美香の災難最終話です。
例のごとくぶっつりと切ったという感じですので、姉との絡みはありません。
それについては、いずれまた別の機会にでもと思います。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
3、
「ひゃん」
ゲルダの指が私の顎に触れた。
それだけなのに私の躰にはまるで電気が走ったようにびくんと震える。
「んふふ・・・気持ちよくなって来たでしょ?」
「そんなこと・・・ない・・・」
うそだ・・・
気持ちいいよぉ・・・
躰がポカポカする・・・
ふわふわ浮いている感じがすごく気持ちいい・・・
はあん・・・
気持ちいいよぉ・・・
どうにかなっちゃいそうだよぉ・・・
「強がり言っちゃって。そういう娘はお姉さん大好き」
ゲルダの唇が私の口に触れる。
暖かくて柔らかい・・・
とても気持ちいい・・・
舌が口の中に入ってくる。
私の舌を探している。
はあん・・・
「んちゅ・・・んちゅ」
気がつくと私の舌はゲルダの舌に絡んでいた。
どうして?
憎いのに・・・
理生ちゃんを奪った相手なのに・・・
でも・・・
気持ちいいよぉ・・・
「んふふ・・・そろそろ心も躰も蕩けてきたみたいね。それじゃ始めるわよ」
始める?
何を始めるのだろう?
ああ・・・
なんか頭がぼうっとする・・・
何も考えずに、ただこのふわふわの中に漂っていたい。
私の上に被さるようにしたゲルダは、私の躰に息を吹きかけるような仕草をした。
すると、私の服が全て塵になっていく。
あ・・・
恥ずかしい・・・
私は躰を隠そうとした。
でも・・・
すぐに恥ずかしさは消え去った。
それどころか、裸でふわふわ浮いているととても気持ちがいい。
別に・・・いいや。
私は漂うままに身を任せることにする。
ゲルダはやっぱり口からどろっとした液体をたらしてくる。
リオちゃんの上にたらしたような真っ黒な奴じゃない。
リオちゃん?
リオちゃんって・・・誰だったかな・・・
思い出せない・・・
頭がぼうっとして・・・
いいや・・・
そのうち思い出すよね・・・
「んふふ・・・」
どこかで誰かが笑っている・・・
ふわふわして本当に気持ちがいい。
たらされたのは赤茶色の液体。
私の両脚にかけられて、つま先から太ももが赤茶色になっていく。
あ・・・
誰かの指が私の脚を触っている。
はあん・・・
気持ちいいよぉ・・・
つま先をクニクニっていじって、それから踵を引っ張っている。
何をしているのかな?
私はそっと足先を見る。
あれ?
私の足の指が無くなってる?
ピンととがって靴を履いているみたい。
踵も引っ張られてハイヒールみたいになっているよ。
あれ?
私の足・・・
私の足・・・って・・・
最初からそうだったっけ?
思い出せない・・・
思い出せないけど・・・
いいか・・・
「んふふ・・・次は両手よ」
私はその声にすっと両手を前に差し出す。
目の前の人が・・・えーと・・・
「気にすることはないわ。何も考えなくていいのよ。ただ気持ちよくなっていればいいの」
「はい」
私はうなずいた。
だって、考えるのはめんどくさいし、気持ちいいんだもん。
私の両腕には、やっぱり赤茶けた液体がたらされて、グニグニといじられていく。
うふふ・・・
粘土細工みたい。
私の腕グニャグニャになっちゃうよ。
でもちっとも痛くないし、むしろ気持ちいいよ。
「んふふ・・・お姉さん上手でしょ? 粘土細工は得意なの」
そうなんだ・・・
それじゃ私は安心だね。
すごく気持ちいいよ。
私の両手は二の腕から先が赤茶色に染まり、指先には鋭い爪が作られる。
ガントレットとか言う硬い手袋を嵌めたような私の腕。
何でも引き裂けそうな爪。
鋭くてかっこいい。
「ひゃ」
思わず私の口から声が漏れちゃった。
だってひんやりした液が私のお腹にかけられたんだもん。
あはあ・・・
私は感じるままに息を吐き、続いて訪れる快感を待つ。
指が、手のひらが、液体を私の体に塗り広げ、そして形を変えていく。
私のお腹と胸は赤茶色の硬いコルセットのような外骨格に覆われる。
股間もお尻もしっかりと覆って脆弱な部分を無くしていく。
あはは・・・
私の躰・・・カチカチになっちゃったよ。
「んふふ・・・さてさてお楽しみの部分にかかりますよー」
あはは・・・
とっても楽しそう。
私は液体をかけられるのを待つ。
えっ?
