今日はお久し振りのホリドルです。
先日某スレに話が出ていたのは嬉しかったですねー。
少しだけですが、楽しんでいただければ幸いです。
23、
痛みが薄らいで行く・・・
傷を付けられた腹部に温かみが戻ってくる。
「ん・・・あ・・・」
「しゃべらないで」
力強い制止の声。
それは安心感を彼女に与える声だ。
かつてその声は違う女から発せられていたはず・・・
しかし、今はこの声こそが彼女にとっての全てをゆだねる存在だった。
「デス・・・ルリカ・・・様・・・」
「いいから、おとなしくしていなさい」
あ・・・
すごくホッとする。
私・・・助かったんだ・・・
ゆっくりと目を開けるレディベータ。
濃密な闇の中、うっすらとデスルリカの姿が目に映る。
ねじれた角を生やしたサークレットが額に嵌まり、その下の目は軽くつぶられていた。
デスルリカ様・・・
それはまさに大いなる闇の片腕であり、彼女にとって全てを捧げつくす存在。
今、そのデスルリカの手がレディベータの腹部の傷を癒しているのだった。
つと、レディベータの目から涙がこぼれる。
「ベータ、大丈夫? 痛いの?」
今まで黙っていたレディアルファも声をかける。
痛々しい姿のレディベータ。
はらわたが煮えくり返るほどの怒り。
八つ裂きにしても足りないほどの光の手駒に対する憎しみ。
それらがレディアルファの中で入り混じる。
「ご、めんなさい・・・ごめんなさい・・・」
レディベータは思わず泣き出していた。
「ベータ・・・」
「ベータ!」
デスルリカとレディアルファは思わず顔を見合わせる。
レディベータの腹部の傷は思ったよりひどかった。
ホーリードールサキの放った青い閃光は、光の魔力を集めたものであり、レディベータの魔力障壁を越えてしまったのだ。
損傷した内蔵を再生し、肉体を治癒するにはそれなりの魔力を注ぎ込むしかない。
デスルリカはレディベータの腹部に手を当てて、魔力を送り込み治癒を行なっていたのだった。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
泣きながら謝り続けるレディベータ。
「ベータ。あなたが悪いんじゃないわ。悪いのは光の手駒。あいつらよ!」
レディアルファがレディベータの手を握り締める。
そう、憎むべきは奴ら。
赦さない!
「これでいいわ。ただ、魔力消耗が激しいわね。補充が必要か・・・」
ふうと息をつき、レディベータの腹部から手を離すデスルリカ。
額にうっすらと汗が滲んでいる。
治癒は彼女の魔力もそうだが、対象の魔力も消耗するのだ。
レディベータは魔力が枯渇していた。
肉体の維持と魔力障壁で大幅に減っていた上に、治癒で使われたことでほぼ枯渇していたのだ。
「デスルリカ様、私が手に入れて・・・」
「いいえ、あなたはここにいなさい。ベータをお願い」
にっこりと微笑むデスルリカ。
彼女にはレディアルファがこの可愛い闇の少女をすごく愛しんでいることを知っていたのだ。
「デスルリカ様・・・」
レディアルファはうなずいて、魔力を失いぐったりしている可愛い少女に目を移す。
「ア・・・ルファお姉・・・さま・・・」
先ほどまで泣いていたレディベータが、今度は無理やり笑顔を作っている。
「私のせいで・・・光の手駒を・・・ごめんなさい・・・私は・・・大丈夫・・・」
「ベータ・・・」
レディアルファはそっとレディベータを抱きしめた。
『ただいま』
闇の世界に声が響く。
いつもなら弾むような声なのに、今日はおとなしい。
「ふふ・・・娘が帰ってきたようね。あなたがたはここにしばらくいなさい。大丈夫。娘はまだ人間だから」
デスルリカが二人の闇の女にそう言う。
「はい。デスルリカ様」
「ありがとう・・・ございます。デスルリカ・・・様。グッ・・・」
上半身を起こして見送ろうとしたレディベータは、たちまち表情を歪ませた。
「バカ! おとなしくしてなさい!」
慌ててレディベータを抱きかかえるレディアルファ。
「ゆっくり休むのよ、レディベータ。今魔力を手に入れてくるわ」
「はい・・・」
悔しそうな表情のレディベータ。
デスルリカは、そんな二人を心配しながらも、闇の中に姿を消した。
「お帰りなさい、紗希。今日は遅かったのね」
今しもリビングから顔を出したかのように、にこやかに出迎える留理香。
シックなグレーのタイトスカートのスーツに身を包み、これからどこかへ出かけるといった感じだ。
引き締まった脚がナチュラルブラウンのパンストに包まれて美しい。
「ただいま、お母さん」
紗希は無表情のまま、留理香の方をチラッと見ただけでその脇を通り過ぎようとした。
えっ?
留理香は一瞬ゾクッとする。
娘の目がまるで無機質なガラス玉のように思えたのだ。
「紗希・・・」
「なあに、お母さん」
振り向いた紗希が笑いかけてくる。
気のせい?
いつもと同じ紗希の笑みにホッとする留理香。
きっと魔力を消耗しているからだわ・・・
だからちょっとおかしな感覚に捕らわれているのかも・・・
浮かんだ奇妙な考えを必死に振り払う留理香。
「今日は遅かったのね」
「アスミちゃんと遊んでいたの。遅くなってごめんなさい」
紗希の表情が翳り、しおらしく頭を下げる。
「そう・・・お母さんはちょっと出かけてくるから留守番をお願いね。ご飯はお鍋にカレーがあるから、よそって食べてちょうだい」
「はい、行ってらっしゃい」
うなずくとそのままリビングへ入っていく紗希。
留理香は釈然としないまま、玄関を出る。
そして、時々後を振り返りながら、家を後にした。
「お帰りなさい、明日美。遅かったのね」
「ごめんなさい、お母様」
玄関に入ってきた娘を出迎える明日美の母浅葉麻美(あさば あさみ)。
このところ帰りが遅いことを心配し、今日は少し言っておかなければと思ってはいたものの、目の前でしゅんとしている娘を見ると、無事に帰ってきただけでいいわとも思う。
「紗希ちゃんも一緒だったんでしょ? ダメよ。紗希ちゃんのお母さんも心配するんだからね」
「はい。ごめんなさいお母様」
明日美が顔を上げる。
ゾクリ・・・
冷たい目。
明日美の目は冷たく彼女を見つめている。
「あ、明日美・・・?」
「もう遅くならないようにしますから赦してください、お母様」
うつろで心に何も響かない明日美の謝罪。
今までこんなことはなかった。
明日美は優しくて、ちょっと引っ込み思案で、でも芯は強くて、紗希ちゃんが大好きで・・・
「明日美? あなた・・・本当に明日美なの?」
「はい、私はアスミですわ。お母様」
にこやかに答える明日美。
ただ、その笑みは母である麻美には実体が無いものに感じる。
「と、とにかくお上がりなさい。ご飯にしましょ」
そう言った麻美がふと目を止める。
明日美の服に茶色い染みがあったのだ。
染み・・・?
「明日美、それ、何を付けたの?」
麻美はしゃがみこんで明日美の両肩を掴む。
「明日美、これ・・・血じゃないの? ちょっと見せなさい」
無言で立ち尽くす明日美からカバンをひったくり、急いで服の前を開いてみる。
「ヒッ!」
麻美は息を飲んだ。
娘のお腹には紫色のあざと、まだ肉が盛り上がって血が滲んでいる傷があったのだ。
「明日美! これはいったい?」
「光波が減衰中により修復に問題発生。でもお母様、修復はあと1時間ほどで終了しますわ」
にっこり微笑む明日美。
その笑みは麻美の背筋をぞっとさせる。
「明日美、ふざけないで! その傷はどうしたの? 答えて!」
「血液も90%まで回復。現時点でも戦闘に支障ありません」
笑みを浮かべながら淡々と状況を説明していく明日美。
「あ・・・明日美?」
麻美は娘が何を言っているのか理解できなかった。
娘に何が起こっているのか?
ひざがガクガクする。
目の前にいるのは本当に娘なのだろうか?
あなた・・・
会議で遅くなっている夫が、今は無性にいて欲しかった。
- 2007/05/31(木) 20:43:23|
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帝国海軍航空母艦「天城」
えっ?
聞いたこと無いって?
まあ、そうですよね。
実際には完成しませんでしたから。
天城は日本海軍が有名な建艦計画、八八艦隊計画の一環として建造が開始された巡洋戦艦でした。
「天城」型巡洋戦艦の一番艦として大正六年度計画で建造が開始された天城は、主砲に40センチ連装砲を備え、速力30ノットという高速の巡洋戦艦として完成するはずでした。
しかし、ワシントンで行なわれた海軍軍縮会議において、天城と赤城は巡洋戦艦としてではなく航空母艦へ改装される事に決まります。
高速を発揮するための長大な船体は、飛行甲板を載せるにも有効であり、事実赤城は太平洋戦争初期において非常に有力な航空母艦として活躍します。
天城も世が世なら、第一航空戦隊の空母として南雲機動部隊に名を連ねていたことでしょう。
しかし、残念なことにそうはなりませんでした。
大正12年9月1日。
関東地方を襲った未曾有の大災害、関東大震災によって、天城は建造中に大きなダメージを受けてしまいます。
天城は結局損傷が激しく廃棄処分に決まります。
その代わりに、廃艦処分が決まっていた戦艦の「加賀」が空母に改装される事になりました。
加賀の活躍については、ご存知の方が多いでしょう。
災害は多くの人の運命を狂わせると同時に、こういったものにも影響を与えるんですね。
天城も活躍したかったんだろうなぁ。
それではまた。
- 2007/05/30(水) 21:54:40|
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ASL starterkit #2到着しました。
これで、砲兵器が導入です。
ASLの世界が広がるなぁ。
と、思ったら・・・
ユニットシート1が入っていませんでしたよ。orz
発送元にお願いしたところ、すぐにユニットシートを送ってくれるとのこと。
でも、へこむなぁ。
まあ、明日か明後日には届くでしょう。
今日は奇妙な兵器の紹介を一つ。
第二次世界大戦が始まった頃、英国は気懸かりなことを多数抱えておりました。
そのうちの一つが英国本土と海外植民地や諸外国からの物資移入に対する脆弱性でした。
特に商船隊に対するドイツ空軍の航空攻撃に対し、非常に危機感を持っていたのです。
そこで英国は商船防衛組織というものを立ち上げて、商船の対空装備の充実を計ります。
しかし、対空火器は英国の全てで欲しがっており、商船隊にまわされる数は微々たる物でした。
やむを得ず商船防衛組織は旧式や小口径などありとあらゆる対空火器をかき集めましたが、当然のごとく商船全部にいきわたるものではありませんでした。
それで、商船防衛組織主導で簡易で手っ取り早く量産できそうな対空兵器を考えることになったのです。
そこではいろいろなアイディアが生み出されましたが、その中の一つにPACというものがありました。
PAC(パラシュート・アンド・ケーブル)と呼ばれるこの兵器は、信号弾発射ピストルから打ち出されるロケット弾を使用するもので、簡単なパイプ状の発射筒にセットされたロケット弾が、撃ち出されるとケーブルを引っ張って上空へ伸びて行くというものでした。
そのケーブルには一番最後にパラシュートが付いており、上空に上がると、今度はそのパラシュートがケーブルの先に付いた弾頭部から飛び出すパラシュートともにケーブルにつながったまま空中を漂うことになるのです。
その漂っているうちに、ドイツ軍の航空機が接近してくると、プロペラや翼にケーブルが引っかかったり絡まったりして弾頭部が引き寄せられ、ついには弾頭部が機体に接触して爆発することで撃墜するというものでした。
無論、こんなものが・・・とも思われたのですが、有効な対空兵器が払底している当時の状況では背に腹は変えられず、いくつかの商船に搭載されてドイツ空軍を迎え撃つことになります。
パラシュートで空中を漂わせる兵器なため、敵機とのタイミングが難しく、早ければよけられ、遅ければ通り過ぎられ、さらに風があると流されて行ってしまうと言う使いづらい兵器でしたが、それでも数機のドイツ軍機がこのPACに撃墜され、PAC発射機が六千門も量産されたというから驚きです。
必要は発明の母とは言いますが、人間っていろいろ考えるものですよね。
それではまた。
- 2007/05/29(火) 21:45:42|
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前年の1864年6月、グラントはリー率いる南軍とピータースバーグ近郊でにらみ合いの長期戦に入りました。
二倍以上の兵力を持つとはいえ、塹壕などの防御陣地に篭もる南軍を相手にするには、やはり少ないということをグラントは肌で感じていましたし、何よりリーをこのピータースバーグに追い詰めるにあたって、すでにグラントは七万以上の兵員を損失していました。
