大英帝国の首都、霧の都ロンドン。
1837年から1901年まで。
19世紀後半からまさに20世紀の変わり目まで。
英国はヴィクトリア女王の統治下にありました。
日本で言えば大塩平八郎の乱から日露戦争直前まで。
幕末から日清戦争あたりはすっぽりと収まってしまいます。
いわゆるヴィクトリア朝時代ですが、大体は1850年代以後を俗にヴィクトリアンと呼ぶようですね。
このヴィクトリア朝時代と言って思い浮かべるのはなんでしょうか?
さまざまあると思いますが、かなりの人の脳裏に浮かぶのは、かのシャーロック・ホームズ氏のいた時代と言うものでは無いでしょうか。
もちろん、シャーロック・ホームズ氏は架空の人物ですが、ヴィクトリア時代とは切っても切り離せない人物でしょう。
ほかにもジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)や、メイドマンガ「エマ」、さらには「スチームボーイ」なんかもあの時代を描いていますね。
そういった映像や書物などには、当時の人々の生活が映し出されていますが、当時の生活などを調べて行くと、いろいろと面白いものですね。
例えばアイロン。
当時は電気式はまだまだ普及しておらず、火にかざして熱したり、中に炭や石炭を入れるタイプが主流だったようです。
もちろん衣服のしわを伸ばすのが本来の用途ですが、上流家庭ではもう一つ違う用途があったとのこと。
それは毎朝配られる新聞の乾ききっていないインクを乾かし、ぱりっとしわの無い新聞を主人に見せるために使われたんだそうです。
驚きですよねー。
また、英国はお茶を嗜む国として知られていますが、かつてはコーヒーも飲まれていたんだそうですね。
それがお茶に切り替わったのは、価格的な面もありますが、何より当時の英国ではコーヒーには混ぜ物(チコリの根やどんぐりを炒ったものなど、戦時中日本でも代用コーヒーとして使われた)を入れて売るのが当たり前だったために、コーヒーは不味いというのが定着してしまったんだそうです。
そのため英国ではコーヒーは廃れ、お茶が好まれるようになったとか。
シャーロック・ホームズも麻薬を嗜んでいたと記憶しておりますが、当時の英国ではアヘンは一種の万能薬として使われていたんですね。
(ホームズはコカインやモルヒネを使っていたはずですが)
むずがる赤ちゃんにアヘンチンキを一滴飲ませておとなしくさせるのはベビーシッターの間では当たり前で、睡眠薬や鎮痛剤としてアヘンはごく一般的に使われていたと言うことです。
もちろん事故も多く、アヘンでの中毒死は毎年かなりの数が出ていたようですが、20世紀に入るまで禁止薬物に指定されることはなかったということです。
ほかにもいろいろとあるのですが、今日はこのぐらいで。
それではまた。
- 2006/12/05(火) 22:50:42|
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