今年最後の更新はホーリードールをお送りします。
自分の中で話を上手く組み立てられなくて、しばらく間を空けてしまいました。
再構成して上手くまとめていきたいと思います。
よろしければお付き合い下さいませ。
17、
「は、はふぅ・・・ひぁぁ・・・」
恐怖と屈辱と官能の混じった声が漏れる。
上にのしかかっているのは化け物。
飛び出した目をギョロつかせ、彼女の両手を床に押さえつけているのだ。
目が覚めたときには何が起こっているのかわからなかった。
美しい肢体を黒い皮膜に包んだ女。
そして、彼女の脇で立っていた気味の悪い化け物。
全身が緑色のうろこで覆われ、お尻からは長い尻尾が伸びていた。
腰の括れや胸の膨らみが女らしさを醸し出しているが、それがまさかいつも小言を言ってくるオーナーであるとは思いもしない。
「ゲ・・・ゲゲ・・・」
気がついたときには彼女はその化け物にのしかかられてしまっていた。
「い、いやーっ!!」
彼女は声を限りに叫ぶ。
化け物は彼女の両手を押さえつけ、涎をたらしながら長い舌を伸ばしていた。
「ひ、ひあっ・・・」
化け物の舌が彼女の顔を舐めていく。
べっとりとした唾液が気持ち悪い。
「あ、あああ・・・」
じわっと下腹部に温かいものが広がって行く。
あまりの恐怖に声も出ない。
「お、お願い・・・助けて・・・」
一縷の望みをかけて彼女はレディアルファに助けを請う。
「うふふ・・・残念ねぇ。カメレオンビースト、存分に楽しみなさい」
冷たい笑みを浮かべたレディアルファはあっさりと言い放つ。
それは彼女にとっては死刑を言い渡されたごとくに聞こえたのだった。
「ああ・・・はふぅ・・・」
切ない吐息が混じる。
カメレオンビーストの長い舌は襟元から中に入り込み、両手を押さえられた彼女の胸をグニグニと愛撫しているのだ。
「ど・・・どうして・・・あ・・・」
舌は器用に動き、彼女の胸を柔らかく刺激する。
その刺激は彼女の中に官能の火をつけ、ピンと立った乳首がブラジャーを押し上げていた。
「うふふふ・・・どうやらカメレオンビーストはあなたと楽しみたいようね。光栄に思いなさい」
そんな・・・
お願い・・・助けて・・・
「ゲゲ・・・ゲ・・・」
カメレオンビーストの舌はそのままおなかの上を滑り降りて行く。
「ヒッ」
これから何が起こるか・・・そのことに思い至った時、彼女は真っ青に青ざめた。
ニュル・・・
ショーツのゴムを持ち上げるようにして中へ滑り込む。
「ひああ・・・」
ぬめぬめした触手のようなビーストの舌が彼女の秘裂を探り当て、優しく撫でるようにひだを愛撫する。
「はうあ・・・」
躰がびくんと跳ね上がる。
漏らしてべちゃべちゃになったショーツが今度は唾液で濡れていく。
「いや・・・だ・・・」
涙が流れてくる。
こんな化け物に舌で犯され、感じ始めていることが悔しかった。
ツプ・・・
秘裂をかき分けるようにして舌がもぐりこんでくる。
ぬめるような生暖かい舌が下腹部を刺激する。
「ああ・・・」
どうして?
どうして気持ちよくなっちゃうの?
信じられない・・・
私の躰はどうしちゃったの?