そのため、グラントといえども強攻策は取りづらかったのです。
一方リーの側も、大兵力を持って待ち構える北軍相手に攻撃に出ることはできません。
できるだけ兵力の損失を抑えつつ、北軍に出血を強要していかなくてはならないのです。
南軍の塹壕線はリッチモンドからピータースバーグまで伸び、約五十キロもの長さに及びました。
まるで第一次世界大戦が五十年早く始まったようなものだったのです。
リーはグラントの兵力をどうにかして減らさなければなりませんでした。
リッチモンドとピータースバーグを守るには、どこかで攻勢に出て、北軍兵力を引き付けるしかありません。
リーはデュバル・アーリーに託しました。
1862年にあのストーンウォールジャクソンが暴れまわった場所、シェナンドー峡谷。
そこに再び南軍は兵力を送り込みました。
約九千の兵を率いたアーリーは、北軍を翻弄するべくシェナンドー峡谷に入ります。
北軍のハンター少将は、約一万八千の兵力を持っていましたが、アーリーの軍勢を阻止するのに失敗。
ウエストバージニア州へ行ってしまいました。
途中増援を得て一万五千ほどに増えたアーリーの軍勢は、ウィンチェスターという町で二方向に別れます。
一隊はマーティンズバーグへ北上し、もう一隊はハーパーズフェリーへ向かいました。
ハーパーズフェリー近郊には北軍のジーゲル隊がいましたが、約五千と寡兵な上、ジーゲル本人にもあえて立ち向かうという考えがなかったのか、ジーゲル隊は後退します。
ハーパーズフェリーで北軍の物資を奪った南軍は、飢えを満たし、服や靴を手に入れてさらに進みます。
周辺地域から、放火や略奪に遭いたくなければ金を出せとして金品を巻き上げつつ、アーリーは再び軍勢を合流させてフレデリックという町に近づきました。
その頃にはこのアーリーの南軍の行動がワシントンを刺激して、グラントにアーリー討伐の指示が下っていました。
グラントはやむを得ず7月6日に五千の師団を、7月9日にはスミス少将の一個軍団をアーリー討伐のために差し向けます。
リーの思惑は見事に達成されたのでした。
フレデリックを略奪したアーリーの次の目標は、北部連邦の首都ワシントンでした。
わずか一万五千ほどの兵力とはいえ、北軍主力がピータースバーグの包囲についている今、ワシントンは手薄な状態でした。
ハンターもジーゲルもいない今、アーリーの軍勢を阻止しえる位置にいたのは、ルー・ウォレス少将の小さな軍勢だけでした。
総数はわずかに二千。
しかし、後に『ベン・ハー』を書くことになるウォレスは、勇敢にもアーリーに立ち向かいました。
モノカシー川沿岸に布陣したウォレスの下に、タイミングよくグラントの送った一個師団五千が到着し、ウォレスは七千の兵でアーリーを迎え撃ちます。
このモノカシー川の戦いは結果的には北軍の敗北で、約二千の損害を出してしまいます。
しかし、このおかげで、スミスの軍勢がワシントンの防備に付く時間が稼げました。
1864年7月11日、ついにアーリーはワシントン郊外に到達します。
首都を防衛するスティーブンス砦に対して攻撃を仕掛けてみたアーリーは、やはり首都の守りが硬く、彼の軍勢だけでは到底突破は不可能であると理解しました。
しかも、その間にもスミスの軍勢がワシントンに集結し、今にも攻撃に出てこようかという状態でした。
翌12日、スミスの軍勢に夜襲を受けて大幅に後退したアーリーは、撤退を決意します。
シェナンドー峡谷で暴れまくり、北軍を翻弄して一個軍団と一個師団をグラントの下から引き離したのです。
これ以上は無いと言っていいほどの大成功でした。
しかし、アーリーが引き付けた一個軍団ちょっとの戦力程度では、ピータースバーグの包囲網にはほとんど効果がありませんでした。
グラントはまったく動じませんでしたし、シャーマンの進軍にも影響は出ませんでした。
この後グラントはフィリップ・シェリダン少将に命じ、アーリーを完全に駆逐することにします。
9月19日、約四万八千もの軍勢を率いたシェリダンは、アーリーの軍勢とウィンチェスター近郊のオピーコン川で激突。
このオピーコン川の戦い(第三次ウィンチェスターの戦い)でアーリーは約四千の損害を受けて後退。
勝った北軍も約五千の損害でしたが、アーリーを駆逐することに成功しました。
アーリーの率いる南軍はその後も粘り強く北軍を相手にし続けましたが、冬を迎え、食料の蓄えの無い南軍はついに崩壊。
翌1865年3月3日。
ウェインズボロの戦いでシェリダンの攻撃にわずか千二百にまで減っていたアーリーの率いる南軍は壊滅します。
シェナンドー峡谷での南軍の行動も終わりました。
その38へ
PS
ガンダムSSもこちらのブログに移設中です。
FC2ブログの一日の最大投下記事数の関係で、今日中には無理ですが、明日あたりには全て移設できると思いますので、よければまたごらん下さいませ。
- 2007/05/28(月) 20:56:31|
- アメリカ南北戦争概略
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帝国海軍航空母艦「隼鷹(じゅんよう)」
数ある日本帝国海軍に所属した空母の中でも、初期の南雲機動部隊に所属した6隻に優るとも劣らない武勲艦ではないでしょうか。
何より、太平洋戦争初期に就役して、終戦まで生き残った数少ない軍艦です。
隼鷹は、もともとは太平洋航路に就航するはずの豪華客船「橿原丸(かしわらまる)」として建造が始まりました。
日本郵船が史上空前(当時)の豪華客船として建造し、東京オリンピック(1964年のではなく、中止になった1940年のもの)に合わせて完成するように計られましたが、その建造時から、橿原丸は将来を決められておりました。
当時、日本は有事(いわゆる戦争)の時には海軍が徴用し、改造して軍艦にするという目的で民間船舶の建造に最大六割もの建造費の補助金が出されることになっていました。
橿原丸はその補助金を使って建造が開始されたのです。
はたして中国大陸の戦争が激化し、太平洋でも米英との関係が険悪になってくると、建造途中だった橿原丸と、姉妹船であった「出雲丸(いずもまる)」はともに海軍に買収され、航空母艦として建造を続けられることになります。
米英との太平洋戦争開戦後、昭和17年(1942年)5月に橿原丸は航空母艦隼鷹と名付けられ就役します。
折りしもその年6月にはミッドウェー海戦が発生。
帝国海軍は主力であった大型空母を一気に四隻も失ってしまいます。
客船を改造したとはいえ、中型で搭載機数も50機ほどと蒼龍飛龍に引けをとらない隼鷹は、姉妹艦「飛鷹(ひよう)」(出雲丸を改造)とともに一躍帝国海軍の中心空母に躍り出ることになりました。
もともとが客船であったために、最大速度が25・5ノットと低速であることが運用上の弱点となりましたが、それでも隼鷹はアリューシャンのダッチハーバー空襲や、アッツ・キスカ両島の攻略支援などに活躍。
後に「大鳳」や「信濃」でも採用された艦橋一体型の傾斜煙突を振り立て、連合艦隊の一翼を担ったのです。
昭和17年(1942年)10月26日の南太平洋海戦。
彼女にとっての最大の晴れ舞台でした。
「翔鶴」「瑞鶴」「瑞鳳」の三隻の空母を有する主力機動部隊と、隼鷹が所属する前衛部隊に対し、米軍は「エンタープライズ」「ホーネット」の二隻の空母を差し向けます。
双方の機動部隊同士の戦いは、日本側が翔鶴と瑞鳳、米軍側もエンタープライズとホーネットの二隻ずつを損傷という状況に終わります。
瑞鳳と翔鶴はそれぞれ退避。
隼鷹は残った瑞鶴と合流し、翔鶴や瑞鳳の残存機をかき集めて、米軍に更なる攻撃を加えました。
さしもの米軍もこれにはたまらず、エンタープライズはついに避退。
ホーネットは隼鷹と瑞鶴の攻撃隊によってついに航行不能に陥ります。
ホーネットは損害の大きさに米軍もこれを放棄、駆逐艦による処分を命じましたが、その前に日本軍の水上部隊が接近してきたために避退。
ついにホーネットは日本軍の駆逐艦二隻の魚雷によって撃沈されました。
その後も隼鷹は飛鷹とともにマリアナ沖海戦に出陣。
米軍の空襲によって飛鷹が沈没しますが、隼鷹は生き残りました。
昭和19年(1944年)12月9日。
米軍潜水艦により魚雷攻撃を受けた隼鷹でしたが、何とか佐世保に帰投。
修理を行なっているうちに終戦を迎えました。
丸みの帯びたその船体は、まさに優雅な客船そのものでしたが、飛行甲板を載せたその姿は、改造空母の中でもピカ一でしょう。
しかし、改造空母でありながら、正規空母とほぼ同様に扱われた隼鷹と飛鷹は、日本の国力の限界を示したものかもしれませんね。
それではまた。
- 2007/05/27(日) 21:34:10|
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今日はいつものように先輩にいらしてもらってウォーゲームでした。
先日手に入れたASL(アドバンスドスコードリーダー)スターターキット1をプレイ。
以前からスコードリーダーはやっていましたが、ASLは初めてです。
先輩もASLは初めてなので、お互いにインストプレイです。
まずは当然のごとくシナリオ1をプレイ。
ノルマンディー近郊の村落における米軍パラシュート部隊と雑多なドイツ軍部隊(中には降下猟兵も)の戦いです。
先輩がドイツ軍、私は米軍を担当。
スタックした先輩の447や467の射撃に翻弄される米軍でしたが、先輩が満を持して突撃した447三個分隊のスタックと、米軍の747一個分隊の白兵戦がダイスの目によって米軍の勝利に終わったことで、独軍447が三つ+7-0指揮官が除去されてしまい、形勢が逆転。
その後も一進一退でしたが、米軍が結局勝利条件へクスを制圧して勝利しました。
面白かったですね。
ということで、次回の再戦を約束して今回はお開きにしました。
今度も負けないぞ。
それではまた。
PS
ホーリードールに関してのみですが、旧ブログより、当ブログへ全部移し変えました。
第一話から読むことができますので、どうかお楽しみいただければと思います。
- 2007/05/26(土) 20:56:53|
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以前からマンガなどで気になっていた作品、「機動戦士ガンダム MS IGLOO」のDVDを見ました。
どんな感じなのかなと思ってはいましたが・・・
いやー、いいですねー。
映像になるとまたすごいいい動きです。
モビルスーツも宇宙船も航空機も、全てが見事にCGで描かれています。
第一話のルウムでの艦隊戦もすごかった。
それに冒頭のムサイ対サラミスの砲撃戦もよかったですよー。
二話目の戦車型モビルタンクとザクの撃ちあい。
ザクが鹵獲されたものというのも、初期の連邦らしくてよいですね。
三話目のEMS-10ヅダ。
プロパガンダ合戦というのも面白かった。
なんにしてもミリオタ舞方の好み全開でした。
面白かった。
第二期三話の方も楽しみです。
今度見なくちゃ。
それではまた。
- 2007/05/25(金) 21:19:53|
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前回遊びに来たとき先輩から預かったゲームのユニットを切る。
なんか最近ユニット切ることが多いなぁ。
黙々とユニットを切るのは何かに憑かれているようにも見えるかも。(笑)
今日切ったのは、先輩の持っていたタクテクス53号(1988年4月号)の付録ゲーム「アラモ」のユニット。
それと、同じくタクテクス57号(1988年8月号)付録ゲームの「カポレットの戦い」。
そして「アラモ」と一緒にシートになっていたタクテクス55号(1988年6月号)付録の「ブライテンフェルトの戦い」の三つ。
先輩、持っていたんなら自作する前に貸してくださいよぉ。(T_T)
(5月15日の記事参照)
残りの「ヒトラー暗殺」と「春の目覚め」はまた今度。
とりあえずやりたいものがあったら切っていいよってことだったので、お言葉に甘えて切らせてもらう。
ゲームはやってこそだしね。
「ブライテンフェルトの戦い」は以前並べてみたので、今日は「カポレットの戦い」を初期配置してみる。
この戦いは、第一次世界大戦中の1917年、イタリア軍に対して行なわれたドイツ軍とオーストリア・ハンガリー軍の攻撃を扱ったもので、ドイツは後に有名になる浸透戦術、いわゆるストストルッペンによる攻撃を行なって、イタリア軍に大損害を与えた戦いです。
アルプスからトリエステに至るまでをぐるっと囲むオーストリア・ハンガリー軍。
その攻撃重点となる左翼にドイツ軍も配置されます。