私はくるんと裏返しにされた。
上も下も右も左もないようなところに浮いているのだから、別に気にはならないんだけど、どうするつもりなんだろう・・・
あん・・・
お尻にとろっとしたものがたらされる。
硬くなっているお尻だけど、感触を感じることはまったく変わらない。
すごいことだわ。
指と手のひらがくにくにと私のお尻をこね回す。
ああん・・・
気持ちいいよぉ・・・
だんだんお尻が引き伸ばされているんだわ。
どうなるんだろう・・・
見たいなぁ・・・
でもその願いはすぐに叶った。
私のお尻からは太い赤茶色の塊が伸びていく。
それは私の躰の前側にも届く長さになり、クニクニといじられながら形を整えていく。
そして、先端に作られたこぶのような塊が、先がとがった二つの塊に分けられる。
ああ・・・そうか・・・
これはハサミ。
カニみたいな大きなハサミなんだ。
うふふ・・・
「キャッ、こら! まだ動かさないの!」
えへへ・・・怒られちゃった。
でも、動かしてみたいよね。
だからちょっとだけ動かしてみたの。
ちゃんとカシカシと動くよ。
なんでも挟んじゃいそうだよ。
私は大きなハサミになったお尻がすぐに好きになっていた。
「あとは頭ね」
私の頭に赤茶色の液体がかけられる。
目をつぶって身を任している私の頭を、クニクニとこねていく彼女の指。
髪の毛が硬く固まってヘルメットのような外骨格となっていく。
私が目を開けたときには、私の躰は作り変えられてしまっていた。
「かんせーい! うんうん、こんなものかな」
目の前の女性は腰に手を当てて私を上から下まで眺めている。
「あ、心配しなくていいわよ。ちょっとした目的があるから顔はそのままにしたし、人間っぽい部分もあちこちあるけど、柔らかさはともかく強靭さは他の部分以上だから、ちょっとやそっとじゃ傷付かないわよ」
そうなんだ・・・
ちょっと安心。
「それじゃ最後の仕上げね」
え?
完成じゃ・・・?
「わぷっ」
私の口はまたしても彼女の唇にふさがれる。
とろとろと流し込まれる液体を、私は舌を絡めながらむさぼるように飲み込んだ。
ああ・・・
躰に何か真っ黒いものが染み渡っていく・・・
素敵・・・
私は・・・
私は生まれ変わるんだ・・・
「んふふ・・・気分はどうかしら? モンスターアニソラヴィス」
「はい、最高の気分です。ゲルダ様」
私はあらためて自分の姿を見下ろした。
赤茶けた外骨格に覆われた私の躰。
お尻から伸びたハサミはハサミムシの名に相応しく鋭く強力。
鋼鉄の柱だってへし折ってやれるわ。
ああ、早く暴れたい。
フューラーとゲルダ様の御為に人間どもを根絶やしにするのよ。
あははは・・・
笑いが止まらないわ。
「うふふ・・・暴れたくてたまらないって顔ね」
「はい、ゲルダ様。はやく・・・その・・・ご命令を」
私はわくわくしながら命令を待つ。
「うふふ・・・いい娘ね。でも油断しちゃだめよ。MEチームがあなたを倒しに来るわ。もっとも・・・そのときが楽しみなんだけど・・・うふふ」
「あ、MEチーム・・・MEチームは敵です。お任せ下さいゲルダ様。私・・・私必ずMEチームを葬り去ってご覧に入れますから」
私は爪で引き裂くように宙を裂く。
MEチーム。
お前たちに私の爪とハサミの味を味あわせてやるんだから。
待っていなさい!
私はMEチームとの戦いに心を躍らせた。
- 2007/04/27(金) 20:15:11|
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