「ふうーん・・・カメレオンビーストってば、そこが好きなんだ。おいしそうに舐めてるじゃない」
薄笑いを浮かべながらレディアルファが眺めている。
「ゲゲ・・・」
ギョロギョロとあちこちに目をやりながら嬉しそうにするカメレオンビースト。
その舌が小刻みに動いていき、組し抱いた女性に快楽を与えて行く。
「ああ・・・あ・・・い・・・いい・・・」
躰を駆け巡る快楽に、彼女の心はもろくも砕ける。
「ああ・・・いい・・・いいのぉ・・・」
彼女の腰が浮き、より深く舌を入れてもらおうと躰が開く。
べちゃべちゃと水音が聞こえてくるような激しい濡れ方に、彼女は今までにない快感を感じていた。
「あ・・・ああ・・・い・・・イ・・・く・・・」
躰が震え、頭が真っ白になる。
何も考えられない。
彼女は宙を飛ぶような感覚に浸りながら、ただなすがままになっていた。
今日の給食はチンジャオロースとフルーツ白玉。
目の前に置かれた給食のメニューを前に、紗希の頬は緩みっぱなしだった。
「いっただっきまーす!」
一日で一番楽しみの時間の一つだろう。
紗希は楽しそうに微笑みながら、給食を口に運んで行く。
その様子は明日美にとってはすごく気持ちのいいものだ。
「うーん、美味しーい」
紗希の弾んだ声が響く。
「美味しいですわね。紗希ちゃん」
明日美も美味しい給食に幸せな気持ちになる。
「あれ?」
箸を口に咥えたまま、紗希がふと雪菜の方を向く。
雪菜は美味しい給食だというのに口をつけていなかったのだ。
「雪菜ちゃん、どうしたの? あ、もしかしてほっぺについてる?」
「雪菜ちゃん?」
明日美もその様子に気が付いた。
いつも楽しそうに食事をする雪菜が、今日に限ってただ箸でつついているだけなのだ。
しかも紗希の顔をじっと見ている。
「え? あ、なんでもないよ」
黙って紗希を見ていた雪菜ははっとしたように給食を食べ始める。
「うん、美味しいねー」
いつもどおりの雪菜の笑顔。
その笑顔に紗希も明日美もホッとする。
そうして楽しい給食の時間はあっという間に過ぎて行く。
紗希も明日美も、雪菜の表情に隠されたものをうかがい知ることはできなかった。
「いらっしゃいませ」
入ってきた若い女性たちに対して、ブティックの店員は妖しい笑みを浮かべる。
その目には黒いアイシャドウが引かれ、口紅もどす黒いものをつけている。
ブティックの店員とは思えない化粧かもしれない。
入ってきたのは近くの会社に勤めるOLらしい。
たまに来てくれるお得意様だ。
ならば・・・
店員の口元が笑いに歪む。
「こんにちは、お客様」
「こんにちは。今日は店長はいらっしゃらないの?」
二人の女性がにこやかに店内を見回す。
色とりどりの洋服が並び、彼女たちの心を浮き立たせる。
「うふふ・・・今日はお客様に店長からプレゼントしていただきますわ」
「えっ? 何かあるんですか?」
二人が顔を見合わせる。
別にセール中ともバーゲンとも張り出してはいない。
店長のプレゼントとは一体?
「うふふふ・・・こういうことですわ」
店員の笑いが不気味に響く。
二人は異様なものを感じ、店を出ようと思ったが、それはかなわなかった。
「ゲゲ・・・ゲ・・・イラッシャイ・・・マセ」
いきなり彼女たちの背後から声が響く。
「ひっ?」
振り向いた彼女たちの目には何も見えない。
だが、何も無い空間に徐々に緑色のうろこに覆われた人影が現れてくる。
「ヒイッ!」
「キャァーッ!」
彼女たちは悲鳴を上げる。
「うふふふ・・・あなたたちの主となられるカメレオンビースト様よ。おとなしくその身をゆだねなさい」
店員の妖しい微笑みが彼女たちを絶望のふちに追い込んだ。
- 2006/12/31(日) 19:14:53|
- ホーリードール
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今年もまた一年が終了します。
いつも思うことですが、長いようで短い一年でした。
光陰矢のごとし。
月日の経つのは本当に早いですね。
今年も皆様にただならぬご支持をいただき、ここまでくることができました。
ブログも引越ししたにもかかわらず、変わらないご愛顧をいただきました。
本当にありがとうございました。m(__)m
このブログも間もなく一年半。
来年の七月には丸二年を迎えます。
来年もできる限り更新を続け、好きなSSを書いて行きたいと思っております。
来年もどうかよろしくお願いいたします。
それではまた今夜。
皆様よいお年をお迎え下さいませ。
- 2006/12/31(日) 09:41:31|
- 日常
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