一方のイタリア軍も全戦線に渡って塹壕を掘って待ち構えており、海岸にはモニター艦ユニットまでいます。
ここからどういった戦いになるのか、結構考えることも多そうです。
今度やってみよう。
もう一つの「アラモ」は、もちろんあの有名な(でもないかな?)ジョン・ウェインの出ていた映画(最近リメイクもされましたね)の元となったアラモ砦の戦い(そして玉砕)を扱ったゲームです。
マップにはアラモの教会を強化して作った砦が描かれ、立て篭もるアメリカ人と攻め寄せるメキシコ軍とのぶつかり合いが行なわれます。
ルールは多くないようですが、射線や白兵戦などの戦術級的ゲームなので、結構ブラッディな展開になりそう。
これもまたいずれやってみたいなぁ。
やりたいゲームばかりですね。
しかも作戦級も戦術級もあってバラバラ。
でも、楽しみです。
それではまた。
- 2007/05/24(木) 21:29:50|
- ウォーゲーム
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フッド追撃を麾下のジョージ・H・トマスとジョン・M・スコフィールドに任せ、その二人がフッドと対峙していた頃、シャーマンはアトランタでこれからの行動について思案していました。
彼は南部諸州同盟の息の根を止めるため、南部の後背地域へ侵攻し、海へ突き抜けて南部をさらに分断するつもりでした。
今までは、軍事的失敗を嫌うワシントンの政治的理由から、そういった行動にでることを戒められてきたシャーマンでしたが、アトランタ陥落と、それにともなう大統領選挙でのリンカーンの再選によって政治的危険度が低下したことで、シャーマンは行動をある程度自由にすることができるようになりました。
1864年11月15日。
シャーマンは麾下の軍勢六万二千を二隊に再編成し、一隊をヘンリー・W・スローカム少将、もう一隊をオリバー・O・ハワード少将にゆだね、アトランタを出発します。
有名な「海への進軍」の開始でした。
シャーマンは以前も述べたとおり、戦争を支えるものを全て破壊するという考えであり、さらにフッド指揮下の南軍の跳梁で補給線が脅かされてもよいように、麾下の軍勢に対しては「現地調達は自由である」という命令を出していました。
この命令により、北軍兵士たちはまだ手付かずであった南部諸州同盟の後背地区の全てのものを「現地調達」する自由を得たのです。
すでに南軍の主な兵力は根こそぎフッドの軍勢に合流していたため、シャーマン率いる北軍の前には(住民がいないという意味ではなく、抵抗する軍勢がいないという意味での)無人の野が広がっておりました。
そのため各部隊は広範囲に散開し、手当たり次第に食料、財産、時には婦女子も「現地調達」していったのです。
文字通りそれは略奪の嵐でした。
シャーマンの進撃路にあたったジョージア州の人々は、今でもシャーマンを嫌っていますし、第二次大戦中陸軍在籍の戦車兵の中には、M4戦車(俗にシャーマン戦車と呼ばれている)に搭乗することを拒否する南部出身兵もいたと言います。
11月22日、ジョージア州の民兵が北軍の後衛を襲撃します。
それは郷土愛に満ちた少年と老人の集団で、戦意は高かったものの、素人の集団でした。
三度の突撃のあと、彼らは追い払われましたが、かなりの損害を出したのはいうまでもありません。
そして、この小さな戦いが、シャーマンの北軍にとって大西洋岸の都市サヴァンナに至るまでに起こった唯一の戦闘だったのです。
12月2日。
北軍はサヴァンナに到達。
サヴァンナにはハーディー率いる南軍兵士一万五千ほどが悲壮な決意で防御していました。
このまま戦ったのでは損害も多いと考えたのと、大西洋岸を掌握する北部連邦海軍との連絡線を確保するために、シャーマンはまずサヴァンナ近郊にある海岸の砦マカリスター砦を攻略します。
攻略そのものはさしたる反撃も受けず成功し、これによってシャーマンは再度サヴァンナに向かって、今度こそはハーディー率いる南軍と対決するつもりでした。
しかし、マカリスター砦の陥落により、海側をも北軍海軍によって封鎖されることになったサヴァンナは、立て篭もっても補給を切られて自滅するだけと悟ったハーディーはサヴァンナを放棄。
12月21日、シャーマンはサヴァンナに入城しました。
年末の12月23日からは、南部に残った貿易港の一つウィルミントン港の防衛を担うフィッシャー砦に対する攻撃も始まります。
海軍のポーター提督と陸軍のバトラー将軍の共同作戦でしたが、バトラー将軍のあまりの手際の悪さに怒ったポーターがワシントンに事態を報告。
再選によって司令官人事に気を使わなくてもよいリンカーンは、即座にバトラーを解任してアルフレッド・テリー准将に後事を託します。
テリー准将とポーター提督の陸海共同攻撃は翌年1865年1月13日から15日にかけて行なわれ、一千三百の損害をこうむったものの、砦自体は陥落。
これによってウィルミントン港も北軍の封鎖が完成し、か細い一本の糸であった南軍の海外からの補給も断たれることになりました。
(ウィルミントン自体は1865年2月22日陥落)
南部諸州同盟議会は最後の一縷の望みをかけてある決断を下します。
1865年1月16日、南軍全軍の総司令官にロバート・E・リーを任命することが議決されます。
(任命自体は2月3日)
何も手を打つことのできないデイビス大統領に対するあてつけですらありました。
サヴァンナを出発したシャーマンは、次の目標を港町チャールストンとサウスカロライナ州の州都コロンビアに決定します。
サヴァンナへ向かったときと同じように、全軍を二隊に分けてそれぞれチャールストンとコロンビアに向け、もしも南軍が各個撃破に出てきたとしても、すぐに連携できるようにしたうえでの進撃でした。
南軍はナッシュビルで壊滅したフッド軍勢の残余などをかき集め、それをP・G・T・ボーリガールに預けましたが、サヴァンナより撤退したハーディーの軍勢を加えても、その数は二万に届かないぐらいでした。
1月15日にチャールストン港沖合いで北軍軍艦バタプスコが蝕雷して沈没するようなことがあったものの、シャーマンの進軍はとどまることを知らず、天候などの悪条件をものともせずに2月17日、コロンビアを陥落させます。
ボーリガールはシャーマンの進軍に翻弄され、コロンビアを放棄せざるを得なかったようでした。
コロンビアは事故とも放火とも言われる火災に見舞われ、全市が灰燼に帰してしまいます。
これもまた、戦争の災禍でした。
コロンビアとチャールストンの陥落によって、南部諸州同盟の命運は尽きました。
後はどう収拾をつけるかだけとなりました。
その37へ
- 2007/05/23(水) 20:33:21|
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今日からプロ野球は交流戦ですね。
札幌では北海道日本ハムと読売巨人の試合です。
今のところリードしていますが・・・さて。
今年から試合数が減って一チーム24試合になりましたね。
2連戦が続くので、ピッチャーのローテーションもやりやすいでしょう。
今年はどこが抜け出すやら。
阪神もここらで巻き返して欲しいですね。
と、いうことで、帰ってきてからはルール把握のためにASL(アドバンスドスコードリーダー)のソロプレイ。
ルールブックをただ読むだけよりも、ユニットを動かした方が何倍も理解しやすい。
最初のシナリオは1944年6月のフランス。
ノルマンディー近郊に降下した米軍降下兵と、近辺に展開していたドイツ軍との戦いだ。
両軍ともに機関銃すらない。
まさに歩兵と歩兵のぶつかり合いというところか。
ところでこのブログをご覧になっていらっしゃる方で、これはこうだよというのを教えてもいいという方がいらっしゃいましたら、いくつかの疑問点を書きますので、お教えいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
疑問点1
シナリオカードにはドイツ軍のELRが第1058擲弾兵連隊しか書いていないと思うんですが、他の部隊もELRは3なのか?
それとも他はELRは無視なのか?
これって結構重要そうなんですけどね。
疑問点2
スターターキットには半個分隊を二個合流させて一個分隊にするルールや、一個分隊を展開させて半個分隊にするルールは見当たらないようでしたが、それでよろしいのか?
GIでは展開できたり合流できたりしたはずなので、スターターキットでは省かれたのかな?
まだルールもちゃんと把握していない愚か者のたわごとですが、お教えいただければ幸いです。
ま、ともかく初期配置をしてみる。

集落の中を通る道路上に米軍の3個分隊+半個分隊が展開。
それを東西からドイツ軍の部隊が挟撃するというのが第一ターン。
ドイツ軍は射線を避けて慎重に接近。
移動力と火力をフルに発揮するためにも、それぞれ3個分隊をスタックさせて一個にまとめて接近する。
とりあえず西から登場の447は、K10L9L8L7と移動(指揮官つき)。
L7に入った時点でL5に配置した747からの防御臨機射撃。
(firstfireコマを置く)
残念ながらダイス目4・4で萎縮して効果なし。
(firstfireコマをfinalfireに裏返す)
東は467を指揮官とスタックさせてI1J1K2と移動させる。
K2でN3の747から防御臨機射撃。
これまたダイス目3・4で+2されて効果なし。
そこで連続臨機射撃で半分の火力で撃ってみる。
連続臨機射撃の使い方、これでいいのかなぁ。
出目は2・5でこれも効果なし、マーカーをfinalfire側にして終了。
と、と、防御射撃には残留FPが置かれるのを忘れていた。
これは気をつけないと忘れちゃいそう。
注意注意。
今回は他に移動する部隊が無いので問題なし。
防御射撃はこれで終了。
ドイツ軍側の前進射撃。
まずはL7の447X3。
前進射撃なので半分の火力で6。
L5の747を撃つ。
やった、2・2の4、指揮官がいるので萎縮なし。
MC2の結果。
747はチェック失敗で混乱、DMマーカーを上に置く。
K2の467X3もN3を撃つ。
同じく6火力だが、指揮官が8-1なので、ダイス目修整-1。
こっちは5・6、効果なし。
で、壊走フェイズ。
米軍のL5の混乱した747がM6に壊走。
距離は縮まっていないのでいいはず。
ドイツ軍の突撃フェイズ。
それぞれL7からM7へとK2からK3へ進んだ。
白兵戦はなし。
という感じでドイツ軍ターン終了。
結構慣れるまでが大変そう。
でも面白い。
どこかおかしなところがあったらご指摘下さいませ。
こんな感じで3ターンまでやってみました。
米軍がちょっとつらくなったので今回はここまで。
また明日にでもやり直してみようか。
ともあれ、ASLに足を踏み入れました。
SLとはかなり違うのが良くわかりました。
なるほどー。
それではまたー。
- 2007/05/22(火) 21:44:06|
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土曜日の「赤い夕日のナポレオン」プレイ中に、クロノノーツ様より「ASLスターターキット1」が届きました。
早速中身を確認。
おおー、歩兵ばっかりだー。
機関銃もちょっとしか付いていないし、ターンマーカーも無いや。
(ターンマーカーについては使っていないカウンターを使用するということらしい)
マップは二枚。
薄いけど綺麗だー。
かえって使いやすいかも。
丘も無いし、谷も無い。
どうやらレベル2のいわゆる二階建て建物も無さそう。
射線の確認しやすそう。
ということで、MMP社のホームページから和訳をダウンロード。
プリントしてホチキス止めしてルールブック完成。
いそいそとルールを確認してみる。
スコードリーダーとどう違うやら・・・
おおー、私をASLから遠ざけた略語の群れがいっぱいだ。
でも今回は頑張ってみるよ。
回復フェイズはSLとあんまり変わらないみたいだ。
でも支援火器の回収ってのがあるな。
支援火器は所有していないと使えないみたいだから、回収とか受け渡しとか放棄とかあるんだな。
準備射撃フェイズもそう変わりないみたい。
でも射撃結果はだいぶ違うなぁ。
KIAにも数字が付いて、ヘクス内の全てが失われるわけじゃなくなったのか。
指揮官が混乱した場合もちょっと違うみたいだ。
何でもかんでも二回目の士気チェックをするというわけじゃないみたいだね。
損耗もするんだ。
半個分隊になっちゃうことがあるんだなぁ。
移動は防御射撃フェイズとほぼいっしょくたっぽい
一個ユニットごと、またはスタックごとに一ヘクスずつ動いて、そこに防御射撃が来るってことか。
あれ?
