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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

マジックヒューズ

昭和16年12月に始まった太平洋戦争も、昭和17年6月のミッドウェー海戦において赤城以下の空母を四隻も失うという事態に至り主導権を失います。

日本は必死に空母戦力の拡充を図り、米軍との格差が開く中、昭和19年6月のマリアナ沖海戦では空母九隻(改造された軽空母含む)、搭載機約450機という戦力を揃えました。

この一大戦力を持って米軍と決戦し、米軍に痛打を与えた上で講和の道を探る。
それこそが大日本帝国に残された最後のチャンスと思われました。

昭和19年6月19日。
幸運にも恵まれた日本艦隊は米軍機動部隊を先に補足。
航続距離の長い艦載機を持つ日本軍は米軍の航続距離の外から攻撃するというアウトレンジ戦法で有利に戦況を運べるはずでした。

しかし・・・
旗艦空母大鳳の艦橋には待てど暮らせど敵艦隊撃滅の報告は入りませんでした。

日本軍艦載機は壊滅していたのです。

レーダーと迎撃機による防衛ライン。
そして何より米軍の新兵器VT信管(マジックヒューズ)により、日本軍の航空機はばたばたと落とされてしまったのです。

VT信管。
ヴァリアブルタイムヒューズ、つまり可変時限信管のことです。
より正確には近接作動信管といわれるものでした。

これは撃ち出された砲弾自体が周囲に電波を発するもので、その電波が航空機などの存在によってかき乱されると爆発するというものでした。

もともとの理論はイギリスによって開発されたものでしたが、砲弾の開発は主に米国が担当。
1942年(昭和17年)には実験が成功していました。

その実験の結果はきわめて良好で、米英軍はVT信管に満足したものの、今度は別の不安が持ち上がりました。

技術大国ドイツが、この信管を不発弾などから手に入れた場合、彼らは簡単にコピーしてしまうだろうということだったのです。

おりしも米英軍はドイツ本土へのB-17などによる爆撃を行なっているところでした。
その状態でVT信管がドイツ軍の手に渡ったとすると、米英軍の爆撃機隊は短時日のうちに壊滅すると思われたのです。

米英軍はこのVT信管を極秘にし、海軍が海上で使う場合にのみ許可されたということでした。

しかし、ドイツはV-1飛行爆弾を英国に向けて撃ち出してきます。
米英軍はこのV-1の迎撃についにVT信管を使いました。

そして太平洋でも同じ頃日本軍艦載機に向かって火を噴いたのです。

威力は絶大であり、日本軍は出撃した艦載機のほぼ全部と行っていいほどの被害を受けました。
ヨーロッパでもV-1はかなり撃墜されたようです。

ヨーロッパでの戦闘にほぼ目処がついた1944年12月。
バルジの戦いにおいて、VT信管は地上目標に対しても使われました。
不発弾をドイツが持ち帰っても、もはや戦争には間に合わないだろうとみなされたのです。

塹壕やタコツボの真上で炸裂するVT信管付きの榴弾は、ドイツ兵のただでさえ低い士気をさらに下げました。
もはやドイツ軍は戦えませんでした。

VT信管はアメリカの技術力の勝利の一つといえるでしょう。
一つの目標に向かって頭脳を結集する米国と陸海軍が技術者の取り合いをする日本。
どちらが勝利者かは言うまでもありません。

それではまた。
  1. 2006/11/14(火) 21:30:05|
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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