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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

蛇足

先日掲載いたしました短編SS「サボテンバット」に登場しました女怪人サボテンバットのイラストを、いつもお世話になっておりますg-thanさんが描きあげてくださいました。

いつものごとく見事なデザインで、素晴らしいものでしたので、ここに掲載させていただきます。

g-thanさん、いつもありがとうございます。


サボテンバット



さて、あくまで蛇足なんですが、先日のサボテンバットで最後にただサボテンにされてしまった娘の鮎美ちゃんを、彼女も改造してほしいというご意見がございましたので、エンドBという感じで書いてみました。

よろしければこういうエンドもあると言うことで、楽しんでいただければと思います。


サボテンバット・エンドB

「サボテンバットよ。心からゲルショッカーに忠誠を誓うお前に会わせたい人物がいる」
ブラック将軍のムチがアジトの出入り口をさす。
「会わせたい人物?」
「そうだ。連れて来い!」
ムチが振り下ろされると出入り口が開き、戦闘員に両腕を掴まれた少女が入ってきた。
「いやぁっ! 離してぇ!」
「鮎美?」
入ってきたのは彼女の娘の鮎美だった。
両手を掴まれた鮎美は恐怖に打ち震えていた。
「クックック・・・そうだ、お前の娘だ。会いたかっただろう」
「キキィ。はい。会いたかったですわ」
サボテンバットが前に進み出る。
「キャァー! 化け物ぉ!」
だが、鮎美はサボテンバットの姿に悲鳴を上げる。
久し振りに会った娘に近づいたサボテンバットは悲しかった。
ああ・・・
鮎美・・・どうして怖がるの?
この姿は素晴らしいと思わないの?
ゲルショッカーによって私は最高の躰をいただいたのよ・・・
それがわからないの?
サボテンバットはあまりのことに立ち尽くしてしまっていた。

「娘よ。お前の母親は我がゲルショッカーによって改造手術を受けたのだ。この姿を見よ。美しい最高の姿ではないか」
ブラック将軍が恐怖に顔をそむけた鮎美の顎を乗馬ムチで向き直らせる。
「えっ?」
鮎美はその言葉に驚いた。
改造?
お母さんが・・・?
この化け物が・・・お母さんなの?
「い、いやぁっ!」
鮎美は再び顔をそむける。
そんなバカな。
お母さんがこんな姿のはずが無い。
この化け物がお母さんだなんて嘘だ。
「嘘、嘘よ」
「嘘ではない。お前の母親は我がゲルショッカーのサボテンバットに生まれ変わったのだ。そうだな? サボテンバットよ」
「キキィ、その通りですわブラック将軍。私、咲田景子はゲルショッカーによってサボテンバットへ生まれ変わりました。鮎美、何も怖がることはないわ」
サボテンバットが両手を広げて敵意の無いことを示す。
鮎美がいまだ人間であることは悲しいことではあるが、抱きしめてあげれば鮎美はすぐに彼女の手で素敵なサボテンに変えてあげられるだろう。
「いやぁっ! そんな・・・ひどいよぉ」
あまりのことに鮎美は泣き出してしまう。
お母さんが・・・
お母さんが化け物になっちゃった・・・
ひどいよぉ・・・
がっくりとうなだれる鮎美。
すすり泣く声だけが室内に響く。

「娘よ、そんなに悲しむことは無い」
ブラック将軍がいやらしい笑みを浮かべる。
「母親と一緒に暮らしてきたお前は、やはりサボテンのエキスを多少沁み込ませている。人類総サボテン化計画を推進するためにも、お前も母親と同じく我がゲルショッカーの改造を受けるのだ」
「えっ?」
鮎美が驚いて顔を上げる。
改造?
私を改造?
愕然とする鮎美。
「ブラック将軍、それでは鮎美も?」
「うむ、サボテンバットジュニアへと改造するのだ」
ブラック将軍はそう言うと顎をしゃくり、戦闘員たちがすぐさま鮎美を手術台に固定する。
「キャァー!」
鮎美の叫びを耳にしながらも、サボテンバットは鮎美のそばに足を進める。
「サボテンバットジュニア・・・ああ、なんて素晴らしいのかしら。うふふ・・・鮎美、あなたもこれからゲルショッカーの改造人間になるのよ」
鮎美に語りかけるサボテンバット。
もはや彼女に鮎美の悲鳴は耳に入らない。
ああ・・・鮎美も改造されるんだわ。
なんて素晴らしいのかしら。
鮎美もすぐに改造されたことを喜ぶようになるわね。
うふふ・・・
サボテンバットは喜びに打ち震えた。

「イヤァッ! 助けてぇ!」
鮎美の悲鳴が部屋中に響く。
しかし、手術台に固定された手足はまったく動かない。
「ギィ、手術準備完了しました」
技術戦闘員が腕をクロスして報告する。
「よし、改造を始めろ」
ブラック将軍のムチが振り下ろされ、スイッチが入れられる。
「いやぁぁぁぁぁ」
鮎美の腕につきたてられたチューブに液体が流れ込み、鮎美の躰に沁み込んで行く。
「サボテンバットよ。この娘の体内にはサボテンのエキスが不足している。お前のエキスを注ぎ込むのだ」
「キキィ、かしこまりました、ブラック将軍」
サボテンバットは嬉しそうにうなずくと、鮎美の首筋に左手を這わす。
そしておもむろにとげを突き刺し、エキスを流し込み始めた。
「あぐぅぅぅぅ」
全身を覆う激痛とともに鮎美の姿が変わり始め、徐々に景子と同じくサボテンの表皮とコウモリの剛毛に覆われて行く。
両手は鋭い爪となり、両脚は靴を履いたような形に変容する。
やがて気を失った鮎美の姿は、母親である景子と同じサボテンバットに変容していた。
「ふふふ・・・可愛いわ、鮎美。いいえ、あなたはもう鮎美という名ではなくなったのよ。あなたはサボテンバットジュニア。わがゲルショッカーの改造人間になったの。これからは一緒にゲルショッカーのために働きましょうね」
生まれ変わったわが子を愛しむように、サボテンバットは手術台に寝かされたサボテンバットジュニアの頭をゆっくりと撫でる。

「目覚めるのだ、サボテンバットジュニア」
ブラック将軍の命令にゆっくりと目を開ける鮎美。
母親の心をゆがめた改造された肉体は、幼い少女の心をもあっという間にゆがめてしまう。
ほんのわずかの間に鮎美は改造された肉体に喜びを感じてしまった。
そして、鮎美という人間であることを捨て、サボテンバットジュニアであることを選んだのだ。
手術台から降りたサボテンバットジュニアは、すぐにブラック将軍の前に立つ。
「キキィ、私はゲルショッカーの改造人間サボテンバットジュニア。ブラック将軍。何なりとご命令を」
「クックック・・・これよりお前はサボテンバットとともに人類総サボテン化計画を実行するのだ」
「キキィ、お任せ下さいませ」
冷たい笑みを浮かべるサボテンバットジュニア。
もはや鮎美の持っていた愛らしさは微塵も無い。
「キキィ、さあ、行きましょうサボテンバットジュニア。人間どもをサボテンにするのよ」
「キキィ、はい、サボテンバット。私もお手伝いいたします」
二人の女怪人は、そう言って誇らしげにアジトを後にした。
  1. 2007/02/24(土) 22:05:13|
  2. 怪人化・機械化系SS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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