防御側のユニットは一回だけ射撃ってわけじゃないのか?
防御臨機射撃で一回、連続臨機射撃で一回、場合によっては緊急防御射撃ができて合計三回射撃ができる?
これであってるのかな?
これはすごく変わっているなぁ。
残留FPなんてのもあるけど、機関銃に貫通力ってなくなったのかな?
スターターキットだからなのかな?
前進射撃フェイズは自動火器ボーナスってのがあるか。
GIあたりで入ったんだったかな。
壊走フェイズと突撃フェイズはそう変わらないか。
でも、疲弊があるね。
後は白兵戦フェイズ。
不意打ちには注意だなぁ。
うーん、結構違うんだなぁ。
慣れるまでは大変そう。
でもASLもやってみたかったしね。
今度先輩とやってみます。
それではまた。
- 2007/05/21(月) 21:44:27|
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昨日は先輩とコマンドマガジン日本版52号付録の「赤い夕日のナポレオン」をプレイしました。
ハーフマップのお手軽なナポレオニックということでしたが、なるほどそれほど難しいルールは無いものの、いろいろと考えさせられる楽しいゲームのようでした。
皆さんの評価が高いのがよくわかります。
初めてのプレイだったので、先輩が連合軍、私はナポレオン皇帝を擁するフランス軍を担当してみました。
シレジア軍とボヘミア軍という二つの軍勢を擁し、二方向からパリへ向かう連合軍。
一方ナポレオンは自らの才能を頼みに連合軍を迎え撃ちます。
フランス軍は皇帝陛下の天才ぶりに自ら行動してこなかったのが災いしたのか、各下級指揮官は軒並み指揮能力が低い数値。
そのせいでナポレオン本人のみが東奔西走せざるを得ません。

孤軍奮闘する皇帝陛下
それでも今回は先輩のサイコロの目の不運が続き、三ターン目にしてサドンデス勝利をフランス軍はつかむことができました。
連合軍はあと一個都市を落とすことができませんでした。
でも、サイコロの目次第では充分に連合軍側にも勝機があるゲームなんでしょうね。
何度もプレイする価値がありそうなゲームでした。
また今度プレイしてみようと思います。
それではまた。
- 2007/05/20(日) 20:37:12|
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戦場での南北両軍の戦いとは別に、シャーマンはアトランタそのものに対しても砲撃を命じていました。
軍隊を維持し、物資や人的資源を供給する都市は、戦争遂行上破壊しなくてはならない軍事目標と考えられるようになったのです。
これは戦争というものが、前線と後方との区別がつかなくなってきた事例の一つでした。
これまでの戦争は軍隊そのものが標的でしたが、軍隊を構成するものを支える全てのもの、人的物的資源やそれを運ぶ道路や鉄道、生産する工場や食料そのものとそれらを支える経済活動自体、といったものが標的となったのです。
戦争を勝利に導くためには、そういった戦争を行なうために使われる全てのものを破壊する。
それもやむを得ないことだと考えられるようになったのです。
8月中旬から9月1日のフッドのアトランタ放棄まで、ほぼ毎日アトランタ市外には北軍の砲弾が降りそそぎました。
小説「風とともに去りぬ」では文章で、後に映画化された際には映像でそのときのアトランタの様子が描かれています。
アトランタ市民の損害もかなりの数に上ったと思われます。
アトランタはほぼ都市としての機能を喪失したのでした。
アトランタを放棄せざるを得なかったフッドでしたが、まだまだ闘志は衰えていませんでした。
すでに三万五千に減ってしまった麾下の軍勢でしたが、正面切っての決戦でなければ、まだまだ勝機はあると考えたのです。
フッドは今度は自分がシャーマンの後背に回り込み、補給線を脅かすことでシャーマンの進軍を停止させようとしました。
アトランタ陥落後の状況視察に出向いたデイビス大統領もこれを承認。
フッドは麾下の軍勢を率いて北上を開始します。
フッドは鉄道を破壊し、電信線を切断しながらドルトンまで進みました。
北軍のシャーマンはフッドが後方で蠢動するのを良しとせず、当然のこと軍勢を率いてフッドを追いました。
フッドは小競り合いを少ししただけで西に逃れ、シャーマンをさらにひきつけるべく動きますが、シャーマンはフッドの目的が自軍をひきつけることにあると看破したため、トマスとスコフィールドに後を任せてアトランタに戻ります。
シャーマンを吊り上げることに失敗したフッドは、乾坤一擲の大作戦を立案しました。
テネシー州を縦断し、ケンタッキー州まで進出、リーと連絡をつなぎ北軍を撃破するというものです。
当然これは補給も何もかもを無視した無謀なものでしたが、フッドはやる気満々でした。
フッドはこの作戦を誰にも知らせずに実行し始め、アラバマ州に軍勢を進めました。
しかし、テネシー川渡河に手間取っているうちに北軍のスコフィールドとトマスの軍勢がテネシー州でフッドの軍勢を迎え撃つ準備を整えてしまいます。
折りしも1864年11月。
この月に行われた大統領選挙の結果は、アトランタ陥落など軍事上南部を追い詰めていることが評価され、リンカーンが再選します。
対抗したのはあのジョージ・B・マクレラン。
彼が大統領になることを南部の人々は期待しましたが、そうはなりませんでした。
リンカーンの再選は、南部諸州同盟の最後の希望を断ち切ったようなものでした。
南部諸州同盟にとって、戦争に勝つ見込みどころか、負けない見込みすらも失われつつあったのです。
11月26日、フッドはテネシー州のコロンビアまで到達しましたが、そこにはすでにスコフィールド麾下の北軍が陣取っていました。
フッドが強固な防御陣地への攻撃を避け、迂回する動きを見せたため、スコフィールドは後退して陣地を変更しようと考えます。
その動きを封じるべくフッドは、スプリングヒルという地点でスコフィールドの軍勢を捕捉しようとしましたが、フッド自身の不注意と意思疎通の不徹底から北軍を捕捉することはできずに取り逃がしてしまいます。
フッドは怒り、失敗を部下のせいにして当り散らしますが後の祭り。
興奮冷めやらぬフッドは、11月30日にはフランクリンという町の前面に新たに築かれたスコフィールドの北軍の防御陣地に無謀にも突撃を命じます。
下級指揮官たちは揃って反対しましたが、部下を無能なバカどもと思っているフッドは聞き入れません。
二万八千のスコフィールドに対し、フッドの軍勢は二万二千。
最初から戦力が少ない上に、防御しやすい陣地に篭もる相手に向かって突撃するのですから、勝敗は見えていました。
午後から始まって暗くなるまで続いた戦闘は、南軍が六千の損害を出して終わります。
(北軍側の損害は約三分の一と言われます)
南軍の損害は兵力もそうでしたが、特に将官級の戦死者が相次ぎました。
師団長旅団長などが十二人も失われたのです。
南軍にとっては埋め合わせることの不可能な損害でした。
フランクリンを守りきったスコフィールドは、かねてからの打ち合わせどおりに軍勢をナッシュビルへ向かわせます。
ナッシュビルで待機しているトマス将軍の軍勢と合流し、そこでフッドを迎え撃つつもりでした。
フランクリンでの敗北に衝撃を受けたフッドでしたが、北軍を放置するつもりはありませんでした。
彼は残った兵力をかき集め、約二万四千の兵力でナッシュビルへ向かいます。
彼にはある考えがありました。
合流した北軍は圧倒的な兵力になるため、きっと南軍に対して攻撃に出るに違いない。
今度はこちらが防御陣地で迎え撃ち、北軍に大量の損害を与えてやろうというものだったのです。
はたして12月2日、年の瀬も押し迫ったこの日、ナッシュビル近郊に布陣したフッド麾下の南軍兵士たちの前には、トマス以下五万四千にまで膨れ上がった北軍兵士たちが立て篭もる陣地が広がっておりました。
フッドは麾下の各軍団に塹壕を掘らせ、柵をめぐらせて防御陣地をこしらえます。
南北両軍はナッシュビルでにらみ合いになりました。
約二週間のにらみ合いのあと、攻撃を仕掛けたのは北軍でした。
二週間もだらだらと攻撃をしないトマスに痺れを切らしたワシントンの動き(解任案が出ていた)を察知したのか、トマスが猛然とフッドの陣地への攻撃を命じたのです。
12月15日、みぞれまじりの悪天候の中、北軍兵士約四万三千が攻撃に参加。
両翼からの半包囲攻撃を仕掛けます。
フッドが考えていた通り、北軍側からの攻撃となりましたが、北軍側は兵力が豊富でした。
南軍の両翼は善戦し、北軍兵士をたじろがせはしましたが、徐々に圧迫され後退を余儀なくされます。
フッドは陣を捨てるしかありませんでした。
翌16日も三キロ後退したフッドを北軍が襲います。
簡易ながらも防壁をこしらえた南軍陣地に対して、北軍はやはり圧倒的な兵力でこれを圧迫。
左右両面からの半包囲体勢を取られ、両翼が支えきれなくなった南軍はついに崩壊しました。
南軍の損害そのものは約五千ほどということでしたが、フッドはもう立ち直れませんでした。
残存兵力一万八千ほどとなった南軍は、雪の降りしきる中ミシシッピ州トゥーペルまで後退。
そこで年明けを迎えることになります。
西部方面での南軍の組織的抵抗はほぼ終了しました。
その36へ
- 2007/05/19(土) 19:27:02|
- アメリカ南北戦争概略
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阪神の喜田剛内野手(27)と広島の山田真介外野手(27)の交換トレードが発表されましたね。
阪神にいらっしゃる広島の山田選手については良くわからないのですが、巨人から広島に移られた走塁の優れた外野手のようですね。
阪神では赤星の代役という部分に期待しているようです。
頑張って欲しいものですね。
しかし、喜田選手を出すのはちょっとどうなのかなって気もします。
二軍戦とはいえ、二年連続ホームラン王ですよ。
長距離打者としてこれからに期待できる選手だと思うんですけどね。
うまく使いきれなかったのかなぁ。
ただ、年齢的に言って、二軍とはいえ二年連続ホームラン王が一軍定着できないというところに問題があるのかもしれないですね。
阪神の一軍が遠かったんでしょうね。
どちらも球団から請われて移籍するわけですから、移籍先で頑張って欲しいものです。
数年後、阪神が広島の喜田ってのはHRがあるからいやだなって思い、広島が阪神の山田は足があるから塁に出したくないって思うようになって欲しいですね。
それではまた。
- 2007/05/18(金) 19:42:51|
- スポーツ
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ついつい見かけて手に取ってしまったマンガを紹介ですー。
「魔法少女ここあ ①」宮越良月著 双葉社
デジタルコミックスの単行本化のようですが、大本のデジタルコミックは読んでません。
タイトルに惹かれて手に入れちゃいました。
自分のミスから犯罪者を地上(地球)に解放してしまった、魔法少女ここあとそのメイドかふぇ。
解放してしまった犯罪者ジョーを追って地上にやってきますが、その戦いのさなかに主人公の少年を巻き込んでしまい、瀕死の状態にしてしまいます。
大事な魔導器を埋め込み、死ぬことは避けましたが、その魔導器を狙うジョーとここあたちは地上に残ることに。
主人公を慕う少女もいて、主人公の周りはにぎやかなことに・・・
なんですが、この主人公を慕う少女がジョーに利用されるんですよねー。
黒いボディスーツに身を包み、巨大な鎌をもって、自分を苛めていた女を倒したり、フードつきのピタスーツに身を包んで通りすがりの男性を殺しちゃったり・・・
まあ、悪落ちにはビミョなんですが、それでも結構楽しめました。
この後の展開はどうなるのかな。
2巻が楽しみです。
それではまたー。
- 2007/05/17(木) 20:18:37|
