い」が生起します。

「ニューホープ教会の戦い」「ピケッツ・ミルの戦い」双方とも、にわか作りの防壁でも充分にその目的を達することができるという好例でした。
北軍は南軍に三倍の損害を二つの戦いで出すのです。
北軍は二千四百、南軍はわずかに八百でした。

ジョンストンはこの結果から学んだとは言えなかったかも知れません。
北軍を撃退したジョンストンは、この勢いを駆って北軍に対して攻勢に出たのです。
ダラス郊外での戦いでは、今度は攻撃側の南軍が約千の損害を出し、北軍は四百の損害でそれを撃退したのです。

陣地に対しての攻撃は、それが簡易なものであってもかなりの損害が出ることを、ここ西部戦線でも両軍は思い知りました。

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  1. 2007/05/08(火) 21:48:31|
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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