- 本&マンガなど
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日本が世界に誇るアニメーター「宮崎 駿」氏。
彼の名を知らないものはいないと言っていいほどの有名なお方ですが、彼がまた相当な軍事オタクであることもご存知の方は多いでしょう。
そんな宮崎氏の思いを綴った作品の一つが、「宮崎駿の妄想ノート」(雑想ノートではありません)の中の「泥まみれの虎」ではないでしょうか。
大日本絵画社からフルカラーで出版されたこの本は、「泥まみれの虎」と、「ハンスの帰還」の二本立ての作品集ですが、もちろんメインは実在のドイツ軍兵士オットー・カリウス中尉(最終階級)率いるティーガー重戦車小隊の活躍を描いた「泥まみれの虎」の方ですね。
実在の人物の実際の戦記をもとに描かれたのですから、それはもう迫力といいすごいものがあります。
ティーガーの重厚さと運用には細心の注意が必要なことも読み取れます。
歩戦(歩兵と戦車)共同の重要さもよくわかります。
そして何よりこれを読んでいると、AH社の「スコードリーダー」&「クロスオブアイアン」をやりたくなっちゃいます。(笑)
まあ、それはともかく、たった数両のティーガーに戦線を支えさせなきゃならないというドイツ軍の状況はお寒いものだったんでしょうねー。
装甲師団も戦線をつくろうために大忙しだったようですしね。
1944年といえば、ドイツの戦車生産量が一番多かった年なんですけど、造られるよりも失う方がはるかに多かったんでしょうね。
そんな中、戦車そのものの質のわずかな優位を最大限に生かして、津波のごときソ連軍&連合軍の兵力に立ち向かっていったんでしょうね。
それではまた。
- 2007/05/16(水) 21:25:29|
- 本&マンガなど
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二つ目の記事です。
今日、ちょっと時間があったので、HJ社タクテクス1988年6月号付録の「ブライテンフェルトの戦い」をソロプレイしてみました。
三十年戦争を扱ったゲームは、私の手持ちではこれ一つだけ。
しかも当時は興味をもてなかったために別売ユニットは手に入れていなくて、ユニットはコピーして厚紙に貼った自作ユニット。
でも、まあまあの出来かな。
とりあえず初期配置。

両軍とも整然と並んでいます。
手前がスウェーデン&サクソン軍。
奥側のグレーが神聖ローマ帝国軍です。
史実ではこれから両軍の砲撃戦が始まり、戦場は砲煙に包まれて視界が閉ざされます。

これがスウェーデン王グスタフ・アドルフ。
いち早く軍を近代化して、ヨーロッパに覇を唱えるつもりです。

こちらは神聖ローマ帝国軍のティリー伯爵。
甲冑を着た聖者と呼ばれるほどの敬虔なキリスト教信者の老将軍です。
神聖ローマ帝国軍は史実どおり左右両翼に展開してサクソン軍とスウェーデン軍の騎兵に圧迫をかけますが、両軍入り乱れての混戦に。
サクソン軍はじわじわ押されますが、スウェーデン軍は逆に神聖ローマ帝国軍を押し返します。

スウェーデン軍の騎兵がそのまま右翼から神聖ローマ帝国軍を押し包むまさに史実通りの展開になります・・・が・・・
視界制限ルールと士気阻喪ルールを忘れていました。orz
まあ、展開にそれほど影響は無かったんじゃないかという気はしますが、私自身の士気が崩壊。
五ターン目でやめました。
日本語訳のある三十年戦争を扱ったゲームと言うのは少ないのではないかと思いますので、これがタクテクスに付録として付いていたというのはすごいことだったんでしょうね。
今度は先輩あたりと対人プレイをしてみたいです。
それではまた。
- 2007/05/15(火) 22:04:13|
- ウォーゲーム
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先ほどまでネットにまったく接続できませんでした。
IP電話も使えなかったので、何事かと思ったのですが、どうやらうちだけじゃなかったようです。
「ただいま全国的にネットに障害が発生しております。復旧の目処は立っておりません。大変申し訳ありませんが、今しばらくお待ち下さい」
NTT東日本のオペレーターさんはそう言っておられました。
あちゃー・・・やばいなぁ。
今日で連続更新も打ち止めかな?
まあ、最悪携帯からでも更新してみようかな?
なんて考えておりましたが、どうやら復旧したようです。
よかったよかった。
ということで、皆様にご報告。
先日、MCや寄生、悪落ちなどの作品のインデックス化を進めていらっしゃるサイト様「みーんな、なかーま」様に、当「舞方雅人の趣味の世界」がリンク先として登録していただけました。
管理人様、この場を借りてお礼を述べさせていただきます。
本当にありがとうございました。
これからよろしくお願いいたします。
「みーんな、なかーま」様は、実写作品は言うに及ばず、マンガなど広い範囲から作品を集めておられますので、とても素晴らしく便利なサイト様だと思います。
ご存知の方も多いでしょうが、ぜひぜひお伺いなされるとよろしいかと思います。
それではいったんこれにて。
- 2007/05/15(火) 21:32:06|
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アトランタ前面での戦いは攻撃側の南軍によっては不本意な結果になりました。
しかし、フッドはまだまだ意気を失ったわけではありませんでした。
どのみち北軍を追い払わなければ、アトランタは遅かれ早かれ陥落の憂き目を見てしまうでしょう。
フッドは、アトランタ東面に軍を進めてきた北軍マクファーソン隊に狙いをつけました。
アトランタを囲む防御陣でマクファーソンを引き付け、その間に迂回行動した別働隊が背後に回って攻撃。
前後からの挟撃によってマクファーソン隊を壊滅に追い込むという作戦でした。
1864年7月21日、フッドの命により、ウィリアム・ハーディーは麾下の軍勢を引き連れてアトランタ南方より迂回行動の途につきます。
この行動はアトランタ市民にとっては、南軍の撤退と見え、そのためにパニックに陥った市民が避難をしようとして混乱。
ハーディー隊もその混乱に巻き込まれ、行軍を著しく妨害されるという一幕も起こりました。
迂回行動はその後も迅速さとは程遠く、結局22日の夜明けという攻撃開始時刻を大幅に上回りました。
正午近く、ようやくハーディーは麾下の部隊に攻撃を命じます。
南軍はバート、ウォーカー、クリーバーン、メーニーの各師団が横隊に展開し、北軍マクファーソン隊にぶつかりました。
北軍マクファーソン隊は、ちょうどその頃側面防備の陣地構築を終えたところでした。
もしかしたら南軍は側面に迂回攻撃をしてくるかもしれないと思っていたのでしょう。
そのためにまたしても南軍の攻撃は側面に対する奇襲ではなく、ある程度防備の整った陣地に対する強襲となってしまったのです。
南軍はあっという間に師団長の一人ウォーカーを失い、北軍も指揮を取っていたマクファーソンその人を失います。
フッドはハーディー隊の攻撃が始まったのに呼応し、アトランタからもチーザムの部隊を攻撃に参加させます。
午後3時ごろ、チーザムの軍勢はアトランタ東面の塹壕陣地より躍り出し、北軍マクファーソン隊に向かいました。
側面と正面からの強襲を受け、さらには司令官マクファーソン自身も失った北軍マクファーソン隊でしたが、戦場に到着したシャーマンの指揮と、防御陣地での防御戦ということもあり、南軍の攻撃を跳ね返します。
結局南軍はまたしても北軍以上の損害を受けて、アトランタに後退せざるを得なくなりました。
一方北軍のシャーマンも、十万の兵力を擁するとは言いながらもアトランタの周囲の南軍の塹壕陣地に強襲をかけることは、自軍戦力をすり減らすだけであると認識していました。
そのためシャーマンは古来から拠点攻略に有効な手段、敵の補給を断っての包囲戦を行なうことにします。
シャーマンはそのためにマクファーソンより指揮を引き継いだハワードの軍勢と、トマスの軍勢にアトランタ南方の鉄道線路を遮断するよう命じます。
鉄道線こそアトランタの生命線なのです。
まずは先鋒としてハワードの軍勢が移動を開始、それを知ったフッドは対応を迫られました。
フッドは配下のサミュエル・D・リーに軍勢を率いて北軍より先に街道を押さえるよう命じます。
アトランタより西方に伸びるリック・ステレット街道にはエズラ教会という教会があり、その近くの街道辻を押さえることで北軍の動きを封じることができると目論んだのです。
S・D・リーは命令を受領すると、麾下の軍勢を率いて進発しました。
ところが、エズラ教会に着いてみると、そこにはすでに北軍ハワードの一隊が街道沿いに陣地を築いてしまっておりました。
命令に忠実なリーは、この北軍を追い払い街道辻を占拠することこそ任務と思い、北軍陣地へ攻撃を仕掛けます。
南軍の攻撃は苛烈であり、また戦況を憂慮した同僚のスチュワートが援軍を率いて到着しもしましたが、やはり塹壕に篭もる北軍兵士を追い出すことはできませんでした。
結局五千の損害と負傷したスチュワートというものしか得ることの無かった南軍は、アトランタに帰還。
この一連の攻撃によりアトランタのフッドの手元には三万五千の兵士しか残らなくなってしまいました。
シャーマンはその後もアトランタ南方の鉄道線を遮断するべくハワードの軍勢をさらに南下させ、ジョーンズボロという鉄道の中継点まで近づきます。
ジョーンズボロの陥落はすなわちアトランタの陥落である以上、フッドは全力で防衛しなくてはなりません。
フッドは先日の戦闘で損害を受けたS・D・リーの軍勢を再編し、さらにハーディーの軍勢も一緒にジョーンズボロに送り出しました。
1964年8月31日。
先手を取ったのは南軍でした。
先任のハーディーがS・D・リーの軍勢も指揮下に置き、北軍ハワードの軍勢に攻撃を仕掛けたのです。
北軍は進軍途上を襲撃され、少なからぬ損害を出しましたが、後退するまでには至りませんでした。
それでも北軍の進撃は停止し、ハワードは別ルートを進軍してくるトマスの軍勢の到着を待つことにします。
翌9月1日、戦場の様相は一変します。
北軍にはトマス率いる軍勢がハワード隊と合流。
圧倒的な兵力を揃えたのに対し、南軍はあろうことかフッドの指示によりS・D・リー隊がアトランタへ戻るよう引き抜かれます。
アトランタそのものの危機を感じたのかもしれませんが、残されたハーディーの軍勢だけではジョーンズボロを守りきることは不可能でした。
北軍の攻撃の前にハーディーはついにジョーンズボロを放棄。
アトランタの運命は決まりました。
9月1日の夜、フッドはアトランタを放棄。
翌2日、シャーマン率いる北軍はついにアトランタに入城しました。
アトランタ攻防戦の終了でした。
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- 2007/05/14(月) 20:52:16|
- アメリカ南北戦争概略
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昨日遊びに来た先輩からお借りした、シミュレーションゲームのユニットを切る。
コマンドマガジン日本版付録の「赤い夕日のナポレオン」と「ダンケルク1940」、それに「ザ・タイガーズ・アー・バーニング」(カタカナで書くと間抜けかな)
いずれもハーフマップの場所を取らないゲームですが、皆さんの評価は高そうです。
とりあえずユニットを切ってマップを広げ、初期配置だけ並べてみました。
いずれのゲームも基本的には配置位置が決まっているので、初期配置に悩むことはありません。
私は自由配置があまり得意ではないので、こうして決まっている方がやりやすいです。
初期配置を並べ終わったら、少しルールブックを眺めて、概略だけでも掴んでみます。
ZOCはあるのか?
マストアタックなのかメイアタックなのか?
補給や指揮などはどうなのか?
ルールブックの字面を見たら難しそうでも、ユニットを動かすと案外簡単に理解できたりすることもありますよね。
プレ19thの戦争に興味があるので、まずは「赤い夕日のナポレオン」あたりから先輩にお手合わせ願おうかと思います。
プレ19thといえば、アメリカ南北戦争もそうですが、最近はヨーロッパ中世、特に神聖ローマ帝国に興味があります。
「三十年戦争」あたりは面白そうですよね。
と言っても実際何も知らないと言っていいので、何かいい資料がないかと物色中です。
金がないので、文庫や新書で探しているのですが、とりあえず先日手に入れたのが「戦うハプスブルグ~近代の序章としての三十年戦争」「神聖ローマ帝国」(いずれも菊池良生氏著)「新書ヨーロッパ史 中世編」(堀越孝一氏編)(以上三冊とも講談社現代新書)の三冊を手に入れてきました。
これで少しずつ勉強するぞー。
面白いエピソードなどあれば、皆さんにもご紹介したいですね。
それではまた。
- 2007/05/13(日) 21:25:06|
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今日も先輩とウォーゲーム。
お題はまたしても「セダンキャンペーン1870」コマンドマガジン日本版73号付録。
前回のリベンジとばかりに、再び先輩がプロイセン軍を指揮し、私はナポレオン三世のフランス軍を指揮します。
初期配置はフランス軍はほぼ決まりきっているので、以前と同じようにZOCでプロイセンの進撃路をふさぐように配置。
一方先輩は極端に戦力を東方に集中させ、ストラスブールを一撃で奪取するつもりです。
戦力を集中したプロイセン軍は、フランス軍の前線を苦も無く突破。
二ターンにはストラスブールを包囲します。
しかし、西方では1:1の攻撃をほとんどARにしてしまい、フランス軍を補足するのに失敗。
さらにストラスブール自体に対する攻撃も4:1でありながらサイコロの目が5で失敗します。
とはいえ、フランス軍としてはあまりいい状況でないのは確かです。
幸い、プロイセン軍の一スタックが突出していたため、2:1の包囲攻撃を行なうように接敵します。
ところが、こちらもサイの目が振るわずにAR。
プロイセン軍は窮地を脱しました。
三ターンにはストラスブールが陥落。
予想していたとはいえ、勝利都市へクス一つを落とされ、フランス軍はつらい状況に。
皇帝親衛隊を含むフランス軍の攻撃も、一進一退を繰り返すのみで、プロイセン軍を撃破するまでに至りません。
それでもメッツにはそれぞれのヘクスに6戦力、ナンシーには騎兵を集中させて3戦力、セダンにはシャロンの部隊を回して各ヘクスに4戦力を篭もらせることに成功。
篭城戦に備えます。
プロイセンはストラスブール攻略に使った戦力を全てナンシーに集中してきます。
それを防ぐ戦力はフランス軍にはありませんでした。
第六ターンにはナンシーが包囲されます。
戦力比は4:1。
サイコロの目が1から4でナンシーは陥落し、その瞬間プロイセンの勝利が確定します。
先輩が振ったサイの目は無情にも5。
ナンシーのフランス軍は一ユニットが除去されただけで、二ユニットが残りました。
このターンでのプロイセン軍の勝利はなくなりました。
七ターンにはナンシー陥落。
しかし、このターンからはプロイセンはもう一箇所勝利都市へクスを奪わないと勝利できません。
フランス軍は首の皮一枚で戦争継続となったのです。
その後は各都市に立て篭もるフランス軍に対して、プロイセン軍が何とか包囲攻撃を仕掛けるだけとなり、最終ターンまで持ちこたえたフランス軍が勝ちました。
とはいえ、フランス軍は都市に篭もるだけであり、戦争そのものには勝ったとは言いがたいでしょうね。
あくまでも勝利条件上勝ったというだけです。
以前も感じたことですが、このゲームはプロイセン軍が厳しいのではないかと思います。
フランス軍は適当に戦ったあと、各勝利都市へクスに立て篭もってしまえば、どうにか持ちこたえることが可能だと思うのです。
プロイセンは立て篭もられないようにしなくてはなりませんが、おそらく難しいでしょう。
バランス的にはあまりよくないかもしれません。
ですが、やっていると結構楽しいかなって気がします。
あ~でもないこ~でもないと言いながら、ユニットを動かすことが楽しいんですよね。
この楽しさをもっと多くの人が知ってくれればと思います。
シミュレーションウォーゲームは面白いですよ。
それではまた。
- 2007/05/12(土) 20:13:35|
- ウォーゲーム
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ジョンストンとの一連の戦いの後、シャーマンは自軍をいったんアクワースという町に後退させました。
休養と再編成、さらに物資補給のためでした。
南軍の司令官ジョンストンは、シャーマンの後退が再編成と更なる進軍のための準備であることは当然わかっていましたので、少しでも地保を確保するためにシャーマンの北軍に向かって前進します。
そして、アクワースの南に連なる丘陵地帯に陣を敷きました。
休養と再編を終えたシャーマンは、ジョンストンの南軍と決着をつけるべく、南軍陣地の弱点を探りにかかります。
折りしも1864年6月14日、南軍陣地の中央部パイン山において南軍首脳陣により陣地の状況視察が行なわれておりました。
それを知ったシャーマンはすぐさま砲兵隊に射撃を命じました。
砲弾がパイン山に降りそそぎ、南軍のポーク中将が戦死します。
南軍はまたしても大事な指揮官を失いました。
南軍はポーク将軍を失ったあと、丘陵地帯を放棄して後退します。
結局ケネソー山まで後退したあと、ここで北軍を迎え撃つことにしたのでした。
ケネソー山の防御陣地は強固なものでした。
しかし、シャーマンは今までとは違い、この強固な陣地を正面攻撃で突破するつもりでした。
6月の雨が周辺をぬかるみにしており、迂回行動が難しかったのです。
6月27日、シャーマンは五千五百の兵に陽動攻撃を行なわせ、斜面を登らせます。
激しい銃撃が頂上付近の南軍陣地から浴びせられ、北軍の攻撃は阻まれました。
シャーマンは南軍が陽動攻撃に引き付けられたと見るや、南側で攻撃を開始します。
勇躍突撃する北軍兵士八千。
しかし、ここでも陣地攻撃は損害ばかり多く、得るものは少ないということを実証したに過ぎませんでした。
南軍は秩序だった射撃を北軍兵士に浴びせかけ、北軍は三千の損害を出して追い払われました。
南軍はポーク将軍に対する北軍の砲撃を謀殺同然と感じ、憎しみを抱いていたのです。
シャーマンは陣地攻撃をあきらめ、再び迂回することにしました。
7月に入り、道路事情が改善したのを受け、シャーマンは北軍を南下させます。
ジョンストンはまたしても何度かの陣地変更の後、シャーマンの正面に陣を敷きましたが、そこはもはやジョージア州アトランタの目前でした。
南部諸州同盟大統領ジェファーソン・デイビスは度重なるジョンストンの陣地変更とそれにともなう後退により、これ以上土地を失うのは耐え難いと考えていました。
すでに北軍は大都市アトランタまで来たのです。
アトランタが陥落するような事態はなんとしても防がねばなりませんでした。
7月17日、デイビスはついにジョンストンを解任。
ジョン・ベル・フッド将軍を司令官に任じます。
どうもデイビスは、フッドといいブラッグといいあまりいい指揮官ではない人物に惚れ込むことが多いようで、周囲の評価の良くないフッドを指揮官にしたのは、結果的に誤りだったといわれても仕方ないかもしれません。
ともかくデイビスの信任厚いフッドが指揮官となった時、北軍はアトランタの北を流れるピーチツリー川まで前衛が達していた頃でした。
ピーチツリー川を北軍が越えた時点で反撃をする。
ジョンストンが考えていたこの作戦をフッドは採用します。
フッドは配下の軍団長ハーディー、チーザム、スチュアート(騎兵指揮官のJEB・スチュアートとは別人)に攻撃作戦を指示し、7月20日の午後一時をもって戦闘開始と定めました。
しかし、シャーマンの別働隊の存在を気にしたフッドは、せっかく攻撃配置についていた軍団をずらした挙句、再配置完了の午後4時まで攻撃をできなくしてしまいました。
その時にはピーチツリー川を渡った北軍前衛のフッカーとニュートン隊は防御のための陣を築き、南軍の攻撃を待ち構えていたのです。
南軍の攻撃は激しいものでしたが、やはり防御側が有利であることは疑いありませんでした。
北軍は陣地を支えきり、ピーチツリー川に追い落とされることを防ぎました。
北軍の損害は二千。
南軍は約四千の損害を出して攻撃は頓挫します。
アトランタの運命は風前の灯でした。
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- 2007/05/11(金) 20:41:27|
- アメリカ南北戦争概略
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今日はマンガの紹介です。
「ブルーシティ」 スコラ社 星野之宣著 (注 私の持っているものはです)
「宗像教授異考録」や、「妖女伝説」など、幾つもの素敵な作品を描かれている星野之宣先生の初期作品です。
未知のウィルスにより地上の人類が滅亡に瀕した時、海底の都市に生きる人々に全てを託して、人類は地上を焼くべくオゾン層を破壊します。
生き残った海底都市の人々は、惨事を乗り越えて生き延びるべく全力を尽くしますが、地上ではウィルスと紫外線により変異した人類が・・・
という話ですが、ウィルスのせいで吸血鬼のようになってしまう人間や、突然変異により水棲人類となる人々など、変貌ネタが多いです。
中でも、吸血鬼のようになっていた女性が、水棲人類になりきれずに死んでしまうくだりは、ドキドキものでした。
また、背中にコウモリのような羽を生やした水棲人類は、新たに生まれるというよりも、いったん死にかけた地上の人間が変貌するものであり、変貌した男女が海中に群れなすくだりも好きなシーンです。
人間が違う生き物に変貌して行くというネタをSSとして考える時、この話が真っ先に思い浮かんだりしますね。
大好きなマンガです。
それではまた。
- 2007/05/10(木) 20:29:38|
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(゚Д゚)
(>_<)
(T_T)
阪神負けました・・・
一点リードで9回表に入った時は、今日こそはって思ったんですが・・・
逆転負け・・・
ヤクルトが勝ったので単独最下位です。
しんどいなぁ。
今年は井川もいないし、初めから苦しい年だろうなとは思ってはいたんですが・・・
それでもここまで苦しいとは・・・
ピッチャーが打たれ、バッターは打てない。
悪循環ですねー。
いやー、しかし、数年前まではこれが当たり前だったんですよね。
今までがいい夢を見られていたということなのか?
でも、またあのダメ虎には戻って欲しくないですね。
まあ、今が一番悪い時期だと思って耐えましょう。
明日はきっと勝つさ。
それではまた。
- 2007/05/09(水) 22:22:20|
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グラントがリーとにらみ合いに転じた頃、ジョージア州北部ではグラントの信任厚いW・T・シャーマンが、西部方面の北軍を指揮下に置き、南部諸州同盟へ圧力をかけ始めておりました。
シャーマンの麾下にはトマス率いるカンバーランド軍六万、マクファーソン率いるテネシー軍三万、スコフィールド率いるオハイオ軍一万四千の合計十万に及ぶ兵力があり、西部方面の南軍を大いに凌駕しておりました。
一方シャーマンと対峙する南軍は司令官ジョゼフ・ジョンストン以下、ハーディーとフッドの歩兵計四万とホイーラーの騎兵約一万の約五万という兵力でした。
しかし、彼らには地の利と防御側であるという利点があり、ジョンストンはその点を充分に生かしてシャーマンと戦うつもりでした。
無論、南部諸州同盟大統領ジェファーソン・デイビスはジョンストンに対して攻勢をかけるように指示していましたが、ジョンストンは何やかやと自軍の不備を言い立てて、結局動こうとはしませんでした。
その彼は、ロッキー・フェース・リッジという丘に兵を布陣して、シャーマンの北軍を待ち受けます。
シャーマンは麾下の三つの軍勢のうち、トマスとスコフィールドにロッキー・フェース・リッジを威嚇させ、マクファーソンの軍を大きく迂回させて、南軍の補給拠点レサカの町を襲撃するという作戦を立てました。
レサカが危うくなれば、ジョンストンもロッキー・フェース・リッジを放棄せざるを得ず、丘の頂上に攻め寄せるという攻撃をしなくてもすむのです。
シャーマンの作戦はジョンストンを窮地に陥れるはずでした。
トマスの示威行動にロッキー・フェース・リッジの南軍は釘付けになり、レサカはマクファーソンにその無防備の正面を晒す羽目になるはずだったのです。
しかし、マクファーソンがレサカの町に到着した時、レサカの町には南軍の歩兵部隊が防備を固めているのを目にします。
そこにいたのはキャンティー准将率いる四千ほどの南軍歩兵だったのですが、南軍兵士がレサカの防備にいるとは思わなかったマクファーソンは、ロッキー・フェース・リッジでの北軍の作戦が破綻したと考えたのか、軍勢を率いて後退してしまいました。
レサカの危険を理解したジョンストンは、慌てて全軍をレサカに集結させます。
しかも、レサカにはキャンティー准将の歩兵部隊だけではなく、レオニダス・ポーク中将の約一万ほどの軍勢がやって来ていたのです。
軍人をやめ、聖職者となって主教の地位まで登りつめたポークでしたが、その後南北戦争勃発にともなって再び軍人となり、中将にまでなったのです。
その彼がミシシッピ軍全軍を引き連れて来ていたのでした。
約六万の軍勢となったレサカの南軍に対し、シャーマンは結局約十万の兵力をもって1864年5月13日に攻撃を開始しました。
しかし、5月15日までの数次にわたる攻撃は、結局両軍に決定的な状況をもたらすには至りませんでした。
双方とも投入した兵力のわりに約四千ほどの損害を出しただけに終わり、戦場では膠着が続きました。
最終的には北軍の数の有利さがモノを言います。
シャーマンが派遣した別働隊がレサカの南に回ったことを知ったジョンストンは、連絡補給線を切られることを恐れ、やむを得ずレサカを放棄。
以後、シャーマンの北軍が南軍の拠点を迂回し、南軍がそれにつれて後退するという状況が一般化することになりました。
南軍は後退を続け、ジョージア州キャスヴィルという町まで後退しました。
それに対してシャーマンはやはり軍勢を三つに分けて三方から南下し、南軍に対する分進合撃を企図します。
そこでジョンストンは北軍が分離していることを好機として、フッドの部隊を派遣し、北軍を罠に掛けようと目論みました。
しかしこの罠が閉じる前に、フッドは北軍の別働隊を発見して、包囲を受けないように後退してしまいます。
ジョンストンはがっかりして、フッド、ポークと相談し、アラトゥーナと言う地に陣を敷きます。
しかし、北軍は南軍の防御陣を迂回する方針を貫き、ダラスという村(後にケネディが暗殺されるテキサス州ダラスとは違います)へ向かうことにしました。
ジョンストンも軍勢を率いてダラスへ向かいます。
両軍はダラス近郊のニューホープ教会で激突。
遭遇戦ではありましたが、南軍は一応にわか作りの防壁をこしらえており、北軍の攻撃は跳ね返されました。
シャーマンは南軍の右翼を迂回するべくハワードの部隊を送り出しますが、ハワードの部隊も南軍に捕捉され、「ピケッツ・ミルの戦い」が生起します。
「ニューホープ教会の戦い」「ピケッツ・ミルの戦い」双方とも、にわか作りの防壁でも充分にその目的を達することができるという好例でした。
北軍は南軍に三倍の損害を二つの戦いで出すのです。
北軍は二千四百、南軍はわずかに八百でした。
ジョンストンはこの結果から学んだとは言えなかったかも知れません。
北軍を撃退したジョンストンは、この勢いを駆って北軍に対して攻勢に出たのです。
ダラス郊外での戦いでは、今度は攻撃側の南軍が約千の損害を出し、北軍は四百の損害でそれを撃退したのです。
陣地に対しての攻撃は、それが簡易なものであってもかなりの損害が出ることを、ここ西部戦線でも両軍は思い知りました。
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- 2007/05/08(火) 21:48:31|
- アメリカ南北戦争概略
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オートジャイロという航空機をご存知でしょうか?
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」に登場し、カリオストロ伯爵やルパン本人が使っていたのを思い出される方が多いかもしれませんね。
上部に回転する回転翼を持っているため、一見するとヘリコプターのように見えるオートジャイロですが、上部の回転翼はあくまでも無動力。
エンジンで前か後ろについているプロペラを回し、前進することによっておきた空気の流れが回転翼を回すだけで、通常の飛行機の羽が回転する回転翼に置き換わっただけのものなんです。
(カリオストロの城のオートジャイロは回転翼の先にエンジンを付けて無理やり回転させていましたが・・・)
そのため、回転翼自体が動力で動くヘリコプターとは違い、空中でのホバリングはできません。
しかし、回転翼が回転することで揚力が得られるため、通常の航空機よりははるかに短い距離で離陸することができるうえ、低速性にも優れているため、ヘリコプターが実用化されるまでは各国で利用されることがありました。
大日本帝国陸軍もご多分に漏れず、オートジャイロの有用性に目をつけた軍隊でした。
陸軍では、大砲での砲撃の時、目標との誤差などを確認する着弾観測というものを行ないますが、それには当然着弾する場所が見えなくてはなりません。
地球は球状であるため、遠くを見るには高い位置にいるほうが都合が良く、昔から砲撃観測は丘や山などに観測点を設けて着弾観測をすることが行なわれてきました。
(日露戦争での203高地の激戦も、着弾観測するための観測地が欲しかったため)
しかし、そうそう都合よく戦場の近くに丘や山があるとは限りません。
そのために使われだしたのが気球でした。
気球を使って高い位置に上り、そこから着弾観測を行なったのです。
やがて気球は航空機に取って代わられましたが、航空機は広い飛行場が必要です。
前線近くの手狭な飛行場でも飛ばせるような、滑走距離の短い航空機であれば便利に違いない。
そう考えた陸軍は、オートジャイロを着弾観測用の観測機に使うことにして、カ号観測機を作りました。
全長七メートル、最大幅十メートルほどのオートジャイロカ号観測機は、無風状態でも三十メートルから六十メートルほどのスペースで飛び立つことができ、優秀な短距離離陸性能を見せました。
陸軍はカ号観測機を量産します。
しかし、太平洋戦争が押し迫っていた時期の採用だったため、作られたのはわずかに九十機ほどでした。
しかも、戦場の制空権は奪われていることが多く、カ号観測機が着弾観測できるような状況ではありませんでした。
そのため、カ号観測機は着弾観測という任務には使われず、別の用途に使われます。
対潜哨戒機としての使用でした。
ヘリコプターとは違いますが、それでもごく短い距離で飛び立てるカ号観測機は、陸軍の輸送船や陸軍の空母に搭載して対潜哨戒に当たることになったのです。
実際にカ号観測機が搭載されたかどうかは定かではありませんが、陸上からの対潜哨戒に使われたのは事実で、60キロ対潜爆弾を積んで飛び回ったそうです。
しかし、本格的な対潜哨戒機ではなく、速度も遅いカ号観測機は、対潜哨戒機として使うには不充分だったのは間違いなく、本来の砲兵観測に使われるべきだったのでしょう。
ごく一部の幸運な機体は、フィリピン戦などで、砲兵部隊の着弾観測機としていい仕事をしたようです。
やはり、目的をもって作られた機材を、違う目的に使用するというのは難しいことなんでしょうね。
それではまた。
- 2007/05/07(月) 21:50:48|
- 趣味
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やっと全てのエンディングを見ることができましたー。
長かった。(笑)
前作のアイサイガーはカードバトルが飛ばせなかったんで、結局「魔教戦隊アクサイガー」エンドを見ただけで放置しちゃったんですが、今回は全部埋めましたよー。
ディスカバリー様に質問。
テキストスキップはシフトキーを押しっぱなしでなくても可能なんでしょうかね?
どうも押しっぱなし以外無理っぽかったんで、次作では押していなくてもスキップできると嬉しいです。
まあ、ちゃんとサイト様に書けばいいんでしょうけどね。(笑)
エンドは13ありました。
私好みのエンドもあったので、満足満足。
ただ、悪堕ちというよりエロ堕ちなのがちょっと寂しいです。
以下ネタバレをちょっと
>>
[人妻戦隊アイサイガーPowered]の続きを読む
- 2007/05/06(日) 21:16:52|
- PCゲームその他
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両翼からの揺さぶりは水泡に帰しました。
グラントは新たなる行動を起こすことにします。
グラントは全軍をリーの軍勢の右翼を回り、後背へと向かわせます。
しかし、リーはその行動を察知し、グラントに容易に側面を迂回させようとはしません。
グラントはノース・アンナ川を渡河し、ハノーヴァーの鉄道分岐点へ向かいますが、リーはすでにハノーヴァーに防御陣を敷いておりました。
ハノーヴァー分岐点での戦闘は、北軍が当初有利に展開しているように見えました。
ハンコックとウォーレンの軍団が南軍両翼に回り込むことができそうに見え、包囲が完成すると思わせるものだったのです。
しかし、これはリーの罠でした。
両翼に回り込んだ北軍は、中央で左右に分断され、それぞれが各個撃破の目標となるのです。
ですが、そうはなりませんでした。
グラント自身が危険性を察知して両翼の展開を止めさせたのと、リー自身の健康が優れなかったためです。
リーは戦況に対応して指揮を取ることも出来なかったようで、北軍は危機を脱しました。
結局グラントはリーの陣地への攻撃を取りやめ、再び南へ向かいます。
リーとグラントは互いに牽制しあいながら、双方ともに南下しました。
数日の間、北軍と南軍は小競り合いを繰り返し、コールドハーバーという町に至ります。
リッチモンドとピーターズバーグよりどうにか増援を受け取ったリーは悩みました。
移動中の北軍に対し、先制攻撃を仕掛けたかったのです。
しかし、彼の命をあやまたずに実行する中堅指揮官がいませんでした。
南軍の人材不足がここにきて致命的になってきていたのです。
結局先制攻撃という構想をリーは放棄せざるを得ませんでした。
両軍は塹壕をこしらえてにらみ合いのまま時を過ごすことになりました。
グラントは結局更なる防御の強化がなされないうちに攻撃を仕掛けることにします。
ポトマック軍の兵士たちは覚悟を決めました。
塹壕陣地への攻撃がかなりの損害をともなうものであることを、彼らはわかっていたのです。
1864年6月3日。
北軍兵士の攻撃が始まります。
兵士たちは勇敢でしたが、残念なことに南軍の銃火の前には無力でした。
十字砲火を受けた北軍はばたばたと兵士が倒されていきます。
この突撃は八分間で終わりました。
わずか八分間の戦闘で、北軍は八千の兵を失ったのです。
これは南北戦争史上最悪の突撃でした。
ゲティスバーグの南軍ピケット隊の突撃よりも悲惨だったのです。
グラントは攻撃を中止するしかありませんでした。
グラントは再度リーと距離をとり、今度はヨークタウン半島に軍勢を差し向けます。
ピータースバーグ攻略です。
グラントはスミス少将の一万八千を先発させ、ピーターズバーグに向かわせます。
ピーターズバーグの南軍はかつてマクレランが行なった「半島作戦」の時に作られた塹壕陣地に拠って抵抗しますが、兵力の少なさはいかんともしがたいものでした。
ピーターズバーグ守備の南軍ボーリガールは増援を要請しはしましたが、増援が来るまでは少ない兵力で持ちこたえなくてはなりません。
しかし、北軍の攻撃に抗しきれず、塹壕はあちこちを北軍に寸断されてしまいます。
さらに北軍にはバーンサイド、ハンコック、ウォーレンの各軍団が到着し、総数は七万五千を越えます。
やむを得ずボーリガールはバトラーの軍勢を囲んでいた兵たちを引き揚げました。
ようやくバトラーは自由になったのです。
6月17日から18日にかけて北軍は南軍の防御線に対して攻撃を仕掛けました。
しかし、足並みが揃わないことおびただしい北軍は一部の防御線を占領したに過ぎませんでした。
南軍は防御線を後退させ、北方より駆けつけたリーとA・P・ヒルがピータースバーグ防衛に参加します。
続く19日から22日にかけて北軍は再度攻撃をかけますが、南軍の防備は固く、A・P・ヒルによって追い散らされてしまいました。
以後両軍は再び陣地線に篭もってのにらみ合いとなります。
結局このにらみ合いは翌年まで続くことになりました。
リーとグラントはがっちりと組み合ったまま、戦局の推移を他の地域にゆだねたのです。
戦いの焦点は西部に移りました。
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- 2007/05/05(土) 20:44:46|
- アメリカ南北戦争概略
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先日、2chの異形化スレで以前紹介されていた、掘骨砕三先生の「ひみつの犬神コココちゃん」を手に入れました。
コココちゃんという少女の魔法(?)により、蜘蛛やナメクジといったものと融合して異形となる人たちの話なんですが、正直お話としては単に異形化してのエロというだけのものです。
ですが、蜘蛛女やナメクジ女、コウモリ女や団子虫女などなど異形化した少女たちは魅力的でした。
グロテスクなものとの融合なんですけど、見た目的にグロさを感じさせない気がします。
って、そう思うのは私だけ? (笑)
まあ、この異形化した姿だけで私は充分満足でしたので、異形化好きの人はご覧になってはいかがでしょう。
今日はこれにて。
それではまた。
- 2007/05/04(金) 22:03:01|
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1864年5月5日。
ウィルダネス(樹海)で、グラントの北軍とリーの南軍が戦闘に入った頃、ヨークタウン半島でも、北軍の一軍勢が進撃を開始します。
指揮官はベンジャミン・フランクリン・バトラー少将。
軍人としての指揮能力にはクエスチョンマークのつく人物であったそうですが、それもそのはず。
彼は軍事というものを学んだことがありませんでした。
彼は民主党の有力政治家であり、上院議員という立場であったために、少将という肩書きをもらったに過ぎないのです。
軍人というよりも政治家だった彼は、1862年、ファラガット提督の北軍艦隊による封鎖で陥落したニューオーリンズに執政官として勇躍乗り込んできます。
彼はここで、「ハイエナ」「ケダモノ」などの悪名をとどろかすほどの悪政を敷き、ニューオーリンズ市民より蛇蝎のごとく嫌われたものの、市民より没収した財産をもって財を成しました。
結局12月にニューオーリンズを離れることになりますが、バトラーの悪名は北部でもとどろきました。
しかし、彼は民主党の実力者でした。
リンカーンはむやみに彼を解任することはできませんでした。
グラントもそのことは心得ており、軍事的能力に欠ける彼のために、軍団長は有能なものを配するように手当てしていたのでした。
そのバトラーが、再び自分の出番が来たとばかりに三万の兵力を海軍の支援のもと、リッチモンドの南側のアポマトックス川とジェームス川の合流点近辺に上陸させます。
彼はそのままリッチモンドとピータースバーグを結ぶ鉄道線路を遮断すればよかったのですが、とりあえず彼は防備を固めるべく陣地構築に励みます。
そして、それから鉄道に向かいました。
バトラーの北軍の正面にいたのは、わずか数千の南軍兵士だけでした。
しかし、バトラーは様子見だけだったのか、小競り合いをしただけで引き返します。
さらに、ピータースバーグを攻略するつもりだったものが、町と川を挟んでしまう位置に上陸したために、町を攻撃するにはまた渡河しなくてはならない状況でした。
バトラーは現状を呪うだけ呪った後、ピータースバーグを無視して、一気にリッチモンドへ向かいます。
三万の軍勢であれば、リーがいない今ならリッチモンド攻略も可能だと考えたのかもしれません。
しかし、ピータースバーグや鉄道のあたりでうろうろしているうちに、南軍は防備を固めつつありました。
ボーリガール将軍率いる二万の軍勢が、防衛ラインを引くことに成功していたのです。
5月16日。
ボーリガールとバトラーの両軍は激突。
これは双方ともに四千ほどの損害を出して、北軍優勢に終わりましたが、バトラーはまたも防御陣地まで後退してしまいます。
ボーリガールはこれを追って、バトラーの陣地を囲むように塹壕陣地を構築します。
さほどの抵抗も無くこの陣地が完成してしまうと、バトラーの三万の北軍は陣地に閉じ込められてしまいました。
わずか数千の兵士を張り付かせることで、バトラーの三万を封じ込めた南軍は、ここが最大の捕虜収容所だとうそぶき、事実グラント自らもそれを認めざるを得ないような状況となったのです。
結局、バトラーは後にグラントが救出するまで“捕虜収容所”の中でした。
なすすべなく時が経つのを待つしかなかったのです。
一方その頃、シェナンドー峡谷でも、北軍の一部隊が南軍に痛い目にあっていました。
フランツ・ジーゲル少将率いる八千の軍勢は、シェナンドー峡谷の南軍兵力を排除し、状況が許せばリーの軍勢の背後を脅かすことを目的として出発します。
この時点でシェナンドー峡谷にいた南軍は、インボーデン准将の騎兵とブレッキンリッジ少将の歩兵合わせて四千ほどでした。
彼らはリーより援軍の望み無しといわれていたので、手持ちの兵力だけでジーゲルを迎え撃たねばなりませんでした。
インボーデンの騎兵部隊は、ジーゲルの北軍に繰り返し襲撃をかけて足取りを遅くさせるとともに、ブレッキンリッジはできるだけ兵力をかき集めて北軍を迎え撃つ準備をします。
この時、14歳から18歳の少年士官候補生250名もブレッキンリッジの指揮下に入りました。
ブレッキンリッジはできるだけ北で北軍を迎え撃つべく、ニューマーケットという町の郊外に布陣。
同様に布陣したジーゲルに対して先制攻撃を仕掛けます。
北軍は歩兵を二段構えにして迎え撃ち、南軍の攻撃を受け止めました。
そして突進を止められた南軍を打ち倒し、後退させることに成功します。
ここで追撃を仕掛ければ、勝利は北軍のものでした。
しかし、ジーゲルは躊躇します。
この一瞬が明暗を分けました。
ブレッキンリッジは、できるだけ戦闘に参加させないでおこうと後方に温存していた少年士官候補生250名を含む待機していた部隊を投入します。
「この命令を出したことに、神のお許しを・・・」
ブレッキンリッジがそう言って投入した少年兵たちは、のろのろとやってきた北軍歩兵を追い散らします。
そしてそのまま北軍主力のいる丘に突撃し、これを陥落せしめます。
北軍は後退するしかありませんでした。
結局ジーゲルはシェナンドー峡谷から去ったのです。
ヨークタウン半島とシェナンドー峡谷。
リーに揺さぶりをかけることができるはずの両翼からの攻撃は、あっけなく頓挫してしまいました。
その31へ
- 2007/05/03(木) 20:57:59|
- アメリカ南北戦争概略
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今日はエロゲーの紹介を一つ。
ギルティ(Guilty)様の「淫獄の学園」です。
発売が99年4月と、ずいぶん古い作品なんですが、私にとっては非常に楽しませていただいた作品でした。
ある意味、これが私の根底をなしているといえるかもしれません。
官能小説家綺羅光様の小説を原作とし、ご本人監修の下で作られたゲームだけに完成度は高いのではないでしょうか。
あずき紅様の多少ディフォルメされたナイスバディな女性の原画もいい味を出しています。
わたしはなんと言ってもストーリーに惚れ込みました。
学園長自らが、生徒指導の名の下に女子学生を奴隷調教して行く。
基本はこれだけの話と言ってもいいのですが、ヒロインの少女、その親友の強気な少女、生徒思いの優しい女性教師、この三人がそれぞれの視点で堕ちていく様は非常に楽しませていただきました。
さすがは綺羅先生といったところでしょうか。
始めはヒロインの少女のみ、彼女の攻略が終わると親友ルート、そしてそちらも終わると女教師ルートが開くようになっています。
ゲームとしては選択肢選択型のADVなので、それほど難易度は高くないと思いますが、私は攻略本のお世話になりました。
と、言うより、攻略本に載っていたこのゲームのエンディングタイトルに惹かれてこのゲームを購入したようなものなんですけどね。(笑)
(以下ネタばれありです。ご容赦を)
ルートにもよりますが、調教され、快楽の虜となった少女たちは、学園長の言う「絶対愛」の信望者になってしまいます。
成績優秀なヒロインは学園の生徒会長的存在である「学園の女王」になるのですが、女王を含めた特待生はメス奴隷として学園長に忠誠を誓います。
その時にはアレほど毛嫌いしていた学園長も崇拝の対象となり、セックスも大好きになっているという状態でした。
彼女の親友も同様に学園長の忠実な奴隷になるルートがあります。
彼女の場合はゆりゆりがメインのルートもありました。
で、私が一番惚れ込んだのは、生徒思いの優しい沙奈江先生のルートでした。
学園長とその取り巻きの連中の悪辣なるたくらみを、何とかしようと画策するのですが、残念なことに捕らわれてしまい調教を受ける羽目になってしまいます。
普通はそのまま快楽に溺れ、メス奴隷へとなるルートへいくのでしょうが(無論そのルートは当然あります)、選択肢に「反撃に転じる」というのがあるではありませんか。
状況としては快楽を覚えさせるために、女生徒にゆりゆりされている場面だったので、反撃に転じると言っても女生徒を責める側にまわると言うことなんですが、沙奈江先生はその瞬間責める快楽に捕らわれちゃうんですよね。
そして彼女は自らの手でヒロインの親友を快楽漬けにする手助けをしてしまい・・・
やがて沙奈江先生は学園長の「絶対愛」を自ら教える側になってしまいます。
学園長とその取り巻きも舌を巻くほどの調教師として、学園長のために働くようになってしまうのです。
このエンドはゾクゾク来ましたね。
もう最高の悪堕ちエンドのひとつだと思っています。
これに追いつこうと私はSSを書いているのかもしれません。
99年発売の古い作品で、手に入れても作動させることも困難(OSがWin95/98のため)でしたが、幸いにして先月発行の「メガストア2007年6月号」(コアマガジン社)の付録として掲載されましたので、お手軽に楽しめると思います。
面白かったですよ。
それではまた。
- 2007/05/02(水) 20:08:28|
- PCゲームその他
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